JP2004255635A - 透明積層フィルム、反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置 - Google Patents

透明積層フィルム、反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光における透過性が高く、外光反射を十分に低減した反射防止機能を備え、且つ紫外線照射による反射防止膜の屈折率変化や膜質劣化の少ない透明積層フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルムからなる基材上に透明な金属酸化物膜を有する構造であり、該金属酸化物膜は紫外光線吸収能を保有し、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmであり、金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜であることが望ましい。上記の金属酸化物膜は、消衰係数、屈折率、膜厚が上記の範囲に調整され、特にプラズマCVD法により形成された薄膜として、該薄膜の価電子バンドと伝導バンドのバンドギャップが紫外線を吸収し、結果として該薄膜を含む透明積層フィルムに対する紫外線照射量を減少させ、上記課題を解決できた。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ、CRT(陰極線管)ディスプレイ、もしくはプラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のディスプレイの前面に設ける反射防止フィルム等の光学部品に使用できる透明積層フィルム、これを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのコンピューター、ワープロ、テレビ、表示板に使用される各種ディスプレイや、計器等の表示体、バックミラー、ゴーグル、窓ガラスなどには、ガラスやプラスティックなどの可視光域で透明な基板が使用されている。そして、それらの可視光域で透明な基材を通して、文字や図形その他の情報を読み取るため、可視光域で透明な基材の表面で光が反射すると、それらの情報が読み取り難くなるという欠点がある。
【0003】
そこで、ディスプレイの前面に、基材に反射防止機能を付与することが行なわれる。例えば、透明基材に直接、真空成膜法により酸化ケイ素(以下、「シリカ」とする場合がある。)、酸化ジルコニウム、酸化チタン、フッ化マグネシウムなどの無機化合物からなる反射防止膜を形成する方法がある。真空成膜法は、真空環境下で基材の表面に対して成膜を行なうものである。真空環境下では、一般の大気環境下に比べて、雰囲気ガスの成分が著しく制限されるため、不純物の少ない良質な膜を形成することができる。たとえば、真空チャンバ内を排気しながら、特定の成膜処理用ガスを所定量だけ導入した場合、真空チャンバ内の雰囲気には、理論的には当該成膜処理用ガスが所定量だけ含まれることになるので、最適な条件での成膜処理が可能になる。
【0004】
具体的な真空成膜の方法としては、真空蒸着、スパッタリング、CVD、イオンプレーティング、プラズマ放電、グロー放電、電子線照射、紫外線照射、材料噴霧など種々の方法が知られている。また、成膜対象となる基材としては、金属板、ガラス板、金属フィルム、プラスティックフィルム、紙など多岐に渡っており、既に成膜が完了した基材に対して、更に上層の成膜を形成する処理を繰り返して行ない、多層構造を得る工程が行われることも少なくない。真空成膜法では、成膜対象となる基材を真空チャンバ内に収容し、チャンバ内を排気して一定の真空度に維持した状態で所定の成膜方法を実行することになる。必要に応じて、チャンバ内には成膜処理用ガスが導入される。
しかし、上記の真空成膜法を行なう場合、使用できる基材に対し、耐溶剤性、耐熱性等の限定された条件がある。
【0005】
従来、光の反射防止技術には、ガラスやプラスティック表面に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス等の透明基板の表面にMgF等の極薄膜や金属蒸着膜を設ける方法、プラスティックレンズ等のプラスティック表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、その上に蒸着によりSiOやMgFの膜を形成する方法、電離放射線硬化型樹脂の硬化型膜上に低屈折率の塗膜を形成する方法等があった。
また、プラスティックフィルム上に、屈折率が2.0以上2.9以下(λ=550nm)の少なくとも一層の酸化チタン層と該酸化チタン層の上にシリカ膜を積層した反射防止フィルムにおいて、酸化チタン層、シリカ膜をプラズマCVD法により形成することが知られている。(特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開2000−336196号公報
【0007】
上記の従来の反射防止技術では、紫外線(UV)照射に対する耐久性に欠如し、例えば、特許文献1では反射防止性能の優れた反射防止フィルムが得られるが、屋外用途等でUV照射されると、そのシリカ層の酸化が進み、膜劣化が生じ、屈折率が低下し、反射防止性が悪化するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、可視光における透過性が高く、外光反射を十分に低減した反射防止機能を備え、且つ紫外線照射による反射防止膜の屈折率変化や膜質劣化の少ない透明積層フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、本発明の透明積層フィルムは請求項1として、プラスティックフィルムからなる基材上に可視光域で透明な金属酸化物膜を有する構造であり、該金属酸化物膜は屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmであり、且つ金属酸化物膜は紫外光線吸収能を保有することを特徴とする。
請求項2として、請求項1に記載の金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜であることを特徴とする。
請求項3として、前記基材上に、屈折率が1.6〜1.9(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜150nmである中屈折率層、請求項1または2に示した金属酸化物膜、屈折率が1.3〜1.6(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである酸化シリコン層の順に積層したことを特徴とする。
【0010】
請求項4として、前記基材上に、請求項1または2に示した金属酸化物膜、屈折率が1.9〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである高屈折率層、屈折率が1.3〜1.6(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである酸化シリコン層の順に積層したことを特徴とする。
請求項5として、前記基材上に、請求項1または2に示した金属酸化物膜、屈折率が1.3〜1.6(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである酸化シリコン層をこの順に積層した、或いは基材上に上記金属酸化物膜、酸化シリコン層をこの順に繰返し2回積層した、すなわち金属酸化物膜、酸化シリコン層、金属酸化物膜、酸化シリコン層をこの順に積層したことを特徴とする。
