JP3678556B2 - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する油圧パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステアリングホイールに連結される入力シャフトと、その入力シャフトに操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能に連結される出力シャフトと、供給される圧油の油圧に応じた操舵補助力を発生可能な油圧アクチュエータと、その油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、その入力シャフトと出力シャフトの相対回転量に応じて制御する油圧制御弁とを備える油圧パワーステアリング装置が従来から用いられている。
【0003】
そのような油圧パワーステアリング装置において、直進運転状態における剛性感を向上することが望まれている。そのため、入力シャフトと出力シャフトとを連結するトーションバー等の弾性部材のバネ定数を大きくすることが考えられるが、コーナリング状態で必要とされる操舵トルクも大きくなり、特に低速での旋回性能が低下する。また、入力シャフトと出力シャフトとを連結するトーションバー以外の弾性部材を設けることで、所望の操舵特性を得ることが試みられているが(実開昭56‐131266号公報)、直進運転状態において剛性感を充分に向上し、且つ、低速での旋回性能を充分に向上するのは困難であった。
【0004】
また、その操舵補助力発生用油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、車速や舵角に応じて電子制御する機構が用いられている。しかし、その機構では油圧の制御構造が複雑になると共に電子部品を用いるためコストが増大するという問題がある。
【0005】
そこで、直進運転状態で、その入力シャフトと出力シャフトの相対回転を、操舵トルクが設定値未満では阻止すると共に設定値以上で許容する機械的な機構が提案されている。
【0006】
例えば、特開昭63‐195065号公報は、入力シャフトに設けられる突出部に、出力シャフトに設けられるカムをバネの弾力により押し付けることで、直進運転状態における両シャフトの相対回転を、操舵トルクが設定値未満では阻止している。
【0007】
また、特表昭63‐501209号公報は、入力シャフトに片持ち状に取り付けた板バネに形成した凹部と、出力シャフトに形成した凹部とに、直進運転状態で入り込むボールを設け、その板バネの弾力によりボールを出力シャフトの凹部に押し付けることで、直進運転状態における両シャフトの相対回転を操舵トルクが設定値未満では阻止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の機械的な操舵規制機構では、構造が複雑になり、バネ以外にカムやボール等の部品が必要で部品点数が多く、組立工数、コストが増大するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解決することのできる油圧パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力シャフトと、その入力シャフトに操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能に連結される出力シャフトと、供給される圧油の油圧に応じた操舵補助力を発生可能な油圧アクチュエータと、その油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、その入力シャフトと出力シャフトの相対回転量に応じて制御する油圧制御弁とを備える油圧パワーステアリング装置において、両シャフトの径方向に弾性変形可能な環状部材が、両シャフトの中の一方に同行回転可能に連結され、且つ、直進運転状態で操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように両シャフトの中の他方に接するものとされ、操舵トルクが設定値未満では、その環状部材により直進運転状態で両シャフトの相対回転が阻止され、直進運転状態での設定値以上の操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力による環状部材の弾性変形により、両シャフトの相対回転が許容されることを特徴とする。
本発明の構成によれば、環状部材は両シャフトの中の一方と同行回転可能に連結され、操舵トルクが設定値未満では、その環状部材により直進運転状態で両シャフトの相対回転が阻止される。これにより、直進運転状態では操舵トルクが設定値未満では両シャフトの相対回転を確実に阻止し、所望の剛性感を得ることができる。
直進運転状態で設定値以上の操舵トルクが作用すると、環状部材は両シャフトの中の他方から受ける径方向外方に向かう力により弾性変形し、これにより両シャフトの相対回転が許容される。
【0011】
