JP3610852B2 - 車線逸脱抑制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車が走行車線から逸脱しそうになるのを防止すべく車線逸脱抑制処理を行なう、車線逸脱抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、走行中の道路に対する車両の位置や姿勢の把握を行ない、これに基づいて自動車の自動走行制御を行なったり、ドライバの運転を支援したりする技術(運転支援装置)が開発されている。
自動走行制御の場合、ドライバに何ら頼ることなく自動車を運転することが必要であり、道路をはじめとした基本的施設(インフラ)を整備するなど、その実用化には様々な条件整備が前提となる。
【0003】
一方、運転支援装置の場合、自動車を運転するのはあくまでもドライバであり、運転支援装置はドライバの運転操作のミスをドライバに知らせたりミスを解消する方向へ運転を補助したりするものである。したがって、運転支援装置は、現在の道路環境においても実現可能な技術が多く、より実用性の高い運転支援装置の開発が望まれている。
【0004】
こうした運転支援装置の一つに車線逸脱抑制装置がある。この車線逸脱抑制装置としては、自動車が不注意で走行車線から逸脱しそうになると運転車に警報音を発する技術がある。
例えば、特開平5−104976号公報には、運転者の意識レベル及び車両の横変位量の大小関係に基づいて走路を逸脱したことを報知する警報音の内容を決定する技術が開示されている。この公報に開示された技術では、車線逸脱抑制処理としてブザーの鳴る間隔を変化させ、危険度が高い場合には連続音を発生させ、運転者に危険を察知させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両が逸脱状態を脱する傾向があるにも関わらずブザーが鳴り続けているのは、乗員にとって非常に煩わしい一方、このようなブザーによる警報音が煩わしいからといって早めに解除されるようにすると、未だ車線を逸脱する危険がある状態であるにもかかわらず、運転者が車線逸脱危険状態を脱したと判断してしまうことになり、安全性の面で好ましくない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、警報音が鳴り続けることによって乗員に不快感を与えるのを防止するとともに、警報音以外の車線逸脱抑制処理によって運転者に未だ車線逸脱のおそれのある状態であることを知らせることができるようにした、車線逸脱抑制装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の車線逸脱抑制装置では、走行位置検知手段により車両が走行する走行車線に対する車両の位置が検出又は推定される。次に、車線逸脱判定手段によって車両位置から車両が走行車線から逸脱する危険があるかが判定される。そして、制御手段によって車線逸脱危険状態であると判定された場合に車線逸脱抑制処理を行なうように制御される。特に、車線逸脱判定手段は、車両の走行車線からの逸脱の危険度に応じて設定された複数の車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態であるかを判定する。そして、制御手段は、車線逸脱判定手段により複数の車線逸脱判定基準のうち、危険度の最も低い第2車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態になったと判定された場合に、ハンドル戻しトルクによる第2の車線逸脱抑制処理を開始すると共に、第2車線逸脱判定基準よりも危険度の高い第1車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態になったと判定された場合に、警報音による第1の車線逸脱抑制処理を開始する(請求項1)。
好ましくは、制御手段は、車線逸脱判定手段により第1車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、第1の車線逸脱抑制処理を終了すると共に、車線逸脱判定手段により第2車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、第2の車線逸脱抑制処理を終了するように構成する(請求項2)。
また、制御手段は、第2車線逸脱判定基準よりも危険度が高く、第1車線逸脱判定基準よりも危険度の低い第3車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態になったと判定された場合に、ハンドル振動による第3の車線逸脱抑制処理を開始するように構成するのが好ましい(請求項3)。
さらに、制御手段は、車線逸脱判定手段により第1車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に第1の車線逸脱抑制処理を終了し、第3車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、第3の車線逸脱抑制処理を終了すると共に、第2車線逸脱判定基準に基づいて車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、第2の車線逸脱抑制処理を終了するように構成するのが好ましい(請求項4)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図7は本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置を示すものである。
