JPH09291207A - 帯電防止樹脂組成物および成形品 - Google Patents

帯電防止樹脂組成物および成形品

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JPH09291207A
JPH09291207A JP10289196A JP10289196A JPH09291207A JP H09291207 A JPH09291207 A JP H09291207A JP 10289196 A JP10289196 A JP 10289196A JP 10289196 A JP10289196 A JP 10289196A JP H09291207 A JPH09291207 A JP H09291207A
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Seiji Kikuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐熱性、耐衝撃性を有し、且つ耐薬品
性、帯電防止性の良好な樹脂組成物およびそれからの成
形品を提供する。 【解決手段】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂40
〜96重量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂2〜50
重量%、(C)特定の弾性共重合体または特定の複合ゴ
ム系グラフト共重合体1〜15重量%および(D)特定
のポリエーテルエステルアミド1〜20重量%からなる
樹脂組成物およびそれからの成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐熱性、耐
衝撃性を有し、さらに優れた耐薬品性、耐久性を有する
帯電防止樹脂組成物およびそれからの成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリカーボネート樹脂は、良好
な機械的特性ならびに耐熱性により、幅広い分野におい
て使用されている。しかしながら、それらは高い電気絶
縁性を有するため、樹脂成形品表面にほこりなどが付着
して汚れやすく、その改良が望まれている。従来、帯電
防止性能を向上させるためには、樹脂自身を導電化する
方法や、樹脂に界面活性剤などを添加する方法が行われ
ているが、前者の場合は耐衝撃値及び加工性に劣り、後
者の場合は一度の水洗により効果が著しく低下するなど
持続性に劣るという欠点があった。また、ポリカーボネ
ート樹脂は耐薬品性が劣るという欠点を有する。
【0003】ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネ
ート樹脂とABS樹脂系とのアロイに永続的な帯電防止
能を付与させる方法としては、特開昭62−27325
2号公報および特開平7−233364号公報に、ポリ
エーテルエステルアミドあるいは特殊なポリエーテルエ
ステルアミドを含有した樹脂組成物が開示されている
が、耐薬品性の面で不十分であった。また、特開平7−
224217号公報には、ポリカーボネート樹脂にブロ
ックコポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂およびリン系
化合物を混合した樹脂組成物が開示されているが、耐熱
性を満足するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性および耐衝撃性を有し、水洗によっても帯電防
止効果の失われることのない、耐薬品性の良好な帯電防
止樹脂組成物およびそれからの成形品を提供することで
ある。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重
ねた結果、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)
芳香族ポリエステル樹脂、(C)弾性共重合体または複
合ゴム系グラフト共重合体および(D)特定のポリアミ
ドとポリエーテル成分として特定のビスフェノール類の
エチレンオキサイド付加物から誘導されるポリエーテル
エステルアミドの特定割合よりなる樹脂組成物が、耐熱
性、耐衝撃性に優れ、良好な耐薬品性および帯電防止性
を有することを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜96重量
%、(B)芳香族ポリエステル樹脂2〜50重量%、
(C)ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムの
存在下で、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル
及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選ばれた2種以
上のモノマーを共重合して得られる弾性共重合体または
ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互
に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種または2
種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合
ゴム系グラフト共重合体1〜15重量%および(D)
(D−1)両末端にカルボキシル基を有する数平均分子
量500〜5,000のポリアミドと(D−2)数平均
分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチ
レンオキシド付加物から誘導され、相対粘度が1.1〜
4.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であ
るポリエーテルエステルアミド1〜20重量%からなる
帯電防止樹脂組成物が提供される。
【0006】本発明において使用される(A)芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート
前駆体とを溶液法あるいは溶融法で反応させて製造され
る芳香族ポリカーボネート樹脂である。二価フェノール
の代表的な例を挙げると、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよ
びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げ
られる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキ
シフェニル)アルカンであり、なかでもビスフェノール
