JP3600075B2 - テレビジョンチューナ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の周波数帯域内に配列された複数のチャンネルのテレビジョン信号が入力されるテレビジョンチューナに関し、特に、二回の周波数変換を行うテレビジョンチューナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のテレビジョンチューナの構成を図５に示す。例えば、５０ＭＨｚから８００ＭＨｚの帯域内に配列された複数チャンネルのテレビジョン信号はバンドパスフィルタ４１に入力されて帯域外の不要信号が除去される。バンドパスフィルタ４１の通過帯域はテレビジョンチャンネルが配列された帯域と同じ５０ＭＨｚから８００ＭＨである。そして、バンドパスフィルタ４１を通過したテレビジョン信号が高周波増幅器４２で増幅された後に、受信チャンネルのテレビジョン信号が第一混合器４３によっておよそ１３００ＭＨｚの第一中間周波信号に周波数変換される。第一混合器４３には周波数変換するための局部発振信号が第一局部発振器４４から入力される。また、第一局部発振器４４は第一のＰＬＬ回路４５によって発振周波数が制御される。
【０００３】
第一中間周波信号はおよそ６ＭＨｚの通過帯域を有する第一中間周波フィルタ４６によって不要信号が除去された後、第二混合器４７によっておよそ４５ＭＨの第二中間周波信号に周波数変換される。第二混合器４７にも周波数変換するための局部発振信号が第二局部発振器４８から入力され、第二局部発振器４８は第二のＰＬＬ回路４９によって発振周波数が制御される。
第二中間周波信号は第二中間周波フィルタ５０を通過し、第二中間周波増幅器５１で増幅された後、図示しない中間周波回路に入力される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来のテレビジョンチューナでは高周波増幅器４２にすべてのチャンネルのテレビジョン信号が入力されるので、高周波増幅器４２では多くのひずみ信号を発生し、これらのひずみ信号によって受信チャンネルのテレビジョン信号が妨害を受けるという問題がある。
【０００５】
一例を挙げると、受信チャンネルのテレビジョン信号と共に周波数が１／２となる他のチャンネルのテレビジョン信号が入力されると、高周波増幅器４２では他のチャンネルのテレビジョン信号の２倍高調波を発生し、これが受信チャンネルのテレビジョン信号と一致することから妨害を受ける。
【０００６】
また、周波数が２倍となる別のチャンネルのテレビジョン信号が入力されると、高周波増幅器４２では別のチャンネルのテレビジョン信号の周波数と受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数との差の信号が発生し、この差の信号の周波数が受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数と一致し、同様に妨害を受ける。このような高調波や差の信号等の不要な信号は第一混合器４３においても同様のメカニズムによって発生する。
【０００７】
本発明は、このような妨害を引き起こす不要な信号の入力を阻止して、妨害信号の発生をなくすことを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のテレビジョンチューナは、所定の周波数帯域内における全てのテレビジョン信号を増幅する共通の高周波増幅器と、前記高周波増幅器の後段に設けられ、受信すべき前記テレビジョン信号を選択して中間周波信号に周波数変換する周波数変換部とを備え、前記高周波増幅器の前段に帯域切替回路を設け、前記帯域切替回路は前記所定の周波数帯域内における１オクターブ毎の周波数をカットオフ周波数とする複数のフィルタを有し、前記フィルタの各入力端に入力側切り替えダイオードを接続すると共に各出力端に出力側切り替えダイオードを接続し、前記各入力側切り替えダイオードに前記テレビジョン信号を入力すると共に、前記各出力側切り替えダイオードを前記高周波増幅器に接続し、何れかの前記フィルタに接続された前記入力側切り替えダイオードと前記出力側切り替えダイオードを導通させた。
【０００９】
また、本発明のテレビジョンチューナは、前記複数のフィルタには該フィルタを構成するバラクタダイオードを設け、前記バラクタダイオードに電圧を印加し、前記電圧を切り替えることによって前記カットオフ周波数を１オクターブ毎に変えられるようにした。
【００１２】
また、本発明のテレビジョンチューナは、二つの電圧入力端を有すると共に前記二つの電圧入力端のいずれかに印加される電圧によって異なる分圧電圧を出力する分圧回路と、複数の電圧出力端を有すると共に前記受信すべきチャンネルに対応して前記電圧出力端の少なくとも一つに切替電圧を出力する帯域切替制御回路を設け、前記各電圧出力端に現れる前記切替電圧を、前記複数のフィルタに接続された各前記入力側切り替えダイオード及び出力側ダイオードと前記分圧回路の前記二つの電圧入力端とに印加し、前記分圧電圧を前記バラクタダイオードに印加した。
【００１３】
また、本発明のテレビジョンチューナは、前記複数のフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成した。
【００１４】
また、本発明のテレビジョンチューナは、前記複数のフィルタをバンドパスフィルタで構成した。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明のテレビジョンチューナの第一の実施の形態を図１及び図２によって説明する。図１は構成図であり、図２はその帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。図１において、例えば、５０ＭＨｚから８００ＭＨｚの帯域内に配列された複数チャンネルのテレビジョン信号は帯域切替回路１に入力される。帯域切替回路１は複数のフィルタ、例えば、四個のローパスフィルタ２、３、４、５を有し、それぞれ直列インダクタ２ａ、３ａ、４ａ、５ａと、シャントコンデンサ２ｂ、３ｂ、４ｂ、５ｂとで構成されている。また、これらのローパスフィルタ２乃至５のカットオフ周波数はそれぞれ１オクターブ毎に異なっており、第一ローパスフィルタ２は１００ＭＨｚ、第二ローパスフィルタ３は２００ＭＨｚ、第三ローパスフィルタ４は４００ＭＨｚ、第四ローパスフィルタ５は８００ＭＨｚとなっている。
