JP3661259B2 - 倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のブレーキ等に用いられる倍力装置に関し、より詳しくは、例えば電動車両の機械式制動装置に用いて好適な倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、倍力装置として次のような構成を備えたものは知られている。すなわち、シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディの外周部に設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に区画形成した定圧室および変圧室と、上記バルブボディ内に設けられ、バルブボディ内の流路の開閉制御を行う弁機構とを備えた倍力装置は公知である。このような従来の倍力装置では、ブレーキペダルの踏力に応じた所定のサーボ比で出力が得られるようになっている。
ところで、近年、電動車両が実用化されており、この電動車両においては、上述した構成の倍力装置を用いた機械式制動装置と回生制動装置とを併用した制動システムが採用されている。
かかる電動車両の制動システムにおいては、機械式制動装置が作動するまでは、ブレーキペダルの踏力の増減に応じて回生制動力を増減させ、また機械式制動装置が制動を開始して制動力を出力するようになったら、上記回生制動力を一定に保持するようにしている。したがって、回生制動装置のみによる回生制動力の増減と、該回生制動力と機械式制動力との総合制動力の増減とを滑らかに連続させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した電動車両の制動システムにおいては、機械式制動装置が制動を開始するまでの間だけ、ブレーキペダルの踏力の増大に応じて回生制動力を増大させているので、機械式制動装置が制動を開始した際の回生制動力を大きくすることができず、回生制動装置による回生制動力を有効に利用することができない。
すなわち、機械式制動装置が制動を開始した際の回生制動力を大きくしてその有効利用を図るためには、大きな踏力を与えることによって初めて機械式制動装置が制動を開始するように設定すればよく、そのためには機械式制動装置を構成する倍力装置のリターンスプリングやマスターシリンダのリターンスプリングのセット荷重を大きくすればよい。
しかしながら、そのようなセッティングを行なった場合には、万一、回生制動装置が作動しなかった場合には、機械式制動装置の作動開始までの踏力が大きくなるためブレーキの効きが悪く感じられ、また危険でもある。さらに、回生制動力の最大値は常に一定ではなく、電動車両を駆動する駆動モータの回転数によって変動するので、上記セット荷重をあまり大きくし過ぎると最大の回生制動力が得られても機械式制動装置が作動を開始しない場合が生じてしまい、ブレーキフィーリングが悪くなるという欠点が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような事情に鑑み、請求項1に記載した本発明は、シェル内に移動自在に嵌合した概略筒状のバルブボディと、このバルブボディの外周部に設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に区画形成した定圧室および変圧室と、上記バルブボディ内に設けられ、バルブボディ内の流路の開閉制御を行う弁機構とを備えた倍力装置において、
上記弁機構は、上記バルブボディの内周部にフロント側にむけて形成した大気弁座と、上記バルブボディ内に摺動自在に嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、上記弁プランジャに気密を保持して摺動自在に嵌装されるとともに、磁性体からなるスリーブと、このスリーブにフロント側に向けて形成した真空弁座と、上記両弁座にフロント側から着座する弁体と、上記弁体を上記両弁座に向けて付勢する第1ばねと、上記スリーブを弁プランジャに対する前進端位置に位置させる第2ばねとを有し、
上記スリーブが上記前進端位置に位置されている状態で弁プランジャが前進された際には、該弁プランジャの前進作動に応じて上記弁体を真空弁座に着座させて上記変圧室と定圧室との連通を遮断するとともに、上記大気弁座から離座させて変圧室を大気に連通させて倍力装置を作動させるようにし、
また、上記バルブボディ内におけるスリーブのリヤ側にソレノイドを配設し、上記ソレノイドを励磁させて上記スリーブを上記第2ばねに抗し弁プランジャに対して後退させることにより、上記真空弁座を上記弁体から離隔させて上記弁プランジャが前進されても倍力装置を非作動状態に維持するように構成したものである。
