JP3654299B2 - インク滴噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット方式によるインク滴噴射装置に関するものである。
従来から、インクジェット方式のインク噴射装置としては、圧電セラミックスの変形によってインク流路の容積を変化させ、その容積減少時にインク流路内のインクをノズルから液滴として噴射し、容積増大時にインク導入口からインク流路内にインクを導入するようにしたものが知られている。この種の記録ヘッドにおいては、圧電セラミックスの隔壁によって隔てられた複数のインク室が形成されており、これら複数のインク室の一端にインクカートリッジ等のインク供給手段が接続され、他端にはインク噴射ノズル(以下、ノズルという)が設けられ、印字データに従った前記隔壁の変形によってインク室の容積を減少させることにより、記録媒体に対して前記ノズルからインク滴を噴射し、文字や図形等が記録される。
この種のインクジェット方式のインク噴射装置において、インク滴を噴射するドロップ・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコストの安さなどから普及している。ドロップ・オン・デマンド型として、特開昭63−247051号公報に示されているように、圧電材料を利用したせん断モード型がある。図12に示すように、この種のインク滴噴射装置600は、底壁601、天壁602及びその間のせん断モードアクチュエータ壁603からなる。そのアクチュエータ壁603は、底壁601に接着され、かつ矢印611方向に分極された下部壁607と、天壁602に接着され、かつ矢印609方向に分極された圧電材料製の上部壁605とからなっている。アクチュエータ壁603は一対となって、その間にインク室613を形成し、かつ次の一対のアクチュエータ壁603の間には、インク室613よりも狭い空間615を形成している。
各インク室613の一端には、ノズル618を有するノズルプレート617が固着され、他端には、図示しないインク供給源が接続されている。各アクチュエータ壁603の両側面には電極619,621が金属化層として設けられている。具体的にはインク室613側のアクチュエータ壁603には電極619が設けられ、空間615側のアクチュエータ壁603には電極621が設けられている。なお、電極619の表面はインクと絶縁するための絶縁層630で覆われている。そして、空間615に面している電極621はアース623に接続され、インク室613内に設けられている電極619はアクチュエータ駆動信号を与える制御装置625に接続されている。
そして、各インク室613の電極619に制御装置625が電圧を印加することによって、各アクチュエータ壁603がインク室613の容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。例えば図13に示すように、インク室613cの電極619cに電圧E(V)が印加されると、アクチュエータ壁603e、603fにそれぞれ矢印631、632の方向の電界が発生し、アクチュエータ壁603e、603fがインク室613cの容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。このときノズル618c付近を含むインク室613c内の圧力が減少する。この電圧E(V)の印加状態を圧力波のインク室613内での片道伝播時間Tだけ維持する。すると、その間インク供給源からインクが供給される。
なお、上記片道伝播時間Tはインク室613内の圧力波が、インク室613の長手方向に伝播するのに必要な時間であり、インク室613の長さLとこのインク室613内部のインク中での音速aにより、T=L/aと決まる。
圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からT時間もしくはその奇数倍時間がたつとインク室613内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせてインク室613cの電極621cに印加されている電圧を0(V)に戻す。すると、アクチュエータ壁603e、603fが変形前の状態(図12)に戻り、インクに圧力が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、アクチュエータ壁603e、603fが変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力がインク室613cのノズル618c付近の部分に生じて、インク滴がノズル618cから噴射される。なお、インク室613へ連通するインク供給路626が部材627及び部材628により形成されている。
