JP3600094B2 - 電子レンジ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジに関し、特に、効率よく食品を加熱できる電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子レンジでは、導波管内に、放射アンテナを備えるものがあった。この放射アンテナは、マグネトロンから突出するマグネトロンアンテナと、マイクロ波的に結合されるように配置されていた。そして、放射アンテナを備えることにより、電子レンジにおいて、加熱室へのマイクロ波の給電効率の向上を図ることができた。
【0003】
また、従来の電子レンジでは、放射アンテナに加えて、さらに、加熱室側に、アンテナを備えるものがあった。このさらなるアンテナは、マグネトロンアンテナの中心に対向する部分から放射状に配置された複数の金属片により構成される場合や、さらにそれらが回転可能に設けられることもあった。このような、さらなるアンテナは、加熱室内に、効率よく、かつ、まんべんなく、マイクロ波を供給するために備えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電子レンジにおいて、単に、導波管内に放射アンテナを設けたり、加熱室側にさらなるアンテナを設けただけでは、マグネトロンと加熱室とのインピーダンス整合を十分に図ることができなかった。マグネトロンと加熱室とのインピーダンス整合が十分になされない場合、マグネトロンの発振したマイクロ波の多くが、加熱室に供給されず当該マグネトロンに反射することになる。このため、従来の電子レンジにおいて、マグネトロンの発振したマイクロ波をより多く加熱室に供給することにより、効率よく食品を加熱することが望まれていた。
【0005】
また、従来では、マグネトロンから加熱室にマイクロ波を供給する場合、加熱室全体にまんべんなくマイクロ波を供給することは困難であった。つまり、加熱室内においてマイクロ波の供給される場所に偏りを生じる場合があったため、結果として、食品を効率よく加熱することができなかった。
【0006】
また、アンテナを多数設けることにより、アンテナ間で放電が起こる場合があった。このような場合にも、マイクロ波が加熱室に供給されにくくなるため、効率よく食品を加熱することができなくなる。
【0007】
また、加熱室側に回転可能な金属片が設けられた場合、当該金属片を回転させるための風を導く孔が、加熱室や導波管に形成される。そして、外部から誤って針金等が挿入された場合等を考慮すると、このような孔は径を小さくする必要がある。しかしながら、このような孔の径が小さくされると、金属片を十分に回転させることができなくなる。したがって、このような場合にも、マグネトロンから供給されるマイクロ波を十分攪拌することができないため、加熱室内に供給されるマイクロ波の偏りを十分解消できず、食品を効率よく加熱することができなかった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、効率よく食品を加熱できる電子レンジを供給することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明にかかる電子レンジは、食品を収容する加熱室と、マイクロ波を放射するためのマグネトロンアンテナを有し、前記加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、前記マグネトロンに風を送って冷却する冷却ファンと、前記加熱室に形成した開口と前記マグネトロンとに接続され、前記マグネトロンの発振したマイクロ波を前記加熱室に導く導波管と、前記開口に設けた保護カバーと、前記保護カバーに回転可能に取り付けられ、誘電物質からなる回転板と、前記回転板に取り付けられ、前記マグネトロンの発振したマイクロ波を拡散させるために前記導波管から前記加熱室に渡って存在するように設けられている複数の拡散アンテナとを含み、前記導波管は、前記冷却ファンから前記導波管内部に風を送るための孔を形成され、また前記回転板は、隣り合う前記拡散アンテナの間の領域に切り欠きを形成していることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によると、導波管から加熱室にかけて、アンテナが存在する。
【0011】
これにより、より確実に、マグネトロンと加熱室のインピーダンス整合を図ることができるため、電子レンジにおいて、より効率よく、食品を加熱することができる。
【0012】
また、回転板の切り欠きにより隣り合う拡散アンテナを、電気的に絶縁することができるため、隣合う拡散アンテナの間で放電が起こることを回避できる。
【0013】
請求項2に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項1に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記拡散アンテナは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面について、前記マグネトロンアンテナを中心として放射線状に、複数、設けられ、且つ前記マグネトロンアンテナの円周方向において、互いに所定の間隔を隔てて設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明による作用に加えて、拡散アンテナが、マグネトロンアンテナを介して放射されるマイクロ波を、より確実に拡散できる。これにより、より確実に、加熱室における、食品の加熱むらを抑制できる。
【0014】
請求項3に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項2に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記拡散アンテナは、複数の面を有し、前記拡散アンテナの複数の面の中の少なくとも一つの面は、その同一平面上に前記マグネトロンアンテナの中心を含まない面であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によると、請求項2に記載の発明による作用に加えて、拡散アンテナを介して供給されるマイクロ波が、マグネトロンアンテナの中心付近に集中することを回避できる。これにより、マグネトロンの発振したマイクロ波を、より効率よく、加熱室に供給できる。
【0016】
請求項4に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記拡散アンテナは、前記導波管の内壁と平行な端部を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によると、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、拡散アンテナと導波管の内壁面との間で、マイクロ波の伝播線路が構成される。これにより、より効率的に、拡散アンテナを介してマイクロ波を加熱室に供給できる。
【0018】
請求項5に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記保護カバーに取付けられ、前記回転板を回転可能に取り付ける回転軸と、該回転軸に嵌め込まれた金属ワッシャとをさらに含むことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によると、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、各拡散アンテナの、マグネトロンアンテナに近い部分では、金属ワッシャを介して、他の拡散アンテナへ、電流が流れることができる。これにより、各拡散アンテナの、マグネトロンアンテナに近い部分に電界が集中することを回避できるため、より効率的に、拡散アンテナを介してマイクロ波を加熱室に供給できる。
【0020】
請求項6に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明にかかる電子レンジは、前記マグネトロンアンテナの周囲に設けられた放射アンテナとを含み、前記放射アンテナは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面において、前記マグネトロンアンテナに対して非対称な形状を有することを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によると、放射アンテナの形状を変更することにより、加熱室に供給されるマイクロ波の分布を、変更することができる。
【0022】
これにより、電子レンジにおいて、マグネトロンの加熱室に対する取付位置に応じて、加熱室に供給されるマイクロ波の分布を変更できるため、より効率的に、食品を加熱できる。
【0023】
