JP3672642B2 - 座標入力装置及び座標入力装置の入力システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タブレットシートを押圧しながら移動し、パーソナルコンピュータのディスプレーに表示されたカーソルを移動制御する座標入力装置に関し、更に詳しくは、マウスとコンパチブルで使用するため、マウスの出力データと同一のフォーマットでパーソナルコンピュータへデータを出力する座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GUI(グラフィカル ユーザー インターフェース)環境の進展に伴い、パーソナルコンピュータ(以下パソコンという)1のポインティングデバイスにマウスが広く用いられている。
【0003】
すなわち、マウスを操作パッド上で移動させ、その相対移動量をマウス相対移動データとしてパソコン1へ出力し、パソコン1のディスプレーに表示されたカーソルの移動を制御するものである。
【0004】
しかしながら、マウスは、このように操作パッド上で移動させる必要があるため、ノート型パソコン1などポータブルタイプのパソコン1にあっては、移動先で操作スペースを確保しづらく、また、パソコン1と共に持ち運ぶに、収納に適さない大きさと形状であった。
【0005】
このため、図5に示すようにタブレットシート6を入力面とした薄板状の座標入力装置5をポインティングデバイスとするものが開発されている。
【0006】
この座標入力装置5は、タブレットシート6の押圧位置を、公知の静電容量方式、抵抗接触方式などタブレットにおいて用いられる位置検出手段と同じ手段によって検出するものである。
【0007】
押圧位置の押圧位置データは、デバイス出力データに含められ、パソコン1に出力している。
【0008】
このデバイス出力データは、座標入力装置5をマウスとコンパチブルで用いるようにするため、マウス出力データと同一のデータフォーマットとしている。
【0009】
図6(a)は、いわゆるシリアルマウスのデータフォーマットを示すもので、3バイトからなるマウス出力データの内、X0からX7で表されたビット位置にX方向の移動量を表すマウス相対位置データが、Y0からY7で表されたビット位置にY方向の移動量を表すマウス相対位置データがそれぞれ含まれている。
【0010】
デバイス出力データは、このマウス相対位置データの代わりに座標入力装置5のX、Yの押圧位置データを含めたものである。
【0011】
このデバイス出力データは、図5に示すようにマウス接続用のI/Oポート8を経てデバイスドライバー4に入力され、デバイスドライバー4は、タブレットシート6の押圧位置データをマウス相対位置データとみなして、カーソル制御のための位置情報を形成する。
【0012】
従って、タブレットシート6の押圧を移動させることによって、あたかもマウスを操作するようにカーソルを移動させることができる。
【0013】
一方、マウスには、マウスに備えられたマウススイッチを操作させてクリック、ダブルクリック、ドラッグなど、マウス特有の操作を入力させる機能が備えられている。
【0014】
図5のように、座標入力装置5にもこのマウススイッチに対応する左右一組のタブレットスイッチが備えられているが、既述の通り座標入力装置5は、薄板状で小さく、片手でタブレットシート6とタブレットスイッチの操作を行うことは困難なものであった。
【0015】
特に、マウスのドラッグに相当する操作を入力するときには、タブレットスイッチを押し下げながら、タブレットシート6を押圧移動させる必要があり、片手でこの操作を行うことができなかった。
【0016】
従来の座標入力装置5には、この操作性に問題があり、座標入力装置5の普及の障害となっていた。
【0017】
そこで、タブレットシート6を軽くたたく(以下タッピングという)回数、及びその間隔で、クリック、ダブルクリックなどのマウススイッチの操作を表す座標入力装置5が開発されている。
【0018】
図7及び図8は、この座標入力装置5の操作を説明するための波形図であり、図7は、座標入力装置5の各操作を比較説明するため、マウスの各操作とマウス出力データの出力タイミングを表したものである。
【0019】
マウススイッチの操作は、スイッチが押し下げられた状態(ON)か、押し下げが解除された状態(OFF)であるかを示すマウススイッチステータスデータの変化で判別するものであり、従って、同図に示すようにこのデータに変化がある毎に、マウス出力データを出力している。
【0020】
マウススイッチステータスデータは、例えば「1」がONの状態を、「0」がOFFの状態を表し、図6(a)に示すようにマウス出力データの1バイト目のビット4(R)に右スイッチのステータスデータが、ビット5(L)に左スイッチのステータスデータが含まれる。クリック、ダブルクリックなどの操作は、通常マウスの左スイッチに割り当てられているので、上記ビット4(R)は「0」で変化せず、ビット5(L)のみが「1」と「0」の間で変化する。
【0021】
例えば、マウス左スイッチをシングルクリックしたときの図7のマウス出力データ(イ)、(ロ)は、それぞれ図6(b)、(c)となる。
【0022】
また、マウスからは、マウスを操作パッド上で移動させたときにもマウス相対移動データを出力するので、マウス出力データは、図7のように、マウススイッチステータスデータ若しくはマウス相対移動データのいずれか又は双方に変化がある毎に出力されることとなる。
【0023】
上記従来の座標入力装置5は、このマウスの各操作モードに個々に対応するタッピング操作を表1のように定義し、タブレットシート6の押圧タイミングと押圧しながら移動があったかどうかで、表1に定義したタッピング操作であるかどうかを判定し、いずれかのモードの条件を満たすときに、該操作モードに合わせて、マウス出力データと同じデバイス出力データを図8のように出力するものである。
【0024】
表1
【0025】
例えば、一回タッピングを行った場合には、表1(a)からシングルクリックと、二回タッピングを行った場合には、表1(b)からダブルクリックとみなす。
【0026】
同表において、タブレットシート6の押圧時間taが25msecから150msecの間であるときに、タッピング操作がなされたと判定する。タッピング以外の操作で、タブレットシート6が押圧される場合を除外するためである。
【0027】
一回のタッピングの後、tbの期間タブレットシート6が押圧されない場合には、他のモードのためのタッピングではないので、シングルクリックと判定される(表1(a))。
【0028】
また、一回のタッピング後tb期間内に、更にタブレットシート6が押圧され、この押圧がタッピング操作である場合にはダブルクリック(表1(b))と、押圧がtc時間以上続けられ、押圧中に相対移動位置データが変化した場合には、ドラッグ(表1(c))とそれぞれ判定される。ドラッグモードと通常の相対位置データ入力モードとは、その直前にタッピング操作がなされたかどうかで異なることとなる。
【0029】
このようにタッピングの操作を行った後、所定の判定期間をおいて、マウスの各操作モードに相当するデバイス出力データを出力するので、その出力タイミングは、図7と図8を比較して明らかなように、マウスの出力タイミングより遅れることとなる。
【0030】
しかしながら、マウスの各操作モードの単位でみれば、例えばクリックと判定したときのデバイス出力データは、図8の(ハ)が図6の(b)のように、図8の(ニ)が図6の(c)のように、マウスの左スイッチがクリック操作されたときのマウス出力データと、同一の出力間隔、同一のデータで出力される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
従って、この従来の座標入力装置5は、マウスとの互換性を保ちつつ、タブレットシート6をタッピングすることでマウス特有のモードを表すことができるが、座標入力装置5において表1の判定条件を比較していずれかのモードを判定する必要があるため、座標入力装置5内部に、判定条件を記憶するメモリー、クロック、タイマー、比較器などからなる判定手段を備える必要があり、回路が複雑化し、かつ座標入力装置5が大型化するという問題があった。
【0032】
また、表1の判定条件は、予め出荷時に座標入力装置5のROM等のメモリーに記憶させるが、その為、使用状態に合わせて簡単に条件を変更することができない。若しくは、ユーザーが座標入力装置内部の設定条件の変更を行う必要があり、パソコン1との双方向通信が必要とするなど困難である。
【0033】
例えば、タブレットシート6の押圧時間taが25msecから150msecの間であるときにタッピングと判定しているが、タブレットシート6を200msec押圧してタッピング操作を行うユーザーに対しては、表1(a)の押圧時間taを変更する必要がある。
【0034】
また、更に新たなマウスのモードを表1に定義する場合や、ユーザーの好みに応じて二回のタッピングをシングルクリック、三回のタッピングをダブルクリックなどに変更する場合にも条件を変更する必要がある。
【0035】
しかしながら、これらの条件変更は、分解してメモリーを交換するか、更に新たな条件を入力するための入力回路と、条件を変更させる変更回路を必要とするものであった。
【0036】
また、クリック、ダブルクリックなどマウス特有の操作モードは、マウスの左スイッチが操作されたものとして、デバイス出力データのマウス左スイッチステータスデータを変化させて出力している。つまり、図8の(ハ)、(ニ)のデバイス出力データは、図6(b)、(c)のように1バイト目のビット5のマウス左スイッチステータスデータを変化させ、パソコン1側にあたかもマウス左スイッチが操作されたものとして、その変化状態を出力している。
【0037】
一方、パソコン1に起動されたオペレーティングシステム(以下OSという)10によっては、左利きのユーザーのために、マウス特有の機能をマウス右スイッチに割り当てることができる機能が備えられている。この場合にパソコン1のデバイスドライバー4は、入力されたデバイス出力データから図6(a)に示す1バイト目のビット4にあるマウス右スイッチステータスデータの変化を監視し、クリック、ダブルクリックなどを判定する。
【0038】
従って、このようにOS10でマウススイッチの割り当てを変更したパソコン1には、座標入力装置5からマウス特有のモードを伝達することができないという問題があった。
【0039】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、座標入力装置5にマウスの操作モード判別のための判定手段を設ける必要がなく、タブレットシート6をタッピングしてマウス特有の操作モードを出力することができ、マウスの操作モードを判別する判定条件を簡単に変更できる座標入力装置5入力システムを提供する。
【0040】
また、マウスの操作モード判別のための判定手段を設ける必要がなく、マウスとの互換性を保ちながらマウス特有の操作モードを出力できる座標入力装置5を提供する。
【0041】
【課題を解決するための手段】
請求項1の座標入力装置の入力システムは、マウスからパーソナルコンピュータに出力されたマウス出力データを入力し、マウス出力データに含まれたマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、それぞれカーソル制御のための位置情報とマウススイッチ情報を形成し、パーソナルコンピュータにおいて起動されたオペレーティングシステム若しくはプログラムへ位置情報とマウススイッチ情報を送出するデバイスドライバーと、タブレットシートを備え、タブレットシートの押圧位置データを含むデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力する座標入力装置とからなり、デバイスドライバーにマウス出力データとしてデバイス出力データを入力し、タブレットシートの押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報を形成して、座標入力装置でパーソナルコンピュータのディスプレーに表示されたカーソルの移動を制御する座標入力装置の入力システムにおいて、座標入力装置(5)は、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力されたデバイス出力データの押圧位置データを、相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えたダミーデータとするダミーデータ形成手段を備え、タブレットシートが押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、少なくとも一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力し、デバイスドライバーは、ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすときに、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなし、この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータを該疑似操作モードにおいて変化する疑似マウススイッチステータスデータで形成したことを特徴とする。
【0042】
請求項1の発明は、タブレットシートの押圧位置を変化させると、押圧位置データが変化する。
【0043】
座標入力装置は、マウスと同様、押圧位置データが変化したときに、マウス出力データと同一のフォーマットでデバイス出力データをパーソナルコンピュータへ出力する。
【0044】
また、タブレットシートが押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、ダミーデータ形成手段により形成されたダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0045】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと押圧位置データが異なるデバイス出力データが入力されたときには、タブレットシートの押圧位置が変化したものと判断し、押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報を形成して、オペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出する。
【0046】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと比較して、その押圧位置データが相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えられたデバイス出力データを入力したときには、ダミーデータと判断する。ダミーデータを含む複数のデバイス出力データを入力したときには、その入力パターンを予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件と比較する。
【0047】
ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが、予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすと、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。
【0048】
この仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータは、疑似マウススイッチステータスデータで形成され、疑似操作モードに合わせて変化する。
【0049】
一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、位置情報とマウススイッチ情報が形成され、これらの情報は、デバイスドライバーよりパーソナルコンピュータで起動されたオペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出される。
