JP3577728B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス成分濃度を検出する排気センサの信号に基づいて空燃比を所定値に保つようにフィードバック制御する空燃比制御装置に関し、特にV型エンジンのように排気系が2系統に分かれているエンジンの場合の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特公平3−38417号公報に開示されているように、2つのシリンダバンクを有し、各シリンダバンクに各々連結された2つの排気通路を備えたV型エンジンにおいて、メイン空燃比センサの出力値が両バンクで同位相にならないように空燃比を制御する方法が開示されている。これは両バンクの空燃比を対称にすることによって、トルク変動及び触媒の浄化率の低下を防ぐことを目的とするものであった。
【0003】
また、近年、自動車の排気規制強化に伴い、触媒の後にも空燃比センサを設置するいわゆる2センサシステムが実用化されている。このシステムは触媒後の空燃比センサの出力に基づいて制御空燃比と触媒のウィンドウとのずれを検出し、制御空燃比を微調整し、ウィンドウとの一致を図るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このメイン空燃比センサ出力を逆位相に制御するという従来技術では、実際に制御された空燃比が触媒でどのように浄化されたかということを知ることができない。また、2センサシステムの制御では触媒によるガス遅れが大きくて触媒後のガスをλ=1に制御することができず、触媒後のガスがリーン,リッチに大きく乱れ、結果としてリーン成分(NOX)、リッチ成分(HC,CO)が交互に排出される。
【0005】
また、リアの空燃比センサの後の、左右の排気通路が合流した集合排気管に、もう一つ触媒を付けて浄化を図るという方法もあるが、V型エンジンの場合、交互に排出されるガスが両バンクとも同位相のガスとなった場合、その集合排気管に配設された触媒の能力を越えて、テールパイプからエミッションが排出されることになるという不都合が生じる。但し、左右の排気通路から逆位相のガスが供給された場合は、集合排気管の触媒には互いに反応される成分が供給されることになり、この触媒で好適な浄化が図れる。
【0006】
この点に鑑み、本発明は集合排気管内の触媒での浄化を最大限に生かし、排ガスエミッションの低下を図れる内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するためになされた請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置は、
2つのシリンダバンクと、
各シリンダバンクに各々連結された2つの排気通路と、
該2つの排気通路が合流した1つの集合排気管と、
上記各排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒と、
上記各排気通路内において上記触媒の上流側に各々配設された2つの主空燃比センサと、
上記各排気通路内において上記触媒の下流側に各々配設された2つの補助空燃比センサと、
集合排気管内に配設された1つの排気浄化用の触媒と、
を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、
上記各排気通路内の補助空燃比センサの出力に基づき、両出力が同位相の場合には、該両出力が逆位相となるように、少なくとも一方のシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量を演算する空燃比フィードバック制御補正量演算手段と、
各シリンダバンクの空燃比を、そのシリンダバンクに対応する主空燃比センサの出力値、およびそのシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量に基づいてフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
上記2つの補助空燃比センサからの各々の出力と、この各々の出力に対して設定された2つの所定値とを比較することにより、上記各排気通路排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒下流の空燃比がリッチであるかリーンであるかを判定する判定手段とを備え、該判定手段は、上記2つの所定値の内の一方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも大きい値に、他方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも小さい値に設定していることを特徴とする。
【0009】
【作用】
上記構成を有する本発明の内燃機関の空燃比制御装置によれば、各シリンダバンクからの排気は、各々連結された排気通路を通り、両排気通路が合流した集合排気管に至る。そして、主空燃比センサは、各排気通路内に各々配設された排気浄化用の触媒の上流側において空燃比を測定し、補助空燃比センサは、触媒の下流側において空燃比を測定する。また、集合排気管に至った排気は、その内部に配設された排気浄化用の触媒によって排気浄化が図られる。
【0010】
一方、空燃比フィードバック制御補正量演算手段は、各排気通路内の補助空燃比センサの出力に基づき、両出力が同位相の場合には、両出力が逆位相となるように、少なくとも一方のシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量を演算する。そして、フィードバック制御手段が、各シリンダバンクの空燃比を、そのシリンダバンクに対応する主空燃比センサの出力値、およびそのシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量に基づいてフィードバック制御する。
【0011】
このように制御することにより、各排気通路から集合排気管に至る排気は、それぞれ逆位相となり、互いに反応される成分が供給されるため、集合排気管の内部に配設された排気浄化用の触媒によって、好適な排気浄化が図られる。すなわち、集合排気管内部の触媒の排気浄化能力を最大限に生かすため、各排気通路からくる排気成分が同一成分とならないように制御して反応物質を与え、効率のよい排気浄化を図るのである。