請求項7に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項6に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記放射アンテナと前記拡散アンテナとは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向において重なりを有するように配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明によると、請求項6に記載の発明による作用に加えて、導波管内でのマイクロ波の伝播線路の結合が強くなる。これにより、加熱室に、より効率よく、マイクロ波を供給できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の電子レンジの実施の形態を説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態の電子レンジの断面を模式的に示す図である。
【0027】
加熱室1の右側壁には、開口4が形成されている。開口4には、加熱室1の外側から導波管2の一端が取付けられ、導波管2の他端には、マグネトロン3が取付けられている。これにより、マグネトロン3の発振したマイクロ波は、導波管2、開口4を介して、加熱室1内に供給される。
【0028】
導波管2の内部には、放射アンテナ6が配置されている。
また、開口4の、加熱室1の内側には、保護カバー7が設けられている。そして、保護カバー7には、複数の拡散アンテナ5が、回転可能に、取付けられている。本実施の形態では、拡散アンテナ5により、マグネトロンの発振したマイクロ波を拡散させる拡散アンテナが構成されている。なお、本実施の形態では、拡散アンテナは、回転可能に構成されるが、これに限定されず、回転しないように構成されていてもよい。
【0029】
図2は、図1の電子レンジの断面図の、導波管2部分を拡大させた図である。
拡散アンテナ5は、回転板9上に貼り付けられることにより、保護カバー7に取付けられている。回転板9は、たとえばマイカ板等の誘電物質から構成される。保護カバー7には、回転軸10が取付けられている。そして、回転板9は、その中央部に設けられた孔に回転軸10を嵌め込まれることにより、保護カバー7に、回転可能に取付けられる。本実施の形態では、回転板9により、拡散アンテナを支持するアンテナ支持板が構成されている。
【0030】
マグネトロン3は、マグネトロンアンテナ11を備えている。マグネトロンアンテナ11は、マグネトロン3から、加熱室1の方に向かって突出している。マグネトロンアンテナ11の周囲には、固定板8が配置されている。固定板8は、マイカ板等の誘電物質から構成される。固定板8上には、放射アンテナ6が取付けられている。放射アンテナ6は、マグネトロンアンテナ11の周囲に、マグネトロンアンテナ11とマイクロ波的に結合した状態で、配置されている。放射アンテナ6の形状が変更されると、マグネトロン3から加熱室1への給電指向性が変更される。たとえば、放射アンテナ6の形状を、マグネトロンアンテナ11に対して非対称なものにすることにより、加熱室1における加熱むらを抑制することができる。図3に、固定板8、放射アンテナ6およびマグネトロンアンテナ11の正面図を示す。なお、図3は、図2における各要素を、左方から見た図に相当する。
【0031】
図3に示すように、放射アンテナ6は、マグネトロンアンテナ11の上方領域よりも下方領域の方が、面積が大きくなるように構成されている。なお、放射アンテナ6の形状は、マグネトロン3と加熱室1との位置関係に応じて変更されるべきである。つまり、本実施の形態では、放射アンテナ6の形状は、マグネトロン3が、加熱室1の、中央より高い位置に設けられているため、より下方側にマイクロ波を供給することを目的として、決定されている。放射アンテナ6が、図3に示すような形状を有することにより、マグネトロン3の発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面において、マグネトロンアンテナ11に対して非対称な形状を有することになる。
【0032】
拡散アンテナ5は、導波管2の壁面にほぼ平行な部分5aを有する。拡散アンテナ5における、導波管2の壁面と平行な部分5aは、導波管2の内部から加熱室1にわたって延びている。これにより、拡散アンテナ5と導波管2の壁面との間で、マイクロ波の伝播線路が構成されるため、マイクロ波を、より効率的に、拡散アンテナ5を介して、加熱室1に供給できる。
【0033】
符号12は、拡散アンテナ5の外周部である。外周部12は、拡散アンテナ5において、回転軸10から最も遠い部位である。回転板9の外縁は、拡散アンテナ5の外周部12よりも、回転軸10に対して内側に位置している。これにより、回転板9が保護カバー7の主面に対して傾斜した場合でも、回転板9の外縁が保護カバー7に接触することが回避される。
【0034】
[第2の実施の形態]
図4に、本発明の第2の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図を示す。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
本実施の形態では、導波管2の一端は、加熱室1の開口4に接続され、導波管2の他端は、マグネトロン3に接続されている。開口4の加熱室1側には、保護カバー7が取付けられている。保護カバー7には、回転軸10が設けられ、回転軸10には、回転板9が嵌め込まれている。
【0036】
回転板9には、複数の拡散アンテナ25が取付けられている。拡散アンテナ25は、マグネトロンアンテナ11の外側面と平行な面25aを備えている。これにより、拡散アンテナ25とマグネトロンアンテナ11との間のマイクロ波伝播線路の結合が強くなる。したがって、マグネトロンアンテナ11から、導波管2の加熱室1側の開口部の中心13に、より効率よく給電できる。
【0037】
マグネトロンアンテナ11の周囲には、誘電物質からなる固定板28が設けられ、固定板28上には放射アンテナ26が設けられている。
【0038】
導波管2内に、回転板9の主面に沿うように、つまり、図4の紙面に垂直な方向に、風が導入されることにより、拡散アンテナ25が回転する。なお、本実施の形態では、固定板28は、回転板9に平行に設けられている。これにより、固定板28は、拡散アンテナ25が回転するための風路を構成していることになる。
【0039】
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0040】
マグネトロンアンテナ11の周囲には、誘電物質からなる固定板38が設けられ、固定板38上には放射アンテナ36が設けられている。放射アンテナ36と拡散アンテナ5とは、マイクロ波の伝播方向について重なりを有している。ここでいう、放射アンテナ36と拡散アンテナ5とのマイクロ波の伝播方向についての重なり部分に挟まれた空間を、重なり部14とすると、重なり部14では、マイクロ波伝播線路の結合が強くなる。これにより、本実施の形態では、加熱室1に、効率よく、マイクロ波を供給できる。
【0041】
また、本実施の形態では、マグネトロンアンテナ11から導波管2までの空間絶縁距離の合計を7mm以上としている。この空間絶縁距離の合計とは、マグネトロンアンテナ11から導波管2までの空間に存在するマイクロ波の伝播に関与する要素(金属等、マイクロ波を反射する物質)の間の最短距離の和、つまり、これらの要素を除いた空間の最短距離の和を意味する。具体的には、図5中の(L1+L2+L3)で示される。なお、図5において、L1は、マグネトロンアンテナ11と放射アンテナ36との最短距離である。また、L2は、放射アンテナ36と拡散アンテナ5との最短距離である。そして、L3は、拡散アンテナ5と導波管2との最短距離である。なお、この場合、固定板38は誘電物質から構成されるため、マイクロ波の伝播には関与しないとしている。そして、本実施の形態では、この空間絶縁距離(L1+L2+L3)が7mm以上とされるため、マグネトロンアンテナ11から導波管2までの箇所で放電が発生することを回避できる。つまり、ここでは、拡散アンテナ5により、マグネトロンアンテナと導波管との間に設けられた拡散アンテナが構成されていることになる。
【0042】
図6は、本実施の形態の回転板9と拡散アンテナ5とを示す図である。
回転板9のほぼ中央に設けられた孔15は、回転軸10を嵌め込まれるためのものである。なお、マグネトロンアンテナ11は、回転板9に対して、ほぼ中央に対向するように延びている(図5参照)。そして、拡散アンテナ5は、孔15の全周を覆い尽くさないように、つまり、孔15の外周において拡散アンテナ5に覆われない部分が存在するように、配置されている。このことは、拡散アンテナ5が、マイクロ波の伝播方向に垂直な平面において、マグネトロンアンテナ11の全周を覆い尽くさないように、つまり、マグネトロンアンテナ11の外側の円周方向において、拡散アンテナ5は、互いに所定の間隔を隔てて配置されていることを意味する。このように拡散アンテナ5が配置されているため、拡散アンテナ5を介して加熱室1に供給されるマイクロ波が、開口4の、中央部と、外周部5a(図2参照)に対応する外周部とに適宜別れるようになる。これにより、より確実に、加熱室1における加熱むらを回避できる。