【００１６】
さらに、各ローパスフィルタ２乃至５の各入力端にはそれぞれ入力側切替ダイオード６，７，８，９の各アノードが接続され、各出力端には出力側切替ダイオード１０、１１、１２、１３の各アノードが接続される。そして、入力側切替ダイオード２乃至５のカソードに共通にテレビジョン信号が入力されると共に、出力側切替ダイオード１０乃至１３のカソードが共通に高周波増幅器１４に接続される。そして、受信チャンネルのテレビジョン信号はいずれかのローパスフィルタを通過して高周波増幅器１４に入力される。
【００１７】
高周波増幅器１４で増幅されたテレビジョン信号は第一混合器１５によっておよそ１３００ＭＨｚの第一中間周波信号に周波数変換される。第一混合器１５には周波数変換するための局部発振信号が第一局部発振器１６から入力される。また、第一局部発振器１６は第一のＰＬＬ回路１７によって発振周波数が制御される。
【００１８】
第一のＰＬＬ回路１７にはテレビジョン受信機の図示しないチャンネル選局装置から選局信号（Ｓ）が入力される。そして、選局信号によって第一局部発振器１６の発振周波数が決定される。また、選局信号は第一のＰＬＬ回路１７を経由して帯域切替制御回路１８に入力される、帯域切替制御回路１８は入力された選局信号に基づいて、帯域切替回路１中の特定の一つのフィルタを選択するための切替電圧を出力して帯域切替回路１に入力する。
【００１９】
帯域切替制御回路１８は第一乃至第四の電圧出力端１８ａ、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄを有している。そして、第一電圧出力端１８ａ乃至第四電圧出力端１８ｄは、第一ローパスフィルタ２乃至第四ローパスフィルタ５に接続された入力側切替ダイオード６乃至９及び出力側切替ダイオード１０乃至１３にそれぞれ直流的に接続されている。
【００２０】
また、第一電圧出力端１８ａ乃至第四電圧出力端１８ｄには、受信するチャンネルのバンドによって図２に示すように切替電圧が出力される。即ち、上記の周波数帯域を便宜上四つのバンドに分割し、第一バンドを５０ＭＨｚ〜１００ＭＨｚ、第二バンドを１００ＭＨｚ〜２００ＭＨｚ、第三バンドを２００ＭＨ〜４００ＭＨｚ、第四バンドを４００ＭＨｚ〜８００ＭＨｚとすれば、第一バンドのテレビジョン信号を受信する場合には第一電圧出力端１８ａのみに電圧の高いハイレベル（Ｈ）の切替電圧が出力される。同様に、第二バンドでは第二電圧出力端１８ｂに、第三バンドでは第三電圧出力端１８ｃに、第四バンでは第四電圧出力端１８ｄにのみ、それぞれハイレベルの切替電圧が出力される。
【００２１】
ここで、帯域切替制御回路１８による帯域切替回路１の切替制御に付いて詳述する。受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数が２５０ＭＨｚであると仮定すると、受信チャンネルのバンドは第三バンドになるので、図２に示すように第三電圧出力端１８ｃにハイレベルの電圧が出され、その他の電圧出力端は例えば電圧が０ボルトのローレベルとなる。この結果、第三ローパスフィルタ４に接続された入力側切り替えダイオード８と出力側切り替えダイオード１２とが導通し、その他の切り替えダイオード６、７、９、および１０、１１、１３は導通しない。この結果、４００ＭＨｚ以下のテレビジョン信号が帯域切替回路１の特定の第三ローパスフィルタ４を通過して高周波増幅器１４で増幅される。この中には受信チャンネルのテレビジョン信号が含まれるが、第三ローパスフィルタ４のカットオフ周波数は受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数（２５０ＭＨｚ）から１オクターブ以内であるので、周波数が倍（５００ＭＨｚ）となる他のテレビジョン信号は通過しない。そして、第三ローパスフィルタ４は、その他の切り替えダイオード６、７、９、および１０、１１、１３が非導通であることから、他のフィルタ２、３、５とは高周波的に絶縁されるので、特性が変わることはない。
【００２２】
第一混合器１５から出力された第一中間周波信号はおよそ６ＭＨｚの通過帯域を有する第一中間周波フィルタ１９によって不要信号が除去された後、第二混合器２０によっておよそ４５ＭＨの第二中間周波信号に周波数変換される。第二混合器２０にも周波数変換するための局部発振信号が第二局部発振器２１から入力され、第二局部発振器２１は第二のＰＬＬ回路２２によって発振周波数が制御される。
第二中間周波信号は第二中間周波フィルタ２３を通過し、第二中間周波増幅器２４で増幅された後、図示しない中間周波回路に入力される。第一混合器１５から第二混合器２０までが周波数変換部を構成する。
【００２３】
以上のように、帯域切替回路１によって、受信チャンネルのテレビジョン信号に対して１オクターブ周波数の高い他のテレビジョン信号はいずれのローパスフィルタも通過し得なくなるので、他のテレビジョン信号によって受信チャンネルのテレビジョン信号が妨害を受けない。ここでもし、受信チャンネルのテレビジョン信号に対して１オクターブ周波数の低いテレビジョン信号による妨害をなくすためには、上記に説明したローパスフィルタ２乃至５のすべてをハイパスフィルタに変更すればよい。また、１オクターブ高い周波数のテレビジョン信号と１オクターブ低い周波数のテレビジョン信号との双方による妨害をなくすのであれば、バンドパスフィルタに変更すればよい。
【００２４】
次に、本発明のテレビジョンチューナの第二の実施の形態を図３及び図４によって説明する。図３は構成図であり、図４はその帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。図３において、帯域切替回路３１は図１における帯域切替回路１に代わるものであり、また、帯域切替制御回路３８は図１における帯域切替制御回路１８に代わるものである。
【００２５】