また、請求項3に記載した第2の発明は、シェル内に移動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディの外周部に設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に区画形成した定圧室および変圧室と、上記バルブボディ内に設けられ、バルブボディ内の流路の開閉制御を行う弁機構とを備え、
この弁機構は、真空弁座および大気弁座と、上記バルブボディ内に摺動自在に嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、この弁プランジャの前進作動に応じて上記真空弁座に着座して上記変圧室と定圧室との連通を遮断するとともに、上記大気弁座から離座して変圧室を大気に連通させる弁体と、この弁体を上記両弁座に向けて付勢するばねとを備えた倍力装置において、
磁性体からなるスリーブを上記弁プランジャに気密を保持して摺動自在に嵌装するとともに、上記スリーブを上記弁プランジャに対する前進端位置に位置させる第2ばねを設け、該スリーブが上記前進端位置に位置されている状態で弁プランジャが前進された際には、該弁プランジャの前進作動に応じて上記弁体を真空弁座に着座させて上記変圧室と定圧室との連通を遮断するとともに、上記大気弁座から離座させて変圧室を大気に連通させて倍力装置を作動させるようにし、
他方、上記バルブボディにソレノイドを嵌合して、このソレノイドを励磁させて上記スリーブを上記第2ばねに抗し弁プランジャに対して後退させた際には、その後退により上記真空弁座と上記弁体とからなる真空弁を開放させて上記弁プランジャが前進されても倍力装置を非作動状態に維持するように構成したものである。
【0005】
【作用】
このような構成によれば、上述した電動車両の機械式制動装置に用いて好適な倍力装置を提供することができる。つまり、上述した電動車両の制動システムの機械式制動装置として上述した倍力装置を採用した際に、上記ソレノイドを励磁すると、ブレーキペダルが踏み込まれて入力軸に連動する弁プランジャが前進されたとしても、スリーブはソレノイドの磁力によって後退しているので、弁機構を、上記真空弁座と弁体との間を開放状態とする非作動状態として、倍力装置による倍力作用を禁止させる。他方、上述したブレーキペダルの踏み込みに伴って、回生制動装置は制動を開始する。そして、回生制動装置により車両は減速され、車両速度は低下する。車両速度が所定値以下になると、回生制動力が低下するので、この回生制動力の低下を検出したときにソレノイドを消勢すれば、上記第2ばねによってスリーブが弁プランジャに対して前進位置まで移動されて、弁機構を、上記真空弁座と弁体との間を遮断状態にする作動状態として、倍力装置による倍力作用が行なわれる。これにより、機械式制動装置(倍力装置)が作動されない間に回生制動装置による回生制動力を有効に利用することができる。
なお、上記ソレノイドを励磁しない時には、上記第2ばねによってスリーブが弁プランジャに対して前進端位置に位置しており、その状態からブレーキペダルが踏み込まれると、入力軸に連動する弁プランジャおよびスリーブが前進される。そのため、スリーブに設けた真空弁座が弁体に着座する一方、大気弁座から弁体が離座するので、バルブボディ内の流体回路が切り換えられて、定圧室と変圧室との間に差圧が生じて倍力装置が作動する。これにより、仮に電動車両の制動システムにおける回生制動装置が故障したような場合には、上記機械式制動装置としての倍力装置が作動する。これにより、回生制動装置が故障した場合において、ブレーキの効きが遅れることを確実に防止して、運転者のブレーキフィーリングが阻害されることを防止することができる。
したがって、電動車両の機械式制動装置に用いて好適な倍力装置を提供することができる。
【0006】
【実施例】
以下本発明を電動車両の制動システムに適用した実施例について説明すると、図1において、電動車両の制動システムは、ブレーキペダル1の踏力の増減に応じて回生制動力を増減させる回生制動装置2と、ブレーキペダル1の踏力の増減に応じて機械式制動力を増減させる機械式制動装置3とを備えている。
回生制動装置2は従来公知の構成からなり、前輪を駆動する駆動モータ4を利用して制動時に回生制動作用を行なわせるものである。回生制動装置2は、ブレーキペダル1の踏力を検出するセンサ5を備えており、このセンサ5で検出したブレーキペダル1の踏力は制御装置6に入力されるようになっている。そして、制御装置6はセンサ5からの入力に基づいて、ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて回生制動装置2の回生制動力を最大回生制動力まで増大させるようになっている。
なお、回生制動装置2によって得られる最大回生制動力は常に一定ではなく、駆動モータ4の回転数によって変動することはよく知られている。また、上記センサ5として、ブレーキペダル1の踏力の代わりにストローク量を検出するセンサを採用しても良い。