【0012】
そしてさらに本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、判定手段が、2つの補助空燃比センサからの各々の出力と、この各々の出力に対して設定された2つの所定値とを比較することにより、各排気通路排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒下流の空燃比がリッチであるかリーンであるかを判定する。そして、この判定手段は、上記2つの所定値の内の一方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも大きい値に、他方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも小さい値に設定している。従って、一方の排気通路からの排気がリッチに、他方の排気通路からの排気がリーンに制御され、逆位相となって互いに反応される成分が供給されることとなる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置を、V型6気筒ガソリンエンジン(以下エンジンとも言う。)に適用した実施例を示す全体概略図である。図1において、エンジン1の6つのシリンダは3つずつを一つのシリンダバンクとして、V字型に2列に配列されており、左右一対のシリンダバンクSBH,SBMを構成している。エンジン1の吸気通路2にはエアフローメータ3が設けられている。このエアフローメータ3は吸入空気量を直接計測するものであって、ポテンショメータを内蔵して吸入空気量に比例したアナログ電圧の電気信号を発生する。
【0014】
また、エンジン1のシリンダブロックのウォータジャケット(図示せず)には冷却水の温度を検出するための水温センサ4が設けられている。水温センサ4は冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。
ディストリビュータ5には、その軸が例えばクランク角に換算して360°,30°回転する毎に角度位置信号を発生する2つの回転角センサが設けられており、回転角センサの角度位置信号は、燃料噴射時間演算ルーチンの割込み要求信号、点火時期の基準タイミング信号、点火時期演算ルーチンの割込み要求信号等として作用する。
【0015】
さらに、吸気通路2には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁8,9が設けられている。ここで、燃料噴射弁8は左バンクSBH側を代表し、燃料噴射弁9は右バンクSBM側を代表するものとする。
【0016】
エンジン1の排気系は、左右バンクSBH,SBM毎に設けられているので、2つの排気通路11,12に分かれており、下流側において集合排気管13に合流し、マフラー14に至る。左右の各排気通路11,12には、それぞれ三元触媒が充填された触媒コンバータ15,16(以下単に触媒とも言う。)が設けられている。また、集合排気管13にも、触媒17が設けられている。これらの触媒15,16,17は、排気中の3つの有害成分HC、CO、NOx を同時に浄化処理するものである。
【0017】
また、各排気通路11,12に設けられた触媒15,16の上流側には、それぞれ排気中の酸素成分濃度に応じた電気信号を発生する主空燃比センサ21,22が設けられている。この主空燃比センサ21,22は、空燃比が理論空燃比に対してリーン側かリッチ側かに応じて異なる2値の出力電圧を発生する一般的な酸素濃度センサである。さらに、触媒15,16の下流側にも、それぞれ補助空燃比センサ23,24が設けられている。
【0018】
また、排気系と吸気系とを連通するようにして、排気還流量すなわち、排気を吸気系に還流する量を制御する排気還流制御弁31が設けられている。また、スロットル弁33をバイパスして通る空気量を制御することによってアイドル回転数などを制御する補助空気弁35も設けられている。
【0019】
制御装置19は、例えば、CPU、I/Oポート、RAM、ROM等からなるマイクロ・コンピュータ及び該マイクロ・コンピュータの出力を増幅して燃料噴射弁8,9を駆動するための駆動パルスとする駆動回路等から構成されている。そして各種のエンジン運転変数、例えばエンジン回転数NEやエアフローメータ3から与えられる吸入空気量Qなどに基づいて基本燃料噴射量を演算し、それに水温センサ4から与えられる機関温度に関する変数や空燃比センサ21〜24から与えられる排気成分濃度(例えば酸素濃度)に関する情報などによる補正を付加して実際の燃料供給量を算出し、その結果に応じて燃料噴射弁8,9を制御して燃料を供給する。
【0020】
次に、上記制御装置19において実行される空燃比制御について説明する。
本実施例による制御の詳細を説明する前に、その制御内容の概要を、従来制御と比較して説明しておく。従来の空燃比制御は三元触媒の前に取りつけた排気センサの信号により、比例積分制御するのが一般的であり、三元触媒の後に取り付けた排気センサの信号により、比例成分の大きさを非対称にしたり、積分成分の速さを変えたり、触媒上流の主空燃比センサの比較値を変えたりしてフィードバック(F/B)中心を微調整して、空燃比を触媒のウィンドウに合わせようとしている。
【0021】
そして、触媒で排気を浄化するため、触媒下流の空燃比センサは大きな応答遅れを持つことになり、その結果、リーン成分とリッチ成分が交互に排出される。V型エンジンで集合排気管13にも触媒17を備える構成の場合、両シリンダバンクからの排気成分が同一成分となった場合には、集合排気管13に設けられた触媒17において反応する物質が少なく浄化率の向上が期待できない。
【0022】
しかし、両シリンダバンクSBH,SBMからの排出成分が相互に逆側であった場合、反応成分が多く存在するため好適な浄化が期待できる。そこで本実施例では、両シリンダバンクSBH,SBMの触媒15,16後の排気成分を検出し、その成分が両シリンダバンクSBH,SBMで同位相とならないように空燃比を微調整し排気浄化を図ろうとするのである。
【0023】
以下、その具体的な制御を、図2〜6を参照して説明する。図2はフィードバック補正係数FAFの算出ルーチンを示す。