従来、この種のインク滴噴射装置600では、記録の解像度を高くするために、小さい体積のインク滴を飛翔させようとして駆動電圧を下げる等の制御を行うと、インク滴の速度まで低下するという問題があった。また、インク滴の速度を低下することなく体積の小さい液滴が得られるように、噴射パルスを印加した後でインク噴射が完了する前に、電圧レベルの低いパルスを付加することが提案されている。
本発明は、1つのドットに対して主となる噴射のための駆動波形の後に、それに付随して非噴射のパルスを付加することで、小さい体積のインク滴を得、さらにインク滴の大きさを任意に変えて階調性を上げることができるインク滴噴射装置を提供する。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、インクが充填されたインク室の容積を変化させるためのアクチュエータに噴射パルス信号を印加することによりインク室内に圧力波を発生させてインクに圧力を加え、インク滴をノズルより噴射させるインク滴噴射装置において、1ドットの印字命令に対して、前記噴射パルス信号として第1の噴射パルス信号と第2の噴射パルス信号とを印加し、それに付随する非噴射パルスとして、前記噴射パルス信号による飛翔インク滴の一部を引き戻して該インク滴を小型化するための付加パルス信号を、前記第1の噴射パルス信号と第2の噴射パルス信号との間に印加するものであって、前記第1の噴射パルス信号は、前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧力波を発生させ、その圧力波が前記インク室内をほぼ片道伝播する時間Tもしくはその奇数倍時間の経過後、容積を増大状態から減少させインクに圧力を印加するパルス幅を有し、前記第2の噴射パルス信号は、0.4T〜1.3Tのパルス幅を有し、前記付加パルス信号は、ほぼ0.2T〜0.4Tのパルス幅であり、かつ、前記第1の噴射パルス信号の立ち下がりと付加パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.4T〜0.7Tであり、前記付加パルス信号の立ち下がりと第2の噴射パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.2T〜0.4Tであり、前記第1の噴射パルス信号、第2の噴射パルス信号及び付加パルス信号の波高値は同じであることを特徴とするインク滴噴射装置にある。
また、インクが充填されたインク室の容積を変化させるためのアクチュエータに噴射パルス信号を印加することによりインク室内に圧力波を発生させてインクに圧力を加え、インク滴をノズルより噴射させるインク滴噴射装置において、1ドットの印字命令に対して、前記噴射パルス信号として第1の噴射パルス信号とそれに続く第2の噴射パルス信号とを印加し、それに付随する非噴射パルスとして、前記噴射パルス信号による飛翔インク滴の一部を引き戻して該インク滴を小型化するための付加パルス信号を、前記第2の噴射パルス信号の後に印加するものであって、前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧力波を発生させ、その圧力波が前記インク室内をほぼ片道伝播する時間をTとしたとき、前記第1の噴射パルス信号の立ち下がりと第2の噴射パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.5T〜1.2Tであり、前記第2の噴射パルス信号のパルス幅が0.5T〜1.3Tであり、前記第2の噴射パルス信号の立ち下がりと付加パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.7T〜1.0Tであり、前記第1の噴射パルス信号、第2の噴射パルス信号及び付加パルス信号の波高値は同じであることを特徴とするインク滴噴射装置にある
本発明によれば、1ドットの印字命令として第1、第2の噴射パルス信号、及び付加パルス信号を印加し、噴射パルス信号によりノズルより飛び出しかけたインク滴の一部を付加パルス信号により引き戻し、インク滴を小さくする。さらにもう1つのインク滴によって、階調性を上げることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。本実施の形態のインク滴噴射装置における機械的部分の構成は、上述した図12に示すものと同様であるので説明を省略する。
本インク滴噴射装置600の具体的な寸法の一例を述べる。インク室613の長さLが7.5mmである。ノズル618の寸法は、インク滴噴射側の径が40μm、インク室613側の径が72μm、長さが100μmである。また、実験に供したインクの25℃における粘度は約2mPa・s、表面張力は30mN/mである。このインク室613内のインク中における音速aと上記Lとの比L/a(=T)は8μsecであった。