その環状部材は、間隔をおいて対向する一対の端部を有し、その両端部が両シャフトの中の一方の外周に形成された受け部に接することで、両シャフトの中の一方と同行回転可能とされ、その環状部材の内周と両シャフトの中の他方の外周の中の一方に凹部が形成され、他方に凸部が形成され、その凹部に凸部が直進運転状態において嵌め合わされることで、環状部材は両シャフトの中の他方に接するものとされているのが好ましい。
この構成によれば、環状部材の両端部を両シャフトの中の一方の外周の受け部に接触させ、環状部材の内周と両シャフトの中の他方の外周とを凹凸部を介して接触させるだけで、直進運転状態での両シャフトの相対回転を操舵トルクが設定値未満では阻止し、設定値以上で許容できる。
【0012】
その環状部材と両シャフトの中の一方との連結位置が、両シャフトの周方向において変更可能とされているのが好ましい。
操舵補助力発生用油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、両シャフトの相対回転量に応じて制御する場合、入力シャフトと出力シャフトの周方向相対位置は、直進運転状態において操舵補助力が発生しないように調節する必要がある。その調節後における入力シャフトと出力シャフトの周方向相対位置は、加工公差や組立公差の範囲で変動する。
一方、環状部材と両シャフトの中の他方との互いの接触位置が、両シャフトの周方向相対位置の変動により周方向に変化すると、直進運転状態で操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を環状部材に作用させることができなくなる。
上記構成によれば、両シャフトの周方向相対位置の変動に応じて、その環状部材と両シャフトの中の一方との連結位置を周方向において変更することで、その環状部材と両シャフトの中の他方との互いの接触位置が周方向に変化するのを防止できる。
この場合、その環状部材は間隔をおいて対向する一対の端部を有し、一対の連結片が、両シャフトの中の一方に、両シャフトの径方向に沿う軸中心に回転可能に取り付けられ、その環状部材の一方の端部が一方の連結片に、他方の端部が他方の連結片に、連結片の回転中心から偏心した位置において同行回転可能に接続され、その連結片の回転により、その環状部材と両シャフトとの周方向相対位置が変更されるのが好ましい。これにより、連結片を回転させるだけで、その環状部材と両シャフトの中の一方との連結位置を周方向において変更することができ、その環状部材と両シャフトの中の他方との互いの接触位置の周方向における変化を容易に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0014】
図1に示すラックピニオン式パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール(図示省略)に連結される入力シャフト2と、この入力シャフト2にトーションバー3を介して連結される出力シャフト4とを備えている。そのトーションバー3はピン5を介して入力シャフト2に連結され、また、セレーション6を介して出力シャフト4に連結されている。その出力シャフト4にピニオン7が形成され、このピニオン7に噛み合うラック8が車輪(図示省略)に連結されている。
【0015】
その入力シャフト2の一端側は、ベアリング9を介してバルブハウジング10aにより支持される。その入力シャフト2の他端側は、出力シャフト4の一端面側(図1において上方側)において開口する空洞部4aの内周面にブッシュ11を介して支持されている。その出力シャフト4はベアリング12、13を介してラックハウジング10bにより支持されている。これにより、操舵による入力シャフト2の回転はトーションバー3を介してピニオン7に伝達されてラック8が車両幅方向に移動し、このラック8の移動により車輪が操舵される。なお、その入出力シャフト2、4とバルブハウジング10aとの間にオイルシール14、15が設けられている。また、そのラック8を支持するサポートヨーク16が設けられ、このサポートヨーク16はバネ17の弾力によりラック8に押し付けられている。
【0016】
供給される圧油の油圧に応じた操舵補助力を発生可能な油圧アクチュエータとして油圧シリンダ18が設けられている。その油圧シリンダ18は、ラックハウジング10bにより構成されるシリンダチューブと、ラック8に一体に形成されたピストン20とを備え、そのピストン20により仕切られる一対の油室21、22が形成されている。
【0017】
その油圧シリンダ18に供給される圧油の油圧を、入力シャフト2と出力シャフト4の相対回転量に応じて制御するロータリー式油圧制御弁23が、各油室21、22に接続されている。その制御弁23は、筒状の第1バルブ部材24と、この第1バルブ部材24に相対回転可能に挿入される第2バルブ部材25とを備えている。その第1バルブ部材24は出力シャフト4にピン26を介して同行回転可能に取り付けられている。その第2バルブ部材25は入力シャフト2の外周に一体的に形成されている。これにより、操舵トルクに応じて上記トーションバー3が弾性的に捩じれることで、入力シャフト2と出力シャフト4は弾性的に相対回転し、両バルブ部材24、25も弾性的に相対回転する。
【0018】