本車線逸脱抑制装置は、自動車において自車両が走行車線から逸脱しそうになるとこれを防止するために車線逸脱抑制処理を行なうものであり、走行車線に対する自車両の位置を認識して、車線逸脱のおそれが生じると、図1に示すように、車両に備えられた警報器26により警報音を発生させてドライバに警報する車線逸脱抑制処理を行なったり、車両1に備えられた振動用アクチュエータ27によりステアリングホイール(以下、ハンドルともいう)20を振動させたり、操舵アクチュエータ21によりドライバの加える操舵トルクとは別の操舵トルク(この操舵トルクは、ドライバの加える操舵トルクと区別するために操舵用制御トルクと呼ぶ)を与えたりして、ドライバにステアリングホイール20を通じて警報する車線逸脱抑制処理を行なったりするものである。
【0009】
なお、操舵用制御トルク自体も、車両の挙動を修正する作用があるが、この操舵用制御トルクは、あくまでも操舵系を通じてドライバに警報することが主目的であり、車線を逸脱しそうな車両の位置を修正するのは、この操舵用制御トルクが加えられたことで車線を逸脱しそうなことを認識したドライバの操舵操作によって行なうべきものとしている。
【0010】
このため、本車線逸脱抑制装置は、図1に示すように、走行車線に対する自車両の位置を認識するために、車両1の前方の道路状態を撮像する撮像手段としてのカメラ2と、カメラ2からの画像情報から画像情報を適宜処理して前方道路上の左右の白線位置を認識する画像情報処理手段3と、この画像情報処理手段3による白線位置画像情報から車両の走行レーン(走行車線)の基準位置に対する所定時間後における横ずれ量ΔYを予測して算出する横ずれ量算出手段4Aとをそなえている。
【0011】
なお、この横ずれ量ΔYは、車両1が車線を逸脱しそうな度合いに関する判定パラメータに相当する。また、横ずれ量算出手段4Aは、自車両に対する走行車線(走行レーン)の相対位置を推定する走行レーン推定手段4内の機能要素としてそなえられている。なお、走行レーン推定手段4は、車両が走行する走行車線に対する車両の位置を検出又は推定する走行位置検知手段を構成する。
【0012】
ここでは、まず走行車線に対する自車両の位置認識、即ち、自車両の横ずれ量ΔYの算出について説明する。
画像情報処理手段3では、まず、図2に示すように、カメラ2からの原画像41を取り込み、この原画像41から道路白線を抽出して、抽出した道路白線の画像を、鉛直上方から見たような平面視画像42に変換する。
【0013】
次に、白線12L,12Rの認識について図3を参照しながら説明する。なお、ここでは、走行レーン左端の路側線としての白線12Lの認識について説明するが、走行レーン右端の白線12Rを基準とする場合についても同様であるため、左端の白線12Lについては単に白線12と称することにする。
次に、画像情報認識手段3では、図3(a)に示すように、車両1にそなえられたカメラ2により平地において車両前方の範囲(例えば5m〜30m)の白黒画像情報を取り込み、この画像情報から画面上で縦方向の画像を一部省略する。そして、この画面上で等間隔になるような複数の水平線11を設定する。
【0014】
この白黒画像情報の取り込みは、微小な制御周期毎に更新されるようになっており、図3(b)に示すように、それぞれの水平線11上において前回の画面での白線位置の左右の所要の範囲(ここでは、左右50画素〔dot〕)を白線探査エリア(処理対象領域)10として設定する。また、初回の画面は、直線路における白線位置を前回の画面データとして利用する。
【0015】
そして、図3(c)に示すように、各水平線の明度をそれぞれ左から横方向に微分する。また、図中の符号14はガードレールである。
ところで、通常の路面は輝度が低く、輝度変化も小さい。これに対して、白線12は通常の路面に比較して輝度が非常に高いので、このように道路の明度を微分すると、通常の路面から白線12への境界点で輝度変化がプラス、白線12から通常の路面への境界点で輝度変化がマイナスとなるような微分データが得られる。このような微分データの一例を図3(d)に示す。
【0016】
そして、各水平線11のデータそれぞれについて、微分値のピークが左からプラス,マイナスの順に並んで現れ、且つそれぞれのピークの間隔が白線12として妥当と思われる程度(プラスのピークからマイナスのピークまでの間隔が例えば30dot以内)に納まっている組み合わせを白線候補として抽出し、通常は、図3(e)に示すように、その中点Mを白線候補点15として保存する。
【0017】
そして、これらの白線候補点15のうち、画面中心に最も近いもののみを最終候補点として残す。
これは、例えば車両1が左側通行の場合、探索エリア10の中の右側が通常輝度変化の少ない道路面であり、この通常の道路面に最も近い白線候補点15が白線12と判断できる。したがって白線12よりもさらに左側に、ノイズの原因となる物体(例えばガードレール14等)が存在する場合であっても、カメラ2により撮像された画像情報から白線12を確実に認識することができる。
【0018】
そして、図3(f)に示すように、最後に各水平線データにおける白線候補点15の上下方向の連続性を画面の下方から順次検証していく。
まず、事前に前画面での白線12の上下端間の傾きを計算しておく。そして、最下点15Aを白線12とすると、一本だけ上の水平線11上の候補点15Bが、前回の白線12の傾き分±50dotの範囲内に入っているかを検証する。
【0019】
候補点15Bがこの範囲内に入っていればこれを白線とし、入っていないときは候補点15Bは却下されて、上述の傾きから補間計算した座標が白線位置としてみなされる。そして、この検出を各水平線について同様の作業を行なうことにより、連続した白線12を認識することができるのである。
このような白線認識の作業は、所要の周期で継続して行なわれ、その都度白線12の認識が更新されるようになっている。
【0020】
走行レーン右端の路側線としての白線12Rの認識についも、これと同様に行なわれる。
