JP3555131B2 - 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動力配分制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジントルクを前輪と後輪に配分する駆動系に設けられたトルク配分アクチュエータにより前輪と後輪に伝達されるトルク配分比が制御される四輪駆動車の駆動力配分制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、四輪駆動車の駆動力配分制御装置としては、例えば、特開平11−278080号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、トルク配分クラッチに対し指令値として駆動電流を出力し、駆動電流の大きさによりクラッチ締結トルクを決めるものが記載されている。
【0004】
このように、トルク配分クラッチを電流制御する場合、コントローラの駆動回路の負担(発熱)を防止するため、印加電流を所定周波数でON/OFFが繰り返されるパルス信号のパルス幅を変調させるPWM特性(pulse width modulation特性)による電流とするパルス幅変調制御(以下、PWM制御という)が用いられることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、コントローラの駆動回路の負担(発熱)を低減するPWM周波数(例えば、400Hz)によるPWM制御を採用した場合、トルク配分クラッチを高トルクで締結しているときには、電流脈動に伴う微少な伝達トルク変動でトルク配分クラッチが振動し、異音が生じるという問題がある。
【0006】
そこで、この問題を解決するべく、トルク配分クラッチを高トルクで締結しているときに異音を解消するように高PWM周波数(例えば、600Hz)によるPWM制御を採用した場合、本来の目的であるコントローラの駆動回路の負担(発熱)を低減することができないという問題がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、通常の低トルク伝達時におけるコントローラの駆動回路の負担低減と、高トルクを必要とする条件で発生する異音解消との両立を図ることができる四輪駆動車の駆動力配分制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、エンジントルクを前輪と後輪に配分する駆動系に設けられたトルク配分クラッチに対するトルク配分コントローラからの制御指令により前輪と後輪に伝達されるトルク配分比が制御される四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
トルク配分クラッチの締結により伝達する最適な目標トルクを運転状態に応じて演算する目標トルク演算手段と、
前記目標トルクを前記トルク配分クラッチへの印加電流に変換するトルク−電流変換手段と、
高トルク走行状態かどうかを判断する高トルク走行状態判断手段と、
前記印加電流を所定周波数でON/OFFが繰り返されるパルス信号のパルス幅を変調させるPWM特性による電流とし、その周波数を高トルク走行状態であるほど高周波数に設定する印加電流周波数設定手段と、
を前記トルク配分コントローラに設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
前記高トルク走行状態判断手段を、トルク配分クラッチへの印加電流が設定電流を超えているときに高トルク走行状態であると判断する手段としたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
前記高トルク走行状態判断手段を、アクセル開度検出手段により検出されるアクセル開度が設定開度を超えているときに高トルク走行状態であると判断する手段としたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
前記高トルク走行状態判断手段を、車速検出手段により検出される車速が設定車速以下であるときに高トルク走行状態であると判断する手段としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明にあっては、エンジントルクを前輪と後輪に配分する駆動系に設けられたトルク配分クラッチに対するトルク配分コントローラからの制御指令により前輪と後輪に伝達されるトルク配分比が制御される。
このとき、目標トルク演算手段において、トルク配分クラッチの締結により伝達する最適な目標トルクが運転状態に応じて演算され、トルク−電流変換手段において、演算された目標トルクがトルク配分クラッチへの印加電流に変換され、高トルク走行状態判断手段において、高トルク走行状態かどうかが判断され、印加電流周波数設定手段において、印加電流が所定周波数でON/OFFが繰り返されるパルス信号のパルス幅を変調させるPWM特性による電流とされると共に、その周波数が高トルク走行状態であるほど高周波数に設定され、トルク配分コントローラからトルク配分クラッチに対し可変のPWM特性による駆動電流が出力される。
すなわち、低トルク走行状態の時にはPWM特性の周波数が低く設定され、駆動電流の流しっぱなしに比べ、トルク配分コントローラの駆動回路の負担(発熱)が低下する。また、高トルク走行状態の時にはPWM特性の周波数が高く設定され、低い周波数によるPWM特性時に比べ、電流脈動に伴う伝達トルク変動が小さく抑えられ、トルク配分クラッチの振動による異音が解消される。
よって、高トルク走行状態であるかどうかによりPWM特性を可変にすることにより、通常の低トルク伝達時におけるコントローラの駆動回路の負担低減と、高トルクを必要とする条件で発生する異音解消との両立を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、高トルク走行状態判断手段において、トルク配分クラッチへの印加電流が設定電流を超えているときに高トルク走行状態であると判断される。
