JPH11180328A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

車線逸脱防止装置

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JPH11180328A
JPH11180328A JP9349834A JP34983497A JPH11180328A JP H11180328 A JPH11180328 A JP H11180328A JP 9349834 A JP9349834 A JP 9349834A JP 34983497 A JP34983497 A JP 34983497A JP H11180328 A JPH11180328 A JP H11180328A
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善紀 見市
Yoshifusa Nakane
吉英 中根
Kazuya Hayafune
一弥 早舩
Takashi Ota
貴志 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車線逸脱防止装置に関し、道路状況により白
線認識が不調になった場合でも制御の連続性を保てるよ
うにする。 【解決手段】 道路画像情報から道路上の白線を認識
し、認識された白線に基づいて車両の走行位置の横ずれ
量ΔY,車両に作用する横加速度Gを算出する。制御ト
ルク算出手段5は、上記の横ずれ量ΔY,横加速度Gに
基づいてそれぞれ横ずれ量対応制御トルクTy,横加速
度対応制御トルクTg1を算出し、これらから操舵用制
御トルクTcを算出する。制御手段は、算出された操舵
用制御トルクTcが車両の走行車線からの逸脱を防止す
る方向に発生するように操舵アクチュエータを制御す
る。白線認識が不調の場合は、横加速度検出手段により
車両に加わる実横加速度G′を検出し、制御トルク算出
手段5では、横加速度算出手段で算出される横加速度G
に代えてこの横加速度検出手段で検出される実横加速度
G′に基づいて横加速度対応制御トルクTg2の算出を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車が走行車線
から逸脱しそうになるとこれを防止する方向にドライバ
の加える操舵トルクとは別にドライバが容易に打ち勝て
る程度の操舵用制御トルクを加えて車両の車線逸脱の防
止を案内する、車線逸脱防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走行中の道路に対する車両の位置
や姿勢の把握を行ない、これに基づいて自動車の自動走
行制御を行なったり、ドライバの運転を案内したりする
技術(運転案内装置)が開発されている。自動走行制御
の場合、ドライバに何ら頼ることなく自動車を運転する
ことが必要であり、道路をはじめとした基本的施設(イ
ンフラ)を整備するなど、その実用化には様々な条件整
備が前提となる。
【0003】一方、運転案内装置の場合、自動車を運転
するのはあくまでもドライバであり、運転案内装置はド
ライバの運転操作のミスをドライバに知らせたりミスを
解消する方向へ運転を補助したりするものである。した
がって、運転案内装置は、現在の道路環境においても実
現可能な技術が多く、より実用性の高い運転案内装置の
開発が望まれている。
【0004】こうした運転案内装置の一つに車線逸脱防
止装置がある。この車線逸脱防止装置としては、自動車
が不注意で走行車線から逸脱しそうになると運転車に警
告を発する技術(特開昭63−214900号公報)が
ある。しかし、単に警告を発するだけでは居眠りをして
いるドライバには有効でない場合があるため、さらに積
極的に、自動車が走行車線内の一定位置(例えば中央位
置)を走行するように操舵制御を行なう技術(特開平7
−104850号公報)も提案されている。
【0005】さらに、このように自動車が走行車線内の
一定位置を維持するように制御する場合、ドライバの不
用意な操舵など一時的な操舵異常により自動車が走行車
線内からはみ出そうとした際にこの制御がはたらくと他
車両との緩衝を招くことがある。このため、こうした場
合には自動車を走行車線内の一定位置まで戻すのではな
く、走行車線内であっても車両がはみ出そうとした側に
偏った位置を保持するように操舵制御を行なう技術(特
開平5−297939号公報)も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車線逸脱防
止装置は、カメラ等による画像情報入力手段を通じて車
両前方の道路画像を取込み、この道路画像上の道路白線
をもとに走行車線を推定して、自車両がこの推定された
走行車線から逸脱しないように操舵制御又は警告するも
のが一般的である。これは、通常の路面は輝度が低く、
輝度変化も小さいのに対して、白線は通常の路面に比較
して輝度が非常に高いので、道路の明度差に着目するこ
とにより容易に白線を認識できるからである。
【0007】ところが、道路状況により、例えば、路面
が濡れている場合や、多数の水溜まりが存在する場合
は、光が反射され易いため路面の輝度が高くなり、白線
との間の輝度差が小さくなってしまう。このような場
合、白線と通常の路面との識別が難しくなり、白線の認
識精度が低下して正確な車線逸脱防止が行なえない虞が
ある。
【0008】このような場合の対策手段として、特開平
7−17299号公報には、白線認識精度が十分に確保
できなくなった場合には車線逸脱防止制御を速やかに停
止する技術が開示されている。しかしながら、白線が途
中で断続的に破綻している場合等、白線認識が単発的に
不調になりすぐに回復するような場合は、その度に制御
が中断されて制御が不連続になってしまうため、ドライ
バに違和感を与えることになる。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、道路状況により白線認識が不調になった場合でも
制御の連続性を保てるようにした、車線逸脱防止装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車線逸脱防止装置では、白線認識手段によ
り、画像情報入力手段により入力された車両の前方の道
路画像情報から道路上の白線を認識し、この認識された
白線に基づいて走行車線推定手段により自車両が走行す
る走行車線を推定する。
【0011】そして、横ずれ量算出手段が、走行車線推
定手段で推定された走行車線の基準位置からの車両の走
行位置の横ずれ量を算出し、横加速度算出手段が、走行
車線の道路曲率から車両に作用する横加速度を算出す
る。制御トルク算出手段は、横ずれ量算出手段で算出さ
れた横ずれ量に基づいて横ずれ量対応制御トルクを算出
するとともに横加速度算出手段で算出された横加速度に
基づいて横加速度対応制御トルクを算出し、これらの算
出した横ずれ量対応制御トルクと横加速度対応制御トル
クとから操舵用制御トルクを算出する。制御手段は、算
出された操舵用制御トルクが車両の走行車線からの逸脱
を防止する方向に発生するように操舵アクチュエータを
制御する。
【0012】一方、白線認識手段における白線認識が不
調の場合は、この白線に基づいて横加速度算出手段によ
り算出される横加速度の精度も不安定になるが、このと
きには、横加速度検出手段により車両に加わる実横加速
度を検出し、制御トルク算出手段では、横加速度算出手
段で算出される横加速度に代えてこの横加速度検出手段
で検出される実横加速度に基づいて横加速度対応制御ト
ルクの算出を行なうようにする。
【0013】これにより、白線認識の不調の場合でも制