次に、機械式制動装置3は、従来周知の構成からなるタンデムマスタシリンダ7と、このタンデムマスタシリンダ7に連動する真空倍力装置8とを備えている。そして、上述したようにブレーキペダル1が踏み込まれて回生制動装置2による回生制動作用が行われる際には、ブレーキペダル1に連結した真空倍力装置8の入力軸11も前進されるので、ブレーキペダル1の踏力が真空倍力装置8によって倍力されてからタンデムマスタシリンダ7に伝達される。そして、タンデムマスタシリンダ7で発生する液圧は、ブレーキ液通路12を介してフロントホイールシリンダ13およびリヤホイールシリンダ14に供給され、それによって制動作用を得ることができる。
図2に示すように、真空倍力装置8は、密封容器としてのシェル15内に概略筒状のバルブボディ16を摺動自在に設けている。バルブボディ16の外周部にはパワーピストン17を連結するとともに、このパワーピストン17の背面にダイアフラム18を張設してあり、このダイアフラム18によってシェル15内を定圧室Aと変圧室Bとに区画している。
図1に示すように、定圧室A内は負圧導入管21を介して負圧ポンプ22に接続している。負圧ポンプ22の駆動源となるモータ23は、上記制御装置6によって作動を制御されて、所定値の負圧が得られるようになっている。したがって、定圧室A内には所定値の負圧が導入されている。
真空倍力装置8のバルブボディ16内には、上記定圧室Aと変圧室Bと大気との間の流体回路を切り換える弁機構24を設けている。
この弁機構24は、バルブボディ16に設けた環状の大気弁座25と、バルブボディ16に摺動自在に嵌合した弁プランジャ26と、スリーブ27に設けた環状の真空弁座28と、これら両弁座25,28に着座する概略筒状の弁体31と、この弁体31を両弁座25,28に向けて付勢して着座させる第1ばね32と、さらに上記真空弁座28を形成したスリーブ27をフロント側に向けて付勢する第2ばね33とを備えている。また、弁機構24は第3ばね34を備えており、この第3ばね34によって弁プランジャ26およびそれに連結した入力軸11をリヤ側に付勢して、図示非作動位置に位置させるようになっている。
しかして、本実施例は弁機構24を以下のように構成することにより、ブレーキペダル1が踏み込まれた際に真空倍力装置8による倍力作用が禁止されるようにしたものである。
すなわち、バルブボディ16の内周部にはフロント側にむけて伸びる環状突起16aを形成してあり、この環状突起16aの先端部によって上記大気弁座25を構成している。また、上記大気弁座25の外方側の軸方向孔16bおよびそのリヤ側に連続するバルブボディ16の内部空間によって大気通路36を構成している。この大気通路36には常時大気が導入されている。
次に、弾性体からなる弁体31は、上記大気弁座25および真空弁座28に対向するようにリヤ側に向けて配置している。弁体31のフロント側の端部は肉厚にしてあり、その端部を円筒状のプラグ37のリヤ側外周部に設けた環状溝に嵌装し、その状態の弁体31のフロント側の端部およびプラグ37の外周部をバルブボディ16の内周部にフロント側から圧入している。弁体31のシート部の裏面とプラグ37の段部とにわたって上記第1ばね32を弾装してあり、この第1ばね32の弾撥力によって、弁体31のシート部が上記両弁座25,28に着座するようになっている。本実施例では、大気弁座25とそれに接離する弁体31のシート部とによって、上記大気通路36を開閉する大気弁38を構成している。なお、本実施例のプラグ37は、実質的にバルブボディ16の一部を構成するものである。
次に、弁プランジャ26は、その軸方向中央に環状溝26aを形成するとともに、環状溝26aよりもフロント側となる外周部に環状突起26bを形成している。そして、この環状突起26bの隣接リヤ側となる外周部に上記スリーブ27を摺動自在に嵌装すると同時に、スリーブ27のリヤ側の外周部をバルブボディ16における縮径部16cに摺動自在に嵌合させている。環状溝26aの少しリヤ側には別の環状溝を形成してあり、この環状溝にシール部材41を装着している。このシール部材41によって、スリーブ27の内周面と弁プランジャ26の外周部との間の気密を保持している。また、スリーブ27が摺接するバルブボディ16の縮径部16cの内周部にもシール部材42を取り付けてあり、それによって、バルブボディ16の内周部とスリーブ27の外周面との間の気密を保持している。
そして、バルブボディ16に設けた半径方向孔16dと、スリーブ27の軸方向中央部に形成した切欠き部とを介して、上記弁プランジャ26の環状溝26aにキー部材43を係合させている。これにより、弁プランジャ26がバルブボディ16から脱落するのを防止している。
