JP3700069B2 - 倍力装置の反力機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のブレーキ等に用いられる倍力装置に関し、より詳しくは、倍力装置を作動させる操作杆に反力を付与する倍力装置の反力機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に、ブレーキ倍力装置は、シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボディ内に設けた弁機構と、操作杆に連動され、上記弁機構を構成する弁プランジャを進退動させて弁機構の流路を切換える入力軸と、上記バルブボディの前進によって前進される出力軸とを備えている。
そして従来一般の反力機構は、上記出力軸と弁プランジャとの間に配置したゴム製のリアクションディスクを備えており、ブレーキ倍力装置の作動時には上記リアクションディスクにバルブボディと弁プランジャとを同時に接触させ、出力軸に加わるブレーキ反力の一部をバルブボディで受けさせるとともに、残部を弁プランジャに伝達させ、この弁プランジャに加わるブレーキ反力を入力軸およびブレーキペダルを介して運転者に感知させるようにしている。
このとき、上記バルブボディで受ける反力と、弁プランジャで受ける反力との比率、より具体的には両者の受圧面積の比率を変えることにより、ブレーキ倍力装置のサーボ比を変更することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブレーキ倍力装置のサーボ比は、一般に小さなブレーキペダルの踏力で大きなブレーキ液圧を発生させることができるように大きく設定されているが、急制動時にはブレーキ倍力装置の作動遅れから予定した大きな出力が得られず、老人や女性等の非力な運転者では急制動を行なうことが困難であることが判明した。
すなわち、ブレーキペダルを踏込んだ際には入力軸を介して弁機構の流路が切換えられ、それにより変圧室に圧力流体が導入されてパワーピストンおよびバルブボディが前進されるようになる。そしてバルブボディが前進するとリアクションディスクを介して出力軸が前進され、該出力軸の前進によりブレーキ液圧が発生してその反力が出力軸に加わると、上述したように出力軸に加わるブレーキ反力がバルブボディと弁プランジャとに分配されるようになる。
しかしながら、急制動時には変圧室に導入される圧力流体によってパワーピストンおよびバルブボディが前進される前に、ブレーキペダルに入力軸を介して連動している弁プランジャが前進されてしまうので、出力軸に加わるブレーキ反力はその大部分が弁プランジャに伝達されてしまい、その結果、運転者に伝達されるブレーキ反力は異常に大きなものとなる。
その結果、急制動を行なう際にはその異常に大きなブレーキ反力に打勝ってブレーキペダルを踏込まなければならず、徐々にブレーキペダルを踏込んで大きな制動力を得ている通常のブレーキ作動の場合に比較して、遥かに大きな力でブレーキペダルを踏込まなければ急制動に必要な大きな制動力が得られなかった。
本発明はそのような事情に鑑み、急作動時にも軽い踏力で大きな出力が得られるようにした倍力装置の反力機構を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボディ内に設けた弁機構と、操作杆に連動され、上記弁機構を構成する弁プランジャを進退動させて弁機構の流路を切換える入力軸と、上記バルブボディの前進によって前進される出力軸とを備えた倍力装置において、
この倍力装置の作動時に上記出力軸に加わる反力が上記弁プランジャに伝達されないようにするとともに、上記バルブボディの進退動に伴って進退動する操作杆の移動量に応じた擬似反力を該操作杆に付与する擬似反力付与手段を設け、
この擬似反力付与手段は、上記パワーピストン又はバルブボディに摺動自在に設けられ、リヤ側に定圧室の圧力が導入される第2定圧室と、フロント側に変圧室の圧力が導入される第2変圧室とを区画する反力ピストンを備え、この反力ピストンは、上記第2定圧室と第2変圧室との圧力差によりリヤ側に付勢されてその作用力を擬似反力として弁プランジャに伝達するものである。
また必要に応じて、上記変圧室と第2変圧室とをオリフィス通路を介して連通させてもよい。
【0005】
【作用】
上記構成によれば、倍力装置の作動時に上記出力軸に加わる反力が弁プランジャに伝達されないようにしているので、急作動時に、変圧室に導入される圧力流体によってパワーピストンおよびバルブボディが前進される前に、操作杆に入力軸を介して連動している弁プランジャが前進されたとしても、出力軸に加わる反力が弁プランジャ、入力軸および操作杆を介して運転者に伝達されることはない。