次に本発明の一実施の形態であるインク室613内の電極619に印加する各種駆動波形を図面を参照して説明する。図1は、本発明の前提である小型液滴とするための噴射パルス信号(駆動波形)を示す。図1の駆動波形は、1ドット分の印字のためのパルスであり、インク滴を噴射するための噴射パルス信号Aと、これに続いて該噴射パルス信号Aによりノズルより飛び出したインク滴の一部を引き戻し得るタイミングで付加的に印加される非噴射パルスであって、該噴射パルス信号Aよりもパルス幅が小さく飛翔インク滴を小型化するための付加パルス信号(液滴小型化パルス)Bとからなる。噴射パルス信号Aと付加パルス信号Bのどちらも波高値(電圧値)は同じ(例えば20V)である。
噴射パルス信号Aの波幅は、インク室613内のインク中における音速aと上記Lとの比L/a(=T)に一致する値もしくはその奇数倍時間(ヘッド固有の値)とする。噴射パルス信号Aの立ち下がりと付加パルス信号Bの立ち上がりタイミングとの時間差は、0.55Tとする。付加パルス信号Bの波幅は0.35Tとする。付加パルス信号Bはこの波幅では、インク滴を噴射させるには至らない。なお、連続して次のドットを印字する場合のパルスの周期は、駆動周波数を10kHzとしたとき、100μsecとなる。この駆動波形では、後述するように、高温時に噴射が不安定になることがある。
図2は本発明の参考例1による駆動波形を示す。駆動波形は、図1に示したものと同等の、噴射パルス信号A及び第1の付加パルス信号(以下、液滴小型化パルスという)Bに、さらに非噴射パルスであって噴射を安定させるための第2の付加パルス信号(以下、噴射安定化パルスという)Cを付加したものからなる。
そして、噴射パルス信号Aは、図1の同信号Aと同じパルス幅を有する。液滴小型化パルスB及び噴射安定化パルスCは、それぞれ噴射パルス信号Aに対してパルス幅を0.2T〜0.4T、好ましくはパルスBは0.35T、パルスCは0.3Tとし、かつ、噴射パルス信号Aの立ち下がりと液滴小型化パルスBの立ち上がりタイミングとの時間差を0.4T〜0.7T、好ましくは0.55Tとし、液滴小型化パルスBの立ち下がりと噴射安定化パルスCの立ち上がりタイミングとの時間差を0.9T〜1.3T、好ましくは1.1Tとする。噴射安定化パルスCを付加したことによる作用は、図1の駆動波形の場合と対比して後述の図11で説明する。なお、これらの数値及び数値範囲は実験によって求めたものである。
図3は本発明の実施例1による駆動波形を示す。この駆動波形は、上述図2のものと、噴射パルス信号Aが2つの噴射パルスA1,A2とに分けられ、これら噴射パルスA1とA2の間に、液滴小型化パルスBを位置させた点が相違する。図2のものに比べて、噴射パルスを2つに分けたことにより、液滴体積を任意に加減調整することができ、階調性を上げることが可能となる。噴射パルスA1は図1の噴射パルスAと同じパルス幅とし、噴射パルスA2はパルス幅0.4T〜1.3T、好ましくは0.5Tとする。噴射パルス信号A1の立ち下がりと液滴小型化パルスBの立ち上がりタイミングとの時間差は、図2のものと同様に0.4T〜0.7T、好ましくは0.55Tとし、液滴小型化パルスBのパルス幅0.2T〜0.4T、好ましくは0.35Tとする。液滴小型化パルスBの立ち下がりと噴射パルス信号A2の立ち上がりタイミングとの時間差は、0.2T〜0.4T、好ましくは0.35Tとする。また噴射パルス信号A2の立ち下がりと噴射安定化パルスCの立ち上がりタイミングとの時間差は、2.25T〜2.45T、または1.7T〜1.95T、好ましくは2.35Tとし、噴射安定化パルスCのパルス幅は、0.3T〜0.7T、または1.3T〜1.8T、好ましくは0.5Tとする。この駆動波形による液滴体積は40pl(ピコリットル)である。
図4は本発明の実施例2による駆動波形を示す。この駆動波形は、上述図3のものと、噴射パルス信号Aの2つの噴射パルスA1,A2の後に、液滴小型化パルスB及び噴射安定化パルスCを位置させた点が相違する。図2のものに比べて図3と同等の作用の違いが得られる。噴射パルス信号A1の立ち下がりと噴射パルス信号A2の立ち上がりタイミングとの時間差は、0.5T〜1.2T、好ましくは0.8Tとし、噴射パルス信号A2のパルス幅は、0.5T〜1.3T、好ましくは0.8Tとする。噴射パルス信号A2の立ち下がりと液滴小型化パルスBの立ち上がりタイミングとの時間差は、0.7T〜1.0T、好ましくは0.85Tとし、液滴小型化パルスBのパルス幅は、0.2T〜0.4T、好ましくは0.35Tとする。また液滴小型化パルスBの立ち下がりと噴射安定化パルスCの立ち上がりタイミングとの時間差は、1.0T〜1.2T、または0.45T〜0.7T、好ましくは1.1Tとし、噴射安定化パルスCのパルス幅は、0.3T〜0.7T、または1.3T〜1.8T、好ましくは0.5Tとする。この駆動波形による液滴体積も40plである。
