JP2993183B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の熱可塑性樹脂組成物に関
し、特に永久帯電防止性を有するスチレン系熱可塑性樹
脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成高分子材料は、そのすぐれた特性に
よって広範な分野で使用されている。これらの材料は、
材料の持つ機械的強度に加え、帯電防止性を付与されれ
ば、さらにその用途を拡大することができる。すなわ
ち、静電気による障害を防止したい複写機、テレビなど
の電子・電気機械部品、各種防塵用部品などへの用途展
開が可能となる。
【0003】合成高分子材料の制電性を向上させる方法
としては、共役ジエンおよび/またはアクリル酸エステ
ルとアルキレンオキサイド基を有するビニル系単量体を
共重合して得られる親水性ゴム状重合体にビニル系単量
体又はビニリデン単量体をグラフト重合して得る方法
(特開昭55−362375号公報)などが有り、実用
制電性を達成している。
【0004】また、本発明の構成成分の類似のものとし
ては、特開昭60−170646号公報のスチレン系樹
脂にポリアミドエラストマーを配合してなる組成物が挙
げられ、スチレン系樹脂の耐摩耗性を改良している。一
方、特開昭63−97653号公報では、ポリアミドエ
ラストマをスチレン系樹脂に0.01〜10μmの粒子状
に微分散することで層状剥離をなくし、かつ帯電防止性
を付与した組成物が開示されている。
【0005】更に、特開平2−7335号公報には、熱
可塑性樹脂に、水酸基を有する水溶性熱可塑性重合体ま
たは多価アルコール性化合物とポリスチレンスルホン酸
塩との混合物を配合してなる組成物が帯電防止性を有す
ることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭55−36237号公報記載の親水性ゴム状重合
体をグラフト重合して得られた制電性樹脂は特殊な親水
性ゴム状重合体を使用しているため、その製造方法が煩
雑なこと、および得られる樹脂の機械的特性が劣る欠点
があり、十分満足できるものではない。
【0007】また、特開昭60−170646号公報記
載の組成物は耐摩耗性の改良を目的としたものであり、
帯電防止性樹脂としては制電性が不十分である。さら
に、特開昭63−97653号公報記載の組成物は帯電
防止性樹脂としての制電性を達成するために高価なポリ
アミドエラストマを比較的多量に配合するためコスト的
に不利である。
【0008】一方、特開平2−7335号公報記載の組
成物は水溶性熱可塑性重合体または多価アルコール性化
合物を使用しているため耐水性に問題がある。本発明は
上記従来例における問題点の解消を課題とするものであ
り、永久帯電防止性を有したスチレン系熱可塑性樹脂組
成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は (A)スチレン系熱可塑性樹脂 (B)ポリエーテルエステルアミド および (C)下記(I)式で示されるスチレンスルホン酸化合
【0010】
【0011】(ただし式中、Rは水素、アルキル基、ア
リール基を示し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ土
類金属またはアンモニアを示し、nは1〜20000の
整数を示す。)を主成分として含有し(ただし、(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体は含ま ない)、成分
(A)と成分(B)の重量配合比(A)/(B)が10
〜99/90〜1であり、かつ成分(C)の配合量が、
成分(A)および成分(B)の合計100重量部に対し
て、0.01〜50重量部である熱可塑性樹脂組成物に
よって達成される。
【0012】以下本発明を具体的に説明する。本発明に
おける(A)スチレン系熱可塑性樹脂は、スチレン含量
50重量%以上のスチレン重合体または共重合体をい
う。具体的なスチレン系熱可塑性樹脂の例としてはポリ
スチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ゴム質重合体−アクリロ
ニトリル共重合体(ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹
脂、ACS樹脂)、スチレン変性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂などが挙げられ、これらは2種以上用いることも
できる。さらにスチレン系熱可塑性樹脂のスチレンの一
部はα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレンなどに置換可能である。
【0013】好ましいスチレン系熱可塑性樹脂として、
ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、ABS樹脂であ
