JP3645354B2 - 帯電防止樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐熱性、耐衝撃性を有し、さらに優れた耐薬品性、耐久性を有する帯電防止樹脂組成物およびそれからの成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリカーボネート樹脂は、良好な機械的特性ならびに耐熱性により、幅広い分野において使用されている。しかしながら、それらは高い電気絶縁性を有するため、樹脂成形品表面にほこりなどが付着して汚れやすく、その改良が望まれている。従来、帯電防止性能を向上させるためには、樹脂自身を導電化する方法や、樹脂に界面活性剤などを添加する方法が行われているが、前者の場合は耐衝撃値及び加工性に劣り、後者の場合は一度の水洗により効果が著しく低下するなど持続性に劣るという欠点があった。また、ポリカーボネート樹脂は耐薬品性が劣るという欠点を有する。
【0003】
ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂とABS樹脂系とのアロイに永続的な帯電防止能を付与させる方法としては、特開昭62−273252号公報および特開平7−233364号公報に、ポリエーテルエステルアミドあるいは特殊なポリエーテルエステルアミドを含有した樹脂組成物が開示されているが、耐薬品性の面で不十分であった。また、特開平7−224217号公報には、ポリカーボネート樹脂にブロックコポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂およびリン系化合物を混合した樹脂組成物が開示されているが、耐熱性を満足するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた耐熱性および耐衝撃性を有し、水洗によっても帯電防止効果の失われることのない、耐薬品性の良好な帯電防止樹脂組成物およびそれからの成形品を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)芳香族ポリエステル樹脂、(C)ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムの存在下で、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルを共重合して得られる弾性共重合体または複合ゴム系グラフト共重合体および(D)特定のポリアミドとポリエーテル成分として特定のビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミドの特定割合よりなる樹脂組成物が、耐熱性、耐衝撃性に優れ、良好な耐薬品性および帯電防止性を有することを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜96重量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂2〜50重量%、(C)ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムの存在下で、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルを共重合して得られる弾性共重合体またはポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体1〜15重量%および(D)(D−1)両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミドと(D−2)数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導され、相対粘度が1.1〜4.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミド1〜20重量%からなる帯電防止樹脂組成物が提供される。
【0006】
本発明において使用される(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法で反応させて製造される芳香族ポリカーボネート樹脂である。二価フェノールの代表的な例を挙げると、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい
【0007】
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。上記二価フェノールとポリカーボネート前駆体を反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当り、二価フェノールは単独または2種以上を使用することができ、また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、2種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。また、必要に応じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤を使用してもよい。
【0008】
かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は特に限定されないが、粘度平均分子量で10,000〜50,000好ましく、15,000〜30,000が特に好ましい。粘度平均分子量が10,000未満であると耐衝撃性などが低下し、50,000を超えると成形加工性が低下するようになる。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求める。
【0009】
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1,23×10-40.83
c=0.7
【0010】
本発明において使用される(B)芳香族ポリエステル樹脂はジカルボン酸あるいはその誘導体と、グリコールあるいはその誘導体とから重縮合反応により得られる樹脂で、ジカルボン酸またはグリコールのいずれかが芳香族基を有するものである。かかる芳香族ポリエステル樹脂を使用することにより、本発明の樹脂組成物は良好な耐薬品性を有することになる。
【0011】
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、テレフタル酸、イソフタル酸の単独あるいはこれらの混合物が特に好ましい。
【0012】
グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。これらの中ではエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
【0013】
本発明において使用される該芳香族ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレンドデカジオエート)ポリエステルエーテル共重合体、ポリアリレートなどを挙げることができる。これらの芳香族ポリエステル樹脂は単独であるいは2種以上混合して使用してもよい。これらの芳香族ポリエステル樹脂のうち、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとの混合物が好ましく使用される。
【0014】
本発明において使用される(C)成分は、上記弾性共重合体、複合ゴム系グラフト共重合体またはその混合物である。かかる(C)成分を使用することにより、本発明の樹脂組成物は優れた耐衝撃性を有することになる。
【0015】
かかる弾性共重合体は、ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムの存在下、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルを共重合して得られるものである。ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムとしては、例えばポリブタジエンが挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどを挙げることができる。アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチルなどが挙げられる。
