JP3619915B2 - 偏光板用保護フィルム及び偏光板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置の偏光板に用いられる偏光板用保護フィルムに関し、詳しくは帯電防止性、耐擦り傷性及び易接着性が付与した液晶表示装置の偏光板に用いられる偏光板用保護フィルム及び該偏光板用保護フィルムが偏向素子フィルムの片面又は両面に有する偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワープロ、パソコン、テレビ、あるいは計器類等の各種ディスプレイは、その表面をガラスやプラスチック板等の透明保護基盤を通して、文字や図形等の視覚情報が観察されるようになっている。また、最近では上記機器類のディスプレイの多くは液晶表示装置になって来ている。液晶表示装置には、液晶画像を信号通りに表示するために二枚の偏光板が用いられている。偏光板は、通常、ヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させ染着させたポリビニルアルコール(以下PVAと略す)系フィルムを一定方向に延伸配向させた偏光素子フィルムと該偏向素子フィルムを保護する偏光板用保護フィルム等からなっている。
【0003】
偏光板用保護フィルムとは、偏光素子フィルムの両面に透明なプラスチックフィルムが接着されて出来ている偏光板を保護しているいろいろな機能が付加された透明なプラスチックフィルム複合体のことをいう。
【0004】
このような偏光板の表面の上記透明性プラスチックフィルムは、一般に傷が付き易いこと、静電気が起き易いこと、薬品に犯され易いこと等の欠点があった。偏光板または液晶表示装置の組み立て工程において、上記欠点が起これば、歩留まりが低下したり、また製品となった後でもこれらの欠点は起こる可能性が高く、商品の信頼性という点からも好ましくなかった。例えば、静電気障害により生じる液晶表示装置の誤作動は商品として致命的な欠陥となっていた。
【0005】
ところで、偏光板用保護フィルムの透明なプラスチックフィルムとしてのセルローストリアセテートフィルムの表面に紫外線硬化性樹脂からなる硬化塗膜を設けた耐擦り傷性の保護フィルムが、例えば特開平5−162261号に開示されている。
【0006】
上記の如き静電気障害を防止するために、保護フィルムの表面に、カーボンブラック等の導電性フィラーを配合した帯電防止塗料層を形成する、例えば特開平6−51122号の方法が提案されており、また、イオンコンプレックス型の界面活性剤を含む塗料を用いて帯電防止を図ったものもあった。
【0007】
しかしながら、上記導電性フィラーを配合した帯電防止塗料により帯電防止層を形成したものは、導電性フィラーが異物として見えてしまい、塗膜層のヘイズ値が上がり、透明性が低下し商品としての価値が損なわれるという欠点があった。また、イオンコンプレックス型の界面活性剤を用いたものはその表面比抵抗値が湿度変化など環境に作用され易く、耐久性に欠けるという問題があった。
【0008】
特開平6−123806号には種々のイオン性高分子化合物の帯電防止剤が記載されているが、擦り傷に対する耐性はほとんど見られなかった。
【0009】
従来の偏光板用保護フィルムには耐擦り傷性、帯電防止効果がほとんどないため、加工の過程で擦り傷が付いたり、ゴミが付着する等、ロスの増大を招いたり、欠陥商品につながるおそれがあった。このため、仮の保護フィルムを偏光板用保護フィルムの各表面に仮に接着させ、次ぎの加工時にそのフィルムを剥離して使用していた。この剥離時に帯電が発生して、別のゴミが付着したりして問題であった。
【0010】
また、これらの偏光板の用途において、各種環境下で高い信頼性と耐久性を発揮するためには、偏光素子フィルムを透明なプラスチックフィルムとの間には強固な接着性が要求される。この接着性を向上させる方法として、プラスチックフィルムとしてのセルローストリアセテート(以下TACフィルムと略す)を偏光素子フィルムと接着して偏光板をつくる際に、TACフィルムの表面をアルカリ鹸化処理して親水性化し、両面にPVA系接着液が塗布された偏光素子フィルムを張り合わせて接着させるという方法が従来行われていた。しかしながら、この鹸化する方法は、5%以上の水酸化ナトリウム水溶液にTACフィルムを長時間浸漬するものであり、鹸化処理液が高温で、高濃度のアルカリ液であるため、作業上の安全、また使用済み液の処理の場合環境的安全、あるいはコスト等の見地から好ましいものではなく、また処理されたTACフィルムの表面に可塑剤がブリードアウトして製品を汚したり、また処理によってヘイズが高くなり品質を落とす虞れもあった。
【0011】
偏光素子フィルムとの接着に対しては、特開平6−94915号又はその他に、接着性のよい親水性高分子化合物等を塗設することによって安全上あるいは環境上問題とされている鹸化処理を回避出来るとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく、偏光板用保護フィルムに要求される主たる機能としては、帯電防止性能であり、耐擦り傷性であり、強固な接着性、防幻性、耐薬品性であるが、これらを同時に兼ね備えた偏光板用保護フィルム及び偏光板が未だないというのが現状である。
【0013】
また、従来、機能性層を偏光板用保護フィルムへ付与するには、透明なプラスチックフィルムのメーカーと、偏光板のメーカーと、あるいはその中間のメーカーとが、上記各種の機能性層を別々に施していたため、工程が多く、また別の所で製造するとか、別の所に輸送するとかすることにより、傷が付いたり、ゴミが付着したり、偏光板用保護フィルムの収率が悪く、ロスが大きくなり、種々の工程によりコストが非常に高くなり、偏光板用保護フィルムのコストダウンが望まれていた。
【0014】
本発明はこれらの性質を具備した新規な、また優れた偏光板用保護フィルム及び偏光板を提供せんとするものであり、更には低いコストで、収率良く、耐久性のある安定なものを提供せんとするものである。
【0015】
本発明の目的は、優れた帯電防止性と耐擦り傷性を同時に有する偏光板用保護フィルムを提供することにある。
【0016】
第二の目的は、偏光板用保護フィルムの片面に優れた帯電防止性、耐擦り傷性を有し、もう一方の面に偏光素子フィルムに対して優れた接着性を同時に有する偏光板用保護フィルムを提供することにある。
【0017】
第三の目的は、透明なプラスチックフィルムを製膜する際に、その一方の面に帯電防止層と耐擦り傷層を、そしてもう一方の面に偏光素子フィルムのための易接着層を、また必要に応じてPVA系親水性層とを付与させたより安価で、より収率の良い、そしてより塗布性の優れた偏光板用保護フィルムを提供することにある。
【0018】
第四の目的は、透明なプラスチックフィルムの一方の面に帯電防止層と耐擦り傷層を有し、もう一方の面に偏光素子フィルムのための易接着層を、また必要に応じてPVA親水性層を有した偏光板用保護フィルムを、偏光素子フィルムの片面又は両面に、易接着層又はPVA系親水性層を介して貼り合わせて出来た偏光板を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
現状において、帯電防止層と耐擦り傷性層とを兼ね備え持った偏光板用保護フィルムあるいは偏光板が文献や市場には見あたっていない。そこで、本発明者らは、まず、帯電防止性と耐擦り傷性を同時に有する偏光板用保護フィルム及び偏光板について検討した。しかしながら、帯電防止層自身の耐擦り傷性を付与しようとしたが、両立させることが出来なかった。そこで、帯電防止層の上に耐擦り傷性層を重層塗布する試みを行った。その結果、上の層を塗設する際帯電防止層が乱されたり、耐擦り傷性層の塗布性が悪かったり、また、重層された帯電防止層あるいは耐擦り傷性層の接着性が悪かったりして、なかなかうまくいかなかった。
【0020】
本発明者らは鋭意検討の結果、まず、耐擦り傷性層として紫外線硬化性樹脂組成物塗布層の紫外線照射によって硬化した硬化皮膜層を最もよいものとして決め、これに合う帯電防止剤及び帯電防止層を選択した。その結果アイオネン導電性ポリマーと疎水性バインダーとの混合物の層が上記の紫外線硬化性樹脂組成物に影響されにくいことを見いだした。アイオネン導電性ポリマーだけでは上記上層の影響や、外界の雰囲気の影響を受け易く本発明に適さないことがわかった。
【0021】
更に本発明者らは、アイオネン導電性ポリマー(以下アイオネンポリマーという場合もある)を含むカチオン系ポリマーのポリマー分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマーを含有する帯電防止層とすることによって、前記問題を解決することができることもわかった。
【0022】
このように、帯電防止性と耐擦り傷性とを兼ね備えた偏光板用保護フィルム及び偏光板を得ることに成功した。しかし、アイオネン導電性ポリマーと疎水性バインダー、あるいはポリマー分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマーが本発明に有用である理由は定かではないが、本発明者らはアイオネン導電性ポリマーの場合には、ポリマー直鎖中に第4級アンモニウム基をもつ構造が疎水性バインダー中で適度の親和性があることによる安定性を持ち、紫外線硬化性樹脂組成物液がその上に塗布された時、アイオネン導電性ポリマーが影響を受けずに、良好な塗布性あるいは接着性を与えるのではないかと考えており、また、第4級アンモニウム架橋カチオンポリマーの場合には、架橋構造によって第4級アンモニウムカチオン性導電性ポリマーが細かい粒状性となり、しかも塗布後該架橋ポリマーはよく互いに凝集してさらに安定な構造をとることによって、紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布に対して乱されることなく安定化しているものと考えている。しかし、本発明はこの推測にしばられるものではない。
【0023】
また、紫外線硬化性樹脂組成物塗布液をフィルムの上に塗布後、紫外線硬化性樹脂を照射して硬化皮膜層は、耐薬品性を有し、前記アルカリ鹸化処理にも耐えるため、この硬化皮膜層を有するフィルムをアルカリ鹸化処理液に浸漬して、硬化皮膜層と反対側の面のフィルム面を鹸化して親水性化することが出来ることがわかったが、アルカリ処理を施すには前記の煩わしい設備と環境下でおこなわなければならないため、このような方法は避けたほうが好ましい。そこで、本発明においては、そのままのTAC面に親水性ポリマーを有する易接着層を設ける方法を取ることにし、優れた複合的な種々の特性を持つ偏光板用保護フィルム及び偏光板を得ることに成功した。
【0024】
本発明者らは上記目的を下記によって達成することが出来た。すなわち:
(イ)透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に、下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)(以下一般式(I)乃至一般式(V)のように表すことがある)で示されるアイオネン導電性ポリマー及び下記の如き疎水性バインダーを含有する帯電防止層を塗設し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層を塗設し、続いて該層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層とすることによって偏光板用保護フィルムを得ることを達成した。
【0025】
(ロ)塗布工程で途中で巻き取ることなく、又は透明なプラスチックフィルムを製膜し巻き取るまでの連続工程内で途中巻き取ることなく、下記一般式(I)乃至一般式(V)で示されるアイオネン導電性ポリマー及び下記の如き疎水性バインダーを含有する帯電防止層を塗設し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を塗設した後、該層に紫外線を照射して硬化層となし、該透明なプラスチックフィルムの他方の面に、親水性ポリマーを有する易接着層を塗設し、必要に応じて更に該易接着層の上にPVA系親水性層を塗設することによって、より安価な、より収率のよい、また別の仮の保護フィルムを必要としない、更により塗布性の安定した偏光板用保護フィルムを得ることが出来た。
【0026】
(ハ)透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に下記一般式(I)乃至(V)で示されるアイオネン導電性ポリマー及び疎水性バインダーを含有する帯電防止層を有し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層を有し、該透明フィルムの他の面に親水性ポリマーを含有する易接着層又は該易接着層の上に偏向素子フィルムを接着させるためのPVA系親水性層を有する偏光板用保護フィルムが、偏向素子フィルムの片面又は両面に、親水性ポリマーを含有する易接着層又はPVA系親水性層を介して貼りあわさせることにより偏光板を得ることを達成した。
【0027】
(ニ)透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に、下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるポリマー分子間架橋を有するカチオン性導電性ポリマーを含有する帯電防止層を塗設し、該帯電防止層の上に紫外線硬化組成物を含有する層を塗設し、続いて該層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層とすることによって偏光板用保護フィルムを得ることを達成した。
【0028】
(ホ)透明なプラスチックフィルムを鹸化処理をすることなく、帯電防止層側と反対側に、下記の如き親水性ポリマーを含有する易接着層を設け、必要に応じて更にその上にPVA系の偏向素子フィルムを接着し易くする層を重ねて設けることによって経済的に偏光板用保護フィルムを得ることを達成した。
【0029】
(ヘ)塗布工程で途中巻き取ることなく、又は透明なプラスチックフィルムを製膜し巻き取るまでの連続工程内で途中巻き取ることなく、下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるポリマー分子間架橋を有するカチオン性導電性ポリマーを含有する帯電防止層を塗設し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層を塗設した後、該層に紫外線を照射して硬化皮膜層となし、該透明なプラスチックフィルムの他方の面に、下記の如き親水性ポリマーを有する易接着層を塗設し、必要に応じて更に該易接着層の上にPVA系親水性層を塗設することによって、より安価な、より収率のよい、また別の仮の保護フィルムを必要としない、更により塗布性の安定した偏光板用保護フィルムを得ることが出来た。
【0030】
(ト)透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に、下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるポリマー分子間架橋を有するカチオン性導電性ポリマーを含有する帯電防止層を有し、該帯電防止層の上に紫外線硬化樹脂組成物を含有する層を塗設し、該層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層を有し、該透明フィルムの他の面に親水性ポリマーを含有する易接着層又は該易接着層の上に偏向素子フィルムを接着させるためのPVA系親水性層を有する偏光板用保護フィルムが、偏向素子フィルムの片面又は両面に、親水性ポリマーを含有する易接着層又はPVA系親水性層を介して貼りあわさせた偏光板を得ることを達成した。
【0031】
以下本発明を詳細に説明する。
【0032】
[透明なプラスチックフィルム]
本発明に適する透明なプラスチックフィルムは、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、TACフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルムあるいはポリアリレート系フィルム等を挙げることができるが、本発明には、TACフィルム、ポリカーボネート(以下PCと略すことがある)フィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム及びポリスルホン系フィルムが透明性、機械的性質、光学的異方性がない点など好ましく、特にTACフィルム及びPCフィルムが、それらの中でも、製膜性が容易で加工性に優れているため好ましく用いられる。
【0033】
次に、TACフィルムの製膜法について述べる。TACフィルムは一般的に、TACフレーク原料及び可塑剤をメチレンクロライドに溶解して粘稠液とし、これに可塑剤を溶解してドープとなし、エックストルーダーダイスから、エンドレスに回転するステンレス等の金属ベルト(バンドともいう)上に流延して、乾燥させ、生乾きの状態でベルトから剥離し、ロール等の搬送装置により、両面から乾燥させて巻き取り、作られる。PCフィルムについてもTACフィルムと同様に製膜することが出来る。
【0034】
