JP3601210B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気浄化用の三元触媒の上流と下流にOセンサを設け、上流側Oセンサ出力に基づい空燃比のフィードバック制御を行なうとともに、その空燃比フィードバック制御に使用する制御定数(たとえば比例分)を、下流側Oセンサ出力に基づいて修正する、いわゆるダブルOセンサシステムの装置が各種提案されている。
【0003】
この場合に、点火系失火が生じたときは触媒内において未燃HCと残留空気とが反応して触媒が過熱されるので、これを避けるため、点火系失火を判定して表示するようにしたものがある(特開平3−141840号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、失火により多量の未燃HCが図14に示したようにエンジンより排出されるのに対し、従来の装置では目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値(目標空燃比)が理論空燃比に保持されたままなので(図15参照)、失火時と失火時でないときとで触媒での転化率が変わらず、したがって、失火により増加したHCのぶんだけ、図16のように排気浄化性能が悪くなる。
【0005】
この場合に、失火により発生する未燃HC量は失火率に対応するので、本発明は、失火率に応じて(つまり失火に伴う未燃HCの増加分に応じて)空燃比フィードバック制御の制御中心値をリーン側にシフトすることにより、未燃HCが多く排出される失火時にもできるだけHC排出量の増加を抑制することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
の発明では、図17に示すように、触媒の上流側の空燃比センサ31と触媒の下流側のO 2 センサ53と、前記上流側空燃比センサ31の出力に基づいて空燃比フィードバック制御の基本制御定数(たとえば比例分PL、PR、積分分IL、IR、上流側空燃比センサ出力の遅延時間、上流側空燃比センサ出力と比較するスライスレベルSLF等)を演算する手段42と、前記下流側O 2 センサ53の出力とスライスレベルSLRとの比較により前記基本制御定数に対する修正値(たとえば比例分修正値PHOS)を演算する手段61と、この修正値で前記基本制御定数を修正して制御定数を演算する手段62と、この演算した制御定数を用いて前記上流側空燃比センサ31の出力に基づく空燃比のフィードバック制御を行う手段63と、失火を検出する手段33と、この失火検出手段33からの信号より失火率を演算する手段34と、この失火率に応じて前記スライスレベルSLRを燃料増量側に補正する手段36とを設けた。
【0011】
の発明では、図18に示すように、触媒の上流側と下流側の各空燃比センサ31、51と、前記上流側空燃比センサ31の出力に基づいて空燃比フィードバック制御の基本制御定数(たとえば比例分PL、PR、積分分IL、IR、上流側空燃比センサ出力の遅延時間、上流側空燃比センサ出力と比較するスライスレベルSLF等)を演算する手段42と、この基本制御定数を用いて空燃比フィードバック補正係数を演算する手段43と、前記下流側空燃比センサ51の出力とこの下流側空燃比センサの出力の目標値Mとの比較によりこの空燃比フィードバック補正係数を修正する手段71と、この修正した空燃比フィードバック補正係数を用いて前記上流側空燃比センサ31の出力に基づく空燃比のフィードバック制御を行う手段72と、失火を検出する手段33と、この失火検出手段33からの信号より失火率を演算する手段34と、この失火率に応じて前記下流側空燃比センサの出力の目標値Mを理論空燃比よりもリーン側にシフトするする手段35とを設けた。
【0012】
【発明の効果】
失火しないときには、空燃比フィードバック制御により実際の空燃比が目標空燃比に収束して触媒でのHC、CO、NOxの転化率を同時に高めるのであるが、失火時になると、第1と第の各発明では、失火率に応じて(つまり失火により発生した未燃HCの増加分に応じて)目標空燃比をリーン側にシフトするので、触媒でのHCの転化率が理論空燃比のときより高まり、これによって失火により増加するHC排出量を極力抑えることができる。
【0013】