次に、本実施例のスリーブ27は磁性体からなり、フロント側の端部に半径方向外方に伸びるフランジ部27aを備えており、このフランジ部27aの外周部における弁体31との対向位置をフロント側に膨出する環状突起としてあり、そこを上記真空弁座28としている。フランジ部27aとそれに対向するバルブボディ16の段部端面とにわたって上記第2ばね33を弾装してあり、それによって、スリーブ27全体を弁プランジャ26に対して相対的にフロント側にむけて付勢している。そして、この図2に示した真空倍力装置8の非作動状態では、スリーブ27のフランジ部27aが弁プランジャ26の環状突起26bに当接する前進端位置に位置している。
上記真空弁座28と、それに接離する弁体31のシート部とによって真空弁44を構成している。また、真空弁44および弁体31の内方の空間およびそれから連続するプラグ37の軸方向孔37aとによって真空通路45を構成している。この真空通路45は上記定圧室Aと常時連通しており、定圧室A内には上述した負圧導入管21を介して常時負圧が導入されているので、真空通路45内にも常時負圧が作用している。
また、大気弁38と真空弁44との間の空間は、バルブボディ16の半径方向孔16dから構成した変圧通路46を介して変圧室Bに連通している。
本実施例の弁機構24は上述のように構成している。
さらに、本実施例では、環状としたソレノイド47をバルブボディ16の内周部にリヤ側から嵌合し、かつ上記縮径部16cのリヤ側の段部端面に当接させている。そして、外周部に係合爪を備えた環状のリテーナ48を、ソレノイド47のリヤ側からバルブボディ16の内周部に圧入し、かつソレノイド47に当接させている。これによって、ソレノイド47をバルブボディ16の内周部に固定するようにしている。また、このように固定したソレノイド47における内周部のフロント側に、縮径部16cを貫通したスリーブ27のリヤ側の外周部が挿入されるようになっている。
上記スリーブ27をフロント側に付勢した第2ばね33の弾撥力は、ソレノイド47が励磁された際の磁力によってスリーブ27がリヤ側に吸引される付勢力よりも弱いものを採用している。したがって、上記ソレノイド47が制御装置6からの指令に基づいて励磁されると、ソレノイド47の磁力によってスリーブ27が弁プランジャ26およびバルブボディ16に対して相対的にリヤ側に付勢され、スリーブ27のリヤ側端部がソレノイド47の内周の段部47aに当接する後退端の位置に維持されるようになっている。そして、この状態において、ブレーキペダル1が踏み込まれて入力軸11および弁プランジャ26が前進されたとしても、スリーブ27は後退端に維持されているので、弁機構24は真空弁44を開放する非作動状態にあり、真空倍力装置8による倍力作用を禁止している。さらに、リテーナ48と弁プランジャ26のリヤ側端部に形成したフランジ部とにわたって上記第3ばね34を弾装してあり、これによって、弁プランジャ26および入力軸11を図示非作動位置に位置させるようになっている。
次に、上記プラグ37の内周部には、弁プランジャ26のフロント側の外周部を摺動自在に嵌合してあり、また、プラグ37に形成した環状突起37bの端面には、円盤状のリアクションディスク51を当接させている。このリアクションディスク51は、プッシュロッド52の基部に設けた凹部52a内に収納してあり、該凹部52aの先端部は、上記プラグ37の環状突起37bに摺動自在に嵌装している。なお、図示しないプッシュロッド52のフロント側の端部は、上記タンデムマスタシリンダ8のピストンロッドに連動させている。
また、上記プッシュロッド52のフロント側に嵌装した環状のリテーナ53をフロント側からバルブボディ16の内周部に嵌合させて、プラグ37のフロント側の端面およびバルブボディ16の段部端面に当接させている。それによって、プッシュロッド52およびプラグ37がバルブボディ16からフロント側にむけて脱落するのを防止している。
さらに、上述したリテーナ53とシェル1のフロント側の壁面とにわたってはリターンスプリング54を弾装してあり、したがって、バルブボディ16等はリヤ側に付勢されて図示非作動位置に位置している。
(作動説明)
以上の構成において、図2に示した真空倍力装置8の非作動状態で、かつ制御装置6からの指令に基づいてソレノイド47が励磁されている時には、上記バルブボディ16は、シェル1の段部端面に当接したキー部材43に当接して後退端に停止しており、また、弁プランジャ26および入力軸11は、弁プランジャ26の環状溝26aのフロント側の端面がキー部材43に当接する後退端に停止している。