図5は本発明の参考例2による駆動波形を示す。この駆動波形は基本的には図2と同じ形態を有し、噴射パルス信号のパルス幅を上記実施例においては、1Tもしくはその奇数倍としているが、本実施例の駆動波形は、噴射パルス信号Aのパルス幅Waを0.5Tから1.5Tの間で設定し、噴射パルス信号Aの立ち下がりと液滴小型化パルスBの立ち上がりタイミングとの時間差d、及び液滴小型化パルスBのパルス幅Wbを所定の値に設定することによって、インク噴射時にしぶきや不良の吐出が発生しないようにする。なお、しぶきとは、インクが1つの液滴にならずに飛散してしまう現象である。図6は噴射パルス信号Aのパルス幅Waを0.5Tから1.5Tとした時で、時間差d及びパルス幅Wbの値の組み合わせを変えて、実験によって求めたものであり、○印は着弾乱れやしぶきがなく、×印はしぶきや不良の吐出が生じたことを示している。これより、噴射パルス信号Aの立ち下がりと液滴小型化パルスBの立ち上がりタイミングとの時間差dを0.3T〜1.0T、液滴小型化パルスBのパルス幅Wbを0.3T〜1.0Tとし、時間差dとパルス幅Wbとの和を0.7T〜1.3Tに収まるようにすれば印字不良が発生しないことが分かる。また、液滴小型化パルスBの立ち下がりと噴射安定化パルスCの立ち上がりタイミングとの時間差は、0.7T〜1.3T、好ましくは0.9Tとし、噴射安定化パルスCのパルス幅は、0.2T〜0.4T、好ましくは0.35Tとする。
図7及び図8は、本発明と対比するために掲げるものであり、いずれも本出願人が先に提案しているシングルパルス及びマルチパルスによる駆動波形を示す。図7のシングルパルス駆動波形は、噴射パルス信号Aと噴射安定化パルスCとからなる。この駆動波形による液滴体積は30plである。図8のマルチパルス駆動波形は、噴射パルスA1,A2と噴射安定化パルスCとからなる。この駆動波形による液滴体積は50plである。
次に、前記図2乃至図5のような駆動波形を実現するための制御装置の一実施の形態を図9及び図10を用いて説明する。図9に示す制御装置625は充電回路182と放電回路184とパルスコントロール回路186から構成されている。アクチュエータ壁603の圧電材料及び電極619、621は、等価的にコンデンサ191で表される。191Aと191Bはその端子である。
入力端子181と182は、それぞれインク室613内の電極619に与える電圧をE(V)、0(V)にするためのパルス信号を入力する入力端子である。充電回路182は、抵抗R101、R102、R103、R104、R105、トランジスタTR101、TR102から構成されている。
入力端子181にオン信号(+5V)が入力されると、抵抗R101を介して、トランジスタTR101が導通し、正の電源187から抵抗R103を介して電流がトランジスタTR101のコレクタからエミッタ方向に流れる。したがって、正の電源187に接続されている抵抗R104及びR105にかかる電圧の分圧が上昇し、トランジスタTR102のベースに流れる電流が増加し、トランジスタTR102のエミッタとコレクタ間が導通する。正の電源187からの20(V)の電圧がトランジスタTR102のコレクタ及びエミッタ、抵抗R120を介してコンデンサ191、端子191Aに印加される。
次に、放電用回路184について説明する。放電用回路184は抵抗R106、R107、トランジスタTR103から構成される。入力端子182にオン信号(+5V)が入力されると、抵抗R106を介してトランジスタTR103が導通し、抵抗R120を介してコンデンサ191の抵抗R120側端子191Aをアースする。したがって、図12及び図13に示すインク室613のアクチュエータ壁603に印加されていた電荷は放電される。
次に、充電回路182の入力端子181及び放電用回路184の入力端子182に入力されるパルス信号を発生するパルスコントロール回路186について説明する。パルスコントロール回路186には、各種の演算処理を行うCPU110が設けられ、CPU110には、印字データや各種のデータを記憶するRAM112とパルスコントロール回路186の制御プログラム及びタイミングでオン、オフ信号を発生するシーケンスデータを記憶しているROM114が接続されている、ここで、ROM114には、図10に示すように、インク滴噴射制御プログラム記憶エリア114Aと、駆動波形データ記憶エリア114Bとが設けられている。したがって、駆動波形のシーケンスデータは、駆動波形データ記憶エリア114Bに記憶されている。
制御装置625は図示しないが、周囲温度等インクに係る温度を検出する手段を備えている。制御プログラム記憶エリア114Aには、また図14に示すように、CPU110が、温度が所定値以上であるかを判断し(S1)、その判断結果に基づいて、波形データ記憶エリア114Bに記憶された第1及び第2の付加パルスB,C(液滴小型化パルス及び安定化パルス)を噴射パルス信号Aに付加するかどうか(S2,S3)を決定するプログラムが記憶されている。