本FAF算出ルーチンは一定周期(例えば16ms)毎に呼び出され、触媒前に設置された主空燃比センサ21,22のリッチ、リーンを検出し、噴射量を増減させる。まず、ステップ110(以下ステップを単にSと記す)にて、触媒15,16前に設置された主空燃比センサ21,22の出力がリッチかリーンかを判定し、リッチならばS120へ、リーンならばS150へと移る。このS120,150では前回の検出値と比較し、S120では、前回と同じリッチならばS130で比例値△P1 に比べて小さな積分値△Iを減算する。一方、前回と違うならば、S140で比例値△P1 を減算する。
【0024】
また、S150では、前回と同じリーンならばS170で比例値△P2 に比べて小さな積分値△Iを加算する。一方、前回と違うならば、S160で比例値△P2 を加算する。これらの比例値△P1 ,△P2 は後述するサブフィードバック制御(図3,4参照)により値は変化するが、この2つの比例値△P1 ,△P2 を足し合わせた値は一定(△P1 +△P2 =K)とする。
ここで、図2において設定されたフィードバック補正係数FAFを取り込んで噴射パルス時間TAUを演算する辺りの一般的な作動を図5を参照して説明しておく。まず、基本噴射時間Tpを演算し(S510)、フィードバック条件が成立していれば(S520:YES)、設定されたフィードバック補正係数FAFを取り込み(S530)、フィードバック条件が成立していなければ(S520:NO)、FAF=1として(S530)、S540へ進む。S540では噴射パルス時間TAUを下式に基づいて演算する。
【0025】
TAU=TAUE+TAUV
ここでTAUVとは、燃料噴射弁8,9を中心とする燃料供給手段のメカ的な作動遅れを補正する値であり、TAUEは概略的には下式で表される。
TAUE=Tp×FEFI×FAF
ここでTpとは基本噴射時間を意味し、エアフローメータ3からの吸入空気量データQ、エンジン回転数NE、その他センサからの情報に基づき、制御装置19にて演算される。一方、ここでのFEFIとは、エンジン暖機状態(始動直後や暖機中)、運転状態(加減速時、高負荷時)等に応じた補正を意味する。
【0026】
そして、フィードバック補正係数FAFは、理論空燃比を含め、目標空燃比になるような補正を行うためのものである。フィードバック補正係数FAFとは、排気系に配設した空燃比ンサの出力に基づき、センサ出力信号の波形に対して比例・積分等の処理を行い、基本噴射時間Tpに乗算するための係数である。
次に、本発明の主要点について図3,4を参照して説明する。
図3はサブフィードバック制御ルーチンを示す。このルーチンは補助空燃比センサ23,24が設定値を越えたかどうか検出するものである。このルーチンも一定周期(例えば128ms)毎に呼び出される。本実施例では、左の補助空燃比センサ23の制御用のルーチンを示す。
【0027】
まず、S210で触媒15,16の後に設置された補助空燃比センサ23,24の電圧を検出し、リッチならばS220へ、リーンならばS240へ進む。S220,240では、前回の補助空燃比センサ23,24の値と比較し、同じならばそのまま終了し、違うのであればそれぞれS230,250で左反転フラグXFLTをオンさせて、次のルーチン(図4)に引き継ぐ。なお、右の補助空燃比センサ24の制御処理については、図3のフローチャートのS230,S250の処理を、右反転フラグXFRTをオンさせる処理に変更すればよい。
【0028】
図4に補正用のサブフィードバック制御ルーチンを示す。なお、この処理については基本的に左のシリンダバンクSBHに対する制御を例にとって説明する。図4は左制御用のルーチンであるので、右制御用の場合は、以下の説明で、左を右、LをRに変更した同様のルーチンとなる。
本ルーチンではまず、S310で右反転フラグXFRTがオンか否かを調べる。右反転フラグXFRTがオンであれば(S310:YES)、S320で右反転フラグXFRTをオフし、続いてS330では(このルーチンは左制御用であるので)左の補助空燃比センサ23の出力がリッチかリーンかを判定する。S330でリーンならS340へ、リッチならS370へ移行する。
【0029】
S340では、右の補助空燃比センサ24の出力がリッチかリーンかを判定し、右の補助空燃比センサ24の出力がリーンの場合、すなわち、左右の補助空燃比センサ23,24の出力が共にリーンで同一の場合は、S350にて大きな比例値△PL だけ△P1 から減算する。また、右の補助空燃比センサ24の出力がリッチの場合、すなわち左右の出力が違う場合には、S360にて通常のスキップ量に対する積分値△PIL を減算する。
また、S370側の処理も同様であるが、こちらは加算する方で、左右の補助空燃比センサ23,24の出力が共にリッチで同一の場合(S370:YES)は、S380にて大きな比例値△PL だけ△P1 に加算する。また、左右の出力が違う場合(S370:NO)には、S390にて通常の積分値△PIL を加算する。S350,360,380,390の処理後はS430へ移行する。
【0030】
一方、S310でフラグがオンでなければS400に進む。S400ではS330と同様に左の補助空燃比センサ23の出力がリッチかリーンかを判定し、リッチならSS410へ進んで比例値△P1 に一定の積分値△PIL だけ加算し、リーンならS420へ進んで比例値△P1 に一定の積分値△PIL だけ減算してS430へ移行する。
S430では、所定値Kから△P1 を減算して△P2 を算出し(△P2 =K−△P1 )、その後、本ルーチンを終了する。
【0031】
以上の処理を実行した結果を図6のタイムチャートに示す。図6において(a),(b)はそれぞれ右、左の主空燃比センサ22,21の出力を示し、(c),(d)はそれぞれ右、左の補助空燃比センサ24,23の出力を示す。また、(e),(f)は、それぞれ右、左のフィードバック補正値FAFを示す。
本案は、上述したように両シリンダバンクSBH,SBMの触媒15,16後の排気成分を検出し、その成分が両シリンダバンクSBH,SBMで同位相とならないように空燃比を微調整し排気浄化を図ろうとするものである。そのため、触媒15,16の後の補助空燃比センサ23,24の出力をモニタし、それらが逆位相にある時は通常のサブフィードバック制御を行う。すなわち、補助空燃比センサ23,24の出力が前回と変わっていない場合は、図3のルーチンを実行してもフラグがオンされないので、当然図5のS310において否定判断となり、S400〜S420の処理に移る。