Aが特に好ましい
【0007】カーボネート前駆体としては、カルボニル
ハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート
などが挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカー
ボネート、二価フェノールのジハロホルメートなどが挙
げられる。上記二価フェノールとポリカーボネート前駆
体を反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当
り、二価フェノールは単独または2種以上を使用するこ
とができ、また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官能以
上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボ
ネート樹脂であっても、2種以上の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の混合物であってもよい。また、必要に応じて
触媒、分子量調節剤、酸化防止剤を使用してもよい。
【0008】かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子
量は特に限定されないが、粘度平均分子量で10,00
0〜50,000好ましく、15,000〜30,000
が特に好ましい。粘度平均分子量が10,000未満で
あると耐衝撃性などが低下し、50,000を超えると
成形加工性が低下するようになる。本発明でいう粘度平
均分子量は塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボ
ネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた
比粘度(ηsp)を次式に挿入して求める。
【0009】 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c (但し[η]は極限粘度) [η]=1,23×10-40.83 c=0.7
【0010】本発明において使用される(B)芳香族ポ
リエステル樹脂はジカルボン酸あるいはその誘導体と、
グリコールあるいはその誘導体とから重縮合反応により
得られる樹脂で、ジカルボン酸またはグリコールのいず
れかが芳香族基を有するものである。かかる芳香族ポリ
エステル樹脂を使用することにより、本発明の樹脂組成
物は良好な耐薬品性を有することになる。
【0011】ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロ
ロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−ス
チルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン
酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メ
タン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、
ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、
これらは単独であるいは2種以上を混合して用いること
ができる。これらの中では、テレフタル酸、イソフタル
酸の単独あるいはこれらの混合物が特に好ましい。
【0012】グリコールとしては、エチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラメチル−
1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクヘキサンジメタノール、デ
カメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−
キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス
(2−ヒドロキシエチルエーテル)などが挙げられ、こ
れらは単独であるいは2種以上を混合して用いることが
できる。これらの中ではエチレングリコール、1,4−
ブタンジオールが特に好ましい。
【0013】本発明において使用される該芳香族ポリエ
ステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサ
メチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート/シ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポ
リ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレー
ト)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレ
ンドデカジオエート)ポリエステルエーテル共重合体、
ポリアリレートなどを挙げることができる。これらの芳
香族ポリエステル樹脂は単独であるいは2種以上混合し
て使用してもよい。これらの芳香族ポリエステル樹脂の
うち、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレートまたはポリブチレンテレフタレートとポリエ
チレンテレフタレートとの混合物が好ましく使用され
る。
【0014】本発明において使用される(C)成分は上
記弾性共重合体、複合ゴム系グラフト共重合体またはそ
の混合物である。かかる(C)成分を使用することによ
り、本発明の樹脂組成物は優れた耐衝撃性を有すること
になる。
【0015】かかる弾性共重合体は、ブタジエン由来の
繰り返し単位を含有するゴムの存在下、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル化合物
よりなる群から選ばれた2種以上のモノマーを共重合し
て得られるものである。ブタジエン由来の繰り返し単位
を含有するゴムとしては、例えばポリブタジエン、ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エステル共重合
体などが挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、
例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどを挙げるこ
とができる。アクリル酸エステルとしては、例えばアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸オクチルなどが挙げられる。また、芳香族ビ
ニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレン、ハロ
ゲン化スチレン、ジビニルスチレンなどが挙げられる。
なかでもブタジエン−メタクリル酸エステル−スチレン
共重合体、ブタジエン−メタクリル酸エステル−スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体およびブタジエン−アク
リル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体が好ま
しい。
【0016】上記弾性共重合体は塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、乳化重合のいずれの重合法で製造したもので
あってもよく、共重合の方式は一段グラフトであっても
多段グラフトであっても差し支えない。また、製造の際
に副生するグラフト成分のみのコポリマーとの混合物で
あってもよい。かかる弾性共重合体は市販されており容
易に入手することが可能である。例えば鐘淵化学工業
(株)のカネエースBシリーズ、三菱レーヨン(株)の
メタブレンCシリーズ、呉羽化学工業(株)のEXLシ
リーズ、HIAシリーズ、BTAシリーズ、KCAシリ
ーズなどが挙げられる。
【0017】また、かかる複合ゴム系グラフト共重合体
は、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル
(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように
相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種また
は2種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる
共重合体である。本発明において使用される複合ゴム系
グラフト共重合体を得るには、まず3員環以上の各種の
環状オルガノシロキサン、例えばヘキサメチルシクロト
リシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサンなどと、架橋剤およ
び必要ならばグラフト交叉剤を用いて乳化重合によりポ
リオルガノシロキサンゴムのラテックスを調整し、次に
アルキル(メタ)アクリレート単量体、架橋剤およびグ
ラフト交叉剤とをポリオルガノシロキサンゴムのラテッ
クスに含浸させてから重合することによってポリオルガ
ノシロキサンゴムの架橋網目に相互に絡んだポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴムの架橋網目が形成され、実
質上分離できないポリオルガノシロキサンゴム成分とポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との複合ゴム
が得られる。ここで用いられるアルキル(メタ)アクリ
レート単量体としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのア
ルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレートなどのアルキルメタク
リレートが挙げられるが、特にn−ブチルアクリレート
を用いることが好ましい。
【0018】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなど
の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのメタ
クリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステル
などが挙げられ、これらは単独もしくは2種以上組み合
わせて用いられる。この複合ゴムのグラフト共重合体
は、三菱レイヨン(株)よりメタブレンS−2001あ
るいはSRK−200という商品名で市販されており、
入手容易であって、好ましく使用することができる。
【0019】本発明において使用される(D)ポリエー
テルエステルアミドは、(D−1)両末端にカルボキシ
ル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリア
ミドと(D−2)数平均分子量1,600〜3,000の
ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導さ
れる。かかるポリエーテルエステルアミドを使用するこ
とにより、本発明の樹脂組成物は良好な帯電防止性およ
び耐熱性を有することになる。
【0020】かかる(D−1)両末端にカルボキシル基
を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド
は、(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン
酸の重縮合体もしくは(3)ジカルボン酸とジアミンの
重縮合体であり、(1)のラクタムとしては、カプロラ
クタム、エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラ
ウロラクタムなどが挙げられる。(2)のアミノカルボ
ン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナ
ント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン
酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸
および12−アミノドデカン酸などが挙げられる。
(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イ
ソフタル酸などが挙げられ、またジアミンとしては、ヘ
キサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどが挙げ
られる。これらのうちで好ましいものは、カプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸およびアジピン酸−ヘキサ
メチレジアミンであり、特に好ましいものはカプロラク
タムである。
【0021】(D−1)は、炭素原子数4〜20のジカ
ルボン酸成分を分子量調節剤として使用し、これの存在
下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合あ
るいは重縮合させることによって得られる。炭素原子数