御の連続性が保たれ、ドライバに違和感を与えない。ま
た、請求項2記載の本発明の車線逸脱防止装置では、白
線認識手段における白線認識が不調になると、制御トル
ク算出手段は、横ずれ量算出手段で算出された横ずれ量
に基づく横ずれ量対応制御トルクの制御ゲインを徐々に
低下させていく。
【0014】これにより、信頼性の低い白線情報に基づ
く不適切な横ずれ量対応制御トルクが付与されることが
防止されるとともに、突然制御が停止されることもな
く、ドライバに違和感を与えない。さらに、請求項3記
載の本発明の車線逸脱防止装置では、白線認識手段にお
ける白線認識の不調状態が所定時間以上継続すると、制
御トルク算出手段は、横加速度検出手段で検出された実
横加速度に基づく横加速度対応制御トルクの制御ゲイン
を徐々に低下させていく。
【0015】これにより、単発的な白線認識の不調の場
合は、実横加速度に基づく横加速度対応制御トルクによ
り制御の連続性を保たれるとともに、長期間の白線認識
の不調に対しては、信頼性の低い実横加速度に基づく不
適切な横加速度対応制御トルクを長期間付与することが
防止され、突然制御が停止されることもなくドライバに
違和感を与えない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図12は本発明の一
実施形態としての車線逸脱防止装置を示すものである。
本車線逸脱防止装置(レーンガイダンスシステムとも言
う)は、自動車において自車両が走行車線から逸脱しそ
うになるとこれを防止するためのものであり、走行車線
に対する自車両の位置を認識して、車線逸脱のおそれが
生じると、図2に示すように、車両にそなえられた操舵
アクチュエータ21によりドライバの加える操舵トルク
とは別の操舵トルク(この操舵トルクは、ドライバの加
える操舵トルクと区別するために操舵用制御トルクと呼
ぶ)を与えて、操舵中のドライバにステアリングホイー
ル(以下、ハンドルともいう)20を通じて車線逸脱を
警告するものである。
【0017】もちろん、この操舵用制御トルク自体も、
車両の挙動を修正する作用があるが、この操舵用制御ト
ルクは、あくまでも操舵系を通じてドライバに警告する
ことが主目的であり、車線を逸脱しそうな車両の位置を
修正するのは、この操舵用制御トルクが加えられたこと
で車線を逸脱しそうなことを認識したドライバの操舵操
作によって行なうべきものとしている。
【0018】したがって、本車線逸脱防止装置は、図2
に示すように、走行車線に対する自車両の位置を認識す
るために、車両1の前方の道路状態を撮像する撮像手段
としてのカメラ(画像情報入力手段)2と、カメラ2か
らの画像情報を適宜処理して前方道路上の左右の白線位
置を認識する画像情報処理手段(白線認識手段)3と、
この画像情報処理手段3による白線位置画像情報から車
両の走行レーン(走行車線)の基準位置に対する所定時
間t後における横ずれ量ΔYを予測して算出する横ずれ
量算出手段4Aと、車両に作用する横加速度Gを算出す
る横加速度算出手段7とをそなえている。
【0019】なお、横ずれ量ΔYは、車両1が車線を逸
脱しそうな度合いに関する判定パラメータに相当し、横
加速度Gはカーブ路におけるドライバの負担に関する判
定パラメータに相当する。また、横ずれ量算出手段4A
は、横加速度Gの判定パラメータである道路曲率ρを算
出する道路曲率算出手段4Bとともに、自車両に対する
走行車線(走行レーン)の相対位置を推定する走行レー
ン推定手段(走行車線推定手段)4内の機能要素として
そなえられている。
【0020】さらに、本車線逸脱防止装置は、横ずれ量
算出手段4Aにより算出された横ずれ量(横偏差)Δ
Y、即ち、車線を逸脱しそうな度合いと、横加速度算出
手段7により算出された横加速度G、即ち、カーブ路に
おけるドライバの負担とに基づいて、操舵用制御トルク
Tcを算出する制御トルク算出手段5と、ドライバの加
える操舵トルクとは別に操舵用制御トルクを操舵系に付
与しうる操舵アクチュエータ21と、この制御トルク算
出手段5で算出された操舵用制御トルクTcが横ずれ量
ΔYを減らし、また、横加速度Gに対抗する方向に発生
するように操舵アクチュエータ21を制御する制御手段
(コントローラ)6とをそなえている。
【0021】また、本車線逸脱防止装置の作動を選択す
るスイッチ(SW)23がそなえられている。したがっ
て、本装置を作動させたければスイッチ23をオンに、
本装置を作動させたくなければスイッチ23をオフに、
ドライバの好みに応じて選択できるようになっている。
さらに、例えばインパネ(インストルメントパネル)内
には、スイッチ23がオンの場合、又は、車線逸脱防止
のための制御トルクが加えられている場合に、これを表
示する作動表示部24が設けられている。
【0022】なお、画像情報処理手段3,走行レーン推
定手段4(横ずれ量算出手段4A,道路曲率算出手段4
B),横加速度算出手段7,制御トルク算出手段5,コ
ントローラ6は、CPU,入出力インタフェース,RO
M,RAM等をそなえてなる電子制御ユニットとして構
成される。まず、走行車線に対する自車両の位置認識、
即ち、自車両の横ずれ量ΔYの算出について説明する。
【0023】画像情報処理手段3では、まず、図3に示
すように、カメラ2からの原画像3Aを取り込み、この
原画像3Aから道路白線を抽出して、抽出した道路白線
の画像を、鉛直上方から見たような平面視画像3Bに変
換する。次に、白線12L,12Rの認識について図4
を参照しながら説明する。なお、ここでは、走行レーン
左端の路側線としての白線12Lの認識について説明す
るが、走行レーン右端の白線12Rを基準とする場合に
ついても同様であるため、左端の白線12Lについては
単に白線12と称することにする。
【0024】次に、画像情報認識手段3では、図4
(a)に示すように、車両1にそなえられたカメラ2に
より平地において車両前方の範囲(例えば5m〜30
m)の白黒画像情報を取り込み、この画像情報から画面
上で縦方向の画像を一部省略する。そして、この画面上
で等間隔になるような複数の水平線11を設定する。こ
の白黒画像情報の取り込みは、微小な制御周期毎に更新
されるようになっており、図4(b)に示すように、そ
れぞれの水平線11上において前回の画面での白線位置
の左右の所要の範囲(ここでは、左右50画素〔do
t〕)を白線探査エリア(処理対象領域)10として設
定する。また、初回の画面は、直線路における白線位置
を前回の画面データとして利用する。
【0025】そして、図4(c)に示すように、各水平
線の明度をそれぞれ左から横方向に微分する。また、図
中の符号14はガードレールである。ところで、通常の
路面は輝度が低く、輝度変化も小さい。これに対して、
白線12は通常の路面に比較して輝度が非常に高いの
で、このように道路の明度を微分すると、通常の路面か
ら白線12への境界点で輝度変化がプラス、白線12か
ら通常の路面への境界点で輝度変化がマイナスとなるよ
うな微分データが得られる。このような微分データの一
例を図4(d)に示す。
【0026】そして、各水平線11のデータそれぞれに
ついて、微分値のピークが左からプラス,マイナスの順
に並んで現れ、且つそれぞれのピークの間隔が白線12
として妥当と思われる程度(プラスのピークからマイナ
スのピークまでの間隔が例えば30dot以内)に納ま
っている組み合わせを白線候補として抽出し、通常は、
図4(e)に示すように、その中点Mを白線候補点15
として保存する。
【0027】そして、これらの白線候補点15のうち、
画面中心に最も近いもののみを最終候補点として残す。
これは、例えば車両1が左側通行の場合、探索エリア1