【0016】
上記弾性共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの重合法で製造したものであってもよく、共重合の方式は一段グラフトであっても多段グラフトであっても差し支えない。また、製造の際に副生するグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であってもよい。かかる共重合体は市販されており容易に入手することが可能である。
【0017】
また、かかる複合ゴム系グラフト共重合体は、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる共重合体である。本発明において使用される複合ゴム系グラフト共重合体を得るには、まず3員環以上の各種の環状オルガノシロキサン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどと、架橋剤および必要ならばグラフト交叉剤を用いて乳化重合によりポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを調整し、次にアルキル(メタ)アクリレート単量体、架橋剤およびグラフト交叉剤とをポリオルガノシロキサンゴムのラテックスに含浸させてから重合することによってポリオルガノシロキサンゴムの架橋網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの架橋網目が形成され、実質上分離できないポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との複合ゴムが得られる。ここで用いられるアルキル(メタ)アクリレート単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタクリレートが挙げられるが、特にn−ブチルアクリレートを用いることが好ましい。
【0018】
この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステルなどが挙げられ、これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いられる。この複合ゴムのグラフト共重合体は、三菱レイヨン(株)よりメタブレンS−2001あるいはSRK−200という商品名で市販されており、入手容易であって、好ましく使用することができる。
【0019】
本発明において使用される(D)ポリエーテルエステルアミドは、(D−1)両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミドと(D−2)数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導される。かかるポリエーテルエステルアミドを使用することにより、本発明の樹脂組成物は良好な帯電防止性および耐熱性を有することになる。
【0020】
かかる(D−1)両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミドは、(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体もしくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体であり、(1)のラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロラクタムなどが挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸などが挙げられる。(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸などが挙げられ、またジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどが挙げられる。これらのうちで好ましいものは、カプロラクタム、12−アミノドデカン酸およびアジピン酸−ヘキサメチレジアミンであり、特に好ましいものはカプロラクタムである。
【0021】
(D−1)は、炭素原子数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調節剤として使用し、これの存在下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。炭素原子数4〜20のジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸あるいはコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、特にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸が重合性、物性の点から好ましい。
【0022】
上記(D−1)の数平均分子量は500〜5,000、好ましくは500〜3,000である。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、5,000を超えると反応性が低下し、ポリエーテルエステルアミドの製造時に多大な時間を要する。
【0023】
(D−2)ビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物のビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)および4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げられ、これらのうちビスフェノールAが好ましい。(D−2)はこれらのビスフェノール類にエチレンオキシドを常法によって付加することにより得られる。また、エチレンオキシドと共に他のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド、1,2−ブシレンオキシド、1,4−ブチレンオキシドなど)を併用することもできる。
【0024】
上記(D−2)の数平均分子量は1,600〜3,000であり、特にエチレンオキシド付加モル数が32〜60のものを使用することが好ましい。数平均分子量が1,600未満では、帯電防止効果が不十分となり、3,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を有する。
【0025】
(D−2)は、前記(D−1)と(D−2)の合計量の20〜80重量%の範囲で用いられることが好ましい。(D−2)の量が20重量%未満では、ポリエーテルエステルアミドの帯電防止性が劣り、80重量%を超えるとポリエーテルエステルアミドの耐熱性が低下するため好ましくない。
【0026】
本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドの製造方法に関しては、アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸を反応させて、(D−1)を形成せしめ、これに(D−2)を加えて、高温、減圧下で重合反応を行う方法などで製造できるが、重合方法は特に限定されない。かかるポリエーテルエステルアミドは市販されており容易に入手可能である。例えば三洋化成(株)のペレスタット6321などが挙げられる。
【0027】
上記(D)成分のポリエーテルエステルアミドの相対粘度は1.1〜4.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であり、好ましくは1.3〜3.0である。相対粘度が1.1未満では耐熱性に劣り、4.0を超えると成形性が低下する。
【0028】