【0043】
また、回転板9には複数の拡散アンテナ5が取付けられているが、それぞれの拡散アンテナ5から孔15までの距離は、拡散アンテナ5毎に異なっている。つまり、回転軸10から各拡散アンテナ5までの距離は、それぞれ異なっていることになる。これにより、拡散アンテナ5毎に、加熱室1への給電態様が異なるため、より多くのパターンで、加熱室1にマイクロ波を供給できる。これにより、より加熱室1における加熱むらを回避できる。
【0044】
また、回転板9には、複数の切り欠き部16が形成されている。切り欠き部16により、回転板9上の各拡散アンテナ5の取付けられる領域は、隣りの拡散アンテナ5が取付けられた領域から、電気的に絶縁される。したがって、回転板9上において、拡散アンテナ5は、隣り合う拡散アンテナ5に対して空間絶縁距離を確保されている。つまり、回転板9上において、隣り合う拡散アンテナ5間で放電が発生することを回避できる。
【0045】
図7に、回転板9の部分的な拡大図を示す。また、図8に、拡散アンテナ5とマグネトロンアンテナ11との位置関係を示す断面図を示す。なお、図8では、放射アンテナ36、固定板38等を省略している。
【0046】
拡散アンテナ5は、その折り曲げ部17において、回転板9に取付けられている。なお、拡散アンテナ5は、裏部5bと底板部5cと切り立ち部5dとに大まかに分割され、そして、底板部5cと切り立ち部5dを回転板9の表側に出し、裏部5bを回転板9の裏側に出している。このように、拡散アンテナ5が折り曲げ部17において回転板9に取付けられることにより、回転板9の、マイクロ波が送られてくる面において、拡散アンテナ5の突起部が、他の拡散アンテナ5の突起部と対向しない構成となる。そして、この構成により、拡散アンテナ5の突起部が対向するところに電界が集中する、という事態を回避できるため、拡散アンテナ5間の放電を回避できる。さらに、拡散アンテナ5を、折り曲げ部17が回転板9の面上に位置するように、回転板9に突き刺すように取付けることにより、拡散アンテナ5の、回転板9上の位置決めが、容易に行なわれる。
【0047】
また、拡散アンテナ5の切り立ち部5dの面の方向(図7の一点波線X)は、回転板9の中心Pから放射状に延びる線(図7の破線Y)の方向とは異なっている。つまり、拡散アンテナ5の切り立ち部5dは、その同一平面上に、マグネトロンアンテナ11の中心Pを含まないように構成されていることになる。この構成により、マグネトロンアンテナ11を介してマイクロ波が回転板9上に導かれた場合、回転板9の中央付近で電界が集中して拡散アンテナ5間で放電が発生することを回避できる。また、拡散アンテナ5は、導波管2に対して垂直な面を持たないように構成されている。これにより、導波管2の壁面に電界が集中することによる拡散アンテナ5から導波管2への放電を回避できる。なお、同様の理由により、放射アンテナ6も、導波管2に対して垂直な面を持たないように構成されている。
【0048】
また、回転板9の回転停止時にマグネトロンアンテナ11と拡散アンテナ5の距離が最も開くように、拡散アンテナ5が配置されている。これにより、次回のマグネトロン3の発振開始時における拡散アンテナ5間の放電の発生を、より確実に回避できる。
【0049】
次に、拡散アンテナ5の構造についてさらに説明する。拡散アンテナ5は、回転板9のマグネトロンアンテナ11に対向する側において、マイクロ波の、伝播方向に交わる面と、伝播方向に沿う面とを有している。つまり、拡散アンテナ5は、回転板9のマグネトロンアンテナ11に対向する側において、L字型の構造を有している。これにより、回転板9の回転に対して、拡散アンテナ5の機械的強度を向上させることができる。
【0050】
次に、回転板9および拡散アンテナ5の回転態様について、詳細に説明する。図9に、本実施の形態の電子レンジの、枠部分の右側面図を示す。
【0051】
マグネトロン3の後方には、該マグネトロン3を冷却するための冷却ファン18が取付けられている。なお、マグネトロン3には、冷却ファン18に対向する部分に、導風部材19が取付けられている。
【0052】
導風部材19は、冷却ファン18が送る風を、マグネトロン3と導波管2内部に導く。なお、導波管2には、冷却ファン18の送る風についての吸気孔と排気孔が設けられている。図9の側面図においてマグネトロン3および導風部材19を省略したものを図10に示し、該図10を参照しつつ、導波管2の構造を説明する。
【0053】
導波管2は、その周縁部に折返し部20が設けられており、当該折返し部20がネジ止されること等により、加熱室1の外壁に取付けられる。また、導波管2は、その側面に、2群の孔が形成されている。冷却ファン18に近い方の群の孔が吸気孔21であり、遠い方の群の孔が排気孔22である。これらの孔が形成されていることにより、冷却ファン18から送られる風は、吸気孔21を介して導波管2内に導かれ、拡散アンテナ5に当たり、拡散アンテナ5を取付けられた回転板9を回転させた後、排気孔22を介して導波管2外に排出される。つまり、本実施の形態では、回転板9を回転させることにより、拡散アンテナ5を回転させる冷却ファン18によって、アンテナ回転手段が構成されている。
【0054】
再度図9を参照して、導風部材19は、冷却ファン18から送られる風を、マグネトロン3と導波管2の吸気孔21に導く。なお、導風部材19は、吸気孔21に対向する部分は、外部からの異物の侵入を回避できるように構成されている。図11に、導風部材19の斜視図を示す。
【0055】
導風部材19は、枠体191と、仕切板192と、遮蔽板193と、下板194と、上板195とからなる。枠体191は、上部に位置する水平面191aと上端が水平面191aと接続している垂直面191bとを有し、マグネトロン3と導波管2の孔の形成されていない部分とに接続される。なお、ここでいう、導波管2の孔の形成されていない部分とは、導波管2における、吸気孔21の形成されている部分よりもマグネトロン3に近い部分を意味する。
【0056】
仕切板192は、マグネトロン3と導波管2の接続部分に対応するように構成されている。仕切板192が備えられることにより、冷却ファン18の送風方向に沿う面を構成しており、冷却ファン18から送られる風を、マグネトロン3と導波管2に首尾よく振り分けることができる。
【0057】
遮蔽板193は、吸気孔21に対向するように、導波管2の吸気孔21を形成された面から1cm程度離れた場所に位置するよう、構成されている。遮蔽板193が備えられていることにより、本実施の形態の電子レンジにおいて、後方から針金等の細長いものが、本体内に挿入された場合でも、当該針金が吸気孔21を介して導波管2内に入り込む事態を回避することができる。本実施の形態では、遮蔽板193により、導風部材の中の、導波管の孔に対向し、導波管との間に所定の隙間を有するように設置される壁面が構成されている。
【0058】
下板194は、導風部材19の底面を構成し、上板195は、導風部材19における、導波管2に接続される部分の天面を構成する。これらが備えられていることにより、冷却ファン18が送る風は、より効率よく、マグネトロン3および導波管2に導かれる。
【0059】
次に、回転板9の、保護カバー7への取付態様について、説明する。図12に、保護カバー7と、該保護カバー7に取付けられた回転板9および拡散アンテナ5の、模式的な断面図を示す。
【0060】
上述のように、回転板9は、その中央に形成された孔15を回転軸10に嵌め込まれることにより、保護カバー7に取付けられる。なお、本実施の形態では、回転軸10は、垂直方向に形成された筒状の孔を有している。そして、回転板9が孔15を回転軸10に嵌め込まれた後、さらに、回転軸10に形成された孔に取付けピン40を嵌め込まれている。取付けピン40は、回転軸10の孔に挿入される軸部分と、該軸部分に対して垂直の円盤形状を有する板部分とを備えている。取付けピン40が、回転板9上にかぶせるように取付けられることにより、回転板9の回転を安定されることができる。これにより、拡散アンテナ5の回転を安定され、加熱室1への給電態様を安定させることができる。ここで、取付けピン40の板部分の大きさ、つまり円形状の半径の大きさは、より大きいものが好ましい。つまり、この場合、取付けピン40の板部分は、拡散アンテナ5の、最も回転板9の中心部寄りに位置する場所にまで延びるように構成されることが好ましい。取付けピン40の板部分が大きいほど、より、回転板9の回転を安定させることができるからである。
【0061】