0の中の右側が通常輝度変化の少ない道路面であり、こ
の通常の道路面に最も近い白線候補点15が白線12と
判断できる。したがって白線12よりもさらに左側に、
ノイズの原因となる物体(例えばガードレール14等)
が存在する場合であっても、カメラ2により撮像された
画像情報から白線12を確実に認識することができる。
【0028】そして、図4(f)に示すように、最後に
各水平線データにおける白線候補点15の上下方向の連
続性を画面の下方から順次検証していく。まず、事前に
前画面での白線12の上下端間の傾きを計算しておく。
そして、最下点15Aを白線12とすると、一本だけ上
の水平線11上の候補点15Bが、前回の白線12の傾
き分±50dotの範囲内(誤差範囲内)に入っている
かを検証する。
【0029】候補点15Bがこの範囲内に入っていれば
これを白線とし、入っていないときは候補点15Bは却
下されて、上述の傾きから補間計算した座標が白線位置
としてみなされる。そして、この検出を各水平線につい
て同様の作業を行なうことにより、連続した白線12を
認識することができるのである。このような白線認識の
作業は、所要の周期で継続して行なわれ、その都度白線
12の認識が更新されるようになっている。
【0030】走行レーン右端の路側線としての白線12
Rの認識についても、これと同様に行なわれる。ところ
で、上述のように誤差範囲内に収まらない候補点15が
存在する場合でも、前画面での白線12の上下端間の傾
きから補間計算することにより白線12を認識できるよ
うになってはいるが、画面上の候補点15の多数が誤差
範囲内に収まらずに却下されるような場合は、有効に路
面上の白線を認識できているとは言えず、このような白
線12に基づいては正確な制御は期待できない。そこ
で、画像情報処理手段3では、一定数以上の候補点15
が却下された場合は、白線認識が不調であるとして認識
ロスト信号を制御トルク算出手段5に出力するようにな
っている。ただし、左右の白線12L,12Rの何れか
一方が有効に認識できている場合は、その有効に認識さ
れている白線12に基づいて制御が行なえるため、認識
ロスト信号は出力しない。
【0031】なお、このように白線12を認識できない
場合としては、路面が濡れている場合や、多数の水溜ま
りが存在する場合がある。このような場合は、光が反射
され易いため路面の輝度が高くなり、白線12との間の
輝度差が小さくなってしまうため、白線12と通常の路
面との識別が難しくなるのである。また、白線12が途
中で破綻していたり不鮮明であったり、白線12の近傍
に白色に近い表示や物体が存在する場合にも、当然なが
ら白線認識は行なえないことがある。
【0032】走行レーン推定手段4では、このように各
認識周期で認識された原画像3A上の白線12R,12
Lを平面視画像3Bに変換して、走行レーン左端の白線
12Lから推定しうる道路中心線LCL と走行レーン右
端の白線12Rから推定しうる道路中心線LCR とに基
づいて、道路中心線LCの推定を行なうようになってい
る。そして、この道路中心線LCに基づいて、横ずれ量
算出手段4Aにより現時点における横ずれ量ΔY0 と偏
角βとを算出する。
【0033】なお、偏角βとは、図5に示すように、屈
曲した道路中心線LCの接線方向と車両進行方向とがな
す角である。道路中心線LCの接線方向は、カメラ画像
で得られる画像情報のうち車両に最も近い検出レベルで
ある第1検出点(図中には近地点と示す)における道路
中心線位置(基準線位置)から、この近地点よりもさら
に車両1から所定距離Lだけ離れた第2検出点(図中に
は遠地点と示す)における道路中心線位置(基準線位
置)に向かう方向であり、各位置情報から算出すること
ができる。また、車両進行方向は、現在の車両位置か
ら、現在の操舵角を維持して所定距離Lだけ離れた時点
における車両位置に向かう方向であり、これらの2地点
の情報から算出することができる。
【0034】そして、この例では、車両に最も近い地点
である第1検出点における自車両中心線(点P1参照)
と道路中心線LC(点LC1参照)との横方向距離(道
路幅方向、即ちカメラ画像の横方向の距離)を現時点に
おける横ずれ量(現時点横偏差)ΔY0 として算出す
る。また、第2検出点は、第1検出点から所定時間t後
(例えば1.0秒後)に到達すると予測できる地点(L
C2,P2)、つまり、第1検出点から現時点での車速
Vに所定時間tを乗じて得られる距離L(=Vt)だけ
離れた地点としており、これらの第1検出点(LC1)
と第2検出点(LC2)とを結んだ直線と、車両1の進
行方向線(P1P2)とがなす角を偏角βとして算出す
る。なお、所定時間t後に到達すると予測できる車両位
置(P2)は、操舵角センサ27で検出された操舵角α
をもとに算出する。
【0035】横ずれ量算出手段4Aは、上述のごとく算
出された偏角βに車速センサ32で検出された車両の車
速Vと所定時間tとを乗算して所定時間t後における横
ずれ変化量Δy(Δy=β×V×t)を算出し、これに
現時点における横ずれ量(横偏差)ΔY0 を加算して予
測横ずれ量(以下、単に横ずれ量という)ΔY(=ΔY
0 +β×V×t)を算出する。なお、所定時間tは運転
手の一般的なハンドル20の操作速度や、画像情報処理
手段3等による道路状況の認識速度を考慮して適宜の時
間に設定されている。また、車速Vに応じて可変にして
もよく、第1検出点から第2検出点までの距離Lが一定
となるように所定時間tを設定してもよい。
【0036】一方、道路曲率算出手段4Bでは、道路中
心線の画像情報に基づいて走行レーンの曲率(道路曲
率)ρを推定するようになっている。まず、図6に示す
ように、例えば、上述の第1検出点(LC1)と第2検
出点(LC2)に対して、さらに第2検出点(LC2)
から距離Lだけ前方の第3検出点(LC3)を与えて、
第1検出点(LC1)から第2検出点(LC2)に至る
第1のベクトルLC1LC2と、第2検出点(LC2)
から第3検出点(LC3)に至る第2のベクトルLC2
LC3とのなす角度θを第2検出点(LC2)における
曲率指標(曲率特性)として算出する。
【0037】そして、これらの距離Lと曲率指標θとか
ら走行レーンの曲率(道路曲率)ρを次式により算出す
る。 ρ=2sin(θ/2)/L ・・・・・・・・・・・・(1) つまり、この曲率指標θの値は、第2検出点(LC2)
におけるカーブの屈曲度を表す指標であり、曲率指標θ
が大きい程、第2検出点(LC2)におけるカーブの曲
率ρが大きく、カーブが急であることを示している。
【0038】横加速度算出手段7では、このようにして
道路曲率算出手段4Bにより算出される走行レーンの曲
率ρを基に車両に作用する横加速度Gを算出する。つま
り、車速センサ32で検出される車両の走行速度の大き
さをVとすると、横加速度Gは次式で算出される。 G=ρ×V2 ・・・・・・・・・・・・・(2) なお、車両1には横加速度センサ31がそなえられてお
り、この横加速度センサ31によっても、実際に車両1
に作用している横加速度を検出できるようになってい
る。
【0039】制御トルク算出手段5では、このようにし
て算出される走行車線の基準位置(道路幅中央位置)に
対する車両の横ずれ量ΔYと、車両1に作用する横加速
度Gとに基づいて操舵用制御トルクTcを設定する。す
なわち、図1に示すように、制御トルク算出手段5は、
横ずれ量ΔYに対応して横ずれ防止トルク(横ずれ量対
応操舵用制御トルク)Tyを算出する機能(横ずれ対応
操舵用制御トルク算出手段)5Aと、この算出手段5A
による横ずれ防止トルクTyに、横加速度Gに対応した
保舵補助トルク(横加速度対応操舵用制御トルク)Tg
1を加算補正する機能(操舵用制御トルク補正手段)5