帯域切替回路３１は第一ローパスフィルタ３２及び第二ローパスフィルタ３３の二つを有している。第一ローパスフィルタ３２は直列インダクタ３２ａとコンデンサ３２ｂとバラクタダイオード３２ｃで構成され、コンデンサ３２ｂとバラクタダイオード３２ｃとが直列に接続されると共にバラクタダイオード３２ｃのアノードがグランドに接続されてシャントコンデンサとなっている。また、第二ローパスフィルタ３３は直列インダクタ３３ａとコンデンサ３３ｂとバラクタダイオード３３ｃで構成され、コンデンサ３３ｂとバラクタダイオード３３ｃとが直列に接続されると共にバラクタダイオード３３ｃのアノードがグランドに接続されてシャントコンデンサとなっている。
【００２６】
そして、第一ローパスフィルタ３２のカットオフ周波数と第二ローパスフィルタ３３のカットオフ周波数はそれぞれのバラクタダイオード３２ｃ、３３ｃの容量値にもよるが、第二ローパスフィルタ３３のカットオフ周波数が第一ローパスフィルタ３２のカットオフ周波数よりおよそ２倍高くなるように各直列インダクタ３２ａ、３３ａ、コンデンサ３２ｂ、３３ｂの定数が設定される。
【００２７】
さらに、各ローパスフィルタ３２、３３の各入力端にはそれぞれ入力側切替ダイオード３４、３５の各アノードが接続され、各出力端には出力側切替ダイオード３６、３７の各アノードが接続される。そして、入力側切替ダイオード３４、３５のカソードに共通にテレビジョン信号が入力されると共に、出力側切替ダイオード３６、３７のカソードが共通に高周波増幅器２に接続される。
【００２８】
また、帯域切替回路３１にはバラクタダイオード３２ｃ、３３ｃに電圧を印加するための分圧回路３９が設けられている。分圧回路３９は、一端同士が互いに接続された三つの抵抗３９ａ、３９ｂ、３９ｃ有し、一つの抵抗３９ａの他端が接地される。そして、これらの接続点が二つのバラクタダイオード３２ｃ、３３ｃのカソードに直流的に接続される。なお、他の二つの抵抗３９ｂ、３９ｃの他端が電圧入力端となり、抵抗３９ｂの抵抗値は抵抗３９ｃの抵抗値よりも大きく設定されている。
【００２９】
帯域切替制御回路３８は第一乃至第四電圧出力端３８ａ、３８ｂ、３８ｃ、３８ｄを有している。これらの電圧出力端３８ａないし３８ｄには、受信するチャンネルのバンドによって図４に示すように切替電圧が出力される。即ち、第一の実施の形態と同様に、上記の周波数帯域を便宜上四つのバンドに分割し、第一バンドを５０ＭＨｚ〜１００ＭＨｚ、第二バンドを１００ＭＨｚ〜２００ＭＨｚ、第三バンドを２００ＭＨ〜４００ＭＨｚ、第四バンドを４００ＭＨｚ〜８００ＭＨｚとすれば、第一バンドのテレビジョン信号を受信する場合には第一電圧出力端３８ａと第三電圧出力端３８ｃとに電圧の高いハイレベル（Ｈ）の切替電圧が出力される。同様に、第二バンドでは第一電圧出力端３８ａと第四電圧出力端３８ｄに、第三バンドでは第二電圧出力端３８ｂと第三電圧出力端３８ｃに、第四バンでは第二電圧出力端３８ｂと第四電圧出力端３８ｄにそれぞれハイレベルの切替電圧が出力される。それ以外の電圧出力端はローレベルとなる。
【００３０】
そして、第一電圧出力端３８ａ及び第二電圧出力端３８ｂは、それぞれ第一ローパスフィルタ３２に接続された入力側切替ダイオード３４及び出力側切替ダイオード３６と、第二ローパスフィルタ３３に接続された入力側切替ダイオード３５及び出力側切替ダイオード３７とに直流的に接続される。また、第三電圧出力端３８ｃは分圧回路３９の抵抗３９ｂの他端に接続され、第四電圧出力端３８ｄは分圧回路３９の抵抗３９ｃの他端に接続される。
【００３１】
そこで、例えば、受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数が２５０ＭＨｚであれば、第三バンドであることから、帯域切替制御回路３８の第二電圧出力端３８ｂと第三電圧出力端３８ｃとにハイレベルの切り替え電圧が出力される。すると、特定の第二ローパスフィルタ３３に接続された入力側切り替えダイオード３５と出力側切り替えダイオード３７とが導通する。また、第三電圧出力端３８ｃから出力された切り替え電圧は、分圧回路３９の二つの抵抗３９ｂ、３９ａによって分圧され、その分圧電圧が第二ローパスフィルタ３３のバラクタダイオード３３ｃに印加される。このとき第二ローパスフィルタ３３は第一のカットオフ周波数を持つ。このカットオフ周波数は直列インダクタ３２ａ、コンデンサ３３ｂの定数や、バラクタダイオード３３ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値によって決められる。
【００３２】
次に、受信チャンネルが変わってそのテレビジョン信号の周波数が４５０ＭＨｚになったとすると、第四バンドになることから、帯域切替制御回路３８の第二電圧出力端３８ｂと第四電圧出力端３８ｄとに切り替え電圧が出力される。すると、分圧回路３９には抵抗３９ｃに切り替え電圧が印加されるが、抵抗３９ｃは抵抗３９ｂよりも抵抗値が小さいので、分圧電圧は前回よりも高くなりバラクタダイオードの容量値は小さくなり、第二ローパスフィルタ３３は第一のカットオフ周波数よりも高い第二のカットオフ周波数を持つ。第二のカットオフ周波数も直列インダクタ３３ａ、コンデンサ３３ｂの定数や、バラクタダイオード３３ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値によって決められる。
【００３３】
ここで、第一のカットオフ周波数が４００ＭＨｚとなり、第二のカットオフ周波数が８００ＭＨｚとなるように上記の直列インダクタ３３ａ、コンデンサ３３ｂの定数や、バラクタダイオード３３ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値によって決められる。以上のように、受信するチャンネルが第三バンドまたは第四バンドの時は、第二ローパスフィルタ３３に接続された入力側切り替えダイオード３５と出力側切り替えダイオード３７とが導通するので、テレビジョン信号は第二ローパスフィルタを通過できる。このときそのチャンネルのバンドによってカットオフ周波数が４００ＭＨｚと８００ＭＨｚとに切り替わるので、いずれにおいても受信するテレビジョン信号の周波数に対してカットオフ周波数は１オクターブ以内となる。
【００３４】