【0050】
オペレーティングシステム若しくはプログラムは、この位置情報とマウススイッチ情報から、疑似操作モードに相当するマウスの操作があったものと判断し、対応する処理を行う。
【0051】
請求項2の座標入力装置の入力システムは、座標入力装置が、タブレットシートと少なくとも一つのタブレットスイッチを備え、タブレットシートの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータを含むデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力し、ダミーデータ形成手段が、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力したデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるダミーデータを形成することを特徴とする。
【0052】
請求項2の発明は、タブレットシートの押圧位置を変化させたり、タブレットスイッチを操作させるとると、デバイス出力データを構成するデータが変化する。
【0053】
座標入力装置は、マウスと同様、デバイス出力データを構成するデータが変化したときに、マウス出力データと同一のフォーマットでデバイス出力データをパーソナルコンピュータへ出力する。
【0054】
また、タブレットシートが押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、直前に出力したデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0055】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと比較し、押圧位置データ若しくはタブレットスイッチステータスデータが異なるデバイス出力データが入力されたときには、タブレットシートの押圧位置が変化したか、タブレットスイッチが操作されたものと判断し、押圧位置データ若しくはタブレットスイッチステータスデータをもとにカーソル制御のための位置情報若しくはマウススイッチ情報を形成して、オペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出する。
【0056】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるデバイス出力データを入力したときには、ダミーデータと判断する。ダミーデータを含む複数のデバイス出力データを入力したときには、その入力パターンを予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件と比較する。
【0057】
ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが、予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすと、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。
【0058】
この仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータは、疑似マウススイッチステータスデータで形成され、疑似操作モードに合わせて変化する。
【0059】
一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、位置情報とマウススイッチ情報が形成され、これらの情報は、デバイスドライバーよりパーソナルコンピュータで起動されたオペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出される。
【0060】
オペレーティングシステム若しくはプログラムは、この位置情報とマウススイッチ情報から、疑似操作モードに相当するマウスの操作があったものと判断し、対応する処理を行う。
【0061】
請求項3の座標入力装置の入力システムは、タブレットシートが押圧される毎に一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力し、デバイスドライバーにおける複数のデバイス出力データの入力パターンが、連続して二回のダミーデータを入力した後予め定めた待機時間内に、
(a)新たなデバイス出力データを入力しないときに、マウススイッチをシングルクリックしたものと、
(b)ダミーデータを入力したときに、マウススイッチをダブルクリックしたものと、
(c)押圧位置データが変化したデバイス出力データを入力したときに、マウスをドラッグモードで操作させたものとして、
予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たしたこととしたことを特徴とする。
【0062】
請求項3の発明は、タブレットシートが押圧される毎に、一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0063】
デバイスドライバーにおいて、疑似操作モードの内、タブレットシートを二回押圧した後、タブレットシートを押圧しないと、マウスをシングルクリックしたものと、再度タブレットシートを押圧すると、マウスをダブルクリックしたものと、押圧したまま押圧位置を移動させると、ドラッグモードと判定し、それぞれの疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなす。
【0064】
請求項4の座標入力装置の入力システムは、タブレットシートが押圧される毎に一回、押圧が解除される毎に二回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力し、デバイスドライバーにおける複数のデバイス出力データの入力パターンが、連続して三回のダミーデータを入力した後、予め定めた待機時間内に、
(a)新たなデバイス出力データを入力しないときに、マウススイッチをシングルクリックしたものと、
(b)ダミーデータを入力し、その後更に二回ダミーデータを入力したときに、マウススイッチをダブルクリックしたものと、
(c)ダミーデータを入力し、その後押圧位置データが変化したデバイス出力データを入力したときに、マウスをドラッグモードで操作させたものとして、
予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たしたこととしたことを特徴とする。
【0065】
請求項4の発明は、タブレットシートが押圧される毎に一回、押圧が解除される毎に二回、ダミーデータをデバイスデータとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0066】
デバイスドライバーにおいて、疑似操作モードの内、タブレットシートを二回タッピングした後、タブレットシートをタッピングしないと、マウスをシングルクリックしたものと、再度タブレットシートをタッピングすると、マウスをダブルクリックしたものと、押圧したまま押圧位置を移動させると、ドラッグモードと判定し、それぞれの疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなす。
【0067】
パーソナルコンピュータにおいては、同一データで構成されるデバイス出力データが連続して出力されることはないので、パーソナルコンピュータ1においては、ダミーデータと通常の変化情報を含むデバイス出力データを識別することができ、誤ってダミーデータに含まれるデータをデータ処理することがない。
【0068】
請求項5の座標入力装置は、タブレットシートと、タブレットシートの押圧と押圧解除を検出するペンオン検出手段と、タブレットシートの押圧位置を検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段とを備え、押圧位置データを含むデバイス出力データを、マウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力する座標入力装置において、
ペンオン検出手段で、タブレットシートの押圧を検出した後、若しくは押圧の解除を検出したとき、直前にパーソナルコンピュータに出力されたデバイス出力データの押圧位置データを、相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えたダミーデータを、少なくとも一回、デバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力したことを特徴とする。
【0069】
請求項5の発明は、座標入力装置のペンオン検出手段で、タブレットシートの押圧を検出したとき、若しくは押圧の解除を検出したとき、直前にパーソナルコンピュータに出力したデバイス出力データと比較して、その押圧位置データが相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えられたダミーデータがデバイス出力データとして座標入力装置から出力される。
【0070】
マウス出力データは、データが変化しないときには連続して出力されないので、パーソナルコンピュータにおいて、ダミーデータをマウス出力データ若しくはこれと同一のフォーマットで出力した他のデバイス出力データから識別することができる。従って、タブレットシートの押圧、押圧解除の回数、タイミングで、デバイス出力データに含まれるデータ以外のデータをパーソナルコンピュータへ伝達することができる。
【0071】
請求項6の座標入力装置は、タブレットシートと、少なくとも一つのタブレットスイッチと、タブレットシートの押圧を検出するペンオン検出手段と、タブレットシートの押圧位置を検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段とを備え、
押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されるデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力する座標入力装置において、
ペンオン検出手段でタブレットシートの押圧を検出する毎に、押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されるダミーデータをデバイス出力データとして出力したことを特徴とする。
【0072】
請求項6の発明は、タブレットシートを押圧すると、ペンオン検出手段がこの押圧を検出する。
【0073】
タブレットシートを押圧したときには、その押圧位置が変化せず、また、タブレットスイッチも操作しないので、タブレットシートの押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータは、直前にパーソナルコンピュータへ出力したデバイス出力データに係るデータと同一である。
【0074】
ペンオン検出手段でタブレットシートの押圧を検出する毎に、この押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されたダミーデータをデバイス出力データとして出力する。
【0075】
従って、ダミーデータをタブレットシートの押圧タイミングに近似したタイミングで押圧する毎に出力することができ、タブレットシートの押圧の回数、タイミングで、デバイス出力データに含まれるデータ以外のデータをパーソナルコンピュータ1へ伝達することができる。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0077】
図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示し、本実施の形態に係る座標入力装置5は、従来の座標入力装置5に、直前に出力したデバイス出力データと比較して相対移動量が0となる押圧位置データで構成されるダミーデータを形成するダミーデータ形成手段を備え、タブレットシート6が押圧されたときに、ダミーデータ形成手段で形成したダミーデータをデバイス出力データとしてパソコン1へ出力するものである。
【0078】
この座標入力装置5にも、従来と同様に、タブレットシート6の押圧位置を例えば押圧位置での電位から検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段と、左右のタブレットスイッチの操作状態を監視し、それぞれのスイッチの操作状態を表すタブレットスイッチステータスデータを発生させるスイッチ操作検出手段が備えられている。
【0079】
押圧位置データは、X方向とY方向の相対移動量をそれぞれ8ビットのデータで表したものであり、タブレットスイッチステータスデータは、スイッチが押し下げられた状態であるときに「1」、押し下げが解除された状態であるときに「0」で表される左右各1ビットのデータである。
【0080】
これらの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータは、周期的に座標入力装置5に備えられたマイクロコンピュータで監視され、いずれか若しくは、双方のデータに変化があったときに、そのデータを含むデバイス出力データが、図6(a)のデータフォーマットに従って、パソコン1のマウス用I/Oポート8へ出力される。
【0081】
例えば、図1に示すように、座標入力装置5から出力されるデバイス出力データの出力タイミング(i)は、タブレットスイッチのステータスデータが変化する毎に、またタブレットシート6の押圧位置が移り押圧位置データが変化する毎に出力される。
【0082】
タブレット左スイッチが押し下げられたときのデバイス出力データ(ホ)と、タブレット左スイッチの押し下げが解除されたときのデバイス出力データ(ヘ)は、それぞれ図6(b)(c)のように、1バイト目の5ビット目が「1」と「0」で変化する。このとき、デバイス出力データの押圧位置データを表すビット位置は、相対移動量が変化しないため、全て「0」となっている。尚、各バイトの最上位ビット(MSB)は、各バイトのヘッダーを示す「1」若しくは「0」となっている。本実施の形態に係るマウスと同一のデータフォーマットでは、各バイト毎に1ビットのスタートビットと、2ビットのエンドビットが加わえられ、従って、1フレームのデバイス出力データは、30ビットで構成されている。
【0083】
タブレット右スイッチが押し下げられたときのデバイス出力データ(ト)と、タブレット右スイッチの押し下げが解除されたときのデバイス出力データ(チ)は、それぞれ図6(d)(c)のように、1バイト目の4ビット目が「1」と「0」で変化する。
【0084】
また、タブレットスイッチが押し下げられずに、押圧位置データのみが変化すると、図6(a)のデバイス出力データにおいて、X0乃至X7及びY0乃至Y7で示したビット位置にX方向とY方向の相対移動量が含まれる。
【0085】
更に、座標入力装置5には、周期的にタブレットシート6の押圧(ペンオン)と押圧解除(ペンオフ)を検出するペンオン検出手段が設けられ、一定時間タブレットシート6の押圧を検出しないと自動的に、座標入力装置5を低消費電力モードである休止モードとする機能が備えられている。
【0086】
タブレットシート6が押圧されていない間(ペンオフ)は、押圧位置データが変化しないので、タブレットスイッチを操作しない限り、デバイス出力データを出力しない。
【0087】
例えば図3(a)のように、タブレットシート6の押圧をB1の位置で解除し、再度同図(b)のB2の位置からCまで押圧移動を行って、ディスプレー上のカーソルをA´からC´まで相対移動させることがある。このような場合には、B1からB2までタブレットスイッチを操作しない限り、B2からの相対移動を検出するまで、タブレットスイッチステータスデータと押圧位置データが変化しない。従って、A´からC´までの相対移動操作を連続させることができ、同図(b)に示すように、ディスプレー上のカーソルは、連続して表示される。
【0088】
なお、B1からB2までのペンオフの間にタブレットスイッチを操作すると、タブレットスイッチステータスデータが変化するので、デバイス出力データが出力される。
【0089】