なお、巻き取られたTAC又はPCフィルムは次ぎの塗布工程で帯電防止塗布液組成物等が塗布されるが、一般的には一つの塗布が終わる毎に巻き取り、また次ぎの塗布を行うというように断続的に塗布を行っている。この方法であると、収率が落ちたり、輸送コストがかかったり、フィルムを痛めやすいという欠点があった。本発明者らは一つの工程内で連続して色々な塗布液組成物を次々と塗布を行うことにより、収率が上がり、コストが安くなり、フィルムの損傷もよいばかりでなく、フィルムとの接着性あるいは塗布層間の接着性がより優れていることを発見し、連続塗布方式の方が好ましいことを見いだした。更に、TAC又はPCフィルムの製膜のラインと塗布ラインとを結合させるいわゆるインライン塗布(製膜と塗布が同一ライン内にある)は収率、コスト、接着性などが、より優れていることを見いだした。したがって、本発明のように、多種類の塗布を行うには、断続的な塗布よりも連続塗布方式が好ましく、特に連続方式よりもインライン方式の方が好ましい。
【0035】
上記可塑剤には、トリフェニルホスフェート、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、エチルフタリルエチルグリコレート等が好ましく用いられるが、可塑剤はTACフィルムの耐水性を付与するのに、重要な素材れあるが、偏光板用保護フィルムには出来るだけ少量の添加が好ましい。PCフィルムには上記可塑剤は一般的に不要であるが、添加してもかまわない。
【0036】
また、本発明に有用なTAC又はPCフィルム中に、紫外線吸収剤を含有させることによって、耐光性に優れた偏光板用保護フィルムを得ることが出来る。本発明に有用な紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体(UV−1)、ベンゾフェノン誘導体(UV−2)、ベンゾトリアゾール誘導体(UV−3)、アクリロニトリル誘導体(UV−4)、安息香酸誘導体(UV−5)又は有機金属錯塩(UV−6)等があり、それぞれ(UV−1)としては、サリチル酸フェニル、4−t−ブチルフェニルサリチル酸等を、(UV−2)としては、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を、(UV−3)としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を、(UV−4)としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、メチル−α−シアノ−β−(p−メトキシフェニル)アクリレート等を、(UV−5)としては、レゾルシノール−モノベンゾエート、2′,4′−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を、(UV−6)としては、ニッケルビス−オクチルフェニルサルファミド、エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のニッケル塩等を挙げることができる。
【0037】
[帯電防止層]
本発明の導電性ポリマーは下記一般式(I)乃至一般式(V)で表されるアイオネン導電性ポリマー、及び下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるポリマー分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオンポリマーである。
【0038】
〈アイオネン導電性ポリマー〉
本発明のアイオネン導電性ポリマーは下記一般式(I)乃至一般式(V)で表される。
【0039】
【化1】
【0040】
ここで一般式(I)において、Z1、Z2は炭素数1〜7のアルキレン基あるいはアルケニレン基を表し、R1及びR2は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。Z1、Z2、R1及びR2はアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有してもよい。またR1及びR2は連結して環を形成してもよい。W1は2価の基を表す。Xはアニオンを表し、n1は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
【0041】
また一般式(II)においてZ3及びZ4は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z3及びZ4が芳香環を形成するときは、R3及びR4は必要としない。Z3及びZ4が飽和環を形成するときは、R3及びR4は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V1及びW2は2価の基を表し、V1は(上記環が直接結合している場合にはV1はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n2は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
【0042】
一般式(III)において、R5及びR6は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V2及びW3は2価の基を表し、V2はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n3は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
【0043】
一般式(IV)において、R7及びR8は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W4は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n4は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
W1、W2、W3及びW4は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。
【0044】
一般式(V)において、
Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R9は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L1及びL2は2価の連結基を表し
Q1は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q2は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
yは0〜90モル%であり
qは0〜99モル%であり
sは0〜50モル%であって
y+s=100である場合はなく
y+q+s=100である。
【0045】
一般式(V)におけるQ1は下記一般式(VI)乃至一般式(IX)で示される。
【0046】
ここで一般式(VI)においてZ5及びZ6は炭素数1〜7のアルキレン基あるいはアルケニレン基を表し、R10及びR11は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。Z5、Z6、R10及びR11はアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有してもよい。またR10及びR11は連結して環を形成してもよい。W5は2価の基を表す。Xはアニオンを表し、n5は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 この一般式(VI)は第4級アンモニウム基を1つ以上含む単位の連鎖、すなわちアイオネンポリマーの連鎖であり、一般式(V)におけるL1に連結するQ1の一般式(VI)の末端T1は下記一般式(X)で表され、T1のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。
【0047】
また一般式(VII)においてZ7及びZ8は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z7及びZ8が芳香環を形成するときは、R12及びR13は必要としない。Z7及びZ8が飽和環を形成するときは、R12及びR13は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V3及びW6は2価の基を表し、V3は(上記環が直接結合している場合にはV3はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n6は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。この一般式(VII)は第4級アンモニウム基を1つ以上含む単位の連鎖のアイオネンポリマーで一般式(V)におけるL1に連結するQ1の一般式(VII)の末端T2は一般式(XI)で表され、T2のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。
【0048】
一般式(VIII)において、R14及びR15は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V4及びW7は2価の基を表し、V4はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n7は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。この一般式(VIII)は第4級アンモニウム基を1つ以上含む単位の連鎖のアイオネンポリマーであり、一般式(V)におけるL1に連結するQ1の一般式(VIII)の末端T3は一般式(XII)で表され、T3のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。
【0049】
一般式(IX)において、R16及びR17は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W8は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n8は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 この一般式(IX)は第4級アンモニウム基を1つ含む単位の連鎖、すなわちアイオネンポリマーの連鎖であり、一般式(V)におけるL1に連結するQ1の一般式(IX)の末端T4のMは一般式(XIII)で表され、T4のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。
【0050】
W5、W6、W7及びW8は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。
【0051】
T1、T2、T3及びT4は下記一般式(X)、一般式(XI)、一般式(XII)及び一般式(XIII)である他に下記の如き水酸基あるいはハロゲン基である場合があり、それは加水分解反応あるいは未反応の場合であって、全体で0〜5モル%含む可能性があるが、これらは不必要なものであって含まないように合成するのが好ましい。
【0052】
【化2】
【0053】
【化3】
【0054】
一般式(V)のL2は2価に連結基であり、Q2は第4級アンモニウムを一つ以上有する基であり、上記一般式(X)、一般式(XI)、一般式(XII)、一般式(XIII)及び下記一般式(XIV)である。これらの一般式(X)、一般式(XI)、一般式(XII)及び一般式(XIII)は上記で説明したものと同ようである。また、下記一般式(XIV)において、DはNと共に環状構造を形成する炭素数1〜12の不飽和5員環あるいは6員環を主体とする異項環を表し、また炭素数1〜12の飽和5員環あるいは6員環を主体とする異項環を表す。Mは炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。
【0055】
【化4】
【0056】
〈ポリマー分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオンポリマー〉
本発明の分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオンポリマーは下記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される。
【0057】
【化5】
【0058】
ここで、一般式(1)において:
Aは少なくとも二つのエチレン性不飽和基をもつ共重合可能なモノマー単位であり
Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R1は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L1、L2、L3、L4、L5、L6は2価の連結基を表し
Q1は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で2価の連結基であり
Q2は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q3は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位で2価の連結基であり
Q4は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
xは0〜80モル%であり
yは0〜90モル%であり
pは0〜100モル%であり
qは0〜99モル%であり
rは0〜100モル%であり
sは0〜50モル%であって
x+y=100である場合はなく
y+q=100である場合はなく
y+s=100である場合はなく
q+s=100である場合はなく
y+q+s=100である場合はなく
x+y+p+q+r+s=100 である。
【0059】
また、一般式(2)及び一般式(3)において:
Q5は第4級アンモニウム基を一つ以上含む連鎖で2価の連結基であり
Q6は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の3価の連結基であり
Yは第4級アンモニウム基を含まない三価の連結基である。
【0060】
一般式(1)において、R1は水素原子あるいはメチルを表しているが、同時に同一基である必要はない。
【0061】
一般式(1)において、 L1、L2、L3、L4、L5及びL6は下記の如き2価の連結基を表し、例えば:
【0062】
【化6】
【0063】
である。
【0064】
一般式(1)において、Q1及びQ2は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で2価の連結基であり、下記一般式(4)、下記一般式(5)、一般式(6)及び一般式(7)で示される。
【0065】
【化7】
【0066】
ここで一般式(4)において、Z1、Z2は炭素数1〜7のアルキレン基あるいはアルケニレン基を表し、R4及びR5は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。Z1、Z2、R4及びR5はアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有してもよい。またR4、R5は連結して環を形成してもよい。W1は2価の基を表す。Xはアニオンを表し、n9は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 この一般式(4)は第4級アンモニウム基を1つ以上含む単位の連鎖、すなわちアイオネンポリマーの連鎖であり、一般式(1)におけるL1,L2に連結するQ1の一般式(4)の末端T1は下記一般式(8)で表され、T1のMはL1あるいはL2である。また一般式(1)におけるL3に連結するQ2の一般式(4)の末端T1は下記一般式(8)で表され、T1のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。一般式(8)において、Z5及びZ6は炭素数1〜7のアルキレン基を表し、R12及びR13は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリル基を表す。Z5、Z6、R12及びR13はアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有してもよい。またR12とR13は連結して環を形成してもよい。Xは同様にアニオンを表す。
【0067】
また一般式(5)においてZ3及びZ4は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z3及びZ4が芳香環を形成するときは、R6及びR7は必要としない。Z3及びZ4が飽和環を形成するときは、R6及びR7は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V1及びW2は2価の基を表し、V1は(上記環が直接結合している場合にはV1はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n10は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。この一般式(5)は第4級アンモニウム基を1つ以上含む単位の連鎖のアイオネンポリマーで、一般式(1)におけるL1及びL2に連結するQ1の一般式(5)の末端T2は下記一般式(9)で表され、T2のMはL1あるいはL2である。一般式(1)におけるL3に連結するQ2の一般式(5)の末端T2は下記一般式(9)で表され、T2のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。一般式(9)においてZ7及びZ8は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z7及びZ8が芳香環を形成するときは、R14及びR15は必要としない。Z7及びZ8が飽和環を形成するときは、R14及びR15は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V3は2価の基を表し、V3は(上記環が直接結合している場合にはV3はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。
