JP3290084B2 - インク滴噴射方法およびその装置 - Google Patents

インク滴噴射方法およびその装置

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JP3290084B2 JP924697A JP924697A JP3290084B2 JP 3290084 B2 JP3290084 B2 JP 3290084B2 JP 924697 A JP924697 A JP 924697A JP 924697 A JP924697 A JP 924697A JP 3290084 B2 JP3290084 B2 JP 3290084B2
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴噴射方法
およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が挙げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特開昭
63−247051号公報に開示されている圧電材料を
利用したせん断モード型がある。図6に示すように、こ
の種のインク滴噴射装置600は、底壁601、天壁6
02およびその間のせん断モードアクチュエータ壁60
3からなる。そのアクチュエータ壁603は、底壁60
1に接着され、かつ矢印611方向に分極された圧電材
料製の下部壁607と、天壁602に接着され、かつ矢
印609方向に分極された圧電材料製の上部壁605と
からなっている。アクチュエータ壁603は一対となっ
て、その間にインク室613を形成し、かつその隣の一
対のアクチュエータ壁603の間には、インク室613
よりも狭い空間615を形成している。
【0004】各インク室613の一端には、ノズル61
8を有するノズルプレート617が固着され、他端に
は、図示しないインク供給源が接続されている。各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
金属化層として設けられている。具体的にはインク室6
13側のアクチュエータ壁603には電極619が設け
られ、空間615側のアクチュエータ壁603には電極
621が設けられている。なお、電極619の表面はイ
ンクと絶縁するための絶縁層630で覆われている。そ
して、空間615に面している電極621はアース62
3に接続され、インク室613内に設けられている電極
619はアクチュエータ駆動信号を与える制御装置62
5に接続されている。
【0005】そして、各インク室613の電極619に
制御装置625が電圧を印加することによって、各アク
チュエータ壁603がインク室613の容積を増加する
方向に圧電厚みすべり変形する。例えば図7に示すよう
に、インク室613cの電極619cに電圧E(V)が
印加されると、アクチュエータ壁603e、603fに
それぞれ矢印631、632の方向の電界が発生し、ア
クチュエータ壁603e、603fがインク室613c
の容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。この
ときノズル618c付近を含むインク室613c内の圧
力が減少する。この電圧E(V)の印加状態を圧力波の
インク室613内での片道伝播時間Tだけ維持する。す
ると、その間図示しないインク供給源からインクが供給
される。なお、上記片道伝播時間Tはインク室613内
の圧力波が、インク室613の長手方向に伝播するのに
必要な時間であり、インク室613の長さLとこのイン
ク室613内部のインク中での音速aによりT=L/a
と決まる。
【0006】圧力波の伝播理論によると、上記の電圧の
印加からT時間がたつとインク室613内の圧力が逆転
し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせてイ
ンク室613cの電極621cに印加されている電圧を
0(V)に戻す。すると、アクチュエータ壁603e、
603fが変形前の状態(図6)に戻り、インクに圧力
が加えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、アク
チュエータ壁603e、603fが変形前の状態に戻る
ことにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い
圧力がインク室613cのノズル618c付近の部分に
生じて、インク滴がノズル618cから噴射される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種のインク
滴噴射装置600では、前記インク室613の形状、駆
動電圧等により、噴射されるインク滴の体積が決まるた
め、良好な印字品質を得るため、より多くのインク量が
必要な場合には、インク室形状を変更する必要があると
いう欠点があった。またこれにより、必要量のインク量
が得られても、噴射時の安定性が低下するために、駆動
周波数を下げなければいけないという欠点があった。
【0008】また図9(a)に示すように、1ドットの
印字指令に対して、複数の噴射パルスを連続して発生す
ることで、前の噴射パルスによって噴射されたインク滴
がインク室内のインクと分離する前に、続く噴射パルス
によってインク滴を噴射して2つのインク滴を飛翔中に
一体化し、比較的大きい体積のインク滴を形成すること
が知られている。しかし、このようなものでは、図9
(b)に示すように、ノズル618付近の圧力が2回目
の噴射パルスによって極めて高くなって、容易には減衰
しなくなり、上記場合と同様に、必要量のインク量が得
られても、噴射時の安定性が低下するため、駆動周波数
を下げなければいけない。
【0009】これに対し、例えば特開昭62−2993
43号公報等に開示されているように、インク滴噴射を
行うための印字パルスに続いてキャンセルパルスを印加
することにより、インク室内の残留圧力波振動を低減す
ることが考えられている。つまり、インクを噴射させた
圧力波がインク室の先端および後端ではねかえり、噴射
開始から4T時間後に、ノズルのメニスカスを振動させ
てしまうのを、位相が逆になるような圧力波を発生させ
て打ち消す。しかしながら、このように噴射開始から4
T時間後にキャンセルパルスを発生するものでは、上記
のように複数の噴射パルスが連続するものには対応する
ことができない。また、噴射パルスを発生する正の電源
のほか、位相が逆のキャンセルパルスを発生するための
負の電源を必要とし、制御装置が複雑になり、コストが
上がるという問題がある。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、インク室形状の変更を必要とせ
ず、印字に必要なインク量が得られ、かつ高い駆動周波
数でも安定して印字できる良好な印字品質の得られる低
コストのインク滴噴射方法およびその装置を提示するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、請求項1に記載のとおり、インクが充填さ
れたインク室に、そのインク室の容積を変化させるため
の噴射パルス信号を印加することにより、インク室の容
積を増大させてインク室内に圧力波を発生させ、インク
室内を圧力波が片道伝播する時間T、またはTの奇数倍
時間経過後、増大状態から容積を自然状態に減少させて
インク室内のインクに圧力を加えてインク滴を噴射させ
る方法であって、1ドットの印字命令に対して、前記噴
射パルス信号を含む複数のパルス信号を印加して、複数
のインク滴を噴射させた後に、波幅が、0.3T〜0.
7Tまたは、1.3T〜1.8Tでインク滴を噴射させ
るには至らない非噴射パルス信号を、該非噴射パルス信
号の立ち上がりタイミング(HS)と立ち下がりタイミ
ング(HE)との中間タイミング(HM)と、前記複数
のパルス信号のうちの最後に印加された噴射パルス信号
の立ち下がりタイミング(BE)との時間差が2.35
〜2.65Tとなるように印加することを特徴とする
インク滴噴射方法にある。
【0012】また請求項3に記載のとおり、インクが充
填されるインク室と、前記インク室の容積を変化させる
ためのアクチュエータと、前記アクチュエータに電気信
号を印加するための駆動電源と、前記アクチュエータに
前記駆動電源から噴射パルス信号を印加することによ
り、前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧力
波を発生させ、前記インク室内を圧力波が片道伝播する
時間T、またはTの奇数倍時間経過後、増大状態から容
