JP2004174725A - 光学部材表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムを基材とし、その両面に樹脂層を有し、一方の樹脂層表面に粘着層を有するフィルムであって、露出する樹脂層表面の水滴接触角が80度以上であり、表面に10kV直流電圧を印加した時の飽和帯電が両面ともに2kV以下であり、印加停止後の飽和帯電量の半減時間が両面ともに15秒以下であることを特徴とする光学部材表面保護用フィルム。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面防汚性および両面帯電防止性を有し、光学部材表面保護用として好適なポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れ、コストパフォーマンスにも優れるため、各種の用途において基材として使用されている。
その用途の一例として、偏光板等の光学部材の表面を傷、汚染から保護する保護フィルムがあり、ポリエステルフィルム基材に粘着剤を塗布したフィルムが使用されているが、ポリエステルフィルムは摩擦、粘着層剥離等の際に帯電しやすく、光学部材の保護フィルムとして利用する各工程で、摩擦帯電あるいは剥離帯電が発生し、異物や塵埃の付着、静電気放電障害等の問題が発生する。
【0003】
また、貼りつけた保護フィルムについては、再剥離作業工程、検査工程等の手作業の工程において、保護フィルム表面が油脂、はみ出しあるいは転着した粘着剤等で汚染されやすく、耐汚染性の表面特性が必要とされている。
表面保護フィルムに対する帯電防止性付与について、一般的には、表面には帯電防止性樹脂を塗布する方法が行われている(特許文献1)。また、粘着剤面に対する帯電防止性付与については、粘着剤層中に帯電防止剤を添加する方法、帯電防止性樹脂層を設けた基材に粘着剤を塗布する方法等が考えられているが、コスト、品質を含めて有効には実施されていない(特許文献1〜3)。
【0004】
これは、必要とされる帯電防止性を得るためには、粘着層中に多量の帯電防止成分を含有させる必要があり、再剥離性粘着剤の塗料特性が変化し、本来の性状を失うこと、あるいは、粘着剤層より帯電防止成分が被着体に経時移行し、被着体を汚しやすい等の理由による。
一方、これらの問題点を総合的に解消するには、基材ポリエステルフィルムに不足している機能を個々付与する必要があり、このため、塗布加工を個々の要求に対して行うと、それぞれの問題を解消するための加工工程が増えることとなって、コストパフォーマンスを悪くする
【0005】
【特許文献1】特開平6−123806号公報
【特許文献2】特開2000−80336号公報
【特許文献3】特開2001−275410号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、片面側は防汚性を有し、その裏面側には再剥離性粘着剤層を有し、かつ、両面共に帯電防止性を有する保護フィルムを低コストで提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記実情に鑑み、検討を重ねた結果、特定の構成を有するフィルムが保護フィルムでとして有用であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムを基材とし、その両面に樹脂層を有し、一方の樹脂層表面に粘着層を有するフィルムであって、露出する樹脂層表面の水滴接触角が80度以上であり、表面に10kV直流電圧を印加した時の飽和帯電が両面ともに2kV以下であり、印加停止後の飽和帯電量の半減時間が両面ともに15秒以下であることを特徴とする光学部材表面保護用フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において用いるポリエステルとは、例えば、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0009】
また、ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、通常30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。
かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸および、オキシカルボン酸の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】
本発明で用いるポリエステルは、溶融重合反応で得られたものであっても、また溶融重合後、一度チップ化したポリエステルを固相重合したものであってもよい。
また本発明においては、異種のポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよい。
【0011】
本発明で用いるポリエステルには、本発明の要旨を損なわない範囲であれば、帯電防止剤を配合してもよい。また、必要に応じ、フィルムの滑り性や耐摩耗性を改良する目的などのために、ポリエステルに対し、不活性な無機または有機の微粒子などを微量配合することもできる。
配合する粒子としては、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、硫酸バリウム、フッ化リチウム、タルク、架橋高分子微粉体等を挙げることができる。
【0012】
これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよく、その含有量は、通常1重量%以下、好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲である。粒子の含有量が少ない場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向があり、また、粒子の含有量が1重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて、フィルムがヘージーとなり、透明性が望まれる保護フィルムの用途としては望ましくない場合がある。
【0013】
ポリエステルフィルム中に含有される粒子の平均粒径としては、特に限定はないが、通常0.02〜5μmの範囲であり、好ましくは0.02〜3μm、さらに好ましくは0.02〜2μmの範囲である。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法の例として、ポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なり、本発明は必ずしもこれに限定されない。
常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換により、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得る。次にこのBHTを重合槽に移行しながら、真空下で280℃に加熱して重合反応を進めポリエステルを得る。
【0014】
このポリエステル原料を、押出機を用いて口金から溶融シートとして押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この未延伸シートをロールまたは、テンター方式の延伸機により一段目の延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜6倍、好ましくは3.5〜5倍である。引き続き、130℃〜250℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0015】
本発明のフィルムの基材としてのポリエステルフィルムの厚さは、一般的には、25〜50μmのものが使用される。
本発明のフィルムに樹脂層を設ける方法としては、例えば、▲1▼未延伸シート表面に塗液を塗布して乾燥する方法、▲2▼一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、▲3▼二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられるが、縦横逐次延伸法にて両面塗布を同時に行うには▲2▼の方法、縦横同時延伸法の場合は▲1▼の方法が望ましい。何れにしても、本発明のフィルムの樹脂層の少なくとも一方は、フィルム製造工程内で設けられたものであることが好ましい。
【0016】
樹脂層を構成する成分としては、帯電防止樹脂や導電性樹脂等任意の帯電防止能を持つ高分子等から適宜選択することができる。
この帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性官能基を有するカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性官能基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、ポリオール系、ポリグリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性官能基を有する帯電防止剤等の各種高分子型帯電防止剤が挙げられ、また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有し、電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴノマー、例えば、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、それらの第4級化合物等の重合性帯電防止剤、さらにポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマー等も使用できる。これらの中でも、第4級アンモニウム塩型カチオン性官能基を有する高分子型帯電防止剤が好ましい。
【0017】
本発明のフィルムの樹脂層を構成するために使用するバインダーとしては、ポリエステル類、ポリウレタン類、アクリル樹脂類、ポリビニル樹脂類、ポリオレフィン類などの熱可塑性樹脂および/または熱硬化性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンアクリル共重合体樹脂、シリコーン−ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂を例示することができる。
本発明においては、樹脂層の耐溶剤性をより改良するために、架橋剤として、メチロール化あるいはアルコキシメチル化したメラミン系化合物、尿素系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合物、シランカップリング剤系化合物から選ばれた少なくとも1種類を含有することが好ましい。
【0018】
樹脂層表面の防汚性を向上させるため、ポリオレフィン類,シリコン系樹脂等をバインダー成分中に含ませることが好ましい。
上述の層を構成する、帯電防止剤,バインダー、架橋剤の量比は、その選択される化合物よって最適値が異なるため特に規定するものではないが、下記の層特性を満足する量比であることが好ましい。