推定手段4では、このように各認識周期で認識された原画像41上の白線12R,12Lを平面視画像42に変換して、走行レーン左端の白線12Lから推定しうる道路中心線LCLと走行レーン右端の白線12Rから推定しうる道路中心線LCRとに基づいて、道路中心線LCの推定を行なうようになっている。そして、この道路中心線LCに基づいて、横ずれ量算出手段4Aにより現時点における横ずれ量ΔY0と偏角βとを算出する。
【0021】
なお、偏角βとは、図4に示すように、屈曲した道路中心線LCの接線と車両中心線方向とがなす角であり、カメラ画像で得られる画像情報のうち車両に最も近い検出レベルである第1検出点(図中には近地点と示す)における基準線位置情報と、この近地点よりもさらに車両1から所定距離Lだけ離れた第2検出点(現在の車速Vで所定時間t後に到達する地点、図中には遠地点と示す)における基準線位置情報とから算出することができる。
【0022】
つまり、偏角βは、これらの第1検出点と第2検出点とを結んだ直線と、車両1の中心線とがなす角として算出するようになっている。このようにして算出される偏角は、第1検出点と第2検出点との中間地点(図中×印)における偏角であり、少なくとも車両1から一定以上前方の地点の偏角である。
そして、この例では、車両に最も近い地点である第1検出点における自車両中心線(点P1参照)と道路中心線LC(点LC1参照)との横方向距離(道路幅方向,即ちカメラ画像の横方向の距離)を現時点における横ずれ量(現時点横偏差)ΔY0として算出する。また、第2検出点は、第1検出点から所定時間t後に到達すると予測できる地点(LC2,P2)、つまり、第1検出点から現時点での車速Vに所定時間tを乗じて得られる距離Lだけ離れた地点としており、これらの第1検出点(LC1)と第2検出点(LC2)とを結んだ直線と、車両1の中心線(P1P2)とがなす角を偏角βとして算出する。
【0023】
横ずれ量算出手段4Aは、上述のごとく算出された偏角βに車速センサ32で検出された車両の車速Vと所定時間tとを乗算して所定時間t後における横ずれ変化量Δy(Δy=β×V×t)を算出し、これに現時点における横ずれ量(横偏差)ΔY0を加算して予測横ずれ量(以下、単に横ずれ量という)ΔY(=ΔY0+β×V×t)を算出する。また、道路中心線の画像情報に基づいて走行レーンの曲率(道路曲率)ρを推定するようにもなっている。なお、所定時間tは運転手の一般的なハンドル20の操作速度や、画像情報処理手段3等による道路状況の認識速度を考慮して適宜の時間に設定されている。また、車速Vに応じて可変にしてもよく、第1検出点から第2検出点までの距離Lが一定となるように所定時間tを設定してもよい。
【0024】
本実施形態の車線逸脱判定手段5は、横ずれ量算出手段4Aにより算出された横ずれ量(横偏差)ΔYに基づいて車線を逸脱しそうな度合い(車線逸脱危険度)の判定、即ち、車線逸脱判定を行なうものである。つまり、車線逸脱判定手段5は、上述のようにして算出される走行車線の基準位置(道路幅中央位置)に対する車両の横ずれ量ΔYが判定値(逸脱判定基準)ΔYsを超えたとき、車両が車線を逸脱すると判定し、後述するコントローラ6へ車線逸脱信号(車線逸脱方向も示す)を出力するようになっている。なお、車線逸脱判定手段は、走行位置検知手段により検知された車両位置に基づいて車両1の走行車線からの逸脱の危険があるかを判定するものとして構成される。
【0025】
ここでは、車線を逸脱しそうな度合いに応じて車線逸脱判定を段階的に行なえるように複数の判定値が設定されている。
つまり、車両が車線を逸脱しそうな度合いが低い状態(危険度小状態)であるかを判定するために危険度小状態判定値(車線逸脱判定基準,第2車線逸脱判定基準)ΔYs21が設定されている。そして、車線逸脱判定手段5は、車両の横ずれ量ΔYがこの危険度小状態判定値ΔYs21を超えている間は危険度小状態であるとの車線逸脱判定を行なうようになっている。このように車線逸脱判定手段5により危険度小状態であるとの車線逸脱判定が行なわれたら、後述する操舵アクチュエータ21によって操舵用制御トルク(ハンドル戻しトルク)を生じさせる警報〔操舵用制御トルクによる警報(第2の警報),第1段階の警報〕により車線逸脱抑制処理(第2の車線逸脱抑制処理)を行なうようになっている。
【0026】
また、車両が車線を逸脱しそうな度合いが危険度小状態よりも高い状態(危険度中状態)であるかを判定するために危険度中状態判定値(車線逸脱判定基準,第2車線逸脱判定基準)ΔYs22(ΔYs22>ΔYs21)が設定されている。そして、車線逸脱判定手段5は、車両の横ずれ量ΔYがこの危険度中状態判定値ΔYs22を超えている間は危険度中状態であるとの車線逸脱判定を行なうようになっている。このように車線逸脱判定手段5により危険度中状態であるとの車線逸脱判定が行なわれたら、後述する振動用アクチュエータ27によってハンドル20を振動させる警報〔ハンドル振動による警報(第2の警報),第2段階の警報〕により車線逸脱抑制処理(第2の車線逸脱抑制処理)を行なうようになっている。
【0027】
さらに、車線を逸脱しそうな度合いが最も高い状態(危険度大状態)であるかを判定するために危険度大状態判定値(車線逸脱判定基準,第1車線逸脱判定基準)ΔYs10(ΔYs10>ΔYs22)が設定されている。そして、車線逸脱判定手段5は、車両の横ずれ量ΔYがこの危険度大状態判定値ΔYs10を超えている間は危険度大状態であるとの車線逸脱判定を行なうようになっている。このように車線逸脱判定手段5により危険度大状態であるとの車線逸脱判定が行なわれたら、後述する警報器26によって警報音を発生させる警報〔警報音による警報(第1の警報),第3段階の警報〕により車線逸脱抑制処理(第1の車線逸脱抑制処理)を行なうようになっている。
【0028】
なお、上述の危険度小状態判定値ΔYs21,危険度中状態判定値ΔYs22,危険度大状態判定値ΔYs10は、いずれも車両の横ずれ量ΔYに相当する値として設定されるが、これらのうち、危険度小状態判定値ΔYs21が最も小さい値(道路中心線との距離が最も近い)として設定され、次に小さい値として危険度中状態判定値ΔYs22が設定され、危険度大状態判定値ΔYs10が最も大きい値(道路中心線との距離が最も遠い)として設定される。