【0068】
一般式(6)において、R8及びR9は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V2及びW3は2価の基を表し、V2はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n11は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。この一般式(6)は第4級アンモニウム基を1つ以上含む単位の連鎖のアイオネンポリマーの連鎖であり、一般式(1)におけるL1及びL2に連結するQ1の一般式(6)の末端T3は下記一般式(10)で表され、T3のMはL1あるいはL2である。また一般式(1)におけるL3に連結するQ2の一般式(6)の末端T3は下記一般式(10)で表され、T3のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。一般式(10)において、R16及びR17は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V3は2価の基を表し、V3はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。
【0069】
一般式(7)において、R10及びR11は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W4は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n12は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 この一般式(7)は第4級アンモニウム基を1つ含む単位の連鎖、すなわちアイオネンポリマーの連鎖であり、一般式(1)におけるL1及びL2に連結するQ1の一般式(7)の末端T4のMはL1あるいはL2である。また一般式(1)におけるL3に連結するQ2の一般式(7)の末端T4は下記一般式(11)で表され、T4のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基であり、またMのついている窒素原子が第3級アミンの末端の場合にはMは必要ない。一般式(11)において、R18及びR19は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。Xはアニオンを表す。
【0070】
W1、W2、W3、W4は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。
【0071】
T1、T2、T3、T4は上記一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、及び一般式(11)である他に下記の如き水酸基あるいはハロゲン基である場合があり、それは加水分解反応あるいは未反応の場合であって、全体で0〜5モル%含む可能性があるが、これらは不必要なものであって含まないように合成するのが好ましい。
【0072】
【化8】
【0073】
一般式(1)において、Q3及びQ4は上記一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、一般式(11)及び一般式(12)で前記と同様に示される。
【0074】
ここで前記と同様に、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)及び一般式(11)において、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基 、アリル基である。
【0075】
一般式(8)において、Z5及びZ6は炭素数1〜7のアルキレン基あるいはアルケニレン基を表し、Z5、Z6、R12及びR13はアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有してもよい。またR12とR13は連結して環を形成してもよい。
一般式(9)において、Z7及びZ8は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。 Z7とZ8が芳香環を形成するときは、R14及びR15は必要としない。 Z7とZ8が飽和環を形成するときは、R14及びR15は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。
【0076】
一般式(1)におけるL4及びL5に連結するQ3の一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)及び一般式(11)のMはL4あるいはL5であり、一般式(1)におけるL6に連結する Q4の一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、一般式(11)及び一般式(12)のMは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基である。Xはアニオンを表す。
【0077】
一般式(9)において、V3は(環が直接結合している場合にはV3はない)2価の連結基で、アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。
【0078】
一般式(10)において、V4は2価の基を表しアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。
【0079】
一般式(12)において、DはNと共に環状構造を形成する炭素数1〜12の不飽和5員環あるいは6員環を主体とする異項環を表し、また炭素数1〜12の飽和5員環あるいは6員環を主体とする異項環を表す。Mは炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。
【0080】
上記一般式(2)及び一般式(3)において、Q5は下記一般式(13)、一般式(14)、一般式(15)及び一般式(16)で示されるアイオネンポリマー鎖である。
【0081】
【化9】
【0082】
ここで一般式(13)において、Z9及びZ10は炭素数1〜7のアルキレン基あるいはアルケニレン基を表し、R20及びR21は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表す。Z9、Z10、R20及びR21はアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有してもよい。またR20及びR21は連結して環を形成してもよい。W5は2価の基を表す。Xはアニオンを表し、n13は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
【0083】
また一般式(14)においてZ11及びZ12は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z22及びZ23が芳香環を形成するときは、R22及びR23は必要としない。Z11及びZ12が飽和環を形成するときは、R22及びR23は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V5及びW6は2価の基を表し、V5は(上記環が直接結合している場合にはV5はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n14は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
【0084】
一般式(15)において、R24及びR25は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V6及びW7は2価の基を表し、V6はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n15は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
【0085】
一般式(16)において、R26及びR27は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W8は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n16は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
W5、W6、W7及びW8は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。本発明の一般式(2)のQ5はアイオネンポリマーの連鎖であり、またQ6はQ5をも含む3価以上の架橋構造の連結基、又は第4級アンモニウム基を有する3価以上の架橋構造の連結基で、概念的に示すと下記のごとくである。
【0086】
【化10】
【0087】
ここで、Yは一般式(3)のYと同じで、3官能以上の連結基であり、Iは一般式(13)乃至一般式(16)で示されるアイオネンポリマーであり、R28及びR29は炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基であり、アルキル基またはヒドロキシアルキル基の置換基を有していてもよい。
【0088】
次ぎに、上記カチオン性導電性ポリマーの合成法の概略を説明する。
【0089】
本発明の一般式(I)乃至一般式(V)の合成法について述べる。
【0090】
(a)一般式(I)乃至一般式(IV)については、2個の第3級アミンを有する化合物と二個のアルキル化剤又はアラルキル化剤を有する化合物とを4級化しながら重合してアイオネンポリマーとする方法が用いられる。
【0091】
(b)一般式(IV)については、第2級アミン化合物と2価のアルキル化剤またはアラルキル化剤とを予め反応させて2価の第3級アミン化合物とし、これと更に2価のアルキル化剤またはアラルキル化剤とを4級化反応させてアイオネンポリマーとする方法が用いられる。
【0092】
(c)一般式(V)については、第3級アミノ基と4級化反応し得る下記一般式(XV)のエチレン性反応性不飽和モノマーと必要に応じて他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合した後、第3級アミン化合物(アイオネンポリマーも含む)を反応させて4級化する方法が用いられる。なお、第3級アミン化合物が2個以上の窒素原子を持っている場合には、反応しなかった他の末端の第3級アミンに対しては前記アルキル化剤、又はアラルキル化剤で4級化し、安定化する。
一般式(XV)
CH2=CR−L−G
ここでRは水素原子またはメチル基、Lは2価の連結基、Gは第3級アミノ基と反応し得る基である。
【0093】
(d)また、一般式(V)については、第3級アミン化合物と4級化反応し得る上記一般式(XV)のエチレン性反応性不飽和モノマーと第3級アミン化合物(アイオネンポリマーを含む)とを下記一般式(XVI)で表される予め反応させた第4級アンモニウム基を有するエチレン性不飽和モノマーを重合する方法も用いられる。
【0094】
一般式(XVI)
CH2=CR−L−Q+nX−n
ここで、Rは水素原子またはメチル基、Lは2価の連結基、Q+nは1つ以上の第4級アンモニウム基を含む1価の連結基で、一般式(V)のQ1又はQ2を示しており、X−nはそれらのアンモニウム基と対をなす前記と同じアニオンである。
【0095】
また、一般式(1)の合成法としては下記の如くである。
【0096】
(イ)エチレン性反応性不飽和モノマーを重合後、第3級アミンを反応4級化する方法が用いられる。上記(b)と同様な方法で、第3級アミノ基と4級化反応し得る下記一般式(17)のエチレン性反応性不飽和モノマーと必要に応じて他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを重合した後、第3級アミン化合物(アイオネンポリマーも含む)を反応させて4級化する方法である。なお、第3級アミン化合物が2個以上の窒素原子を持っている場合には、反応しなかった他の末端の第3級アミンに対しては前記アルキル化剤、又はアラルキル化剤で4級化し、安定化する。
一般式(17)
CH2=CR−L−G
ここでRは水素原子またはメチル基、Lは2価の連結基、Gは第3級アミノ基と反応し得る基である。
【0097】
(ロ)4級化アンモニウム基を有するエチレン性不飽和モノマーを先に合成し、後に重合する方法も用いられる。これは上記(c)と同様な方法で、第3級アミノ基と4級化反応し得る上記一般式(17)のエチレン性反応性不飽和モノマーと第3級アミン化合物(アイオネンポリマーを含む)とを下記一般式(18)又は下記一般式(19)で表される予め反応させた第4級アンモニウム基を有するエチレン性不飽和モノマーを重合する方法である。反応しなかった他の末端の第3級アミンに対して前記アルキル化剤、又はアラルキル化剤で4級化し、安定化する。
【0098】
一般式(18)
CH2=CR−L−Q+nX−n
または
一般式(19)
CH2=CR−L−Q′+nX−n−L−CR=CH2
(ここで、Rは水素原子またはメチル基、Lは2価の連結基、Q+nは1つ以上第4級アンモニウム基を含む1価の連結基で、一般式(1)のQ4を示しており、Q′+nは1つ以上の第4級アンモニウム基を含む2価の連結基で、一般式(1)のQ3を示しており、X−nはそれらのアンモニウム基と対をなす前記と同じアニオンである)。
【0099】
(ハ)アイオネンポリマーを持つエチレン性不飽和モノマーを合成し、後に重合する方法もある。これは上記(a)で述べたアイオネンポリマーを先に合成し、このアイオネンポリマーと上記一般式(17)のモノマーとを4級化反応させて、下記一般式(20)のアイオネンポリマーの片末端が結合したエチレン性不飽和モノマーを、又は下記一般式(21)のアイオネンポリマーの両末端に結合した架橋型エチレン性不飽和モノマーを先に合成して、後に重合させる方法である。下記一般式(20)のモノマーは残りのアミン末端をアルキル化剤あるいはアラルキル化剤で4級化する。
【0100】
一般式(20)
CH2=CR1−L−(Q)n +nX−n
一般式(21)
CH2=CR1−L−(Q)n +nX−n−L−CR1=CH2
ここで、(Q)n +nX−nはアイオネンポリマーを示し、一般式(1)のQ1又はQ2を示しており、X−nはそれらのアンモニウム基と対をなす前記と同じアニオンである。
【0101】
なお、上記一般式(18)及び上記一般式(20)において、4級化アンモニウム、またはアイオネンポリマーの一方のN末端に4級化したアルキル化剤のアルキル基あるいはアラルキル化剤のアラルキル基については省略してある。
【0102】
一般式(2)又は一般式(3)の合成法については下記の如くである。
【0103】
(ニ)まず、4級化反応のみにより架橋型アイオネンポリマーを作る方法があり、これは第3級アミンの窒素原子を少なくとも2個有するアミン化合物と、アルキル化又はアラルキル化反応基を2個有する化合物と、及び第3級アミンの窒素原子を3個以上有するアミン化合物又はアルキル化あるいはアラルキル化反応基を3個以上有する化合物とを混合して4級化重合反応することにより、直鎖部分及び架橋構造部分とを持つ架橋型アイオネンポリマーを作る方法である。
【0104】
(ホ)また、同様に4級化反応により架橋型アイオネンポリマーを作る方法もある。これは、予め、第3級アミンの窒素原子を3個以上有するアミン化合物及び過剰のアルキル化又はアラルキル化反応基を2個有する化合物とを反応させて得られた3価の化合物と、第3級アミンの窒素原子を2個有するアミン化合物とを混合して4級化反応により連鎖部分及び架橋構造部分を持つ架橋型アイオネンポリマーを作る方法と、別の方法として、アルキル化又はアラルキル化反応基を3個以上有する化合物及び第3級アミンの窒素原子を2個有するアミン化合物とを反応させて得られた3価の化合物及びアルキル化又はアラルキル化反応基を2個有する化合物とを混合して4級化重合反応により、直鎖部分及び架橋構造部分とをもつ架橋型アイオネンポリマーを作る方法とがある。
【0105】
本発明を更に詳しく説明する。
【0106】
本発明の上記一般式(I)、一般式(VI)、一般式(X)、一般式(4)、一般式(8)及び一般式(13)で示されるアイオネンポリマーを構成するモノマー単位としての第3級アミンの窒素原子を2個有する環状アミン化合物としては、ピペラジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンとも呼ぶが、本発明ではトリエチレンジアミンを用いる)、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、イミダゾリン等が挙げられ、好ましいものとしてピペラジン、トリエチレンジアミン等であり、最も好ましいものとしてはトリエチレンジアミンである。なお、ここでは、環状アミンの環の骨格のみを表示し、置換基及び置換化合物については省略した(以下同様である)。
