JP4432201B2 - インク噴射装置の駆動方法および制御装置並びに記憶媒体 - Google Patents

インク噴射装置の駆動方法および制御装置並びに記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式によるインク噴射装置の駆動方法および制御装置並びに記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、インクジェット方式のインク噴射装置としては、圧電セラミックスの変形によってインク流路の容積を変化させ、その容積減少時にインク流路内のインクをノズルから液滴として噴射し、容積増大時にインク導入口からインク流路内にインクを導入するようにしたものが知られている。この種の記録ヘッドにおいては、圧電セラミックスの隔壁によって隔てられた複数のインク流路が形成されており、これら複数のインク流路の一端にインクカートリッジ等のインク供給手段が接続され、他端にはインク噴射ノズル(以下、ノズルという)が設けられ、印字データに従った前記隔壁の変形によってインク流路の容積を減少させることにより、記録媒体に対して前記ノズルからインク液滴を噴射し、文字や図形等が記録される。
【0003】
この種のインク噴射装置において、インク液滴を噴射するドロップ・オン・デマンド型のヘッドが、噴射効率の良さ、ランニングコストの安さなどから普及している。ドロップ・オン・デマンド型として、特開昭63−247051号公報に示されているように、圧電材料を利用したせん断モード型がある。その1例の断面図を図5に示す。インクジェットヘッド600は、紙面厚み方向に延びる細長い溝形状のインク流路613とインクの入らない空間615とを側壁617を挟んで複数配列したアクチュエータ基板601と、カバープレート602からなる。その側壁617は、下半分は矢印P1方向に分極された下部壁611と、上半分は矢印P2方向に分極された上部壁609とからなっている。各インク流路613の一端には、ノズル618を有し、他端にはインクを供給するマニホールドを有する。空間615の前記マニホールド側の端部はインクが浸入しないように閉鎖されている。各側壁617の両側面には電極619,621が金属化層として設けられている。具体的にはインク流路613側の側壁617には流路内電極619が設けられ、全ての流路内電極619は接地されている。空間615側の側壁617には空間内電極621が設けられている。同一の空間615内で隣接する空間内電極621は、互いに絶縁されており、インク流路613を挟んで隣接する空間内電極621は、電気的に接続されて、アクチュエータ駆動信号を与える図7に示す制御装置625に接続されている。
【0004】
そして、インク流路613を挟んで隣接する空間電極621に図7に示す制御装置625が電圧を印加することによって、側壁617がインク流路613の容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。例えば図6に示すようにインク流路613bを駆動する場合には、全ての流路内電極619を接地した状態で該インク流路613bを挟んで隣接する空間電極621c、dに電圧E(V)が印加されると、側壁617c、dに矢印E方向の電界が発生し、側壁617c、dがインク流路613bの容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。このときノズル618b付近を含むインク流路613b内の圧力が減少する。この状態を圧力波のインク流路613内での片道伝播時間Tだけ維持する。すると、その間図示しないマニホールドからインクが供給される。
【0005】
なお、上記片道伝播時間Tはインク流路613内の圧力波が、インク流路613の長手方向に伝播するのに必要な時間であり、インク流路613の長さLとこのインク流路613内部のインク中での音速aによりT=L/aと決まる。
【0006】
圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からちょうどT時間がたつとインク流路613内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングにほぼ合わせて空間電極621c、dに印加されている電圧を0(V)に戻す。
【0007】
すると、側壁617c、dが変形前の状態(図5)に戻り、インクに圧力が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、側壁617c、dが変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力がインク流路613bのノズル618b付近の部分に生じて、インク液滴がノズル618bから噴射される。
【0008】