る。本発明における(B)ポリエーテルエステルアミド
はポリアミド単位のハード成分とポリエーテルエステル
単位のソフト成分とからなるブロック共重合体である。
【0014】ポリエーテルエステルアミドのハード成分
を構成するモノマとしては炭素原子数6以上のアミノカ
ルボン酸あるいはラクタム、または炭素原子数6以上の
ジアミンとジカルボン酸の塩が好ましく、具体的にはω
−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミ
ノカプリル酸、アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン
酸および11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸などのアミノカルボン酸、あるいはカプロラクタ
ム、エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロ
ラタムなどのラクタムおよびヘキサメチレンジアミン−
アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸およ
びヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのジア
ミン−ジカルボン酸の塩が挙げられ、特にカプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン
−アジピン酸塩が好ましく用いられる。
【0015】ポリエーテルエステルアミドのソフト成分
を構成するポリエーテルとしてはポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールが好ましく、具体的にはポリエチレン
グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコ
ール、(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサ
メチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体お
よびエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック
またはランダム共重合体などが挙げられる。これらの中
でも、制電性が優れる点で、特にポリエチレングリコー
ルが好ましく用いられる。また、ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールの数平均分子量は200〜6000、
特に250〜4000の範囲のものが用いられ、数平均
分子量が200未満では得られるポリエーテルエステル
アミドの機械的性質が劣り、数平均分子量が6000を
超える場合は、帯電防止性が不足するため好ましくな
い。
【0016】また本発明の効果を損なわない範囲におい
て一般式(II)で示されるジオール化合物を共重合する
ことができる。
【0017】
【0018】(ただし式中、Ar は炭素数6〜20の芳
香族基および脂環族基を示し、R1 およびR2 はエチレ
ンオキシド基またはプロピレンオキシド基を示し、mお
よびnは各々1〜15の整数を示す。) 上記一般式(II)で示されるジオール化合物には次式(I
II) 〜(V)で示される化合物およびそのハロゲン誘導
体などが含まれる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】(ただし式中、R1 およびR2 はエチレン
オキシド基またはプロピレンオキシド基を示し、Yは共
有結合、炭素数1〜6のアルキレン基、アルキリデン
基、シクロアルキリデン基、アリールアルキリデン基、
O、SO、SO2 、CO、S、CF2、C(CF3)2 また
はNHを示す。また、mおよびnは各々1〜15の整数
を示す。) 具体的には、好ましいジオール化合物としてはハイドロ
キノンのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、臭素化ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオ
キシド付加物、ジヒドロキシナフタレンのエチレンオキ
シド付加物およびそのブロック重合体等であり、特にビ
スフェノールAのエチレンオキシド付加物およびそのブ
ロック重合体が好ましい。
【0023】ポリエーテルエステルアミドのポリエーテ
ルとポリアミドをつなぐジカルボン酸としては炭素原子
数4〜20のジカルボン酸が好ましく、具体的にはテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジ
フェニル−4, 4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウム
のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸および