【0107】
本発明の上記一般式(II)、一般式(VII)、一般式(XI)、一般式(5)、一般式(9)及び一般式(14)で示されるアイオネンポリマーを構成するモノマー単位としての第3級アミンの窒素原子を少なくとも2個有する環状アミン化合物としては、4,4′−ビピリジン、4,4′−トリメチレンジピリジン、4,4′−ビピロール、4,4′−ビピペリジン、3,3′−ビピロリジン等を挙げることが出来る。
【0108】
本発明の上記一般式(III)、一般式(VIII)、一般式(XII)、一般式(XIII)、一般式(6)、一般式(10)、一般式(11)及び一般式(15)で示されるアイオネンポリマーを構成する骨格構造としては、エチレンンジアミン、プロピレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−ジアミノメチルフェニレン等を挙げることが出来る。これらのなかで、p−ジアミノメチルフェニレン又はエチレンジアミンが好ましい。
【0109】
本発明の上記一般式(IV)、一般式(IX)、一般式(7)及び一般式(16)で示されるアイオネンポリマーを構成する骨格構造としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン等を挙げることが出来、中でもジメチルアミン及びジエチルアミンが好ましい。
【0110】
上記一般式(XIV)で示される環状アミン化合物としては、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、キヌクリジンとうを挙げることが出来る。これらの中で、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、キヌクリジンが好ましい。
【0111】
上記アミン化合物については、これらに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0112】
前記一般式(1)において、Aはエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する共重合可能なモノマー単位を表し、例としてジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、またはテトラメチレンジメタクリレート等が挙げられ、このうちジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
【0113】
一般式(1)及び一般式(V)において、Bは共重合可能なエチレン性不飽和基を有する共重合可能なモノマー単位を表し、例としてエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、脂肪酸族のモノエチレン性不飽和エステル(例えば酢酸ビニル、酢酸アリル)、エチレン性不飽和のモノカルボン酸エステル(例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリロニトリル等が挙げられ、このうちスチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレートなどが特に好ましい。Bは上記モノマー単位を2種以上含んでいてもよい。
【0114】
本発明の上記一般式中のXのアニオンについては、塩素イオン、臭素イオンの如きハロゲンイオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンの如きアルキル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンの如きアルキルあるいはアリールスルホン酸イオンなどがあり、いずれも本発明については好ましいものである。
【0115】
上記一般式中のWで表される2価の連結基を形成する化合物としては、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、m−及び/あるいはp−キシレンジクロライド(あるいはp−ジクロロメチルベンゼン)、m−及び/あるいはp−キシレンジブロマイド(あるいはp−ジブロモメチルベンゼン)等が好ましい。
【0116】
上記一般式(V)のQ1とQ2、又は一般式(1)のQ2及びQ4の末端のMとしてはメチル基、エチル基、ベンジル基、シクロヘキシルメチル基、トシル基などが好ましい。
【0117】
前記一般式(2)の例示及び(3)の3価以上の架橋単位の化合物Yは3個以上のアルキル化反応基を有する化合物、又は3個以上の第3級アミノ基を有する化合物である。アルキル化剤又はアラルキル化剤としては例えば、トリクロロメチルアルカン、トリクロロメチルベンゼンなどを挙げることが出来、中でも1,3,5−トリクロロメチルベンゼンあるいは1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラクロロメチルメタン等が好ましい。また、上記第3級アミン基を有する化合物としては例えば、N,N′,N″−ジ置換−1,2,4−ブタントリアミン、N,N′,N″−置換トリヒドロトリアジン等を挙げることが出来るが、アルキル化剤の方が使用しやすく本発明には好ましい。
【0118】
本発明のアイオネンポリマーとはポリマーの主鎖に窒素原子が組み込まれている第4級アンモニウム塩を持つ原子群単位が繰り返し構造をなしているポリマーをいう。
【0119】
本発明の一般式(V)のyは0〜90モル%であるが、好ましくは0〜50モル%であり、qは0〜99モル%であるが、好ましくは20〜99モル%であり、sは0〜50モル%であるが、好ましくは0〜10モル%である。
【0120】
また、一般式(1)のxは0〜80モル%であるが、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であり、yは0〜90モル%であるが、好ましくは0〜50モル%であり、pは0〜100モル%であるが、好ましくは20〜100モル%であり、qは0〜99モル%であるが、好ましくは20〜99モル%であり、rは0〜100モル%であるが、好ましくは20〜100モル%であり、sは0〜50モル%であるが、好ましくは0〜10モル%である。
【0121】
本発明の前記一般式(V)及び一般式(1)で示されるエチレン性不飽和モノマーの重合は溶液重合、懸濁重合、乳化重合等いずれの重合法でも行えるが、乳化重合が好ましい。
【0122】
本発明に適した乳化重合に用いられる界面活性剤は、アニオン界面活性剤(例えばローム&ハウス社からトリトン770の名で市販されているもの)、カチオン界面活性剤(例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ノニオン界面活性剤(例えばポリビニルアルコール)の中から選ばれる。
【0123】
本発明に適した乳化重合の開始剤としては、過硫酸カリ、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等があり、好ましくは過硫酸カリあるいはアンモニウムと例えば亜硫酸水素カリウムとを併用して行ういわゆるレドックス重合を行うのがよい。
【0124】
乳化重合温度は50〜100℃で行う事ができるが、80〜100℃で行った方が、好ましい重合体分散物を得ることができる。
【0125】
また、前記4級化反応温度は、−10℃ないし約100℃の温度で行われるが、0〜80℃、特に40〜70℃が好ましい。
【0126】
4級化されているエチレン性不飽和モノマーを乳化共重合する場合には加熱した水中に、モノマー溶液(モノマー同志が溶け合わない時は、水、アルコール、アセトン、等の補助溶媒を用いる)及び重合開始剤を同時に添加することを特徴とする方法である。
【0127】
前記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)、一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表される本発明のカチオン性導電性ポリマーの具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
【0128】
【化11】
【0129】
【化12】
【0130】
【化13】
【0131】
【化14】
【0132】
【化15】
【0133】
【化16】
【0134】
【化17】
【0135】
【化18】
【0136】
【化19】
【0137】
【化20】
【0138】
【化21】
【0139】
本発明の前記のアイオネンポリマーの繰り返し単位の個数(上記具体例のnの数)は2〜200であり、導電性の面からは3〜100が好ましく、重合のし易さからは6〜80が特に好ましい。
【0140】
本発明の架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、得られる分散性粒状ポリマーにあり、粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることができるため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、粒子同志も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず、塗布後造膜過程において粒子同志の接着性もよいため膜強度も強く、また他の物質例えば支持体にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れている。
【0141】
本発明で用いる“分散性粒状性ポリマー”の語は、視覚的観察によって透明またはわずかに濁った溶液に見えるが、電子顕微鏡の下では粒状分散物として見えるポリマーである。
【0142】
本発明の架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約0.01μm〜0.02μmの粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0.05μm〜0.08μmの範囲の粒子サイズが用いられる。
【0143】
本発明の一般式(1)のポリマーの使用量は使用する形態によって異なるが、偏光板用保護フィルム1m2当たり固形分にして0.01から2.0gであり、好ましくは0.03から1.0gである。
【0144】
本発明の前記一般式(I)乃至一般式(V)で示されるアイオネンポリマーは前記したごとく疎水性バインダーと共に用いられる。本発明の疎水性バインダーとは見ずによりそのバインダーが溶解したり、膨潤したりしないものである。本発明に有効な疎水性バインダーとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、又はセルロースナイトレート等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、又はコポリブチレン−テレ/イソフタレート等のポリエステル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、又はポリビニルベンザール等のポリビニルアルコール誘導体、ノルボルネン化合物を含有するノルボルネン系ポリマー等を用いることが出来る。また本発明の疎水性バインダーは上記の中から選らばれるのがよく、特に加工性、相溶性などからセルロース誘導体が好ましい。本発明のアイオネン導電性ポリマーと疎水性バインダーとの比率は90:10〜10:90で使用出来、導電性、紫外線硬化性樹脂組成物の塗布性の点から、70:30〜30:〜70が好ましい。特に40:60〜60:40が好ましい。
【0145】
架橋型カチオン導電性ポリマーの場合には特に疎水性バインダーを混合する必要はないが、混合しても差し支えない。
【0146】
本発明のアイオネン導電性ポリマーと疎水性バインダーを透明なプラスチックフィルムに帯電防止層として塗設する場合、塗布液として使用できる有機溶剤としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸アミル、酪酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、グリセリン、ニトロメタン、等をあげることが出来るが、特にメタノール、エタノール、アセトン等が好ましい。また適度の上記のうちの高沸点溶媒を混合して用いるのが好ましい。
【0147】
架橋型カチオン導電性ポリマー組成物を塗布する場合の塗布溶媒としては、上記の有機溶媒が都合よく用いることが出来る。また、分散の状態によっては若干の水を混合させることもある。
【0148】
本発明の上記帯電防止層塗布液を塗布する方法は、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤバーコート、リバースコート、カーテンコートあるいは米国特許2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等により塗布することが出来る。
【0149】
本発明の帯電防止層の導電性のメジャーである表面比抵抗値の本発明に有用な値は1011Ω/cm(20℃,30%RH)以下が好ましく、1010Ω/cm以下が特に好ましい。表面比抵抗値が1012Ω/cm以上であるとゴミの付着や種々の静電気による障害が起こり易く好ましくない。
【0150】
本発明の帯電防止層を形成させる場合、層の中にマット剤、界面活性剤、可塑剤、滑り剤、高沸点溶剤等の添加物を含有させても良く、この層の帯電防止機能を、また帯電防止層のための物理的機能を更にたかめることが出来る。
【0151】
次に合成例を具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0152】
合成例1
[IP−13]コポリマー〔N−ビニルベンジル−N′−メチル−トリエチレンジアンモニウム−N−クロライド−N′−p−トルエンスルホネート−コ−ジビニルベンゼン〕の合成:
1)化合物(1)(トリエチレンジアミンの片方のNのp−クロロメチルスチレンによる4級化モノマー)の合成:
トリエチレンジアミン94.8g(0.84モル)をアセトン500mlに溶かしたものを1l三つ口フラスコに入れ、40℃に加熱撹拌した。この溶液にp−クロロメチルスチレン64g(0.42モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間加熱還流し、冷却した後、析出した結晶を濾過して、トリエチレンジアミンのハーフクロロメチルスチレン4級化モノマー83.9gを得た。
【0153】
2)化合物(2)(化合物(1)の他方のNへのp−トルエンスルホン酸メチルによる4級化モノマー)の合成:
1l三つ口フラスコ中に化合物(1)66.2g(0.25モル)をいれ、アセトン500mlを加えて、懸濁液としたものを50℃に加熱撹拌した。この懸濁液にp−トルエンスルホン酸メチル55.9g(0.3モル)を加えた。3時間加熱還流し、均一となった溶液を室温まで冷却し、析出した結晶を吸引濾過して、化合物(2)72.4gを得た。
【0154】
3)重合分散物[IP−13]コポリマー〔N−ビニルベンジル−N′−メチル−トリエチレンジアンモニウム−N−クロライド−N′−p−トルエンスルホネート−コ−ジビニルベンゼン〕の合成:
撹拌装置、還流冷却器、窒素吹き込み管、水銀温度計及び2本の滴下ロートを装着した、1l四つ口フラスコに、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの繰り返し単位の平均数=40)1.1g、蒸留水300mlを入れ、窒素気流下、内温95℃に加熱撹拌した。重合開始剤として、2,2′ーアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド0.2gを蒸留水20mlに溶解したもの、及びジビニルベンゼン3.95g(0.03モル)、上記化合物(2)のモノマー30.5g(0.07モル)をエタノール15mlに溶解したものを同時に滴下して、重合を開始した。両者とも、1時間で全量の滴下を終了した後、同じ重合開始剤0.05gを蒸留水5mlに溶解したものを加え、95℃で更に1時間30分撹拌を続けた。その後、室温まで冷却し、固形分9.9%の重合体分散物を得た。更に、この重合体のメタノール分散物を得るために、水分散物の8倍のアセトン中に、撹拌しながら、水分散物を加え、沈殿させた後、吸引濾過により、沈殿物を取り出し、メタノールに再分散させて重合分散物を得、このものを[IP−13]とした。
【0155】
合成例2
[IP−14]コポリマー〔N−ビニルベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド−コ−エチレングリコールジメタクリレート〕の合成
4)コポリマー〔クロロメチルスチレン−コ−エチレングリコールジメタクリレート〕化合物(3)の合成:
反応器に70gのナトリウムラウリルサルフェート及び10gのカリウムパーサルフェートを200mlの水に溶かした溶液をいれた。この溶液を室温の下で窒素により30分間フラッシュした。別に2つの添加容器を用意した。1つは1420gのm−及びp−クロロメチルスチレンと139.5gのエチレングリコールジメタクリレートとの混合物を含むものであり、もう1つは500mlの水中に3.33gのナトリウムビサルファイトと7.5gのナトリウムラウリルサルフェートを含む溶液である。両添加容器の内容物を同時に一滴づつ反応器に添加した。この反応容器内は窒素雰囲気とし60℃で撹拌を行い、これを2時間続けた。出来たポリマーラテックスを冷却し、濾過し、5lの水で希釈し、そのpHを1Nの水酸化ナトリウム溶液で7に調節して、化合物(3)とした。
【0156】
5)化合物(3)コポリマーの4級化:
次に化合物(3)を5℃に冷却し、トリメチルアミンの25%水溶液2410gを添加した。このラテックスを室温で1時間撹拌し、ついで60℃で一夜撹拌した。次いでこの反応液を室温に冷却し、ゆるやかに撹拌しながらその5倍容積のアセトンに添加した。固体の粒状コポリマーが下に沈んだ。アセトンはデカンテーションで排出した。更に2回追加量のアセトンを撹拌しながら5分間にわたりアセトン溶液に添加し、粒状コポリマーを更に沈殿させた。次いでコポリマーを濾過で回収し、再び1容のアセトンに分散させ、再度濾過して回収した。このコポリマーを次にゆるやかに撹拌したメタノール中に再分散させ、17%固形分を得た。
【0157】
合成例3
[IP−15]コポリマー〔トリエチレンジアンモニウム−ビス−N,N′−ジ−p−メチルスチレン−ジクロライド−コ−n−ブチルアクリレート〕の合成:6)コポリマー〔p−クロロメチルスチレン−コ−n−ブチルアクリレート〕化合物(4)の重合:
撹拌装置、冷却管、温度計、窒素ガス導入管それぞれのついた500mlの4つ口フラスコに、ナトリウムラウリルサルフェート7.0gと過硫酸カリウムを窒素ガスで脱気した蒸留水20mlに溶解していれた。窒素気流下、別に用意した142.0g(0.93モル)のm−及びp−クロロメチルスチレン、9.0g(0.07モル)のn−ブチルアクリレートとの混合液と、0.33gのナトリウムビサルファイトと0.75gのナトリウムラウリルサルフェートを50mlの蒸留水に溶解したものとを窒素気流下60℃に加熱撹拌しながら、同時に1滴ずつ2時間で滴下した。滴下終了後さらに2時間加熱撹拌を行った。生成したラテックスに蒸留水500mlを加え希釈し、濾過し、1Nの水酸化ナトリウム溶液でpHを7に調整し、化合物(4)とした。
【0158】
7)トリエチレンジアミンによる4級化と架橋:
化合物(4)を5℃まで冷却してから、トリエチレンジアミン67.2g(0.6モル)を水200mlに溶解した液を添加し、室温で1時間撹拌した。次いで60℃に加熱し8時間撹拌を行った。反応終了後室温まで冷却し、この反応液を5倍量のアセトンに緩やかに撹拌しながら添加した。析出したポリマーを濾過で取り出し、さらに3回、同量のアセトンで洗浄した。ついでポリマーを濾過で取り出し、緩やかに撹拌したメタノール中に再分散させ、10%の固形分の分散液を得た。
【0159】
合成例4
[IP−12]アイオネンポリマーを挟んで結合した架橋型ビニルコポリマーの合成:
8)アイオネンポリマー[IP−1]の重合:
p−キシレンジクロライド210g(1.2モル)をアセトン500gに溶解して反応容器に入れた。これにトリエチレンジアミン180g(1.6モル)をアセトニトリル300gに溶解した液を3時間かけて室温で滴下した。滴下後3時間撹拌を続けた後、生成した白色沈殿物を濾過し、アセトン120gで洗浄し、さらに800gの水に溶解し、50℃で20時間撹拌した。反応生成物を5倍量のアセトンにあけ、析出した白色の沈殿物を濾過して、乾燥させた。収量は310gであった。この化合物を[IP−1]とする。
【0160】
9)アイオネンポリマーが結合した架橋型モノマーの合成:
60mlを5℃まで冷却してから、▲8▼の[IP−1]のアイオネンポリマー310gを水800mlに溶解した液を5℃に冷却し、これにp−クロロメチルスチレン23g(0.15モル)をゆっくり3時間掛けて滴下し、室温で3時間撹拌した。次いで60℃に加熱し、8時間撹拌を行った。反応終了後まで冷却し、5倍量のアセトンに緩やかに撹拌しながら添加した。析出したポリマーを濾過して取り出し、さらに3回、同量のアセトンで洗浄した。次いでポリマーを濾過して取り出し、緩やかに撹拌したメタノール中に再分散させ、10%の固形分の分散物(化合物5)を得た。この化合物(5)は架橋型のモノマー単位とアイオネンがペンダント型になっているモノマー単位とが50/50(モル比)になっている混合物であった。
【0161】
10)ペダント型のアイオネンポリマーの末端第3級アミンのベンジルクロライドによる4級化封鎖:
化合物(5)に窒素ガスを通しながら60℃に加熱し、これにベンジルクロライド6.4g(0.05モル)gをアセトン100mlに溶解した溶液を1時間掛けて滴下して反応させた。更に3時間撹拌して反応を継続した。沈殿物を濾過し、2倍容量のアセトンで2回洗浄し濾過して白色粉末固体の化合物(6)を350g得た。
【0162】
11)アイオネンポリマーを挟んで結合した架橋型ビニルコポリマーの合成:
撹拌装置、還流冷却器、窒素吹き込み管、水銀温度計及び2本の滴下ロートを装着した、2l四つ口フラスコに、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの繰り返し単位の平均数=40)1.1g、蒸留水300mlを入れ、窒素気流下、内温95℃に加熱撹拌した。重合開始剤として、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド0.2gを蒸留水20mlに溶解したもの、及び化合物(6)210g(0.02モル)をエタノール500mlに溶解したものを同時に滴下して、重合を開始した。両者とも、1時間で全量の滴下を終了した後、同じ重合開始剤0.05gを蒸留水5mlに溶解したものを加え、95℃で更に1時間30分撹拌を続けた。その後、室温まで冷却し、固形分9.9%の重合体分散物を得た。更に、この重合体のメタノール分散物を得るために、水分散物の8倍のアセトン中に、撹拌しながら、水分散物を加え、沈殿させた後、吸引濾過により、沈殿物を取り出し、メタノールに再分散させて重合分散物を得、このものを[IP−12]とした。
【0163】
合成例5
[IP−19]アイオネン架橋ポリマーの合成:
12)化合物(7)の合成:
【0164】
【化22】
【0165】
1,3,5−トリクロロメチルベンゼン44.8(0.2モル)をアセトン200mlに加えて50℃に保ち、これにトリエチレンジアミン134.4g(アセトニトリル250mlに溶解した溶液を滴下し、4時間反応した。このものに、2倍容量のアセトンを加えて沈殿させ、濾過し、400mlのアセトンで2回洗浄し化合物(7)を89.6g得た。
【0166】
13)[IP−19]アイオネン架橋ポリマーの合成
化合物(7)9g(0.0265モル)をアセトニトリル200mlに溶かし、この反応溶液を5℃に保ち、p−キシレンジクロライド236.5g(1.35モル)をアセトン450mlに溶解した溶液の滴下を開始し、続いてトリエチレンジアミン148.4g(1.325モル)をアセトニトリル200gに溶解した溶液を滴下し始め、共に3時間掛けて滴下を終了し、次に60℃で5時間反応を続行した。白色の沈殿物が得られ、大量のアセトンを反応液に注ぎ、濾過し、数回アセトンで洗浄し、乾燥して白色固体粉末[IP−19]305gを得た。このものは水には膨潤はするものの溶解はしなかった。
【0167】
合成例6
[IP−21]の合成
1,3,5−トリクロロメチルベンゼン6g(0.0265モル)とp−キシレンジクロライド227.8g(1.3モル)を1lのアセトンに加え60℃に加熱して、これにトリエチレンジアミン148.4g(1.325モル)をアセトニトリル350mlに溶かした溶液を4時間掛けて滴下反応させ、更に4時間反応を続行した。白色の沈殿物が得られ、大量のアセトンを反応液に注ぎ、濾過し、数回汗とで洗浄し、乾燥して白色固体粉末[IP−21]を290g得た。
【0168】
上記合成法に記載のない前記例示化合物については、上記化合物の合成法と同様に作ることが出来る。また、上記合成法に限定されるものではない。
【0169】
本発明の共重合体分散物はラテックス重合によって合成された場合には水分散物として安定に粒子として存在するが、未反応物等の夾雑物を除去するためにアセトンにて洗浄し、メタノールで再分散したメタノール分散の方が共重合体がより安定に存在し、工業的に容易に取り扱いできるばかりか支持体への塗布等が容易に行えるようになる。しかし水分散液として利用したい場合には、上記メタノール分散液のメタノールを少なくして水を多量に加えることによって水系の分散液として用いることができる。メタノールの他に使用できる溶剤としては例えばエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルフォルムアミド、フォルムアミド、ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられ、特にメタノール、エタノールが好ましい。また希釈溶剤としては例えばアセトン、メチルエチルケトン酢酸エチル等が用いられるが、特にアセトンがこの中では好ましい。
【0170】
なお、比較化合物として、下記HP−1、HP−2、HP−3及びK−1を用いて後述の如く比較例とした。HP−1はスチレンスルホン酸と無水マレイン酸とを定法により共重合して得られ、HP−2及びHP−3の4級化は上記合成法の方法をもちいることによって得られる。K−1はカチオン界面活性剤の定法の合成法により容易に得られる。
【0171】
【化23】
【0172】
[紫外線硬化性樹脂組成物]
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の紫外線硬化性樹脂は紫外線を照射することにより硬化皮膜層を形成する紫外線硬化性物質であれば特に限定されるものではない。上記の紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0173】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号)。
【0174】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号)。
【0175】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0176】
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラムモノサルファイド、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。
【0177】
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物に用いられる光反応開始剤又光増感剤は該組成物100重量部に対して0.1〜15重量部であり、好ましくは1〜10重量部である。
【0178】
本発明の紫外線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cm2である。近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。
【0179】
本発明の硬化皮膜層に、液晶表示装置パネルの表面に防眩性を与えるために、また他の物質との対密着性を防ぐ性質を与えるために、対擦り傷性等のために無機あるいは有機のマット剤を加えるのがよい。例えば、無機粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙げることが出来、また有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることが出来る。これらの粒子粉末の平均粒径としては、0.01μm〜10μm出あり、紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割合は、樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部となるように配合することが望ましい。防眩効果を付与するには、平均粒径1〜10μm、樹脂組成物100重量部に対して1〜15重量部が好適である。単なるブロッキング防止性付与のためには、平均粒径0.01μm〜5μm,樹脂組成物100重量部に対して0.1〜5重量部が好適である。
【0180】
本発明は、本発明の帯電防止層の上に、該紫外線硬化性樹脂組成物を塗布するものであるが、紫外線硬化性樹脂組成物に希釈剤として有機溶媒を用いることが出来る。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンジメタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酪酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサン、ヘキサン、ジメチルフォルムアミド、ホルムアミド、アセトニトリル、アセトアミド等を挙げることが出来る。上記有機溶剤は紫外線照射前後に蒸発させるために、乾燥工程を必要とするが、下記の如き反応性希釈剤(重合性溶媒)は、硬化後、紫外線硬化性樹脂と共に樹脂内に固形分として留まるため、乾燥工程は不要になり好ましい。例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来、後者の不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーの方が一つのものより、好ましい。希釈の場合は紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の中の固形分濃度は10〜95重量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。もちろん、紫外線硬化性樹脂組成物を希釈しないでそのまま塗布してもよい。
【0181】
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーターとう公知の方法を用いることが出来る。塗布量は0.1〜30μmが適当で、好ましくは、0.5〜15μmである。
【0182】
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は塗布された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。
【0183】
本発明の偏光板保護フィルム及び偏光板を装着した液晶パネルはパソコンやワープロのように室内で使用されるものばかりではなく、カーナビゲーターのように真夏の車内に放置される場合もあり、偏光板保護フィルムに耐光性や耐熱性が要求されることがある。そこで、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層に紫外線を照射し硬化させた硬化皮膜層の耐光性を高めるために、紫外線硬化性樹脂組成物の光硬化を妨げない程度に紫外線吸収剤を紫外線硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。紫外線吸収剤としては、前記透明なプラスチックフィルムに含有させてもよい紫外線吸収剤と同様なものを用いることが出来る。
【0184】
また硬化された層の耐熱性を高めるために、酸化防止剤を光硬化反応を抑制しないようなものを選んで用いることが出来る。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体、等を挙げることが出来る。具体的には、例えば、4,4′−チオビス(6−t−3−メチルフェノール)、4,4′−ビチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレ−ト、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロオキシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスフェート等を挙げることが出来る。
【0185】
[易接着層]
上記硬化皮膜層の反対側に偏光素子フィルムと接着するを容易ならしめるための易接着層を設けるのが好ましい。本発明の易接着層は1層でも2層以上であってもよい。
【0186】
本発明の易接着層は親水性ポリマーを有する層であって、該親水性ポリマーとしては、下記一般式で示されるカルボキシ基を有する親水性ポリマーの他に、セルロースメチルエーテル、カルボキシメチルセルロースあるいはヒドロキシエチルセルロース等の親水性セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニルの部分加水分解物、ポリビニルアルコールの部分ホルマール化物あるいはポリビニルアルコールの部分ベンザール化物等のポリビニルアルコール誘導体、ゼラチン、カゼインあるいはアラビアゴム等の天然の加工ポリマー、又はスルホン酸含有のポリエステル誘導体などを挙げることが出来るが、下記一般式(22)及び(23)で示されるカルボキシ基を有する親水性ポリマーが好ましい。
【0187】
【化24】
【0188】