請求項6として、請求項1〜5のいずれか一つに記載の基材と、該基材上に設けた層、すなわち透明積層膜との間にハードコート層が形成されていることを特徴とする。
請求項7として、請求項1〜6のいずれか一つに記載の透明積層フィルムの透明積層膜の最表面に防汚層が形成されていることを特徴とする。
請求項8として、請求項1〜7のいずれか一つに記載の基材が一軸または二軸延伸ポリエステルフィルム、或いはトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする。
【0011】
本発明の反射防止フィルムは、請求項9として請求項1〜8のいずれか一つに記載の透明積層フィルムが反射防止機能を有することを特徴とするものである。また、本発明の偏光板は、請求項10として、請求項1〜8のいずれか一つに記載の透明積層フィルムが、偏光素子にラミネートされていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、請求項11として、請求項10に記載の偏光板が液晶表示装置の構成要素として用いられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルムからなる基材上に可視光域で透明な金属酸化物膜を有する構造であり、該金属酸化物膜は紫外光線吸収能を保有し、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである。また、金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜であることが望ましい。
上記の金属酸化物膜は、消衰係数、屈折率、膜厚が上記の範囲に調整され、特にプラズマCVD法により形成された薄膜として、該薄膜の価電子バンドと伝導バンドのバンドギャップが紫外線を吸収し、結果として該薄膜を含む透明積層フィルムに対する紫外線照射量を減少させ、基材とその上に設けた層である透明積層膜との紫外線照射による剥離を防止し、膜質変化が小さく、可視光透過性が高く、外光反射を十分に低減した反射防止機能を備えた透明積層フィルムが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルムからなる基材上に可視光域で透明な金属酸化物膜を有する構造であり、該金属酸化物膜が以下に示すものである。
金属酸化物膜は紫外光線吸収能を保有し、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmとなるものであり、該金属酸化物膜は消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜であることが好ましく、より紫外光線吸収能に優れたものとなる。
【0014】
以下、本発明の透明積層フィルムについて図面を参照して具体的に説明する。図3は、本発明の透明積層フィルムの一例を示すものである。この例に示される透明積層フィルムは、プラスティックフィルム基材20としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、このPETフィルム基材20上にハードコート層24、中屈折率層23、高屈折率層22、低屈折率層21を順次積層されてなるものである。
【0015】
低屈折率層21の形成位置は、特に限定されるものでなく、高屈折率層22の上層に形成されていても下層に形成されていてもよいが、最外層にシリカ薄膜等の低屈折率層21が形成されるような層構成とすることが好ましい。低屈折率層21は高屈折率層22と比べ屈折率が低く、反射率も小さいことから、反射防止フィルムの最外層として用いた場合に、反射防止効果が大きいからである。また、低屈折率層としてシリカ薄膜を用いた場合、、比較的その表面エネルギーが小さいため防汚性、撥水性を備えている。従って、反射防止フィルムに防汚性、撥水性をも付与することができるからである。
図3に示す透明積層フィルムにおいて、中屈折率層と高屈折率層のいずれか一方、あるいは両方に本発明で規定する紫外光線吸収能を保有し、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜が好ましく、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである金属酸化物膜を適用することができる。
【0016】
本発明の透明積層フィルムにおいては、基材上に高屈折率層、低屈折率層を順次積層した2層からなる反射防止膜を設けたり、上記の図3に示す例のように、中屈折率層23、高屈折率層22、低屈折率層21の積層で、各々1層ずつ形成された、3層からなる反射防止膜のものであってもよいが、例えば、図4に示すような高屈折率層22と低屈折率層21のシリカ薄膜とが各々2層ずつ、つまり基材20/高屈折率層22/低屈折率層21/高屈折率層22/低屈折率層21の構成のように、プラスティックフィルム基材20上に複数層ずつ形成されたものであってもよい。このような構成とすることにより、反射防止効果が向上するからである。尚、図4に示す構成の透明積層フィルムにおいては、高屈折率層22に本発明で規定する紫外光線吸収能を保有し、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜が好ましく、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである金属酸化物膜を適用することができる。
【0017】
本発明における反射防止フィルムは、プラスティックフィルム上の基材上に、真空成膜法により少なくとも2層以上の構成で形成される。この2層以上の透明積層膜、つまり反射防止膜は、各層の光学特性がそれぞれ異なるもので、各層の光学特性(特に屈折率)や層構成により、積層体全体として効果的に反射を防止するように構成されている。通常、反射防止膜の積層体を構成する層は、その屈折率により、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層に大別される。
【0018】
上記の低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層は、反射防止膜を構成する薄膜において、その屈折率を相対的に比べた場合の違いから区別して名づけたものである。本発明では、低屈折率層は、比較的屈折率が低い層であり、1.3〜1.6程度の屈折率を有する。また、高屈折率層は比較的屈折率が高い層で、1.9〜2.5程度の屈折率をもつ。中屈折率層は、低屈折率層と高屈折率層の中間の屈折率を有するもので、1.6〜1.9程度の屈折率を有するものである。但し、本発明で規定する屈折率は、断りのない限り、試料温度を25℃として、波長λ=550nmにおけるJIS K 7105に基づいて測定したものである。
【0019】
また、本発明においては、上記図3及び図4の例に示すようにプラスティックフィルム基材20上にハードコート層24を設けてもよい。このようにハードコート層24を設けることにより、反射防止膜の機械的強度を増加することができるからである。このハードコート層の形成位置は、プラスティックフィルム基材上であって、例えば高屈折率層の下側の層として形成されることが好ましい。また、このハードコート層は、防眩処理が施されていても良い。
更に、本発明の透明積層フィルムにおいては、例えば図3に示すように、必要に応じて中屈折率層23を形成してもよい。この中屈折率層23は、低屈折率層21の屈折率と高屈折率層22の屈折率との中間の屈折率を有するものであり、このような中屈折率層23を高屈折率層22とプラスティックフィルム基材20との間に設けることにより、さらに反射防止効果を向上させることができる。
【0020】