上記(A)〜(D)成分の配合割合は、それらの合計を100重量%とした時、(A)成分40〜96重量%、好ましくは40〜75重量%、(B)成分2〜50重量%、好ましくは20〜40重量%、(C)成分1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%、(D)成分1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。(A)成分が40重量%未満では耐熱性(荷重たわみ温度)の低下が起こり好ましくない。また96重量%を超えると流動性が低下し成形加工性の低下が起こる。(B)成分が2重量%未満では充分な耐薬品性が得られず、また50重量%を超えると耐熱性(荷重たわみ温度)及び機械的強度(耐衝撃性)が低下する。(C)成分が1重量%未満では充分な機械的強度(耐衝撃性)が得られず好ましくない。また15重量%を超えると耐熱性が著しく低下する。(D)成分が1重量%未満では充分な帯電防止特性が得られず、また20重量%を超えると耐熱性および剛性が低下する。
【0029】
本発明の樹脂組成物には、トリメチルホスフェートのようなリン酸エステルまたはトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトのような亜リン酸エステルを本発明の樹脂組成物100重量部に対して、0.005〜1重量部配合することにより、さらに熱安定性が向上するので好ましい。
【0030】
また、アルキルスルホン酸ナトリウムあるいはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような帯電防止剤を本発明の樹脂組成物100重量部に対して、0.05〜2重量部配合することにより、さらに帯電防止性が向上するので好ましい。
【0031】
本発明の樹脂組成物は、上記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押し出し機などの混合機により混合して製造することができる。
【0032】
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリアミド、ポリフェニレンエーテルなどの他の樹脂やその効果が発現する量の各種添加剤、無機充填剤を添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤(臭素化ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェノールAのカーボネートオリゴマー、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなど)、難燃助剤(アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモンなど)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系化合物など)、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、着色剤などが挙げられる。また無機充填剤としては、ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、クレー、酸化チタンなどが挙げられる。
【0033】
かくして得られた樹脂組成物は、押出成形、射出成形、圧縮成形などの方法で容易に成形可能であり、またブロー成形、真空成形などにも適用でき、帯電防止性能、耐薬品性の必要な電子電気・OA部品など幅広い用途に使用可能である。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明を具体的に説明する。
【0035】
[実施例1〜5、比較例1〜5]
表1記載の各成分を表1記載の配合割合でV型ブレンダーで混合後、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30XSST]により、シリンダー温度260℃でペレット化した。このペレットを120℃で5時間乾燥後射出成形機[FANUC(株)製T−150D]でシリンダー温度270℃、金型温度70℃で各種試験片を作成し、下記の方法で評価を行った。
【0036】
耐衝撃性:
ASTM D−256に従ってアイゾットノッチ付きインパクトを測定した。
耐熱性:
ASTM D−648に従って18.6kgf/cm2荷重にて荷重たわみ温度を測定した。
耐薬品性:
ASTM D638にて使用する引張り試験片を切削油(ユシロ化学工業(株)製ユシローケンHSG−300)に80℃で24時間浸漬した後、引張り強度を測定し保持率を算出した。保持率は下記式により計算した。
保持率(%)=(処理サンプルの強度/処理前サンプルの強度)×100
帯電防止性:
表面固有抵抗:射出成形して得られた平板(50×100×2mm)を23℃、50%R.H.の湿度の恒温室に24時間放置後、超絶縁抵抗計((株)東亜電波製、SM−10E)で測定した。さらに測定後、水で充分洗浄してから表面の水分を取り除いた後、23℃、50%R.H.湿度の恒温室に24時間放置して再度測定した。表面固有抵抗値が小さいほど、帯電防止性に優れる。
【0037】
なお、表1記載の各成分を示す記号は下記のとおりである。
(A)PC:
芳香族ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製L−1225、粘度平均分子量22,500]
(B)PET:
ポリエチレンテレフタレート樹脂[帝人(株)製TR−8580、固有粘度0.8(o−クロロフェノール溶液、25℃)]
(C)ゴム−1:
弾性重合体(ブタジエン−メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体)
[呉羽化学工業(株)製パラロイドEXL−2602]
ゴム−2:
複合ゴム系グラフト共重合体[三菱レイヨン(株)製メタブレンS−2001]
(D)PEEA:
ポリエーテルエステルアミド(両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量1,100のε−カプロラクタムの開環重合体であるポリアミドと数平均分子量2,000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物から誘導された相対粘度が1.7(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミド)
添加剤−1:
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト
添加剤−2:
アルキルスルホン酸ナトリウム[三洋化成(株)製ケミスタット3033]
【0038】
【表1】
Figure 0003645354
【0039】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、任意の成形方法、例えば射出成形などに適用できる。また、持続性のある帯電防止性、耐熱性、耐薬品性を必要とするOA機器、家電製品として最適の樹脂組成物である。

Claims (2)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜96重量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂2〜50重量%、(C)ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムの存在下で、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルを共重合して得られる弾性共重合体またはポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体1〜15重量%および(D)(D−1)両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミドと(D−2)数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導され、相対粘度が1.1〜4.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミド1〜20重量%からなる帯電防止樹脂組成物。
  2. 上記(A)〜(D)成分の合計100重量部に対して、0.005〜1重量部の亜リン酸エステルを配合した請求項1記載の帯電防止樹脂組成物。
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