また、回転板9は、樹脂41および金属ワッシャ42を介して、保護カバー7に取付けられている。なお、金属ワッシャ42は、回転板9上で対向する金属板5の間に電波を流れやすくする働きを有する。この働きを、さらに図13を参照して、説明する。図13は、保護カバー7の回転軸10付近の側面図である。なお、図13は、保護カバー7、金属ワッシャ42、および回転板9の位置関係を説明するための図であるため、これら以外の構成要素を省略している。
【0062】
図13を参照して、マグネトロン3がマイクロ波を発振した場合、図中に矢印で示すように、導体である金属ワッシャ42は、対向する拡散アンテナ5の間に、電波を流れやすくする。これにより、拡散アンテナ5の間に位置する回転軸10に、電界が集中することを回避できる。これにより、電子レンジにおいて、より安全に加熱調理が実行される。
【0063】
[第4の実施の形態]
図14は、本発明の第4の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0064】
本実施の形態の導波管2は、矩形部2aと円筒部2bとからなる。矩形部2aは、導波管2内のマイクロ波の伝播方向(図14の右から左に向かう方向)について、その断面積が変化しない。円筒部2bは、導波管2内のマイクロ波の伝播方向について、加熱室に近づくほど、つまり、図14の左に向かうほど、その断面積が大きくなる。
【0065】
本実施の形態では、マグネトロン3は、導波管2の上部に取付けられている。これにより、マグネトロンアンテナ11は、上から下に向くように取付けられている。本明細書では、図1に示したように、マグネトロン3が導波管2の横に取付けられている状態を、マグネトロンが「横付け」されている、という。また、図14に示すように、マグネトロン3が導波管2の上に取付けられている状態を、マグネトロンが「縦付け」されているという。
【0066】
加熱室内には、導波管2を覆う様に、保護カバー7が取付けられている。保護カバー7の回転軸10には、回転板9が、回転可能に、取付けられている。回転板9には、複数の拡散アンテナ5が取付けられている。
【0067】
回転軸10には、ワッシャ状の樹脂44、45が、回転板9を挟むように、嵌め込まれている。ワッシャ状の樹脂44、45が備えられることにより、回転板9の、特に回転開始時の、回転を、スムーズにすることができる。
【0068】
また、回転軸10には、樹脂44よりも加熱室側に、金属ワッシャ43が嵌め込まれている。金属ワッシャ43は、第3の実施の形態において説明した金属ワッシャ42と同様の作用を有する。つまり、金属ワッシャ43は、回転板9上で回転軸10を挟んで対向する拡散アンテナ5の間に電波を流れやすくする働きを有する。なお、回転軸10には、その導波管2側に、突起10aが設けられている。そして、金属ワッシャ43は、樹脂44と、突起10aとに挟まれるように、備えられている。
【0069】
図15に、本実施の形態の回転板9および該回転板9上に備えられている拡散アンテナ5の、平面図(図15(a))および側面図(図15(b))を示す。
【0070】
本実施の形態の回転板9は、マイカ板等の誘電物質から構成される。回転板9は、その中央に、孔15を形成されている。また、回転板9は、外枠を有し、また、該外枠の内側に、6つの孔9aを形成されている。そして、回転板9において6つの孔9aを仕切るように設けられている6本の帯状部分には、それぞれ、拡散アンテナ5が取付けられている。本実施の形態の拡散アンテナ5も、図7等を用いて説明した拡散アンテナ5と同様に、裏部、底板部5c、切り立ち部5dを有している。また、回転板9が保護カバー7に取付けられた場合、切り立ち部5dは、面形状を有するが、その同一平面上にはマグネトロンアンテナ11の中心部を含まないように、構成されている。なお、図15では、本実施の形態の拡散アンテナ5の裏部は、省略されている。
【0071】
一方、上記したように、本実施の形態の電子レンジでは、マグネトロン3は、縦付けされている。ここで、金属ワッシャ43の、マグネトロンが縦付けた電子レンジにおける効果を、図16を参照しつつ説明する。なお、図16において、破線は、マグネトロン3がマイクロ波を発振した際に生じる電界を示している。
【0072】
まず、図16(a)を参照して、マグネトロンが縦付けされた電子レンジでは、破線で示すように、主に、マグネトロンアンテナ11と該マグネトロンアンテナ11に近接する導波管2との間、導波管2の矩形部2aと円筒部2bの接合部、拡散アンテナ5と該拡散アンテナ5に近接する導波管2との間、および、複数の拡散アンテナ5が回転軸10を挟んで対向する空間に、電界が発生する。そして、本実施の形態では、上記した、複数の拡散アンテナ5が回転軸10を挟んで対向する空間に、金属ワッシャ43が備えられている。
【0073】
一方、比較として、図16(b)に、金属ワッシャ43が設けられない場合を示す。図16(b)に示す場合でも、図16(a)に示した場合と同様の箇所に、電界が発生する。
【0074】
図16(a)と図16(b)を比較すると、図16(a)に示す場合では、金属ワッシャ43が設けられていることにより、回転軸10付近に電界が集中することを回避できる。このことから、図16(a)に示す本実施の形態の電子レンジでは、マグネトロン3の出力が一時的に高くなる等の異常が生じた場合であっても、回転軸10付近に電界が集中することによる回転軸10の溶解等を、回避することができる。
【0075】
なお、図1等に示した、マグネトロンが横付けされた電子レンジでは、マグネトロンアンテナ11と拡散アンテナ5の間に電界が発生するため、回転軸10付近に電界が集中することは少ない。したがって、図14等を参照して説明した金属ワッシャ43は、特に、マグネトロンが縦付けされた電子レンジに対して効果を発揮すると考えられる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子レンジの断面図である。
【図2】図1の電子レンジの断面図の、導波管部分の拡大図である。
【図3】図2の固定板、放射アンテナおよびマグネトロンアンテナの正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。
【図6】図5の回転板と拡散アンテナの正面図である。
【図7】図6の回転板の部分的な拡大図である。
【図8】図5の拡散アンテナとマグネトロンアンテナの位置関係を説明するための図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の電子レンジの、枠部分の右側面図である。
【図10】図9の側面図においてマグネトロンおよび導風部材を省略した図である。
【図11】図9の導風部材の斜視図である。
【図12】図5の保護カバー、回転板および拡散アンテナの断面図である。
【図13】図12の保護カバーの回転軸付近の側面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。
【図15】(a)は、図14の回転板および拡散アンテナの平面図であり、(b)は、図14の回転板および拡散アンテナの側面図である。
【図16】図14の電子レンジにおける金属ワッシャの効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 加熱室、2 導波管、3 マグネトロン、5、25 拡散アンテナ、6、26、36 放射アンテナ、7 保護カバー、9 回転板、11 マグネトロンアンテナ、16 切り欠き部、18 冷却ファン、19 導風部材、21 吸気孔、42、43 金属ワッシャ、193 遮蔽板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジに関し、特に、効率よく食品を加熱できる電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子レンジでは、導波管内に、放射アンテナを備えるものがあった。この放射アンテナは、マグネトロンから突出するマグネトロンアンテナと、マイクロ波的に結合されるように配置されていた。そして、放射アンテナを備えることにより、電子レンジにおいて、加熱室へのマイクロ波の給電効率の向上を図ることができた。
【0003】
また、従来の電子レンジでは、放射アンテナに加えて、さらに、加熱室側に、アンテナを備えるものがあった。このさらなるアンテナは、マグネトロンアンテナの中心に対向する部分から放射状に配置された複数の金属片により構成される場合や、さらにそれらが回転可能に設けられることもあった。このような、さらなるアンテナは、加熱室内に、効率よく、かつ、まんべんなく、マイクロ波を供給するために備えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電子レンジにおいて、単に、導波管内に放射アンテナを設けたり、加熱室側にさらなるアンテナを設けただけでは、マグネトロンと加熱室とのインピーダンス整合を十分に図ることができなかった。マグネトロンと加熱室とのインピーダンス整合が十分になされない場合、マグネトロンの発振したマイクロ波の多くが、加熱室に供給されず当該マグネトロンに反射することになる。このため、従来の電子レンジにおいて、マグネトロンの発振したマイクロ波をより多く加熱室に供給することにより、効率よく食品を加熱することが望まれていた。