図2に示すように、第1バルブ部材24の内周と第2バルブ部材25の外周とに軸方向に沿う複数の凹部が周方向等間隔に形成されている。
その第1バルブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの右操舵用凹部27と、互いに周方向等間隔に位置する4つの左操舵用凹部28とで構成される。
その第2バルブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの圧油供給用凹部29と、互いに周方向等間隔に位置する4つの圧油排出用凹部30とで構成される。
各右操舵用凹部27と各左操舵用凹部28とは周方向に交互に配置され、各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とは周方向に交互に配置される。
各右操舵用凹部27は、第1バルブ部材24に形成された第1流路31およびバルブハウジング10aに形成された第1ポート32を介して、図1に示すように油圧シリンダ18の一方の油室21に通じ、各左操舵用凹部28は、第1バルブ部材24に形成された第2流路33およびバルブハウジング10aに形成された第2ポート34を介して油圧シリンダ18の他方の油室22に通じる。
各圧油供給用凹部29は、第1バルブ部材24に形成された第3流路35およびバルブハウジング10aに形成された入口ポート36を介して、図1に示すようにポンプ37に通じる。
各圧油排出用凹部30は第2バルブ部材25に形成された第1排出路38、入力シャフト2とトーションバー3の内外周間の通路47、入力シャフト2に形成された第2排出路39、及びバルブハウジング10aに形成された排出ポート40を介しタンク41に通じる。
これにより、そのポンプ37、タンク41、及び油圧シリンダ18の各油室21、22が第1バルブ部材24と第2バルブ部材25の内外周間の弁間流路42を介して通じる。
【0019】
その第1バルブ部材24の内周と第2バルブ部材25の外周との間の弁間流路42において、第1バルブ部材側凹部と第2バルブ部材側凹部の間は、両バルブ部材24、25の相対回転により開度が変化する絞り部A、B、C、Dとされている。各絞り部A、B、C、Dは、そのポンプ37、タンク41、及び油圧シリンダ18の各油室21、22に通じ、各絞り部A、B、C、Dの開度変化により油圧シリンダ18に作用する油圧が制御される。
【0020】
図2は、直進運転状態での両バルブ部材24、25の相対位置を示しており、この状態においては各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とが全絞り部A、B、C、Dを介して通じるため、ポンプ37から供給された圧油は直接タンク41へ還流し操舵補助力は発生しない。
直進運転状態から右方へ操舵すると、操舵トルクに応じてトーションバー3は捩じれ、両バルブ部材24、25は相対回転する。その結果、各右操舵用凹部27と各圧油供給用凹部29との間の絞り部Aの開度および各左操舵用凹部28と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Bの開度が大きくなり、各左操舵用凹部28と各圧油供給用凹部29との間の絞り部Cの開度および各右操舵用凹部27と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Dの開度が小さくなる。これにより、ポンプ37から油圧シリンダ18の一方の油室21へ圧油が供給され、油圧シリンダ18の他方の油室22よりタンク41へ圧油が還流され、車両の右方への操舵補助力がラック8に作用する。
直進運転状態から左方へ操舵すると、各絞り部A、B、C、Dの開度は右方へ操舵した場合と逆に変化するので、車両の左方への操舵補助力がラック8に作用する。
【0021】
上記バルブハウジング10aの内部のオイルシール15と制御弁23との間に、操舵規制機構60が配置されている。その操舵規制機構60は、直進運転状態で、入力シャフト2と出力シャフト4の相対回転を、操舵トルクが設定値未満では阻止すると共に設定値以上で許容する。
【0022】
図1、図3に示すように、その操舵規制機構60は環状部材61を有する。その環状部材61は、間隔をおいて対向する一対の端部61a、61bを有し、両シャフト2、4の径方向に弾性変形可能とされている。
【0023】
すなわち、その出力シャフト4の一端側は、上記空洞部4aを囲む一対の周壁4b、4cにより構成され、両周壁4b、4cの間は、その空洞部4aと出力シャフト4の径方向外方とを連絡する一対の開口4d、4eとされている。その環状部材61は、その出力シャフト4の一端側外周に沿うように配置され、その一方の周壁4bの外周に沿って湾曲する円弧状部61cと、この円弧状部61cの両端と上記端部61a、61bとの接続部61d、61eとを有し、各端部61a、61bは他方の周壁4cの外周に沿って湾曲する。その他方の周壁4cの外周に形成された段差状の一対の受け部4f、4gに、その環状部材61の端部61a、61bが周方向から接することで、その環状部材61は出力シャフト4に同行回転可能に連結されている。
【0024】