ここで、一般式(22)及び一般式(23)において、Bは前記一般式(V)及び一般式(1)のBと同様であり、不飽和二重結合を有する単量体単位を表し、βは水素原子、−COOM、あるいは−CO−R20を表し、w=0の時βは水素原子を表し、Mは水素原子又はカチオンを表し、R20は−OR′あるいは−NR′R″を表し、R′は置換あるいは非置換のアルキル基、置換あるいは非置換のアルキルオキシアルキル基、置換あるいは非置換のアラルキル基、置換あるいは非置換のアリール基、異項環残基あるいはR″と共同して異項環を形成するに必要な非金属原子を表し、R″は水素原子、アルキル基、あるいはR′と共同して異項環を形成するに必要な非金属原子を表し、R21及びR22は水素原子あるいはメチル基を表し、γは−COO−あるいは−OCO−を表し、R23はハロゲノアルキル基あるいはハロゲノアルキルオキシアルキル基を表す。g、h、i、j、k、u及びwはそれぞれ各単量体単位のモル%を示す値であって
gは0〜60モル%であり
hは0〜100モル%であり
iは0〜100モル%であり
jは0〜100モル%であり
kは0〜60モル%であり
uは0〜100モル%であり
wは0〜100モル%であり
g+h+i+j=100であり
k+u+w=100である。
【0189】
上記一般式(22)のR′及び一般式(23)のβの中のR′のアルキル基及びアルキルオキシアルキル基としては炭素数1〜24のものが好ましく、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基等のアルキル基のいずれでもよく、置換基を有していてもよく、この置換基としては、ヒドロキシ基、ヒドロキシカルボニル基、カチオンを有するオキシカルボニル基、ハロゲン原子等で、フッ素、塩素、臭素等ハロゲン原子が置換されたアルキル基あるいはアルキルオキシアルキル基の場合、特にフッ素が好ましく、このとき炭素数2〜18のハロゲノアルキル基、ハロゲノアルキルオキシアルキル基またはハロゲノシクロアルキル基が好ましく、このときハロゲンの数は好ましくは1〜37である。以上一般式(22)のR20中の−OR′のR′、一般式(23)のβ中の−CO−R′のR′が一般式(23)のR23と同様にハロゲノアルキル基及びハロゲノアルキルオキシアルキル基の場合もあり、これらのハロゲノアルキル基及びハロゲノアルキルオキシアルキル基は下記一般式(24)で示される。
【0190】
【化25】
【0191】
ここで、一般式(24)において、R24、R25、R26、R27及びR28は水素原子あるいはフッ素原子であるが、全てが水素原子という場合はなく、
p1は0又は1であり
p2が0のときには、p1は2または3であり
p3は1〜17であり
p1+p3は1〜17である。
【0192】
ただし、R24が構造式中で2個以上ある場合には1個が水素で他がフッ素であるように異なる基であってもよく、同様にR25、R26、R27及びR28がそれぞれ構造式中に複数個あるときには、異なる基であってもよい。
【0193】
また、上記R′がフェニル基の如きアリール基、あるいはベンジル基の如きアラルキル基の場合は前述の如く置換基を有していてもよいが、この置換基としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン化炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシカルボニル基、カチオンのオキシカルボニル基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。また、式中のR′の異項環またはR′とR″とで形成する異項環は、酸素、硫黄、または窒素を含む飽和あるいは不飽和の異項環であって、例えば、アジリジン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、オキサジン、モルホリンあるいはチアジン等の異項環から選択される異項環である。また式中のMはアンモニウムイオン、ナトリウムイオンカリウムイオン、リチュウムイオン等のカチオンである。
【0194】
そして、上記一般式で示される−COOM基含有共重合化合物は単独あるいは2種以上併用されてもよい。これらのポリマーの好ましい数平均分子量は約500〜500000程度である。
【0195】
上記一般式(22)及び一般式(23)で表される上記例示化合物は公知の方法で合成することが出来る。すなわち、無水マレイン酸共重合物はごく一般的な重合物であり、これらの誘導体もそれらに適合するアルコールまたはアミン類を無水マレイン酸共重合物に反応させれば簡単に得られ、また無水マレイン酸単量体に適合するアルコール又はアミン類を反応し精製したもののを他のビニル単量体と共重合させても得られる。また、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアルキルオキシアルキル等のアクリレート類は、Journal Polymer Science,15巻、515〜574頁(1955年)あるいは英国特許1,121,357号明細書に記載されている単量体及び重合体の合成法により容易に合成出来る。
【0196】
下記に一般式(22)及び一般式(23)又一般式(24)で示される本発明に有用な親水性ポリマーを例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0197】
【化26】
【0198】
【化27】
【0199】
【化28】
【0200】
前記一般式(22)及び一般式(23)で表される親水性ポリマーの塗布使用量は、10〜1000mg/m2であることが好ましく、更には20〜300mg/m2であることが好ましい。
【0201】
上記親水性ポリマー易接着層組成物の塗布溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルあるいはトルエン、メチレンクロライド、乳酸メチル、乳酸エチル、酪酸メチル、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールものメチルエーテル、ジメチルホルムアミド等が好ましく用いられ、これらを混合して用いるのがより好ましい。
【0202】
親水性ポリマー易接着層組成物中の親水性ポリマーの含量は20g/100l〜1000g/100lであり、好ましくは200g/100l〜700g/100lの範囲である。
【0203】
本発明に有用な易接着層組成物液は前記の塗布方法によって行うことが出来る。塗布後塗布液を乾燥させ、次ぎに偏光素子フィルムとの接着工程のにおいて、気泡が生じる場合があり、残留溶剤を極力少なくなるまでする必要があり、易接着層の残留溶剤は多くとも5重量%以下である。
【0204】
本発明に有用な易接着層組成物液には紫外線吸収剤、滑り剤、マット剤、帯電防止剤、界面活性剤、あるいは架橋剤等を添加してもよい。
【0205】
特に、架橋剤は上記易接着層と延伸された偏光素子フィルムとの接着をより強固にするために、添加することが好ましい。架橋剤としては、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、多価イソシアネート化合物、ミョウバン、ホウ素化合物等が本発明に有用である。本発明の易接着層は連続塗布工程、特にインライン製膜連続塗布工程において設層されることが接着性をより良好ならしめる点で好ましい。
【0206】
[PVA系親水性層]
上記易接着層の上に、必要に応じて、下記PVA系親水性層を設けてもよく、偏光素子フィルムと偏光板保護フィルムとの接着が更に容易になる。このPVA系親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニル部分フォルマール、ポリビニル部分ブチラール等の水溶液系の接着剤が使用出来る。このPVA計親水性層は連続工程、特にインライン製膜連続塗布工程で設層されるのが好ましい。
【0207】
[偏光板]
本発明の偏光板は偏光素子フィルムの両面に帯電防止層及び紫外線による硬化皮膜層のある側を外側にして、上記偏光板用保護フィルムを貼り合わせられたものである。
【0208】
偏光素子フィルムはPVAフィルムをヨウ素及びヨウ素化合物、それに染料を含む水溶液に浸漬して、2〜5倍に一方向に延伸したフィルムである。一般に延伸PVAフィルムは脆く、延伸後は巻き取ることが出来ないため、偏光板の作製には延伸後直ちにその両面に偏光板用保護フィルムを貼り合わせなければならない。従来の貼り合わせる方法は、従来の偏光板用保護フィルムの鹸化処理された面又は延伸PVAフィルム偏光素子フィルムの面の両方又はいずれか一方を水系接着助剤(PVA水溶液とかラテックス)に浸漬あるいは塗布して貼り合わせ、ロール状の圧着部材で圧着し、ロール搬送系で乾燥する方法がとられていた。
【0209】
本発明では易接着層、PVA系親水性層、のために上記方法で接着の強固な偏光板が得られるが、本発明の更なる特徴は、上記接着助剤として単なる水だけで強固な接着の偏光板が得られる。
【0210】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【0211】
[試料の作製]
以下に測定試料の作製について述べる:
(偏光板用保護フィルム1A、1B及び1C)
<断続的塗布試料>
コニカ(株)製の厚さ80μmのTACフィルム(コニカタックKC80UV−S)の片面に下記帯電防止塗布液組成物(1)を20ml/m2となるように塗布し、90℃で10分間乾燥し、帯電防止層(1A)を設け巻き取った。次ぎに、帯電防止層(1)の反対側の面に易接着層塗布液組成物(1)を25ml/m2になるように塗布し、90℃で10分間乾燥し易接着層(1A)を設け巻き取った。更に上記帯電防止層(1A)の上に下記紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(1)を塗布し、90℃で5分乾燥し、更に60W/cm2の高圧水銀灯をフィルムの表面10cmの距離から4秒間組成物を硬化せしめて硬化皮膜層(1A)とした後に巻き取り、偏光板用保護フィルム1Aを作製した。この紫外線硬化性樹脂層の厚さは3μmとした。
【0212】
<連続的塗布試料>
コニカ(株)製の厚さ80μmのTACフィルム(コニカタックKC80UV−S)の片面に下記帯電防止塗布液組成物(1)を20ml/m2となるように塗布し、90℃で1分間乾燥し、帯電防止層(1B)を設け、引き続き反対側の面に易接着層塗布液組成物(1)を25ml/m2になるように塗布し、90℃で1分間乾燥し易接着層(1B)を設け、上記帯電防止層(1B)の上に下記紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(1)を塗布し、90℃で5分乾燥し、更に60W/cm2の高圧水銀灯をフィルムの表面10cmの距離から4秒間組成物を硬化せしめて硬化皮膜層(1B)とした後に巻き取り、偏光板用保護フィルム1Bを作製した。この紫外線硬化性樹脂層の厚さは3μmとした。
【0213】
<インライン塗布試料>
下記TACドープをフィルターを通して濾過し、加圧下加圧ダイスから乾燥膜厚が80μmになるようにエンドレスのステンレスベルト上にキャストし、ベルト上で乾燥させ、ベルトが1周直前に残留溶剤100%のドープ膜をベルトから剥離し、続いてロール搬送系乾燥機で残留溶剤20%のところで下記の帯電防止塗布液組成物(1)を20ml/m2となるように塗布し、1分乾燥し帯電防止層(C1)とした後、続いて反対面に易接着層塗布液組成物(1)を20ml/m2となるように塗布し、1分乾燥して易接着層(C1)とし、更に続いて、下記紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(1)を続いて25ml/m2(乾燥照射後の厚さが3μm)になるように帯電防止層(C1)の上に塗布し、90℃で1分乾燥させ、続いて60W/cm2の高圧水銀灯をフィルムのその表面10cmの距離から4秒間組成物を硬化せして硬化皮膜層(C1)とし、更に乾燥を続けTACフィルムの残留溶剤が3%以下になった所で巻き取り、偏光板用保護フィルム1Cを作製した。
【0214】
《帯電防止塗布液組成物(1)》
《易接着層塗布液組成物(1)》
《紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(1)》
【0215】
《TACドープ》
TAC製膜ドープ(粘稠液)を下記の如く組成で溶解釜を用いて作製した。
【0216】
【0217】
(偏光板用保護フィルム2A、2B及び2Cの作製)
偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cの各塗布液組成物(1)を同(2)に変えて、上記偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cと同様に偏光板用保護フィルム試料2A、2B及び2Cを作製した。
【0218】
《帯電防止層塗布液組成物(2)》
IP−13 0.5重量部
水 1重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 37重量部
アセトン 50重量部
《易接着層塗布液組成物(2)》
UP−1 0.5重量部
酢酸エチル 50重量部
アセトン 50重量部
《紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(2)》
上記組成物を超音波分散機で30分分散して塗布液とした。
【0219】
(偏光板用保護フィルム3A、3B及び3Cの作製)
偏光板用保護フィルム2A、2B及び2Cの帯電防止層塗布液組成物(2)を下記同(3)に変えた他は偏光板用保護フィルム2A、2B及び2Cの各塗布液はそのままにして、上記偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cと同様に断続的塗布、連続的塗布又はインライン塗布を行い、乾燥及び紫外線照射を行って、帯電防止層(3A、3B及び3C)、易接着層(3A、3B及び3C)及び硬化皮膜層(3A、3B及び3C)を設層した後に巻き取り、偏光板用保護フィルム3A、3B及び3Cを作製した。
【0220】
《帯電防止層塗布液組成物(3)》
IP−16 0.5重量部
水 1重量部
エチレングリコール 2重量部
メタノール 77重量部
ジメチルホルムアミド 20重量部。
【0221】
(偏光板用保護フィルム4A、4B及び4Cの作製)
偏光板用保護フィルム2A、2B及び2Cの易接着層塗布液組成物(2)が同じ他は、下記帯電防止層塗布液組成物(2)を同(4)に変えて、また紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(2)を同(3)に変えて、試料1A、1B及び1Cと同様に、断続的塗布、連続的塗布又はインライン塗布を行い、乾燥及び紫外線照射を行って、それぞれ帯電防止層(4A、4B及び4C)、易接着層(4A、4B及び4C)及び硬化皮膜層(4A、4B及び4C)を設層した後に巻き取り、偏光板用保護フィルム4A、4B及び4Cを作製した。なお、これらの試料を用いた偏光板用保護フィルムは防眩性を有している。
【0222】
《帯電防止層塗布液組成物(4)》
IP−19 0.5重量部
水 1重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 47重量部
アセトン 50重量部
《紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(3)》
【0223】
(偏光板用保護フィルム5A、5B及び5Cの作製)
偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cの透明性プラスチックフィルムのTACフィルムの代わりに帝人(株)製の市販の厚さ80μmのPCフィルムを使用して、PCフィルムの両面に20W/m2・minの強さでコロナ放電を行い、偏光板用保護フィルム1A及び1Bと同様に帯電防止塗布液組成物(1)、易接着層塗布液組成物(1)及び紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(1)を断続的塗布及び連続的塗布を行い、乾燥及び紫外線照射を行って、帯電防止層(5A及び5B)、易接着層(5A及び5B)及び硬化皮膜層(5A及び5B)を設層した後に巻き取り、偏光板用保護フィルム5A及び5Bを作製した。
【0224】
また偏光板用保護フィルム1CのTACドープを下記PCドープに変え、インライン塗布の偏光板用保護フィルム5Cを作製した。
【0225】
《PCドープ》
PC製膜ドープ(粘稠液)を下記の如く組成で溶解釜を用いて作製した。
【0226】
【0227】
《PCインライン塗布》
上記ドープをフィルターを通して濾過し、加圧下加圧ダイスから乾燥膜厚が80μmになるようにエンドレスのステンレスベルト上にキャストし、ベルト上 で乾燥させ、ベルトが1周直前に残留溶剤100%のドープ膜をベルトから剥離し、続いてロール搬送系乾燥機で残留溶剤20%のところで下記の帯電防止塗布液組成物(1)を20ml/m2となるように塗布し、1分乾燥し帯電防止層(5C)とした後、続いて反対面に易接着層塗布液組成物(1)を20ml/m2となるように塗布し、1分乾燥して易接着層(5C)とし、更に続いて、紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(1)を続いて25ml/m2(乾燥照射後の厚さが3μm)になるように帯電防止層(5C)の上に塗布し、90℃で1分乾燥させ、続いて60W/cm2の高圧水銀灯をフィルムのその表面10cmの距離から4秒間組成物層を硬化せして硬化皮膜層(5C)とし、更に乾燥を続けPCフィルムの残留溶剤が3%以下になった所で巻き取り、偏光板用保護フィルム5Cを作製した。