【0005】
また、従来では、マグネトロンから加熱室にマイクロ波を供給する場合、加熱室全体にまんべんなくマイクロ波を供給することは困難であった。つまり、加熱室内においてマイクロ波の供給される場所に偏りを生じる場合があったため、結果として、食品を効率よく加熱することができなかった。
【0006】
また、アンテナを多数設けることにより、アンテナ間で放電が起こる場合があった。このような場合にも、マイクロ波が加熱室に供給されにくくなるため、効率よく食品を加熱することができなくなる。
【0007】
また、加熱室側に回転可能な金属片が設けられた場合、当該金属片を回転させるための風を導く孔が、加熱室や導波管に形成される。そして、外部から誤って針金等が挿入された場合等を考慮すると、このような孔は径を小さくする必要がある。しかしながら、このような孔の径が小さくされると、金属片を十分に回転させることができなくなる。したがって、このような場合にも、マグネトロンから供給されるマイクロ波を十分攪拌することができないため、加熱室内に供給されるマイクロ波の偏りを十分解消できず、食品を効率よく加熱することができなかった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、効率よく食品を加熱できる電子レンジを供給することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明にかかる電子レンジは、食品を収容する加熱室と、マイクロ波を放射するためのマグネトロンアンテナを有し、前記加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、前記マグネトロンに風を送って冷却する冷却ファンと、前記加熱室に形成した開口と前記マグネトロンとに接続され、前記マグネトロンの発振したマイクロ波を前記加熱室に導く導波管と、前記開口に設けた保護カバーと、前記保護カバーに回転可能に取り付けられ、誘電物質からなる回転板と、前記回転板に取り付けられ、前記マグネトロンの発振したマイクロ波を拡散させるために前記導波管から前記加熱室に渡って存在するように設けられている複数の拡散アンテナとを含み、前記導波管は、前記冷却ファンから前記導波管内部に風を送るための孔を形成され、また前記回転板は、隣り合う前記拡散アンテナの間の領域に切り欠きを形成していることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によると、導波管から加熱室にかけて、アンテナが存在する。
【0011】
これにより、より確実に、マグネトロンと加熱室のインピーダンス整合を図ることができるため、電子レンジにおいて、より効率よく、食品を加熱することができる。
【0012】
また、回転板の切り欠きにより隣り合う拡散アンテナを、電気的に絶縁することができるため、隣合う拡散アンテナの間で放電が起こることを回避できる。
【0013】
請求項2に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項1に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記拡散アンテナは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面について、前記マグネトロンアンテナを中心として放射線状に、複数、設けられ、且つ前記マグネトロンアンテナの円周方向において、互いに所定の間隔を隔てて設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明による作用に加えて、拡散アンテナが、マグネトロンアンテナを介して放射されるマイクロ波を、より確実に拡散できる。これにより、より確実に、加熱室における、食品の加熱むらを抑制できる。
【0014】
請求項3に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項2に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記拡散アンテナは、複数の面を有し、前記拡散アンテナの複数の面の中の少なくとも一つの面は、その同一平面上に前記マグネトロンアンテナの中心を含まない面であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によると、請求項2に記載の発明による作用に加えて、拡散アンテナを介して供給されるマイクロ波が、マグネトロンアンテナの中心付近に集中することを回避できる。これにより、マグネトロンの発振したマイクロ波を、より効率よく、加熱室に供給できる。
【0016】
請求項4に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記拡散アンテナは、前記導波管の内壁と平行な端部を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によると、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、拡散アンテナと導波管の内壁面との間で、マイクロ波の伝播線路が構成される。これにより、より効率的に、拡散アンテナを介してマイクロ波を加熱室に供給できる。
【0018】
請求項5に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記保護カバーに取付けられ、前記回転板を回転可能に取り付ける回転軸と、該回転軸に嵌め込まれた金属ワッシャとをさらに含むことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によると、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明による作用に加えて、各拡散アンテナの、マグネトロンアンテナに近い部分では、金属ワッシャを介して、他の拡散アンテナへ、電流が流れることができる。これにより、各拡散アンテナの、マグネトロンアンテナに近い部分に電界が集中することを回避できるため、より効率的に、拡散アンテナを介してマイクロ波を加熱室に供給できる。
【0020】
請求項6に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明にかかる電子レンジは、前記マグネトロンアンテナの周囲に設けられた放射アンテナとを含み、前記放射アンテナは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面において、前記マグネトロンアンテナに対して非対称な形状を有することを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によると、放射アンテナの形状を変更することにより、加熱室に供給されるマイクロ波の分布を、変更することができる。
【0022】
これにより、電子レンジにおいて、マグネトロンの加熱室に対する取付位置に応じて、加熱室に供給されるマイクロ波の分布を変更できるため、より効率的に、食品を加熱できる。
【0023】
請求項7に記載の本発明にかかる電子レンジは、請求項6に記載の発明にかかる電子レンジの構成に加えて、前記放射アンテナと前記拡散アンテナとは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向において重なりを有するように配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明によると、請求項6に記載の発明による作用に加えて、導波管内でのマイクロ波の伝播線路の結合が強くなる。これにより、加熱室に、より効率よく、マイクロ波を供給できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の電子レンジの実施の形態を説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態の電子レンジの断面を模式的に示す図である。
【0027】
加熱室1の右側壁には、開口4が形成されている。開口4には、加熱室1の外側から導波管2の一端が取付けられ、導波管2の他端には、マグネトロン3が取付けられている。これにより、マグネトロン3の発振したマイクロ波は、導波管2、開口4を介して、加熱室1内に供給される。
【0028】
導波管2の内部には、放射アンテナ6が配置されている。