ジシクロヘキシル−4, 4'−ジカルボン酸のごとき脂環
族ジカルボン酸およびコハク酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカルボン
酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、特に
テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ
酸が重合性、色調および物性の点から好ましく用いられ
る。
【0024】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
ジカルボン酸は理論上は1:1のモル比で反応するが使
用するジカルボン酸の種類により通常仕込比を変えて供
給される。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとジ
カルボン酸はポリエーテルエステルアミド中90〜10
重量%の範囲で用いられ、90重量%を超える場合はポ
リエーテルエステルアミドの機械的性質が劣り、10重
量%未満では得られる樹脂の帯電防止性が劣り好ましく
ない。
【0025】ポリエーテルエステルアミドの重合方法に
関しては特に限定されず、例えば(イ)(a)アミノカルボ
ン酸またはラクタムと (c)ジカルボン酸を反応させて両
末端がカルボン酸基のポリアミドプレポリマをつくり、
これに (b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよ
び/またはジオール化合物を真空下に反応させる方法、
(ロ)前記 (a)、(b)、(c)の各化合物を反応槽に仕込
み、水の存在下または非存在下に高温で加圧反応させる
ことにより、カルボン酸末端のポリアミドプレポリマを
生成させ、その後常圧または減圧下で重合を進める方
法、および(ハ)前記 (a)、(b)、(c)の化合物を同時に
反応槽に仕込み溶融混合したのち高真空下で一挙に重合
を進める方法などを利用することができる。
【0026】また、重合触媒についても制限はなく、例
えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブ
チルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタ
ネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネート
などのジルコネート系触媒などを1種または2種以上使
用することもできる。本発明における(C)スチレンス
ルホン酸化合物としては、下記(I)式で示されるもの
である。
【0027】
【0028】(ただし式中、Rは水素、アルキル基、ア
リール基を示し、Xは水素アルカリ金属、アルカリ土
類金属またはアンモニウムを示し、nは1〜20000
の整数を示す。)スチレン系熱可塑性樹脂との相溶性の
点でnは1〜2000が好ましく、さらに好ましくは3
〜500である。
【0029】具体的なスチレンスルホン酸化合物の例と
しては、スチレンスルホン酸 スチレンスルホン酸ソー
ダ、スチレンスルホン酸ソーダオリゴマ、ポリスチレン
スルホン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸カリウム、
ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホ
ン酸アンモニウム、ポリα−スチレンスルホン酸ソーダ
などが挙げられる。これらは2種以上用いることもでき
る。
【0030】また、スチレンスルホン酸化合物はこれら
に他の共重合可能な単量体を少量共重合した共重合体も
含まれる。ここで、スチレンスルホン酸化合物として
は、特にスチレンスルホン酸ソーダ、ポリスチレンスル
ホン酸アンモニウムなどが好ましく用いられる。スチレ
ンスルホン酸化合物の製法に関しては特に限定されず、
例えば、ブロモエチルベンゼンスルホン酸の脱臭化水素
反応により得たスチレンスルホン酸モノマーをアルカリ
で中和する方法、これを加熱下で重合する方法、また、
ポリスチレンを溶媒中で、無水硫酸、クロルスルホン酸
などのスルホン化剤と反応して得られるポリスチレンス
ルホン酸を、イオン性アルカリ金属化合物、イオン性ア
ルカリ土類金属化合物またはアンモニウム化合物を用い
て中和する方法など、通常公知の方法を利用することが
できる。
【0031】本発明における(A)スチレン系熱可塑性
樹脂と(B)ポリエーテルエステルアミドの配合割合は
(A)成分が99〜10重量%、好ましくは97〜20
重量%、特に好ましくは95〜60重量%、(B)成分
が1〜90重量%、好ましくは3〜80重量%、特に好
ましくは5〜40重量%である。(B)ポリエーテルエ
ステルアミドが1重量%未満では樹脂組成物の帯電防止
性が不足し、90重量%を超えると樹脂組成物が柔軟に
なり、機械的特性が劣るため好ましくない。(C)スチ