その環状部材61の一対の接続部61d、61eの内周に一対の凸部61d′、61e′が形成され、その入力シャフト2に外周に一対の凹部2d′、2e′が形成され、その凸部61d′、61e′は上記開口4d、4eを介して空洞部4a内に配置される。直進運転状態において、その凸部61d′、61e′が凹部2d′、2e′に嵌め合わされる。各凹部2d′、2e′の内面は、中央部から周縁部に向かうに従い漸次浅くなる円錐面に沿うことで、両シャフト2、4の周方向に対して傾斜する。その凹部2d′、2e′の内面に沿うように、その凸部61d′、61e′の外面は両シャフト2、4の周方向に対して傾斜する。これにより、直進運転状態で、その環状部材61は、操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように入力シャフト2に接する。
【0025】
その環状部材61は、直進運転状態において、その操舵トルクが設定値未満では両シャフト2、4の相対回転を阻止し、その設定値以上の操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けることで弾性変形するものとされている。その環状部材61の弾性変形により、凸部61d′、61e′は凹部2d′、2e′から抜け出すように相対移動し、両シャフト2、4の相対回転が許容される。
【0026】
上記構成によれば、直進運転状態において、環状部材61は出力シャフト4と同行回転可能に連結され、操舵トルクが設定値未満では、その環状部材61により両シャフト2、4の相対回転が阻止される。これにより、直進運転状態で、操舵トルクが設定値未満では両シャフト2、4の相対回転を確実に阻止し、所望の剛性感を得ることができる。
直進運転状態で設定値以上の操舵トルクが作用すると、その環状部材61は入力シャフト2から受ける径方向外方に向かう力により弾性変形し、両シャフト2、4の相対回転が許容される。これにより、操舵トルクの増加に応じてトーションバー3の捩れ角が増加し、入力シャフト2と出力シャフト4とが相対回転し、操舵補助力が付与される。図4における実線は、上記構成の操舵トルクとトーションバー3の捩れ角との関係を示し、操舵トルクが設定値T未満ではトーションバー3はの捩れ角は零であるが、設定値T以上では操舵トルクの増加に応じてトーションバー3の捩れ角が増加する。これに対し、図中破線で示す操舵規制機構を備えていない構成では、操舵トルクの増加に応じてトーションバー3の捩れ角が増加する。
また、上記構成によれば、環状部材61の両端部61a、61bを出力シャフト4の外周の受け部4f、4gに接触させ、環状部材61の内周と入力シャフト2の外周とを凹凸部2d′、2e′、61d′、61e′を介して接触させるだけで、直進運転状態における両シャフト2、4の相対回転を操舵トルクが設定値未満では阻止し、設定値以上で許容できる。これにより、組立工程を極めて簡単化できる。
【0027】
図5〜図8は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と異なる操舵規制機構160を有する。その操舵規制機構160は、一対の環状部材161、162と一対の連結片163、164を有する。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同一部分は同一符号で示す。
【0028】
各環状部材161、162は、間隔をおいて対向する一対の端部161a、161b、162a、162bを有するC字形状を呈し、両シャフト2、4の径方向に弾性変形可能とされている。
【0029】
すなわち、その出力シャフト4の一端側は、空洞部4aを囲む一対の周壁4b、4cにより構成され、両周壁4b、4cの間は、その空洞部4aと出力シャフト4の径方向外方とを連絡する一対の開口4d、4eとされている。各環状部材161、162は、その出力シャフト4の一端側外周に沿うように配置される。各環状部材161、162において、一方の端部161a、162aは一方の周壁4bの外周に沿って円弧状に湾曲し、他方の端部161b、162bは他方の周壁4cの外周に沿って円弧状に湾曲し、その一方の端部161a、162aと他方の端部161b、162bとは接続部161c、162cにより接続される。
【0030】
各連結片163、164は円柱状で、出力シャフト4の外周の周方向に180度離れた位置に形成された一対の凹部165、166に、両シャフト2、4の径方向に沿う軸中心に回転可能に嵌め合わされている。各連結片163、164に凹部163a、164aが形成されている。各凹部163a、164aの内周は円筒面に沿い、図8に示すように、その中心Eは各連結片163、164の回転中心E′から偏心する。各環状部材161、162の一方の端部161a、162aに、一方の連結片163の凹部163aの内周面に接するように径方向内方に向かい突出する突出部161a′、162a′が形成され、他方の端部161b、162bに、他方の連結片164の凹部164aの内周面に接するように径方向内方に向かい突出する突出部161b′、162b′が形成されている。これにより、各環状部材161、162の一方の端部161a、162aは、一方の連結片163に、その連結片163の回転中心から偏心した位置において同行回転可能に接続され、他方の端部161b、162bは、他方の連結片164に、その連結片164の回転中心から偏心した位置において同行回転可能に接続される。よって、その連結片163、164の回転により、各環状部材161、162と出力シャフト4との連結位置を周方向において変更し、その環状部材161、162と両シャフト2、4との周方向相対位置を変更できる。なお、各連結片163、164には、その回転のための工具の挿入孔163″、164″が形成されている。