Bとをそなえている。
【0040】この横加速度Gに応じた保舵補助トルクT
g1による補正は、車両に横加速度Gが加わる場合に
は、これに対向するような保舵力が必要となり、このよ
うな保舵力を補助することで、車線逸脱防止のための操
舵制御をカーブ路等でも違和感なく行なえるようにする
ためである。つまり、横ずれ量ΔYに対応した横ずれ防
止トルクTyによる横ずれ防止制御に加え、横加速度G
に応じた保舵補助トルクTg1による保舵制御をも行な
おうとするものである。
【0041】一般に、車両がカーブ路を走行していると
きには、カーブの曲率や車両の走行速度に応じて車両の
横方向に作用する遠心力が旋回を妨げる方向に働くの
で、この遠心力による横加速度を横加速度算出手段7に
より算出し、この算出した横加速度Gの大きさに応じて
保舵補助トルクTg1を加算し、操舵用制御トルクの補
正を行なっている。
【0042】ここで、横ずれ防止トルクTyについて説
明すると、横ずれ対応操舵用制御トルク算出手段5Aで
は、図7に示すように、横ずれ量ΔYに比例するように
横ずれ防止トルクTyを設定する。なお、図7中、横ず
れ量ΔYに関する横座標は、右方向が右側への横ずれ
を、左方向が左側への横ずれを示しており、横ずれ防止
トルクTyに関する縦座標は、上方向が車両を車線左側
へ導く左操舵を、下方向が車両を車線右側へ導く右操舵
を示している。
【0043】つまり、図7に示すように、車両が道路中
心線から右側へずれれば、この横ずれ量ΔYに応じて車
両を車線左側へ導く左操舵の横ずれ防止トルクTyを設
定し、車両が道路中心線から左側へずれれば、この横ず
れ量ΔYに応じて車両を車線右側へ導く右操舵の横ずれ
防止トルクTyを設定する。ただし、いずれも、横ずれ
防止トルクTyの大きさは一定値Tymで制限してい
る。ここでは、横ずれ量ΔYの大きさがY1となったら
横ずれ防止トルクTyの大きさを一定値Tymに制限し
ている。これは、横ずれ防止トルクTyは、自動操舵に
用いる操舵トルクとは異なり、ドライバに警告すること
が主目的であって、車両の位置を修正するのはドライバ
の操舵操作によるため、操舵用制御トルクTcは、ドラ
イバの操舵操作を妨げない程度の大きさに、つまり、ド
ライバが容易に打ち勝てる程度の大きさに制限している
のである。
【0044】また、操舵用制御トルク補正手段5Bで
は、図9に示すように、横加速度Gに比例するように保
舵補助トルクTg1を設定する。なお、図9中、横加速
度Gに関する横座標は、右方向が車両の右方向への横加
速度の作用を、左方向が車両の左方向への横加速度の作
用を示しており、保舵補助トルクTg1に関する縦座標
は、上方向が車両を車線左側へ導く左操舵を、下方向が
車両を車線右側へ導く右操舵を示している。
【0045】図9に示すように、車両に右方向への横加
速度が作用すれば、この横加速度Gに応じて車両を車線
左側へ導く左操舵の保舵補助トルクTg1を設定し、車
両に左方向への横加速度が作用すれば、この横加速度G
に応じて車両を車線右側へ導く右操舵の保舵補助トルク
Tg1を設定する。ただし、いずれも、保舵補助トルク
Tg1の大きさは一定値Tgmで制限している。ここで
は、横加速度Gの大きさがG1となったら保舵補助トル
クTg1の大きさを一定値Tgmに制限している。これ
は、上述のように、ドライバが容易に打ち勝てる程度の
大きさに制限しているのである。
【0046】このようにして横ずれ量ΔY,横加速度G
に基づいてそれぞれ設定された横ずれ防止トルクTy,
保舵補助トルクTg1は、制御トルク算出手段5にそな
えられた制御トルク算定部5Dによりそれぞれ適宜の制
御ゲインKy,Kgを乗算された上でこれらの乗算値K
y・Ty,Kg・Tg1を加算して、操舵用制御トルク
Tcとしてコントローラ6へ出力されるようになってい
る。
【0047】ところで、画像情報処理手段3による白線
認識が不調のときは、画像情報処理手段3から制御トル
ク算出手段5へ認識ロスト信号が入力されるが、この認
識ロスト信号が入力されている間は、横ずれ防止トルク
Ty,保舵補助トルクTg1ともに精度の低い道路中心
線LCの情報に基づいて算出されるため、このまま操舵
用制御トルクTcとしてコントローラ6へ出力しても有
効に車線逸脱防止の機能を発揮しない可能性が大きい。
【0048】そこで、制御トルク算定部5Dは、画像情
報処理手段3から認識ロスト信号が入力されると、ま
ず、制御トルク算定部5Dの機能要素である切替手段5
dによって、操舵用制御トルク補正手段5Bによる横加
速度算出手段7で算出された横加速度Gに基づいた保舵
補助トルクの設定から、代用操舵用制御トルク補正手段
5Cによる実際に車両1に作用する横加速度(実横加速
度)G′に基づいた保舵補助トルクの設定へと切り替え
る。そして、この代用操舵用制御トルク補正手段5Cに
より設定された保舵補助トルクTg2にゲインKgを乗
算し、この乗算値Kg・Tg2を横ずれ防止トルクTy
に加算して操舵用制御トルクTcを得るようになってい
る。
【0049】なお、実横加速度G′は、車両1にそなえ
られた横Gセンサ(横加速度検出手段)31により検出
されるようになっており、代用操舵用制御トルク補正手
段5Cはこの実横加速度G′に基づいて操舵用制御トル
ク補正手段5Bと同様に図9に示すようなマップから保
舵補助トルクTg2を設定するようになっている。ま
た、横加速度算出手段7で算出された横加速度Gと実横
加速度G′との誤差により、保舵補助トルクTg1から
保舵補助トルクTg2への切り替え時には急激なトルク
変動が生じる可能性があるが、これに対しては図2に示
すように、制御トルク算出手段5とコントローラ6との
間に介装されたローパスフィルタ25により平滑化処理
することで対処している。
【0050】このように、保舵補助トルクTg1による
保舵制御に関しては、白線認識が不調のときには実横加
速度G′に基づく保舵補助トルクTg2により代用する
ことが可能であるが、横ずれ防止トルクTyによる横ず
れ防止制御に関しては、横ずれ防止トルクTyの算出基
準となる横ずれ量ΔYはカメラ2による画像情報によっ
てのみ得ることができるため、他の手段で代用すること
はできない。また、白線認識が不調のときには、このま
ま横ずれ防止トルクTyを付与したとしても有効に車線
逸脱防止の機能を発揮しない可能性が大きく、逆に不適
切なトルク付与によりドライバに違和感を与える可能性
もある。
【0051】そこで、横ずれ防止トルクTyによる横ず
れ防止制御については、不適切なトルク付与を防止する
ため認識ロスト信号が入力されると制御を停止するよう
にする。ただし、突然横ずれ防止トルクTyの付与が停
止されたり白線認識が正常になり突然再び横ずれ防止ト
ルクTyが付与されたりするとドライバに違和感を感じ
させることになるので、突然付与を停止するのではな
く、認識ロスト信号が入力されると徐々にゲインKyを
小さくしていき、数秒間かけて停止するようにしてい
る。
【0052】こうして、ゲインKyが0となり横ずれ防
止トルクTyの付与が停止されると、実横加速度G′に
基づく保舵補助トルクTg2のみが操舵用制御トルクT
cとして付与されることになるが、実横加速度G′はカ
ーブ路のみならず車両の蛇行運転等の他の要因によって
も発生するため、この保舵補助トルクTg2によっては
必ずしも正確な保舵制御を行うことはできず、不必要な
トルク付与によりドライバに違和感を与える可能性もあ
る。つまり、この実横加速度G′に基づく保舵補助トル
クTg2は、白線認識が断続的に不調になり横加速度算
出手段7による横加速度Gの算出が正確に行なえなくな
ったような場合に、白線認識が正常に回復するまでの間