さらに詳しく説明すると、上記の電圧の印加から電圧を0(V)に戻すまでの時間が前記片道伝播時間Tからずれると、インク液滴を噴射するためエネルギー効率が低下し、前記片道伝播時間Tのほぼ偶数倍となったときには全く噴射が行われなくなるので、通常、エネルギー効率を高くしたい場合、例えばなるべく低い電圧で駆動したい場合には上記の電圧の印加から電圧を0(V)に戻すまでの時間は、前記片道伝播時間Tに一致させるか、少なくともほぼ奇数倍とすることが望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来、この種のインクジェットヘッド600において、写真などの高画質印字のために噴射するインク液滴の体積をなるべく小さくしたいという要求がある。そのために、噴射パルスによりインク液滴を噴射し、完全にインク液滴が噴射されてしまう前に、インクの一部を前記インク流路内に引き戻し、インク液滴を小型化するための液滴小型化パルスを付加するなどの工夫がなされている。
【0010】
しかしながら、上述した噴射パルスと液滴小型化パルスの2つのパルスを用いた駆動方法による小インク液滴の噴射は、前記インク流路内の残留圧力振動が抑制されていないため、高い印字周波数での駆動では、噴射が不安定になり、不必要なインク液滴を噴射してしまったり、曲り、不吐出という状態になるなどして、印字品質が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、20pl(ピコリットル)以下の小インク液滴を高い印字周波数駆動においても安定に噴射できる、高速で高画質印字可能なインク噴射装置の駆動方法および制御装置並びに記憶媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、インク液滴を噴射するノズルと、該ノズルに連通しインクが充填されるインク流路と、前記インク流路の容積を増減させて該インク流路内に圧力波を発生させるアクチュエータと、インク液滴を前記ノズルから噴射させるための噴射パルス前記アクチュエータに印加する制御装置とを備え、体積が20pl以下であるインク液滴を噴射するインク噴射装置の駆動方法において、1つのドットの直前および直後ともに噴射命令がない場合には、噴射パルスAと、該噴射パルスAと波高値が同じで、噴射されたインク液滴が前記ノズルから離れる前にそのインク液滴の一部を前記インク流路内に引き戻すための液滴小型化パルスとからなる駆動波形1を用いてインク液滴の噴射を行い、それ以外の場合には、前記噴射パルスAと波高値が同じで、波幅が小さい噴射パルスBと、前記噴射パルスAと波高値が同じで、該噴射パルスBによる残留振動を抑える噴射安定化パルスとからなる駆動波形2を用いてインク液滴の噴射を行うことを特徴とするインク噴射装置の駆動方法である。
【0013】
この方法においては、印字命令が連続する(すなわち高い印字周波数駆動)場合には、噴射安定化パルスを有する駆動波形2にてインク液滴を噴射し、印字命令が連続しない場合には、液滴小型化パルスを有する駆動波形1にてインク液滴を噴射することにより、高周波数駆動の場合においても安定にインクを噴射できる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1の方法において、前記インク流路内を圧力波が片道伝播する時間をTとしたとき、前記噴射パルスAの波幅は、前記Tとほぼ一致しており、前記液滴小型化パルスの波幅は、前記Tの0.2倍から0.3倍の範囲内であり、前記噴射パルスAと前記液滴小型化パルスの間の時間は、前記Tの0.4倍から0.6倍の範囲内であり、かつ前記噴射パルスBの波幅は、前記Tの0.5倍から0.7倍の範囲内であり、前記噴射安定化パルスの波幅は、前記Tの0.2倍から0.3倍の範囲内であり、前記噴射パルスBと前記噴射安定化パルスの間の時間は、前記Tの2.0倍から2.2倍の範囲内である。
【0015】
このように、全てのパルスの幅、付加タイミングを設定することで、駆動波形1と駆動波形2とのインク噴射速度や液滴体積の差を少なくし、かつそれぞれの条件下での噴射安定性を実現できるのである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記駆動波形1および前記駆動波形2を記憶した記憶手段と、1つのドットの直前および直後ともに噴射命令がないかどうかを判別し、該噴射命令がない場合には、前記駆動波形1を、それ以外の場合には、前記駆動波形2を前記アクチュエータに印加する出力手段とを備える制御装置によって、上記駆動方法を実現する。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、パーソナルコンピュータ等から印字データをインク噴射装置に出力する際に、パーソナルコンピュータ等で用いられるプログラムを格納した記憶媒体において、前記駆動波形1および前記駆動波形2を記憶し、1つのドットの直前および直後ともに噴射命令がないかどうかを判別し、該噴射命令がない場合には、前記駆動波形1を、それ以外の場合には、前記駆動波形2を前記アクチュエータに印加することで、上記駆動方法を実現する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態のインク滴噴射装置における機械的部分の構成は、上述した図5に示すものと同様であるので説明を省略する。
【0019】
本インク滴ジェットヘッド600の具体的な寸法の一例を述べる。インク流路613の長さLが6.0mmである。ノズル618の寸法は、インク滴噴射側の径が26μm、インク流路613側の径が40μm、長さが75μmである。また、実験に供したインクの25℃における粘度は約2mPa・s、表面張力は30mN/mである。このインク流路613内のインク中における音速aと上記Lとの比L/a(=T)は9.0μsecであった。