次に、上記本発明の透明積層フィルムを構成する各層について説明する。
(プラスティックフィルム基材)
本発明の透明積層フィルムに使用することができるプラスティックフィルム基材20は、可視光域で透明なプラスティックフィルムであれば特に限定されるものではない。例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネイトフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、アクリロニトリルフィルム、メタクリロニトリルフィルム等が挙げられる。さらには、無色透明のフィルムがより好ましく使用できる。中でも、一軸または二軸延伸ポリエステルフィルムが透明性、耐熱性に優れ、好適に用いられ、光学異方性のない点でトリアセチルセルロースも好適に用いられる。プラスティックフィルムの厚みは、通常は6μm〜188μm程度のものが好適に用いられる。
【0021】
(低屈折率層)
本発明における低屈折率層21は、プラスティックフィルム基材上に形成され、これにより透明積層フィルムの反射防止フィルムとしての反射防止効果を向上させるものである。低屈折率層の中でも、酸化シリコン層、すなわちシリカ薄膜がプラズマCVD法により形成されたものが好ましく、特に好ましくは、プラスティックフィルム基材の温度が−10〜150℃に制御されて、シリカが積層された反射防止フィルムが好ましい。また、低屈折率層としては屈折率が1.3〜1.6程度のものが好ましく、その範囲にあるものとしては、例えば酸化シリコン層やその他に、フッ化マグネシウムや酸フッ化ケイ素等を用いてもよい。光学特性に関し、低屈折率材料に求められる物性はフッ化マグネシウムや酸フッ化ケイ素の方が前記シリカ薄膜よりも優れている。
【0022】
しかしながら、フッ化マグネシウム等は、機械強度や耐湿性等がシリカ薄膜に比べ劣るので、その用途によっては、強度向上層やバリア向上層を積層する等の手段との併用が好ましい。その点において、シリカ薄膜については、前記フッ化マグネシウム等のように、強度向上層等の併用手段等を特に必要とせず、総合的には最も好適である。
本発明においてシリカ薄膜を形成するための原料としては、シラン、ジシラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、テトラメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラエトキシシラン等のSi系化合物を用いることが可能である。特に、水蒸気との反応性が高い方が好ましい。
【0023】
上記のシリカ薄膜等の低屈折率層の製造方法は、特に限定するものではなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、熱CVD法、イオンプレーティング法など種々の真空成膜の方法、あるいはゾルゲル法などによるウェットコーティングなどの方法を用いることができる。
連続的に製造可能、且つプラスティックフィルム基材の温度制御も正確に行うことができる点等の理由から、少なくとも原料ガスが導入される反応室と、温度コントロール可能な成膜用ドラムと、上記成膜用ドラムとの間にプラズマを発生させるプラズマ発生手段を有し、上記成膜用ドラムによりウェッブ状のプラスティックフィルム基材が連続的に原料ガスが導入された反応室内に搬送されることにより、上記プラスティックフィルム基材の温度制御が行なわれると同時に上記プラスティックフィルム基材上に膜が形成されるプラズマCVD装置及びガス供給系、具体的には図1に示すような装置により低屈折率層を形成することが好ましい。
【0024】
(中屈折率層)
本発明における透明積層フィルムで使用される中屈折率層23は、反射防止機能を高めるために用いられる層である。このような中屈折率層は、可視光域で透明であり、かつ屈折率が波長λ=550nmで1.6〜1.9程度の範囲内となる物質で形成された層であれば特に限定されるものではない。
本発明では、中屈折率層として消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜で、膜厚が10〜200nmである可視光域で透明な金属酸化物膜が好ましく用いられ、この金属酸化物膜が優れた紫外光線吸収能を保有することになる。
消衰係数が0.05未満であると、紫外線が照射されると、基材等の含有有機成分が活性化して、透明積層フィルムの剥離、膜劣化、変形、歪み等が生じやすくなる。また、消衰係数は0.05以上であり、実用上で1が上限値である。
【0025】
物質が光を吸収する場合に光の強度Iは、
I=Iαの関係式で減衰する。この時、単位長さあたりの減衰を示すαを吸収係数と呼ぶ。
光がある厚さの物質を透過した時の吸収量(光学濃度)は、
OD=−log(I/I)と定義される。上記の2つの式を比較すると、物質の厚さがLの場合にODとαは
α=2.303×OD/Lという式で結び付けられることがわかる。
ところで、αは定義より明らかなように単位長さあたりの吸収量である。一方、光と物質の相互作用を理論的に扱う場合には、光の電磁場の振動1回あたりの吸収量の方が基準となる。このため、物質による光の吸収を定義する量として消衰係数kが定義されている。吸収係数αと消衰係数kの間には、
k=α×λ/4πという関係がある。但し、λは入射光の真空中での波長を示す。これにより、ある波長領域で光学濃度が一定の試料があったとすると、吸収係数には波長依存性がないが、消衰係数は短波長側ほど大きくなっている。
【0026】
上記の消衰係数は、層の各波長における吸収割合を示す数値であり、屈折率の虚数部分にあたる。具体的には、分光器で測定した透過、反射スペクトルにCauchyの式を適用することにより算出できる。また、光学異方性のない基材(珪素、ポリカーボネート、ガラス等)上へ設けた薄膜を、エリプソメトリ(偏光解析法)を用いる方式でも算出することができる。
本発明における中屈折率層の金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜である場合、薄膜に残留する炭素成分が紫外線を吸収し、結果として該薄膜を含む透明積層フィルムに対する紫外線照射量を減少させることができ、基材とその上に設けた層である透明積層膜との紫外線照射による剥離を防止し、膜質変化が小さく、可視光透過性が高いものとなる。
【0027】
具体的な中屈折率層を形成するための物質としては、例えば、Al、SiN、SiON、SiOxNyCzや、ZrO、SiO、ZnOの微粒子を有機ケイ素化合物等に分散したもの等が好適に用いられる。特に、炭素を含有した有機ケイ素化合物が好ましく用いられる。また、中屈折率層は必ずしも一層である必要もなく、複数の異なった層を積層し全体として上記の屈折率となるような層構成とすることにより、当該積層膜を中屈折率層とすることも可能である。
【0028】
中屈折率層の形成方法は、プラズマCVD法、蒸着法、もしくはスパッタリング法等により形成することができ、特にプラズマCVD法により形成することが、好ましい。それは、成膜用ドラムの温度制御により、プラスティックフィルムからなる基材の温度制御をすることができ、基材フィルムの変形等が生じない低温状態での成膜が可能となり、また長尺であり供給ロールから成膜して巻上げロールで連続的に巻上げを行い、大量生産が可能である等の理由がある。(詳細は後記の説明を参照。)
中屈折率層の膜厚は10〜200nmの範囲が好ましい。その膜厚が少なすぎると、屈折率の異なる層と積層させて反射防止効果がほとんど期待できなくなり、また膜厚が多すぎると、層の圧力により基材変形や層剥がれの発生する場合があり好ましくない。
【0029】