さらに、CPU110は各種のデータをやりとりするI/Oバス116に接続され、当該I/Oバス116には、印字データ受信回路118とパルスジェネレータ120及び122が接続されている。パルスジェネレータ120の出力は充電回路182の入力端子181に接続され、パルスジェネレータ122の出力は放電用回路184の入力端子182に接続されている。
CPU110はROM114の駆動波形データ記録エリア114Bに記憶されているシーケンスデータにしたがって、パルスジェネレータ120及び122を制御する。したがって、前記のタイミングの各種パターンを予めROM114内の駆動波形データ記憶エリア114Bに記憶させておくことによって、図2に示す駆動波形の駆動パルスをアクチュエータ壁603に与えることができる。
なお、パルスジェネレータ120、122及び充電回路182及び放電回路184はノズル数と同じ数だけ設けられている。本実施の形態では、代表して一つのノズルの制御について説明したが、他のノズルの制御についても同様な制御である。
次に、参考例の図2に示した駆動波形のパルスで駆動した場合と、図1の駆動波形のパルスで駆動した場合の、各種温度条件下でのインク滴噴射のテスト結果(インク滴速度;m/s)を図11(a)(b)に示す。各図における上段の数字(1〜10)は、所定周波数(16kHz)で駆動した場合のドット番号を示し、最左欄の数字5〜40は温度(℃)を示し、ここでは、5個(1〜5番)の連続ドットの後、1ドット分休止し(6番)、その後、再び、連続する2つのドット(7,8番)の後、1ドット分休止し(9番)、その後、1ドット(10番)を噴射した。各ドットに対して、図2又は図1に示した駆動波形のパルスを印加する。温度に隣接するカッコ内の数値は、各温度において液滴を8m/sで噴射する際に印加した電圧値である。
図11から分かるように、温度が高くなるにつれて、連続ドット後で休止した後の、連続する2つのドットの2発目の液滴速度が低下する傾向を有し、特に、図1の駆動波形のように液滴小型化パルスBが付けられているだけの場合、図11(b)のD部分では、速度低下が著しい。これは、高温度域では、インク粘度が下がり、メニスカス振動を抑えきれなくなるためであると考えられる。特に、インクのメニスカスがノズルから引っ込んでいる状態で液滴小型化パルスBが立ち上がると、メニスカスはさらに引っ込もうとすることから、噴射速度はさらに遅くなる。これにより、インクの着弾位置がずれ、印字品質が低下する。それに対して、図2の駆動波形のように噴射安定化パルスCがさらに付加されていることにより、上記に対応する部分での速度低下は押さえられ、上記問題は解消される。なお、図11の測定においては、温度に関係なく、全てのドットに対して、液滴小型化パルスB及び噴射安定化パルスCを付加しているが、これらは、実用上では、上記図14に示したように、所定温度(例えば25℃)以上の場合にのみ付加するようにすればよい。図11内の×は未測定部分である。インク粘度が比較的高い低温度域では、付加パルスB,Cがない分、制御装置625の負荷が軽減するだけでなく、噴射パルスAの間隔を小さくして高周期での噴射が可能になる。
なお、図1又は図2のように、噴射パルス信号Aに液滴小型化パルスBを付加したことにより液滴の小型化が可能となる様子を説明すると、噴射パルス信号Aの立ち上がりにより、インク室の容積が増大して一時的にインクのメニスカスはノズルの内方に引っ込み、続いてインク室内を圧力波が片道伝播する時間の経過後の噴射パルス信号Aの立ち下がりにより、インク室の容積が増大状態から自然状態に減少することで、インクはノズルより噴出されようとする。このとき、液滴小型化パルスBが印加されることにより、ノズルより噴出されかけたインク滴の一部が引き戻されたメニスカスとなるため、ノズルから噴射されるインク滴は小型化される。こうして、駆動電圧を変えることなく、したがって、コストアップすることなく、主となる駆動波形の後に非噴射パルスを付加するだけで、小さい体積のインク滴の噴射を得ることができる。
以上、一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記参考例では、主たる駆動信号である1つの噴射パルスAに液滴小型化パルスB及び噴射安定化パルスCを常に付加したものを示したが、当該ドットの前後にドットがない場合は、そのドットに対しては、主たる駆動信号である1つの噴射パルスAのみとするものであっても構わない。また、インク滴噴射装置600は、上記実施の形態の構成に限られるものではなく、圧電材料の分極方向が逆のものを用いてもよい。
また、本実施の形態では、インク室613の両側に空気室615を設けているが、空気室を設けずに、インク室が隣接するようにしてもよい。さらに、本実施の形態では、アクチュエータはせん断モード型のものを用いたが、圧電材料を積層し、その積層方向の変形によって圧力波を発生する構成でもよく、圧電材料に限らずインク室に圧力波を発生するものを使用可能である。