一時的に代用するには有効であるが、恒常的な使用には
不適当である。
【0053】そこで、認識ロスト信号が所定時間続いた
場合には、単発的な白線認識の不調ではないと判断し、
横ずれ防止制御と同様に徐々にゲインKgを小さくして
いき、数秒間かけて停止するようになっている。このよ
うに、認識ロスト信号が所定時間以上続いた場合は、ゲ
インKy,Kgともに0とされ操舵用制御トルクTcの
付与による車線逸脱防止制御は停止されることになる
が、白線認識が回復した場合には、再び操舵用制御トル
クTcの付与による車線逸脱防止制御が再開される。
【0054】なお、このとき、切替手段5dは操舵用制
御トルク補正手段5B側へ切り替わり、横加速度算出手
段7により算出された横加速度Gに基づいて保舵補助ト
ルクTg1が設定され、また、突然のトルク付与による
ドライバの違和感を防止するため、停止時と同様にゲイ
ンKy,Kgは徐々に大きくなるようになっている。同
様に、ゲインKy又はゲインKgが徐々に低下している
ときに白線認識が回復した場合も、そこから徐々に大き
くしていき突然のトルク変動によるドライバの違和感を
防止している。
【0055】例えば、図11の(a),(b),(c)
は、それぞれ認識ロスト信号の入力と、それに対応し
た、ゲインKy,ゲインKgの各時間変化を示すタイム
チャートであり、(c)には合わせて保舵補助トルクT
g1,Tg2の切替を示している。この図11を用いて
制御トルク算出手段5の機能についてさらに具体的に説
明を行なう。
【0056】なお、以下の説明は、制御トルク算出手段
5において、制御トルクの設定に関してゲインKy,ゲ
インKg以外のゲインが設けられていないか、又は、設
けられていても、このゲインがいずれも1であるものと
する。図11(a),(b),(c)に示すように、認
識ロスト信号がOFFの場合はゲインKy,Kgともに
1.0に設定されている。また、切替手段5dは操舵用
制御トルク補正手段5B側に設定され、横加速度算出手
段4Bで算出された横加速度Gに基づいた保舵補助トル
クTg1による保舵制御が行なわれている。したがっ
て、この場合は操舵アクチュエータ21からは、操舵用
制御トルクTc(Tc=Ty+Tg1)が付与されるこ
とになる。
【0057】ところが、認識ロスト信号が入力(ON)
されると(時点t1 )、切替手段5dが代用操舵用制御
トルク補正手段5C側に切り替わり、横Gセンサ31で
検出された実横加速度G′に基づいた代用保舵補助トル
クTg2による保舵制御に切り替わるとともに、横ずれ
防止トルクTyのゲインKyも一定速度dKy1で徐々
に低下していく。すなわち、操舵用制御トルクTcはT
c=Ky・Ty+Tg2となる。やがて数秒後(時間t
12)にはゲインKyは0となり(時点t2 )、横ずれ防
止トルクTyによる横ずれ防止制御は停止し、代用保舵
補助トルクTg2による保舵制御のみが行なわれる。
【0058】そして、白線認識の不調が一定時間(時間
13)続いた場合はゲインKgを一定速度dKg1で徐
々に低下させていき(時点t3 )、数秒後(時間t34
にはゲインKgも0として(時点t4 )、代用保舵補助
トルクTg2による保舵制御も停止する。一方、白線認
識が回復して認識ロスト信号がOFFになると(時点t
5 )、横ずれ防止制御,保舵制御ともに再開し、ゲイン
Ky,Kgともにそれぞれ一定速度dKy2,dKg2
で増加させて行く。なお、認識ロスト信号がOFFにな
った時点(時点t5 )で、切替手段5dは操舵用制御ト
ルク補正手段5B側に切り替わり、横加速度算出手段7
で算出された横加速度Gに基づいた保舵補助トルクTg
1による保舵制御に切り替わっている。したがって、白
線認識の回復に伴い、操舵アクチュエータ21からは操
舵用制御トルクTc(Tc=Ky・Ty+Kg・Tg
1)が付与される。
【0059】やがて、ゲインKy,ゲインKgともに
1.0となり(それぞれ時点t6 ,t 7 )、操舵アクチ
ュエータ21からは通常の操舵用制御トルクTc(Tc
=Ty+Tg1)が付与される。なお、ここではゲイン
Ky,Kgの通常設定を1.0とした場合について説明
したが、他の適宜の値に設定することももちろん可能で
あり、また、運転状況等に合わせて可変にしてもよい。
さらに、ゲインKy,Kgの低下速度dKy1,dKg
1,増加速度dKy2,dKg2はそれぞれ別個の設定
でもよく、また同一設定でもよく、ゲインKy,Kgが
最大値から0まで低下,上昇する時間が一定(例えば5
秒)となるように設定してもよい。
【0060】ところで、操舵アクチュエータ21は、ス
テアリングシャフトにトルクを加えうるアクチュエータ
であればよく、例えば、図12に示すように、ステアリ
ングシャフト40の図示しないトーションバーよりも下
方(パワーステアリング側)に設置した小型電動トルク
モータ41により構成してもよい。この場合、モータ4
1からステアリングシャフト40へのトルク伝達は、ウ
ォーム42aとウォームホイール42bとからなるウォ
ームギヤ42を介して行なうが、ウォームホイール42
bとステアリングシャフト40との間にはトルクリミッ
タ43を介装する。このトルクリミッタ40により、万
が一モータ41が固着した場合でもドライバーは容易に
ハンドル20の操作を行なうことができる。また、モー
タ41は最大トルクを必要最小限に設定されており、例
えコントローラ6に故障が生じてもドライバーに過剰な
制御トルクが伝達されないようになっている。
【0061】なお、制御トルク算出手段5とコントロー
ラ6との間には、実際に操舵アクチュエータ21で発揮
される制御トルクが急変することなく滑らかに連続する
ように制御トルク算出信号の出力に対して平滑化処理す
るローパスフィルタ25が介装されている。本発明の一
実施形態としての車線逸脱防止装置は、上述のように構
成されているので、制御スイッチ23がオンされること
により、車線逸脱防止の処理が開始さる。
【0062】まず、本車線逸脱防止装置(レーンガイダ
ンスシステム)では、画像情報処理手段3により、カメ
ラ2から入力される車両前方の画像情報を適宜処理して
前方道路上の左右の白線位置を認識し、この白線位置画
像情報を基に、走行レーン推定手段4により自車両に対
する走行車線の相対位置を推定する。そして、横ずれ量
算出手段4Aにより、走行車線に対する自車両の所定時
間後における横ずれ量ΔYを予測するとともに、横加速
度算出手段7により車両に作用する横加速度Gを算出す
る。制御トルク算出手段5はこれらの横ずれ量ΔY,横
加速度Gをもとに車線逸脱防止のための操舵用制御トル
クTcを算出する。
【0063】ここで、操舵用制御トルクTcの算出につ
いて詳細に説明すると、まず、所定時間後において車両
が走行車線からどの程度逸脱するかの指標である、横ず
れ量ΔYを算出する必要がある。本装置では、横ずれ量
算出手段4Aにより、走行レーン推定手段4により推定
された自車両に対する走行車線の相対位置に基づいて現
時点での横ずれ量ΔY0 を算出する。ここでは、カメラ
2による画像情報に基づいて、車両に最も近い地点(第
1検出点)における自車両中心線と道路中心線LCとの
横方向距離(道路幅方向,カメラ画像の横方向距離)を
横ずれ量(横偏差)ΔY0 として算出する。
【0064】こうして現時点での横ずれ量ΔY0 の算出
が行なわれると、さらに、車両から所定距離だけ離れた
第1検出点における基準線位置情報と、この近地点より
もさらに車両1から距離Lだけ離れた第2検出点におけ
る基準線位置情報とから、屈曲した道路中心線LCの接
線方向を算出する。また、現在の車両位置情報と、現在
の操舵角を維持して距離Lだけ離れた時点における車両
位置情報とから車両進行方向を算出し、この車両進行方