【0032】
また、いずれか一方の補助空燃比センサ23,24の出力がリッチ→リーン、またはリーン→リッチと移行した時には、図3においてフラグがオンされるので(S230,250)、図4のS310において肯定判断となる。その場合でも、左右の出力が逆位相であればS360,390において通常のサブフィードバック制御を行う。例えば、図6における時刻t1では、左の補助空燃比センサ23の出力がリッチ→リーンと移行しているが、その移行後の状態は、右はリッチで左はリーンとなり逆位相であるので、通常のサブフィードバック制御が行なわれる(図6(e)で右FAFが、△P1 →△P1 +△PIR )。
【0033】
しかし、一方のセンサ出力がリッチ→リーン、またはリーン→リッチと移行した時、移行後が同位相である場合には、逆側のセンサのフィードバック補正値FAFをステップ的に変化させ、逆位相となるように制御する。例えば、図6における時刻t2では、(c)に示すように、右の補助空燃比センサ24の出力がリッチ→リーンと移行しているが、その移行後の状態は、左右共にリーンとなり同位相である。従って、図4におけるS350,380の処理が実行されることとなる。図6で説明すれば、(f)の左FAFが、△P1 →△P1 −△PL となり、△P2 →△P2 +△PL と変化することとなる。そして、このようにFAFをステップ的に変化させることで、(d)に示す左補助空燃比センサ23の出力は、通常は二点鎖線で示すように変化するところが実線で示すように素早くリッチ側に変化する。そのため、左右の出力が逆位相となるのである。
【0034】
なお、この時リッチ→リーン,リーン→リッチに変化させた方の制御量の調整を行わないのは、触媒による応答遅れが大きいため、変化したばかりのバンクの入りガスは大きくλ=1から外れていることが多いためである。また、今回はFAFの積分成分を非対称にする方法で補助空燃比フィードバックを行う例を説明したが、他の方法、例えば積分成分の変更、比較電圧値の変更等による補助空燃比フィードバックを行ってもよい。
また最初から逆位相に制御するために補助空燃比センサ23,24の比較電圧値を、片バンクをリーン、片バンクをリッチに設定するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、右側の補助空燃比センサ24の比較電圧を高く(例えば0.6V)、左側の補助空燃比センサ23の比較電圧を低く(例えば0.3V)設定すると、右バンクSBMの排気成分がリッチに、左バンクSBHの排気成分がリーンに設定されるようになる。
【0035】
また補助空燃比フィードバックの比例成分の積分量を片バンクはリーン→リッチ積分量を速くし、片バンクはリッチ→リーン積分量を速くする等も、排気成分を逆位相にすることに効果的である。
このように、本実施例の空燃比制御装置によれば、上述のように制御されることにより、各排気通路11,12から集合排気管13に至る排気はそれぞれ逆位相となり、互いに反応される成分が供給されるため、集合排気管13の内部に配設された排気浄化用の触媒17によって、好適な排気浄化が図られる。すなわち、集合排気管13内部の触媒17の排気浄化能力を最大限に生かすため、各排気通路11,12からくる排気成分が同一成分とならないように制御して反応物質を与え、効率のよい排気浄化を図ることができるのである。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の内燃機関の空燃比制御装置によれば、各排気通路から集合排気管に至る排気は、それぞれ逆位相となり、互いに反応される成分が供給されるため、集合排気管の内部に配設された排気浄化用の触媒によって、好適な排気浄化が図られる。すなわち、集合排気管内部の触媒の排気浄化能力を最大限に生かすため、各排気通路からくる排気成分が同一成分とならないように制御して反応物質を与え、効率のよい排気浄化を図ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置を、V型6気筒ガソリンエンジンに適用した実施例を示す全体概略図である。
【図2】制御回路において実行されるFAF算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】制御回路において実行されるサブフィードバック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】制御回路において実行される補正用のサブフィードバック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】噴射パルス時間TAUを演算する一般的処理を示すフローチャートである。
【図6】フィードバック制御の実行結果例を示すタイムチャートである。
【図7】フィードバック制御の実行結果例を示すタイムチャートであって、補助空燃比センサの比較電圧値を、片バンクをリーン、片バンクをリッチに設定した場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 8,9…燃料噴射弁、
11,12…排気通路、 13…集合排気管、
15,16,17…触媒、 19…制御装置、
21,22…主空燃比センサ、
23,24…補助空燃比センサ、
SBH,SBM…シリンダバンク
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス成分濃度を検出する排気センサの信号に基づいて空燃比を所定値に保つようにフィードバック制御する空燃比制御装置に関し、特にV型エンジンのように排気系が2系統に分かれているエンジンの場合の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特公平3−38417号公報に開示されているように、2つのシリンダバンクを有し、各シリンダバンクに各々連結された2つの排気通路を備えたV型エンジンにおいて、メイン空燃比センサの出力値が両バンクで同位相にならないように空燃比を制御する方法が開示されている。これは両バンクの空燃比を対称にすることによって、トルク変動及び触媒の浄化率の低下を防ぐことを目的とするものであった。
【0003】