【0031】
各環状部材161、162は、各突出部161a′、161b′、162a′、162b′が凹部163a、164aの内周面に接することで、出力シャフト4に同行回転可能に連結されることになる。
【0032】
図7に示すように、各環状部材161、162の接続部161c、162cの内周に凸部161c′、162c′が形成され、入力シャフト2の外周に一対の凹部2d′、2e′が形成され、その凸部161c′、162c′は出力シャフト4に形成された開口4d、4eを介して空洞部4a内に配置される。直進運転状態において、その凸部161c′、162c′が凹部2d′、2e′に嵌め合わされる。各凹部2d′、2e′の内面は、中央部から周縁部に向かうに従い漸次浅くなる円錐面に沿うことで、両シャフト2、4の周方向に対して傾斜する。各凸部161c′、162c′の外面は、対向する凹部2d′、2e′の内面に沿うように、両シャフト2、4の周方向に対して傾斜する。これにより、直進運転状態で、各環状部材161、162は、操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように入力シャフト2に接する。
【0033】
各環状部材161、162は、直進運転状態において、その操舵トルクが設定値未満では両シャフト2、4の相対回転を阻止し、その設定値以上の操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けることで弾性変形するものとされている。各環状部材161、162の弾性変形により、凸部161c′、162c′は凹部2d′、2e′から抜け出すように相対移動し、両シャフト2、4の相対回転が許容される。他は第1実施形態と同様とされている。
【0034】
その第2実施形態によれば第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、入力シャフト2と出力シャフト4との周方向相対位置が公差の範囲で変動しても、環状部材161、162を、直進運転状態で操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように入力シャフト2に接触させることができる。すなわち、直進運転状態で各絞り部A、B、C、Dにより圧油が絞られて操舵補助力が発生しないように、入力シャフト2と出力シャフト4との周方向相対位置が調節された後に、トーションバー3は入力シャフト2にピン5を介して連結される。その際、入力シャフト2と出力シャフト4との周方向相対位置は公差の範囲で変動する。その変動により、直進運転状態において凸部161c′、162c′を凹部2d′、2e′に嵌め合わせて環状部材161、162を入力シャフト2に接触させることができなければ、環状部材161、162に操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を作用させることができない。第2実施形態によれば、両シャフト2、4の周方向相対位置の変動に応じて、連結片163、164の回転により環状部材161、162と出力シャフト4との連結位置を周方向において変更することで、その環状部材161、162と入力シャフト2との互いの接触位置が周方向において変化するのを防止でき、確実に所望の効果を奏することができる。この場合、連結片163、164を回転させるだけでよいので、その接触位置の変化を容易に防止できる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、環状部材は、入力シャフトに同行回転可能に連結され、且つ、出力シャフトに直進運転状態で操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように接するものとされてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な機械的構成によって、部品点数、組立工数、コストを必要以上に増大させることなく、直進運転状態で所望の剛性感を確実に得ることができる油圧パワーステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の油圧パワーステアリング装置の断面図
【図2】図1のII‐II線断面図
【図3】図1のIII‐III線断面図
【図4】本発明の実施形態の油圧パワーステアリング装置の操舵トルクとトーションバーの捩れ角との関係を示す図
【図5】本発明の第2実施形態の油圧パワーステアリング装置の断面図
【図6】本発明の第2実施形態の油圧パワーステアリング装置の要部の断面図