この状態では、弁体31のシート部が大気弁座25に着座することで大気弁38は閉鎖されている。また、励磁されたソレノイド47の磁力によってスリーブ27がリヤ側に後退し、そのリヤ側の端部がソレノイド47の段部47aに当接する後退端に停止している。また、真空弁座28が弁体31のシート部から離座して真空弁44は開放されている。したがって、真空通路45および変圧通路46を介して定圧室Aと変圧室Bとが連通し、それら両室A,Bには負圧が導入されている。
次に、上記非作動状態からブレーキペダル1が踏み込まれると、それに連動して入力軸11および弁プランジャ26が前進されるが、ソレノイド47の磁力によって、スリーブ27は上述した後退端の位置に保持されているので、真空弁座28も移動されることはなく、弁機構24は真空弁44を開放する非作動状態にあり、真空倍力装置8による倍力作用を禁止している。
他方、上述したブレーキペダル1の踏力はセンサ5で検出されて制御装置6に入力されており、制御装置6はセンサ5からの入力に基づいて、ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて回生制動装置2の回生制動力を最大回生制動力まで増大させることにより車両速度は減速され、車両速度は低下する。
そして、車両速度が所定値以下になると、回生制動力が最大回生制動力よりも低下するので、この回生制動力の低下を検出したとき、上記制御装置6は上記ソレノイド47を消勢する。そのため、第2ばね33の付勢力によってスリーブ27が弁プランジャ26およびバルブボディ16に対してフロント側に移動されて、そのフランジ部27aが弁プランジャ26の環状突起26bに当接する前進端位置に位置する。このスリーブ26のフロント側への移動過程において、真空弁座28が弁体31のシート部に着座して真空弁44が閉鎖された後、弁体31のシート部が大気弁座25から離座して大気弁38が開放される。したがって、定圧室Aと変圧室Bとの連通状態が阻止される一方、開放された大気弁38を経由して大気通路36内の大気が変圧室Bに導入されるので、定圧室Aと変圧室Bとの間に差圧が生じてバルブボディ16およびプッシュロッド52が前進されるので、ブレーキペダル1の踏力に応じた所定のサーボ比の出力を得ることができる。
換言すると、励磁されていたソレノイド47が消勢されることにより、真空倍力装置8が作動されるので、この後、機械式制動装置3による制動力と、上記回生制動装置2とを総合した制動力が得られるようになっている。
そして、上述のように、ブレーキペダル1の踏力の増大に応じて回生制動装置2の回生制動力を最大回生制動力まで増大させてから、機械式制動装置3(真空倍力装置8)を作動させることにより、回生制動装置2の回生制動力を有効に利用することができる。
なお、上述した作動状態からブレーキペダル1の踏み込みを解放すると、第3ばね34によってバルブボディ16は図示非作動位置に復帰するとともに、弁体31、弁プランジャ26およびスリーブ27は図示非作動位置に復帰する。
次に、図2に示すように、真空倍力装置8の非作動状態で、かつソレノイド47が励磁されていない状態においては、スリーブ27は第2ばね33の弾撥力によって、そのフランジ部27aが弁プランジャ26の環状突起26bに当接した前進端位置にある。
この状態からブレーキペダル1が踏み込まれると、それに連動して入力軸11が前進される。すると、該入力軸11に連動して弁プランジャ26およびそれと一体となったスリーブ27も前進される。
これにより、真空弁座28が弁体31のシート部に着座して真空弁44が閉鎖された後、弁体31のシート部が大気弁座25から離座して大気弁38が開放される。したがって、定圧室Aと変圧室Bとの連通状態が阻止される一方、開放された大気弁38を経由して大気通路36内の大気が変圧室Bに導入されるので、定圧室Aと変圧室Bとの間に差圧が生じてバルブボディ16およびプッシュロッド52が前進されるので、ブレーキペダル1の踏力に応じた所定のサーボ比の出力を得ることができる。換言すると、ソレノイド47が励磁されていない状態において、ブレーキペダル1が踏み込まれたときには、真空倍力装置8が作動されて、ブレーキペダル1の踏力に応じた所定のサーボ比の出力を得ることができる。
したがって、上記回生制動装置2が故障したような場合において、上記ソレノイド47を励磁しないことにより、ブレーキペダル1が踏み込まれると直ちに機械式制動装置3(真空倍力装置8)が作動されるので、回生制動装置2が故障した場合にブレーキの効き遅れが生じることはない。したがって、ブレーキの効き遅れによって運転者が不安感を抱くことを防止できる。
このように、本実施例の真空倍力装置8は、電動車両の機械式制動装置に用いて好適な倍力装置である。
【0007】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動車両の機械式制動装置に用いて好適な倍力装置を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体の構成図。