いずれの場合であっても、タブレットシート6の押圧を検出した直後のタブレットスイッチステータスデータと押圧位置データは、最後に出力したデバイス出力データに係るデータと同一であるので、本実施の形態においては、このタブレットスイッチステータスデータと押圧位置データでダミーデータを形成し、タブレットシート6の押圧を検出したときに、このダミーデータをデバイス出力データとして出力するものである。
【0090】
つまり、図1乃び図2に示すように、タブレットシート6が押圧される毎に、図中斜線で示したダミーデータがデバイス出力データとして出力される。
【0091】
例えば、図1の相対移動操作においても、タブレットシート6を押圧するので、ダミーデータが出力されるが、このダミーデータ(リ)は、押圧直後のタブレットスイッチの状態が押圧解除の状態であり、相対移動もないので、図6(c)に示すように、ヘッダーを除く全てのデータが「0」となっている。
【0092】
尚、上記位置検出手段、スイッチ操作検出手段、ペンオン検出手段の詳細の構成については、従来のタブレット、デジタイザにおいて用いられている構成と同一であるためその説明を省略する。
【0093】
このように、パソコン1のI/Oポート8から入力されるデバイス出力データには、構成するデータが変化したときに出力されたデバイス出力データ(以下単に変更データという)とダミーデータとが混在するが、ダミーデータは、直前に座標入力装置5から出力されたデバイスデータと同じデータであるので、前者の変化データと判別することができる。
【0094】
パソコン1のデバイスドライバー4は、マウスと同一のデータフォーマットで入力されたデバイス出力データから上記のダミーデータを判別する。図4は、この入力されたデバイス出力データからダミーデータを判別し、そのダミーデータのデータ処理を行う手順を示したものである。
【0095】
尚、このデバイスドライバー4は、マウス出力データのデータ処理を行うドライバーでもあるので、マウス出力データが入力されることもあるが、図のフローチャートに従ってマウス出力データについても、ダミーデータとの判別が行われる。
【0096】
しかしながら、マウス出力データについても同一データで構成されるマウス出力データが連続して出力されることはないので、ステップS1からステップS4までの手順は、変化情報を含むデバイス出力データと同一に取り扱うことができ、便宜上デバイス出力データに含めて説明する。
【0097】
デバイスドライバー4にデバイス出力データが入力されると、相対移動量があったかどうか、すなわち押圧位置データが0であるかどうかを判定する(ステップS1)。
【0098】
続いて、スイッチステータスデータが前回入力されたデバイス出力データに含まれたスイッチステータスデータと同じであるかどうかを判定する(ステップS2)。
【0099】
ステップS1若しくはステップS2で、押圧位置データが0でないか、スイッチステータスデータが変化している場合には、デバイス出力データは、相対移動若しくはタブレットスイッチの変化情報を含んでいるということであり、変化データとみなすことができる。
【0100】
変化データである場合には、ステップS3で、既に入力されたダミーデータからの時間を計測中であるかどうかを判定し、時間を計測していない場合には、従来のデバイスドライバー4と同様、このデバイス出力データのデータ処理を行う(ステップS4)。
【0101】
ステップS3の処理については、後述する。
【0102】
ステップS4のデータ処理において、座標入力装置5から出力された変化データは、マウスと同一のデータフォーマットで入力されるので、マウスから出力されたマウス出力データとみなされて、通常のデータ処理が行われる。
【0103】
すなわち、デバイス出力データの押圧位置データはマウス相対移動データとみなされ、押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報が形成され、同様にタブレットスイッチステータスデータからマウススイッチ情報が形成される。
【0104】
例えば、0でない押圧位置データ(押圧位置に変化があったことを示す)を含むデバイス出力データが入力されると、X方向の押圧位置データがCPUのCXレジスタにX方向の位置情報として、Y方向の押圧位置データがDXレジスタにY方向の位置情報として、それぞれロードされる。
【0105】
また、前回入力されたときのタブレットスイッチステータスデータと異なるタブレットスイッチステータスデータを含むデバイス出力データが入力されると、マウススイッチステータスデータが変化したものとみなされ、CPUのBXレジスタにタブレットスイッチステータスデータがマウススイッチ情報としてロードされる。
【0106】
デバイスドライバー4は、このように変化データを入力する毎に、パソコン1で起動されたOS10、若しくは、プログラム3を呼び出して、これらのレジスタにロードしたデータを読み取らせ、該OS10、若しくはプログラム3に位置情報とマウススイッチ情報を送出している。
【0107】
OS10、若しくはプログラム3においては、マウススイッチ情報、位置情報及びこれらの入力間隔から、相対移動操作、スイッチ操作などの他、クリック、ダブルクリック、ドラッグなどマウス特有の操作モードを判別し、カーソル制御など所定の操作を実行する。
【0108】
ステップS1、ステップS2において、デバイス出力データの押圧位置データが0であり、スイッチステータスデータが変化していない場合には、入力されたデバイス出力データは、ダミーデータとみなして、ステップS5以下の処理を実行する。
【0109】
従来のマウス出力データ、デバイス出力データでは、データが変化しない限り、連続してこれらのデータを繰り返して出力しないので、連続して同じデータで構成されるデバイス出力データを入力したときには、別の情報をパソコン1へ伝達するために作成したダミーデータであると判別できる。
【0110】
ステップS5では、既に入力されたダミーデータからの時間を計測中であるかどうかを判定する。計測していない場合には、入力されたダミーデータが始めて入力されたダミーデータであるとみなし、このダミーデータからの時間間隔計測を開始する(ステップS6)。
【0111】
計測中である場合には、ステップS7に進み、デバイス出力データの入力パターンから疑似操作モードであるかどうかを判断する。疑似操作モードにおいては、ダミーデータを含む複数のデバイス出力データを表2に示す複数の入力パターン条件と比較し、いずれかの条件を満たすと、その入力パターンに対応する仮想マウス出力データが入力されたものとみなすものである。
【0112】
表2
【0113】
また、ステップS3では、ダミーデータ以外のデバイス出力データが入力されたときにも、既に入力されたダミーデータからの時間を計測中であるかどうかを判定する。計測を行っていない場合には、前述の通りステップS4のデータ処理を行い、計測中である場合には、ステップS8に進み、デバイス出力データの入力パターンから疑似操作モードであるかどうかを判断する。
【0114】
以下、ステップS7とステップS8における処理を、疑似操作モードの入力パターン条件を示した表2により説明する。
【0115】
表2(a)は、新たなデバイス出力データを入力したときに、既にダミーデータが入力された後t2時間以上の時間が経過している場合である。t2は、例えば1秒に設定する。
【0116】
このダミーデータは、疑似操作モードの入力を意図したものではなく、誤ってタブレットシート6を押圧して入力されたものであるため、無効とされる。
【0117】
新たなデバイス出力データが、ダミーデータである場合には、始めて入力されたダミーデータであるとみなし、ステップS7からステップS6に進み、このダミーデータからの時間間隔計測を再度開始する。
【0118】
新たなデバイス出力データが、変化データである場合には、時間間隔計測を停止し、ステップS8からステップS4へ進み、通常のデータ処理を行う。
【0119】
表2(b)は、0でない押圧位置データを含むデバイス出力データが、ダミーデータ入力後、t1とt2の時間内に入力された場合である。t1は、25msecに設定する。
【0120】
タブレットシート6を押圧移動させて、相対移動の操作モードとする場合には、図1に示すようにタブレットシート6押圧の際に必ずダミーデータが出力される。このときのダミーデータは、マウス特有の操作モードを表すために発生させたものではないので、引き続き、0でない押圧位置データを含むデバイス出力データが入力されることを条件に、相対移動の操作モードと判断する。
【0121】
相対移動の操作モードと判断すると、時間間隔計測を停止し、ステップS8からステップS4へ進み、通常のデータ処理を行う。
【0122】
表2(c)は、新たなダミーデータが、既に入力されたダミーデータの入力後t1とt2の時間内に入力され、その後t4時間内に新たなデバイス出力データの入力がない場合である。t4は、t2と同様に1秒に設定する。
【0123】
タブレットシート6を二回タッピングしたときに、この入力パターンが生じるが、ダブルクリック、ドラッグの疑似操作モードと識別するため、更にt4時間待機し、新たな入力がない場合に、シングルクリックの疑似操作モードにであると判断する。ステップS7において、シングルクリックの疑似操作モードと判断すると、時間間隔計測を停止し、ステップS9の疑似操作モードのデータ処理を行う。
【0124】
表2(d)は、ダミーデータが二回入力された後、二回目のダミーデータ入力後更にt3とt4の時間内に新たなダミーデータが入力された場合である。t3は、t1と同様25msecに設定する。
【0125】
タブレットシート6を3回タッピングすると、この入力パターンが生じる。
【0126】
ステップS7において、表2(d)の入力パターン条件を満たす入力があると、ダブルクリックの疑似操作モードであると判断し、時間間隔計測を停止するとともにステップS9の疑似操作モードのデータ処理を行う。
【0127】
表2(e)は、ダミーデータが二回入力された後、二回目のダミーデータ入力後t3とt4の時間内に変化データが入力された場合である。
【0128】
タブレットシート6を一回タッピングした後、タブレットシート6を押圧しながら移動させると、この入力パターンが生じる。
【0129】
ステップS8において、表2(e)の入力パターン条件を満たす入力があると、ドラッグの疑似操作モードであると判断し、時間間隔計測を停止するとともにステップS10の疑似操作モードのデータ処理を行う。
【0130】
ステップS9とステップS10での疑似操作モードのデータ処理は、図2により説明する。
【0131】
ステップ9において、二回目のダミーデータの入力があった後、t4時間経過しても新たなデバイス出力データの入力がないと、シングルクリックの疑似操作モードと判断する。
【0132】
従って、シングルクリックのデータ処理を実行するのは、図2に示すとおり、デバイスドライバー4において二回目のダミーデータを入力した後t4時間後である。
【0133】
シングルクリックの疑似操作モードと判断すると、あたかもマウスの左スイッチがクリック操作され、この操作によって同図(l)に示す一連の仮想マウス出力データが入力されたものとする。
【0134】
この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対位置データとマウススイッチステータスデータは、シングルクリックにより出力されるマウス出力データのデータ形式に合わせるため、マウス相対位置データを0とし、マウススイッチステータスデータをシングルクリックにおいて変化するマウススイッチステータスデータと同一の疑似マウススイッチステータスデータとする。
【0135】
すなわち、シングルクリックによって、同図(k)に示すように疑似マウススイッチステータスデータが変化するので、この変化によって(ヌ)と(ル)で示す仮想マウス出力データは、図6(a)の1バイト目の5ビット目のみが変化し、それぞれ図7のマウス出力データそれぞれ図7のマウス出力データ(イ)、(ロ)と同一のデータとなる。
【0136】
ステップS7において、ダブルクリックの疑似操作モードと判断されると、ステップS9で、あたかもマウスの左スイッチが二回クリック操作され、この操作によって同図(l)に示す一連の仮想マウス出力データが入力されたものとする。
【0137】
この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対位置データとマウススイッチステータスデータは、それぞれダブルクリックにより出力されるマウス出力データのデータ形式に合わせるため、マウス相対位置データを0とし、マウススイッチステータスデータをダブルクリックより変化するマウススイッチステータスデータと同一の疑似マウススイッチステータスデータとしている。
【0138】
すなわち、ダブルクリックによって、同図(k)に示すように疑似マウススイッチステータスデータが4回変化するので、この変化によって(ヲ)、(ワ)、(カ)、(ヨ)の4つの仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。
【0139】
これらの仮想マウス出力データは、ダブルクリックに相当する一連の仮想マウス出力データであるため、それぞれ、図6(a)の1バイト目の5ビット目のみが交互に変化したデータであり、(ヲ)と(カ)が(ヌ)と、(ワ)と(ヨ)が(ル)と同一のデータとなる。
【0140】
ステップS8において、ドラッグの疑似操作モードと判断すると、ステップS10で、あたかもマウスの左スイッチが押された状態で、マウスが相対移動操作され、この操作によって同図(l)に示す一連の仮想マウス出力データが入力されたものとする。
【0141】
ドラッグモードにおける疑似マウススイッチステータスデータは、常にマウス左スイッチを押圧した状態を表しているので、この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータは、マウス左スイッチを押圧した状態、すなわち、1バイト目のビット5が「1」となっている。
【0142】
ドラッグは、上述のように、最初に左スイッチを押し下げて操作するので、最初の仮想マウス出力データ(タ)は、図6(b)のように、マウススイッチステータスデータを示す1バイト目のビット5のみが「1」となり、マウス相対移動データは、0である。
【0143】
引き続いて入力されたとみなされる一連の仮想マウス出力データ(レ)、(ソ)は、タブレットシート6の押圧移動に伴い出力されたデバイス出力データ(ツ)、(ネ)に対応するもので、それぞれのデバイス出力データに含まれた押圧位置データを対応する仮想マウス出力データのマウス相対移動データとしている。
【0144】
従って、ドラッグモードを抜けるまで、タブレットシート6を押圧移動して出力されたデバイス出力データの数に等しい数の仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。前述のように、これらの一連の仮想マウス出力データに含まれたマウススイッチステータスデータは、左スイッチを押し下げた状態を示す「1」となっている。
【0145】
なお、図2のように、座標入力装置5での操作によりこのドラッグモードを抜けるには、タブレットシート6の押圧を一度解除し、再度タッピング操作を行い、ダミーデータを発生させる。
【0146】
ドラッグの疑似操作モードと判断しデータ処理を行っているときに、このダミーデータを入力すると、あたかもマウスの左スイッチの押し下げが解除され、マウススイッチステータスデータを「0」と変化させた仮想マウス出力データ(ア)が入力されたものとする。
【0147】
それぞれの疑似操作モードで、入力されたものとみなされた一連の仮想マウス出力データは、通常のマウスから入力されたマウス出力データと同一に扱われ、前述のステップS4でのデータ処理と同じデータ処理が行われる。
【0148】
すなわち、それぞれ図2(m)で示す出力タイミングで、マウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに形成された位置情報とマウススイッチ情報が、CPUのレジスタにロードされ、OS10若しくはプログラム3へ送出される。