【0029】
ここで、判定値が小さい値に設定されれば、車両1が車線を逸脱するとの判定が早くなる。つまり、本実施形態では、危険度小状態判定値により判定される危険度小状態であるとの判定が最も早くされ(警報開始時期が早くなり)、次いで、危険度中状態判定値により判定される危険度中状態であるとの判定、危険度大状態判定値により判定される危険度大状態であるとの判定が順になされるようになっている(順に警報開始時期が遅くなる)。
【0030】
また、判定値が大きい値に設定されれば、車両1が車線を逸脱するとの判定の解除が早くなる。つまり、本実施形態では、危険度大状態判定値により判定される危険度大状態であるとの判定の解除が早くなり(警報終了時期が早くなり)、次いで、危険度中状態判定値により判定される危険度中状態であるとの判定、危険度小状態判定値により判定される危険度小状態であるとの判定が順になされるようになっている(順に警報終了時期が遅くなる)。
【0031】
これにより、危険度小状態であるとの判定がなされる期間が長くなり、この期間よりも危険度中状態であるとの判定がなされる期間が短くなり、さらに危険度大状態であるとの判定がなされる期間が短くなるようにしている。そして、後述するように、危険度大状態であるとの判定がなされた場合に行なわれる警報音による警報が長く行なわれないようにしている。また、危険度中状態及び危険度小状態であるとの判定がなされた場合に行なわれる警報が警報音による警報よりも長い期間行なわれるようにしている。
【0032】
なお、本実施形態では、危険度小状態,危険度中状態及び危険度大状態であるとの車線逸脱判定と、これらの解除判定とを同一の判定値を用いて行なっているが、それぞれに異なる判定値を用いて判定を行なっても良い。
ところで、本車線逸脱抑制装置は、車線逸脱判定手段5による車線逸脱判定(車両が走行車線から逸脱する危険があるとの判定)に基づいて車線逸脱警報を発するように、ドライバの加える操舵トルクとは別に操舵用制御トルクを操舵系に付与しうる操舵アクチュエータ21と、ハンドル20を振動させうる振動用アクチュエータ27と、警報音を発する警報器26と、操舵アクチュエータ21,振動用アクチュエータ27及び警報器26を制御するコントローラ(制御手段)6とを備えている。
【0033】
まず、操舵アクチュエータ21は、ステアリングシャフトにトルクを加えうるアクチュエータであればよく、例えば、図5に示すように、ステアリングシャフト40の図示しないトーションバーよりも下方(パワーステアリング側)に設置した小型電動トルクモータ41により構成してもよい。
この場合、モータ41からステアリングシャフト40へのトルク伝達は、ウォーム42aとウォームホイール42bとからなるウォームギヤ42を介して行なうが、ウォームホイール42bとステアリングシャフト40との間にはトルクリミッタ43を介装する。このトルクリミッタ43により、万が一モータ41が固着した場合でもドライバーは容易にハンドル20の操作を行なうことができる。また、モータ41は最大トルクを必要最小限に設定されており、たとえコントローラ6に故障が生じてもドライバに過剰な操舵負担を与えることはない。
【0034】
振動用アクチュエータ27は、ハンドル20に振動を加えうるアクチュエータであればよく、図1に示すように、例えばステアリングシャフト40に取り付けられる。なお、この振動用アクチュエータ27としては、上述の操舵アクチュエータ21と同様に構成されるアクチュエータを用いても良い。
警報器26は、例えばブザー等の警報音を発生するものにより構成される。
【0035】
コントローラ6は、車線逸脱判定手段5の車線逸脱判定に基づいて、以下のような制御を行なうようになっている。
つまり、コントローラ6は、車線逸脱判定手段5の危険度小状態になったとの車線逸脱判定に基づいて、操舵用制御トルクが横ずれ量ΔYを減らす方向に発生するように操舵アクチュエータ21を制御する機能を有するものとして構成される。
【0036】
ここでは、コントローラ6は、車線逸脱判定手段5により危険度小状態であるとの車線逸脱判定がなされている間、操舵用制御トルクが横ずれ量ΔYを減らす方向に発生するように、車線逸脱判定手段5により危険度小状態になったとの車線逸脱判定がなされたら、車線逸脱抑制処理として、操舵用制御トルクが横ずれ量ΔYを減らす方向に発生するように操舵アクチュエータ21の制御を開始し、その後、車線逸脱判定手段5により危険度小状態でなくなったとの判定がなされたら(危険度小状態との車線逸脱判定が解除されたら)、操舵用制御トルクを横ずれ量ΔYを減らす方向に発生させる操舵アクチュエータ21の制御を終了するようになっている。
【0037】
具体的には、コントローラ6は、上述のようにして算出される走行車線の基準位置(道路幅中央位置)に対する車両1の横ずれ量ΔYに基づいて操舵用制御トルクを設定するようになっている。つまり、この操舵用制御トルクは、自動操舵に用いる操舵トルクとは異なり、ドライバに警報することが主目的であって、車両の位置を修正するのはドライバの操舵操作によるため、操舵用制御トルクは、ドライバの操舵操作を妨げない程度の大きさに、つまり、ドライバが容易に打ち勝てる程度の大きさに制限されている。
【0038】
このため、車線を逸脱しそうなときにこの逸脱を回避する方向に操舵用制御トルクを加えた場合にも、ドライバが車線を逸脱する方向に操舵操作を行なおうとすれば、十分にこれを行なえるようになっている。これにより、車両を走行車線外に退避させるための緊急操舵も容易に行なえ、また、レーンチェンジの際に操舵用制御トルクが働いたとしても、レーンチェンジの妨げにはならないようになっている。
【0039】