同様に、受信チャンネルのテレビジョン周波数が、例えば、２００ＭＨ以下の第一バンドまたは第二バンドの場合には、第一ローパスフィルタ３２に接続された入力側切り替えダイオード３４及び出力側切り替えダイオード３６が導通するので、テレビジョン信号は第一ローパスフィルタ３２を通過できる。そしてカットオフ周波数が１００ＭＨｚと２００ＭＨｚとに切り替わるように直列インダクタ３２ａ、コンデンサ３２ｂの定数や、バラクタダイオード３２ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値を設定することができる。この場合においても、受信するテレビジョン信号の周波数に対してカットオフ周波数は１オクターブ以内となる。
【００３５】
以上のように、第二の実施の形態においては一つのローパスフィルタのカットオフ周波数を１オクターブ変えられるようになっているので、フィルタの数を少なくしても所定の帯域内のすべてのテレビジョン信号を受信できる。なお、第二の実施の形態においても、上述のローパスフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタに置き換えることができることはもちろんである。
【００３６】
【発明の効果】
本発明のテレビジョンチューナは、高周波増幅器の前段に帯域切替回路を設け、帯域切替回路は所定の周波数帯域内における１オクターブ毎の周波数をカットオフ周波数とする複数のフィルタを有し、フィルタの各入力端に入力側切り替えダイオードを接続すると共に各出力端に出力側切り替えダイオードを接続し、各入力側切り替えダイオードにテレビジョン信号を入力すると共に、各出力側切り替えダイオードを高周波増幅器に接続し、何れかのフィルタに接続された入力側切り替えダイオードと出力側切り替えダイオードを導通させたので、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号に対して周波数が倍または半分になる他のテレビジョン信号は出力されず、後段に接続される増幅器等では妨害を引き起こす不要な信号の発生を阻止できると共に、各フィルタ相互間のアイソレーションが得られ、フィルタの特性も変化しない。
【００３７】
また、本発明のテレビジョンチューナは、複数のフィルタには該フィルタを構成するバラクタダイオードを設け、バラクタダイオードに電圧を印加し、電圧を切り替えることによってカットオフ周波数を１オクターブ毎に変えられるようにしたので、一つのフィルタでカットオフ周波数が１オクターブ異なる二つのフィルタの代わりができる。従って、フィルタの数を少なくできる。
【００４０】
また、本発明のテレビジョンチューナは、二つの電圧入力端のいずれかに印加される電圧によって異なる分圧電圧を出力する分圧回路と、受信すべきチャンネルに対応して電圧出力端の少なくとも一つに切替電圧を出力する帯域切替制御回路を設け、各電圧出力端に現れる切替電圧を、複数のフィルタに接続された各入力側切り替えダイオード及び出力側ダイオードと分圧回路の二つの電圧入力端とに印加し、分圧電圧をバラクタダイオードに印加したので、選択した特定のフィルタのカットオフ周波数を変えることができる。
【００４１】
また、本発明のテレビジョンチューナは、複数のフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成したので、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号に対して周波数が半分になる他のテレビジョン信号によって引き起こされる不要な信号、または受信すべきチャンネルのテレビジョン信号に対して周波数が半分になる他のテレビジョン信号と周波数が倍になる他のテレビジョン信号とによって引き起こされれる不要な信号の発生を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のテレビジョンチューナの第一の実施の形態を示す構成図である。
【図２】本発明のテレビジョンチューナの第一の実施の形態における帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。
【図３】本発明のテレビジョンチューナの第二の実施の形態を示す構成図である。
【図４】本発明のテレビジョンチューナの第二の実施の形態における帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。
【図５】従来のテレビジョンチューナの構成図である。
【符号の説明】
１ 帯域切替回路
２ 第一ローパスフィルタ
３ 第二ローパスフィルタ
４ 第三ローパスフィルタ
５ 第四ローパスフィルタ
６〜９ 入力側切り替えダイオード
１０〜１３ 出力側ダイオード
１４ 高周波増幅器
１５ 第一混合器
１６ 第一局部発振器
１７ 第一のＰＬＬ回路
１８ 帯域切替制御回路
１８ａ 第一電圧出力端
１８ｂ 第二電圧出力端
１８ｃ 第三電圧出力端
１８ｄ 第四電圧出力端
１９ 第一中間周波フィルタ
２０ 第二混合器
２１ 第二局部発振器
２２ 第二のＰＬＬ回路
２３ 第二中間周波フィルタ
２４ 第二中間周波増幅器
２１ 帯域切替回路
３１ 帯域切替回路
３２ 第一ローパスフィルタ
３２ｃ バラクタダイオード
３３ 第二ローパスフィルタ
３３ｃ バラクタダイオード
３４、３５ 入力側切り替えダイオード
３６、３７ 出力側切り替えダイオード
３８ 帯域切替制御回路
３８ａ 第一電圧出力端
３８ｂ 第二電圧出力端
３８ｃ 第三電圧出力端
３８ｄ 第四電圧出力端
３９ 分圧回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の周波数帯域内に配列された複数のチャンネルのテレビジョン信号が入力されるテレビジョンチューナに関し、特に、二回の周波数変換を行うテレビジョンチューナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のテレビジョンチューナの構成を図５に示す。例えば、５０ＭＨｚから８００ＭＨｚの帯域内に配列された複数チャンネルのテレビジョン信号はバンドパスフィルタ４１に入力されて帯域外の不要信号が除去される。バンドパスフィルタ４１の通過帯域はテレビジョンチャンネルが配列された帯域と同じ５０ＭＨｚから８００ＭＨである。そして、バンドパスフィルタ４１を通過したテレビジョン信号が高周波増幅器４２で増幅された後に、受信チャンネルのテレビジョン信号が第一混合器４３によっておよそ１３００ＭＨｚの第一中間周波信号に周波数変換される。第一混合器４３には周波数変換するための局部発振信号が第一局部発振器４４から入力される。また、第一局部発振器４４は第一のＰＬＬ回路４５によって発振周波数が制御される。