また、開口4の、加熱室1の内側には、保護カバー7が設けられている。そして、保護カバー7には、複数の拡散アンテナ5が、回転可能に、取付けられている。本実施の形態では、拡散アンテナ5により、マグネトロンの発振したマイクロ波を拡散させる拡散アンテナが構成されている。なお、本実施の形態では、拡散アンテナは、回転可能に構成されるが、これに限定されず、回転しないように構成されていてもよい。
【0029】
図2は、図1の電子レンジの断面図の、導波管2部分を拡大させた図である。
拡散アンテナ5は、回転板9上に貼り付けられることにより、保護カバー7に取付けられている。回転板9は、たとえばマイカ板等の誘電物質から構成される。保護カバー7には、回転軸10が取付けられている。そして、回転板9は、その中央部に設けられた孔に回転軸10を嵌め込まれることにより、保護カバー7に、回転可能に取付けられる。本実施の形態では、回転板9により、拡散アンテナを支持するアンテナ支持板が構成されている。
【0030】
マグネトロン3は、マグネトロンアンテナ11を備えている。マグネトロンアンテナ11は、マグネトロン3から、加熱室1の方に向かって突出している。マグネトロンアンテナ11の周囲には、固定板8が配置されている。固定板8は、マイカ板等の誘電物質から構成される。固定板8上には、放射アンテナ6が取付けられている。放射アンテナ6は、マグネトロンアンテナ11の周囲に、マグネトロンアンテナ11とマイクロ波的に結合した状態で、配置されている。放射アンテナ6の形状が変更されると、マグネトロン3から加熱室1への給電指向性が変更される。たとえば、放射アンテナ6の形状を、マグネトロンアンテナ11に対して非対称なものにすることにより、加熱室1における加熱むらを抑制することができる。図3に、固定板8、放射アンテナ6およびマグネトロンアンテナ11の正面図を示す。なお、図3は、図2における各要素を、左方から見た図に相当する。
【0031】
図3に示すように、放射アンテナ6は、マグネトロンアンテナ11の上方領域よりも下方領域の方が、面積が大きくなるように構成されている。なお、放射アンテナ6の形状は、マグネトロン3と加熱室1との位置関係に応じて変更されるべきである。つまり、本実施の形態では、放射アンテナ6の形状は、マグネトロン3が、加熱室1の、中央より高い位置に設けられているため、より下方側にマイクロ波を供給することを目的として、決定されている。放射アンテナ6が、図3に示すような形状を有することにより、マグネトロン3の発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面において、マグネトロンアンテナ11に対して非対称な形状を有することになる。
【0032】
拡散アンテナ5は、導波管2の壁面にほぼ平行な部分5aを有する。拡散アンテナ5における、導波管2の壁面と平行な部分5aは、導波管2の内部から加熱室1にわたって延びている。これにより、拡散アンテナ5と導波管2の壁面との間で、マイクロ波の伝播線路が構成されるため、マイクロ波を、より効率的に、拡散アンテナ5を介して、加熱室1に供給できる。
【0033】
符号12は、拡散アンテナ5の外周部である。外周部12は、拡散アンテナ5において、回転軸10から最も遠い部位である。回転板9の外縁は、拡散アンテナ5の外周部12よりも、回転軸10に対して内側に位置している。これにより、回転板9が保護カバー7の主面に対して傾斜した場合でも、回転板9の外縁が保護カバー7に接触することが回避される。
【0034】
[第2の実施の形態]
図4に、本発明の第2の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図を示す。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
本実施の形態では、導波管2の一端は、加熱室1の開口4に接続され、導波管2の他端は、マグネトロン3に接続されている。開口4の加熱室1側には、保護カバー7が取付けられている。保護カバー7には、回転軸10が設けられ、回転軸10には、回転板9が嵌め込まれている。
【0036】
回転板9には、複数の拡散アンテナ25が取付けられている。拡散アンテナ25は、マグネトロンアンテナ11の外側面と平行な面25aを備えている。これにより、拡散アンテナ25とマグネトロンアンテナ11との間のマイクロ波伝播線路の結合が強くなる。したがって、マグネトロンアンテナ11から、導波管2の加熱室1側の開口部の中心13に、より効率よく給電できる。
【0037】
マグネトロンアンテナ11の周囲には、誘電物質からなる固定板28が設けられ、固定板28上には放射アンテナ26が設けられている。
【0038】
導波管2内に、回転板9の主面に沿うように、つまり、図4の紙面に垂直な方向に、風が導入されることにより、拡散アンテナ25が回転する。なお、本実施の形態では、固定板28は、回転板9に平行に設けられている。これにより、固定板28は、拡散アンテナ25が回転するための風路を構成していることになる。
【0039】
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0040】
マグネトロンアンテナ11の周囲には、誘電物質からなる固定板38が設けられ、固定板38上には放射アンテナ36が設けられている。放射アンテナ36と拡散アンテナ5とは、マイクロ波の伝播方向について重なりを有している。ここでいう、放射アンテナ36と拡散アンテナ5とのマイクロ波の伝播方向についての重なり部分に挟まれた空間を、重なり部14とすると、重なり部14では、マイクロ波伝播線路の結合が強くなる。これにより、本実施の形態では、加熱室1に、効率よく、マイクロ波を供給できる。
【0041】
また、本実施の形態では、マグネトロンアンテナ11から導波管2までの空間絶縁距離の合計を7mm以上としている。この空間絶縁距離の合計とは、マグネトロンアンテナ11から導波管2までの空間に存在するマイクロ波の伝播に関与する要素(金属等、マイクロ波を反射する物質)の間の最短距離の和、つまり、これらの要素を除いた空間の最短距離の和を意味する。具体的には、図5中の(L1+L2+L3)で示される。なお、図5において、L1は、マグネトロンアンテナ11と放射アンテナ36との最短距離である。また、L2は、放射アンテナ36と拡散アンテナ5との最短距離である。そして、L3は、拡散アンテナ5と導波管2との最短距離である。なお、この場合、固定板38は誘電物質から構成されるため、マイクロ波の伝播には関与しないとしている。そして、本実施の形態では、この空間絶縁距離(L1+L2+L3)が7mm以上とされるため、マグネトロンアンテナ11から導波管2までの箇所で放電が発生することを回避できる。つまり、ここでは、拡散アンテナ5により、マグネトロンアンテナと導波管との間に設けられた拡散アンテナが構成されていることになる。
【0042】
図6は、本実施の形態の回転板9と拡散アンテナ5とを示す図である。
回転板9のほぼ中央に設けられた孔15は、回転軸10を嵌め込まれるためのものである。なお、マグネトロンアンテナ11は、回転板9に対して、ほぼ中央に対向するように延びている(図5参照)。そして、拡散アンテナ5は、孔15の全周を覆い尽くさないように、つまり、孔15の外周において拡散アンテナ5に覆われない部分が存在するように、配置されている。このことは、拡散アンテナ5が、マイクロ波の伝播方向に垂直な平面において、マグネトロンアンテナ11の全周を覆い尽くさないように、つまり、マグネトロンアンテナ11の外側の円周方向において、拡散アンテナ5は、互いに所定の間隔を隔てて配置されていることを意味する。このように拡散アンテナ5が配置されているため、拡散アンテナ5を介して加熱室1に供給されるマイクロ波が、開口4の、中央部と、外周部5a(図2参照)に対応する外周部とに適宜別れるようになる。これにより、より確実に、加熱室1における加熱むらを回避できる。
【0043】
また、回転板9には複数の拡散アンテナ5が取付けられているが、それぞれの拡散アンテナ5から孔15までの距離は、拡散アンテナ5毎に異なっている。つまり、回転軸10から各拡散アンテナ5までの距離は、それぞれ異なっていることになる。これにより、拡散アンテナ5毎に、加熱室1への給電態様が異なるため、より多くのパターンで、加熱室1にマイクロ波を供給できる。これにより、より加熱室1における加熱むらを回避できる。
【0044】
また、回転板9には、複数の切り欠き部16が形成されている。切り欠き部16により、回転板9上の各拡散アンテナ5の取付けられる領域は、隣りの拡散アンテナ5が取付けられた領域から、電気的に絶縁される。したがって、回転板9上において、拡散アンテナ5は、隣り合う拡散アンテナ5に対して空間絶縁距離を確保されている。つまり、回転板9上において、隣り合う拡散アンテナ5間で放電が発生することを回避できる。
【0045】
図7に、回転板9の部分的な拡大図を示す。また、図8に、拡散アンテナ5とマグネトロンアンテナ11との位置関係を示す断面図を示す。なお、図8では、放射アンテナ36、固定板38等を省略している。