【0149】
OS10若しくはプログラム3は、連続して送り込まれたこれらの位置情報とマウススイッチ情報からマウス特有の疑似操作モードであるクリック、ダブルクリックなどを判別し、対応する処理を実行する。
【0150】
従って、座標入力装置5のタッピング操作で、所定の情報を表し、座標入力装置5の変化情報を出力するデバイス出力データと混同させずに、パソコン1のOS10若しくはプログラム3へこの情報を伝達することができる。
【0151】
以上の第1実施の形態においては、タブレットシート6を押圧する毎に一回ダミーデータを出力しているが、押圧を解除するときには、ダミーデータを出力しない。
【0152】
従って、タブレットシート6が押圧されて疑似操作モードと判断された後のタブレットシート6の押圧状態は、疑似操作モードと無関係である。
【0153】
例えば、二回タッピングして押圧を解除したまま待機していても、一回タッピングした後、タブレットシート6を押圧したまま待機していても、シングルクリックと判断されるので、シングルクリックと他の操作を組み合わせるときの障害となる。
【0154】
第2実施の形態は、この問題を解決するため、タブレットシート6押圧の際に一回のダミーデータを出力するとともに、更に押圧解除の際に二回ダミーデータを連続して出力するものである。押圧解除の際に二回ダミーデータを出力するのは、押圧の際に出力するダミーデータと識別するためであり、二回のダミーデータの時間間隔は、予め定めた時間間隔tkとする。tkは、通常出力されない例えば10msecの様に短い時間間隔とし、他のデバイス出力データと識別できるようにする。
【0155】
なお、第1実施の形態では、タブレットシート6の押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータにより、ダミーデータを形成しているが、第2実施の形態に係る座標入力装置5においては、デバイス出力データとして出力されたデータを次のデバイス出力データが出力されるまで記憶し、この記憶したデバイス出力データを、タブレットシート6の押圧若しくは押圧解除を検出したときに読み出してダミーデータを形成している。
【0156】
座標入力装置5の操作と対応する疑似操作モードとの関係は、タブレットシート6を一回タッピングすれば、シングルクリックと、二回タッピングすればダブルクリックと、タッピングした後再度シートを押圧しながら移動させれば、ドラッグとするように疑似操作の各モードを対応づけている。
【0157】
表3は、第2実施の形態における入力パターンから、この疑似操作モードを判断するための入力パターン判断条件を示したものである。
【0158】
表3
【0159】
すなわち、表3(a)は、ダミーデータを入力した後t12の時間、新たなデバイス出力データの入力がない場合であり、入力されたダミーデータは、誤入力として無効とする。
【0160】
表3(b)は、ダミーデータを入力した後t11とt12の間に、変更情報を含むデバイスデータ出力データを入力した場合である。タブレットシート6を押圧して押圧しながら移動すれば、この入力パターンとなるので、通常の相対移動操作と判断する。
【0161】
表3(c)は、ダミーデータを入力した後t11とt12の間に、ダミーデータが入力され、tkの時間間隔で更にダミーデータを連続して入力した後、t13の時間新たなデバイス出力データの入力がない場合である。デバイスドライバー4でこの条件を満たす入力パターンがあった場合には、シングルクリックの疑似操作モードと判断する。tkの時間間隔で二回のダミーデータ入力を条件としているので、単に一回タッピングした後、タブレットシート6を押圧しただけでは、シングルクリックと判断されない。
【0162】
表3(d)は、表3(c)の入力パターンで、t13の時間待機している間に、更に一回のダミーデータから始まる表3(c)と同じ入力パターンがあった場合である。この条件を満たす入力パターンがあると、ダブルクリックの疑似操作モードと判断される。シングルクリックと同様、タブレットシート6の2度目の押圧を解除しないと、連続したダミーデータが出力されないので、ダブルクリックと判断されない。
【0163】
表3(e)は、同様に表3(c)の入力パターンで、t13の時間待機している間に、更に変更情報を含むデバイスデータ出力データを入力した場合である。この条件を満たす入力パターンでデバイス出力データが入力されると、ドラッグの疑似操作モードと判断される。その後、t13の時間間隔で連続したダミーデータを入力すると、タブレットシート6の押圧を解除したことが分かるので、ドラッグモードを抜ける。
【0164】
従って、第1実施の形態のように、新たにタブレットシート6をタッピングする必要がなく、ドラッグモードを終わらせることができる。
【0165】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく種々変更が可能である。
【0166】
例えば、ダミーデータは、タブレットシート6が押圧されたときに出力したが、押圧が解除されたときのみに出力してもよい。
【0167】
また、タブレットシート6の押圧を検出したとき、又は、押圧を解除したときに一回若しくは二回のダミーデータを出力したが、その回数を予め定めれば、任意の回数とすることができる。
【0168】
また、上記実施の形態では、ダミーデータの出力回数、タイミングで、マウス特有の操作モードであるクリック、ダブルクリック、ドラッグを表したが、これに限らず、種々の情報をパソコン1へ伝達することができる。
【0169】
例えば、タブレットシート6の押圧と押圧解除により出力されるダミーデータの回数とタイミングで、座標入力装置5に備えられたタブレットスイッチの押し下げ操作を表すとすれば、必ずしも座標入力装置5にタブレットスイッチを設ける必要がない。
【0170】
更に、上記実施の形態において疑似マウススイッチステータスデータは、疑似操作モードにおけるマウス左スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとしたが、マウス右スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとしてもよい。特に、このデータは、疑似操作モードにより自動的に作成されるものであるから、デバイスドライバー4のプログラム3を変更するだけで簡単に変更することができる。
【0171】
従って、パソコン1で起動されたプログラム3若しくはOS10により、左利きのユーザーを対象に、マウス右スイッチを操作してマウス特有の操作を行うように設定した場合であっても、疑似マウススイッチステータスデータで、仮想マウス出力データの右スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとすれば、上記実施の形態と同様に、タブレットシート6のタッピング操作によって、疑似操作モードを表すことができる。
【0172】
更に、上記実施の形態の座標入力装置5の位置検出手段は、タブレットシートに均一の電位勾配を形成し、押圧位置での電位から、タブレットシート6の押圧位置を検出するもので説明したが、従来の他のタブレットでの位置検出手段と同様の方法によってその位置を検出してもよい。例えば、タブレットシート6に指などを近づけた際に、その位置で変化する靜電容量からタブレットシート6への接近位置を検出する位置検出手段であってもよいが、このようないわゆる靜電容量方式を採用した場合には、タブレットシート6に接近した操作位置が、タブレットシート6の押圧位置となる。
【0173】
【発明の効果】
本発明によれば、タブレットシート6の押圧、若しくは押圧解除の回数、タイミングで疑似操作モードを表すことができるので、座標入力装置5をマウスの代わりに用い、しかもクリック、ドラッグなどマウス特有の操作を片手で入力できる。
【0174】
また、疑似操作モードの判断を座標入力装置5において行うことがないので、座標入力装置5に判定手段を備える必要がなく、座標入力装置5を小型化することができる。
【0175】
また、本来、マウスから出力されることのないタイミングで、ダミーデータを出力することにより、マウスや座標入力装置5との互換性を保ちつつマウス出力データや変化情報を含むデバイス出力データと混同させずに、更に別の情報を座標入力装置5からパソコン1へ伝達することができる。
【0176】
特に、デバイス出力データの出力フォーマットに余分なデータを含めることができない場合に、出力フォーマットを変えずに他の種類のデータを出力することができる。
【0177】
請求項1乃至請求項4の発明によれば、パーソナルコンピュータ1のデバイスドライバー4で、入力パターンと疑似操作モードの入力パターン条件を比較しているので、入力パターン条件を簡単にプログラム3により変更できる。従って、座標入力装置5に、入力パターン条件を変更させるための入力回路や変更回路を備える必要がなくなり、また、パーソナルコンピュータ1と双方向通信を行わずに変更することができる。
【0178】
また、入力パターンと疑似操作モードとの関係も、デバイスドライバー4のプログラム3を変更させることにより容易に変更することができる。
【0179】
従って、パソコン1で起動されたプログラム3若しくはOS10により、左利きのユーザーを対象に、マウス右スイッチを操作してマウス特有の操作を行うように設定した場合であっても、疑似マウススイッチステータスデータで、仮想マウス出力データの右スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとすれば、上記実施の形態と同様に、タブレットシート6のタッピング操作によって、疑似操作モードを表すことができる。
【0180】
特に、請求項1の発明によれば、疑似操作モードをタブレットスイッチの操作とし、タブレットシート6のタッピング操作でタブレットスイッチのステータスを表せば、座標入力装置5に必ずしもスイッチを設ける必要がなくなる。
【0181】
請求項4の発明によれば、タブレットシート6を押圧したときと、押圧を解除したときをダミーデータの出力回数によって判別することができるので、疑似操作モードの入力パターン判断条件にタブレットシート6の押圧状態を含めることができ、更に異なる疑似操作モードを予め定めることができる。
【0182】
また、タブレットシート6を押圧操作して疑似操作モードのドラッグとした後、更に、タッピングすることなく押圧を解除するだけでドラッグモードを抜けることができる。
【0183】
請求項5及び請求項6の発明によれば、従来の座標入力装置5から連続して同じデータで構成されるデバイス出力データをダミーデータとして出力するだけで、デバイス出力データに含まれるデータ以外のデータをパソコン1へ出力することができる。
【0184】
また、座標入力装置5から出力されるダミーデータは、直前に出力されたデバイスデータと同じデータで構成されているので、ダミーデータが通常のマウス出力データやデバイス出力データから識別する手段を持たない従来のデバイスドライバー4に入力しても、誤動作を引き起こすことがない。
【0185】
従って、本発明に係る座標入力装置5を従来のパソコン1と接続して使用することができる。
【0186】
請求項6の発明によれば、タブレットシート6の押圧を検出したときには、タブレットスイッチステータスデータも押圧位置データも、その押圧によって変化するものではないので、これらのデータを用いて、簡単にダミーデータを形成することができる。
【0187】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るタブレットシート6とデバイスドライバー4における通常操作の波形図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係るタブレットシート6とデバイスドライバー4における疑似操作モードの波形図である。
【図3】タブレットシート6の操作とカーソルの移動関係を示す説明図である。
【図4】デバイス出力データからダミーデータを判別し、そのダミーデータのデータ処理を行う手順を示したフローチャートである。
【図5】座標入力装置5とパーソナルコンピュータ1の構成を示す説明図である。
【図6】パーソナルコンピュータ1へ出力されるデータの構成を示し、
(a)は、マウス出力フォーマットの
(b)は、左スイッチが押し下げられた状態の
(c)は、左右のスイッチの押し下げが解除され、且つ相対移動のない状態の
(d)は、右スイッチが押し下げられた状態の
それぞれデータフォーマットを示す説明図である。
【図7】マウスの各操作における操作状態と出力波形を示す波形図である。
【図8】従来の座標入力装置5の各操作における操作状態と出力波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
3 プログラム
4 デバイスドライバー
5 座標入力装置
6 タブレットシート
7 タブレットスイッチ
8 I/Oポート
10 オペレーティングシステム
【表1】 【表2】 【表3】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タブレットシートを押圧しながら移動し、パーソナルコンピュータのディスプレーに表示されたカーソルを移動制御する座標入力装置に関し、更に詳しくは、マウスとコンパチブルで使用するため、マウスの出力データと同一のフォーマットでパーソナルコンピュータへデータを出力する座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GUI(グラフィカル ユーザー インターフェース)環境の進展に伴い、パーソナルコンピュータ(以下パソコンという)1のポインティングデバイスにマウスが広く用いられている。
【0003】
すなわち、マウスを操作パッド上で移動させ、その相対移動量をマウス相対移動データとしてパソコン1へ出力し、パソコン1のディスプレーに表示されたカーソルの移動を制御するものである。
【0004】
しかしながら、マウスは、このように操作パッド上で移動させる必要があるため、ノート型パソコン1などポータブルタイプのパソコン1にあっては、移動先で操作スペースを確保しづらく、また、パソコン1と共に持ち運ぶに、収納に適さない大きさと形状であった。
【0005】
このため、図5に示すようにタブレットシート6を入力面とした薄板状の座標入力装置5をポインティングデバイスとするものが開発されている。
【0006】
この座標入力装置5は、タブレットシート6の押圧位置を、公知の静電容量方式、抵抗接触方式などタブレットにおいて用いられる位置検出手段と同じ手段によって検出するものである。
【0007】
押圧位置の押圧位置データは、デバイス出力データに含められ、パソコン1に出力している。
【0008】
このデバイス出力データは、座標入力装置5をマウスとコンパチブルで用いるようにするため、マウス出力データと同一のデータフォーマットとしている。
【0009】
図6(a)は、いわゆるシリアルマウスのデータフォーマットを示すもので、3バイトからなるマウス出力データの内、X0からX7で表されたビット位置にX方向の移動量を表すマウス相対位置データが、Y0からY7で表されたビット位置にY方向の移動量を表すマウス相対位置データがそれぞれ含まれている。
【0010】
デバイス出力データは、このマウス相対位置データの代わりに座標入力装置5のX、Yの押圧位置データを含めたものである。
【0011】
このデバイス出力データは、図5に示すようにマウス接続用のI/Oポート8を経てデバイスドライバー4に入力され、デバイスドライバー4は、タブレットシート6の押圧位置データをマウス相対位置データとみなして、カーソル制御のための位置情報を形成する。
【0012】
従って、タブレットシート6の押圧を移動させることによって、あたかもマウスを操作するようにカーソルを移動させることができる。
【0013】
一方、マウスには、マウスに備えられたマウススイッチを操作させてクリック、ダブルクリック、ドラッグなど、マウス特有の操作を入力させる機能が備えられている。
【0014】
図5のように、座標入力装置5にもこのマウススイッチに対応する左右一組のタブレットスイッチが備えられているが、既述の通り座標入力装置5は、薄板状で小さく、片手でタブレットシート6とタブレットスイッチの操作を行うことは困難なものであった。