本発明における中屈折率層である透明金属酸化物膜は、連続的に製造可能で、且つプラスティックフィルム基材の温度制御も正確に行うことができる点等の理由から、プラズマCVD装置を用いて製造することが望ましい。そのプラズマCVD装置としては、プラスティックフィルム基材の温度制御が可能なものであれば特に限定されるものでなく、電源周波数やプラズマ生成方式においても特に制限はない。このようなプラズマCVD装置を用いてプラスティックフィルム基材上に、中屈折率層の金属酸化物膜を形成する製造装置について、図1を用いて説明する。
【0030】
まず、ウェッブ状のプラスティックフィルム基材1が基材巻き出し部2より巻き出されて、真空容器3中のプラズマCVDの反応室4に導入される。この反応容器3の全体は、真空ポンプ5により排気される。また、同時に反応室4には、原料ガス導入口6より規定流量の有機珪素化合物ガス(この有機珪素化合物は、窒素、炭素の各元素を含有するものである。)と酸素ガスが供給され、反応室4の内部は、常に一定圧力のこれらのガスで満たされている。なお、その反応室内のガスは、上記の中屈折率層を構成する各種シラン化合物、シラザン化合物等を成膜するためのガスである。また、上記の例に限らず、有機珪素化合物の原料ガスとプラスティックフィルム基材からの脱ガス成分(主として、HOや有機成分)のみで、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上の中屈折率層の金属酸化物膜をプラズマCVD法で形成することができる。また、有機珪素化合物の原料ガスと酸素ガス、窒素ガス、あるいはNO、NO、NO、N、N等のガスを導入して、プラズマ形成における反応性を高くして、緻密な金属酸化物膜を形成し、膜質を制御することができる。さらに、原料ガスのSi−C結合の切断促進のため、水素ガス等の還元性ガスを導入することも可能である。また、プラズマCVD装置においては、材料ガス流量・圧力、放電条件、プラスティックフィルム基材1の送りスピードのコントロール等により、形成されるシリカ薄膜12の屈折率、膜厚等を広範囲でコントロールしうるため、材料を変更することなく、所望の光学特性の膜を得ることができる。
【0031】
次に、基材巻き出し部2より巻き出され、反応室4に導入されたプラスティックフィルム1は、反転ロール7を経て、成膜用ドラム8に巻き付き、成膜用ドラム8の回転と同期しながら反転ロール7′の方向に送られていく。この時、成膜用ドラム8は、温度コントロールが可能であり、この時、プラスティックフィルム1の表面温度と成膜用ドラム8の表面温度はほぼ等しい。従って、プラズマCVD時にシリカが堆積するプラスティックフィルム1の表面温度、すなわちプラズマCVDの成膜温度を任意にコントロールできる。この例においては、プラズマCVDによりシリカ薄膜12をプラスティックフィルム基材1上に成膜する場合の成膜温度を、その時の成膜用ドラム8の表面温度により表示する。
【0032】
電極9と成膜用ドラム8との間には、電源10によりRF電圧が印加される。このとき、電源の周波数は、ラジオ波に限らず、直流からマイクロ波まで適当な周波数を使用することも可能である。そして、電極9と成膜用ドラム8の間にRF電圧を印加することにより、この両電極の周辺にプラズマ11が発生する。そして、このプラズマ11中で有機珪素化合物ガスと酸素ガスが反応し、窒素と炭素原子含有のシリカを生成して成膜用ドラム8に巻き付いたプラスティックフィルム基材1上に堆積して、巻取り基材の全幅にわたって、均一性の高いシリカ薄膜12が形成される。その後、シリカ薄膜12が表面に形成されたプラスティックフィルム基材1は、反転ロール7′を経て、基材巻き取り部2′で巻き取られる。
【0033】
上記のように、本発明においては、プラズマ11により有機珪素化合物ガスと酸素ガスが化学反応して生成したシリカが、成膜用ドラム8により適切な温度に冷却されたプラスティックフィルム基材1上に堆積して、シリカ薄膜を形成するので、プラスティックフィルム基材1が高温にさらされ、伸び、変形、カール等することなく、シリカ薄膜12の形成が可能である。
【0034】
上記のように製造されるシリカ薄膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜で、屈折率が1.6〜1.9(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである。
また、シリカ薄膜を含む反射防止膜の作製には、図2に示すようなプラズマCVD装置を用いることも可能である。当該プラズマCVD装置は容量結合型のプラズマCVD装置であり、その基本的構造及び原理は図1の装置と同様である。従って、当該装置においてもウェッブ状のプラスティックフィルム基材1は基材巻き出し部2より巻き出されて、真空容器3中の反応室(a,b,c)に導入される。そして、当該反応室内の成膜用ドラム8上で所定の膜が形成され、基材巻き取り部2′により巻き取られる。
【0035】
図2に示す装置と図1に示す装置との差は、図1に示す装置においては、フィルム上にシリカ薄膜等の薄膜を形成するための反応室は一つしか設置されていないが、図2に示すプラズマCVD装置は、複数(3つ)の反応室を有している点にある。夫々の反応室(a,b,c)は隔離壁13で隔離されることで形成されている。ここで、以下の説明の便宜上、当該3つの反応室を右側から反応室a、反応室b、反応室cとする。そして、各反応室には、夫々電極版a1、b1、c1及び原料ガス導入口a2、b2、c2が設置されている。
【0036】
各反応室(a,b,c)は、成膜用ドラム8の外周に沿って設置されている。これは、積層膜が形成されるプラスティックフィルムは、図1に示す例で説明したように成膜用ドラム8と同期しながら反応室内に挿入され、かつ成膜用ドラム上において積層膜を形成するものであることから、このように配置することにより連続して各膜を積層することができるからである。なお、図2に示す装置では反応室の数を3室としたが、本発明の積層フィルムの製造方法に用いるプラズマCVD装置としては、これに限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0037】
上述したようなプラズマCVD装置によれば、各反応室へ導入する原料ガスを変化させることにより、夫々の反応室内で独立して膜を形成することが可能であることから、例えば、シリカ薄膜と酸化チタン膜との積層膜をプラスティックフィルム基材上に形成する場合は、例えば反応室aに有機珪素化合物を含むガスを導入し、反応室bに有機チタン化合物を含むガスを導入し、反応室cには有機珪素化合物を含む原料ガスをc2から導入することにより、プラスティックフィルム基材1が成膜用ドラム8を経て、基材巻き取り部2′へ巻き取られるまでに当該プラスティックフィルム1上に、中屈折率層、酸化チタン層の高屈折率層、酸化シリコン層である低屈折率層が順次形成された透明積層フィルムを形成することが可能となる。
【0038】
さらに、上記の場合において、各々の反応室内の条件、例えばガスの流量や圧力、放電条件等を変化させることにより、各反応室で形成される薄膜の特性を変化させることも可能である。当該装置により得られる各層の膜の厚さや屈折率等を自在に組み合わせることも可能となる。
また、必ずしも夫々の反応室に異なる原料ガスを導入する必要もなく、例えば図2に示す反応室a,b,c全てに有機チタン化合物を含むガスを導入することで酸化チタン膜を形成し、その後に一旦反応室a,b,cに導入されたガスを全て抜き、改めて有機珪素化合物を含むガスを反応室a,b,cに導入して、酸化チタン膜の上にシリカ薄膜を形成することも可能である。
【0039】