また、近年、自動車の排気規制強化に伴い、触媒の後にも空燃比センサを設置するいわゆる2センサシステムが実用化されている。このシステムは触媒後の空燃比センサの出力に基づいて制御空燃比と触媒のウィンドウとのずれを検出し、制御空燃比を微調整し、ウィンドウとの一致を図るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このメイン空燃比センサ出力を逆位相に制御するという従来技術では、実際に制御された空燃比が触媒でどのように浄化されたかということを知ることができない。また、2センサシステムの制御では触媒によるガス遅れが大きくて触媒後のガスをλ=1に制御することができず、触媒後のガスがリーン,リッチに大きく乱れ、結果としてリーン成分(NOX)、リッチ成分(HC,CO)が交互に排出される。
【0005】
また、リアの空燃比センサの後の、左右の排気通路が合流した集合排気管に、もう一つ触媒を付けて浄化を図るという方法もあるが、V型エンジンの場合、交互に排出されるガスが両バンクとも同位相のガスとなった場合、その集合排気管に配設された触媒の能力を越えて、テールパイプからエミッションが排出されることになるという不都合が生じる。但し、左右の排気通路から逆位相のガスが供給された場合は、集合排気管の触媒には互いに反応される成分が供給されることになり、この触媒で好適な浄化が図れる。
【0006】
この点に鑑み、本発明は集合排気管内の触媒での浄化を最大限に生かし、排ガスエミッションの低下を図れる内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するためになされた請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置は、
2つのシリンダバンクと、
各シリンダバンクに各々連結された2つの排気通路と、
該2つの排気通路が合流した1つの集合排気管と、
上記各排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒と、
上記各排気通路内において上記触媒の上流側に各々配設された2つの主空燃比センサと、
上記各排気通路内において上記触媒の下流側に各々配設された2つの補助空燃比センサと、
集合排気管内に配設された1つの排気浄化用の触媒と、
を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、
上記各排気通路内の補助空燃比センサの出力に基づき、両出力が同位相の場合には、該両出力が逆位相となるように、少なくとも一方のシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量を演算する空燃比フィードバック制御補正量演算手段と、
各シリンダバンクの空燃比を、そのシリンダバンクに対応する主空燃比センサの出力値、およびそのシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量に基づいてフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
上記2つの補助空燃比センサからの各々の出力と、この各々の出力に対して設定された2つの所定値とを比較することにより、上記各排気通路排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒下流の空燃比がリッチであるかリーンであるかを判定する判定手段とを備え、該判定手段は、上記2つの所定値の内の一方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも大きい値に、他方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも小さい値に設定していることを特徴とする。
【0009】
【作用】
上記構成を有する本発明の内燃機関の空燃比制御装置によれば、各シリンダバンクからの排気は、各々連結された排気通路を通り、両排気通路が合流した集合排気管に至る。そして、主空燃比センサは、各排気通路内に各々配設された排気浄化用の触媒の上流側において空燃比を測定し、補助空燃比センサは、触媒の下流側において空燃比を測定する。また、集合排気管に至った排気は、その内部に配設された排気浄化用の触媒によって排気浄化が図られる。
【0010】
一方、空燃比フィードバック制御補正量演算手段は、各排気通路内の補助空燃比センサの出力に基づき、両出力が同位相の場合には、両出力が逆位相となるように、少なくとも一方のシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量を演算する。そして、フィードバック制御手段が、各シリンダバンクの空燃比を、そのシリンダバンクに対応する主空燃比センサの出力値、およびそのシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量に基づいてフィードバック制御する。
【0011】
このように制御することにより、各排気通路から集合排気管に至る排気は、それぞれ逆位相となり、互いに反応される成分が供給されるため、集合排気管の内部に配設された排気浄化用の触媒によって、好適な排気浄化が図られる。すなわち、集合排気管内部の触媒の排気浄化能力を最大限に生かすため、各排気通路からくる排気成分が同一成分とならないように制御して反応物質を与え、効率のよい排気浄化を図るのである。
【0012】
そしてさらに本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、判定手段が、2つの補助空燃比センサからの各々の出力と、この各々の出力に対して設定された2つの所定値とを比較することにより、各排気通路排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒下流の空燃比がリッチであるかリーンであるかを判定する。そして、この判定手段は、上記2つの所定値の内の一方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも大きい値に、他方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも小さい値に設定している。従って、一方の排気通路からの排気がリッチに、他方の排気通路からの排気がリーンに制御され、逆位相となって互いに反応される成分が供給されることとなる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置を、V型6気筒ガソリンエンジン(以下エンジンとも言う。)に適用した実施例を示す全体概略図である。図1において、エンジン1の6つのシリンダは3つずつを一つのシリンダバンクとして、V字型に2列に配列されており、左右一対のシリンダバンクSBH,SBMを構成している。エンジン1の吸気通路2にはエアフローメータ3が設けられている。このエアフローメータ3は吸入空気量を直接計測するものであって、ポテンショメータを内蔵して吸入空気量に比例したアナログ電圧の電気信号を発生する。