本発明の前提である小型液滴とするための噴射パルス信号(駆動波形)を示す図である。 本発明の参考例1による駆動波形を示す図である。 本発明の実施例1による駆動波形を示す図である。 本発明の実施例2による駆動波形を示す図である。 本発明の参考例2による駆動波形を示す図である。 噴射パルス信号の立ち下がりと液滴小型化パルスの立ち上がりタイミングとの時間差、及び液滴小型化パルスのパルス幅の値の組み合わせを変えたときの実験結果を示す図である。 本出願人が先に提案しているシングルパルス駆動波形を示す図である。 本出願人が先に提案しているマルチパルス駆動波形を示す図である。 インク滴噴射装置の駆動回路を示す図である。 インク滴噴射装置の制御装置のROMの記憶領域を示す図である。 (a)は本実施の形態の図2に示した駆動波形のパルスで駆動した場合の各種温度条件下でのインク滴噴射速度を示す図、(b)は図1の駆動波形のパルスで駆動した場合の各種温度条件下でのインク滴噴射速度を示す図である。 (a)は記録ヘッドのインク噴射部分の縦断面図、(b)は同横断面図である。 記録ヘッドのインク噴射部分の動作を示す縦断面図である。 本発明のインク滴噴射装置の制御装置のROMの制御内容を説明するフローチャートである。
符号の説明
A1 噴射パルス信号
A2 噴射パルス信号
B 第1の付加パルス信号(液滴小型化パルス)
600 インクジェットヘッド
603 アクチュエータ壁
613 インク室
625 制御装置

Claims (2)

  1. インクが充填されたインク室の容積を変化させるためのアクチュエータに噴射パルス信号を印加することによりインク室内に圧力波を発生させてインクに圧力を加え、インク滴をノズルより噴射させるインク滴噴射装置において、
    1ドットの印字命令に対して、前記噴射パルス信号として第1の噴射パルス信号と第2の噴射パルス信号とを印加し、それに付随する非噴射パルスとして、前記噴射パルス信号による飛翔インク滴の一部を引き戻して該インク滴を小型化するための付加パルス信号を、前記第1の噴射パルス信号と第2の噴射パルス信号との間に印加するものであって、
    前記第1の噴射パルス信号は、前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧力波を発生させ、その圧力波が前記インク室内をほぼ片道伝播する時間Tもしくはその奇数倍時間の経過後、容積を増大状態から減少させインクに圧力を印加するパルス幅を有し、前記第2の噴射パルス信号は、0.4T〜1.3Tのパルス幅を有し、
    前記付加パルス信号は、ほぼ0.2T〜0.4Tのパルス幅であり、かつ、前記第1の噴射パルス信号の立ち下がりと付加パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.4T〜0.7Tであり、前記付加パルス信号の立ち下がりと第2の噴射パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.2T〜0.4Tであり、
    前記第1の噴射パルス信号、第2の噴射パルス信号及び付加パルス信号の波高値は同じであることを特徴とするインク滴噴射装置。
  2. インクが充填されたインク室の容積を変化させるためのアクチュエータに噴射パルス信号を印加することによりインク室内に圧力波を発生させてインクに圧力を加え、インク滴をノズルより噴射させるインク滴噴射装置において、
    1ドットの印字命令に対して、前記噴射パルス信号として第1の噴射パルス信号とそれに続く第2の噴射パルス信号とを印加し、それに付随する非噴射パルスとして、前記噴射パルス信号による飛翔インク滴の一部を引き戻して該インク滴を小型化するための付加パルス信号を、前記第2の噴射パルス信号の後に印加するものであって、
    前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧力波を発生させ、その圧力波が前記インク室内をほぼ片道伝播する時間をTとしたとき、前記第1の噴射パルス信号の立ち下がりと第2の噴射パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.5T〜1.2Tであり、前記第2の噴射パルス信号のパルス幅が0.5T〜1.3Tであり、前記第2の噴射パルス信号の立ち下がりと付加パルス信号の立ち上がりタイミングとの時間差が0.7T〜1.0Tであり、
    前記第1の噴射パルス信号、第2の噴射パルス信号及び付加パルス信号の波高値は同じであることを特徴とするインク滴噴射装置。
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