【0046】
拡散アンテナ5は、その折り曲げ部17において、回転板9に取付けられている。なお、拡散アンテナ5は、裏部5bと底板部5cと切り立ち部5dとに大まかに分割され、そして、底板部5cと切り立ち部5dを回転板9の表側に出し、裏部5bを回転板9の裏側に出している。このように、拡散アンテナ5が折り曲げ部17において回転板9に取付けられることにより、回転板9の、マイクロ波が送られてくる面において、拡散アンテナ5の突起部が、他の拡散アンテナ5の突起部と対向しない構成となる。そして、この構成により、拡散アンテナ5の突起部が対向するところに電界が集中する、という事態を回避できるため、拡散アンテナ5間の放電を回避できる。さらに、拡散アンテナ5を、折り曲げ部17が回転板9の面上に位置するように、回転板9に突き刺すように取付けることにより、拡散アンテナ5の、回転板9上の位置決めが、容易に行なわれる。
【0047】
また、拡散アンテナ5の切り立ち部5dの面の方向(図7の一点波線X)は、回転板9の中心Pから放射状に延びる線(図7の破線Y)の方向とは異なっている。つまり、拡散アンテナ5の切り立ち部5dは、その同一平面上に、マグネトロンアンテナ11の中心Pを含まないように構成されていることになる。この構成により、マグネトロンアンテナ11を介してマイクロ波が回転板9上に導かれた場合、回転板9の中央付近で電界が集中して拡散アンテナ5間で放電が発生することを回避できる。また、拡散アンテナ5は、導波管2に対して垂直な面を持たないように構成されている。これにより、導波管2の壁面に電界が集中することによる拡散アンテナ5から導波管2への放電を回避できる。なお、同様の理由により、放射アンテナ6も、導波管2に対して垂直な面を持たないように構成されている。
【0048】
また、回転板9の回転停止時にマグネトロンアンテナ11と拡散アンテナ5の距離が最も開くように、拡散アンテナ5が配置されている。これにより、次回のマグネトロン3の発振開始時における拡散アンテナ5間の放電の発生を、より確実に回避できる。
【0049】
次に、拡散アンテナ5の構造についてさらに説明する。拡散アンテナ5は、回転板9のマグネトロンアンテナ11に対向する側において、マイクロ波の、伝播方向に交わる面と、伝播方向に沿う面とを有している。つまり、拡散アンテナ5は、回転板9のマグネトロンアンテナ11に対向する側において、L字型の構造を有している。これにより、回転板9の回転に対して、拡散アンテナ5の機械的強度を向上させることができる。
【0050】
次に、回転板9および拡散アンテナ5の回転態様について、詳細に説明する。図9に、本実施の形態の電子レンジの、枠部分の右側面図を示す。
【0051】
マグネトロン3の後方には、該マグネトロン3を冷却するための冷却ファン18が取付けられている。なお、マグネトロン3には、冷却ファン18に対向する部分に、導風部材19が取付けられている。
【0052】
導風部材19は、冷却ファン18が送る風を、マグネトロン3と導波管2内部に導く。なお、導波管2には、冷却ファン18の送る風についての吸気孔と排気孔が設けられている。図9の側面図においてマグネトロン3および導風部材19を省略したものを図10に示し、該図10を参照しつつ、導波管2の構造を説明する。
【0053】
導波管2は、その周縁部に折返し部20が設けられており、当該折返し部20がネジ止されること等により、加熱室1の外壁に取付けられる。また、導波管2は、その側面に、2群の孔が形成されている。冷却ファン18に近い方の群の孔が吸気孔21であり、遠い方の群の孔が排気孔22である。これらの孔が形成されていることにより、冷却ファン18から送られる風は、吸気孔21を介して導波管2内に導かれ、拡散アンテナ5に当たり、拡散アンテナ5を取付けられた回転板9を回転させた後、排気孔22を介して導波管2外に排出される。つまり、本実施の形態では、回転板9を回転させることにより、拡散アンテナ5を回転させる冷却ファン18によって、アンテナ回転手段が構成されている。
【0054】
再度図9を参照して、導風部材19は、冷却ファン18から送られる風を、マグネトロン3と導波管2の吸気孔21に導く。なお、導風部材19は、吸気孔21に対向する部分は、外部からの異物の侵入を回避できるように構成されている。図11に、導風部材19の斜視図を示す。
【0055】
導風部材19は、枠体191と、仕切板192と、遮蔽板193と、下板194と、上板195とからなる。枠体191は、上部に位置する水平面191aと上端が水平面191aと接続している垂直面191bとを有し、マグネトロン3と導波管2の孔の形成されていない部分とに接続される。なお、ここでいう、導波管2の孔の形成されていない部分とは、導波管2における、吸気孔21の形成されている部分よりもマグネトロン3に近い部分を意味する。
【0056】
仕切板192は、マグネトロン3と導波管2の接続部分に対応するように構成されている。仕切板192が備えられることにより、冷却ファン18の送風方向に沿う面を構成しており、冷却ファン18から送られる風を、マグネトロン3と導波管2に首尾よく振り分けることができる。
【0057】
遮蔽板193は、吸気孔21に対向するように、導波管2の吸気孔21を形成された面から1cm程度離れた場所に位置するよう、構成されている。遮蔽板193が備えられていることにより、本実施の形態の電子レンジにおいて、後方から針金等の細長いものが、本体内に挿入された場合でも、当該針金が吸気孔21を介して導波管2内に入り込む事態を回避することができる。本実施の形態では、遮蔽板193により、導風部材の中の、導波管の孔に対向し、導波管との間に所定の隙間を有するように設置される壁面が構成されている。
【0058】
下板194は、導風部材19の底面を構成し、上板195は、導風部材19における、導波管2に接続される部分の天面を構成する。これらが備えられていることにより、冷却ファン18が送る風は、より効率よく、マグネトロン3および導波管2に導かれる。
【0059】
次に、回転板9の、保護カバー7への取付態様について、説明する。図12に、保護カバー7と、該保護カバー7に取付けられた回転板9および拡散アンテナ5の、模式的な断面図を示す。
【0060】
上述のように、回転板9は、その中央に形成された孔15を回転軸10に嵌め込まれることにより、保護カバー7に取付けられる。なお、本実施の形態では、回転軸10は、垂直方向に形成された筒状の孔を有している。そして、回転板9が孔15を回転軸10に嵌め込まれた後、さらに、回転軸10に形成された孔に取付けピン40を嵌め込まれている。取付けピン40は、回転軸10の孔に挿入される軸部分と、該軸部分に対して垂直の円盤形状を有する板部分とを備えている。取付けピン40が、回転板9上にかぶせるように取付けられることにより、回転板9の回転を安定されることができる。これにより、拡散アンテナ5の回転を安定され、加熱室1への給電態様を安定させることができる。ここで、取付けピン40の板部分の大きさ、つまり円形状の半径の大きさは、より大きいものが好ましい。つまり、この場合、取付けピン40の板部分は、拡散アンテナ5の、最も回転板9の中心部寄りに位置する場所にまで延びるように構成されることが好ましい。取付けピン40の板部分が大きいほど、より、回転板9の回転を安定させることができるからである。
【0061】
また、回転板9は、樹脂41および金属ワッシャ42を介して、保護カバー7に取付けられている。なお、金属ワッシャ42は、回転板9上で対向する金属板5の間に電波を流れやすくする働きを有する。この働きを、さらに図13を参照して、説明する。図13は、保護カバー7の回転軸10付近の側面図である。なお、図13は、保護カバー7、金属ワッシャ42、および回転板9の位置関係を説明するための図であるため、これら以外の構成要素を省略している。
【0062】
図13を参照して、マグネトロン3がマイクロ波を発振した場合、図中に矢印で示すように、導体である金属ワッシャ42は、対向する拡散アンテナ5の間に、電波を流れやすくする。これにより、拡散アンテナ5の間に位置する回転軸10に、電界が集中することを回避できる。これにより、電子レンジにおいて、より安全に加熱調理が実行される。
【0063】
[第4の実施の形態]
図14は、本発明の第4の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0064】
本実施の形態の導波管2は、矩形部2aと円筒部2bとからなる。矩形部2aは、導波管2内のマイクロ波の伝播方向(図14の右から左に向かう方向)について、その断面積が変化しない。円筒部2bは、導波管2内のマイクロ波の伝播方向について、加熱室に近づくほど、つまり、図14の左に向かうほど、その断面積が大きくなる。
【0065】