【0014】
また、エンジン1のシリンダブロックのウォータジャケット(図示せず)には冷却水の温度を検出するための水温センサ4が設けられている。水温センサ4は冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。
ディストリビュータ5には、その軸が例えばクランク角に換算して360°,30°回転する毎に角度位置信号を発生する2つの回転角センサが設けられており、回転角センサの角度位置信号は、燃料噴射時間演算ルーチンの割込み要求信号、点火時期の基準タイミング信号、点火時期演算ルーチンの割込み要求信号等として作用する。
【0015】
さらに、吸気通路2には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁8,9が設けられている。ここで、燃料噴射弁8は左バンクSBH側を代表し、燃料噴射弁9は右バンクSBM側を代表するものとする。
【0016】
エンジン1の排気系は、左右バンクSBH,SBM毎に設けられているので、2つの排気通路11,12に分かれており、下流側において集合排気管13に合流し、マフラー14に至る。左右の各排気通路11,12には、それぞれ三元触媒が充填された触媒コンバータ15,16(以下単に触媒とも言う。)が設けられている。また、集合排気管13にも、触媒17が設けられている。これらの触媒15,16,17は、排気中の3つの有害成分HC、CO、NOx を同時に浄化処理するものである。
【0017】
また、各排気通路11,12に設けられた触媒15,16の上流側には、それぞれ排気中の酸素成分濃度に応じた電気信号を発生する主空燃比センサ21,22が設けられている。この主空燃比センサ21,22は、空燃比が理論空燃比に対してリーン側かリッチ側かに応じて異なる2値の出力電圧を発生する一般的な酸素濃度センサである。さらに、触媒15,16の下流側にも、それぞれ補助空燃比センサ23,24が設けられている。
【0018】
また、排気系と吸気系とを連通するようにして、排気還流量すなわち、排気を吸気系に還流する量を制御する排気還流制御弁31が設けられている。また、スロットル弁33をバイパスして通る空気量を制御することによってアイドル回転数などを制御する補助空気弁35も設けられている。
【0019】
制御装置19は、例えば、CPU、I/Oポート、RAM、ROM等からなるマイクロ・コンピュータ及び該マイクロ・コンピュータの出力を増幅して燃料噴射弁8,9を駆動するための駆動パルスとする駆動回路等から構成されている。そして各種のエンジン運転変数、例えばエンジン回転数NEやエアフローメータ3から与えられる吸入空気量Qなどに基づいて基本燃料噴射量を演算し、それに水温センサ4から与えられる機関温度に関する変数や空燃比センサ21〜24から与えられる排気成分濃度(例えば酸素濃度)に関する情報などによる補正を付加して実際の燃料供給量を算出し、その結果に応じて燃料噴射弁8,9を制御して燃料を供給する。
【0020】
次に、上記制御装置19において実行される空燃比制御について説明する。
本実施例による制御の詳細を説明する前に、その制御内容の概要を、従来制御と比較して説明しておく。従来の空燃比制御は三元触媒の前に取りつけた排気センサの信号により、比例積分制御するのが一般的であり、三元触媒の後に取り付けた排気センサの信号により、比例成分の大きさを非対称にしたり、積分成分の速さを変えたり、触媒上流の主空燃比センサの比較値を変えたりしてフィードバック(F/B)中心を微調整して、空燃比を触媒のウィンドウに合わせようとしている。
【0021】
そして、触媒で排気を浄化するため、触媒下流の空燃比センサは大きな応答遅れを持つことになり、その結果、リーン成分とリッチ成分が交互に排出される。V型エンジンで集合排気管13にも触媒17を備える構成の場合、両シリンダバンクからの排気成分が同一成分となった場合には、集合排気管13に設けられた触媒17において反応する物質が少なく浄化率の向上が期待できない。
【0022】
しかし、両シリンダバンクSBH,SBMからの排出成分が相互に逆側であった場合、反応成分が多く存在するため好適な浄化が期待できる。そこで本実施例では、両シリンダバンクSBH,SBMの触媒15,16後の排気成分を検出し、その成分が両シリンダバンクSBH,SBMで同位相とならないように空燃比を微調整し排気浄化を図ろうとするのである。
【0023】
以下、その具体的な制御を、図2〜6を参照して説明する。図2はフィードバック補正係数FAFの算出ルーチンを示す。
本FAF算出ルーチンは一定周期(例えば16ms)毎に呼び出され、触媒前に設置された主空燃比センサ21,22のリッチ、リーンを検出し、噴射量を増減させる。まず、ステップ110(以下ステップを単にSと記す)にて、触媒15,16前に設置された主空燃比センサ21,22の出力がリッチかリーンかを判定し、リッチならばS120へ、リーンならばS150へと移る。このS120,150では前回の検出値と比較し、S120では、前回と同じリッチならばS130で比例値△P1 に比べて小さな積分値△Iを減算する。一方、前回と違うならば、S140で比例値△P1 を減算する。
【0024】
また、S150では、前回と同じリーンならばS170で比例値△P2 に比べて小さな積分値△Iを加算する。一方、前回と違うならば、S160で比例値△P2 を加算する。これらの比例値△P1 ,△P2 は後述するサブフィードバック制御(図3,4参照)により値は変化するが、この2つの比例値△P1 ,△P2 を足し合わせた値は一定(△P1 +△P2 =K)とする。