レンスルホン酸化合物の添加量は(A)スチレン系熱可
塑性樹脂と(B)ポリエーテルエステルアミドの合計1
00重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは
0.05〜10重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部で
ある。スチレンスルホン酸化合物が0.01重量部未満で
は制電性改良効果が不足し、50重量部を超えると組成
物の物性が低下するので好ましくない。
【0032】本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては
特に制限はなく、例えば(A)スチレン系熱可塑性樹脂
と(B)ポリエーテルエステルアミドおよび(C)スチ
レンスルホン酸化合物の混合物をバンバリーミキサー、
ロール、エクストルーダーなどで溶融混練することによ
って製品化される。本発明の樹脂組成物は本発明の目的
を損なわない範囲で、(メタ)アクリル 酸エステル系重
合体を除く他の熱可塑性重合体、例えば塩化ビニル樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリフェニレンスルフィドなどを混合して、
成形用樹脂としての性能を改良することができる。ま
た、スルホン酸の金属塩やアニオン系、カチオン系の界
面活性剤などの帯電防止剤を添加して帯電防止性を一層
向上させることも可能であり、さらに必要に応じてオリ
ゴマーなど相溶化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの
各種安定剤や顔料、染料、滑剤、ガラス繊維、無機フィ
ラー、導電剤および可塑剤、難燃剤などを添加すること
もできる。
【0033】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
実施例および比較例を挙げて説明する。なお実施例中の
部数および%はそれぞれ重量部および重量%をしめす。 参考例 (1)(A):スチレン系熱可塑性樹脂の調製 A−1:スチレンモノマーを加熱し、塊状重合してポリ
スチレン(A−1)を調製した。 A−2:ジエンNF35A(旭化成(株)製)10部を
スチレン90部に溶解した後、塊状重合してグラフト重
合体(A−2)を調製した。 A−3:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25
μ、ゲル含率80%)20部(固形分換算)の存在下で
スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量
体混合物80部を乳化重合した。
【0034】得られたグラフト共重合体は硫酸で凝固
し、苛性ソーダで中和、洗浄、濾過、乾燥してパウダー
状のグラフト共重合体(A−3)を調製した。 A−4:A−3で使用したポリブタジエンラテックス1
0部(固定分換算)の存在下でメタアクリル酸メチル7
2%、スチレン24%、アクリロニトリル4%からなる
単量体混合物90部を乳化重合した後、A−3と同様に
してパウダー状のグラフト共重合体(A−4)を調製し
た。 (2)(B):ポリエーテルエステルアミドの調製 B−1:カプロラクタム50部、数平均分子量が100
0のポリエチレングリコール44.2部およびテレフタル
酸7.6部を“イルガノックス”1098(酸化防止剤)
0.2部および三酸化アンチモン触媒0.1部と共にヘリカ
ルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換し
て260℃で60分間加熱攪拌して透明な均質溶液とし
た後、260℃、0.5mmHg以下の条件で4時間重合し、
粘稠で透明なポリマを得た。
【0035】ポリマを冷却ベルト上にガット状に吐出
し、ペレタイズすることによって、ペレット状のポリエ
ーテルエステルアミド(B−1)を調製した。(B−
1)中のポリエーテルエステル単位は45重量%であっ
た。 B−2:ナイロン6・6塩(AH塩)40部、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物(“ニューボール”
BPE−20、三洋化成工業(株)製)6.3部、数平均
分子量1000のポリエチレングリコール41.9部、ド
デカジオン酸14.3部を“イルガノックス”1098
0.2部、三酸化アンチモン0.02部と共にA−1で用い
た反応容器に仕込み、窒素置換して260℃で60分間
加熱攪拌して透明な均質溶液とした後、500mmHgに減
圧して反応容器気相部の水分を除去し、テトラブチルジ
ルコネート0.08部添加した。次いで260℃、0.5mm
Hg以下の条件で3時間30分重合し、粘稠で透明なポリ
マを得た。以降B−1と同一方法でポリエーテルエステ
ルアミド(B−2)を調製した。(B−2)中のポリエ
ーテルエステル単位は40重量%であった。 B−3:ω−アミノデカン酸30部、ドデカン酸14.2