【0020】
図1は20pl以下の微小液滴を安定に噴射するための駆動波形を示す。
図1(a)に示した駆動波形1は、20pl以下の微小液滴を安定に噴射するための駆動波形であり、付した数字は、上記インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tに対する時間の長さの割合である。
【0021】
駆動波形1は、インク滴を噴射するための噴射パルスAと該噴射パルスAによって噴射されたインク液滴の体積を小さくするための液滴小型化パルスCとからなる。例えば、噴射パルスAによって噴射されたインク液滴が完全にノズル618から離れる前に、小型化パルスCによってインク流路613の容積を拡大する方向に側壁617を変形させ、インク液滴の後方部分をインク流路613内に引き戻すのである。全てのパルスの波高値(電圧値)はE(V)(例えば25℃で17(V))である。噴射パルスAの幅Waは、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tに一致し、すなわち9.0μsecである。液滴小型化パルスの幅Wcはインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.2〜0.3倍に一致し、すなわち1.8〜2.7μsecである。また、噴射パルスAと液滴小型化パルスの間の時間Wbは、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.4〜0.6倍に一致し、すなわち3.6〜5.4μsecである。
【0022】
これらのタイミングの適正範囲を求めるために行った実験の結果を説明する。図2に示す表は、噴射パルスAの幅Waをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tに一致する値に固定したまま、噴射パルスAと液滴小型化パルスの間の時間Wbをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.3〜0.7倍まで0.05倍刻みで変化させ、かつ液滴小型化パルスの幅Wcをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.1〜0.4倍まで0.05倍刻みで変化させたときの評価結果を示す。評価方法として、電圧E=17V、最高7.5kHzまでの周波数で連続駆動したときの噴射状態を観察し、20pl以下の液滴を安定に噴射する場合は○、曲りを伴った場合は△、噴射が不安定でしぶきを伴う場合をXとした。
【0023】
この結果から、噴射パルスAと液滴小型化パルスの間の時間Wbを、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.40倍〜0.60倍の範囲内とし、液滴小型化パルスの幅Wcをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.20倍〜0.30倍の範囲に設定すると安定に噴射することが分かる。このときの噴射されるインク液滴の飛翔速度は、約6.0m/sで体積は約15plであった。
【0024】
また、上記駆動波形1の場合、印字周波数を7.5kHzよりも高くしていくと、噴射は不安定となり、駆動波形1のみを用いた駆動方法では、たとえば10kHz、15kHzといった高い周波数での印字はできなかった。
【0025】
図1(b)に示した駆動波形2は、20pl以下の微小液滴を高い周波数でも安定に噴射するための駆動波形であり、付した数字は、上記インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tに対する時間の長さの割合である。 インク滴を噴射するための噴射パルスBと該噴射パルスBによるインク液滴噴射により発生する、前記インク流路613内の圧力振動を抑制するための噴射安定化パルスDからなる。例えば、インク流路613内の圧力が上昇するタイミングで安定化パルスDによってインク流路613の容積を拡大する方向に側壁617を変形させ、また次に流路613内の圧力が下降するタイミングで側壁617を戻すことで、インク流路613内の圧力変動を抑えるのである。
【0026】
駆動波形2の全てのパルスの波高値(電圧値)はE(V)(例えば25℃で17(V))である。噴射パルスBの幅Wdは、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.5〜0.7倍に一致し、すなわち4.5〜6.3μsecである。噴射安定化パルスDの幅Wfはインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.2〜0.3倍に一致し、すなわち1.8〜2.7μsecである。また、噴射パルスBと噴射安定化パルスDの間の時間Weは、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの2.0〜2.2倍に一致し、すなわち18.0〜19.8μsecである。