樹脂層中の帯電防止剤の含有量は、通常5重量%以上、好ましくは10〜90%の範囲であり、帯電防止剤がイオン性官能基を有する化合物の重合体である場合は、15〜90重量%、さらには20〜90重量%の範囲とすることが好ましい。
【0019】
帯電防止剤の比率が少なすぎると、十分な帯電防止効果を達成することが難しくなり、また帯電防止剤の比率が多くなりすぎると、アルコール類、MEK等の有機溶剤に対する耐溶剤性が悪くなる場合がある。
本発明のフィルムにおいて、樹脂層の厚みは、通常0.001〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.1μm、特に好ましくは0.02〜0.07μmの範囲である。樹脂層の厚みが0.001μm未満であると、十分な帯電防止効果が得られなくなることがあり、他方0.5μmを超えると、インラインコート性が悪くなるとともに、経済的メリットに欠ける傾向がある。
【0020】
本発明のフィルムを構成する樹脂層は、フィルム製膜ラインでのインラインコートを適用するため、水性塗液を塗布して形成することとなるが、少量の有機溶剤を含有した水性塗液を塗布して形成することも可能である。
用いる有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、エチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルエタノールアミン等のアミン類等を例示することができる。これらは単独、もしくは複数を組み合わせて用いることができ、水性塗液に必要に応じて有機溶剤を適宜選択し、含有させることで、塗液の安定性、塗布性あるいは塗膜特性を助けることができる。
【0021】
本発明において用いる塗液の固形分濃度は、通常30重量%以下であり、5〜15重量%、特に1〜10重量%の範囲が好ましい。塗液の固形分濃度が薄くなると、塗布はじきが生じやすくなる等の塗布面状の均一性に問題が生じやすくなる。また、塗液の固形分濃度が30重量%を超えると、塗布液の粘度が高くなる傾向にあり、このため塗布外観が悪化することがある。
本発明において、樹脂層の塗液を適宜選択して基材フィルムの両面に設けることとなるが、少なくとも片面側は、防汚性と帯電防止性を付与する塗液を使用することが好ましい。
【0022】
基材フィルムへの塗液の塗布方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、バーコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ダイコート法などの任意の塗布方法を適宜、単独または組み合わせて適用するとよい。
粘着剤層の塗布に関しては、両面インラインコートによって得られたフィルムの一方の樹脂層面に、粘着剤塗布機にて粘着剤を塗布後、乾燥炉に通して粘着剤層を乾燥・硬化させ巻き取る。
【0023】
巻き取る際の粘着を防止するため、乾燥・硬化後の粘着面に離型性を有するセパレータフィルムを貼りあわせて、セパレーター付きフィルムロールとして巻き取ることが好ましい。パレータフィルムとしては、厚み25〜38μmのポリエステルフィルム基材の片面に各種硬化型シリコーン樹脂塗液を塗布し、乾燥・硬化させたものが使用でき、この場合のシリコン離型層の厚みは一般的には0.05〜0.2μmのものが使用される。
粘着剤層の乾燥後の厚みは、5〜35μmにすることが適当であり、好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは15〜25μmである。
【0024】
粘着層については、種々のアクリル酸エステルあるいはメタアクリル酸エステルを主成分とし、さらにはこれに種々のモノマーを共重合させたものが多く利用され、これにイソシアネート系硬化剤等を加えて硬化処理を行うことで形成することがでるが、再剥離性を有する粘着剤層としては弱粘着タイプのものを選定するのが好ましい。ただし、弱粘着タイプの粘着剤層の場合、厚みが5μm以下では、粘着力が不足し、セパレーターの浮き、粘着性不良等のトラブルを招きやすい。また、40μm以上となると、帯電防止面に対する粘着剤の被覆厚が厚くなりすぎるため、結果的に粘着剤面に対する帯電防止効果が出なくなる。
【0025】
本発明のフィルムの露出する樹脂層表面の水滴接触角は、80度以上である必要がある。水滴接触角が80度未満では、防汚性が劣る。ここで言う防汚性とは、表面が汚れにくいあるいは汚れても汚れを容易に落とすことができることである。
さらに、本発明のフィルムは、表面に10kV直流電圧を印加した時の飽和帯電が両面ともに2kV以下、好ましくは1kV以下であり、印加停止後の飽和帯電量の半減時間が両面ともに15秒以下、好ましくは10秒以下である。飽和帯電量が2KVを超えるものは、瞬間的静電放電が大きく、放電障害が大きく好ましくない。また、電荷の半減期が15秒を超えるものは、帯電防止効果がおとり好ましくない。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における特性の測定方法は下記のとおりである。
【0027】
(1)飽和帯電および電荷減衰半減期
シシド静電気(株)製 STATIC HONESTMETER TYPE H−0110にて、直流10kVの電圧を距離20mmから帯電が飽和するまで印加し、帯電が飽和したときの帯電量を計測して飽和帯電量(kV)とした。帯電が飽和後、印加を止め、印加停止から帯電量が半減するまでの時間を計測し、この時間を電荷減衰半減期とした。
【0028】
(2)水滴接触角
協和界面科学(株)製 接触角計(CONTACT−ANGLE METER)を使用し、フィルム表面に蒸留水を滴下した時の水滴/フィルム表面の接触角を測定した。
【0029】
(3)防汚性