また、従来の装置によれば、失火が生じているとの故障判定の表示により修理が必要であった場合でも、第1と第の各発明によればある程度までの失火(たとえば失火率5%まで)であればHC排出量を失火時でないときと同じ量に維持できるので、故障とならないのである。このため、修理が必要でなくなり、寿命の延長や修理にかかる費用等の削減ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1において、1はエンジン本体で、その吸気通路8には吸気絞り弁5の下流に位置して燃料噴射弁7が設けられ、コントロールユニット(図ではC/Uで略記)2からの噴射信号により運転条件に応じて所定の空燃比となるように、吸気中に燃料を噴射供給する。
【0015】
コントロールユニット2にはクランク角センサ4からのRef信号(基準位置信号)とPos信号(1°信号)、エアフローメータ6からの吸入空気量信号、水温センサ11からのエンジン冷却水温信号等が入力され、これらに基づいて基本噴射パルス幅Tpを算出するとともに、排気通路9の三元触媒10の上流側に設置したOセンサ3からの空燃比(酸素濃度)信号に基づいて空燃比のフィードバック制御を行い、さらにその空燃比フィードバック制御に使用する比例分を、三元触媒10の下流側に設置したOセンサ13からの空燃比(酸素濃度)信号により修正する。
【0016】
ここで、空燃比フィードバック制御は、排気空燃比が理論空燃比を中心として周期的に振らすようにした制御であり、このとき排気通路9に設けた三元触媒10が最大の転換効率をもって、排気中のNOxの還元とHC、COの酸化を行う。
【0017】
コントロールユニット2で実行されるこの空燃比フィードバック制御の内容を、以下のフローチャートにしたがって説明する。
【0018】
図2のフローチャートは上流側Oセンサ出力OSR1に基づいて空燃比フィードバック補正係数αを演算するためのもので、Ref信号に同期して実行する。Ref信号に同期させるのは、燃料噴射がRef信号同期であり、系の乱れもRef信号同期であるため、これに合わせたものである。
【0019】
ステップ1では、空燃比フィードバック制御条件が成立しているかどうかをみる。▲1▼冷却水温Twが所定値以下のとき、▲2▼上流側Oセンサが不活性のとき、▲3▼高負荷時等はいずれも空燃比フィードバック制御条件が成立しない場合であり、このときはステップ2に進み、αに1.0を入れて(αをクランプ)、図2のフローを終了する。
【0020】
上記の▲1▼〜▲3▼等のいずれでもないとき(空燃比フィードバック制御条件の成立時)はステップ3に進んで上流側Oセンサ出力OSR1をA/D変換して取り込み、ステップ4においてOSR1とスライスレベル(たとえば500mV付近)SLFを比較する。OSR1>SLFであれば上流側Oセンサ出力がリッチ側にあると判断し、ステップ5でフラグAFF1に“1”を入れ、OSR1≦SLFであるときは上流側Oセンサ出力がリーン側にあると判断し、ステップ6においてフラグAFF1に“0”を入れる。これによってAFF1=0は上流側Oセンサ出力がリーン側にあることを、AFF1=1はリッチ側にあることを表す。
【0021】
なお、フラグAFF1は、後述するフラグAFF0とともに電源投入時のイニシャライズで“0”に初期設定し、また変数を格納するためのメモリも電源投入時のイニシャライズで0に初期設定するものであり、以下のフローチャートおいて、フラグ、メモリについての初期設定については省略する。
【0022】
ステップ7ではフラグAFF0の値を読み込む。このフラグAFF0は前回に空燃比がリッチあるいはリーンのいずれの側にあったかを示すフラグであり、AFF0=0は前回リーン側にあったことを、AFF0=1は前回リッチ側にあったことを表す。
【0023】
ステップ8では2つのフラグAFF0、AFF1を比較し、両者の値が等しくないときは、OSR1のリッチからリーンへの反転時あるいはその反対にリーンからリッチへの反転時であると判断し、ステップ9でサブルーチンを実行する。このサブルーチンの実行(OSR1の反転毎に実行)については図3のフローチャートにより説明する。
【0024】
図3においてステップ21では下流側Oセンサ出力OSR2をA/D変換して取り込み、ステップ22においてこのOSR2とスライスレベル(たとえば500mV付近)SLRを比較する。
【0025】