積を自然状態に減少させてインク室内のインクに圧力を
加えてインク滴を噴射させる制御装置とを備えたインク
滴噴射装置において、前記制御装置は、1ドットの印字
命令に対して、前記アクチュエータに、前記噴射パルス
信号を含む複数のパルス信号を印加した後に、波幅が
.3T〜0.7Tまたは、1.3T〜1.8Tでイン
ク滴を噴射させるには至らない非噴射パルス信号を、該
非噴射パルス信号の立ち上がりタイミング(HS)と立
ち下がりタイミング(HE)との中間タイミング(H
M)と、前記複数のパルス信号のうちの最後に印加され
た噴射パルス信号の立ち下がりタイミング(BE)との
時間差が2.35T〜2.65Tとなるように前記アク
チュエータに前記駆動電源から印加することを特徴とす
るインク滴噴射装置にある。
【0013】上記のように、1ドットの印字命令に対し
て複数のパルス信号を、インク室印加することで、複数
のインク滴が噴射され、印字に必要なインク量が得られ
る。インクの噴射後、噴射パルス信号に対して波幅が
.3T〜0.7Tまたは、1.3T〜1.8Tでイン
ク滴を噴射させるには至らない非噴射パルス信号を、該
非噴射パルス信号の立ち上がりタイミング(HS)と立
ち下がりタイミング(HE)との中間タイミング(H
M)と、複数の噴射パルス信号のうちの最後に印加され
た噴射パルス信号の立ち下がりタイミング(BE)との
時間差が2.35T〜2.65Tとなるようにインク室
に印加するので、インク滴噴射後のインク室内の残留圧
力波振動を抑えることができ、高周波数の印字でも安定
噴射ができる。
【0014】そして好ましくは、前記噴射パルスおよび
非噴射パルスの波高値をそれぞれ同じとすることによ
り、駆動電源が単一の電源でよく、従来のように、残留
圧力波振動を抑えるために特別な駆動電源を必要とする
こともなく、低コストで安定した噴射を実現できる。
【0015】さらに好ましくは、アクチュエータは、前
記インク室を構成する少なくとも1つの壁部であり、該
壁部の少なくとも一部は圧電材料で形成されている構成
とすることで、サーマルジェト型のようにインクに熱を
加えることなくインク滴を噴射できるとともに、高周波
数の印字を安定して実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。
【0017】本実施の形態のインク滴噴射装置600に
おける機械的部分の構成は、図6に示す従来のものと同
様であるので説明を省略する。
【0018】本インク滴噴射装置600の具体的な寸法
の一例を述べる。インク室613の長さLが7.5mm
である。ノズル618の寸法は、インク滴噴射側の径が
40μm、インク室613側の径が72μm、長さが1
00μmである。また、実験に供したインクの25℃に
おける粘度は約2mPa・s、表面張力は30mN/m
である。このインク室613内のインク中における音速
aと上記Lとの比L/a(=T)は8μsecであっ
た。
【0019】次に本発明の一実施例であるインク室61
3内の電極619に印加する駆動波形10を図1に示
す。
【0020】駆動波形10は、インク滴を噴射するため
の噴射パルス信号A、Bと前記インク室613内の残留
圧力波振動を減少させるための非噴射パルス信号Cとか
らなり、噴射パルス信号A、Bと非噴射パルス信号Cの
どちらも波高値(電圧値)はE(V)(例えば20
(V))である。噴射パルス信号A、Bのそれぞれの幅
Wa、Wbはインク室613内の圧力波の片道伝播時間
T(=L/a)に一致し、すなわち8μsecである。
また、噴射パルス信号Aの立ち下がりタイミングAEか
ら噴射パルス信号Bの立ち上がりタイミングBSまでの
時間d1も、インク室613内の圧力波の片道伝播時間
T(=L/a)に一致し、すなわち8μsecである。
非噴射パルス信号Cの幅Wcは、インク室613内の圧
力波の片道伝播時間T(=L/a)の0.5倍、すなわ
ち4μsecである。非噴射パルス信号Cは、この波幅
ではインク滴を噴射させるには至らない。噴射パルス信
号Bの立ち下がりタイミングBEから、非噴射パルス信
号Cの立ち上がりタイミングHSと立ち下がりタイミン
グHEとの中間タイミングHMまでの時間d2は、イン
ク室613内の圧力波の片道伝播時間Tの2.5倍、す
なわち20μsecである。