4〜20のジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸あるいは
コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジ酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、特にテレ
フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジ酸が重合性、物性の点から好ましい。
【0022】上記(D−1)の数平均分子量は500〜
5,000、好ましくは500〜3,000である。数平
均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミド
自体の耐熱性が低下し、5,000を超えると反応性が
低下し、ポリエーテルエステルアミドの製造時に多大な
時間を要する。
【0023】(D−2)ビスフェノール類のエチレンオ
キサイド付加物のビスフェノール類としては、ビスフェ
ノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−
プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン)および4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げら
れ、これらのうちビスフェノールAが好ましい。(D−
2)はこれらのビスフェノール類にエチレンオキシドを
常法によって付加することにより得られる。また、エチ
レンオキシドと共に他のアルキレンオキシド(プロピレ
ンオキシド、1,2−ブシレンオキシド、1,4−ブチレ
ンオキシドなど)を併用することもできる。
【0024】上記(D−2)の数平均分子量は1,60
0〜3,000であり、特にエチレンオキシド付加モル
数が32〜60のものを使用することが好ましい。数平
均分子量が1,600未満では、帯電防止効果が不十分
となり、3,000を超えると反応性が低下するためポ
リエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を有す
る。
【0025】(D−2)は、前記(D−1)と(D−
2)の合計量の20〜80重量%の範囲で用いられるこ
とが好ましい。(D−2)の量が20重量%未満では、
ポリエーテルエステルアミドの帯電防止性が劣り、80
重量%を超えるとポリエーテルエステルアミドの耐熱性
が低下するため好ましくない。
【0026】本発明に用いられるポリエーテルエステル
アミドの製造方法に関しては、アミド形成性モノマーお
よびジカルボン酸を反応させて、(D−1)を形成せし
め、これに(D−2)を加えて、高温、減圧下で重合反
応を行う方法などで製造できるが、重合方法は特に限定
されない。かかるポリエーテルエステルアミドは市販さ
れており容易に入手可能である。例えば三洋化成(株)
のペレスタット6321などが挙げられる。
【0027】上記(D)成分のポリエーテルエステルア
ミドの相対粘度は1.1〜4.0(0.5重量%m−クレ
ゾール溶液、25℃)であり、好ましくは1.3〜3.0
である。相対粘度が1.1未満では耐熱性に劣り、4.0
を超えると成形性が低下する。
【0028】上記(A)〜(D)成分の配合割合は、そ
れらの合計を100重量%とした時、(A)成分40〜
96重量%、好ましくは40〜75重量%、(B)成分
2〜50重量%、好ましくは20〜40重量%、(C)
成分1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%、
(D)成分1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%
の範囲である。(A)成分が40重量%未満では耐熱性
(荷重たわみ温度)の低下が起こり好ましくない。また
96重量%を超えると流動性が低下し成形加工性の低下
が起こる。(B)成分が2重量%未満では充分な耐薬品
性が得られず、また50重量%を超えると耐熱性(荷重
たわみ温度)及び機械的強度(耐衝撃性)が低下する。
(C)成分が1重量%未満では充分な機械的強度(耐衝
撃性)が得られず好ましくない。また15重量%を超え
ると耐熱性が著しく低下する。(D)成分が1重量%未
満では充分な帯電防止特性が得られず、また20重量%
を超えると耐熱性および剛性が低下する。
【0029】本発明の樹脂組成物には、トリメチルホス
フェートのようなリン酸エステルまたはトリフェニルホ
スファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジス
テアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイトのような亜リ
ン酸エステルを本発明の樹脂組成物100重量部に対し
て、0.005〜1重量部配合することにより、さらに
熱安定性が向上するので好ましい。
【0030】また、アルキルスルホン酸ナトリウムある
いはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような帯
電防止剤を本発明の樹脂組成物100重量部に対して、
0.05〜2重量部配合することにより、さらに帯電防
止性が向上するので好ましい。
【0031】本発明の樹脂組成物は、上記各成分をタン
ブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリ
ーミキサー、混練ロール、押し出し機などの混合機によ
り混合して製造することができる。
【0032】さらに、本発明の目的を損なわない範囲
で、ポリアミド、ポリフェニレンエーテルなどの他の樹
脂やその効果が発現する量の各種添加剤、無機充填剤を
添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤(臭素化
ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェ
ノールAのカーボネートオリゴマー、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートな
ど)、難燃助剤(アンチモン酸ナトリウム、三酸化アン
チモンなど)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有する
ポリテトラフルオロエチレンなど)、酸化防止剤(ヒン
ダードフェノール系化合物など)、紫外線吸収剤、離型
剤、滑剤、着色剤などが挙げられる。また無機充填剤と
しては、ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、