【0015】
特に、マウスのドラッグに相当する操作を入力するときには、タブレットスイッチを押し下げながら、タブレットシート6を押圧移動させる必要があり、片手でこの操作を行うことができなかった。
【0016】
従来の座標入力装置5には、この操作性に問題があり、座標入力装置5の普及の障害となっていた。
【0017】
そこで、タブレットシート6を軽くたたく(以下タッピングという)回数、及びその間隔で、クリック、ダブルクリックなどのマウススイッチの操作を表す座標入力装置5が開発されている。
【0018】
図7及び図8は、この座標入力装置5の操作を説明するための波形図であり、図7は、座標入力装置5の各操作を比較説明するため、マウスの各操作とマウス出力データの出力タイミングを表したものである。
【0019】
マウススイッチの操作は、スイッチが押し下げられた状態(ON)か、押し下げが解除された状態(OFF)であるかを示すマウススイッチステータスデータの変化で判別するものであり、従って、同図に示すようにこのデータに変化がある毎に、マウス出力データを出力している。
【0020】
マウススイッチステータスデータは、例えば「1」がONの状態を、「0」がOFFの状態を表し、図6(a)に示すようにマウス出力データの1バイト目のビット4(R)に右スイッチのステータスデータが、ビット5(L)に左スイッチのステータスデータが含まれる。クリック、ダブルクリックなどの操作は、通常マウスの左スイッチに割り当てられているので、上記ビット4(R)は「0」で変化せず、ビット5(L)のみが「1」と「0」の間で変化する。
【0021】
例えば、マウス左スイッチをシングルクリックしたときの図7のマウス出力データ(イ)、(ロ)は、それぞれ図6(b)、(c)となる。
【0022】
また、マウスからは、マウスを操作パッド上で移動させたときにもマウス相対移動データを出力するので、マウス出力データは、図7のように、マウススイッチステータスデータ若しくはマウス相対移動データのいずれか又は双方に変化がある毎に出力されることとなる。
【0023】
上記従来の座標入力装置5は、このマウスの各操作モードに個々に対応するタッピング操作を表1のように定義し、タブレットシート6の押圧タイミングと押圧しながら移動があったかどうかで、表1に定義したタッピング操作であるかどうかを判定し、いずれかのモードの条件を満たすときに、該操作モードに合わせて、マウス出力データと同じデバイス出力データを図8のように出力するものである。
【0024】
表1
【0025】
例えば、一回タッピングを行った場合には、表1(a)からシングルクリックと、二回タッピングを行った場合には、表1(b)からダブルクリックとみなす。
【0026】
同表において、タブレットシート6の押圧時間taが25msecから150msecの間であるときに、タッピング操作がなされたと判定する。タッピング以外の操作で、タブレットシート6が押圧される場合を除外するためである。
【0027】
一回のタッピングの後、tbの期間タブレットシート6が押圧されない場合には、他のモードのためのタッピングではないので、シングルクリックと判定される(表1(a))。
【0028】
また、一回のタッピング後tb期間内に、更にタブレットシート6が押圧され、この押圧がタッピング操作である場合にはダブルクリック(表1(b))と、押圧がtc時間以上続けられ、押圧中に相対移動位置データが変化した場合には、ドラッグ(表1(c))とそれぞれ判定される。ドラッグモードと通常の相対位置データ入力モードとは、その直前にタッピング操作がなされたかどうかで異なることとなる。
【0029】
このようにタッピングの操作を行った後、所定の判定期間をおいて、マウスの各操作モードに相当するデバイス出力データを出力するので、その出力タイミングは、図7と図8を比較して明らかなように、マウスの出力タイミングより遅れることとなる。
【0030】
しかしながら、マウスの各操作モードの単位でみれば、例えばクリックと判定したときのデバイス出力データは、図8の(ハ)が図6の(b)のように、図8の(ニ)が図6の(c)のように、マウスの左スイッチがクリック操作されたときのマウス出力データと、同一の出力間隔、同一のデータで出力される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
従って、この従来の座標入力装置5は、マウスとの互換性を保ちつつ、タブレットシート6をタッピングすることでマウス特有のモードを表すことができるが、座標入力装置5において表1の判定条件を比較していずれかのモードを判定する必要があるため、座標入力装置5内部に、判定条件を記憶するメモリー、クロック、タイマー、比較器などからなる判定手段を備える必要があり、回路が複雑化し、かつ座標入力装置5が大型化するという問題があった。
【0032】
また、表1の判定条件は、予め出荷時に座標入力装置5のROM等のメモリーに記憶させるが、その為、使用状態に合わせて簡単に条件を変更することができない。若しくは、ユーザーが座標入力装置内部の設定条件の変更を行う必要があり、パソコン1との双方向通信が必要とするなど困難である。
【0033】
例えば、タブレットシート6の押圧時間taが25msecから150msecの間であるときにタッピングと判定しているが、タブレットシート6を200msec押圧してタッピング操作を行うユーザーに対しては、表1(a)の押圧時間taを変更する必要がある。
【0034】
また、更に新たなマウスのモードを表1に定義する場合や、ユーザーの好みに応じて二回のタッピングをシングルクリック、三回のタッピングをダブルクリックなどに変更する場合にも条件を変更する必要がある。
【0035】
しかしながら、これらの条件変更は、分解してメモリーを交換するか、更に新たな条件を入力するための入力回路と、条件を変更させる変更回路を必要とするものであった。
【0036】
また、クリック、ダブルクリックなどマウス特有の操作モードは、マウスの左スイッチが操作されたものとして、デバイス出力データのマウス左スイッチステータスデータを変化させて出力している。つまり、図8の(ハ)、(ニ)のデバイス出力データは、図6(b)、(c)のように1バイト目のビット5のマウス左スイッチステータスデータを変化させ、パソコン1側にあたかもマウス左スイッチが操作されたものとして、その変化状態を出力している。
【0037】
一方、パソコン1に起動されたオペレーティングシステム(以下OSという)10によっては、左利きのユーザーのために、マウス特有の機能をマウス右スイッチに割り当てることができる機能が備えられている。この場合にパソコン1のデバイスドライバー4は、入力されたデバイス出力データから図6(a)に示す1バイト目のビット4にあるマウス右スイッチステータスデータの変化を監視し、クリック、ダブルクリックなどを判定する。
【0038】
従って、このようにOS10でマウススイッチの割り当てを変更したパソコン1には、座標入力装置5からマウス特有のモードを伝達することができないという問題があった。
【0039】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、座標入力装置5にマウスの操作モード判別のための判定手段を設ける必要がなく、タブレットシート6をタッピングしてマウス特有の操作モードを出力することができ、マウスの操作モードを判別する判定条件を簡単に変更できる座標入力装置5入力システムを提供する。
【0040】
また、マウスの操作モード判別のための判定手段を設ける必要がなく、マウスとの互換性を保ちながらマウス特有の操作モードを出力できる座標入力装置5を提供する。
【0041】
【課題を解決するための手段】
請求項1の座標入力装置の入力システムは、マウスからパーソナルコンピュータに出力されたマウス出力データを入力し、マウス出力データに含まれたマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、それぞれカーソル制御のための位置情報とマウススイッチ情報を形成し、パーソナルコンピュータにおいて起動されたオペレーティングシステム若しくはプログラムへ位置情報とマウススイッチ情報を送出するデバイスドライバーと、タブレットシートを備え、タブレットシートの押圧位置データを含むデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力する座標入力装置とからなり、デバイスドライバーにマウス出力データとしてデバイス出力データを入力し、タブレットシートの押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報を形成して、座標入力装置でパーソナルコンピュータのディスプレーに表示されたカーソルの移動を制御する座標入力装置の入力システムにおいて、座標入力装置(5)は、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力されたデバイス出力データの押圧位置データを、相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えたダミーデータとするダミーデータ形成手段を備え、タブレットシートが押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、少なくとも一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力し、デバイスドライバーは、ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすときに、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなし、この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータを該疑似操作モードにおいて変化する疑似マウススイッチステータスデータで形成したことを特徴とする。
【0042】
請求項1の発明は、タブレットシートの押圧位置を変化させると、押圧位置データが変化する。
【0043】
座標入力装置は、マウスと同様、押圧位置データが変化したときに、マウス出力データと同一のフォーマットでデバイス出力データをパーソナルコンピュータへ出力する。
【0044】
また、タブレットシートが押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、ダミーデータ形成手段により形成されたダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0045】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと押圧位置データが異なるデバイス出力データが入力されたときには、タブレットシートの押圧位置が変化したものと判断し、押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報を形成して、オペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出する。
【0046】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと比較して、その押圧位置データが相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えられたデバイス出力データを入力したときには、ダミーデータと判断する。ダミーデータを含む複数のデバイス出力データを入力したときには、その入力パターンを予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件と比較する。
【0047】
ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが、予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすと、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。
【0048】
この仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータは、疑似マウススイッチステータスデータで形成され、疑似操作モードに合わせて変化する。
【0049】
一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、位置情報とマウススイッチ情報が形成され、これらの情報は、デバイスドライバーよりパーソナルコンピュータで起動されたオペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出される。
【0050】
オペレーティングシステム若しくはプログラムは、この位置情報とマウススイッチ情報から、疑似操作モードに相当するマウスの操作があったものと判断し、対応する処理を行う。
【0051】
請求項2の座標入力装置の入力システムは、座標入力装置が、タブレットシートと少なくとも一つのタブレットスイッチを備え、タブレットシートの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータを含むデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力し、ダミーデータ形成手段が、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力したデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるダミーデータを形成することを特徴とする。
【0052】
請求項2の発明は、タブレットシートの押圧位置を変化させたり、タブレットスイッチを操作させるとると、デバイス出力データを構成するデータが変化する。
【0053】
座標入力装置は、マウスと同様、デバイス出力データを構成するデータが変化したときに、マウス出力データと同一のフォーマットでデバイス出力データをパーソナルコンピュータへ出力する。
【0054】
また、タブレットシートが押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、直前に出力したデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0055】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと比較し、押圧位置データ若しくはタブレットスイッチステータスデータが異なるデバイス出力データが入力されたときには、タブレットシートの押圧位置が変化したか、タブレットスイッチが操作されたものと判断し、押圧位置データ若しくはタブレットスイッチステータスデータをもとにカーソル制御のための位置情報若しくはマウススイッチ情報を形成して、オペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出する。
【0056】
デバイスドライバーにおいて、直前に入力されたデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるデバイス出力データを入力したときには、ダミーデータと判断する。ダミーデータを含む複数のデバイス出力データを入力したときには、その入力パターンを予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件と比較する。
【0057】
ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが、予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすと、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。
【0058】
この仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータは、疑似マウススイッチステータスデータで形成され、疑似操作モードに合わせて変化する。
【0059】
一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、位置情報とマウススイッチ情報が形成され、これらの情報は、デバイスドライバーよりパーソナルコンピュータで起動されたオペレーティングシステム若しくはプログラムへ送出される。
【0060】
オペレーティングシステム若しくはプログラムは、この位置情報とマウススイッチ情報から、疑似操作モードに相当するマウスの操作があったものと判断し、対応する処理を行う。
【0061】
請求項3の座標入力装置の入力システムは、タブレットシートが押圧される毎に一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力し、デバイスドライバーにおける複数のデバイス出力データの入力パターンが、連続して二回のダミーデータを入力した後予め定めた待機時間内に、
(a)新たなデバイス出力データを入力しないときに、マウススイッチをシングルクリックしたものと、
(b)ダミーデータを入力したときに、マウススイッチをダブルクリックしたものと、
(c)押圧位置データが変化したデバイス出力データを入力したときに、マウスをドラッグモードで操作させたものとして、
予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たしたこととしたことを特徴とする。
【0062】
請求項3の発明は、タブレットシートが押圧される毎に、一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0063】
デバイスドライバーにおいて、疑似操作モードの内、タブレットシートを二回押圧した後、タブレットシートを押圧しないと、マウスをシングルクリックしたものと、再度タブレットシートを押圧すると、マウスをダブルクリックしたものと、押圧したまま押圧位置を移動させると、ドラッグモードと判定し、それぞれの疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなす。
【0064】
請求項4の座標入力装置の入力システムは、タブレットシートが押圧される毎に一回、押圧が解除される毎に二回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力し、デバイスドライバーにおける複数のデバイス出力データの入力パターンが、連続して三回のダミーデータを入力した後、予め定めた待機時間内に、
(a)新たなデバイス出力データを入力しないときに、マウススイッチをシングルクリックしたものと、
(b)ダミーデータを入力し、その後更に二回ダミーデータを入力したときに、マウススイッチをダブルクリックしたものと、
(c)ダミーデータを入力し、その後押圧位置データが変化したデバイス出力データを入力したときに、マウスをドラッグモードで操作させたものとして、
予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たしたこととしたことを特徴とする。
【0065】
請求項4の発明は、タブレットシートが押圧される毎に一回、押圧が解除される毎に二回、ダミーデータをデバイスデータとしてパーソナルコンピュータへ出力する。
【0066】
デバイスドライバーにおいて、疑似操作モードの内、タブレットシートを二回タッピングした後、タブレットシートをタッピングしないと、マウスをシングルクリックしたものと、再度タブレットシートをタッピングすると、マウスをダブルクリックしたものと、押圧したまま押圧位置を移動させると、ドラッグモードと判定し、それぞれの疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなす。
【0067】
パーソナルコンピュータにおいては、同一データで構成されるデバイス出力データが連続して出力されることはないので、パーソナルコンピュータ1においては、ダミーデータと通常の変化情報を含むデバイス出力データを識別することができ、誤ってダミーデータに含まれるデータをデータ処理することがない。
【0068】
請求項5の座標入力装置は、タブレットシートと、タブレットシートの押圧と押圧解除を検出するペンオン検出手段と、タブレットシートの押圧位置を検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段とを備え、押圧位置データを含むデバイス出力データを、マウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力する座標入力装置において、
ペンオン検出手段で、タブレットシートの押圧を検出した後、若しくは押圧の解除を検出したとき、直前にパーソナルコンピュータに出力されたデバイス出力データの押圧位置データを、相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えたダミーデータを、少なくとも一回、デバイス出力データとしてパーソナルコンピュータへ出力したことを特徴とする。
【0069】
請求項5の発明は、座標入力装置のペンオン検出手段で、タブレットシートの押圧を検出したとき、若しくは押圧の解除を検出したとき、直前にパーソナルコンピュータに出力したデバイス出力データと比較して、その押圧位置データが相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えられたダミーデータがデバイス出力データとして座標入力装置から出力される。
【0070】
マウス出力データは、データが変化しないときには連続して出力されないので、パーソナルコンピュータにおいて、ダミーデータをマウス出力データ若しくはこれと同一のフォーマットで出力した他のデバイス出力データから識別することができる。従って、タブレットシートの押圧、押圧解除の回数、タイミングで、デバイス出力データに含まれるデータ以外のデータをパーソナルコンピュータへ伝達することができる。
【0071】
請求項6の座標入力装置は、タブレットシートと、少なくとも一つのタブレットスイッチと、タブレットシートの押圧を検出するペンオン検出手段と、タブレットシートの押圧位置を検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段とを備え、
押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されるデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータへ出力する座標入力装置において、
ペンオン検出手段でタブレットシートの押圧を検出する毎に、押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されるダミーデータをデバイス出力データとして出力したことを特徴とする。
【0072】
請求項6の発明は、タブレットシートを押圧すると、ペンオン検出手段がこの押圧を検出する。
【0073】
タブレットシートを押圧したときには、その押圧位置が変化せず、また、タブレットスイッチも操作しないので、タブレットシートの押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータは、直前にパーソナルコンピュータへ出力したデバイス出力データに係るデータと同一である。
【0074】
ペンオン検出手段でタブレットシートの押圧を検出する毎に、この押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されたダミーデータをデバイス出力データとして出力する。
【0075】
従って、ダミーデータをタブレットシートの押圧タイミングに近似したタイミングで押圧する毎に出力することができ、タブレットシートの押圧の回数、タイミングで、デバイス出力データに含まれるデータ以外のデータをパーソナルコンピュータ1へ伝達することができる。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0077】
図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示し、本実施の形態に係る座標入力装置5は、従来の座標入力装置5に、直前に出力したデバイス出力データと比較して相対移動量が0となる押圧位置データで構成されるダミーデータを形成するダミーデータ形成手段を備え、タブレットシート6が押圧されたときに、ダミーデータ形成手段で形成したダミーデータをデバイス出力データとしてパソコン1へ出力するものである。
【0078】
この座標入力装置5にも、従来と同様に、タブレットシート6の押圧位置を例えば押圧位置での電位から検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段と、左右のタブレットスイッチの操作状態を監視し、それぞれのスイッチの操作状態を表すタブレットスイッチステータスデータを発生させるスイッチ操作検出手段が備えられている。
【0079】
押圧位置データは、X方向とY方向の相対移動量をそれぞれ8ビットのデータで表したものであり、タブレットスイッチステータスデータは、スイッチが押し下げられた状態であるときに「1」、押し下げが解除された状態であるときに「0」で表される左右各1ビットのデータである。
【0080】
これらの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータは、周期的に座標入力装置5に備えられたマイクロコンピュータで監視され、いずれか若しくは、双方のデータに変化があったときに、そのデータを含むデバイス出力データが、図6(a)のデータフォーマットに従って、パソコン1のマウス用I/Oポート8へ出力される。
【0081】
例えば、図1に示すように、座標入力装置5から出力されるデバイス出力データの出力タイミング(i)は、タブレットスイッチのステータスデータが変化する毎に、またタブレットシート6の押圧位置が移り押圧位置データが変化する毎に出力される。
【0082】
タブレット左スイッチが押し下げられたときのデバイス出力データ(ホ)と、タブレット左スイッチの押し下げが解除されたときのデバイス出力データ(ヘ)は、それぞれ図6(b)(c)のように、1バイト目の5ビット目が「1」と「0」で変化する。このとき、デバイス出力データの押圧位置データを表すビット位置は、相対移動量が変化しないため、全て「0」となっている。尚、各バイトの最上位ビット(MSB)は、各バイトのヘッダーを示す「1」若しくは「0」となっている。本実施の形態に係るマウスと同一のデータフォーマットでは、各バイト毎に1ビットのスタートビットと、2ビットのエンドビットが加わえられ、従って、1フレームのデバイス出力データは、30ビットで構成されている。
【0083】
タブレット右スイッチが押し下げられたときのデバイス出力データ(ト)と、タブレット右スイッチの押し下げが解除されたときのデバイス出力データ(チ)は、それぞれ図6(d)(c)のように、1バイト目の4ビット目が「1」と「0」で変化する。
【0084】
また、タブレットスイッチが押し下げられずに、押圧位置データのみが変化すると、図6(a)のデバイス出力データにおいて、X0乃至X7及びY0乃至Y7で示したビット位置にX方向とY方向の相対移動量が含まれる。
【0085】
更に、座標入力装置5には、周期的にタブレットシート6の押圧(ペンオン)と押圧解除(ペンオフ)を検出するペンオン検出手段が設けられ、一定時間タブレットシート6の押圧を検出しないと自動的に、座標入力装置5を低消費電力モードである休止モードとする機能が備えられている。
【0086】
タブレットシート6が押圧されていない間(ペンオフ)は、押圧位置データが変化しないので、タブレットスイッチを操作しない限り、デバイス出力データを出力しない。
【0087】
例えば図3(a)のように、タブレットシート6の押圧をB1の位置で解除し、再度同図(b)のB2の位置からCまで押圧移動を行って、ディスプレー上のカーソルをA´からC´まで相対移動させることがある。このような場合には、B1からB2までタブレットスイッチを操作しない限り、B2からの相対移動を検出するまで、タブレットスイッチステータスデータと押圧位置データが変化しない。従って、A´からC´までの相対移動操作を連続させることができ、同図(b)に示すように、ディスプレー上のカーソルは、連続して表示される。
【0088】
なお、B1からB2までのペンオフの間にタブレットスイッチを操作すると、タブレットスイッチステータスデータが変化するので、デバイス出力データが出力される。
【0089】
いずれの場合であっても、タブレットシート6の押圧を検出した直後のタブレットスイッチステータスデータと押圧位置データは、最後に出力したデバイス出力データに係るデータと同一であるので、本実施の形態においては、このタブレットスイッチステータスデータと押圧位置データでダミーデータを形成し、タブレットシート6の押圧を検出したときに、このダミーデータをデバイス出力データとして出力するものである。
【0090】
つまり、図1乃び図2に示すように、タブレットシート6が押圧される毎に、図中斜線で示したダミーデータがデバイス出力データとして出力される。
【0091】
例えば、図1の相対移動操作においても、タブレットシート6を押圧するので、ダミーデータが出力されるが、このダミーデータ(リ)は、押圧直後のタブレットスイッチの状態が押圧解除の状態であり、相対移動もないので、図6(c)に示すように、ヘッダーを除く全てのデータが「0」となっている。
【0092】
尚、上記位置検出手段、スイッチ操作検出手段、ペンオン検出手段の詳細の構成については、従来のタブレット、デジタイザにおいて用いられている構成と同一であるためその説明を省略する。
【0093】
このように、パソコン1のI/Oポート8から入力されるデバイス出力データには、構成するデータが変化したときに出力されたデバイス出力データ(以下単に変更データという)とダミーデータとが混在するが、ダミーデータは、直前に座標入力装置5から出力されたデバイスデータと同じデータであるので、前者の変化データと判別することができる。
【0094】
パソコン1のデバイスドライバー4は、マウスと同一のデータフォーマットで入力されたデバイス出力データから上記のダミーデータを判別する。図4は、この入力されたデバイス出力データからダミーデータを判別し、そのダミーデータのデータ処理を行う手順を示したものである。
【0095】
尚、このデバイスドライバー4は、マウス出力データのデータ処理を行うドライバーでもあるので、マウス出力データが入力されることもあるが、図のフローチャートに従ってマウス出力データについても、ダミーデータとの判別が行われる。
【0096】
しかしながら、マウス出力データについても同一データで構成されるマウス出力データが連続して出力されることはないので、ステップS1からステップS4までの手順は、変化情報を含むデバイス出力データと同一に取り扱うことができ、便宜上デバイス出力データに含めて説明する。
【0097】
デバイスドライバー4にデバイス出力データが入力されると、相対移動量があったかどうか、すなわち押圧位置データが0であるかどうかを判定する(ステップS1)。
【0098】
続いて、スイッチステータスデータが前回入力されたデバイス出力データに含まれたスイッチステータスデータと同じであるかどうかを判定する(ステップS2)。
【0099】
ステップS1若しくはステップS2で、押圧位置データが0でないか、スイッチステータスデータが変化している場合には、デバイス出力データは、相対移動若しくはタブレットスイッチの変化情報を含んでいるということであり、変化データとみなすことができる。
【0100】
変化データである場合には、ステップS3で、既に入力されたダミーデータからの時間を計測中であるかどうかを判定し、時間を計測していない場合には、従来のデバイスドライバー4と同様、このデバイス出力データのデータ処理を行う(ステップS4)。
【0101】