【０００３】
第一中間周波信号はおよそ６ＭＨｚの通過帯域を有する第一中間周波フィルタ４６によって不要信号が除去された後、第二混合器４７によっておよそ４５ＭＨの第二中間周波信号に周波数変換される。第二混合器４７にも周波数変換するための局部発振信号が第二局部発振器４８から入力され、第二局部発振器４８は第二のＰＬＬ回路４９によって発振周波数が制御される。
第二中間周波信号は第二中間周波フィルタ５０を通過し、第二中間周波増幅器５１で増幅された後、図示しない中間周波回路に入力される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来のテレビジョンチューナでは高周波増幅器４２にすべてのチャンネルのテレビジョン信号が入力されるので、高周波増幅器４２では多くのひずみ信号を発生し、これらのひずみ信号によって受信チャンネルのテレビジョン信号が妨害を受けるという問題がある。
【０００５】
一例を挙げると、受信チャンネルのテレビジョン信号と共に周波数が１／２となる他のチャンネルのテレビジョン信号が入力されると、高周波増幅器４２では他のチャンネルのテレビジョン信号の２倍高調波を発生し、これが受信チャンネルのテレビジョン信号と一致することから妨害を受ける。
【０００６】
また、周波数が２倍となる別のチャンネルのテレビジョン信号が入力されると、高周波増幅器４２では別のチャンネルのテレビジョン信号の周波数と受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数との差の信号が発生し、この差の信号の周波数が受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数と一致し、同様に妨害を受ける。このような高調波や差の信号等の不要な信号は第一混合器４３においても同様のメカニズムによって発生する。
【０００７】
本発明は、このような妨害を引き起こす不要な信号の入力を阻止して、妨害信号の発生をなくすことを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のテレビジョンチューナは、所定の周波数帯域内における全てのテレビジョン信号を増幅する共通の高周波増幅器と、前記高周波増幅器の後段に設けられ、受信すべき前記テレビジョン信号を選択して中間周波信号に周波数変換する周波数変換部とを備え、前記高周波増幅器の前段に帯域切替回路を設け、前記帯域切替回路は前記所定の周波数帯域内における１オクターブ毎の周波数をカットオフ周波数とする複数のフィルタを有し、前記フィルタの各入力端に入力側切り替えダイオードを接続すると共に各出力端に出力側切り替えダイオードを接続し、前記各入力側切り替えダイオードに前記テレビジョン信号を入力すると共に、前記各出力側切り替えダイオードを前記高周波増幅器に接続し、何れかの前記フィルタに接続された前記入力側切り替えダイオードと前記出力側切り替えダイオードを導通させた。
【０００９】
また、本発明のテレビジョンチューナは、前記複数のフィルタには該フィルタを構成するバラクタダイオードを設け、前記バラクタダイオードに電圧を印加し、前記電圧を切り替えることによって前記カットオフ周波数を１オクターブ毎に変えられるようにした。
【００１２】
また、本発明のテレビジョンチューナは、二つの電圧入力端を有すると共に前記二つの電圧入力端のいずれかに印加される電圧によって異なる分圧電圧を出力する分圧回路と、複数の電圧出力端を有すると共に前記受信すべきチャンネルに対応して前記電圧出力端の少なくとも一つに切替電圧を出力する帯域切替制御回路を設け、前記各電圧出力端に現れる前記切替電圧を、前記複数のフィルタに接続された各前記入力側切り替えダイオード及び出力側ダイオードと前記分圧回路の前記二つの電圧入力端とに印加し、前記分圧電圧を前記バラクタダイオードに印加した。
【００１３】
また、本発明のテレビジョンチューナは、前記複数のフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成した。
【００１４】
また、本発明のテレビジョンチューナは、前記複数のフィルタをバンドパスフィルタで構成した。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明のテレビジョンチューナの第一の実施の形態を図１及び図２によって説明する。図１は構成図であり、図２はその帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。図１において、例えば、５０ＭＨｚから８００ＭＨｚの帯域内に配列された複数チャンネルのテレビジョン信号は帯域切替回路１に入力される。帯域切替回路１は複数のフィルタ、例えば、四個のローパスフィルタ２、３、４、５を有し、それぞれ直列インダクタ２ａ、３ａ、４ａ、５ａと、シャントコンデンサ２ｂ、３ｂ、４ｂ、５ｂとで構成されている。また、これらのローパスフィルタ２乃至５のカットオフ周波数はそれぞれ１オクターブ毎に異なっており、第一ローパスフィルタ２は１００ＭＨｚ、第二ローパスフィルタ３は２００ＭＨｚ、第三ローパスフィルタ４は４００ＭＨｚ、第四ローパスフィルタ５は８００ＭＨｚとなっている。
【００１６】
さらに、各ローパスフィルタ２乃至５の各入力端にはそれぞれ入力側切替ダイオード６，７，８，９の各アノードが接続され、各出力端には出力側切替ダイオード１０、１１、１２、１３の各アノードが接続される。そして、入力側切替ダイオード２乃至５のカソードに共通にテレビジョン信号が入力されると共に、出力側切替ダイオード１０乃至１３のカソードが共通に高周波増幅器１４に接続される。そして、受信チャンネルのテレビジョン信号はいずれかのローパスフィルタを通過して高周波増幅器１４に入力される。
【００１７】
高周波増幅器１４で増幅されたテレビジョン信号は第一混合器１５によっておよそ１３００ＭＨｚの第一中間周波信号に周波数変換される。第一混合器１５には周波数変換するための局部発振信号が第一局部発振器１６から入力される。また、第一局部発振器１６は第一のＰＬＬ回路１７によって発振周波数が制御される。