部および数平均分子量1000のポリエチレングリコー
ル58.6部を用いて、重合時間を3時間にした以外は
(B−1)と同じ方法でポリエーテルエステルアミド
(B−3)を調製した。(B−3)中のポリエーテルエ
ステル単位は60重量%であった。 (3)(C)スチレンスルホン酸化合物の調製 C−1:スチレンスルホン酸ソーダを水に溶解し、触媒
として過硫酸カリウムを用いて50℃で加熱し、溶液重
合してポリスチレンスルホン酸ソーダ(C−1)を調製
した。 C−2:スチレンスルホン酸アンモニウムを用いて(C
−1)と同じ方法で、ポリスチレンスルホン酸アンモニ
ウム(C−2)を調製した。 実施例1〜6 参考例で調製した(A)スチレン系熱可塑性樹脂、
(B)ポリエーテルエステルアミドおよび(C)スチレ
ンスルホン酸化合物を表1に示した配合比で混合し、ベ
ント付40mmφ押出機で樹脂温度220℃で溶融混練、
押出を行うことによってペレットを製造した。
【0036】ついで射出成形機により、シリンダー温度
220℃、金型温度60℃で試験片を成形し、物性を測
定した。表面固有抵抗値は射出成形した厚さ2mmの円板
を用い、次の条件で測定した (1)成形直後、絶乾状態で測定した。 (2)成形直後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し続いて蒸留水で十分洗浄して
から表面の水分を取り除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。 (3)成形後、50%HR、23℃中に200日間放置
した後、洗剤“ママレモン”水溶液で洗浄し、続いて蒸
留水で十分洗浄してから表面の水分を取り除いた後、5
0%RH、23℃で24時間調湿して測定した。
【0037】測定結果を表2に示した。 比較例1〜4 参考例で調製した(A)スチレン系熱可塑性樹脂、
(B)ポリエーテルエステルアミドおよび(C)スチレ
ンスルホン酸化合物を表1に示した配合比で実施例と同
様の方法で溶融混練、成形して物性を測定した。測定結
果を表2に示した。
【0038】
【0039】
【0040】表2の結果から次のことが明らかである。
本発明の樹脂組成物(実施例1〜6)はいずれも成形品
の外観が優れ、かつ低い表面固有抵抗値を有している。
しかも表面洗浄や経時変化によっても抵抗値はほとんど
変化せず、優れた永久帯電防止性を発揮する。一方、
(A)スチレン系熱可塑性樹脂と(C)スチレンスルホ
ン酸化合物からなる樹脂成形品(比較例1)および
(A)スチレン系熱可塑性樹脂と(B)ポリエーテルエ
ステルアミドからなる樹脂成形品(比較例2)において
は、いずれも絶乾時の帯電防止性が劣り、(B)ポリエ
ーテルエステルアミドと(C)スチレンスルホン酸化合
物の2成分の併用添加が必須であることが明らかであ
る。
【0041】(B)ポリエーテルエステルアミドの配合
量が1重量部未満の場合(比較例3)は帯電防止性(抵
抗値)が劣り、(B)ポリエーテルエステルアミドが9
0重量部を越える場合(比較例4)は成形品が柔軟にな
り機械的特性が劣る。(C)スチレンスルホン酸化合物
が0.01重量部未満の場合(比較例5)は制電性改良効
果が不十分で、とくに絶乾時の帯電防止性(抵抗値)が
劣り望ましい樹脂組成物を得ることができない。(C)
スチレンスルホン酸化合物が50重量部を越える場合
(比較例6)は機械的特性が低下し好ましくない。
【0042】
【発明の効果】実施例にみられるように本発明によって
永久帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77/12 C08L 77/12 C09K 3/16 102 C09K 3/16 102B (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 25/00 - 25/18 C08K 5/42 C08L 51/04 C08L 55/02 C08L 77/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系熱可塑性樹脂 (B)ポリエーテルエステルアミド および (C)下記(I)式で示されるスチレンスルホン酸化合
    物 【化1】 (ただし式中、Rは水素、アルキル基、アリール基を示
    し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属または
    アンモニウムを示し、nは1〜20000の整数を示
    す。)を主成分として含有し(ただし、(メタ)アクリ
    ル酸エステル系重合体は含ま ない)、成分(A)と成分
    (B)の重量配合比(A)/(B)が10〜99/90
    〜1であり、かつ成分(C)の配合量が、成分(A)お
    よび成分(B)の合計100重量部に対して、0.01
    〜50重量部である熱可塑性樹脂組成物。
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