【図7】図6のVII‐VII線断面図
【図8】本発明の第2実施形態の要部の側面図
【符号の説明】
2 入力シャフト
2d′、2e′ 凹部
3 トーションバー
4 出力シャフト
4f、4g 受け部
18 油圧シリンダ
23 油圧制御弁
61、161、162 環状部材
61a、61b、161a、161b、162a、162b 端部
161c′、162c′ 凸部
163、164 連結片
Claims (3)
- 入力シャフトと、
その入力シャフトに操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能に連結される出力シャフトと、
供給される圧油の油圧に応じた操舵補助力を発生可能な油圧アクチュエータと、
その油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、その入力シャフトと出力シャフトの相対回転量に応じて制御する油圧制御弁とを備える油圧パワーステアリング装置において、
両シャフトの径方向に弾性変形可能な環状部材が、両シャフトの中の一方に同行回転可能に連結され、且つ、直進運転状態で操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように両シャフトの中の他方に接するものとされ、
操舵トルクが設定値未満では、その環状部材により直進運転状態で両シャフトの相対回転が阻止され、
直進運転状態での設定値以上の操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力による環状部材の弾性変形により、両シャフトの相対回転が許容され、
その環状部材は、間隔をおいて対向する一対の端部を有し、その両端部が両シャフトの中の一方の外周に形成された受け部に接することで、両シャフトの中の一方と同行回転可能とされ、
その環状部材の内周と両シャフトの中の他方の外周の中の一方に凹部が形成され、他方に凸部が形成され、その凹部に凸部が直進運転状態において嵌め合わされることで、環状部材は両シャフトの中の他方に接するものとされていることを特徴とする油圧パワーステアリング装置。 - 入力シャフトと、
その入力シャフトに操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能に連結される出力シャフトと、
供給される圧油の油圧に応じた操舵補助力を発生可能な油圧アクチュエータと、
その油圧アクチュエータに供給される圧油の油圧を、その入力シャフトと出力シャフトの相対回転量に応じて制御する油圧制御弁とを備える油圧パワーステアリング装置において、
両シャフトの径方向に弾性変形可能な環状部材が、両シャフトの中の一方に同行回転可能に連結され、且つ、直進運転状態で操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力を受けるように両シャフトの中の他方に接するものとされ、
操舵トルクが設定値未満では、その環状部材により直進運転状態で両シャフトの相対回転が阻止され、
直進運転状態での設定値以上の操舵トルクに応じた径方向外方に向かう力による環状部材の弾性変形により、両シャフトの相対回転が許容され、
その環状部材と両シャフトの中の一方との連結位置が、両シャフトの周方向において変更可能とされていることを特徴とする油圧パワーステアリング装置。 - その環状部材は間隔をおいて対向する一対の端部を有し、
一対の連結片が、両シャフトの中の一方に、両シャフトの径方向に沿う軸中心に回転可能に取り付けられ、
その環状部材の一方の端部が一方の連結片に、他方の端部が他方の連結片に、連結片の回転中心から偏心した位置において同行回転可能に接続され、
その連結片の回転により、その環状部材と両シャフトとの周方向相対位置が変更される請求項2に記載の油圧パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
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JP27341497A JP3678556B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 油圧パワーステアリング装置 |
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JP27341497A JP3678556B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 油圧パワーステアリング装置 |
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JPH1191601A JPH1191601A (ja) | 1999-04-06 |
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JPH1191601A (ja) | 1999-04-06 |
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