これにより、ドライバは車線逸脱(道路中心線からの外れ)とその修正方向をハンドル20の保舵感等から感じ取り、車両位置の修正が、ドライバの操舵操作によって速やかに行なわれるようになる。この操舵用制御トルク自体もドライバへの警報の意味だけでなく車両位置の修正のためにも有効となる。また、操舵用制御トルクによる警報は、例えば脇見運転のドライバに対しても有効であり、この場合、車線からの逸脱を未然に防ぎながら、ドライバへ脇見運転の防止を促すことにもなる。
【0040】
また、コントローラ6は、車線逸脱判定手段5の危険度中状態になったとの車線逸脱判定に基づいて、ハンドル20を振動させるべくステアリングシャフト40の周方向へのトルクが繰り返し発生する(断続的に発生する)ように振動用アクチュエータ27を制御する機能も有するものとして構成される。
ここでは、コントローラ6は、車線逸脱判定手段5により危険度中状態になったとの車線逸脱判定がなされている間、ハンドル20を振動させるべく、車線逸脱判定手段5により危険度中状態になったと判定されたら、車線逸脱抑制処理として、ハンドル20を振動させるための振動用アクチュエータ27の制御を開始し、その後、車線逸脱判定手段5により危険度中状態でなくなったと判定されたら(危険度中状態になったとの車線逸脱判定が解除されたら)、ハンドル20を振動させるための振動用アクチュエータ27の制御を終了するようになっている。
【0041】
さらに、コントローラ6は、車線逸脱判定手段5の危険度大状態であるとの車線逸脱判定に基づいて警報音を発生させるべく警報器26を制御する機能も有するものとして構成される。
ここでは、コントローラ6は、車線逸脱判定手段5により危険度大状態であるとの車線逸脱判定がなされている間、警報器26によって警報音を発生させるべく、車線逸脱判定手段5により危険度大状態になったとの車線逸脱判定がなされたら、車線逸脱抑制処理として、警報器26によって警報音を発生させる制御を開始し、その後、車線逸脱判定手段5により危険度大状態でなくなったとの判定がなされたら(危険度大状態になったとの車線逸脱判定が解除されたら)、警報器26の制御を終了するようになっている。
【0042】
ところで、コントローラ6は、このようにして警報手段(車線逸脱抑制手段)としての操舵アクチュエータ21,振動用アクチュエータ27及び警報器26を制御するようになっているが、次に、これらの各制御(車線逸脱抑制処理)が行われるタイミング(制御開始時期と制御終了時期)について、図6を参照しながら説明する。なお、図6中、▲1▼は警報音による警報の開始・終了時期、▲2▼はハンドル振動による警報の開始・終了時期、▲3▼は操舵用制御トルクによる警報の開始・終了時期をそれぞれ示している。また、図6中、○は警報開始時期、×は警報終了時期をそれぞれ示している。
【0043】
本実施形態では、図6に示すように、道路中心線上を走行する車両1〔図6中、(a)で示す位置〕が、道路中心線から外れていき、車線逸脱判定手段5によって車両1の横ずれ量ΔYが危険度小状態判定値ΔYs21を超えて危険度小状態になったと判定されたら〔図6中、(b)で示す位置〕、操舵用制御トルクが横ずれ量ΔYを減らす方向に発生するように操舵アクチュエータ21の制御を開始する。これにより、車線を逸脱しないように適切な操舵を行なうようドライバに警報がなされる。
【0044】
このような警報が行なわれたにもかかわらず、ドライバにより何らの対応もなされず、車線逸脱判定手段5によって車両の横ずれ量ΔYが危険度中状態判定値ΔYs22を超えて危険度中状態になったと判定されたら〔図6中、(c)で示す位置〕、上述のような操舵用制御トルクを発生させる制御に加え、ハンドルを振動させるべく振動用アクチュエータ27の制御を開始する。これにより、車線を逸脱する度合いが高まっており、車線を逸脱しないような適切な操舵を行なうようさらなる警報がなされることになる。
【0045】
さらに、これらの警報がなされたにもかかわらず、ドライバにより何らの対応もなされず、車線逸脱判定手段5によって車両の横ずれ量ΔYが危険度大状態判定値ΔYs10を超えて危険度大状態になったと判定されたら〔図6中、(d)で示す位置〕、上述のような操舵アクチュエータ21及び振動用アクチュエータ27の制御に加え、警報器26から警報音を発生させるべく警報器26の制御を開始する。これにより、車線を逸脱する度合いが最も高くなっており、車線を逸脱しないような適切な操舵を行なうよう最終的な警報がなされることになる。
【0046】
その後、ドライバにより適切な操舵が行なわれ〔図6中、(e)で示す位置〕、車線逸脱判定手段5によって車両の横ずれ量ΔYが危険度大状態判定値ΔYs10よりも小さくなって危険度大状態を離脱すると判定されたら〔図6中、(f)で示す位置〕、上述のような操舵アクチュエータ21及び振動用アクチュエータ27の制御のみとし、警報器26から警報音が発生しないようにすべく、警報器26の制御を終了する。これにより、警報器26からの警報音の発生が長い間続くことによる煩わしさが解消されるが、操舵アクチュエータ21及び振動用アクチュエータ27による制御は続行され、依然として車線を逸脱するおそれがあることをドライバに知らせる。
【0047】
これらの操舵アクチュエータ21及び振動用アクチュエータ27による制御に応じて、さらにドライバにより適切な操舵が行なわれ、車線逸脱判定手段5によって車両の横ずれ量ΔYが危険度中状態判定値ΔYs22よりも小さくなって危険度中状態を離脱すると判定されたら〔図6中、(g)で示す位置〕、上述のような操舵用制御トルクを生じさせるための操舵アクチュエータ21の制御のみとし、ハンドル20が振動しないようにすべく、ハンドル20を振動させるための振動用アクチュエータ27の制御を終了する。これにより、さらに車線を逸脱するおそれが減ったことがドライバに知らされる。この場合でも、操舵用制御トルクを生じさせるための操舵アクチュエータ21の制御は続行されるため、依然として車線を逸脱するおそれがあることがドライバに知らされる。
【0048】