【0027】
これらのタイミングの適正範囲を求めるために行った実験の結果を説明する。まず、噴射パルスBの波幅Wdを、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.5〜0.7倍とした理由は、前述した駆動波形1と同じ駆動電圧で駆動した場合に、できるだけ、インク液滴の飛翔速度と体積を近づけるためである。すなわち駆動波形2では、前記液滴小型化パルスCのように、噴射しかけたインクをインク流路内に引き戻すパルスは使わないため、噴射パルスBの波幅Wdがインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tと一致したままでは、飛翔速度、インク液滴体積とも大きくなり過ぎる。しかし、噴射パルスBの波幅Wdを、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.5〜0.7倍として、例えば駆動波形1で飛翔速度6.0m/sで体積が15plとなる場合と同じ駆動電圧を用いる場合に、飛翔速度6.0〜6.5m/sで体積が15〜19plという駆動波形1と近い飛翔速度、インク液滴体積が得られることが分かった。
【0028】
図3に示す表は、噴射パルスBの幅Wdをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.6倍に一致する値に固定したまま、噴射パルスBの幅Weをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの1.85〜2.35倍まで0.05倍刻みで変化させ、かつ噴射安定化パルスDの幅Wfをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.1〜0.4倍まで0.05倍刻みで変化させたときの評価結果を示す。評価方法として、電圧E=17V、10〜15kHzにおける周波数で連続駆動したときの噴射状態を観察し、20pl以下の液滴を安定に噴射する場合は○、曲りを伴った場合は△、噴射が不安定でしぶきを伴う場合をXとした。
【0029】
この結果から、噴射パルスBと液滴小型化パルスの間の時間Weを、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの2.0倍〜2.2倍の範囲内とし、噴射安定化パルスの幅Wfをインク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの0.20倍〜0.30倍の範囲に設定すると安定に噴射することが分かる。このときの噴射されるインク液滴の飛翔速度は、約6.3m/sで体積は約18plであった。
【0030】
この駆動波形2を用いると、駆動波形1に比べて、高い印字周波数まで安定に噴射することが可能であるが、噴射するインク液滴の体積が2割程度増えてしまうことが分かっている。低い印字周波数においては微小インク液滴が噴射可能な駆動波形1と、やや体積は増えるが高い周波数でも安定に噴射可能な駆動波形2とを、それぞれの長所を活かして駆動する方法を説明する。
【0031】
印字命令が連続し、記録媒体上でドットがつながって形成されるような場合には、1つのドットを区別することができないので、多少インク液滴が大きくなって、ドット径が大きくなってもあまり問題とならない。従って体積はやや大きいものの高い印字周波数で安定に噴射できる駆動波形2は、印字命令が連続するときに用いると良いことが分かる。逆に、印字命令が連続せず、記録媒体上にドットがまばらに形成されるような場合には、ドットの粒状感が問題となるため、1つ1つのドットがより小さいことが要求される。従って、高い印字周波数となる連続噴射では不安定であるが、ドットがまばらになる、すなわち実質的に低い印字周波数による駆動ではより小さな液滴が噴射できる駆動波形1が適していることが分かる。
【0032】
以上のようなことから、図4に示したように、1つのドットの直前および直後ともに印字命令がない場合には、駆動波形1を用いてインク液滴を噴射し、1つのドットの直前または直後のいずれかに印字命令があり、インク液滴の噴射が連続する場合には、駆動波形2を用いてインク液滴を噴射ように制御することで、10〜15kHzといった高い印字周波数での印字も安定となり、高速で高解像度の印字が可能となるのである。
【0033】
以上詳述したように、インク液滴が体積が20pl以下であるような微小インク液滴を、印字命令が連続する場合には、噴射安定化パルスDを有する駆動波形2にてインク液滴を噴射し、印字命令が連続しない場合には、液滴小型化パルスCを有する駆動波形1にてインク液滴を噴射することにより、高い印字周波数による駆動の場合においても安定にインクを噴射できる。
【0034】
次に、前記のような各種の駆動波形を実現するための制御装置の一実施の形態を図7および図9を用いて説明する。図7に示す制御装置625は充電回路182と放電回路184とパルスコントロール回路186から構成されている。側壁617の圧電材料及び電極619、621は、等価的にコンデンサ191で表される。
【0035】