他方、擬似反力付与手段は、定圧室の圧力が導入される第2定圧室と変圧室の圧力が導入される第2変圧室との差圧力が作用する反力ピストンを備えており、この反力ピストンは上記圧力差によりリヤ側に付勢されてその作用力を擬似反力として弁プランジャに伝達するので、従来のように急作動時に反力が異常に大きくなることがなく、また反力ピストンの受圧面積を適切な大きさに設定することにより急作動時にも軽い操作力で大きな出力を得ることができる。
特に第2変圧室をオリフィス通路を介して変圧室に連通させた場合には、変圧室の圧力上昇よりも遅れて第2変圧室内の圧力が上昇するので、上記変圧室の圧力上昇によりパワーピストンが前進される一方、反力ピストンによる擬似反力は遅れて上昇するので、急作動時には一層軽い操作力で大きな出力を得ることができる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明をブレーキ倍力装置に適用した実施例について説明すると、図1において、フロントシェル1とリヤシェル2とで構成した密封容器内にパワーピストン3を摺動自在に設けてあり、このパワーピストン3は、軸部に配設した有底の段付シリンダ部材3Aと、該シリンダ部材3Aに固定した皿状のプレート部材3Bとを備えている。
上記パワーピストン3のシリンダ部材3A内には、その開口部側となるリヤ側からバルブボディ4の先端部に設けたピストン部4aを摺動自在に嵌合してあり、このピストン部4aは、シリンダ部材3Aのフロント側に形成した段部3aとシリンダ部材3Aのリヤ側に取付けたリテーナ3bとの間で摺動することができるようになっている。
そして上記パワーピストン3を構成するプレート部材3Bのリヤ側に添設したダイアフラム5によって、密封容器内を前方側の定圧室6と後方側の変圧室7とに区画している。このとき、定圧室6内の圧力は、上記パワーピストン3を構成するプレート部材3Bのフロント側端面に作用することは勿論、シリンダ部材3Aに穿設した通路3cを介してバルブボディ4を構成するピストン部4aのフロント側端面に作用するようにしてあり、また変圧室7内の圧力も上記プレート部材3Bのリヤ側端面とピストン部4aのリヤ側端面とに作用するようにしてある。
【0007】
次に、上記バルブボディ4内には、流体回路を切換える弁機構9を収容してあり、この弁機構9は、バルブボディ4の内周に形成した環状の第1弁座10と、このバルブボディ4内に摺動自在に嵌合した弁プランジャ11の右端部に形成した環状の第2弁座12と、さらにこれら両弁座10、12に図1の右方からポペットリターンスプリング13によって着座される弁体14とを備えている。
そして上記第1弁座10よりも外周側をバルブボディ4に形成した軸方向の定圧通路15およびシリンダ部材3Aに形成した通路3cを介して上記定圧室6に連通させ、この定圧室6をフロントシェル1に設けた負圧導入管16を介してエンジンのインテークマニホールドに連通させることにより、該定圧室6に常時負圧を導入している。また、上記第1弁座10と第2弁座12との中間部分はバルブボディ4に形成した半径方向の変圧通路17を介して上記変圧室7に連通させ、さらに上記第2弁座12よりも内周側はバルブボディ4内に形成した圧力通路18を介して大気に連通させている。
【0008】
上記弁プランジャ11の右端部には入力軸19の先端部を枢支連結してあり、この入力軸19とバルブボディ4との間に、上記ポペットリターンスプリング13の弾撥力よりも大きな弾撥力を有するバルブリターンスプリング20を弾装して、通常は弁プランジャ11の第2弁座12に弁体14を着座させ、かつ弁体14をバルブボディ4の第1弁座10から離座させている。そして上記入力軸19の末端部は図示しないブレーキペダルに連動させている。
また、上記弁プランジャ11は、キー部材22によってバルブボディ4から抜出るのを防止している。上記キー部材22は、図示しないが、その中央部から先端部にかけて二股状に形成してあり、該キー部材22をバルブボディ4の直径方向に形成した挿入孔23内に挿入して、その二股状部分の基部を弁プランジャ11の小径部11aに係合させている。
このとき、上記挿入孔23と変圧通路17とをバルブボディ4の軸方向に隣接させて一体に形成しているが、挿入孔23の幅、すなわちバルブボディ4の軸方向に直交し、かつキー部材22の挿入孔23への挿入方向と直交する方向の幅は、変圧通路17の同方向の幅よりも広く設定してあり、それによってキー部材22は挿入孔23内のみでバルブボディ4の軸方向に変位可能となっている。
また、キー部材22と弁プランジャ11とは、上記小径部11aの軸方向長さの範囲内でバルブボディ4の軸方向に変位可能となっており、ブレーキ倍力装置の非作動時に上記キー部材22をリヤシェル2の内面に当接させてキー部材22および弁プランジャ11をバルブボディ4に対する前進位置に保持することにより、ブレーキ倍力装置の作動開始時における入力軸19のロスストロークを減少させることができるようにしている。
【0009】