さらに、ドライバにより適切な操舵が行なわれ、車線逸脱判定手段5によって車両の横ずれ量ΔYが危険度小状態判定値ΔYs21よりも小さくなって危険度小状態を離脱すると判定されたら〔図6中、(h)で示す位置〕、操舵用制御トルクが生じないようにすべく、操舵アクチュエータ21の制御を終了する。これにより、車線を逸脱するおそれがなくなったことがドライバに知らされる。その後、適切な操舵により車両1は道路中心線上を走行するようになる〔図6中、(i)で示す位置〕。
【0049】
また、本実施形態では、車線逸脱抑制装置の作動を選択するスイッチ(SW)23がそなえられている。したがって、本装置を作動させたければスイッチ23をオンに、本装置を作動させたくなければスイッチ23をオフに、ドライバの好みに応じて選択できるようになっている。さらに、例えばインパネ(インストルメントパネル)内には、スイッチ23がオンの場合、又は、車線逸脱警報として制御トルクが加えられていたり、ハンドル20を振動させている場合に、これを表示する作動表示部24が設けられている。また、方向指示器等が操作されて車線変更等が意思表示されている場合には、本車線逸脱抑制装置の作動を禁止するように構成してもよい。
【0050】
なお、画像情報処理手段3,走行レーン推定手段4(横ずれ量算出手段4A),車線逸脱判定手段5,コントローラ6は、CPU,入出力インタフェース,ROM,RAM等をそなえてなる電子制御ユニットとして構成される。
本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置は、上述のように構成されているので、車線逸脱抑制処理は、例えば図7に示すように行なわれる。
【0051】
つまり、制御スイッチ23がオンか否かが判定され(ステップS10)、制御スイッチ23がオンでなければ車線逸脱抑制処理は行なわないが、制御スイッチ23がオンであれば、ステップS20以降の処理を行なう。
ステップS20では、車線逸脱判定手段5により危険度小状態になったか、即ち、車両の横ずれ量ΔYが危険度小状態判定値ΔYs21を超えて危険度小状態になったかを判定する。この判定の結果、危険度小状態になったと判定された場合は、ステップS30へ進み、車線逸脱抑制処理として、操舵用制御トルクが横ずれ量ΔYを減らす方向に発生するように操舵アクチュエータ21の制御を開始する。
【0052】
一方、危険度小状態になったと判定されなかった場合は、危険度小状態から離脱したと考えられるため、ステップS80へ進み、操舵用制御トルクを発生させるための操舵アクチュエータ21の制御を終了して、リターンする。
次に、ステップS40で、車線逸脱判定手段5により危険度中状態になったか、即ち、車両の横ずれ量ΔYが危険度中状態判定値ΔYs22を超えて危険度中状態になったかを判定する。この判定の結果、危険度中状態になったと判定された場合は、ステップS50へ進み、車線逸脱抑制処理として、上述のような操舵用制御トルクを発生させる制御に加え、ハンドル20を振動させるための振動用アクチュエータ27の制御を開始する。
【0053】
一方、危険度中状態になったと判定されなかった場合は、危険度中状態から離脱したと考えられるため、ステップS90へ進み、ハンドル20を振動させるための振動用アクチュエータ27の制御を終了して、リターンする。
次いで、ステップS60で、車線逸脱判定手段5により危険度大状態になったか、即ち、車両の横ずれ量ΔYが危険度大状態判定値ΔYs10を超えて危険度大状態になったかを判定する。この判定の結果、危険度大状態になったと判定された場合は、車線逸脱抑制処理として、上のような操舵アクチュエータ21及び振動用アクチュエータ27の制御に加え、警報器26から警報音を発生させるべく警報器26の制御を開始する。
【0054】
一方、危険度大状態になったと判定されなかった場合は、危険度大状態から離脱したと考えられるため、ステップS100へ進み、警報音を発生させるための警報器26の制御を終了して、リターンする。
したがって、本実施形態にかかる車線逸脱抑制装置によれば、比較的短い期間として設定された危険度大状態である場合に警報器26から警報音を発生させる警報により車線逸脱抑制処理を行なうとともに、比較的長い期間として設定された危険度大状態よりも危険度の低い危険度中状態及び危険度小状態である場合には、警報音以外の警報、即ち振動用アクチュエータ27によりハンドル20に振動を生じさせたり、操舵アクチュエータ21により操舵用制御トルクを生じさせたりする警報により車線逸脱抑制処理を行なうようになっているため、警報音が鳴り続けることによって運転者に不快感を与えることのを防止できる一方、このような警報音による車線逸脱抑制処理が終了しても警報音以外の車線逸脱抑制処理を行なうことで、運転者に未だ車線逸脱のおそれのある状態であることを知らせることができるという利点がある。
【0055】
なお、上述の実施形態では、車線逸脱抑制処理としての警報音による警報,ハンドル振動による警報及び操舵用制御トルクによる警報の開始・終了時期をそれぞれ異なる時期に設定しているが、これに限られるものではなく、警報音が長く続くと煩わしいため、警報音による車線逸脱抑制処理を行なう期間がなるべく短くなるようにするとともに、警報音による車線逸脱抑制処理の後にこれ以外の車線逸脱抑制処理が行なわれるようにすればよく、図8(a)〜図8(h)に示すように設定することもできる。
【0056】
なお、図8(a)〜図8(h)中、▲1▼は警報音による警報の開始・終了時期、▲2▼はハンドル振動による警報の開始・終了時期、▲3▼は操舵用制御トルクによる警報の開始・終了時期をそれぞれ示している。また、図8(a)〜図8(h)中、○は警報開始時期、×は警報終了時期をそれぞれ示している。
つまり、図8(a)に示すように、3つの警報▲1▼,▲2▼,▲3▼の開始時期○を、上述の実施形態と同様に、操舵用制御トルクによる警報▲3▼,ハンドル振動による警報▲2▼,警報音による警報▲1▼の順に設定し、警報音による警報▲1▼とハンドル振動による警報▲2▼の終了時期×を同時にし、その後に操舵用制御トルクによる警報▲3▼の終了時期×を設定しても良い。