本発明においては、上述した図1に示すような装置で複数回プラスティックフィルム基材を処理することにより、プラスティックフィルム基材上に酸化チタン膜等の高屈折率層とシリカ薄膜の低屈折率層とが形成された積層フィルムを形成するようにしてもよいし、上述したように図2に示す装置を用いて、プラズマCVD装置を一回使用して、プラスティックフィルム基材を処理することにより、プラスティックフィルム基材上に酸化チタン膜等の高屈折率層、シリカ薄膜の中屈折率層、低屈折率層が形成された積層フィルムを形成するようにしてもよい。また、図2に示す装置を用いて複数回プラスティックフィルムを処理することにより、酸化チタン膜等の高屈折率層とシリカ薄膜の低屈折率層とが交互に複数層積層された積層フィルムを得ることも可能である。
【0040】
(高屈折率層)
本発明の透明積層フィルムでは、基材上に設ける透明積層膜(反射防止膜)の構成要素として高屈折率層22を利用することができ、低屈折率層のシリカ薄膜と合わせて用いることにより、それぞれの屈折率の違いにより光の反射を効率よく防止することができる。この高屈折率層の透明積層膜中に占める位置は、特に限定するものではないが、低屈折率層と高屈折率層とは互いに接触している方が効率よく光の反射を防止することができ、低屈折率層の下に(低屈折率層よりも基材側に近い位置に)設けることが好ましい。
【0041】
高屈折率層として用いることが可能な薄膜としては、可視光域で透明性を有し、その屈折率を1.9〜2.5程度(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである薄膜であることが望ましく、その条件を満たせば特に限定されるものではない。
本発明では、高屈折率層として消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜で、膜厚が10〜200nmである可視光域で透明な金属酸化物膜が好ましく用いられ、この金属酸化物膜が優れた紫外光線吸収能を保有することになる。
上記の消衰係数が0.05未満であると、紫外線が照射されると、薄膜自体が発熱してしまい、透明積層フィルムの変形、歪み等が生じやすくなる。また、消衰係数は0.05以上であり、実用上で1が上限値である。
本発明における高屈折率層の金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜の場合、該薄膜の価電子バンドと伝導バンドのバンドギャップが紫外線を吸収し、結果として該薄膜を含む透明積層フィルムに対する紫外線照射量を減少させることができ、基材とその上に設けた層である透明積層膜との紫外線照射による剥離を防止し、膜質変化が小さく、可視光透過性が高いものとなる。
【0042】
高屈折率層としては、具体的には、酸化チタン、ITO(インジウム/スズ酸化物)層、Y層、In層、Si層、SnO層、ZrO層、HfO層、Sb層、Ta層、ZnO層、WO層、Sb、Fe、CdS、CeO、ZnS、PbCl、CdO、Nb、SiO、Bi、PbO、Cd等の金属酸化物層を挙げることができ、この中でも特に酸化チタン又は高抵抗を示すITO層、SiOxNyCzである組成の金属酸化物膜を用いることが好ましい。尚、上記のSiOxNyCzである組成の金属酸化物膜は、中屈折率層で説明した各種シラン化合物、シラザン化合物等を用いた層を構成する材料を同様に使用することができる。
【0043】
高屈折率層の形成方法は、プラズマCVD法、蒸着法、イオンプレーティング法もしくはスパッタリング法等により形成でき、特にプラズマCVD法により形成することが、好ましい。それは、成膜用ドラムの温度制御により、プラスティックフィルムからなる基材の温度制御をすることができ、基材フィルムの変形等が生じない低温状態での成膜が可能となり、また長尺であり供給ロールから成膜して巻上げロールで連続的に巻上げを行い、大量生産が可能である等の理由がある。
高屈折率層の膜厚は10〜200nmである。その膜厚が少なすぎると、屈折率の異なる層と積層させて反射防止効果がほとんど期待できなくなり、また膜厚が多すぎると、層の圧力により基材変形や層剥がれの発生する場合があり好ましくない。
【0044】
高屈折率層を形成する場合、その屈折率は、2.0〜2.4(λ=550nm)が好ましく、2.0〜2.3(λ=550nm)が最も好ましい。
反射防止フィルムとして透明積層フィルムを形成する際においては、高屈折率層の屈折率は他の透明積層膜との関係で相対的に決定することが好ましく、積層膜全体としてのバランスにより反射防止効果を奏するものであるが、一般的な積層構造とした場合における高屈折率層の屈折率は上記のような範囲であることが好ましい。
また、本発明ではプラズマCVD法による高屈折率層に限定されず、スパッタリング法、イオンプレーティング法を用いても、屈折率が1.9〜2.3程度(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである高屈折率層としての特徴が発揮できる場合、例えば、スパッタリング法によるITO層を用いれば、屈折率が1.9〜2.1(波長λ=550nm)の薄膜が得られ、本発明の高屈折率層に使用が可能となる。
【0045】
また、連続的に製造可能、且つプラスティックフィルム基材の温度制御も正確に行うことができる点等の理由から、少なくとも原料ガスが導入される反応室と、温度コントロール可能な成膜用ドラムと、上記成膜用ドラムとの間にプラズマを発生させるプラズマ発生手段を有し、上記成膜用ドラムによりウェッブ状のプラスティックフィルム基材が連続的に原料ガスが導入された反応室内に搬送されることにより、上記プラスティックフィルム基材の温度制御が行なわれると同時に上記プラスティックフィルム基材上に膜が形成されるプラズマCVD装置及びガス供給系、具体的には図1に示すような装置により形成される酸化チタン膜等の高屈折率層を有する透明積層フィルムであることが好ましい。
更に、反射防止フィルムにおける高屈折率層に求められる光学特性は、その層の屈折率が1.9以上好ましくは2.0以上であることが要求されるが、光学特性として屈折率が1.9以上を有していたとしても、基材に伸びや変形、当該ある場合には製品としては不良品となることが多い。よって基材の被熱による変形、それに起因する高屈折率層の成膜阻害を防ぐためには、上記のように成膜温度を制御することが好ましい。
【0046】
(ハードコート層)
本発明に用いられるハードコート層24は、本発明の透明積層フィルムに強度を持たせることを目的として形成される層である。従って、透明積層フィルムの用途によっては、必ずしも必要なものではない。
このようなハードコート層を形成するための材料としては、同様に可視光域で透明な材料であり反射防止フィルムに強度をもたせることができるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、熱硬化型樹脂、及び/又は、電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましく、さらに具体的には、アクリレート系の官能基をもつもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル、ポリエーテル、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン、ポリチオールポリエン系樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤であるエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、へキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含むものが好適に用いられる。