【0021】次に、前記駆動波形10を実現するための
制御装置の一実施の形態を図2、図3および図4を用い
て説明する。
【0022】図2に示す制御装置625は充電回路18
2と放電回路184とパルスコントロール回路186か
ら構成されている。アクチュエータ壁603の圧電材料
および電極619、621は、コンデンサ191で表さ
れる。191Aと191Bはその端子である。
【0023】入力端子181と182は、それぞれイン
ク室613内の電極619に与える電圧をE(V)、0
(V)にするためのパルス信号を入力する入力端子であ
る。充電回路182は、抵抗R101、R102、R1
03、R104、R105、トランジスタTR101、
TR102から構成されている。
【0024】入力端子181にオン信号(+5V)が入
力されると、抵抗R101を介して、トランジスタTR
101が導通し、正の電源187から抵抗R103を介
して電流がトランジスタTR101のコレクタからエミ
ッタ方向に流れる。したがって、正の電源187に接続
されている抵抗R104およびR105にかかる電圧の
分圧が上昇し、トランジスタTR102のベースに流れ
る電流が増加し、トランジスタTR102のエミッタと
コレクタ間が導通する。正の電源187からの20
(V)の電圧がトランジスタTR102のコレクタおよ
びエミッタ、抵抗R120を介してコンデンサ191の
端子191Aに印加される。このタイミングが、図3に
示すタイミングチャートT1、T3およびT5のタイミ
ングである。図3に示すタイミングチャートは、制御装
置625の入力端子181、182への入力信号と、コ
ンデンサ191での出力を示すタイミングチャートであ
る。
【0025】次に、放電用回路184について説明す
る。放電用回路184は抵抗R106、R107、トラ
ンジスタTR103から構成される。入力端子182に
オン信号(+5V)が入力されると、抵抗R106を介
してトランジスタTR103が導通し、抵抗R120を
介してコンデンサ191の端子191Aをアースする。
したがって、図6および図7に示すインク室613のア
クチュエータ壁603に印加されていた電荷は放電され
る。このタイミングが、図3に示すタイミングチャート
のT2、T4およびT6のタイミングである。
【0026】充電回路182の入力端子181に入力さ
れる駆動波形10の入力信号11は、図3に示すタイミ
ングチャート(A)のように、通常オフの状態にあり、
噴射するために所定のタイミングT1にてオンされ、タ
イミングT2にてオフされる。その後のタイミングT3
にてオンされ、タイミングT4にてオフされ、さらにタ
イミングT5にてオンされ、タイミングT6にてオフさ
れる。
【0027】次に、放電用回路184の入力端子182
に入力される入力信号12は、図3に示すタイミングチ
ャート(A)のように、前記の入力信号11がオンのと
き(T1、T3、T5)、オフされ、前記の入力信号1
1がオフのとき(T2、T4、T6)、オンされる。
【0028】図3(B)のように、通常は、コンデンサ
191の電極191Aでの出力波形13は0(V)に維
持されているが、タイミングT1にて、コンデンサ19
1すなわちアクチュエータ壁603へ電荷が充電され、
トランジスタTR102と、抵抗R120と、せん断モ
ード型圧電素子からなるアクチュエータ壁603の静電
容量とにて決まる充電時間Ta後に電圧E(V)(例え
ば20(V))になる。またタイミングT2にて、アク
チュエータ壁603の静電容量とにて決まる放電時間T
b後に0(V)になる。
【0029】このように実際の駆動波形13は、立ち上
がりと立ち下がりでそれぞれTa、Tbの遅れが生じる
ため、電圧が1/2E(V)(例えば10(V))にお
ける駆動波形10の噴射パルス信号Bの立ち下がりタイ
ミングBEと、非噴射パルス信号Cの立ち上がりタイミ
ングHSと立ち下がりタイミングHEの中間タイミング
との時間d2を図1に示す値になるように上記各タイミ
ングT3、T4、T5、T6を設定する。
【0030】次に、充電回路182の入力端子181お
よび放電用回路184の入力端子182に入力に入力さ
れる上記のタイミングT1〜T6を有するパルス信号を
発生するパルスコントロール回路186について説明す
る。
【0031】パルスコントロール回路186には、各種