【００１８】
第一のＰＬＬ回路１７にはテレビジョン受信機の図示しないチャンネル選局装置から選局信号（Ｓ）が入力される。そして、選局信号によって第一局部発振器１６の発振周波数が決定される。また、選局信号は第一のＰＬＬ回路１７を経由して帯域切替制御回路１８に入力される、帯域切替制御回路１８は入力された選局信号に基づいて、帯域切替回路１中の特定の一つのフィルタを選択するための切替電圧を出力して帯域切替回路１に入力する。
【００１９】
帯域切替制御回路１８は第一乃至第四の電圧出力端１８ａ、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄを有している。そして、第一電圧出力端１８ａ乃至第四電圧出力端１８ｄは、第一ローパスフィルタ２乃至第四ローパスフィルタ５に接続された入力側切替ダイオード６乃至９及び出力側切替ダイオード１０乃至１３にそれぞれ直流的に接続されている。
【００２０】
また、第一電圧出力端１８ａ乃至第四電圧出力端１８ｄには、受信するチャンネルのバンドによって図２に示すように切替電圧が出力される。即ち、上記の周波数帯域を便宜上四つのバンドに分割し、第一バンドを５０ＭＨｚ〜１００ＭＨｚ、第二バンドを１００ＭＨｚ〜２００ＭＨｚ、第三バンドを２００ＭＨ〜４００ＭＨｚ、第四バンドを４００ＭＨｚ〜８００ＭＨｚとすれば、第一バンドのテレビジョン信号を受信する場合には第一電圧出力端１８ａのみに電圧の高いハイレベル（Ｈ）の切替電圧が出力される。同様に、第二バンドでは第二電圧出力端１８ｂに、第三バンドでは第三電圧出力端１８ｃに、第四バンでは第四電圧出力端１８ｄにのみ、それぞれハイレベルの切替電圧が出力される。
【００２１】
ここで、帯域切替制御回路１８による帯域切替回路１の切替制御に付いて詳述する。受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数が２５０ＭＨｚであると仮定すると、受信チャンネルのバンドは第三バンドになるので、図２に示すように第三電圧出力端１８ｃにハイレベルの電圧が出され、その他の電圧出力端は例えば電圧が０ボルトのローレベルとなる。この結果、第三ローパスフィルタ４に接続された入力側切り替えダイオード８と出力側切り替えダイオード１２とが導通し、その他の切り替えダイオード６、７、９、および１０、１１、１３は導通しない。この結果、４００ＭＨｚ以下のテレビジョン信号が帯域切替回路１の特定の第三ローパスフィルタ４を通過して高周波増幅器１４で増幅される。この中には受信チャンネルのテレビジョン信号が含まれるが、第三ローパスフィルタ４のカットオフ周波数は受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数（２５０ＭＨｚ）から１オクターブ以内であるので、周波数が倍（５００ＭＨｚ）となる他のテレビジョン信号は通過しない。そして、第三ローパスフィルタ４は、その他の切り替えダイオード６、７、９、および１０、１１、１３が非導通であることから、他のフィルタ２、３、５とは高周波的に絶縁されるので、特性が変わることはない。
【００２２】
第一混合器１５から出力された第一中間周波信号はおよそ６ＭＨｚの通過帯域を有する第一中間周波フィルタ１９によって不要信号が除去された後、第二混合器２０によっておよそ４５ＭＨの第二中間周波信号に周波数変換される。第二混合器２０にも周波数変換するための局部発振信号が第二局部発振器２１から入力され、第二局部発振器２１は第二のＰＬＬ回路２２によって発振周波数が制御される。
第二中間周波信号は第二中間周波フィルタ２３を通過し、第二中間周波増幅器２４で増幅された後、図示しない中間周波回路に入力される。第一混合器１５から第二混合器２０までが周波数変換部を構成する。
【００２３】
以上のように、帯域切替回路１によって、受信チャンネルのテレビジョン信号に対して１オクターブ周波数の高い他のテレビジョン信号はいずれのローパスフィルタも通過し得なくなるので、他のテレビジョン信号によって受信チャンネルのテレビジョン信号が妨害を受けない。ここでもし、受信チャンネルのテレビジョン信号に対して１オクターブ周波数の低いテレビジョン信号による妨害をなくすためには、上記に説明したローパスフィルタ２乃至５のすべてをハイパスフィルタに変更すればよい。また、１オクターブ高い周波数のテレビジョン信号と１オクターブ低い周波数のテレビジョン信号との双方による妨害をなくすのであれば、バンドパスフィルタに変更すればよい。
【００２４】
次に、本発明のテレビジョンチューナの第二の実施の形態を図３及び図４によって説明する。図３は構成図であり、図４はその帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。図３において、帯域切替回路３１は図１における帯域切替回路１に代わるものであり、また、帯域切替制御回路３８は図１における帯域切替制御回路１８に代わるものである。
【００２５】
帯域切替回路３１は第一ローパスフィルタ３２及び第二ローパスフィルタ３３の二つを有している。第一ローパスフィルタ３２は直列インダクタ３２ａとコンデンサ３２ｂとバラクタダイオード３２ｃで構成され、コンデンサ３２ｂとバラクタダイオード３２ｃとが直列に接続されると共にバラクタダイオード３２ｃのアノードがグランドに接続されてシャントコンデンサとなっている。また、第二ローパスフィルタ３３は直列インダクタ３３ａとコンデンサ３３ｂとバラクタダイオード３３ｃで構成され、コンデンサ３３ｂとバラクタダイオード３３ｃとが直列に接続されると共にバラクタダイオード３３ｃのアノードがグランドに接続されてシャントコンデンサとなっている。
【００２６】
そして、第一ローパスフィルタ３２のカットオフ周波数と第二ローパスフィルタ３３のカットオフ周波数はそれぞれのバラクタダイオード３２ｃ、３３ｃの容量値にもよるが、第二ローパスフィルタ３３のカットオフ周波数が第一ローパスフィルタ３２のカットオフ周波数よりおよそ２倍高くなるように各直列インダクタ３２ａ、３３ａ、コンデンサ３２ｂ、３３ｂの定数が設定される。
【００２７】