向と道路中心線LCの接線方向とがなす偏角βを算出す
る。
【0065】ここでは、図5に示すように、第2検出点
(LC2)を、第1検出点(LC1)から所定時間t後
に到達すると予測できる地点、つまり、第1検出点(L
C1)から現時点での車速Vに所定時間tを乗じて得ら
れる距離Lにある地点として、これらの第1検出点(L
C1)と第2検出点(LC2)とを結んだ直線と、車両
1の進行方向線とがなす角を偏角βとして算出する。
【0066】このようにして、現時点での横ずれ量ΔY
0 と偏角βが算出されると、横ずれ量算出手段4Aは、
さらに偏角βに車速センサ32で検出された車両の車速
Vと所定時間tとを乗じて横ずれ変化量Δy(Δy=β
×V×t)を算出し、これに現時点における横ずれ量
(横偏差)ΔY0 を加算して所定時間t後における予測
横ずれ量ΔY(=ΔY0 +β×V×t)を算出する。
【0067】一方、カーブ路において車両の旋回を妨げ
るように作用する遠心力の大きさの指標である横加速度
Gは、横加速度算出手段7により算出されるが、まず、
走行レーン推定手段4の機能要素である道路曲率算出手
段4Bにより、道路中心線LCの画像情報に基づいて走
行レーンの曲率(道路曲率)ρを推定し、この道路曲率
ρに基づき横加速度Gを算出する。
【0068】つまり、図6に示すように、車両から所定
距離だけ離れた第1検出点(LC1)と第2検出点(L
C2)に対して、さらに第2検出点(LC2)から距離
Lだけ前方に第3検出点(LC3)を取り、第1検出点
(LC1)から第2検出点(LC2)に至る第1のベク
トルLC1LC2と、第2検出点(LC2)から第3検
出点(LC3)に至る第2のベクトルLC2LC3との
なす角度θを第2検出点(LC2)における曲率指標
(曲率特性)として算出する。そして、これらの距離L
と曲率指標θとから第2検出点(LC2)における走行
レーンの曲率(道路曲率)ρを(1)式を用いて算出
し、さらに、車速センサ32で検出される車両の走行速
度Vを用いて(2)式から横加速度Gを算出する。
【0069】このようにして、横ずれ量ΔYと横加速度
Gとが算出されると、制御トルク算出手段5は、まず、
横ずれ対応操舵用制御トルク算出手段5Aにより、図7
に示すようなマップやテーブル又は演算式を用いて横ず
れ防止トルクTyを算出する。横ずれ防止トルクTy
は、横ずれ量ΔYに比例し、且つ、その大きさを一定値
で制限される。つまり、図7に示すように、車両が道路
中心線から右側へずれれば、この横ずれ量ΔYに応じて
車両を車線左側へ導く左操舵の横ずれ防止トルクTyを
設定し、車両が道路中心線から左側へずれれば、この横
ずれ量ΔYに応じ−車両を車線右側へ導く右操舵の横ず
れ防止トルクTyを設定するが、いずれも、横ずれ防止
トルクTyの大きさは一定値Tymで制限される。
【0070】このように横ずれ防止トルクTyを制限す
ることで、横ずれ防止トルクTyが過大になることはな
く、横ずれ防止トルクTyの大きさはドライバが容易に
打ち勝てる程度に保たれることになる。この横ずれ防止
トルクTyが付与されると、ドライバは車線逸脱(道路
中心線からの外れ)とその修正方向をハンドル20の保
舵感等から感じ取り、車両位置の修正が、ドライバの操
舵操作によって速やかに行なわれるようになる。この横
ずれ防止トルクTy自体もドライバへの警告の意味だけ
でなく車両位置の修正のためにも有効となる。また、横
ずれ防止トルクTyによる警告は、例えば脇見運転のド
ライバに対しても有効であり、この場合、車線からの逸
脱を未然に防ぎながら、ドライバへ脇見運転の防止を促
すことにもなる。
【0071】そして、この横ずれ防止トルクTyは、現
時点における横ずれ量ΔY0 のみならず、現時点におけ
る横ずれ量ΔY0 に車速Vと偏角βとから予測される所
定時間t後における横ずれ変化量Δyを加算して得られ
る予測横ずれ量ΔYをもとに決定されるため、車両が逸
脱しようとしている度合いを前もって推定して制御遅れ
が生じないように車両の逸脱防止の制御を行なうことが
でき、車線逸脱防止の案内を状況に応じて的確に行なう
ことができる。
【0072】なお、横ずれ操舵用制御トルク算出手段5
Aによる横ずれ防止トルクTyの算出は、横ずれ量ΔY
に対して図7に示すような特性に限定されない。つま
り、横ずれ防止トルクTyは、横ずれ量ΔYが大きくな
ればこれを小さくするように作用するものであればよ
く、特に、横ずれ量ΔYが小さい領域では横ずれ防止ト
ルクTyを0として、この領域(不感帯)よりも横ずれ
量ΔYの大きさが大きくなれば、横ずれ防止トルクTy
を横ずれ量ΔYに応じて設定するようにしてもよい。こ
の場合、横ずれ防止トルクTyを横ずれ量ΔYに対して
線型に増加させてもよく、また、ステップ状に増加させ
てもよい。
【0073】さらに、図8に示すように、不感帯領域よ
りも横ずれ量ΔYの大きさが大きくなれば、横ずれ量Δ
Yが減少する方向に一定の大きさの横ずれ防止トルクT
ymを設定するようにしてもよい。次いで、制御トルク
算出手段5は、操舵用制御トルク補正手段5Bにより、
図9に示すようなマップやテーブル又は演算式を用いて
保舵補助トルクTg1の算出を行なう。つまり、図9に
示すように、走行レーンが左方向にカーブしている場
合、車両に作用する横加速度Gは車両の旋回を妨げる右
方向に働くので、横加速度Gの大きさに応じて車両を左
側へ旋回させる左操舵の保舵補助トルクTg1を設定
し、走行レーンが右方向にカーブしている場合は、横加
速度Gの大きさに応じて車両を右側へ旋回させる右操舵
の保舵補助トルクTg1を設定する。ただし、ドライバ
が容易に打ち勝てる程度に保舵補助トルクTg1の大き
さを保つため、横加速度Gの大きさがG1以上の場合は
保舵補助トルクTg1の大きさを一定値Tgmに制限す
る。
【0074】この保舵補助トルクTg1が付与される
と、ドライバはカーブ路におけるハンドル20の保舵力
を軽減され、大きな横加速度Gが作用するような場合で
も容易に操舵操作が行なわれるようになる。また、この
保舵補助トルクTg1は、車両がこれから進入するカー
ブにおいて作用するであろう横加速度Gを前もって予測
し、この予測された横加速度Gをもとに決定されるた
め、ドライバにカーブに沿ったハンドル操舵を促すよう
に保舵補助トルクTg1を付加することができる。この
ため、この保舵補助トルクTg1は車両がカーブにさし
かかったことをドライバに警告する効果もあり、例えば
脇見運転のドライバに対して有効である。
【0075】なお、操舵用制御トルク補正手段5Bによ
る保舵補助トルクTg1の算出は、横加速度Gに対して
図9に示すような特性に限定されない。つまり、保舵補
助トルクTg1も、横加速度Gが大きいほどこの影響を
解消するような傾向のものであればよく、例えば、図1
0に示すように、横加速度Gが小さい領域では保舵補助
トルクTg1を0として、この領域(不感帯)よりも横
加速度Gの大きさが大きくなれば、保舵補助トルクTg
1を横加速度Gに応じて設定するようにしてもよい。
【0076】このようにして横ずれ対応操舵用制御トル
ク算出手段5A,操舵用制御トルク補正手段5Bにより
それぞれ設定された横ずれ防止トルクTy,保舵補助ト
ルクTg1は、制御トルク算定部5Dにおいてそれぞれ
適宜のゲインKy,Kgを乗算された上で足し合わされ
操舵用制御トルクTcが算出される。コントローラ6
は、こうして得られた操舵用制御トルクTcに基づいて
操舵アクチュエータ21を作動させ、これにより、ドラ
イバの操舵トルクと操舵アクチュエータ21による操舵
用制御トルクTcとが加算された状態となって、パワー
ステアリング装置を経て操舵輪22側へ伝達され、操舵
輪22を転舵するのである。