の演算処理を行うCPU110が設けられ、前記CPU
110には、印字データや各種のデータを記憶するRA
M112と、パルスコントロール回路186の制御プロ
グラムおよび前記タイミングT1〜T6グでオン、オフ
信号を発生するシーケンスデータを記憶しているROM
114が接続されている。ここで、ROM114には、
図4に示すように、インク滴噴射制御プログラム記憶エ
リア114Aと、駆動波形データ記憶エリア114Bと
が設けられている。したがって、駆動波形10のシーケ
ンスデータは、駆動波形データ記憶エリア114Bに記
憶されている。
【0032】さらに、CPU110は各種のデータのや
りとりするI/Oバス116に接続され、当該I/Oバ
ス116には、印字データ受信回路118とパルスジェ
ネレータ120および122が接続されている。パルス
ジェネレータ120の出力は充電回路182の入力端子
181に接続され、パルスジェネレータ122の出力は
放電用回路184の入力端子182に接続されている。
【0033】CPU110はROM114の駆動波形デ
ータ記憶エリア114Bに記憶されているシーケンスデ
ータにしたがって、パルスジェネレータ120および1
22を制御する。したがって、前記タイミングT1〜T
6の各種パターンを予めROM114内の駆動波形デー
タ記憶エリア114Bに記憶させておくことによって、
1ドットの印字命令に対して、図1に示す駆動波形10
の駆動パルスをアクチュエータ壁603に与えることが
できる。
【0034】なお、パルスジェネレータ120および1
22および充電回路182および放電回路184はイン
クジェットヘッドのノズル数と同じ数だけ設けられてい
る。本実施の形態では、代表して一つのノズルの制御に
ついて説明したが、他のノズルの制御についても同様な
制御である。
【0035】上記した本実施の形態の駆動方法にて駆動
した場合のインク滴噴射テストの結果を説明する。
【0036】本実験の駆動方法では20(V)にて駆動
した場合、噴射パルス信号A、Bに対応して2つのイン
ク滴が噴射され、噴射速度は、5.5m/s、2つのイ
ンク滴体積の合計は、55plであった。比較実験とし
て、駆動波形10の噴射パルス信号Aをなくし、噴射パ
ルス信号Bと非噴射パルス信号Cのみにて駆動した場
合、1つのインク滴が噴射され、噴射速度は5m/s、
インク液滴体積は、30plであった。この結果から本
実施の形態の駆動方法により、1ドットの印字命令に対
して、噴射パルス数を2倍にしたことで、噴射インク滴
の体積が増加していることが分かる。
【0037】次に非噴射パルス信号Cの幅Wcと、該非
噴射パルス信号Cの立ち上がりタイミングHSと立ち下
がりタイミングHEとの中間タイミングHMと、噴射パ
ルス信号Bの立ち下がりタイミングBEとの時間差d2
の適正範囲を求めるために行った実験の結果を説明す
る。
【0038】図5に示す表は、非噴射パルス信号Cの幅
Wcを0.2T〜2.0Tに変え、非噴射パルス信号C
の立ち上がりタイミングHSと立ち下がりタイミングH
Eとの中間タイミングHMと、噴射パルス信号Bの立ち
下がりタイミングBEとの時間差d2を2.3T〜2.
7Tに変えたときの評価結果を示す。評価方法としては
電圧E=20(V)、駆動周波数15kHzで連続駆動
したときの噴射速度の変化を測定し、噴射不安定で、し
ぶきを伴なったり、噴射停止した場合は×とした。
【0039】この結果から非噴射パルス信号Cの幅Wc
を0.3T〜0.7T、または1.3T〜1.7Tの範
囲とし、かつ、非噴射パルス信号Cの立ち上がりタイミ
ングHSと立ち下がりタイミングHEとの中間タイミン
グHMと、噴射パルス信号Bの立ち下がりタイミングB
Eとの時間差d2を2.35T〜2.65Tとした場合
に、15kHzという高周波数駆動時においても、イン
ク滴噴射速度の変化が±0.5m/sの範囲で安定する
ことが分かる。よって、印字品質の良好なインク滴噴射
を行うことができる。
【0040】以上、一実施の形態を詳細に説明したが、
本発明はこれに限定されるものではない。上記実施の形
態では、噴射パルス信号Aの立ち下がりタイミングAE
から噴射パルス信号Bの立ち上がりタイミングBSまで
の時間d1を、Tに一致させていたが、Tの奇数倍例え
ば3Tのようにしてもよい。
【0041】また、上記実施の形態では、1ドットの印