さらに、上記弁プランジャ11のフロント側に配置した出力軸26の左側先端部は、シール部材27により気密を保ってフロントシェル1から外部に突出させてあり、かつその先端部をフロントシェル1に連結した図示しないマスターシリンダのピストンに連動させている。
他方、上記出力軸26の右端部は有底段付シリンダ部材3Aの軸部に連結してあり、それによってブレーキ倍力装置の作動時に出力軸26から伝達されるブレーキ反力を上記シリンダ部材3Aで、すなわちパワーピストン3で受取り、ブレーキ反力がバルブボディ4に伝達されないようにすると同時に、弁プランジャ11を介してブレーキペダルにも伝達されないようにしている。
そして上記パワーピストン3は、リターンスプリング28によって右方に付勢され、通常はリヤシェル2の内面に当接したキー部材22に当接した図示非作動位置に保持されている。このとき、シリンダ部材3Aの右端部はリヤシェル2の内壁面にほぼ当接した状態となっている。
【0010】
ところで、上述したようにブレーキ反力をブレーキペダルに伝達させないようにしているので、そのままでは運転者はブレーキの操作感を得ることができない。そこで擬似反力付与手段31を設けることにより、上記ブレーキペダルの踏込み量に応じた擬似反力を運転者に付与することができるようにしている。
上記擬似反力付与手段31は、上記バルブボディ4のフロント側に配設してシリンダ部材3A内に摺動自在に嵌合した反力ピストン32を備えており、この反力ピストン32によりシリンダ部材3Aのリヤ側に第2定圧室33を、フロント側に第2変圧室34をそれぞれ区画形成している。そして上記第2定圧室33はシリンダ部材3Aに形成した上記通路3cを介して常時定圧室6に連通するとともに、バルブボディ4に形成した定圧通路15に連通している。他方、第2変圧室34は、反力ピストン32に形成したオリフィス通路32aを介して変圧通路17に連通し、この変圧通路17から定圧室7に連通している。
上記反力ピストン32はリヤ側に形成した小径部32bを備えており、この小径部32bをバルブボディ4に気密を保持して摺動自在に嵌合するとともに、該反力ピストン32を第2変圧室34内に弾装したスプリング35によってリヤ側に付勢している。上記小径部32bのリヤ側端面には凹部32cを形成してあり、この凹部32c内に弁プランジャ11のフロント側の端部を摺動自在に嵌合し、それによって弁プランジャ11のフロント側の端面を凹部32cの底部と対向させている。
【0011】
上記凹部32cの深さ、すなわち軸方向寸法は所定の長さに設定してあり、図示非作動状態では、上記凹部32cを設けた小径部32bのリヤ側端部がリヤシェル2の内壁面に当接してバルブボディ4に対して前進位置に保持されたキー部材22に当接しており、この非作動状態では凹部32cの底部とそれに対向する弁プランジャ11の先端面との間に間隙が維持されている。
これに対し、バルブボディ4が前進されてキー部材22がリヤシェル2の内壁面から離隔した作動状態では、キー部材22したがって反力ピストン32がバルブボディ4に対して後退することができるので、上記凹部32cの底部とそれに対向する弁プランジャ11の先端面とが当接し、それによって反力ピストン32に作用する作用力を擬似反力として、弁プランジャ11および入力軸19を介してブレーキペダルに伝達させることができるようにしている。
つまり本実施例では、上記キー部材22は、倍力装置の非作動状態においてリヤシェル2と当接して、上記反力ピストン32とそれに対向する弁プランジャ11とを離隔させる離隔手段を構成している。
また、上記反力ピストン32とバルブボディ4との間にリターンスプリング36を弾装し、このリターンスプリング36によってバルブボディ4をリヤ側に付勢している。
【0012】
以上の構成において、ブレーキペダルを踏み込んで入力軸19および弁プランジャ11を前進させれば、弁機構9の流路が切換わって変圧室7に大気が導入されるので、定圧室6と変圧室7との圧力差によりパワーピストン3が前進される。するとパワーピストン3と一体的に出力軸26が前進されるので、マスターシリンダにブレーキ液圧が発生する。このとき、ブレーキ液圧によるブレーキ反力は出力軸26を介してパワーピストン3で全て受け止められるので、弁プランジャ11に伝達されることはない。
他方、上記変圧室7に大気が導入されると、この大気は変圧通路17からオリフィス通路32aを介して第2変圧室34に導入されるので、反力ピストン32は第2定圧室33と第2変圧室34との圧力差によりリヤ側に付勢されるようになる。
そして前述したように、キー部材22がリヤシェル2の内壁面に当接している図示非作動状態では凹部32cの底部とそれに対向する弁プランジャ11の先端面との間に間隙が維持されているので、反力ピストン32に作用する擬似反力が弁プランジャ11に伝達されることはない。