前記のハードコート層の膜厚としては、通常1〜30μmの範囲のものが好適に用いられる。
その形成方法は、通常のコーティング方法を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。
また、このハードコート層は、防眩処理が施されていても良い。
【0047】
(防汚層)
本発明の透明積層フィルムには、最上層に、反射防止フィルムの上面の汚染を防止するための防汚層を設けてよい。防汚層は、ディスプレイパネルの前面に配置した反射防止フィルムにごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される。具体的には、反射防止機能を低下させない範囲で、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く塗布し、余剰分を拭い除去しておく。防汚層は、恒久的な層として形成してもよいが、必要の都度、塗布して形成してもよい。防汚層の厚みは、1〜10nm程度が好ましい。
その形成方法は、通常のコーティング方法、例えばウェットコーティング法を用いることが可能であるが、特に限定されるものではない。
【0048】
本発明の透明積層フィルムは、その構成する基材が偏光板保護フィルムとして機能することができる。例えば、図5に示すように、本発明の基材フィルム20(トリアセチルセルロースフィルム、略してTACフィルム)/高屈折率層22/低屈折率層21から構成しているような透明積層フィルム25を、偏光素子26と基材フィルム20が接するように、偏光素子26上にラミネートし、また一方で、偏光素子26の他面に基材フィルム20(トリアセチルセルロースフィルム)をラミネートして、偏光板として利用することができる。尚、上記のラミネートには接着剤層を用いることが望ましい。
【0049】
また、本発明の透明積層フィルムは、液晶装置への組込を行なって使用することができる。図6に本発明の反射防止フィルムが使用された液晶表示装置の一例を示す。液晶表示素子27上に、図5に示した偏光板、即ち、TACフィルム20/偏光素子26/反射防止フィルム25からなる層構成の偏光板がラミネートされており、また液晶表示素子27の他方の面には、TACフィルム20/偏光素子26/TACフィルム20からなる層構成の偏光板がラミネートされている。
【0050】
図6の液晶表示装置において、最下面のTACフィルム20側にさらに高屈折率層が、さらにその高屈折率層の外側に低屈折率層が形成されていてもよい。図6に示した液晶表示装置において、バックライトは図6の下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入される。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられる。
【0051】
また、本発明の透明積層フィルムは、図6に示したような液晶表示装置(LCD)のみならず、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置の表示面を被覆する多層型反射防止膜として利用することが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0052】
【実施例】
本発明を実施例、比較例を挙げて、更に詳細に説明する。
(実施例1)
図7の装置を使用して、基材のプラスティックフィルムである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にITO膜を形成した。今回使用したスパッタ装置を図7に示し、AC電源を用いた。また、連続成膜時の基材となるプラスティックフィルムの送り速度は、0.1m/minである。その他の条件は、以下に記す。
【0053】
<成膜条件>
印加電力 1.0kW
酸素ガス流量 27sccm
成膜用ドラム表面温度(成膜温度) 30℃
【0054】
前記ガス流量単位sccmは、standard cubic cm per
minuteのことである。
以上の条件でポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成したITO膜の測定結果を以下に示す。
【0055】
<ITO膜測定結果>
膜厚 55nm
成膜速度 5.5nm・m/min
屈折率(λ=550nm) 2.0
消衰係数(λ=350nm) 0.10
【0056】
<ITO膜測定に使用した装置>
膜厚測定 エリプソメーター
型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVON
屈折率測定 エリプソメーター
型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVON
【0057】
以上に示したITO膜の作製結果の如く、成膜温度30℃において、屈折率2.0の均質且つ絶縁性の高いITO膜が成膜速度5.5nm・m/minで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成できた。また、このITO膜はエリプソメーターによる測定結果から、λ=350nmにおける消衰係数は0.10であり透明性の高い膜であった。更に、ITO膜成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。
(密着性)
試料の透明積層フィルムに対し、JIS K 7350−4に定義された紫外線照射手法を用いて、紫外線を300時間照射した前後で、JIS K 5400に準拠して、試料の塗膜側に1.5mm間隔で碁盤目状のクロスカットを入れ、この上にセロハンテープ(登録商標、ニチバンNo.405)を密着させ、垂直方向に引っ張り、100個(10×10)の碁盤目の中で塗膜の剥がれていない碁盤目の数をカウントする。
(評価結果)
実施例1における透明積層フィルムにおけるITO膜は、紫外線照射前後で100/100の密着性の結果となり、基材と薄膜との密着性に非常に優れたものであった。尚、ITO膜の成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。
【0058】
(比較例1)
図1の装置を使用して、基材のプラスティックフィルムである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にTiOx膜を形成した。また、連続成膜時の基材となるプラスティックフィルムの送り速度は、1m/minである。その他の条件は、以下に記す。
【0059】
<成膜条件>
印加電力 1.0kW
酸素ガス流量 16sccm
成膜用ドラム表面温度(成膜温度) 30℃
【0060】
以上の条件でポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した酸化チタン膜の測定結果を以下に示す。
【0061】
<TiOx膜測定結果>
膜厚 50nm
成膜速度 50nm・m/min
屈折率(λ=550nm) 2.2
消衰係数(λ=350nm) 0.03
【0062】
<TiOx膜測定に使用した装置>
膜厚測定 エリプソメーター
型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVON
屈折率測定 エリプソメーター
型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVON
【0063】