【図2】図1に示した構成部材の要部の断面図。
【符号の説明】
8…真空倍力装置 16…バルブボディ
17……パワーピストン 24…弁機構
25…大気弁座 26…弁プランジャ
27…スリーブ 28…真空弁座
31…弁体 32…第1ばね
33…第2ばね 47…ソレノイド
A…定圧室 B…変圧室

Claims (3)

  1. シェル内に移動自在に嵌合した概略筒状のバルブボディと、このバルブボディの外周部に設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に区画形成した定圧室および変圧室と、上記バルブボディ内に設けられ、バルブボディ内の流路の開閉制御を行う弁機構とを備えた倍力装置において、
    上記弁機構は、上記バルブボディの内周部にフロント側にむけて形成した大気弁座と、上記バルブボディ内に摺動自在に嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、上記弁プランジャに気密を保持して摺動自在に嵌装されるとともに、磁性体からなるスリーブと、このスリーブにフロント側に向けて形成した真空弁座と、上記両弁座にフロント側から着座する弁体と、上記弁体を上記両弁座に向けて付勢する第1ばねと、上記スリーブを弁プランジャに対する前進端位置に位置させる第2ばねとを有し、
    上記スリーブが上記前進端位置に位置されている状態で弁プランジャが前進された際には、該弁プランジャの前進作動に応じて上記弁体を真空弁座に着座させて上記変圧室と定圧室との連通を遮断するとともに、上記大気弁座から離座させて変圧室を大気に連通させて倍力装置を作動させるようにし、
    また、上記バルブボディ内におけるスリーブのリヤ側にソレノイドを配設し、上記ソレノイドを励磁させて上記スリーブを上記第2ばねに抗し弁プランジャに対して後退させることにより、上記真空弁座を上記弁体から離隔させて上記弁プランジャが前進されても倍力装置を非作動状態に維持するように構成したことを特徴とする倍力装置。
  2. 上記第1ばねは弁体のシート部の裏面とバルブボディとにわたって弾装してあり、上記第2ばねはスリーブとバルブボディとにわたって弾装してあり、また、上記ソレノイドは上記バルブボディの段部にリヤ側から当接させた状態において、バルブボディの内周部に嵌合した環状のリテーナによって固定されており、さらに、上記リテーナと弁プランジャのリヤ側の外周部とにわたって、上記弁プランジャを非作動位置に位置させる第3ばねが弾装されており、また、上記弁プランジャの軸方向所定位置には環状突起が形成されており、この環状突起よりもリヤ側に上記スリーブが嵌装されるとともに、上記第2ばねに付勢されたスリーブが上記弁プランジャの環状突起にリヤ側から当接することにより、スリーブは上記前進端位置に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の倍力装置。
  3. シェル内に移動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディの外周部に設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に区画形成した定圧室および変圧室と、上記バルブボディ内に設けられ、バルブボディ内の流路の開閉制御を行う弁機構とを備え、
    この弁機構は、真空弁座および大気弁座と、上記バルブボディ内に摺動自在に嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、この弁プランジャの前進作動に応じて上記真空弁座に着座して上記変圧室と定圧室との連通を遮断するとともに、上記大気弁座から離座して変圧室を大気に連通させる弁体と、この弁体を上記両弁座に向けて付勢するばねとを備えた倍力装置において、
    磁性体からなるスリーブを上記弁プランジャに気密を保持して摺動自在に嵌装するとともに、上記スリーブを上記弁プランジャに対する前進端位置に位置させる第2ばねを設け、該スリーブが上記前進端位置に位置されている状態で弁プランジャが前進された際には、該弁プランジャの前進作動に応じて上記弁体を真空弁座に着座させて上記変圧室と定圧室との連通を遮断するとともに、上記大気弁座から離座させて変圧室を大気に連通させて倍力装置を作動させるようにし、
    他方、上記バルブボディにソレノイドを嵌合して、このソレノイドを励磁させて上記スリーブを上記第2ばねに抗し弁プランジャに対して後退させた際には、その後退により上記真空弁座と上記弁体とからなる真空弁を開放させて上記弁プランジャが前進されても倍力装置を非作動状態に維持するように構成したことを特徴とする倍力装置。
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