入力端子181と183は、それぞれ空間615内の電極621に与える電圧をE(V)、0(V)にするためのパルス信号を入力する入力端子である。充電回路182は、抵抗R101、R102、R103、R104、R105、トランジスタTR101、TR102から構成されている。
【0036】
入力端子181にオン信号(+5V)が入力されると、抵抗R101を介して、トランジスタTR101が導通し、正の電源187から抵抗R103を介して電流がトランジスタTR101のコレクタからエミッタ方向に流れる。したがって、正の電源187に接続されている抵抗R104及びR105にかかる電圧の分圧が上昇し、トランジスタTR102のベースに流れる電流が増加し、トランジスタTR102のエミッタとコレクタ間が導通する。正の電源187からの例えば16(V)の電圧がトランジスタTR102のコレクタ及びエミッタ、抵抗R120を介してコンデンサ191に印加される。
【0037】
次に、放電用回路184について説明する。放電用回路184は抵抗R106、R107、トランジスタTR103から構成される。入力端子183にオン信号(+5V)が入力されると、抵抗R106を介してトランジスタTR103が導通し、抵抗R120を介してコンデンサ191の抵抗R120側端子をアースする。したがって、図5および図6に示す側壁617に印加されていた電荷は放電される。
【0038】
次に、充電回路182の入力端子181及び放電用回路184の入力端子183に入力されるパルス信号を発生するパルスコントロール回路186について説明する。パルスコントロール回路186には、各種の演算処理を行うCPU110が設けられ、CPU110には、印字データや各種のデータを記憶するRAM112とパルスコントロール回路186の制御プログラム及びタイミングでオン、オフ信号を発生するシーケンスデータを記憶しているROM114が接続されている、ここで、ROM114には、図8に示すように、インク滴噴射制御プログラム記憶エリア114Aと、駆動波形データ記憶エリア114Bとが設けられている。したがって、駆動波形1、2のデータは、駆動波形データ記憶エリア114Bに記憶され、図4に示す1つのドットの直前および直後の状況とそれに対応して選択する駆動波形の種類との関係をテーブルにしたものが、制御プログラム記憶エリア114Aに記憶されている。
【0039】
さらに、CPU110は各種のデータをやりとりするI/Oバス116に接続され、当該I/Oバス116には、印字データ受信回路118とパルスジェネレータ120及び122が接続されている。パルスジェネレータ120の出力は充電回路182の入力端子181に接続され、パルスジェネレータ122の出力は放電用回路184の入力端子183に接続されている。
【0040】
CPU110はROM114の制御プログラム記憶エリア114Aおよび駆動波形データ記録エリア114Bに記憶されているデータにしたがって、パルスジェネレータ120及び122を制御する。したがって、受信した印字データにおいて、1つのドットの直前および直後の状況を判別し、それに対応した駆動波形1または2を選択的に出力することができる。
【0041】
なお、パルスジェネレータ120、122及び充電回路182及び放電回路184はノズル数と同じ数だけ設けられている。本実施の形態では、代表して一つのノズルの制御について説明したが、他のノズルの制御についても同様な制御である。
【0042】
図9(a)(b)は、上記制御装置625の機能ブロック図であり、印字命令の信号の流れを示している。同図(a)においては、印字命令は、パーソナルコンピュータ等におけるドライバソフトウェアから制御信号としてドライバ回路に与えられる。それに基づいてドライバ回路はROMに格納された各種データを読み出し、駆動信号を生成してアクチュエータを駆動する。ここに、ドライバ回路は、各ドットの前に液滴噴射があったか否か、また次に液滴噴射があるか否かを判別して上述のように駆動波形を変化させる。
【0043】
同図(b)においては、印字命令は、パーソナルコンピュータ等におけるドライバソフトウェアにて図4のテーブルを参照して駆動波形1または2に変換され、その制御信号はドライバ回路に与えられ、ドライバ回路にて駆動信号とされ、それによりアクチュエータを駆動する。この例では、ドライバソフトウェアとして、図4のテーブルおよび駆動波形のデータを格納した記憶媒体が提供される。
【0044】
以上、本実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、駆動波形を構成する噴射パルス、液滴安定化パルス、液滴小型化パルスの波幅、数、組み合わせなどは、自由に変形可能である。
【0045】
また、本実施の形態では、アクチュエータは圧電材料のせん断モード型のものを用いたが、圧電材料を積層し、その積層方向の変形によって圧力波を発生する構成でもよく、圧電材料に限らずインク流路に圧力波を発生するものであれば使用可能である。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、インク液滴の体積が20pl以下である微小液滴の印字において、連続した印字命令がない場合には、高い印字周波数での印字は不安定であるが低い印字周波数では、安定に微小液滴を噴射できる駆動波形1を用い、連続印字時においては、ややインク液滴体積が大きいものの安定噴射可能な、駆動波形2を用いて駆動することで、高速で高解像度の印字が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のインク噴射装置の駆動波形を示す図である。