【0228】
(偏光板用保護フィルム6Cの作製)
偏光板用保護フィルム4Cの帯電防止層塗布液組成物(4)を同(5)に変えた他は、偏光板用保護フィルム4Cと同じ塗布液組成物を用い、同様にインライン塗布を行い、乾燥及び紫外線照射を行って、帯電防止層(6C)、易接着層(6C)及び硬化皮膜層(6C)を設層した後に巻き取り、偏光板用保護フィルム6Cを作製した。
【0229】
《帯電防止層塗布液組成物(5)》
IP−14 0.5重量部
水 1重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 37重量部
アセトン 50重量部
(偏光板用保護フィルム7Cの作製)
偏光板用保護フィルム4Cの帯電防止層塗布液組成物(4)を同(6)に変えた他は、偏光板用保護フィルム4Cと同じ塗布液組成物を用い、同様にインライン塗布を行い、乾燥及び紫外線照射を行って、帯電防止層(7C)、易接着層(7C)及び硬化皮膜層(7C)を設層した後に巻き取り、偏光板用保護フィルム7Cを作製した。
【0230】
《帯電防止層塗布液組成物(6)》
IP−10 0.5重量部
DACの5%アセトン溶液 10重量部
水 1重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 27重量部
アセトン 30重量部
酢酸エチル 25重量部
イソプロピルアルコール 5重量部。
【0231】
(偏光板用保護フィルム8A、8B及び8Cの作製)
偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cの易接着層(1A、1B及び1C)の上にPVA系親水性層塗布液組成物(1)を20ml/m2になるように、偏光板用保護フィルム1Aについてはロールから繰り出して断続的塗布を行い、又偏光板用保護フィルム1B及び1Cは巻き取る前に連続塗布及びインライン塗布を行い、乾燥してPVA系親水性層(8A、8B及び8C)を設層した後に巻き取り、偏光板用保護フィルム8A、8B及び8Cを作製した。
【0232】
《PVA系親水性層塗布液組成物(1)》
【0233】
(偏光板用保護フィルム9C、10C及び11Cの作製)
偏光板用保護フィルム2C、3C及び4Cをそれぞれ作製している過程で、紫外線を照射する前に、上記PVA系親水性層塗布液組成物(1)を易接着層(2C)、(3C)及び(4C)のそれぞれの上に、偏光板用保護フィルム8Cと同様にインライン塗布を行い、乾燥して、PVA系親水性層(2C)、(3C)及び4C)とし、引き続き既に塗布乾燥されているそれぞれの紫外線硬化性樹脂層に紫外線を照射して硬化皮膜層(9C)、(10C)及び(11C)とした後、巻き取り、それぞれ偏光板用保護フィルム9C、10C及び11Cを作製した。(偏光板用保護フィルム12Cの作製)
偏光板用保護フィルム1Cの帯電防止塗布液組成物(1)を下記帯電防止塗布液組成物(7)に変更して、帯電防止層(12C)とした他は、偏光板用保護フィルム1Cと同様に偏光板用保護フィルム(12C)を作製した。なおこの易接着層を易接着層(12C)とした。
【0234】
《帯電防止塗布液組成物(7)》
IP−1 0.5重量部
水 1重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 52重量部
アセトン 45重量部
(偏光板用保護フィルム13Aの作製)
偏光板用保護フィルム4Aの帯電防止塗布液組成物(4)を下記帯電防止塗布液組成物(8)に変更した他は、偏光板用保護フィルム4Aと同様に偏光板用保護フィルム(13A)を作製した。なおこの易接着層を易接着層(13A)とした。
【0235】
《帯電防止塗布液組成物(8)》
(偏光板用保護フィルム14Cの作製)
偏光板用保護フィルム4Cの帯電防止塗布液組成物(4)を下記帯電防止塗布液組成物(9)に変更した他は、偏光板用保護フィルム4Cと同様に偏光板用保護フィルム(14C)を作製した。なおこの易接着層を易接着層(14C)とした。
【0236】
《帯電防止塗布液組成物(9)》
HP−1 0.5重量部
DACの5%アセトン溶液 10重量部
水 5重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 52重量部
アセトン 35重量部
(偏光板用保護フィルム15Bの作製)
偏光板用保護フィルム1Bの帯電防止塗布液組成物(1)を下記帯電防止塗布液組成物(10)に変更した他は、偏光板用保護フィルム1Bと同様に偏光板用保護フィルム(15B)を作製した。なおこの易接着層を易接着層(15B)とした。
【0237】
《帯電防止塗布液組成物(10)》
HP−3 0.5重量部
DACの5%アセトン溶液 10重量部
水 1重量部
ジエチレングリコール 2重量部
メタノール 52重量部
アセトン 35重量部
(偏光板用保護フィルム16Cの作製)
偏光板用保護フィルム1Cの帯電防止塗布液組成物(1)を帯電防止塗布液組成物(11)に変更した他は、偏光板用保護フィルム1Cと同様に偏光板用保護フィルム(16C)を作製した。なおこの易接着層を易接着層(16C)とした。
【0238】
《帯電防止塗布液組成物(11)》
K−1 0.5重量部
DACの5%アセトン溶液 10重量部
メタノール 55重量部
アセトン 35重量部
(偏光板用保護フィルム17Cの作製)
偏光板用保護フィルム12Cの易接着層(12C)の上に更に偏光板用保護フィルム12CのPVA系親水性塗布液組成物(1)を塗布乾燥して、PVA系親水性層(13C)を設け、偏光板用保護フィルム(17C)を作製した。
【0239】
(偏光板用保護フィルム18Cの作製)
偏光板用保護フィルム14Cの易接着層(14C)の上に更に偏光板用保護フィルム14CのPVA系親水性塗布液組成物(1)を塗布乾燥して、PVA系親水性層(15C)を設け、偏光板用保護フィルム18Cを作製した。
【0240】
(偏光板用保護フィルム19Bの作製)
偏光板用保護フィルム15Bの易接着層(15B)の上に更に偏光板用保護フィルム15BのPVA系親水性塗布液組成物(1)を塗布乾燥して、PVA系親水性層(17B)を設け、偏光板用保護フィルム19Bを作製した。
【0241】
(偏光板用保護フィルム20A及び21Aの作成)
《断続的加工と鹸化処理》
コニカ(株)製の厚さ80μmのTACフィルム(コニカタックKC80UV−L)に片面に偏光板用保護フィルム13Aと同じ帯電防止層塗布液組成物(8)を塗布乾燥して、帯電防止層(20A)とし巻き取った。次にこのフィルムを繰り出し、その上に偏光板用保護フィルム4Aと同じ紫外線硬化性樹脂塗布液組成物(3)を塗布乾燥、そして紫外線照射を行い、帯電防止層(20A)及び硬化皮膜層(20A)を有する片面加工済みのフィルムとして巻き取った。次に、鹸化処理設備において、このフィルムを60℃の8重量%の水酸化ナトリウム水溶液に連続的に5分間浸漬鹸化処理を行い、十分に水洗乾燥して巻き取り、偏光板用保護フィルム20Aとした。片面親水化されたこのフィルムを、更に、別のラインで、鹸化処理面に、偏光板用保護フィルム8Aと同じPVA系親水性層塗布液組成物(1)を塗布、乾燥してPVA系親水性層(21A)とし、巻き取った。これらによって得られた偏光板用保護フィルムを21Aとした。
【0242】
《偏光素子フィルムの作製》
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを下記染色溶液に2分浸漬し、50℃で4倍に縦方向に一軸延伸して偏光素子フィルムを得た。
【0243】
染色溶液:
ヨウ素 1重量部
ヨウ化カリウム 2重量部
硼酸 4重量部
水 93重量部
《偏光板の作製》
《偏光板作製−1》
上記偏光素子フィルムの両面を接着助剤としての30℃の水(若干の界面活性剤を含む)に2秒浸漬し、スクイーズローラーで軽くスクイーズして水を切り、直ぐにその両面に、同じ構成の2本のロールから繰り出した偏光板用保護フィルムの易接着面又はPVA系親水性層面に重ね合わせ2本の圧着ローラーに挟み込み、3kg/mm2の圧力で圧着し、100℃の空気浴でローラーで搬送しながら3分乾燥し、偏光板を作成した。
【0244】
《偏光板作製−2》
偏光板作製−1の接着助剤としての水を下記のPVA液に変更した他は偏光板作製−1と同様に偏光板を作製した。
【0245】
(偏光板1A、1B及び1Cの作製)
偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cを用いて偏光板作製−1の方法で偏光板1A、1B及び1Cを作製した。
【0246】
(偏光板2C、3C及び4Cの作製)
偏光板用保護フィルム2C、3C及び4Cを用いて、偏光板作製−1の方法で順に偏光板2C、3C及び4Cを作製した。
【0247】
(偏光板5A、5B及び5Cの作製)
偏光板用保護フィルム1A、1B及び1Cを用いて偏光板作製−2の方法で偏光板5A、5B及び5Cを作製した。
【0248】
(偏光板6C、7C及び8Cの作製)
偏光板用保護フィルム2C、3C及び4Cを用いて、偏光板作製−2の方法で順に偏光板6C、7C及び8Cを作製した。
【0249】
(偏光板9A、9B及び9Cの作製)
偏光板用保護フィルム8A、8B及び8Cを用いて偏光板作製−1の方法で偏光板9A、9B及び9Cを作製した。
【0250】
(偏光板10C、11C及び12Cの作製)
偏光板用保護フィルム9C、10C及び11Cを用いて、偏光板作製−1の方法で順に偏光板10C、11C及び12Cを作製した。
【0251】
(偏光板13A、13B及び13Cの作製)
偏光板用保護フィルム8A、8B及び8Cを用いて偏光板作製−2の方法で偏光板13A、13B及び13Cを作製した。
【0252】
(偏光板14C、15C及び16Cの作製)
偏光板用保護フィルム9C、10C及び11Cを用いて、偏光板作製−2の方法で順に偏光板14C、15C及び16Cを作製した。
【0253】
(偏光板17C、18A、19C、20C、21B、27A及び28Aの作製)偏光板用保護フィルム12C、13A、17C、18C、19B、20A及び21Aを用いて、偏光板作製−1の方法で順に偏光板17C、18A、19C、20C、21B、27A及び28Aを作製した。
【0254】
(偏光板22C、23A、24C、25C、26B、29A及び30Aの作製)偏光板用保護フィルム12C、13A、17C、18C、19B、20A及び21Aを用いて、偏光板作製−2の方法で順に偏光板22C、23A、24C、25C、26B、29A及び30Aを作製した。
【0255】
上記偏光板用保護フィルム試料及び偏光板試料を一覧表に示す。
【0256】
【表1】
【0257】
【表2】
【0258】
[評価方法]
以下本発明に係わる測定、評価方法について述べる:
《帯電防止性能》
(1)偏光板用保護フィルムを23℃、30%RHの条件のもとで、6時間調湿した後、同条件で硬化皮膜の表面の表面比抵抗値を絶縁抵抗測定器(川口電気社製VE−30型)で測定した。
【0259】
(2)高温多湿処理後の表面比抵抗値の変化:80℃、80%RHの条件で、6時間曝した後、23℃、30%RHの条件に24時間調湿し、同条件で同様に表面比抵抗を測定した。
【0260】
(3)仕上がった偏光板を30cm×25cmの大きさに無塵室にて切り出し、同条件で同一試料10枚をシャーカステンの上でゴミ等の異物の個数をカウントし、その個数で示し、評価した。
【0261】
《耐擦り傷性》
(1)鉛筆硬度
JISK5401を準用し、荷重100gで測定。
【0262】
(2)スチールウール硬度
スチールウール(#0000)で荷重1kgをかけて5往復摩擦し、傷のつき具合を目視で下記のごとく判定した。
【0263】
A:傷全く見られず
B:1〜5本の傷が認められる
C:6〜10本の傷が認められる
D:11〜30本の傷が認められる
E:30本以上の傷がある
《接着性試験》
(1)硬化皮膜層の接着性試験
硬化皮膜層の表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で切り込みを幅30mm、深さは透明なプラスチックフィルムの表面に僅か達する程度に入れ、市販の25mm幅のセロファンテープを切れ込み部分をまたいでテープの一端を残して貼り、曲面の有るプラスチックあるいは金属でその上を擦ってよく接着させ、貼られてないテープのその一端を手で持ってなるべく水平に力強く引張って剥がし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する硬化皮膜層が剥がされた面積の割合を下記の如く評価した。
【0264】
A:全く剥離されなかった
B:剥離された面積割合が約10%以下であった
C:剥離された面積割合が約10〜30%であった
D:剥離された面積割合が約30%以上であった。
【0265】
(2)硬化皮膜層の高温多湿処理後の接着性試験
偏光板用保護フィルムを80℃、95%RHの条件に設定されたオーブン中に、500時間処理した後、23℃、55%RHの部屋に放置冷却し、24時間後に上記(1)と同じ方法で剥離面積の割合で同様に評価した。
【0266】
(3)偏光板の高温処理後の接着性試験
6cm×8cmの大きさに切り出した偏光板試料の中央にアクリル系の粘着剤を付け、用意したガラス板に偏光板を仮に貼りつける。こうして作製した試験片を付けたガラス板を、80℃、20%RHの条件に設定されたオーブン中に立ててセットし、1000時間処理した後、23℃、55%RHの部屋に放置冷却し、24時間後に剥離の状態を目視で評価した。
【0267】
A:膜の浮き上がりの部分が全くない
B:膜の浮き上がりの部分が周辺より1mm以下
C:膜の浮き上がりの部分が周辺より2mm以下
D:膜の浮き上がりの部分が周辺より3〜5mmの範囲
E:膜の浮き上がりの部分が周辺より6mm以上に及んだ。
【0268】
(4)偏光板の高温多湿処理後の接着性試験
6cm×8cmの大きさに切り出した偏光板試料の中央にアクリル系の粘着剤を付け、用意したガラス板に偏光板を仮に貼りつける。こうして作製した試験片を付けたガラス板を、80℃、95%RHの条件に設定されたオーブン中に立ててセットし、1000時間処理した後、23℃、55%RHの部屋に放置冷却し、24時間後に剥離の状態を目視で上記(3)と同様に評価した。
【0269】
《塗布性》
帯電防止塗布液組成物を透明なプラスチックフィルムに塗布して帯電防止層として、その上に紫外線硬化性樹脂塗布液組成物を塗布した際の、また乾燥後、紫外線を照射して硬化皮膜層とした後の塗布の乱れ又は層の不均一性を見る。この場合、帯電防止層が乱れの原因になる場合が多く帯電防止剤の挙動が問題になるのではないかと推察している。塗布の乱れは塗布されてから5秒以上経過したところで塗布面に点灯している蛍光灯の管を反射させて映しその歪みあるいは細かい乱れを観察する。硬化皮膜層の場合も同様に蛍光灯を映して調べる。
【0270】
A:蛍光灯が真っすぐに見える
B:蛍光灯が部分的に乱れて見える
C:蛍光灯が部分的に曲がって見える
D:蛍光灯がうねって見える
E:まだらに蛍光灯が映って見える。
【0271】
《収率》
塗布始めの透明なプラスチックフィルムの面積(長さ×幅)に対する使用可能な無欠点の偏光板用保護フィルム又は偏光板の面積の比を百分率で表す。これは、長さ1500m×幅1.3m元の透明なプラスチックフィルムの面積に対して、工程で、巻き取る際の巻芯に止めるテープ、外のテープ、ロールのラッピング等によるロス、あるいは塗布性不良、帯電によるゴミの付着等の不良箇所削除によるロス用等を差し引いた出来た良品面積率で表したものである。
【0272】
実施例1
偏光板用保護フィルムの帯電防止性能、耐擦り傷性能及び接着性能がどんな帯電防止剤種によって両立することが出来るのかを、表3に示した試料により試験、評価した。試験評価結果を表3に示す。
【0273】
【表3】
【0274】
比較例は帯電防止性能が本発明に比較して劣り、接着性能が非常に劣っており、これに対して本発明の偏光板用保護フィルムは帯電防止性能が優れ、また耐擦り傷性能、帯電防止性能及び接着性能が両立して優れていることが、表3からわかる。
【0275】
実施例2
偏光板用保護フィルムの製造工程において、断続的塗布、連続的塗布、それにインライン製膜連続塗布を比較した。試験結果を表4に示した。
【0276】
【表4】
【0277】
本発明の偏光板用保護フィルムの、断続的塗布、連続的塗布、それにインライン製膜連続塗布による性能の差は、上記の順に紫外線硬化性樹脂塗布液組成物の塗布性及び接着性、偏光板用保護フィルムの収率がよくなっていることがわかるが、いずれにしても優れていることが表4からわかる。これに対して、比較の帯電防止層の上の紫外線硬化性樹脂塗布液組成物の塗布の場合、塗布性が本発明に比し極端に劣り、また比較の帯電防止剤を用いた場合、インライン製膜連続塗布であっても、硬化皮膜層の接着性、偏光板用保護フィルムの収率が本発明に比し著しく劣っていることがわかる。
【0278】
実施例3
偏光板用保護フィルムと偏光素子フィルムとを接着させて作製した偏光板の収率、接着性及び帯電防止性能について表5の試料を用いて試験評価した。帯電防止性能の試験については帯電防止性能評価(3)に従い、帯電防止剤種又は工程の違いで作られた偏光板に付着したゴミの個数をカウントした。また、偏光板の接着性と偏光板の偏光板用保護フィルムからの収率を調べた。更に、偏光素子フィルム接着面を鹸化処理したものについても評価した。結果を表5に示す。
【0279】
【表5】
【0280】