OSR2>SLR(下流側Oセンサ出力がリッチ側にある)であればステップ23でPHOS(old)(PHOSの前回値)より更新量DPHOSだけ差し引いた値をPHOSとすることにより、またOSR2≦SLR(下流側Oセンサ出力がリーン側にある)のときは、PHOS(old)に更新量DPHOSを加えた値をPHOSとすることにより、それぞれ比例分に対する修正値PHOSを更新する。
【0026】
このようにしてサブルーチンの実行を終了したら、図2のステップ10に戻り、フラグAFF1の値をみる。AFF1=0(リッチからリーンへの反転時)であればステップ11で
α=α(old)+(PL+PHOS) …(1)
ただし、α(old):αの前回値
の式により、またAFF1=1(リーンからリッチへの反転時)であるときはステップ12において
α=α(old)−(PR−PHOS) …(2)
の式によりαをそれぞれ更新する。
【0027】
ここで、高速高負荷域以外の領域であれば、触媒に酸素ストレージ能力が十分にあるため、下流側Oセンサ出力OSR2はほぼ一定に保たれるのであり、このときの下流側Oセンサ出力OSR2のスライスレベルSLRからのずれ量が目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値(目標空燃比)からのずれを表す。したがって、OSR2>SLR(下流側Oセンサ出力がリッチ側にある)のときは、小さくなる側に更新されるPHOSにより、比例分(PR−PHOS)が大きくなる側にかつ比例分(PL+PHOS)が小さくなる側に修正されるため、αが小さくなる側に向かい、下流側Oセンサ出力OSR2がスライスレベルSLRへと収束する。この逆に、OSR2≦SLR(下流側Oセンサ出力がリーン側にある)のときは、PHOSにより、比例分(PR−PHOS)が小さくなりかつ比例分(PL+PHOS)が大きくなるため、αが大きくなる側に向かい、下流側Oセンサ出力OSR2がスライスレベルSLRへと収束する。つまり、スライスレベルSLRが目標空燃比を決定するので、スライスレベルSLRには理論空燃比相当の値を設定しているわけである。
【0028】
なお、この実施形態ではPHOSにより比例分PR、PLの両方を修正しているが、比例分PR、PLの片方だけをPHOSで修正するようにすることもできる。
【0029】
一方、ステップ8で2つのフラグAFF0、AFF1の値が等しいときは、反転時でないと判断し、S13に進んでフラグAFF1の値をみる。AFF1=0(前回、今回ともリーン)であれば、ステップ14でα(old)に積分分ILを加算することによって、またAFF1=1(前回、今回ともリッチ)であるときはステップ15でα(old)より積分分IRを減算することによってそれぞれαを更新する。
【0030】
ステップ16では次回制御のためフラグAFF1の値をフラグAFF0に移して図2のフローを終了する。
【0031】
このようにして演算される空燃比フィードバック補正係数αを用い、図示しないフローにより、燃料噴射弁7に与える燃料噴射パルス幅Tiが
Figure 0003601210
の式で計算される。この計算したTiの値は、これも図示しないが噴射タイミングで出力レジスタに転送され、エンジン2回転毎に1回、各気筒毎に噴射される。
【0032】
ここで、(3)式のTpはエンジン回転数と吸入空気量から計算される値で、このTpによりほぼ理論空燃比の混合気が得られる。Kathosは燃料壁流を考慮した補正量で始動時や過渡時にだけ働く。Tfbyaは水温増量補正係数Ktwや始動後増量補正係数Kasなどの和であり、冷間始動直後より空燃比フィードバック制御が開始されるまでのあいだでTfbyaが1.0より大きい値になって燃料増量が行われ、理論空燃比よりもリッチ側の空燃比で運転される。αmは燃料噴射弁の噴射量特性やエアフローメータの流量特性が経時劣化により変化することにより生じる空燃比の定常エラーを吸収するための値、Tsは燃料噴射弁に駆動パルスを与えても実際に噴射弁が開くまでに応答遅れがありこの応答遅れを考慮した値である。なお、空燃比フィードバック制御条件の成立時には、Tfbyaが100%に固定される。
【0033】
さて、失火により多量の未燃HCが図14に示したようにエンジンより排出されるのに対し、従来の装置では目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値が理論空燃比に保持されたままなので、失火時と失火時でないときとで触媒での転化率が変わらず、したがって、失火により増加した未燃HCのぶんだけ、図16のように排気浄化性能が悪くなる。