タルク、シリカ、マイカ、クレー、酸化チタンなどが挙
げられる。
【0033】かくして得られた樹脂組成物は、押出成
形、射出成形、圧縮成形などの方法で容易に成形可能で
あり、またブロー成形、真空成形などにも適用でき、帯
電防止性能、耐薬品性の必要な電子電気・OA部品など
幅広い用途に使用可能である。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。
【0035】[実施例1〜5、比較例1〜5]表1記載
の各成分を表1記載の配合割合でV型ブレンダーで混合
後、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製
鋼所製TEX30XSST]により、シリンダー温度2
60℃でペレット化した。このペレットを120℃で5
時間乾燥後射出成形機[FANUC(株)製T−150
D]でシリンダー温度270℃、金型温度70℃で各種
試験片を作成し、下記の方法で評価を行った。
【0036】耐衝撃性:ASTM D−256に従って
アイゾットノッチ付きインパクトを測定した。 耐熱性:ASTM D−648に従って18.6kgf
/cm2荷重にて荷重たわみ温度を測定した。 耐薬品性:ASTM D638にて使用する引張り試験
片を切削油(ユシロ化学工業(株)製ユシローケンHS
G−300)に80℃で24時間浸漬した後、引張り強
度を測定し保持率を算出した。保持率は下記式により計
算した。 保持率(%)=(処理サンプルの強度/処理前サンプル
の強度)×100 帯電防止性: 表面固有抵抗:射出成形して得られた平板(50×10
0×2mm)を23℃、50%R.H.の湿度の恒温室に
24時間放置後、超絶縁抵抗計((株)東亜電波製、S
M−10E)で測定した。さらに測定後、水で充分洗浄
してから表面の水分を取り除いた後、23℃、50%
R.H.湿度の恒温室に24時間放置して再度測定した。
表面固有抵抗値が小さいほど、帯電防止性に優れる。
【0037】なお、表1記載の各成分を示す記号は下記
のとおりである。 (A)PC:芳香族ポリカーボネート樹脂[帝人化成
(株)製L−1225、粘度平均分子量22,500] (B)PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂[帝人
(株)製TR−8580、固有粘度0.8(o−クロロ
フェノール溶液、25℃)] (C)ゴム−1:弾性重合体(ブタジエン−メタクリル
酸メチル−アクリル酸エチル共重合体)[呉羽化学工業
(株)製パラロイドEXL−2602] ゴム−2:複合ゴム系グラフト共重合体[三菱レイヨン
(株)製メタブレンS−2001] (D)PEEA:ポリエーテルエステルアミド(両末端
にカルボキシル基を有する数平均分子量1,100のε
−カプロラクタムの開環重合体であるポリアミドと数平
均分子量2,000のビスフェノールAエチレンオキサ
イド付加物から誘導された相対粘度が1.7(0.5重量
%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエ
ステルアミド) 添加剤−1:ジステアリルペンタエリスリトールジホス
ファイト 添加剤−2:アルキルスルホン酸ナトリウム[三洋化成
(株)製ケミスタット3033]
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、任意の成形方
法、例えば射出成形などに適用できる。また、持続性の
ある帯電防止性、耐熱性、耐薬品性を必要とするOA機
器、家電製品として最適の樹脂組成物である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:00 77:12)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂40
    〜96重量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂2〜50
    重量%、(C)ブタジエン由来の繰り返し単位を含有す
    るゴムの存在下で、メタクリル酸エステル、アクリル酸
    エステルおよび芳香族ビニル化合物よりなる群から選ば
    れた2種以上のモノマーを共重合して得られる弾性共重
    合体またはポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアル
    キル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないよ
    うに相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種
    または2種以上のビニル系単量体がグラフト重合されて
    なる複合ゴム系グラフト共重合体1〜15重量%および
    (D)(D−1)両末端にカルボキシル基を有する数平
    均分子量500〜5,000のポリアミドと(D−2)
    数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類
    のエチレンオキシド付加物から誘導され、相対粘度が
    1.1〜4.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25
    ℃)であるポリエーテルエステルアミド1〜20重量%
    からなる帯電防止樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物より形成され
    た成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044778A (ja) * 1998-08-03 2000-02-15 Teijin Ltd 樹脂組成物およびそれからなる転倒検知スイッチ用部品
JP2011132313A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Daicel Polymer Ltd 難燃性ポリカーボネート系樹脂組成物及び薄肉成形体
JP2012513505A (ja) * 2008-12-23 2012-06-14 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 防炎性かつ衝撃性改良ポリカーボネート組成物
JP2016035021A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物および成形品

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