ステップS3の処理については、後述する。
【0102】
ステップS4のデータ処理において、座標入力装置5から出力された変化データは、マウスと同一のデータフォーマットで入力されるので、マウスから出力されたマウス出力データとみなされて、通常のデータ処理が行われる。
【0103】
すなわち、デバイス出力データの押圧位置データはマウス相対移動データとみなされ、押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報が形成され、同様にタブレットスイッチステータスデータからマウススイッチ情報が形成される。
【0104】
例えば、0でない押圧位置データ(押圧位置に変化があったことを示す)を含むデバイス出力データが入力されると、X方向の押圧位置データがCPUのCXレジスタにX方向の位置情報として、Y方向の押圧位置データがDXレジスタにY方向の位置情報として、それぞれロードされる。
【0105】
また、前回入力されたときのタブレットスイッチステータスデータと異なるタブレットスイッチステータスデータを含むデバイス出力データが入力されると、マウススイッチステータスデータが変化したものとみなされ、CPUのBXレジスタにタブレットスイッチステータスデータがマウススイッチ情報としてロードされる。
【0106】
デバイスドライバー4は、このように変化データを入力する毎に、パソコン1で起動されたOS10、若しくは、プログラム3を呼び出して、これらのレジスタにロードしたデータを読み取らせ、該OS10、若しくはプログラム3に位置情報とマウススイッチ情報を送出している。
【0107】
OS10、若しくはプログラム3においては、マウススイッチ情報、位置情報及びこれらの入力間隔から、相対移動操作、スイッチ操作などの他、クリック、ダブルクリック、ドラッグなどマウス特有の操作モードを判別し、カーソル制御など所定の操作を実行する。
【0108】
ステップS1、ステップS2において、デバイス出力データの押圧位置データが0であり、スイッチステータスデータが変化していない場合には、入力されたデバイス出力データは、ダミーデータとみなして、ステップS5以下の処理を実行する。
【0109】
従来のマウス出力データ、デバイス出力データでは、データが変化しない限り、連続してこれらのデータを繰り返して出力しないので、連続して同じデータで構成されるデバイス出力データを入力したときには、別の情報をパソコン1へ伝達するために作成したダミーデータであると判別できる。
【0110】
ステップS5では、既に入力されたダミーデータからの時間を計測中であるかどうかを判定する。計測していない場合には、入力されたダミーデータが始めて入力されたダミーデータであるとみなし、このダミーデータからの時間間隔計測を開始する(ステップS6)。
【0111】
計測中である場合には、ステップS7に進み、デバイス出力データの入力パターンから疑似操作モードであるかどうかを判断する。疑似操作モードにおいては、ダミーデータを含む複数のデバイス出力データを表2に示す複数の入力パターン条件と比較し、いずれかの条件を満たすと、その入力パターンに対応する仮想マウス出力データが入力されたものとみなすものである。
【0112】
表2
【0113】
また、ステップS3では、ダミーデータ以外のデバイス出力データが入力されたときにも、既に入力されたダミーデータからの時間を計測中であるかどうかを判定する。計測を行っていない場合には、前述の通りステップS4のデータ処理を行い、計測中である場合には、ステップS8に進み、デバイス出力データの入力パターンから疑似操作モードであるかどうかを判断する。
【0114】
以下、ステップS7とステップS8における処理を、疑似操作モードの入力パターン条件を示した表2により説明する。
【0115】
表2(a)は、新たなデバイス出力データを入力したときに、既にダミーデータが入力された後t2時間以上の時間が経過している場合である。t2は、例えば1秒に設定する。
【0116】
このダミーデータは、疑似操作モードの入力を意図したものではなく、誤ってタブレットシート6を押圧して入力されたものであるため、無効とされる。
【0117】
新たなデバイス出力データが、ダミーデータである場合には、始めて入力されたダミーデータであるとみなし、ステップS7からステップS6に進み、このダミーデータからの時間間隔計測を再度開始する。
【0118】
新たなデバイス出力データが、変化データである場合には、時間間隔計測を停止し、ステップS8からステップS4へ進み、通常のデータ処理を行う。
【0119】
表2(b)は、0でない押圧位置データを含むデバイス出力データが、ダミーデータ入力後、t1とt2の時間内に入力された場合である。t1は、25msecに設定する。
【0120】
タブレットシート6を押圧移動させて、相対移動の操作モードとする場合には、図1に示すようにタブレットシート6押圧の際に必ずダミーデータが出力される。このときのダミーデータは、マウス特有の操作モードを表すために発生させたものではないので、引き続き、0でない押圧位置データを含むデバイス出力データが入力されることを条件に、相対移動の操作モードと判断する。
【0121】
相対移動の操作モードと判断すると、時間間隔計測を停止し、ステップS8からステップS4へ進み、通常のデータ処理を行う。
【0122】
表2(c)は、新たなダミーデータが、既に入力されたダミーデータの入力後t1とt2の時間内に入力され、その後t4時間内に新たなデバイス出力データの入力がない場合である。t4は、t2と同様に1秒に設定する。
【0123】
タブレットシート6を二回タッピングしたときに、この入力パターンが生じるが、ダブルクリック、ドラッグの疑似操作モードと識別するため、更にt4時間待機し、新たな入力がない場合に、シングルクリックの疑似操作モードにであると判断する。ステップS7において、シングルクリックの疑似操作モードと判断すると、時間間隔計測を停止し、ステップS9の疑似操作モードのデータ処理を行う。
【0124】
表2(d)は、ダミーデータが二回入力された後、二回目のダミーデータ入力後更にt3とt4の時間内に新たなダミーデータが入力された場合である。t3は、t1と同様25msecに設定する。
【0125】
タブレットシート6を3回タッピングすると、この入力パターンが生じる。
【0126】
ステップS7において、表2(d)の入力パターン条件を満たす入力があると、ダブルクリックの疑似操作モードであると判断し、時間間隔計測を停止するとともにステップS9の疑似操作モードのデータ処理を行う。
【0127】
表2(e)は、ダミーデータが二回入力された後、二回目のダミーデータ入力後t3とt4の時間内に変化データが入力された場合である。
【0128】
タブレットシート6を一回タッピングした後、タブレットシート6を押圧しながら移動させると、この入力パターンが生じる。
【0129】
ステップS8において、表2(e)の入力パターン条件を満たす入力があると、ドラッグの疑似操作モードであると判断し、時間間隔計測を停止するとともにステップS10の疑似操作モードのデータ処理を行う。
【0130】
ステップS9とステップS10での疑似操作モードのデータ処理は、図2により説明する。
【0131】
ステップ9において、二回目のダミーデータの入力があった後、t4時間経過しても新たなデバイス出力データの入力がないと、シングルクリックの疑似操作モードと判断する。
【0132】
従って、シングルクリックのデータ処理を実行するのは、図2に示すとおり、デバイスドライバー4において二回目のダミーデータを入力した後t4時間後である。
【0133】
シングルクリックの疑似操作モードと判断すると、あたかもマウスの左スイッチがクリック操作され、この操作によって同図(l)に示す一連の仮想マウス出力データが入力されたものとする。
【0134】
この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対位置データとマウススイッチステータスデータは、シングルクリックにより出力されるマウス出力データのデータ形式に合わせるため、マウス相対位置データを0とし、マウススイッチステータスデータをシングルクリックにおいて変化するマウススイッチステータスデータと同一の疑似マウススイッチステータスデータとする。
【0135】
すなわち、シングルクリックによって、同図(k)に示すように疑似マウススイッチステータスデータが変化するので、この変化によって(ヌ)と(ル)で示す仮想マウス出力データは、図6(a)の1バイト目の5ビット目のみが変化し、それぞれ図7のマウス出力データそれぞれ図7のマウス出力データ(イ)、(ロ)と同一のデータとなる。
【0136】
ステップS7において、ダブルクリックの疑似操作モードと判断されると、ステップS9で、あたかもマウスの左スイッチが二回クリック操作され、この操作によって同図(l)に示す一連の仮想マウス出力データが入力されたものとする。
【0137】
この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウス相対位置データとマウススイッチステータスデータは、それぞれダブルクリックにより出力されるマウス出力データのデータ形式に合わせるため、マウス相対位置データを0とし、マウススイッチステータスデータをダブルクリックより変化するマウススイッチステータスデータと同一の疑似マウススイッチステータスデータとしている。
【0138】
すなわち、ダブルクリックによって、同図(k)に示すように疑似マウススイッチステータスデータが4回変化するので、この変化によって(ヲ)、(ワ)、(カ)、(ヨ)の4つの仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。
【0139】
これらの仮想マウス出力データは、ダブルクリックに相当する一連の仮想マウス出力データであるため、それぞれ、図6(a)の1バイト目の5ビット目のみが交互に変化したデータであり、(ヲ)と(カ)が(ヌ)と、(ワ)と(ヨ)が(ル)と同一のデータとなる。
【0140】
ステップS8において、ドラッグの疑似操作モードと判断すると、ステップS10で、あたかもマウスの左スイッチが押された状態で、マウスが相対移動操作され、この操作によって同図(l)に示す一連の仮想マウス出力データが入力されたものとする。
【0141】
ドラッグモードにおける疑似マウススイッチステータスデータは、常にマウス左スイッチを押圧した状態を表しているので、この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータは、マウス左スイッチを押圧した状態、すなわち、1バイト目のビット5が「1」となっている。
【0142】
ドラッグは、上述のように、最初に左スイッチを押し下げて操作するので、最初の仮想マウス出力データ(タ)は、図6(b)のように、マウススイッチステータスデータを示す1バイト目のビット5のみが「1」となり、マウス相対移動データは、0である。
【0143】
引き続いて入力されたとみなされる一連の仮想マウス出力データ(レ)、(ソ)は、タブレットシート6の押圧移動に伴い出力されたデバイス出力データ(ツ)、(ネ)に対応するもので、それぞれのデバイス出力データに含まれた押圧位置データを対応する仮想マウス出力データのマウス相対移動データとしている。
【0144】
従って、ドラッグモードを抜けるまで、タブレットシート6を押圧移動して出力されたデバイス出力データの数に等しい数の仮想マウス出力データが入力されたものとみなされる。前述のように、これらの一連の仮想マウス出力データに含まれたマウススイッチステータスデータは、左スイッチを押し下げた状態を示す「1」となっている。
【0145】
なお、図2のように、座標入力装置5での操作によりこのドラッグモードを抜けるには、タブレットシート6の押圧を一度解除し、再度タッピング操作を行い、ダミーデータを発生させる。
【0146】
ドラッグの疑似操作モードと判断しデータ処理を行っているときに、このダミーデータを入力すると、あたかもマウスの左スイッチの押し下げが解除され、マウススイッチステータスデータを「0」と変化させた仮想マウス出力データ(ア)が入力されたものとする。
【0147】
それぞれの疑似操作モードで、入力されたものとみなされた一連の仮想マウス出力データは、通常のマウスから入力されたマウス出力データと同一に扱われ、前述のステップS4でのデータ処理と同じデータ処理が行われる。
【0148】
すなわち、それぞれ図2(m)で示す出力タイミングで、マウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに形成された位置情報とマウススイッチ情報が、CPUのレジスタにロードされ、OS10若しくはプログラム3へ送出される。
【0149】
OS10若しくはプログラム3は、連続して送り込まれたこれらの位置情報とマウススイッチ情報からマウス特有の疑似操作モードであるクリック、ダブルクリックなどを判別し、対応する処理を実行する。
【0150】
従って、座標入力装置5のタッピング操作で、所定の情報を表し、座標入力装置5の変化情報を出力するデバイス出力データと混同させずに、パソコン1のOS10若しくはプログラム3へこの情報を伝達することができる。
【0151】
以上の第1実施の形態においては、タブレットシート6を押圧する毎に一回ダミーデータを出力しているが、押圧を解除するときには、ダミーデータを出力しない。
【0152】
従って、タブレットシート6が押圧されて疑似操作モードと判断された後のタブレットシート6の押圧状態は、疑似操作モードと無関係である。
【0153】
例えば、二回タッピングして押圧を解除したまま待機していても、一回タッピングした後、タブレットシート6を押圧したまま待機していても、シングルクリックと判断されるので、シングルクリックと他の操作を組み合わせるときの障害となる。
【0154】
第2実施の形態は、この問題を解決するため、タブレットシート6押圧の際に一回のダミーデータを出力するとともに、更に押圧解除の際に二回ダミーデータを連続して出力するものである。押圧解除の際に二回ダミーデータを出力するのは、押圧の際に出力するダミーデータと識別するためであり、二回のダミーデータの時間間隔は、予め定めた時間間隔tkとする。tkは、通常出力されない例えば10msecの様に短い時間間隔とし、他のデバイス出力データと識別できるようにする。
【0155】
なお、第1実施の形態では、タブレットシート6の押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータにより、ダミーデータを形成しているが、第2実施の形態に係る座標入力装置5においては、デバイス出力データとして出力されたデータを次のデバイス出力データが出力されるまで記憶し、この記憶したデバイス出力データを、タブレットシート6の押圧若しくは押圧解除を検出したときに読み出してダミーデータを形成している。
【0156】
座標入力装置5の操作と対応する疑似操作モードとの関係は、タブレットシート6を一回タッピングすれば、シングルクリックと、二回タッピングすればダブルクリックと、タッピングした後再度シートを押圧しながら移動させれば、ドラッグとするように疑似操作の各モードを対応づけている。
【0157】
表3は、第2実施の形態における入力パターンから、この疑似操作モードを判断するための入力パターン判断条件を示したものである。
【0158】
表3
【0159】
すなわち、表3(a)は、ダミーデータを入力した後t12の時間、新たなデバイス出力データの入力がない場合であり、入力されたダミーデータは、誤入力として無効とする。
【0160】
表3(b)は、ダミーデータを入力した後t11とt12の間に、変更情報を含むデバイスデータ出力データを入力した場合である。タブレットシート6を押圧して押圧しながら移動すれば、この入力パターンとなるので、通常の相対移動操作と判断する。
【0161】
表3(c)は、ダミーデータを入力した後t11とt12の間に、ダミーデータが入力され、tkの時間間隔で更にダミーデータを連続して入力した後、t13の時間新たなデバイス出力データの入力がない場合である。デバイスドライバー4でこの条件を満たす入力パターンがあった場合には、シングルクリックの疑似操作モードと判断する。tkの時間間隔で二回のダミーデータ入力を条件としているので、単に一回タッピングした後、タブレットシート6を押圧しただけでは、シングルクリックと判断されない。