さらに、各ローパスフィルタ３２、３３の各入力端にはそれぞれ入力側切替ダイオード３４、３５の各アノードが接続され、各出力端には出力側切替ダイオード３６、３７の各アノードが接続される。そして、入力側切替ダイオード３４、３５のカソードに共通にテレビジョン信号が入力されると共に、出力側切替ダイオード３６、３７のカソードが共通に高周波増幅器２に接続される。
【００２８】
また、帯域切替回路３１にはバラクタダイオード３２ｃ、３３ｃに電圧を印加するための分圧回路３９が設けられている。分圧回路３９は、一端同士が互いに接続された三つの抵抗３９ａ、３９ｂ、３９ｃ有し、一つの抵抗３９ａの他端が接地される。そして、これらの接続点が二つのバラクタダイオード３２ｃ、３３ｃのカソードに直流的に接続される。なお、他の二つの抵抗３９ｂ、３９ｃの他端が電圧入力端となり、抵抗３９ｂの抵抗値は抵抗３９ｃの抵抗値よりも大きく設定されている。
【００２９】
帯域切替制御回路３８は第一乃至第四電圧出力端３８ａ、３８ｂ、３８ｃ、３８ｄを有している。これらの電圧出力端３８ａないし３８ｄには、受信するチャンネルのバンドによって図４に示すように切替電圧が出力される。即ち、第一の実施の形態と同様に、上記の周波数帯域を便宜上四つのバンドに分割し、第一バンドを５０ＭＨｚ〜１００ＭＨｚ、第二バンドを１００ＭＨｚ〜２００ＭＨｚ、第三バンドを２００ＭＨ〜４００ＭＨｚ、第四バンドを４００ＭＨｚ〜８００ＭＨｚとすれば、第一バンドのテレビジョン信号を受信する場合には第一電圧出力端３８ａと第三電圧出力端３８ｃとに電圧の高いハイレベル（Ｈ）の切替電圧が出力される。同様に、第二バンドでは第一電圧出力端３８ａと第四電圧出力端３８ｄに、第三バンドでは第二電圧出力端３８ｂと第三電圧出力端３８ｃに、第四バンでは第二電圧出力端３８ｂと第四電圧出力端３８ｄにそれぞれハイレベルの切替電圧が出力される。それ以外の電圧出力端はローレベルとなる。
【００３０】
そして、第一電圧出力端３８ａ及び第二電圧出力端３８ｂは、それぞれ第一ローパスフィルタ３２に接続された入力側切替ダイオード３４及び出力側切替ダイオード３６と、第二ローパスフィルタ３３に接続された入力側切替ダイオード３５及び出力側切替ダイオード３７とに直流的に接続される。また、第三電圧出力端３８ｃは分圧回路３９の抵抗３９ｂの他端に接続され、第四電圧出力端３８ｄは分圧回路３９の抵抗３９ｃの他端に接続される。
【００３１】
そこで、例えば、受信チャンネルのテレビジョン信号の周波数が２５０ＭＨｚであれば、第三バンドであることから、帯域切替制御回路３８の第二電圧出力端３８ｂと第三電圧出力端３８ｃとにハイレベルの切り替え電圧が出力される。すると、特定の第二ローパスフィルタ３３に接続された入力側切り替えダイオード３５と出力側切り替えダイオード３７とが導通する。また、第三電圧出力端３８ｃから出力された切り替え電圧は、分圧回路３９の二つの抵抗３９ｂ、３９ａによって分圧され、その分圧電圧が第二ローパスフィルタ３３のバラクタダイオード３３ｃに印加される。このとき第二ローパスフィルタ３３は第一のカットオフ周波数を持つ。このカットオフ周波数は直列インダクタ３２ａ、コンデンサ３３ｂの定数や、バラクタダイオード３３ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値によって決められる。
【００３２】
次に、受信チャンネルが変わってそのテレビジョン信号の周波数が４５０ＭＨｚになったとすると、第四バンドになることから、帯域切替制御回路３８の第二電圧出力端３８ｂと第四電圧出力端３８ｄとに切り替え電圧が出力される。すると、分圧回路３９には抵抗３９ｃに切り替え電圧が印加されるが、抵抗３９ｃは抵抗３９ｂよりも抵抗値が小さいので、分圧電圧は前回よりも高くなりバラクタダイオードの容量値は小さくなり、第二ローパスフィルタ３３は第一のカットオフ周波数よりも高い第二のカットオフ周波数を持つ。第二のカットオフ周波数も直列インダクタ３３ａ、コンデンサ３３ｂの定数や、バラクタダイオード３３ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値によって決められる。
【００３３】
ここで、第一のカットオフ周波数が４００ＭＨｚとなり、第二のカットオフ周波数が８００ＭＨｚとなるように上記の直列インダクタ３３ａ、コンデンサ３３ｂの定数や、バラクタダイオード３３ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値によって決められる。以上のように、受信するチャンネルが第三バンドまたは第四バンドの時は、第二ローパスフィルタ３３に接続された入力側切り替えダイオード３５と出力側切り替えダイオード３７とが導通するので、テレビジョン信号は第二ローパスフィルタを通過できる。このときそのチャンネルのバンドによってカットオフ周波数が４００ＭＨｚと８００ＭＨｚとに切り替わるので、いずれにおいても受信するテレビジョン信号の周波数に対してカットオフ周波数は１オクターブ以内となる。
【００３４】
同様に、受信チャンネルのテレビジョン周波数が、例えば、２００ＭＨ以下の第一バンドまたは第二バンドの場合には、第一ローパスフィルタ３２に接続された入力側切り替えダイオード３４及び出力側切り替えダイオード３６が導通するので、テレビジョン信号は第一ローパスフィルタ３２を通過できる。そしてカットオフ周波数が１００ＭＨｚと２００ＭＨｚとに切り替わるように直列インダクタ３２ａ、コンデンサ３２ｂの定数や、バラクタダイオード３２ｃに印加する分圧電圧を設定する抵抗３９ｂ、３９ａの抵抗値を設定することができる。この場合においても、受信するテレビジョン信号の周波数に対してカットオフ周波数は１オクターブ以内となる。
【００３５】
以上のように、第二の実施の形態においては一つのローパスフィルタのカットオフ周波数を１オクターブ変えられるようになっているので、フィルタの数を少なくしても所定の帯域内のすべてのテレビジョン信号を受信できる。なお、第二の実施の形態においても、上述のローパスフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタに置き換えることができることはもちろんである。
【００３６】
【発明の効果】