【図2】本実施の形態の駆動波形1の最適条件を求めるために行った噴射テストの結果を示す図である。
【図3】本実施の形態の駆動波形2の最適条件を求めるために行った噴射テストの結果を示す図である。
【図4】本実施の形態の駆動波形を用いる条件を示す図である。
【図5】本実施の形態に使用するインクジェットヘッドを示す断面図である。
【図6】図5のインクジェットヘッドの動作を説明する図である。
【図7】本実施の形態の制御装置を示す図である。
【図8】図7の制御装置の記憶領域を示す図である。
【図9】(a)(b)は制御装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 駆動波形(非連続時用)
2 駆動波形(連続時用)
600 インクジェットヘッド
613 インク流路
625 制御装置

Claims (4)

  1. インク液滴を噴射するノズルと、該ノズルに連通しインクが充填されるインク流路と、前記インク流路の容積を増減させて該インク流路内に圧力波を発生させるアクチュエータと、インク液滴を前記ノズルから噴射させるための噴射パルス前記アクチュエータに印加する制御装置とを備え、体積が20pl以下であるインク液滴を噴射するインク噴射装置の駆動方法において、
    1つのドットの直前および直後ともに噴射命令がない場合には、噴射パルスAと、該噴射パルスAと波高値が同じで、噴射されたインク液滴が前記ノズルから離れる前にそのインク液滴の一部を前記インク流路内に引き戻すための液滴小型化パルスとからなる駆動波形1を用いてインク液滴の噴射を行い、
    それ以外の場合には、前記噴射パルスAと波高値が同じで、波幅が小さい噴射パルスBと、前記噴射パルスAと波高値が同じで、該噴射パルスBによる残留振動を抑える噴射安定化パルスとからなる駆動波形2を用いてインク液滴の噴射を行うことを特徴とするインク噴射装置の駆動方法。
  2. 前記インク流路内を圧力波が片道伝播する時間をTとしたとき、前記噴射パルスAの波幅は、前記Tとほぼ一致しており、前記液滴小型化パルスの波幅は、前記Tの0.2倍から0.3倍の範囲内であり、前記噴射パルスAと前記液滴小型化パルスの間の時間は、前記Tの0.4倍から0.6倍の範囲内であり、
    かつ前記噴射パルスBの波幅は、前記Tの0.5倍から0.7倍の範囲内であり、前記噴射安定化パルスの波幅は、前記Tの0.2倍から0.3倍の範囲内であり、前記噴射パルスBと前記噴射安定化パルスの間の時間は、前記Tの2.0倍から2.2倍の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のインク噴射装置の駆動方法。
  3. インク液滴を噴射するノズルと、該ノズルに連通しインクが充填されるインク流路と、前記インク流路の容積を増減させて該インク流路内に圧力波を発生させるアクチュエータと、インク液滴を前記ノズルから噴射させるための噴射パルス前記アクチュエータに印加する制御装置とを備え、体積が20pl以下であるインク液滴を噴射するインク噴射装置において、
    噴射パルスAと、該噴射パルスAと波高値が同じで、噴射されたインク液滴が前記ノズルから離れる前にそのインク液滴の一部を前記インク流路内に引き戻すための液滴小型化パルスとからなる駆動波形1と、前記噴射パルスAと波高値が同じで、波幅が小さい噴射パルスBと、前記噴射パルスAと波高値が同じで、該噴射パルスBによる残留振動を抑える噴射安定化パルスとからなる駆動波形2とを記憶した記憶手段と、
    1つのドットの直前および直後ともに噴射命令がないかどうかを判別し、該噴射命令がない場合には、前記駆動波形1を、それ以外の場合には、前記駆動波形2を前記アクチュエータに印加する出力手段と
    を備えることを特徴とする前記制御装置。
  4. インク液滴を噴射するノズルと、該ノズルに連通しインクが充填されるインク流路と、前記インク流路の容積を増減させて該インク流路内に圧力波を発生させるアクチュエータとを備えるインク噴射装置において、体積が20pl以下であるインク液滴を前記ノズルから噴射させるための噴射パルスを前記アクチュエータに出力するためのプログラム格納した記憶媒体であって、
    噴射パルスAと、該噴射パルスAと波高値が同じで、噴射されたインク液滴が前記ノズルから離れる前にそのインク液滴の一部を前記インク流路内に引き戻すための液滴小型化パルスとからなる駆動波形1と、前記噴射パルスAと波高値が同じで、波幅が小さい噴射パルスBと、前記噴射パルスAと波高値が同じで、該噴射パルスBによる残留振動を抑える噴射安定化パルスとからなる駆動波形2とを記憶し、
    1つのドットの直前および直後ともに噴射命令がないかどうかを判別し、該噴射命令がない場合には、前記駆動波形1を、それ以外の場合には、前記駆動波形2を前記アクチュエータに印加することを特徴とする前記記憶媒体。
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