【0162】
表3(d)は、表3(c)の入力パターンで、t13の時間待機している間に、更に一回のダミーデータから始まる表3(c)と同じ入力パターンがあった場合である。この条件を満たす入力パターンがあると、ダブルクリックの疑似操作モードと判断される。シングルクリックと同様、タブレットシート6の2度目の押圧を解除しないと、連続したダミーデータが出力されないので、ダブルクリックと判断されない。
【0163】
表3(e)は、同様に表3(c)の入力パターンで、t13の時間待機している間に、更に変更情報を含むデバイスデータ出力データを入力した場合である。この条件を満たす入力パターンでデバイス出力データが入力されると、ドラッグの疑似操作モードと判断される。その後、t13の時間間隔で連続したダミーデータを入力すると、タブレットシート6の押圧を解除したことが分かるので、ドラッグモードを抜ける。
【0164】
従って、第1実施の形態のように、新たにタブレットシート6をタッピングする必要がなく、ドラッグモードを終わらせることができる。
【0165】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく種々変更が可能である。
【0166】
例えば、ダミーデータは、タブレットシート6が押圧されたときに出力したが、押圧が解除されたときのみに出力してもよい。
【0167】
また、タブレットシート6の押圧を検出したとき、又は、押圧を解除したときに一回若しくは二回のダミーデータを出力したが、その回数を予め定めれば、任意の回数とすることができる。
【0168】
また、上記実施の形態では、ダミーデータの出力回数、タイミングで、マウス特有の操作モードであるクリック、ダブルクリック、ドラッグを表したが、これに限らず、種々の情報をパソコン1へ伝達することができる。
【0169】
例えば、タブレットシート6の押圧と押圧解除により出力されるダミーデータの回数とタイミングで、座標入力装置5に備えられたタブレットスイッチの押し下げ操作を表すとすれば、必ずしも座標入力装置5にタブレットスイッチを設ける必要がない。
【0170】
更に、上記実施の形態において疑似マウススイッチステータスデータは、疑似操作モードにおけるマウス左スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとしたが、マウス右スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとしてもよい。特に、このデータは、疑似操作モードにより自動的に作成されるものであるから、デバイスドライバー4のプログラム3を変更するだけで簡単に変更することができる。
【0171】
従って、パソコン1で起動されたプログラム3若しくはOS10により、左利きのユーザーを対象に、マウス右スイッチを操作してマウス特有の操作を行うように設定した場合であっても、疑似マウススイッチステータスデータで、仮想マウス出力データの右スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとすれば、上記実施の形態と同様に、タブレットシート6のタッピング操作によって、疑似操作モードを表すことができる。
【0172】
更に、上記実施の形態の座標入力装置5の位置検出手段は、タブレットシートに均一の電位勾配を形成し、押圧位置での電位から、タブレットシート6の押圧位置を検出するもので説明したが、従来の他のタブレットでの位置検出手段と同様の方法によってその位置を検出してもよい。例えば、タブレットシート6に指などを近づけた際に、その位置で変化する靜電容量からタブレットシート6への接近位置を検出する位置検出手段であってもよいが、このようないわゆる靜電容量方式を採用した場合には、タブレットシート6に接近した操作位置が、タブレットシート6の押圧位置となる。
【0173】
【発明の効果】
本発明によれば、タブレットシート6の押圧、若しくは押圧解除の回数、タイミングで疑似操作モードを表すことができるので、座標入力装置5をマウスの代わりに用い、しかもクリック、ドラッグなどマウス特有の操作を片手で入力できる。
【0174】
また、疑似操作モードの判断を座標入力装置5において行うことがないので、座標入力装置5に判定手段を備える必要がなく、座標入力装置5を小型化することができる。
【0175】
また、本来、マウスから出力されることのないタイミングで、ダミーデータを出力することにより、マウスや座標入力装置5との互換性を保ちつつマウス出力データや変化情報を含むデバイス出力データと混同させずに、更に別の情報を座標入力装置5からパソコン1へ伝達することができる。
【0176】
特に、デバイス出力データの出力フォーマットに余分なデータを含めることができない場合に、出力フォーマットを変えずに他の種類のデータを出力することができる。
【0177】
請求項1乃至請求項4の発明によれば、パーソナルコンピュータ1のデバイスドライバー4で、入力パターンと疑似操作モードの入力パターン条件を比較しているので、入力パターン条件を簡単にプログラム3により変更できる。従って、座標入力装置5に、入力パターン条件を変更させるための入力回路や変更回路を備える必要がなくなり、また、パーソナルコンピュータ1と双方向通信を行わずに変更することができる。
【0178】
また、入力パターンと疑似操作モードとの関係も、デバイスドライバー4のプログラム3を変更させることにより容易に変更することができる。
【0179】
従って、パソコン1で起動されたプログラム3若しくはOS10により、左利きのユーザーを対象に、マウス右スイッチを操作してマウス特有の操作を行うように設定した場合であっても、疑似マウススイッチステータスデータで、仮想マウス出力データの右スイッチのマウススイッチステータスデータを表すものとすれば、上記実施の形態と同様に、タブレットシート6のタッピング操作によって、疑似操作モードを表すことができる。
【0180】
特に、請求項1の発明によれば、疑似操作モードをタブレットスイッチの操作とし、タブレットシート6のタッピング操作でタブレットスイッチのステータスを表せば、座標入力装置5に必ずしもスイッチを設ける必要がなくなる。
【0181】
請求項4の発明によれば、タブレットシート6を押圧したときと、押圧を解除したときをダミーデータの出力回数によって判別することができるので、疑似操作モードの入力パターン判断条件にタブレットシート6の押圧状態を含めることができ、更に異なる疑似操作モードを予め定めることができる。
【0182】
また、タブレットシート6を押圧操作して疑似操作モードのドラッグとした後、更に、タッピングすることなく押圧を解除するだけでドラッグモードを抜けることができる。
【0183】
請求項5及び請求項6の発明によれば、従来の座標入力装置5から連続して同じデータで構成されるデバイス出力データをダミーデータとして出力するだけで、デバイス出力データに含まれるデータ以外のデータをパソコン1へ出力することができる。
【0184】
また、座標入力装置5から出力されるダミーデータは、直前に出力されたデバイスデータと同じデータで構成されているので、ダミーデータが通常のマウス出力データやデバイス出力データから識別する手段を持たない従来のデバイスドライバー4に入力しても、誤動作を引き起こすことがない。
【0185】
従って、本発明に係る座標入力装置5を従来のパソコン1と接続して使用することができる。
【0186】
請求項6の発明によれば、タブレットシート6の押圧を検出したときには、タブレットスイッチステータスデータも押圧位置データも、その押圧によって変化するものではないので、これらのデータを用いて、簡単にダミーデータを形成することができる。
【0187】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るタブレットシート6とデバイスドライバー4における通常操作の波形図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係るタブレットシート6とデバイスドライバー4における疑似操作モードの波形図である。
【図3】タブレットシート6の操作とカーソルの移動関係を示す説明図である。
【図4】デバイス出力データからダミーデータを判別し、そのダミーデータのデータ処理を行う手順を示したフローチャートである。
【図5】座標入力装置5とパーソナルコンピュータ1の構成を示す説明図である。
【図6】パーソナルコンピュータ1へ出力されるデータの構成を示し、
(a)は、マウス出力フォーマットの
(b)は、左スイッチが押し下げられた状態の
(c)は、左右のスイッチの押し下げが解除され、且つ相対移動のない状態の
(d)は、右スイッチが押し下げられた状態の
それぞれデータフォーマットを示す説明図である。
【図7】マウスの各操作における操作状態と出力波形を示す波形図である。
【図8】従来の座標入力装置5の各操作における操作状態と出力波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
3 プログラム
4 デバイスドライバー
5 座標入力装置
6 タブレットシート
7 タブレットスイッチ
8 I/Oポート
10 オペレーティングシステム
【表1】 【表2】 【表3】
Claims (6)
- マウスからパーソナルコンピュータ(1)に出力されたマウス出力データを入力し、マウス出力データに含まれたマウス相対移動データとマウススイッチステータスデータをもとに、それぞれカーソル制御のための位置情報とマウススイッチ情報を形成し、パーソナルコンピュータ(1)において起動されたオペレーティングシステム(10)若しくはプログラム(3)へ位置情報とマウススイッチ情報を送出するデバイスドライバー(4)と、
タブレットシート(6)を備え、タブレットシート(6)の押圧位置データを含むデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータ(1)へ出力する座標入力装置(5)とからなり、
デバイスドライバー(4)にマウス出力データとしてデバイス出力データを入力し、タブレットシート(6)の押圧位置データをもとにカーソル制御のための位置情報を形成して、座標入力装置(5)でパーソナルコンピュータ(1)のディスプレーに表示されたカーソルの移動を制御する座標入力装置の入力システムにおいて、
座標入力装置(5)は、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力されたデバイス出力データの押圧位置データを、相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えたダミーデータとするダミーデータ形成手段を備え、
タブレットシート(6)が押圧されたとき、若しくは押圧が解除されたとき、又はその双方のタイミングで、少なくとも一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータ(1)へ出力し、
デバイスドライバー(4)は、ダミーデータを含む複数のデバイス出力データの入力パターンが予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たすときに、該疑似操作モードに相当する一連の仮想マウス出力データが入力されたものとみなし、この一連の仮想マウス出力データに含まれるマウススイッチステータスデータを該疑似操作モードにおいて変化する疑似マウススイッチステータスデータで形成したことを特徴とする座標入力装置の入力システム。 - 座標入力装置(5)は、タブレットシート(6)と少なくとも一つのタブレットスイッチを備え、タブレットシート(6)の押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータを含むデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータ(1)へ出力し、
ダミーデータ形成手段は、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力したデバイス出力データと比較して、相対移動量が0となるタブレットの押圧位置データとスイッチステータスデータが変化しないタブレットスイッチステータスデータとから構成されるダミーデータを形成することを特徴とする請求項1記載の座標入力装置の入力システム。 - タブレットシート(6)が押圧される毎に一回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータ(1)へ出力し、デバイスドライバー(4)における複数のデバイス出力データの入力パターンが、
連続して二回のダミーデータを入力した後予め定めた待機時間内に、
(a)新たなデバイス出力データを入力しないときに、マウススイッチをシングルクリックしたものと、
(b)ダミーデータを入力したときに、マウススイッチをダブルクリックしたものと、
(c)押圧位置データが変化したデバイス出力データを入力したときに、マウスをドラッグモードで操作させたものとして、
予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たしたこととしたことを特徴とする請求項1又は2記載の座標入力装置の入力システム。 - タブレットシート(6)が押圧される毎に一回、押圧が解除される毎に二回、ダミーデータをデバイス出力データとしてパーソナルコンピュータ(1)へ出力し、デバイスドライバー(4)における複数のデバイス出力データの入力パターンが、連続して三回のダミーデータを入力した後、予め定めた待機時間内に、
(a)新たなデバイス出力データを入力しないときに、マウススイッチをシングルクリックしたものと、
(b)ダミーデータを入力し、その後更に二回ダミーデータを入力したときに、マウススイッチをダブルクリックしたものと、
(c)ダミーデータを入力し、その後押圧位置データが変化したデバイス出力データを入力したときに、マウスをドラッグモードで操作させたものとして、
予め定められた疑似操作モードの入力パターン条件のいずれかを満たしたこととしたことを特徴とする請求項1又は2記載の座標入力装置の入力システム。 - タブレットシート(6)と、タブレットシート(6)の押圧と押圧解除を検出するペンオン検出手段と、タブレットシート(6)の押圧位置を検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段とを備え、
押圧位置データを含むデバイス出力データを、マウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータ(1)へ出力する座標入力装置において、
ペンオン検出手段で、タブレットシート(6)の押圧を検出した後、若しくは押圧の解除を検出したとき、直前にパーソナルコンピュータ(1)に出力されたデバイス出力データの押圧位置データを、相対移動量がないことを示す押圧位置データに置き換えたダミーデータを、少なくとも一回、デバイス出力データとしてパーソナルコンピュータ(1)へ出力したことを特徴とする座標入力装置。 - タブレットシート(6)と、少なくとも一つのタブレットスイッチと、タブレットシート(6)の押圧を検出するペンオン検出手段と、タブレットシート(6)の押圧位置を検出し、押圧位置データを発生させる位置検出手段とを備え、
押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されるデバイス出力データをマウス出力データと同一のデータフォーマットでパーソナルコンピュータ(1)へ出力する座標入力装置において、
ペンオン検出手段でタブレットシート(6)の押圧を検出する毎に、押圧を検出したときの押圧位置データとタブレットスイッチステータスデータで構成されるダミーデータをデバイス出力データとして出力したことを特徴とする座標入力装置。
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