【0034】
これに対処するため、失火により発生する未燃HC量が失火率に対応することから、本発明の第1実施形態では失火率に応じて(つまり失火に伴う未燃HCの増加分に応じて)空燃比フィードバック制御の制御中心値をリーン側にシフトする。
【0035】
詳細には、図4のフローチャートを新たに設けている。
【0036】
このフローチャートについて説明すると、図4のルーチンは図2、3のルーチンに先立ってRef信号同期で行う。
【0037】
まず、ステップ31では失火率SIを読み込み、この失火率SIよりステップ32において図5を内容とするテーブルを検索してスライスレベルの空燃比補正量HSを求め、ステップ33ではスライスレベル(下流側Oセンサ出力と比較するためのスライスレベル)SLRよりこの補正量HSを差し引いた値を改めてスライスレベルSLRとおく。スライスレベルSLRは目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値を定めている値であり、スライスレベルSLRが高くなる(値としては大きくなる)ほど目標空燃比がリッチになるため、このスライスレベルSLRを補正量HSの分だけ小さくすると、実際の空燃比フィードバック制御の制御中心値が理論空燃比よりもリーン側にシフトするのである。
【0038】
なお、上流側Oセンサ出力に基づて空燃比のフィードバック制御を行うとともに、その空燃比フィードバック制御に使用する比例分PL、PR、積分分IL、IR、上流側Oセンサ出力の遅延時間(図示しない)、上流側Oセンサ出力と比較するスライスレベルSLF等を下流側Oセンサ出力に基づいて修正する場合には、比例分PL、PR、積分分IL、IR、上流側Oセンサ出力の遅延時間、上流側Oセンサ出力と比較するスライスレベルSLF等を補正することによって空燃比フィードバック制御の制御中心値をリーン側にシフトしようとしても、下流側Oセンサにより修正され、空燃比フィードバック制御の制御中心値が理論空燃比へと戻されてしまうため、下流側Oセンサ出力と比較するためのスライスレベルSLRを対象として補正しているわけである。
【0039】
ここで、失火時に空燃比をリーン側にシフトするのは、失火により多く排出される未燃HCをできるだけ触媒により浄化するためであり、触媒は理論空燃比にあるときよりリーン側にあるほうがHCの転化率が大きくなるからである。
【0040】
図5の特性は図6の特性より求めたものである。図6の特性は、図16の特性より失火率が大きくなるほどHC排出量が増えること、また図15に示す触媒転化率の特性によれば空燃比をリーン側にシフトさせるほど触媒でのHCの転化率がよくなることの2つを勘案することにより得られるものである。
【0041】
なお、失火の判定については公知の方法を用いればよい。たとえば、特開平4−5450号公報には燃焼室の圧力を圧力センサにより検出し、このセンサにより検出された圧力が所定値以下になったときに失火と判定するものが開示されている。この場合に、所定点火回数当たりに失火した回数をサンプリングし、そのサンプリングした失火回数を所定点火回数で割ることで失火率SIを求めることができる。
【0042】
ここで、この実施形態の作用を説明する。
【0043】
この実施形態ではスライスレベルSLRにより目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値が定まり、失火時以外であれば、従来と同様に上流側Oセンサに経時劣化を生じたときにも空燃比フィードバック制御における実際の制御空燃比が理論空燃比へと制御される。なお、スライスレベルSLRは大きくなるほど目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値がリッチ側になるものである。
【0044】
一方、失火時になると、そのときの失火率に比例して大きくなるスライスレベルの空燃比補正量HSでスライスレベルSLRが減量側に補正されることから、目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値が理論空燃比よりもリーン側にシフトされ、空燃比フィードバック制御の実際の制御中心値がこのシフトされた新たな目標値に収束するように制御されるので、触媒でのHCの転化率が理論空燃比のときよりも高くなる(図7参照)。
【0045】