本発明のテレビジョンチューナは、高周波増幅器の前段に帯域切替回路を設け、帯域切替回路は所定の周波数帯域内における１オクターブ毎の周波数をカットオフ周波数とする複数のフィルタを有し、フィルタの各入力端に入力側切り替えダイオードを接続すると共に各出力端に出力側切り替えダイオードを接続し、各入力側切り替えダイオードにテレビジョン信号を入力すると共に、各出力側切り替えダイオードを高周波増幅器に接続し、何れかのフィルタに接続された入力側切り替えダイオードと出力側切り替えダイオードを導通させたので、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号に対して周波数が倍または半分になる他のテレビジョン信号は出力されず、後段に接続される増幅器等では妨害を引き起こす不要な信号の発生を阻止できると共に、各フィルタ相互間のアイソレーションが得られ、フィルタの特性も変化しない。
【００３７】
また、本発明のテレビジョンチューナは、複数のフィルタには該フィルタを構成するバラクタダイオードを設け、バラクタダイオードに電圧を印加し、電圧を切り替えることによってカットオフ周波数を１オクターブ毎に変えられるようにしたので、一つのフィルタでカットオフ周波数が１オクターブ異なる二つのフィルタの代わりができる。従って、フィルタの数を少なくできる。
【００４０】
また、本発明のテレビジョンチューナは、二つの電圧入力端のいずれかに印加される電圧によって異なる分圧電圧を出力する分圧回路と、受信すべきチャンネルに対応して電圧出力端の少なくとも一つに切替電圧を出力する帯域切替制御回路を設け、各電圧出力端に現れる切替電圧を、複数のフィルタに接続された各入力側切り替えダイオード及び出力側ダイオードと分圧回路の二つの電圧入力端とに印加し、分圧電圧をバラクタダイオードに印加したので、選択した特定のフィルタのカットオフ周波数を変えることができる。
【００４１】
また、本発明のテレビジョンチューナは、複数のフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成したので、受信すべきチャンネルのテレビジョン信号に対して周波数が半分になる他のテレビジョン信号によって引き起こされる不要な信号、または受信すべきチャンネルのテレビジョン信号に対して周波数が半分になる他のテレビジョン信号と周波数が倍になる他のテレビジョン信号とによって引き起こされれる不要な信号の発生を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のテレビジョンチューナの第一の実施の形態を示す構成図である。
【図２】本発明のテレビジョンチューナの第一の実施の形態における帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。
【図３】本発明のテレビジョンチューナの第二の実施の形態を示す構成図である。
【図４】本発明のテレビジョンチューナの第二の実施の形態における帯域切替動作を説明する切替電圧状態図である。
【図５】従来のテレビジョンチューナの構成図である。
【符号の説明】
１ 帯域切替回路
２ 第一ローパスフィルタ
３ 第二ローパスフィルタ
４ 第三ローパスフィルタ
５ 第四ローパスフィルタ
６〜９ 入力側切り替えダイオード
１０〜１３ 出力側ダイオード
１４ 高周波増幅器
１５ 第一混合器
１６ 第一局部発振器
１７ 第一のＰＬＬ回路
１８ 帯域切替制御回路
１８ａ 第一電圧出力端
１８ｂ 第二電圧出力端
１８ｃ 第三電圧出力端
１８ｄ 第四電圧出力端
１９ 第一中間周波フィルタ
２０ 第二混合器
２１ 第二局部発振器
２２ 第二のＰＬＬ回路
２３ 第二中間周波フィルタ
２４ 第二中間周波増幅器
２１ 帯域切替回路
３１ 帯域切替回路
３２ 第一ローパスフィルタ
３２ｃ バラクタダイオード
３３ 第二ローパスフィルタ
３３ｃ バラクタダイオード
３４、３５ 入力側切り替えダイオード
３６、３７ 出力側切り替えダイオード
３８ 帯域切替制御回路
３８ａ 第一電圧出力端
３８ｂ 第二電圧出力端
３８ｃ 第三電圧出力端
３８ｄ 第四電圧出力端
３９ 分圧回路
Claims (4)
- 所定の周波数帯域内における全てのテレビジョン信号を増幅する共通の高周波増幅器と、前記高周波増幅器の後段に設けられ、受信すべき前記テレビジョン信号を選択して中間周波信号に周波数変換する周波数変換部とを備え、前記高周波増幅器の前段に帯域切替回路を設け、前記帯域切替回路は前記所定の周波数帯域内における１オクターブ毎の周波数をカットオフ周波数とする複数のフィルタを有し、前記フィルタの各入力端に入力側切り替えダイオードを接続すると共に各出力端に出力側切り替えダイオードを接続し、前記各入力側切り替えダイオードに前記テレビジョン信号を入力すると共に、前記各出力側切り替えダイオードを前記高周波増幅器に接続し、何れかの前記フィルタに接続された前記入力側切り替えダイオードと前記出力側切り替えダイオードを導通させたことを特徴とするテレビジョンチューナ。
- 前記複数のフィルタには該フィルタを構成するバラクタダイオードを設け、前記バラクタダイオードに電圧を印加し、前記電圧を切り替えることによって前記カットオフ周波数を１オクターブ毎に変えられるようにしたことを特徴とする請求項１記載のテレビジョンチューナ。
- 二つの電圧入力端を有すると共に前記二つの電圧入力端のいずれかに印加される電圧によって異なる分圧電圧を出力する分圧回路と、複数の電圧出力端を有すると共に前記受信すべきチャンネルに対応して前記電圧出力端の少なくとも一つに切替電圧を出力する帯域切替制御回路を設け、前記各電圧出力端に現れる前記切替電圧を、前記複数のフィルタに接続された各前記入力側切り替えダイオード及び出力側切り替えダイオードと前記分圧回路の前記二つの電圧入力端とに印加し、前記分圧電圧を前記バラクタダイオードに印加したことを特徴とする請求項２記載のテレビジョンチューナ。
- 前記複数のフィルタをハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成したことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のテレビジョンチューナ。
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