以上に示したTiOx膜の作製結果の如く、成膜温度30℃において、屈折率2.2の均質且つ絶縁性の高いTiOxが成膜速度50nm・m/minで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成できた。また、TiOx膜成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。しかし、このTiOx膜はエリプソメーターによる測定結果から、λ=350nmにおける消衰係数は0.03であり、紫外光線吸収能に欠ける薄膜であった。
(密着性)
試料の透明積層フィルムに対し、JIS K 7350−4に定義された紫外線照射手法を用いて、紫外線を300時間照射した前後で、JIS K 5400に準拠して、試料の塗膜側に1.5mm間隔で碁盤目状のクロスカットを入れ、この上にセロハンテープ(登録商標、ニチバンNo.405)を密着させ、垂直方向に引っ張り、100個(10×10)の碁盤目の中で塗膜の剥がれていない碁盤目の数をカウントする。
(評価結果)
比較例1における透明積層フィルムにおけるTiOx膜は、紫外線照射前で100/100、紫外線照射後で100/100の密着性の結果となり、基材と薄膜との密着性に非常に優れたものであった。尚、TiOx膜の成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。
【0064】
(実施例2)
図1の装置を使用して、基材のプラスティックフィルムである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にSiON膜を形成した。また、連続成膜時の基材となるプラスティックフィルムの送り速度は、1m/minである。その他の条件は、以下に記す。
【0065】
<成膜条件>
印加電力 1.0kW
成膜圧力 10Pa
HMDSN流量 70sccm
成膜用ドラム表面温度(成膜温度) 30℃
【0066】
以上の条件でポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成したシリカ膜の測定結果を以下に示す。
【0067】
<シリカ膜測定結果>
膜厚 80nm
屈折率(λ=550nm) 1.75
消衰係数(λ=350nm) 0.06
【0068】
<シリカ膜測定に使用した装置>
膜厚測定 エリプソメーター
型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVON
屈折率測定 エリプソメーター
型番 UVISELTM メーカー JOBIN YVON
【0069】
以上に示したシリカ膜の作製結果の如く、成膜温度30℃において、屈折率1.75の均質且つ絶縁性の高いSiON膜が成膜速度80nm・m/minで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成できた。また、酸化チタン膜成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。また、このSiON膜はエリプソメーターによる測定結果から、λ=350nmにおける消衰係数は0.06であり、紫外線吸収能を保有した透明性の高い膜であった。
【0070】
上記の得られた実施例2における透明積層フィルム(プラスティックフィルム基材/SiON膜)について、下記に示す方法にて密着性の評価を行った。
【0071】
(密着性)
試料の透明積層フィルムに対し、JIS K 7350−4に定義された紫外線照射手法を用いて、紫外線を300時間照射した前後に、JIS K 5400に準拠して、試料の塗膜側に1.5mm間隔で碁盤目状のクロスカットを入れ、この上にセロハンテープ(登録商標、ニチバンNo.405)を密着させ、垂直方向に引っ張り、100個(10×10)の碁盤目の中で塗膜の剥がれていない碁盤目の数をカウントする。
(評価結果)
実施例2における透明積層フィルムにおけるSiON膜は、紫外線照射前後において100/100の密着性の結果となり、基材と薄膜との密着性に非常に優れたものであった。尚、SiON膜の成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。
【0072】
(実施例3)
図5に示すようにプラスティックフィルム30上にハードコート層31、中屈折率層32、高屈折率層33、低屈折率層34を形成し、反射防止フィルムを作成した。各層の形成条件を以下に記す。
【0073】
<プラスティックフィルム(30)>
トリアセチルセルロース 厚さ80μm
【0074】
<ハードコート層(31)>
紫外線硬化型樹脂 PET−D31(大日精化工業(株))を塗工により形成
紫外線硬化条件 480mJ
厚さ 6μm(乾燥状態)
【0075】
<中屈折率層(32)>
炭素含有酸化シリコン層をプラズマCVD法により形成。
【0076】
<高屈折率層(33)>
実施例1と同様の条件で形成。
【0077】
<低屈折率層(34)>
酸化シリコン層をプラズマCVD法で形成。
【0078】
上記条件で形成した透明積層フィルムは、プラスティックフィルムのわずかな伸び、変形も無く、良好な状態であった。上記条件で作成した透明積層フィルムの反射分光特性を図8に示す。図8より、人間が感知し易い550nm近傍での反射率が低く、反射防止効果が良好であった。このときの視感度反射率は、0.3%と反射防止フィルムとして十分な値を示した。
【0079】
分光反射率は、以下の装置で測定した。
分光反射率測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0080】
なお、上記の実施例及び比較例において形成された積層膜の膜厚は、各層の光学特性を考慮して視感度反射率が最小になるように設定した。例えば、実施例3に示す高屈折率層や低屈折率層においては、図1に示す装置を用いて各層を形成する際にフィルム送り速度の調整により所望の膜厚を得ている。
【0081】
また、実施例3で得られた反射防止フィルムは、JIS K 7350−4に定義された紫外線(UV)照射手法を用いて、照射300時間後に膜質変化が見られなかった。すなわち、UV照射前と照射後での分光反射特性を調べ、変化がなく、図8の状態を維持していた。
さらに、実施例2で行った密着性評価を実施例3の透明積層フィルムにおいても、同様に行ったところ、紫外線300時間照射後でも、実施例3における透明積層フィルムにおける透明積層膜は、100/100の密着性の結果となり、基材と透明積層膜との密着性に非常に優れたものであった。尚、透明積層膜成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。
【0082】
(実施例4)
上記の実施例3で作製した反射防止フィルムにおいて、中屈折率層を実施例2で形成した際のSiON膜を同様に形成し、それ以外は、実施例3と同様にして、反射防止フィルムを作製した。
実施例4で形成した透明積層フィルムは、プラスティックフィルムのわずかな伸び、変形も無く、良好な状態であった。
また実施例4で得られた反射防止フィルムは、JIS K 7350−4に定義された紫外線(UV)照射手法を用いて、照射300時間後に膜質変化が見られなかった。すなわち、UV照射前と照射後での分光反射特性を調べ、変化がなかった。
さらに、実施例2で行った密着性評価を実施例4の透明積層フィルムにおいても、同様に行ったところ、紫外線300時間照射後でも、実施例4における透明積層フィルムにおける透明積層膜は、100/100の密着性の結果となり、基材と透明積層膜との密着性に非常に優れたものであった。尚、透明積層膜成膜後の、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、わずかな伸び、変形も無く良好な状態であった。
【0083】
(比較例2)