これに対し、上記定圧室6と変圧室7との圧力差はバルブボディ4にも作用するので、上記パワーピストン3の前進とともにバルブボディ4も前進されるようになり、バルブボディ4が前進されてキー部材22がリヤシェル2の内壁面から離隔すると、キー部材22および反力ピストン32はバルブボディ4に対して後退することができるので、上記凹部32cの底部とそれに対向する弁プランジャ11の先端面とが当接し、それによって反力ピストン32に作用する擬似反力が弁プランジャ11および入力軸19を介してブレーキペダルに伝達されるようになる。
【0013】
図2はブレーキ倍力装置の中間負荷領域におけるサーボバランス状態を示したもので、この状態では、パワーピストン3においては、出力軸26からのブレーキ反力とリターンスプリング28の弾撥力とによる後退力と、定圧室6と変圧室7との圧力差による前進力とがバランスしている。
また、バルブボディ4においては、リターンスプリング36の弾撥力による後退力と、第2定圧室33と変圧室7との圧力差による前進力とがバランスしている。
さらに反力ピストン32においては、スプリング35の弾撥力による後退力および第2定圧室33と第2変圧室34との圧力差による後退力と、上記リターンスプリング36の弾撥力による前進力と運転者によるブレーキペダルの踏力すなわち弁プランジャ11の前進力とがバランスしている。
このサーボバランス状態から理解されるように、パワーピストン3の前進量とバルブボディ4の前進量とはそれぞれのリターンスプリング28、36や受圧面積等の条件により別個に定めることができ、本実施例においては、パワーピストン3の前進量よりもバルブボディ4の前進量が小さくなるように設定してある。
つまり、ブレーキ反力を受ける出力軸26は、図示しないマスターシリンダのピストンにおけるロスストローク、つまりマスターシリンダのピストンが前進を開始してからブレーキ液圧が実質的に上昇するまでの間のロスストロークを補償するために相対的に大きく前進する必要がある。これに対し、バルブボディはブレーキ反力の大きさとは無関係に上記リターンスプリング36の弾撥力やピストン部4aの受圧面積によってその前進量を定めることができ、しかも上述したようにバルブボディ4の前進量はパワーピストン3の前進量よりも小さくなるように設定してある。
その結果、バルブボディ4の前進に伴って前進される入力軸19およびこれに連動するブレーキペダルのストロークを相対的に小さくして、ブレーキフィーリングの向上を図ることが可能となる。
【0014】
さらに、ブレーキペダルの踏力と運転者に伝達される擬似反力との関係を示したものが図3であるが、この図3におけるPで示した位置が、反力ピストン32の小径部32bのリヤ側の端面と弁プランジャ11の先端面とが当接した時点である。
つまり本実施例では、ブレーキペダルの踏込み開始時は、反力ピストン32の小径部32bと弁プランジャ11とは離隔しており、ブレーキ倍力装置が作動して反力ピストン32の小径部32bと弁プランジャ11と当接した時点から擬似反力が運転者に伝達される。
そして上述したように、反力ピストン32においては、スプリング35の弾撥力による後退力および第2定圧室33と第2変圧室34との圧力差による後退力と、上記リターンスプリング36の弾撥力による前進力と運転者によるブレーキペダルの踏力すなわち弁プランジャ11の前進力とがバランスしているので、ブレーキペダルには主として第2定圧室33と第2変圧室34との圧力差による後退力が擬似反力として伝達されるようになる。そしてこの擬似反力は、第2定圧室33と第2変圧室34との圧力差に応じることになるが、第2定圧室33と第2変圧室34との圧力差は定圧室6と変圧室7との圧力差であり、この定圧室6と変圧室7との圧力差はブレーキペダルの踏込み量の大小によって制御されるので、結局、擬似反力の大きさはブレーキペダルの移動量に応じたものとなる。
したがって、従来一般の倍力装置が備えていたリアクションディスクを省略したにも拘らず、上記反力ピストン32の小径部32bと弁プランジャ11とが当接した時点において、従来の倍力装置の場合と同様のジャンピング特性を得ることができ、その後は、ブレーキペダルの踏込み量に応じた擬似反力が運転者に伝達されることになる。これによって、ブレーキペダルの踏み込み開始時から直ちに擬似反力を運転者に付与する場合に比較して、運転者のブレーキフィーリングを良好なものとすることができる。
【0015】
ところで、急制動時の作動も通常の作動と基本的には同一であるが、本実施例では第2変圧室34と変圧通路17とをオリフィス通路32aを介して連通させているので、急制動時には、つまり変圧通路17および変圧室7の圧力が急激に増大する際には、第2変圧室34内の圧力は変圧室7の圧力よりも遅れて上昇することになる。