ここで、図2において設定されたフィードバック補正係数FAFを取り込んで噴射パルス時間TAUを演算する辺りの一般的な作動を図5を参照して説明しておく。まず、基本噴射時間Tpを演算し(S510)、フィードバック条件が成立していれば(S520:YES)、設定されたフィードバック補正係数FAFを取り込み(S530)、フィードバック条件が成立していなければ(S520:NO)、FAF=1として(S530)、S540へ進む。S540では噴射パルス時間TAUを下式に基づいて演算する。
【0025】
TAU=TAUE+TAUV
ここでTAUVとは、燃料噴射弁8,9を中心とする燃料供給手段のメカ的な作動遅れを補正する値であり、TAUEは概略的には下式で表される。
TAUE=Tp×FEFI×FAF
ここでTpとは基本噴射時間を意味し、エアフローメータ3からの吸入空気量データQ、エンジン回転数NE、その他センサからの情報に基づき、制御装置19にて演算される。一方、ここでのFEFIとは、エンジン暖機状態(始動直後や暖機中)、運転状態(加減速時、高負荷時)等に応じた補正を意味する。
【0026】
そして、フィードバック補正係数FAFは、理論空燃比を含め、目標空燃比になるような補正を行うためのものである。フィードバック補正係数FAFとは、排気系に配設した空燃比ンサの出力に基づき、センサ出力信号の波形に対して比例・積分等の処理を行い、基本噴射時間Tpに乗算するための係数である。
次に、本発明の主要点について図3,4を参照して説明する。
図3はサブフィードバック制御ルーチンを示す。このルーチンは補助空燃比センサ23,24が設定値を越えたかどうか検出するものである。このルーチンも一定周期(例えば128ms)毎に呼び出される。本実施例では、左の補助空燃比センサ23の制御用のルーチンを示す。
【0027】
まず、S210で触媒15,16の後に設置された補助空燃比センサ23,24の電圧を検出し、リッチならばS220へ、リーンならばS240へ進む。S220,240では、前回の補助空燃比センサ23,24の値と比較し、同じならばそのまま終了し、違うのであればそれぞれS230,250で左反転フラグXFLTをオンさせて、次のルーチン(図4)に引き継ぐ。なお、右の補助空燃比センサ24の制御処理については、図3のフローチャートのS230,S250の処理を、右反転フラグXFRTをオンさせる処理に変更すればよい。
【0028】
図4に補正用のサブフィードバック制御ルーチンを示す。なお、この処理については基本的に左のシリンダバンクSBHに対する制御を例にとって説明する。図4は左制御用のルーチンであるので、右制御用の場合は、以下の説明で、左を右、LをRに変更した同様のルーチンとなる。
本ルーチンではまず、S310で右反転フラグXFRTがオンか否かを調べる。右反転フラグXFRTがオンであれば(S310:YES)、S320で右反転フラグXFRTをオフし、続いてS330では(このルーチンは左制御用であるので)左の補助空燃比センサ23の出力がリッチかリーンかを判定する。S330でリーンならS340へ、リッチならS370へ移行する。
【0029】
S340では、右の補助空燃比センサ24の出力がリッチかリーンかを判定し、右の補助空燃比センサ24の出力がリーンの場合、すなわち、左右の補助空燃比センサ23,24の出力が共にリーンで同一の場合は、S350にて大きな比例値△PL だけ△P1 から減算する。また、右の補助空燃比センサ24の出力がリッチの場合、すなわち左右の出力が違う場合には、S360にて通常のスキップ量に対する積分値△PIL を減算する。
また、S370側の処理も同様であるが、こちらは加算する方で、左右の補助空燃比センサ23,24の出力が共にリッチで同一の場合(S370:YES)は、S380にて大きな比例値△PL だけ△P1 に加算する。また、左右の出力が違う場合(S370:NO)には、S390にて通常の積分値△PIL を加算する。S350,360,380,390の処理後はS430へ移行する。
【0030】
一方、S310でフラグがオンでなければS400に進む。S400ではS330と同様に左の補助空燃比センサ23の出力がリッチかリーンかを判定し、リッチならSS410へ進んで比例値△P1 に一定の積分値△PIL だけ加算し、リーンならS420へ進んで比例値△P1 に一定の積分値△PIL だけ減算してS430へ移行する。
S430では、所定値Kから△P1 を減算して△P2 を算出し(△P2 =K−△P1 )、その後、本ルーチンを終了する。
【0031】
以上の処理を実行した結果を図6のタイムチャートに示す。図6において(a),(b)はそれぞれ右、左の主空燃比センサ22,21の出力を示し、(c),(d)はそれぞれ右、左の補助空燃比センサ24,23の出力を示す。また、(e),(f)は、それぞれ右、左のフィードバック補正値FAFを示す。
本案は、上述したように両シリンダバンクSBH,SBMの触媒15,16後の排気成分を検出し、その成分が両シリンダバンクSBH,SBMで同位相とならないように空燃比を微調整し排気浄化を図ろうとするものである。そのため、触媒15,16の後の補助空燃比センサ23,24の出力をモニタし、それらが逆位相にある時は通常のサブフィードバック制御を行う。すなわち、補助空燃比センサ23,24の出力が前回と変わっていない場合は、図3のルーチンを実行してもフラグがオンされないので、当然図5のS310において否定判断となり、S400〜S420の処理に移る。
【0032】
また、いずれか一方の補助空燃比センサ23,24の出力がリッチ→リーン、またはリーン→リッチと移行した時には、図3においてフラグがオンされるので(S230,250)、図4のS310において肯定判断となる。その場合でも、左右の出力が逆位相であればS360,390において通常のサブフィードバック制御を行う。例えば、図6における時刻t1では、左の補助空燃比センサ23の出力がリッチ→リーンと移行しているが、その移行後の状態は、右はリッチで左はリーンとなり逆位相であるので、通常のサブフィードバック制御が行なわれる(図6(e)で右FAFが、△P1 →△P1 +△PIR )。
【0033】