上記の実施例3で作製した反射防止フィルムにおいて、高屈折率層を比較例1で形成した際のTiOx膜を同様に形成し、それ以外は、実施例3と同様にして、反射防止フィルムを作製した。
比較例2で形成した透明積層フィルムは、プラスティックフィルムのわずかな伸び、変形も無く、良好な状態であった。
しかし、比較例2で得られた反射防止フィルムは、JIS K 7350−4に定義された紫外線(UV)照射手法を用いて、照射300時間後に膜質変化が見られた。すなわち、UV照射前と照射後での分光反射特性を調べ、図9にようにUV照射前後で反射率の変化が大きかった。
さらに、実施例2で行った密着性評価を比較例2の透明積層フィルムにおいても、同様に行ったところ、紫外線300時間照射後で、比較例2における透明積層フィルムにおける透明積層膜は、0/100の密着性の結果となり、基材と透明積層膜との密着性は非常に悪いものであった。
【0084】
【発明の効果】
本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルムからなる基材上に可視光域で透明な金属酸化物膜を有する構造であり、該金属酸化物膜は紫外光線吸収能を保有し、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmであり、また金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜であることが望ましい。
上記の金属酸化物膜は、消衰係数、屈折率、膜厚が上記の範囲に調整され、特にプラズマCVD法やスパッタリング法により形成された薄膜として、該薄膜の価電子バンドと伝導バンドのバンドギャップが紫外線を吸収し、結果として該薄膜を含む透明積層フィルムに対する紫外線照射量を減少させ、基材とその上に設けた層である透明積層膜との紫外線照射による剥離を防止し、膜質変化を最小限に抑制できる。
【0085】
また、本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルム基材上に設ける透明積層膜において、中屈折率層と高屈折率層のいずれか一方、あるいは両方に本発明で規定する紫外光線吸収能を保有し、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜が好ましく、屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである金属酸化物膜を適用することにより、可視光透過性が高く、外光反射を十分に低減した反射防止機能を備えた透明積層フィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリカ薄膜の製造装置の一例を示すプラズマCVD装置の概略構成図である。
【図2】本発明のシリカ薄膜の製造装置の他例を示すプラズマCVD装置の概略構成図である。
【図3】本発明の透明積層フィルムの一例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の透明積層フィルムの他例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の透明積層フィルムがラミネートされた偏光板の一つの実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の透明積層フィルムがラミネートされた偏光板を使用した液晶表示装置の一つの実施形態を示す概略図である。
【図7】スパッタ装置の概略図である。
【図8】実施例3の透明積層フィルム(反射防止フィルム)の反射分光特性を示すグラフである。
【図9】比較例2の透明積層フィルム(反射防止フィルム)のUV照射前後の反射分光特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム基材(被転写体)
2 基材巻き出し部
2′ 基材巻き取り部
3 真空容器
4、a、b、c 反応室
5 真空ポンプ
6、a2、b2、c2 原料ガス導入口
7 反転ロール
7′ 反転ロール
8 成膜用ドラム
9、a1、b1、c1 電極
10 電源
11 プラズマ
12 シリカ薄膜
13 隔離壁
14 スパッタ装置
15 金属ターゲット
16 支持体
20 基材
21 低屈折率層
22 高屈折率層
23 中屈折率層
24 ハードコート層
25 透明積層フィルム(反射防止フィルム)
26 偏光素子
27 液晶表示素子

Claims (11)

  1. プラスティックフィルムからなる基材上に可視光域で透明な金属酸化物膜を有する構造であり、該金属酸化物膜は屈折率が1.6〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmであり、且つ金属酸化物膜は紫外光線吸収能を保有することを特徴とする透明積層フィルム。
  2. 前記の金属酸化物膜は、消衰係数が0.05(波長λ=350nm)以上となる薄膜であることを特徴とする請求項1に記載する透明積層フィルム。
  3. 前記基材上に、屈折率が1.6〜1.9(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜150nmである中屈折率層、請求項1または2に示した金属酸化物膜、屈折率が1.3〜1.6(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである酸化シリコン層の順に積層したことを特徴とする透明積層フィルム。
  4. 前記基材上に、請求項1または2に示した金属酸化物膜、屈折率が1.9〜2.5(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである高屈折率層、屈折率が1.3〜1.6(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである酸化シリコン層の順に積層したことを特徴とする透明積層フィルム。
  5. 前記基材上に、請求項1または2に示した金属酸化物膜、屈折率が1.3〜1.6(波長λ=550nm)且つ膜厚が10〜200nmである酸化シリコン層をこの順に積層した、或いは基材上に上記金属酸化物膜、酸化シリコン層をこの順に繰返し2回積層した、すなわち金属酸化物膜、酸化シリコン層、金属酸化物膜、酸化シリコン層をこの順に積層したことを特徴とする透明積層フィルム。
  6. 前記基材と、該基材上に設けた層、すなわち透明積層膜との間にハードコート層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の透明積層フィルム。
  7. 前記透明積層フィルムの透明積層膜の最表面に防汚層が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の透明積層フィルム。
  8. 前記基材が一軸または二軸延伸ポリエステルフィルム、或いはトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の透明積層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の透明積層フィルムが反射防止機能を有することを特徴とする反射防止フィルム。
  10. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の透明積層フィルムが、偏光素子にラミネートされていることを特徴とする偏光板。
  11. 請求項10に記載の偏光板が液晶表示装置の構成要素として用いられていることを特徴とする液晶表示装置。
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