その結果、上記擬似反力付与手段31がブレーキペダルに与える擬似反力は、通常の制動時よりも急制動時の方が小さくなり、しかも従来装置のブレーキ反力のように急制動時に異常に大きくなるということがないので、特に急制動時において相対的に軽い踏力で大きなブレーキ力を得ることができ、したがって老人や女性等の非力な運転者でも確実に急制動操作を行なうことができる。
【0016】
なお、上記実施例ではバルブボディ4をパワーピストンに摺動自在に設けているが、両者を一体に設けてもよい。その場合には、反力ピストン32をバルブボディに摺動自在に設けることができる。
また、上記実施例では、いずれも操作杆としてブレーキペダルを利用しているが、この操作杆は、身体障害者に用いられている手動ブレーキレバーであってもよい。また本発明はクラッチ倍力装置に適用することができ、その場合には操作杆としてクラッチペダルを用いることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、擬似反力付与手段によって必要な擬似反力を運転者に付与しているので、従来のように急作動時に不必要に大きな反力が運転者に伝達されることがなく、軽い踏力で急作動時に必要な大きな出力を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】 図1とは異なる作動状態を示す断面図。
【図3】 上記実施例の特性線図。
【符号の説明】
1 フロントシェル 2 リヤシェル 3 パワーピストン
3A シリンダ部材 4 バルブボディ 6 定圧室
7 変圧室 9 弁機構 11 弁プランジャ
11a 小径部 19 入力軸 22 キー部材
23 挿入孔 26 出力軸 31 擬似反力付与手段
32 反力ピストン 32a オリフィス通路 32c 凹部
33 第2定圧室 34 第2変圧室

Claims (4)

  1. シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、このパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボディ内に設けた弁機構と、操作杆に連動され、上記弁機構を構成する弁プランジャを進退動させて弁機構の流路を切換える入力軸と、上記バルブボディの前進によって前進される出力軸とを備えた倍力装置において、
    この倍力装置の作動時に上記出力軸に加わる反力が上記弁プランジャに伝達されないようにするとともに、上記バルブボディの進退動に伴って進退動する操作杆の移動量に応じた擬似反力を該操作杆に付与する擬似反力付与手段を設け、
    この擬似反力付与手段は、上記パワーピストン又はバルブボディに摺動自在に設けられ、リヤ側に定圧室の圧力が導入される第2定圧室と、フロント側に変圧室の圧力が導入される第2変圧室とを区画する反力ピストンを備え、この反力ピストンは、上記第2定圧室と第2変圧室との圧力差によりリヤ側に付勢されてその作用力を擬似反力として弁プランジャに伝達することを特徴とする倍力装置の反力機構。
  2. 上記変圧室と第2変圧室とはオリフィス通路を介して連通していることを特徴とする請求項1に記載の倍力装置の反力機構。
  3. 上記倍力装置の非作動状態において上記反力ピストンとそれに対向する弁プランジャとを離隔させる離隔手段を備え、この離隔手段は、上記バルブボディにその軸方向に変位可能に設けられて上記弁プランジャが該バルブボディから抜出るのを防止するキー部材を有しており、このキー部材は倍力装置の非作動状態においてリヤ側のシェルと当接してバルブボディに対する前進位置に保持され、また反力ピストンは前進位置に保持されたシェルに当接して上記弁プランジャと離隔されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の倍力装置の反力機構。
  4. 上記弁プランジャは軸方向の所定位置に小径部を備え、この弁プランジャの小径部に上記キー部材を係合させてあり、このキー部材と弁プランジャは該弁プランジャの小径部の軸方向寸法の範囲内で軸方向に相対移動できるようになっており、また、キー部材はバルブボディの挿入孔に挿通されて該挿入孔の軸方向寸法の範囲内でバルブボディと軸方向に相対移動できるとともに、バルブボディの外方側に位置する部分がそれと対向するシェルに当接するようになっており、さらに上記反力ピストンのリヤ側の端面には凹部が形成されて、この凹部に弁プランジャのフロント側の端部が摺動自在に嵌合させてあり、倍力装置の非作動状態においてキー部材がシェルと当接し、かつキー部材に反力ピストンのリヤ側の端部が当接することにより、反力ピストンの凹部の底部とそれに対向する弁プランジャとが離隔するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の倍力装置の反力機構。
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