しかし、一方のセンサ出力がリッチ→リーン、またはリーン→リッチと移行した時、移行後が同位相である場合には、逆側のセンサのフィードバック補正値FAFをステップ的に変化させ、逆位相となるように制御する。例えば、図6における時刻t2では、(c)に示すように、右の補助空燃比センサ24の出力がリッチ→リーンと移行しているが、その移行後の状態は、左右共にリーンとなり同位相である。従って、図4におけるS350,380の処理が実行されることとなる。図6で説明すれば、(f)の左FAFが、△P1 →△P1 −△PL となり、△P2 →△P2 +△PL と変化することとなる。そして、このようにFAFをステップ的に変化させることで、(d)に示す左補助空燃比センサ23の出力は、通常は二点鎖線で示すように変化するところが実線で示すように素早くリッチ側に変化する。そのため、左右の出力が逆位相となるのである。
【0034】
なお、この時リッチ→リーン,リーン→リッチに変化させた方の制御量の調整を行わないのは、触媒による応答遅れが大きいため、変化したばかりのバンクの入りガスは大きくλ=1から外れていることが多いためである。また、今回はFAFの積分成分を非対称にする方法で補助空燃比フィードバックを行う例を説明したが、他の方法、例えば積分成分の変更、比較電圧値の変更等による補助空燃比フィードバックを行ってもよい。
また最初から逆位相に制御するために補助空燃比センサ23,24の比較電圧値を、片バンクをリーン、片バンクをリッチに設定するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、右側の補助空燃比センサ24の比較電圧を高く(例えば0.6V)、左側の補助空燃比センサ23の比較電圧を低く(例えば0.3V)設定すると、右バンクSBMの排気成分がリッチに、左バンクSBHの排気成分がリーンに設定されるようになる。
【0035】
また補助空燃比フィードバックの比例成分の積分量を片バンクはリーン→リッチ積分量を速くし、片バンクはリッチ→リーン積分量を速くする等も、排気成分を逆位相にすることに効果的である。
このように、本実施例の空燃比制御装置によれば、上述のように制御されることにより、各排気通路11,12から集合排気管13に至る排気はそれぞれ逆位相となり、互いに反応される成分が供給されるため、集合排気管13の内部に配設された排気浄化用の触媒17によって、好適な排気浄化が図られる。すなわち、集合排気管13内部の触媒17の排気浄化能力を最大限に生かすため、各排気通路11,12からくる排気成分が同一成分とならないように制御して反応物質を与え、効率のよい排気浄化を図ることができるのである。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の内燃機関の空燃比制御装置によれば、各排気通路から集合排気管に至る排気は、それぞれ逆位相となり、互いに反応される成分が供給されるため、集合排気管の内部に配設された排気浄化用の触媒によって、好適な排気浄化が図られる。すなわち、集合排気管内部の触媒の排気浄化能力を最大限に生かすため、各排気通路からくる排気成分が同一成分とならないように制御して反応物質を与え、効率のよい排気浄化を図ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置を、V型6気筒ガソリンエンジンに適用した実施例を示す全体概略図である。
【図2】制御回路において実行されるFAF算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】制御回路において実行されるサブフィードバック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】制御回路において実行される補正用のサブフィードバック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】噴射パルス時間TAUを演算する一般的処理を示すフローチャートである。
【図6】フィードバック制御の実行結果例を示すタイムチャートである。
【図7】フィードバック制御の実行結果例を示すタイムチャートであって、補助空燃比センサの比較電圧値を、片バンクをリーン、片バンクをリッチに設定した場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 8,9…燃料噴射弁、
11,12…排気通路、 13…集合排気管、
15,16,17…触媒、 19…制御装置、
21,22…主空燃比センサ、
23,24…補助空燃比センサ、
SBH,SBM…シリンダバンク
Claims (1)
- 2つのシリンダバンクと、
各シリンダバンクに各々連結された2つの排気通路と、
該2つの排気通路が合流した1つの集合排気管と、
上記各排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒と、
上記各排気通路内において上記触媒の上流側に各々配設された2つの主空燃比センサと、
上記各排気通路内において上記触媒の下流側に各々配設された2つの補助空燃比センサと、
集合排気管内に配設された1つの排気浄化用の触媒と、
を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、
上記各排気通路内の補助空燃比センサの出力に基づき、両出力が同位相の場合には、該両出力が逆位相となるように、少なくとも一方のシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量を演算する空燃比フィードバック制御補正量演算手段と、
各シリンダバンクの空燃比を、そのシリンダバンクに対応する主空燃比センサの出力値、およびそのシリンダバンクの空燃比フィードバック制御補正量に基づいてフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
上記2つの補助空燃比センサからの各々の出力と、この各々の出力に対して設定された2つの所定値とを比較することにより、上記各排気通路内に各々配設された2つの排気浄化用の触媒下流の空燃比がリッチであるかリーンであるかを判定する判定手段とを備え、
該判定手段は、上記2つの所定値の内の一方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも大きい値に、他方を、空燃比が理論空燃比のときに上記補助空燃比センサから出力される所定の値よりも小さい値に設定していること
を特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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