フィルムの表面に、粘着層面をこすりつけた後、付着した粘着層成分を、エタノールを染みこませたシート状コットンで拭き取り、拭き取り後の結果を、以下の基準で評価した。
〇:防汚・帯電防止層表面に粘着剤の付着がしにくく、また、付着した粘着剤を容易にふき取ることができる。拭き取った後の防汚・帯電防止層表面にシミ、汚れ跡等の外観変化が認められない。
△:粘着剤の付着、拭き取り性、あるいは表面外観変化について、〇と×の中間。
×:粘着剤が付着しやすく、また、付着した粘着剤がとれにくい。拭き取った表面の外観にシミ、汚れ跡が残る。
【0030】
本発明の実施例で用いた塗布剤成分は以下のとおりである。
[帯電防止層成分]
帯電防止剤(A1):ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(平均分子量:約30000)
水性樹脂(B1):水性アクリル樹脂(日本カーバイド工業社製、ニカゾール A−08)
水性樹脂(B2):部分ケン化型ポリビニルアルコール(ケン化度:約88モル%)
水性樹脂(B3):酸化ポリエチレン水分散体(ジョンソンポリマー社製,ジョンワックス26)
架橋剤(C1):メトキシメチロールメラミン(大日本インキ社製、ベッカミン J101)
【0031】
実施例1
極限粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレート(平均粒径約2.4μmのシリカ粒子を0.05%含有)のペレットを180℃で熱風乾燥結晶化後、押出し機に供給し、280〜300℃の温度でTダイからシート状に溶融押し出しし、静電密着法を併用し、鏡面冷却ドラム上にキャスト・急冷し、厚さ約720μmの未延伸フィルムとし、引き続いて、このフィルムを85℃で長手(縦)方向に3.7倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。
この一軸延伸フィルムに、以下の配合よりなる塗液▲1▼および塗液▲4▼を製膜工程横延伸前の段階で両面塗布装置を用いてそれぞれ表面側/裏面側に約5μm(wet厚)塗布した。
【0032】
塗液▲1▼:4級アンモニウム塩型カチオン性高分子帯電防止剤(A1)、酸化ポリエチレン水分散体(B3)およびメラミン系化合物(C1)を、40/40/20(固形分換算重量比)の比率で混合し、イオン交換水で固形分濃度3重量%に希釈調製した塗布液
塗液▲4▼:4級アンモニウム塩型カチオン性高分子帯電防止剤(A1)、アクリル樹脂(B1)およびメラミン系化合物(C1)を40/40/20(固形分換算重量比)の比率で混合し、イオン交換水で固形分濃度3重量%に希釈調製した塗布液
【0033】
引き続き横延伸ゾーンにて110〜150℃で横方向に3.9倍延伸し、230℃で熱処理・固定を行い、厚さ38μmの両面塗布二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られた両面塗布フィルムの塗液▲1▼により形成されて塗膜面に、粘着剤として以下の粘着剤を塗布し後、130℃で1分間、乾燥・硬化させ、乾燥後塗布厚み20μmの粘着剤層を有する表面保護フィルムを得た。
この表面保護フィルムの特性を下記表2に示す。
粘着剤組成:アクリル系粘着剤(帝国化学株式会社製、SG−800)およびイソシアネート硬化剤(日本ポリウレタン株式会社製、コロネートHL)を100/10(固形分換算重量比)の比率で混合した塗布液
【0034】
実施例2〜3、比較例1〜4
塗液▲1▼▲4▼を下記表1に記載の組成物に変更する以外は実施例1と同じ方法で保護フィルムを作成した。
変更した塗液の塗布構成ならびに、作成された保護フィルムの特性を表2に示す。
比較例5
インラインコートを行わず、無塗布のポリエステルフィルムを実施例1と同じ方法で製膜し、保護フィルムを作成した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
上記表中、面−2が粘着剤層側であり、面−1はその反対面である。
実施例1〜3においては、塗液中に適宜、防汚成分ならびに帯電防止成分を調合し、かつ、製膜時両面インラインコートを行うことにより、低コストで、目的とする防汚・帯電防止保護フィルムが得られた。
比較例1、比較例2においては、塗液中に防汚成分が無いか、また、少な過ぎるために、低コストの両面帯電防止保護フィルムが得られたものの防汚特性が得られていない。比較例3においては、帯電防止成分が不足しているため帯電防止性が弱い。比較例4は粘着剤層が厚すぎるため、粘着剤層側の帯電防止効果が悪くなっている。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による保護フィルムは、実用的に有用な表面防汚性ならびに両面帯電防止特性有し、かつ、コスト性にも優れており、その工業的価値は高い。
Claims (3)
- ポリエステルフィルムを基材とし、その両面に樹脂層を有し、一方の樹脂層表面に粘着層を有するフィルムであって、露出する樹脂層表面の水滴接触角が80度以上であり、表面に10kV直流電圧を印加した時の飽和帯電が両面ともに2kV以下であり、印加停止後の飽和帯電量の半減時間が両面ともに15秒以下であることを特徴とする光学部材表面保護用フィルム。
- 粘着層の厚みが10〜35μmの範囲であり、再剥離性を有することを特徴とする請求項1記載の光学部材表面保護用フィルム。
- 樹脂層の少なくとも一方がポリエステルフィルム製膜工程内で設けられたものであることを特徴とする請求項1または2記載の光学部材表面保護用フィルム。
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