【0057】
図8(b)に示すように、3つの警報▲1▼,▲2▼,▲3▼の開始時期○を同時にするとともに、警報音による警報▲1▼とハンドル振動による警報▲2▼の終了時期×を同時とし、その後に操舵用制御トルクによる警報▲3▼の終了時期×を設定しても良い。
図8(c)に示すように、ハンドル振動による警報▲2▼と操舵用制御トルクによる警報▲3▼の開始時期○を同時にし、その前に警報音による警報▲1▼の開始時期○を設定するとともに、警報音による警報▲1▼とハンドル振動による警報▲2▼との終了時期×を同時にし、その後に操舵用制御トルクによる警報▲3▼の終了時期×を設定しても良い。
【0058】
図8(d)に示すように、警報音による警報▲1▼とハンドル振動による警報▲2▼の開始時期○を同時にし、その後に操舵用制御トルクによる警報▲3▼の開始時期○を設定するとともに、警報音による警報▲1▼とハンドル振動による警報▲2▼との終了時期×を同時にし、その後に操舵用制御トルクによる警報▲3▼の終了時期×を設定しても良い。
【0059】
また、上述の実施形態では、危険度中状態の場合にハンドル振動による警報を行ない、危険度小状態の場合に操舵用制御トルクによる警報を行なうようにしているが、これに限られるものではなく、危険度中状態の場合に操舵用制御トルクによる警報を行ない、危険度小状態の場合にハンドル振動による警報を行なうようにしても良い。
【0060】
この場合、図8(e)に示すように、3つの警報▲1▼,▲2▼,▲3▼の開始時期○を、上述の実施形態と同様に、操舵用制御トルクによる警報▲3▼,ハンドル振動による警報▲2▼,警報音による警報▲1▼の順に設定し、警報音による警報▲1▼と操舵用制御トルクによる警報▲3▼の終了時期×を同時にし、その後にハンドル振動による警報▲2▼の終了時期×を設定しても良い。
【0061】
図8(f)に示すように、3つの警報▲1▼,▲2▼,▲3▼の開始時期○を同時にするとともに、警報音による警報▲1▼と操舵用制御トルク▲3▼による警報の終了時期×を同時とし、その後にハンドル振動による警報▲2▼の終了時期×を設定しても良い。
図8(g)に示すように、ハンドル振動による警報▲2▼と操舵用制御トルクによる警報▲3▼の開始時期○を同時にし、その後に警報音による警報▲1▼の開始時期○を設定するとともに、警報音による警報▲1▼と操舵用制御トルクによる警報▲3▼との終了時期×を同時にし、その後にハンドル振動による警報▲2▼の終了時期×を設定しても良い。
【0062】
図8(h)に示すように、警報音による警報▲1▼とハンドル振動による警報▲2▼の開始時期○を同時にし、その前に操舵用制御トルクによる警報▲3▼の開始時期○を設定するとともに、警報音による警報▲1▼と操舵用制御トルクによる警報▲3▼との終了時期×を同時にし、その後にハンドル振動による警報▲2▼の終了時期×を設定しても良い。
【0063】
また,上述の実施形態では、第2車線逸脱判定基準として危険度小状態判定値及び危険度中状態判定値の2つの判定値を設けて、警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理として操舵用制御トルクによる警報とハンドル振動による警報とを行なうようにしているが、いずれか一方のみでも良い。つまり、第2車線逸脱判定基準を危険度小状態判定値のみとし、警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理として操舵用制御トルクによる警報のみを行なうようにしても良いし、第2車線逸脱判定基準を危険度中状態判定値のみとし、警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理としてハンドル振動による警報のみを行なうようにしても良い。また、第2車線逸脱判定基準を危険度小状態判定値のみとした場合に警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理をハンドル振動による警報とし、第2車線逸脱判定基準を危険度中状態判定値のみとした場合に警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理を操舵用制御トルクによる警報とすることもできる。また、第2車線逸脱判定基準を3以上の判定値とし、警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理を3以上行なうようにしても良い。さらに、警報音以外の警報による車線逸脱抑制処理は、操舵用制御トルクによる警報及びハンドル振動による警報に限られるものではなく、制動力制御アクチュエータを用いて車両の制動力を制御することで車線逸脱抑制処理を行なう構成としても良い。
【0064】
また、上述の実施形態では、走行位置検知手段がカメラ2により撮像される画像から車両の走行位置を検知するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば磁気ネイル及び磁気センサ等により車両の走行位置を検知したり、D−GPSナビゲーションを用いて車両の車線に対する相対位置を検出して車線逸脱判定を行なうものとして構成しても良い。
【0065】
また、上述の実施形態では、車両の危険度状態を判定する判定値を複数(ΔYs21,ΔYs22,ΔYs10)設けて、複数(第1,第2)の車線逸脱判定基準としているが、この危険度状態を判定する判定値は1つの値としながら、この判定値により判定される横ずれ量ΔYの方を、複数、段階的に設けるようにしても同様の作用、効果を得られる。つまり、横ずれ量ΔYは車両が現在の車速Vで時間tだけ後に到達した地点(遠地点)LC2(図4参照)における予測横偏差であるが、この予測横偏差をt1秒後、t2秒後、t3秒後(t1<t2<t3)というように複数設定して、複数の遠地点における予測横偏差(横ずれ量)ΔY1,ΔY2,ΔY3を算出し、横ずれ量ΔY1を1つの判定値ΔYsと比較することで危険度小を、横ずれ量ΔY2を1つの判定値ΔYsと比較することで危険度中を、横ずれ量ΔY3を1つの判定値ΔYsと比較することで危険度大を、それぞれ判定するようにしても良い。