字命令に対して噴射パルス信号が2つであったが、1ド
ットの印字命令に対して3つ以上の噴射パルス信号があ
る場合あっても、最後の噴射パルス信号の立ち下がりタ
イミングに対して、非噴射パルス信号Cの立ち上がりタ
イミングHSと立ち下がりタイミングHEとの中間タイ
ミングHMとの時間差を2.35T〜2.65Tとし、
かつ非噴射パルス信号Cの幅Wcを0.3T〜0.7
T、または1.3T〜1.7Tの範囲とすれば、高周波
数駆動時においても安定噴射が得られることが、実験に
より確かめられた。1ドットの印字命令に対する噴射パ
ルス信号を増やすほど、得られるインク滴体積が多くな
り、印字濃度の必要に応じて、噴射パルス信号の数を変
えることで、必要なインク滴量が得られる。このとき
の、1ドットの印字命令に対する複数の噴射パルス信号
は、それぞれのパルス幅、パルス間隔は、当業者の知識
に基づいて種々の変更が可能であり、例えば第1番目の
噴射パルス信号を0.5T、第2番目以降の噴射パルス
信号を1Tまたは3Tとするなど、噴射パルス信号毎に
パルス幅を変えてもよい。また、複数の噴射パルス信号
は、独立したインク滴を複数個連続して発生して、前の
噴射パルスによって噴射されたインク滴がインク室内の
インクと分離する前に、続く噴射パルスによってインク
滴を噴射して2つのインク滴を飛翔中に一体化し、比較
的大きい体積のインク滴を形成するようにしてもよい。
【0042】さらに、上記実施の形態では、正の電源1
87を用いたが、分極方向を図1の609、611を逆
にして、負の電源を用いてもよい。
【0043】また、図8に示すように分極方向を逆にし
て、さらに、各インク室713側の電極719をアース
に接続し、空間715に面している各電極を二つに分
け、それぞれ電極721および722として、一方の電
極721を図2に示す抵抗R120に接続し、他の電極
722を図示しないもう一つの噴射用充電回路の同様の
抵抗に接続するようにしてもよい。
【0044】なお、本実施の形態では、アクチュエータ
壁603の下部壁607および上部壁605の両者の変
形によりインク室613の容積を変形してインクを噴射
していたが、下部壁もしくは上部壁の一方を圧電変形し
ない材質で形成し、他方の圧電変形に伴なって変形する
ようにして、インクを噴射してもよい。
【0045】また、本実施の形態では、インク室613
の両側に空間615を設けていたが、空間を設けずに、
インク室が隣接するようにしてもよい。さらに、本実施
の形態では、アクチュエータはせん断モード型のものを
用いたが、圧電材料を積層し、その積層方向の変形によ
って圧力波を発生する構成でもよい。その他、圧電材料
に限らずインク室に圧力波を発生するものならば、当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で本
発明を実施できる。
【0046】
【発明の効果】上述したように、本発明のインク滴噴射
方法およびその装置によれば、1ドットの印字命令に対
して複数の噴射パルス信号を印加し、複数のインク液滴
を噴射するので、単独の噴射パルス信号の場合に比べ
て、液滴体積を増加させることができる。このとき、イ
ンク滴噴射装置のインク室形状の変更を必要とせず、低
コストで印字に必要なインク量が得られる。また、複数
の噴射パルス信号の後に、非噴射パルス信号を所定のタ
イミング、波幅で印加するので、インク滴噴射後のイン
ク室内の残留圧力波振動を抑制することができ、高周波
数の印字でも安定噴射ができる。
【0047】そして駆動電源を、噴射パルスおよび非噴
射パルスの波高値をそれぞれ同じとすることにより、駆
動電源が単一の電源でよく、従来のように、残留振動を
抑えるために特別な駆動電源を必要とすることなく、低
コストで安定した噴射を実現できる。
【0048】さらに、前記アクチュエータは、前記イン
ク室を構成する少なくとも1つの壁部であり、該壁部の
少なくとも一部は圧電材料で形成されている構成とする
ことで、サーマルジェト型のようにインクに熱を加える
ことなくインク滴を噴射できるとともに、高周波数の印
字を安定して実現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインク滴噴射装置の駆
動波形を示す図である。