【0077】ところで、路面が濡れている場合や、路面
上に多数の水溜まりが存在する場合は、光が反射され易
いため路面の輝度が高くなり、白線との間の輝度差が小
さくなってしまうため、白線と通常の路面との識別が難
しくなる。また、白線が途中で破綻していたり不鮮明で
あったり、白線の近傍に白色に近い表示や物体が存在す
る場合には、白線認識を行うことはできない。このよう
な場合、画像情報処理手段3における白線認識処理にお
いては、白線12の候補点15の多数がその誤差範囲内
に収まらない状態となり、候補点15からの白線12の
認識が行なえず、前画面での白線12の上下端間の傾き
から補間計算することにより白線12の認識を行なう。
【0078】しかしながら、このように画面上の候補点
15の多数が誤差範囲内に収まらずに却下されるような
場合は、有効に路面上の白線を認識できているとは言え
ず、このような精度の低い白線情報に基づいて横ずれ防
止トルクTy,保舵補助トルクTg1を算出したとして
も有効に車線逸脱防止の機能を発揮しない可能性が大き
い。
【0079】そこで、一定数以上の候補点15が却下さ
れた場合は、白線認識が不調であるとして認識ロスト信
号を制御トルク算出手段5に出力する。ただし、左右の
白線12L,12Rの何れか一方が有効に認識できてい
る場合は、その有効に認識されている白線12に基づい
て制御が行なえるため認識ロスト信号は出力せず、左右
の白線12L,12Rの両方が認識できないときのみ認
識ロスト信号を出力する。
【0080】制御トルク算出手段5は、画像情報処理手
段3から認識ロスト信号が入力されると、まず、制御ト
ルク算定部5Dの機能要素である切替手段5dにより、
操舵用制御トルク補正手段5Bから代用操舵用制御トル
ク補正手段5Cへ保舵補助トルクの設定にかかる手段を
切り替える。この代用操舵用制御トルク補正手段5C
は、操舵用制御トルク補正手段5Bが横加速度算出手段
7で算出された横加速度Gに基づいて保舵補助トルクT
g1を設定するのに対し、実際に車両1に作用する横加
速度を横Gセンサで検出し、検出された実横加速度G′
に基づいて保舵補助トルクTg2を設定するので、画像
情報処理手段3の白線認識の状態に関係なく保舵制御を
行なうことができる。このため、画像情報処理手段3の
白線認識が単発的に不調になるような場合に、代用操舵
用制御トルク補正手段5Cに切り替えて保舵補助トルク
Tg2を設定することにより、道路状態により保舵制御
が不安定になることを防止することができる。
【0081】なお、制御トルク算出手段5とコントロー
ラ6との間には、ローパスフィルタ25が介装されてい
るので、保舵補助トルクTg1から保舵補助トルクTg
2への切り替え時におけるトルク変動を平滑化処理する
ことができ、これにより保舵補助トルクは滑らかに連続
するようになり、さらに保舵制御を安定させることがで
きる。
【0082】また、代用操舵用制御トルク補正手段5C
は、操舵用制御トルク補正手段5Bと同様に図9に示す
ようなマップから保舵補助トルクTg2を設定するよう
になっているので、保舵補助トルクTg2は実横加速度
G′の大きさに応じて大きくなるよう設定され、ドライ
バは保舵補助トルクTg1による保舵制御に比較して違
和感を感じることはない。
【0083】一方、横ずれ防止トルクTyによる横ずれ
防止制御に関しては、横ずれ防止トルクTyの算出基準
となる横ずれ量ΔYはカメラ2による画像情報によって
のみ得ることができるため、他の手段で代用することは
できない。そこで、認識ロスト信号が入力されるとゲイ
ンKyを一定速度dKy1で徐々に低下させる。このよ
うに認識ロスト信号に応じて横ずれ防止制御を停止する
ことにより、信頼性の低い白線情報に基づく不適切なト
ルク付与によりドライバに違和感を与えることを防止す
るとともに、徐々にゲインKyを低下させることによ
り、突然横ずれ防止トルクTyの付与が停止されたり白
線認識が正常になり突然再び横ずれ防止トルクTyが付
与されたりしてドライバが違和感を感じることを防止す
ることができる。
【0084】こうして、ゲインKyが0となり横ずれ防
止トルクTyの付与が停止されると、実横加速度G′に
基づく保舵補助トルクTg2のみが操舵用制御トルクT
cとして付与されることになるが、実横加速度G′はカ
ーブ路のみならず車両の蛇行運転等の他の要因によって
も発生するため、この保舵補助トルクTg2によっては
必ずしも正確な保舵制御を行うことはできず、不必要な
トルク付与によりドライバに違和感を与える可能性もあ
る。つまり、この実横加速度G′に基づく保舵補助トル
クTg2は、白線認識が断続的に不調になり横加速度算
出手段7による横加速度Gの算出が正確に行なえなくな
ったような場合に、白線認識が正常に回復するまでの間
一時的に代用するには有効であるが、恒常的な使用には
不適当である。
【0085】そこで、認識ロスト信号が所定時間続いた
場合には、単発的な白線認識の不調ではないと判断し、
横ずれ防止制御と同様に一定速度dKg1で徐々にゲイ
ンKgを小さくしていき、数秒間かけて停止する。この
ように認識ロスト信号の入力後所定時間経過した後に保
舵補助トルクTg2による保舵制御を停止することによ
り、単発的な白線認識の不調の場合は保舵制御の連続性
を保つとともに、横加速度算出手段7による横加速度G
に比べて信頼性の低い実横加速度G′に基づく不適切な
トルク付与が長期間続けられることによるドライバの違
和感を防止することができ、さらに、徐々にゲインKg
を低下させることにより、突然保舵補助トルクTg2の
付与が停止されてドライバが違和感を感じることを防止
することができる。
【0086】そして、認識ロスト信号が所定時間以上続
いた場合は、ゲインKy,Kgともに0となり操舵用制
御トルクTcの付与による車線逸脱防止制御は停止され
るが、白線認識が回復した場合には、再び操舵用制御ト
ルクTcの付与による車線逸脱防止制御が再開される。
なお、このとき、切替手段5dは操舵用制御トルク補正
手段5B側へ切り替わり、横加速度算出手段7により算
出された横加速度Gに基づいて保舵補助トルクTg1が
設定されるので、安定した保舵制御を行なうことができ
る。
【0087】また、車線逸脱防止制御の再開にあたりゲ
インKy,Kgはともに一定速度dKy2,dKg2で
徐々に増加していくので、突然のトルク付与によるドラ
イバの違和感を防止することができる。このように、本
車線逸脱防止装置によれば、道路状況により画像情報処
理手段3による白線認識が不調になった場合には、保舵
制御に関しては白線認識が正常になるまで実横加速度
G′を代用し、不調状態が長時間続く場合にはゲインK
y,Kgを徐々に低下させて制御を停止するので、制御
が不連続になりドライバに違和感を与えることを防止で
きるのである。
【0088】また、ローパスフィルタ25により、操舵
用制御トルクTcが平滑化処理されて出力されるので、
操舵アクチュエータ21で発生する操舵用制御トルクが
急変することなく滑らかに連続するようになり、車線逸
脱防止の制御を安定させることができる利点もある。
【0089】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車線逸脱防止装置によれば、白線認識手段で認識
された道路上の白線から走行車線を推定し、自車両がこ
の走行車線から逸脱しそうになるとこれを防止する方向
にドライバの操舵力とは別に操舵用制御トルクが操舵ア
クチュエータにより付与され、しかも、操舵用制御トル
クは車両の横ずれ量や横加速度に応じた大きさに設定さ
れるので、車両が逸脱しようとしている度合いに応じて
且つ路面のカーブ状況を考慮しながら適切な大きさの操