この結果、この実施形態での触媒通過後のHC排出量が、図8に示したようにある程度までの失火(失火率5%まで)であれば失火率に関係なく失火のないときとほぼ同じ値に維持される。なお、図8は、空燃比以外の運転条件(たとえばエンジン回転数、負荷、水温等)を図16の場合と同じ条件としたときのものである。
【0046】
このように、本発明では、失火率に応じて(つまり失火により発生する未燃HCの増加分に応じて)目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値をリーン側にシフトするので、触媒でのHCの転化率が理論空燃比のときより高まり、これによって失火により増加するHC排出量を極力抑えることができる。
【0047】
また、従来の装置によれば、失火が生じているとの故障判定の表示により修理が必要であった場合でも、本発明によれば失火率5%までであればHC排出量を失火時でないときと同じ量に維持できるので、故障とならないのである。このため、修理が必要でなくなり、寿命の延長や修理にかかる費用等の削減ができる。
【0048】
図9、図10、図12のフローチャートは第2実施形態で、図9が第1実施形態の図2のうちステップ9を除いた残りの部分に、図10が図2のステップ9および図3に対応する。図12は図4に対応する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一のステップ番号をつけている。
【0049】
第1実施形態では下流側Oセンサ出力OSR2を用いて比例分PR、PLを修正するものが前提であったが、第2実施形態は触媒の下流側に設けた空燃比センサの出力を用いて、空燃比フィードバック補正係数αそのものを修正するものが前提であり、この実施形態においても、失火率に応じて目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値をリーン側にシフトさせることで、第1実施形態と同じ作用効果が得られる。
【0050】
ここで、第2実施形態の空燃比センサは、Oセンサ、全域空燃比センサなどを含んだ総称として使用している。したがって、下流側Oセンサ出力、これと比較するためのスライスレベルSLRがそれぞれ
下流側Oセンサ出力OSR2→下流側空燃比センサ出力VR
スライスレベルSLR→下流側空燃比センサ出力の目標値M
のように対応する。
【0051】
このように第1実施形態とは修正方法が異なるため、図9のステップ41、42に示したようにαの更新式にPHOSはなく、代わって、図9のステップ43においてサブルーチンを実行する。このサブルーチンの実行(Ref信号同期)について図10のフローチャートにより説明する。
【0052】
ステップ51では、下流側空燃比センサ出力VRをA/D変換して取り込み、下流側空燃比センサ出力の目標値MとこのVRの差からステップ52において図11を内容とするテーブルを検索して空燃比フィードバック補正係数の修正値HVRを求め、これを空燃比フィードバック補正係数α(図9のステップ41、42、14、15で既に得ている)に加算した値を改めて空燃比フィードバック補正係数αとおくことにより、αを修正する。
【0053】
図11に示したように、たとえば下流側空燃比センサ出力VRがその目標値Mより小さい(つまり下流側空燃比センサ出力がリーン側にある)ときは、修正値HVRが正の値となってαが大きい側に修正されるので、空燃比がリッチ側に向かい、やがて下流側空燃比センサ出力VRがその目標値Mへと収束するわけである。下流側空燃比センサ出力VRがその目標値Mより大きい(つまり下流側空燃比センサ出力がリッチ側にある)ときも同様である。したがって、第2実施形態では、目標値Mが目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値を決定するので、目標値Mには理論空燃比相当の値を設定している。なお、図11においてM−VRが小さい範囲には不感帯を設けている。
【0054】
図12のフローチャートは失火時のリーンシフト操作を行うためのもので、図9、図10のルーチンに先立ってRef信号同期で実行する。
【0055】
ステップ61、62では失火率SIより図13を内容とするテーブルを検索して目標値Mの空燃比補正量HSMを求め、下流側空燃比センサ出力の目標値MよりこのHSMを差し引いた値を改めて下流側センサ出力の目標値Mとおく。目標値Mは目標とする空燃比フィードバック制御の制御中心値を定めている値であり、目標値Mが大きくなるほど空燃比がリッチになるため、この目標値Mを補正量HSMの分だけ小さくすると、空燃比フィードバック制御の実際の制御中心値が理論空燃比よりもリーン側にシフトするのである。