【図2】前記インク滴噴射装置の駆動回路を示す図であ
る。
【図3】前記インク滴噴射装置の駆動のタイミングチャ
ートを示す図である。
【図4】前記インク滴噴射装置の制御装置のROMの記
憶領域を示す図である。
【図5】前記インク滴噴射装置の駆動波形のパルス信号
の幅の適正範囲を求めるために行った実験の結果を説明
する図である。
【図6】従来例、および本発明の実施の形態に係るイン
ク滴噴射装置を示す横断面図である。
【図7】図6の水平断面図である。
【図8】本発明の別の実施の形態のインク滴噴射装置を
示す図である。
【図9】従来の駆動波形およびノズル付近の圧力変化を
示す図である。
【符号の説明】
10 駆動波形 187 正の電源 600 インク滴噴射装置 603 アクチュエータ壁 613 インク室 625 制御装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが充填されたインク室に、そのイ
    ンク室の容積を変化させるための噴射パルス信号を印加
    することにより、インク室の容積を増大させてインク室
    内に圧力波を発生させ、インク室内を圧力波が片道伝播
    する時間T、またはTの奇数倍時間経過後、増大状態か
    ら容積を自然状態に減少させてインク室内のインクに圧
    力を加えてインク滴を噴射させる方法であって、 1ドットの印字命令に対して、前記噴射パルス信号を含
    む複数のパルス信号を印加して、複数のインク滴を噴射
    させた後に、波幅が、0 .3T〜0.7Tまたは、1.3T〜1.8
    Tでインク滴を噴射させるには至らない非噴射パルス信
    号を、該非噴射パルス信号の立ち上がりタイミング(H
    S)と立ち下がりタイミング(HE)との中間タイミン
    グ(HM)と、前記複数のパルス信号のうちの最後に印
    加された噴射パルス信号の立ち下がりタイミング(B
    E)との時間差が2.35T〜2.65Tとなるように
    印加することを特徴とするインク滴噴射方法。
  2. 【請求項2】 前記噴射パルスおよび非噴射パルスの波
    高値は、それぞれ同じであることを特徴とする請求項1
    に記載のインク滴噴射方法。
  3. 【請求項3】 インクが充填されるインク室と、 前記インク室の容積を変化させるためのアクチュエータ
    と、 前記 アクチュエータに噴射パルス信号を印加することに
    より、前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧
    力波を発生させ、前記インク室内を圧力波が片道伝播す
    る時間T、またはTの奇数倍時間経過後、増大状態から
    容積を自然状態に減少させてインク室内のインクに圧力
    を加えてインク滴を噴射させる制御装置とを備えたイン
    ク滴噴射装置において、 前記制御装置は、1ドットの印字命令に対して、前記ア
    クチュエータに、前記噴射パルス信号を含む複数のパル
    ス信号を印加した後に、波幅が、0 .3T〜0.7Tまたは、1.3T〜1.8
    Tでインク滴を噴射させるには至らない非噴射パルス信
    号を、該非噴射パルス信号の立ち上がりタイミング(H
    S)と立ち下がりタイミング(HE)との中間タイミン
    グ(HM)と、前記複数のパルス信号のうちの最後に印
    加された噴射パルス信号の立ち下がりタイミング(B
    E)との時間差が2.35T〜2.65Tとなるように
    前記アクチュエータに印加することを特徴とするインク
    滴噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記噴射パルスおよび非噴射パルスの波
    高値は、それぞれ同じであることを特徴とする請求項3
    に記載のインク滴噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータは、前記インク室を
    構成する少なくとも1つの壁部であり、該壁部の少なく
    とも一部は圧電材料で形成されていることを特徴とする
    請求項3または請求項4に記載のインク滴噴射装置。
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