舵用制御トルクを付与することができるようになり、車
線逸脱防止の案内を状況に応じて的確に行なうことがで
きるとともに、白線認識手段の白線認識が不調のときに
は、横加速度算出手段で算出される横加速度に代えて横
加速度検出手段で検出される実横加速度を横加速度対応
制御トルクの算出に代用するので、白線認識の不調によ
り制御が不連続になりドライバが違和感を感じることを
防止することができる。
【0090】請求項2記載の本発明の車線逸脱防止装置
によれば、白線認識手段における白線認識が不調になる
と、制御ゲインを徐々に低下させていくことにより横ず
れ量対応制御トルクの付与を停止するので、信頼性の低
い白線情報に基づく不適切なトルク付与によりドライバ
に違和感を与えることを防止することができるととも
に、突然横ずれ量対応制御トルクの付与が停止されてド
ライバが違和感を感じることも防止することができる。
【0091】さらに、請求項3記載の本発明の車線逸脱
防止装置によれば、白線認識手段における白線認識の不
調状態が所定時間以上継続したときには、制御ゲインを
徐々に低下させていくことにより実横加速度に基づく横
加速度対応制御トルクの付与を停止するので、単発的な
白線認識の不調の場合は実横加速度に基づく横加速度対
応制御トルクにより制御の連続性を保つことができると
ともに、信頼性の低い実横加速度に基づく不適切なトル
ク付与が長期間続けられることによるドライバの違和感
を防止することができ、さらに、徐々に制御ゲインを低
下させることにより制御が滑らかになり、突然横加速度
対応制御トルクの付与が停止されてドライバが違和感を
感じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装置
にかかる制御トルク算出手段の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装置
の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる走行レーン認識の
ための画像処理を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる走行レーン認識を
(a)〜(f)の順で説明する模式図である。
【図5】走行レーン認識を説明する模式的な平面図であ
る。
【図6】走行レーンの曲率の算出について説明するため
の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装置
にかかる横ずれ防止トルクの設定マップの一例を示す図
である。
【図8】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装置
にかかる横ずれ防止トルクの設定マップの他の例を示す
図である。
【図9】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装置
にかかる保舵補助トルクの設定マップの一例を示す図で
ある。
【図10】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装
置にかかる保舵補助トルクの設定マップの他の例を示す
図である。
【図11】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装
置にかかる制御ゲインの認識ロスト信号の入力に対応し
た時間変化を示す図であり、(a)は認識ロスト信号の
入力を示す図、(b)はゲインKyの時間変化を示す
図、(c)はゲインKgの時間変化と保舵トルクの切替
を示す図であり、時間軸は一致している。
【図12】本発明の一実施形態としての車線逸脱防止装
置にそなえられる操舵アクチュエータの構成の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1 車両 2 カメラ(画像情報入力手段) 3 画像情報処理手段(白線認識手段) 4 走行レーン推定手段(走行車線推定手段) 4A 横ずれ量算出手段 4B 道路曲率算出手段 5 制御トルク算出手段 5A 横ずれ対応操舵用制御トルク算出手段 5B 保舵用制御トルク算出手段 5C 代用保舵用制御トルク算出手段 5D 制御トルク算定部 5d 切替手段 6 制御手段(コントローラ) 7 横加速度算出手段 21 操舵アクチュエータ 25 ローパスフィルタ 27 操舵角センサ 31 横Gセンサ(横加速度検出手段) 32 車速センサ LC 道路中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G05D 1/02 G06F 15/62 380 G08G 1/16 15/70 330G B62D 101:00 111:00 (72)発明者 太田 貴志 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車両が走行車線から逸脱しそうになる
    とこれを防止する方向にドライバの加える操舵トルクと
    は別にドライバが容易に打ち勝てる程度の操舵用制御ト
    ルクを該車両の操舵アクチュエータにより付与させて該
    車両の車線逸脱の防止を案内する車線逸脱防止装置であ
    って、 該車両の前方の道路画像を入力する画像情報入力手段
    と、 該画像情報入力手段で得られた道路画像情報から該道路
    上の白線を認識する白線認識手段と、 該白線認識手段で認識された該白線から該走行車線を推
    定する走行車線推定手段と、 該走行車線推定手段で推定された該走行車線の基準位置
    からの該車両の走行位置の横ずれ量を算出する横ずれ量
    算出手段と、 該走行車線推定手段で推定された該走行車線の道路曲率
    から該車両に作用する横加速度を算出する横加速度算出
    手段と、 該横ずれ量算出手段で算出された該横ずれ量に基づいて
    横ずれ量対応制御トルクを算出するとともに該横加速度
    算出手段で算出された該横加速度に基づいて横加速度対
    応制御トルクを算出し、該横ずれ量対応制御トルクと該
    横加速度対応制御トルクとから該操舵用制御トルクを算
    出する制御トルク算出手段と、 該制御トルク算出手段で算出された該操舵用制御トルク
    が該車両の該走行車線からの逸脱を防止する方向に発生
    するように該操舵アクチュエータを制御する制御手段と
    をそなえるとともに、 該車両に加わる実横加速度を検出する横加速度検出手段
    とをそなえ、 該制御トルク算出手段は、該白線認識手段における該白
    線認識が不調のときは、該横加速度算出手段で算出され
    る該横加速度に代えて該横加速度検出手段で検出される
    該実横加速度に基づいて該横加速度対応制御トルクを算
    出することを特徴とする、車線逸脱防止装置。
  2. 【請求項2】 該制御トルク算出手段は、該白線認識手
    段における該白線認識が不調になると、該横ずれ量算出
    手段で算出された該横ずれ量に基づく該横ずれ量対応制
    御トルクの制御ゲインを徐々に低下させていくことを特
    徴とする、請求項1記載の車線逸脱防止装置。
  3. 【請求項3】 該制御トルク算出手段は、該白線認識手
    段における該白線認識の不調状態が所定時間以上継続す
    ると、該横加速度検出手段で検出された該実横加速度に
    基づく該横加速度対応制御トルクの制御ゲインを徐々に
    低下させていくことを特徴とする、請求項1又は2記載
    の車線逸脱防止装置。
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