本実施の形態では、マグネトロン3は、導波管2の上部に取付けられている。これにより、マグネトロンアンテナ11は、上から下に向くように取付けられている。本明細書では、図1に示したように、マグネトロン3が導波管2の横に取付けられている状態を、マグネトロンが「横付け」されている、という。また、図14に示すように、マグネトロン3が導波管2の上に取付けられている状態を、マグネトロンが「縦付け」されているという。
【0066】
加熱室内には、導波管2を覆う様に、保護カバー7が取付けられている。保護カバー7の回転軸10には、回転板9が、回転可能に、取付けられている。回転板9には、複数の拡散アンテナ5が取付けられている。
【0067】
回転軸10には、ワッシャ状の樹脂44、45が、回転板9を挟むように、嵌め込まれている。ワッシャ状の樹脂44、45が備えられることにより、回転板9の、特に回転開始時の、回転を、スムーズにすることができる。
【0068】
また、回転軸10には、樹脂44よりも加熱室側に、金属ワッシャ43が嵌め込まれている。金属ワッシャ43は、第3の実施の形態において説明した金属ワッシャ42と同様の作用を有する。つまり、金属ワッシャ43は、回転板9上で回転軸10を挟んで対向する拡散アンテナ5の間に電波を流れやすくする働きを有する。なお、回転軸10には、その導波管2側に、突起10aが設けられている。そして、金属ワッシャ43は、樹脂44と、突起10aとに挟まれるように、備えられている。
【0069】
図15に、本実施の形態の回転板9および該回転板9上に備えられている拡散アンテナ5の、平面図(図15(a))および側面図(図15(b))を示す。
【0070】
本実施の形態の回転板9は、マイカ板等の誘電物質から構成される。回転板9は、その中央に、孔15を形成されている。また、回転板9は、外枠を有し、また、該外枠の内側に、6つの孔9aを形成されている。そして、回転板9において6つの孔9aを仕切るように設けられている6本の帯状部分には、それぞれ、拡散アンテナ5が取付けられている。本実施の形態の拡散アンテナ5も、図7等を用いて説明した拡散アンテナ5と同様に、裏部、底板部5c、切り立ち部5dを有している。また、回転板9が保護カバー7に取付けられた場合、切り立ち部5dは、面形状を有するが、その同一平面上にはマグネトロンアンテナ11の中心部を含まないように、構成されている。なお、図15では、本実施の形態の拡散アンテナ5の裏部は、省略されている。
【0071】
一方、上記したように、本実施の形態の電子レンジでは、マグネトロン3は、縦付けされている。ここで、金属ワッシャ43の、マグネトロンが縦付けた電子レンジにおける効果を、図16を参照しつつ説明する。なお、図16において、破線は、マグネトロン3がマイクロ波を発振した際に生じる電界を示している。
【0072】
まず、図16(a)を参照して、マグネトロンが縦付けされた電子レンジでは、破線で示すように、主に、マグネトロンアンテナ11と該マグネトロンアンテナ11に近接する導波管2との間、導波管2の矩形部2aと円筒部2bの接合部、拡散アンテナ5と該拡散アンテナ5に近接する導波管2との間、および、複数の拡散アンテナ5が回転軸10を挟んで対向する空間に、電界が発生する。そして、本実施の形態では、上記した、複数の拡散アンテナ5が回転軸10を挟んで対向する空間に、金属ワッシャ43が備えられている。
【0073】
一方、比較として、図16(b)に、金属ワッシャ43が設けられない場合を示す。図16(b)に示す場合でも、図16(a)に示した場合と同様の箇所に、電界が発生する。
【0074】
図16(a)と図16(b)を比較すると、図16(a)に示す場合では、金属ワッシャ43が設けられていることにより、回転軸10付近に電界が集中することを回避できる。このことから、図16(a)に示す本実施の形態の電子レンジでは、マグネトロン3の出力が一時的に高くなる等の異常が生じた場合であっても、回転軸10付近に電界が集中することによる回転軸10の溶解等を、回避することができる。
【0075】
なお、図1等に示した、マグネトロンが横付けされた電子レンジでは、マグネトロンアンテナ11と拡散アンテナ5の間に電界が発生するため、回転軸10付近に電界が集中することは少ない。したがって、図14等を参照して説明した金属ワッシャ43は、特に、マグネトロンが縦付けされた電子レンジに対して効果を発揮すると考えられる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子レンジの断面図である。
【図2】図1の電子レンジの断面図の、導波管部分の拡大図である。
【図3】図2の固定板、放射アンテナおよびマグネトロンアンテナの正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。
【図6】図5の回転板と拡散アンテナの正面図である。
【図7】図6の回転板の部分的な拡大図である。
【図8】図5の拡散アンテナとマグネトロンアンテナの位置関係を説明するための図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の電子レンジの、枠部分の右側面図である。
【図10】図9の側面図においてマグネトロンおよび導風部材を省略した図である。
【図11】図9の導風部材の斜視図である。
【図12】図5の保護カバー、回転板および拡散アンテナの断面図である。
【図13】図12の保護カバーの回転軸付近の側面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態の電子レンジの、導波管部分の断面図である。
【図15】(a)は、図14の回転板および拡散アンテナの平面図であり、(b)は、図14の回転板および拡散アンテナの側面図である。
【図16】図14の電子レンジにおける金属ワッシャの効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 加熱室、2 導波管、3 マグネトロン、5、25 拡散アンテナ、6、26、36 放射アンテナ、7 保護カバー、9 回転板、11 マグネトロンアンテナ、16 切り欠き部、18 冷却ファン、19 導風部材、21 吸気孔、42、43 金属ワッシャ、193 遮蔽板。
Claims (7)
- 食品を収容する加熱室と、
マイクロ波を放射するためのマグネトロンアンテナを有し、前記加熱室内の食品を加熱するためのマグネトロンと、
前記マグネトロンに風を送って冷却する冷却ファンと、
前記加熱室に形成した開口と前記マグネトロンとに接続され、前記マグネトロンの発振したマイクロ波を前記加熱室に導く導波管と、
前記開口に設けた保護カバーと、
前記保護カバーに回転可能に取り付けられ、誘電物質からなる回転板と、
前記回転板に取り付けられ、前記マグネトロンの発振したマイクロ波を拡散させるために前記導波管から前記加熱室に渡って存在するように設けられている複数の拡散アンテナとを含み、
前記導波管は、前記冷却ファンから前記導波管内部に風を送るための孔を形成され、また前記回転板は、隣り合う前記拡散アンテナの間の領域に切り欠きを形成していることを特徴とする電子レンジ。 - 前記拡散アンテナは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面について、前記マグネトロンアンテナを中心として放射線状に、複数、設けられ、且つ前記マグネトロンアンテナの円周方向において、互いに所定の間隔を隔てて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ。
- 前記拡散アンテナは、複数の面を有し、
前記拡散アンテナの複数の面の中の少なくとも一つの面は、その同一平面上に前記マグネトロンアンテナの中心を含まない面であることを特徴とする請求項2に記載の電子レンジ。 - 前記拡散アンテナは、前記導波管の内壁と平行な端部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子レンジ。
- 前記保護カバーに取付けられ、前記回転板を回転可能に取り付ける回転軸と、該回転軸に嵌め込まれた金属ワッシャとをさらに含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか1つに記載の電子レンジ。
- 前記マグネトロンアンテナの周囲に設けられた放射アンテナをさらに含み、
前記放射アンテナは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向に交わる面において、前記マグネトロンアンテナに対して非対称な形状を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか1つに記載の電子レンジ。 - 前記放射アンテナと前記拡散アンテナとは、前記マグネトロンの発振するマイクロ波の伝播方向において重なりを有するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電子レンジ。
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