【0056】
第1実施形態では修正値の対象となる空燃比フィードバック制御定数が比例分PL、PRである場合で説明したが、これに限られることはなく、積分分IL、IR、上流側Oセンサ出力の遅延時間(図示しない)、上流側Oセンサ出力と比較するスライスレベルSLF等であっても同様に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】空燃比フィードバック補正係数αの演算を説明するためのフローチャートである。
【図3】サブルーチン説明するためのフローチャートである。
【図4】失火時のリーンシフト操作を説明するためのフローチャートである。
【図5】失火率SIに対するスライスレベルの空燃比補正量HSの特性図である。
【図6】失火率に対する目標空燃比の特性図である。
【図7】空燃比に対する触媒転化率の特性図である。
【図8】失火率に対する触媒通過後のHC、NOxの各排出量の特性図である。
【図9】第2実施形態の空燃比フィードバック補正係数αの演算を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。
【図11】第2実施形態の空燃比フィードバック補正係数の修正値HVRの特性図である。
【図12】第2実施形態の失火時のリーンシフト操作を説明するためのフローチャートである。
【図13】失火率SIに対する目標値の空燃比補正量HSMの特性図である。
【図14】従来の装置の失火率に対するエンジンからのHC、NOxの各排出量の特性図である。
【図15】従来の装置の空燃比に対する触媒転化率の特性図である。
【図16】従来の装置の失火率に対する触媒通過後のHC、NOxの各排出量の特性図である。
【図17】第1の発明のクレーム対応図である。
【図18】第2の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 コントロールユニット
3 上流側Oセンサ(上流側空燃比センサ)
4 クランク角センサ
6 エアフローメータ
7 燃料噴射弁
9 排気通路
10 三元触媒
13 下流側Oセンサ(下流側空燃比センサ)

Claims (2)

  1. 触媒の上流側の空燃比センサと、
    触媒の下流側のO 2 センサと、
    前記上流側空燃比センサの出力に基づいて空燃比フィードバック制御の基本制御定数を演算する手段と、
    前記下流側O 2 センサの出力とスライスレベルとの比較により前記基本制御定数に対する修正値を演算する手段と、
    この修正値で前記基本制御定数を修正して制御定数を演算する手段と、
    この演算した制御定数を用いて前記上流側空燃比センサの出力に基づく空燃比のフィードバック制御を行う手段と、
    失火を検出する手段と、
    この失火検出手段からの信号より失火率を演算する手段と、
    この失火率に応じて前記スライスレベルを燃料増量側に補正する手段と
    を設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  2. 触媒の上流と下流側の各空燃比センサと、
    前記上流側空燃比センサの出力に基づいて空燃比フィードバック制御の基本制御定数を演算する手段と、
    この基本制御定数を用いて空燃比フィードバック補正係数を演算する手段と、
    前記下流側空燃比センサの出力とこの下流側空燃比センサの出力の目標値との比較によりこの空燃比フィードバック補正係数を修正する手段と、
    この修正した空燃比フィードバック補正係数を用いて前記上流側空燃比センサの出力に基づく空燃比のフィードバック制御を行う手段と、
    失火を検出する手段と、
    この失火検出手段からの信号より失火率を演算する手段と、
    この失火率に応じて前記下流側空燃比センサの出力の目標値を理論空燃比よりもリーン側にシフトする手段と
    を設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
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