【0066】
また、上述の実施形態では、走行位置車両の車線中央からの横ずれ量ΔYに基づいて車線逸脱判定を行なうようになっているが、車線逸脱判定はこれに限られるものではない。例えば、左右それぞれの車線と車両走行位置との離間距離に基づいて車線逸脱判定を行なうようにしても良い。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車線逸脱抑制装置によれば、警報音が鳴り続けることによって乗員に不快感を与えるのを防止できる一方、警報音以外の車線逸脱抑制処理によって運転者に未だ車線逸脱のおそれのある状態であることを知らせることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる走行レーン認識のための画像処理を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる走行レーン認識を(a)〜(f)の順で説明する模式図である。
【図4】走行レーン認識を説明する模式的な平面図である。
【図5】本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置にそなえられる操舵アクチュエータの構成の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置による各警報の開始・終了タイミングを説明するための模式図である。
【図7】本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置による車線逸脱抑制処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての車線逸脱抑制装置による各警報の開始・終了タイミングの変形例を説明するための模式図であり、(a)〜(h)はそれぞれ変形パターンを示している。
【符号の説明】
1 車両
2 カメラ
3 画像情報処理手段
4 走行レーン推定手段
4A 横ずれ量算出手段(走行位置検知手段)
5 車線逸脱判定手段
6 制御手段(コントローラ)
20 ステアリングホイール(ハンドル)
21 操舵アクチュエータ
22 操舵輪
23 スイッチ
24 作動表示部
26 警報器
27 振動用アクチュエータ
32 車速センサ
40 ステアリングシャフト
41 小型電動トルクモータ
42 ウォームギヤ
43 トルクリミッタ
LC 道路中心線
Claims (4)
- 車両が走行する走行車線に対する前記車両の位置を検出又は推定する走行位置検知手段と、
前記走行位置検知手段により検知された前記車両位置から前記車両が前記走行車線から逸脱する危険があるかを判定する車線逸脱判定手段と、
前記車線逸脱判定手段により車線逸脱危険状態であると判定された場合に車線逸脱抑制処理を行なうように制御する制御手段とを備える車線逸脱抑制装置において、
前記車線逸脱判定手段が、前記車両の前記走行車線からの逸脱の危険度に応じて設定された複数の車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態であるかを判定するように構成され、
前記制御手段が、
前記車線逸脱判定手段により前記複数の車線逸脱判定基準のうち、危険度の最も低い第2車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態になったと判定された場合に、ハンドル戻しトルクによる第2の車線逸脱抑制処理を開始すると共に、
前記第2車線逸脱判定基準よりも危険度の高い第1車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態になったと判定された場合に、警報音による第1の車線逸脱抑制処理を開始するように構成されることを特徴とする、車線逸脱抑制装置。 - 前記制御手段は、前記車線逸脱判定手段により前記第1車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、前記第1の車線逸脱抑制処理を終了すると共に、前記車線逸脱判定手段により前記第2車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、前記第2の車線逸脱抑制処理を終了するように構成されることを特徴とする、請求項1記載の車線逸脱抑制装置。
- 前記制御手段は、前記第2車線逸脱判定基準よりも危険度が高く、前記第1車線逸脱判定基準よりも危険度の低い第3車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態になったと判定された場合に、ハンドル振動による第3の車線逸脱抑制処理を開始するように構成されることを特徴とする、請求項1記載の車線逸脱抑制装置。
- 前記制御手段は、前記車線逸脱判定手段により前記第1車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に前記第1の車線逸脱抑制処理を終了し、前記第3車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、前記第3の車線逸脱抑制処理を終了すると共に、前記第2車線逸脱判定基準に基づいて前記車線逸脱危険状態でなくなったと判定された場合に、前記第2の車線逸脱抑制処理を終了するように構成されることを特徴とする、請求項3記載の車線逸脱抑制装置。
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