接着特性については、偏光素子フィルムと偏光板用保護フィルムとの接着性が全試料概して良好であった。鹸化処理を行った偏光板27A、28A、29A及び30Aはやや劣るものの差ほど悪くはなかった。帯電防止性能のゴミ付着については、本発明の帯電防止剤のインライン製膜連続塗布及び連続的塗布のものはゴミの付着がほとんどなく、わずかに、断続的塗布において見られる程度であった。比較の帯電防止剤を用いたインライン製膜連続塗布でもゴミの数が非常に多いことがわかったが、鹸化処理をおこなった断続的塗布では洗浄のためかゴミの付着が少なかった。収率については、収率は、巻き取りのロール芯へのテープのつなぎ及び巻終わりのテープ止めを何回か繰り返す断続的塗布では、テープを貼った跡がテープの厚さ分が数巻転写し、またゴミの付着もあって、良品率(収率)が低下した。また、鹸化処理する際、大幅にフィルムをカットすることにより収率が低かった。連続的塗布方式及びインライン製膜連続塗布の収率はよく、特に後者の収率は非常によかった。しかし、本発明以外の帯電防止剤を用いたものは、インライン製膜連続塗布でも、ゴミ付着等により収率が非常に悪かった。
【0281】
【発明の効果】
液晶表示装置パネルに用いる偏光板に本発明の偏光板用保護フィルムを用いることにより、偏光板用保護フィルム又は偏光板に擦り傷やゴミの付着がほとんどなく、ロスが少なく、コストも安い偏光板を提供することが出来る。
Claims (9)
- 透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(1)、(2)、(3)で示される導電性ポリマーを含有する帯電防止層を有し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層を有することを特徴とする偏光板用保護フィルム。
また一般式( II )においてZ 3 及びZ 4 は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z 3 及びZ 4 が芳香環を形成するときは、R 3 及びR 4 は必要としない。Z 3 及びZ 4 が飽和環を形成するときは、R 3 及びR 4 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V 1 及びW 2 は2価の基を表し、V 1 は(上記環が直接結合している場合にはV 1 はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n 2 は1〜100の整数で、好ましくは1〜7 0であり、より好ましくは3〜60である。
一般式( III )において、R 5 及びR 6 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V 2 及びW 3 は2価の基を表し、V 2 はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n 3 は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
一般式( IV )において、R 7 及びR 8 は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W 4 は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n 4 は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 W1 、W 2 、W 3 及びW 4 は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。
一般式(V)において、Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R 9 は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L 1 及びL 2 は2価の連結基を表し
Q 1 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q 2 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
yは0〜90モル%であり
qは0〜99モル%であり
sは0〜50モル%であってy+s=100である場合はなくy+q+s=100である。
Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R 1 は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L 1 、L 2 、L 3 、L 4 、L 5 、L 6 は2価の連結基を表し
Q 1 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で2価の連結基であり
Q 2 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q 3 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位で2価の連結基であり
Q 4 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
xは0〜80モル%であり
yは0〜90モル%であり
pは0〜100モル%であり
qは0〜99モル%であり
rは0〜100モル%であり
sは0〜50モル%であって
x+y=100である場合はなく
y+q=100である場合はなく
y+s=100である場合はなく
q+s=100である場合はなく
y+q+s=100である場合はなく
x+y+p+q+r+s=100 である。
また、一般式(2)及び一般式(3)において:Q 5 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む連鎖で2価の連結基であり
Q 6 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の3価の連結基であり
Yは第4級アンモニウム基を含まない三価の連結基である。 - 該透明フィルムの他の面に親水性ポリマーを含有する易接着層を有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板用保護フィルム。
- 該易接着層の上にPVA系親水性層を有することを特徴とする請求項2に記載の偏光板用保護フィルム。
- 該帯電防止層、該硬化皮膜層及び該易接着層又は該易接着層と該PVA系親水性層の各層が、塗布工程において途中巻き取ることなく設層されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の偏光板用保護フィルム。
- 該帯電防止層、該硬化皮膜層及び該易接着層又は該易接着層と該PVA系親水性層の各層が、透明なプラスチックフィルムの製膜に続く塗布工程において途中巻き取ることなく設層されていることを特徴とする請求項4に記載の偏光板用保護フィルム。
- 透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(1)、(2)、(3)で示される導電性ポリマーを含有する帯電防止層を有し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層を有する偏光板用保護フィルムを、偏光素子フィルムの片面又は両面に有することを特徴とする偏光板。
また一般式( II )においてZ 3 及びZ 4 は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z 3 及びZ 4 が芳香環を形成するときは、R 3 及びR 4 は必要としない。Z 3 及びZ 4 が飽和環を形成するときは、R 3 及びR 4 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V 1 及びW 2 は2価の基を表し、V 1 は(上記環が直接結合している場合にはV 1 はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n 2 は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
一般式( III )において、R 5 及びR 6 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V 2 及びW 3 は2価の基を表し、V 2 はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n 3 は1〜100の整数で、好ましくは1 〜70であり、より好ましくは3〜60である。
一般式( IV )において、R 7 及びR 8 は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W 4 は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n 4 は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 W1 、W 2 、W 3 及びW 4 は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。
一般式(V)において、Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R 9 は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L 1 及びL 2 は2価の連結基を表し
Q 1 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q 2 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
yは0〜90モル%であり
qは0〜99モル%であり
sは0〜50モル%であってy+s=100である場合はなくy+q+s=100である。
Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R 1 は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L 1 、L 2 、L 3 、L 4 、L 5 、L 6 は2価の連結基を表し
Q 1 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で2価の連結基であり
Q 2 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q 3 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位で2価の連結基であり
Q 4 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
xは0〜80モル%であり
yは0〜90モル%であり
pは0〜100モル%であり
qは0〜99モル%であり
rは0〜100モル%であり
sは0〜50モル%であって
x+y=100である場合はなく
y+q=100である場合はなく
y+s=100である場合はなく
q+s=100である場合はなく
y+q+s=100である場合はなく
x+y+p+q+r+s=100 である。
また、一般式(2)及び一般式(3)において:Q 5 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む連鎖で2価の連結基であり
Q 6 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の3価の連結基であり
Yは第4級アンモニウム基を含まない三価の連結基である。 - 透明なプラスチックフィルムの表面の一方の面に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(1)、(2)、(3)で示される導電性ポリマーを含有する帯電防止層を有し、該帯電防止層の上に紫外線硬化性樹脂組成物を含有する層に紫外線を照射し硬化させてなる硬化皮膜層を有し、該透明プラスチックフィルムの他の面に親水性ポリマーを含有する易接着層又は該易接着層の上にPVA系親水性層を有する偏光板用保護フィルムが、偏光素子フィルムの片面又は両面に、該易接着層又は該PVA系親水性層を接して有することを特徴とする偏光板。
また一般式( II )においてZ 3 及びZ 4 は窒素4級カチオンを含み、環を形成する炭素数3〜10の原子群を表す。Z 3 及びZ 4 が芳香環を形成するときは、R 3 及びR 4 は必要としない。Z 3 及びZ 4 が飽和環を形成するときは、R 3 及びR 4 は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。V 1 及びW 2 は2価の基を表し、V 1 は(上記環が直接結合している場合にはV 1 はない)アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n 2 は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。
一般式( III )において、R 5 及びR 6 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基である置換基を有してもよい。V 2 及びW 3 は2価の基を表し、V 2 はアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基を表す。Xはアニオンを表す。n 3 は1〜100の整数で、好ましくは1 〜70であり、より好ましくは3〜60である。
一般式( IV )において、R 7 及びR 8 は炭素数1〜10のアルキル基、 アルケニル基、アラルキル基、アリル基を表し、アルキル基、ヒドロキシアルキル基からなる少なくとも1つの置換基を有してもよい。W 4 は2価の基を表す。Xはアニオンを表す。n 4 は1〜100の整数で、好ましくは1〜70であり、より好ましくは3〜60である。 W1 、W 2 、W 3 及びW 4 は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基である。
一般式(V)において、Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R 9 は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L 1 及びL 2 は2価の連結基を表し
Q 1 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q 2 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
yは0〜90モル%であり
qは0〜99モル%であり
sは0〜50モル%であってy+s=100である場合はなくy+q+s=100である。
Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー単位であり
R 1 は水素原子またはメチル基を表すが、 同時に同一基である必要はなく
L 1 、L 2 、L 3 、L 4 、L 5 、L 6 は2価の連結基を表し
Q 1 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で2価の連結基であり
Q 2 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の連鎖で1価の基であり
Q 3 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位で2価の連結基であり
Q 4 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の基であり
xは0〜80モル%であり
yは0〜90モル%であり
pは0〜100モル%であり
qは0〜99モル%であり
rは0〜100モル%であり
sは0〜50モル%であって
x+y=100である場合はなく
y+q=100である場合はなく
y+s=100である場合はなく
q+s=100である場合はなく
y+q+s=100である場合はなく
x+y+p+q+r+s=100 である。
また、一般式(2)及び一般式(3)において:Q 5 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む連鎖で2価の連結基であり
Q 6 は第4級アンモニウム基を一つ以上含む単位の3価の連結基であり
Yは第4級アンモニウム基を含まない三価の連結基である。 - 該帯電防止層、該硬化皮膜層及び該易接着層又は該易接着層と該PVA系親水性層の各層が、塗布工程において途中巻き取ることなく設層されている偏光板用保護フィルムが、偏光素子フィルムの片面又は両面に、該易接着層又は該PVA系親水性層を接して有することを特徴とする請求項7に記載の偏光板。
- 該帯電防止層、該硬化皮膜層、該易接着層及び/又は該PVA系親水性層の各層が、透明なプラスチックフィルムの製膜に続く塗布工程において途中巻き取ることなく設層されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の偏光板。
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