よって、トルク配分クラッチの締結トルクを決める直接情報である印加電流の大きさにより、高トルク走行状態であるかどうかを的確に判断することができる。
【0014】
請求項3記載の発明にあっては、高トルク走行状態判断手段において、アクセル開度検出手段により検出されるアクセル開度が設定開度を超えているときに高トルク走行状態であると判断される。
すなわち、駆動力配分制御装置では加速性能を確保するため、ドライバのアクセル操作によるアクセル開度が大きいほどトルク配分クラッチへの目標トルクを大きくし、前後輪駆動力配分を4輪駆動側とする制御が行われる。
よって、アクセル開度情報は、トルク配分クラッチの締結トルクを決める間接情報として用いることができ、アクセル開度の大きさにより高トルク走行状態であるかを判断することができる。
【0015】
請求項4記載の発明にあっては、高トルク走行状態判断手段において、車速検出手段により検出される車速が設定車速以下であるときに高トルク走行状態であると判断される。
すなわち、駆動力配分制御装置では発進性能を確保するため、車速が低車速域であるときに車両発進時であると推定し、低車速域ではトルク配分クラッチへの目標トルクを大きくし、前後輪駆動力配分を4輪駆動側とする制御が行われる。
よって、車速情報は、トルク配分クラッチの締結トルクを決める間接情報として用いることができ、車速の大きさにより高トルク走行状態であるかを判断することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
【0017】
実施の形態1は請求項1,2に記載の発明に対応する四輪駆動車の駆動力配分制御装置である。
【0018】
まず、構成を説明する。
【0019】
図1は実施の形態1における四輪駆動車の駆動力配分制御装置を示す全体システム図で、1はエンジン、2は自動変速機、3はフロントディファレンシャル、4はリヤディファレンシャル、5は右前輪、6は左前輪、7は右後輪、8は左後輪、9はトルク配分クラッチ、10はトルク配分コントローラ、11は右前輪速センサ、12は左前輪速センサ、13は右後輪速センサ、14は左後輪速センサ、15はアクセル開度センサ、16はエンジン回転センサ、17はATコントローラである。
【0020】
この実施の形態1の発明が適用される四輪駆動車は、左右の前輪5,6へはエンジン駆動力が直接伝達され、左右の後輪7,8へはトルク配分クラッチ9を介してエンジン駆動力が伝達される前輪駆動ベースの四輪駆動車である。即ち、トルク配分クラッチ9が締結解放状態であれば、前輪:後輪=100:0のトルク配分比となり、トルク配分クラッチ9がエンジントルクの1/2トルク以上にてにて締結されていれば、前輪:後輪=50:50の等トルク配分比となり、トルク配分コントローラ10からのトルク配分クラッチ9に対する制御指令により、前輪5,6と後輪7,8に伝達されるトルク配分比が、前輪:後輪=100〜50:0〜50の範囲にてトルク配分クラッチ9の締結トルクに応じて可変に制御される。
【0021】
前記トルク配分コントローラ10は、各車輪速センサ11,12,13,14からの車輪速信号と、アクセル開度センサ15からのアクセル開度信号と、エンジン回転センサ16からのエンジン回転信号と、ATコントローラ17からのギア位置信号等を入力し、決められた制御則にしたがった演算処理を行い、その演算処理結果による制御指令をトルク配分クラッチ9に出力する。
【0022】
図2は実施の形態1の駆動力配分制御装置に採用されたトルク配分コントローラ10でのトルク配分制御ブロック図である。
【0023】
4輪車輪速計算部100では、各車輪速センサ11,12,13,14からの車輪速信号に基づいて前輪右車輪速度VwFRと前輪左車輪速度VwFLと後輪右車輪速度VwRRと後輪左車輪速度VwRLが計算される。尚、この計算部100は、アンチスキッドブレーキシステム(ABS)が搭載された車両では、ABSコントローラでの計算結果を流用することで省略しても良い。
【0024】
推定車体速計算部101では、各車輪速度VwFR,VwFL,VwRR,VwRLに基づいて推定車体速VFFが計算される。
【0025】
ゲイン計算部102では、計算された推定車体速VFFとゲインマップによりゲインKhが計算される。
【0026】
前後回転数差計算部103では、左右前輪車輪速度VwFR,VwFLの平均値と左右後輪車輪速度VwRR,VwRLの平均値との差により前後回転数差△Vwが計算される。
【0027】
前後回転数差トルク計算部104では、前輪左右輪速差△VwFによりゲインKDFが計算され、Kh×KDFをトータルゲインとして前後回転数差△Vwに応じた前後回転数差トルクT△Vが計算される。
【0028】
旋回半径計算部105では、左右後輪7,8の車輪間隔であるトレッドtと後輪右輪速度VwRRと後輪左輪速度VwRLにより旋回半径Rが計算される。
【0029】
アクセル開度計算部106(アクセル開度検出手段)では、アクセル開度センサ15からのセンサ信号に基づいてアクセル開度ACCが計算される。
【0030】
イニシャルトルク計算部107では、推定車体速VFFによりイニシャルトルクTVが計算される。このイニシャルトルクTVは、VFF=0の時に最も高く推定車体速VFFが大きくなるにしたがって小さなトルクで与えられる。
【0031】
駆動力マップトルク計算部108では、推定車体速VFFと旋回半径Rにより駆動力マップトルクTACCが計算される。この駆動力マップトルクTACCは、推定車体速VFFが20km/h以下の領域で5km/h前後の推定車体速VFFでピークとなるようなトルク特性で与えられると共に、旋回半径Rをパラメータとし、旋回半径が大きいほど大きなトルクで与えられる。
【0032】
アクセル開度感応トルク計算部109では、アクセル開度ACCと旋回半径Rによりアクセル開度感応トルクTSが計算される。このアクセル開度感応トルクTSは、低開度域で上昇し、中開度域で一定で、高開度域で上昇するトルク特性により与えられると共に、旋回半径Rをパラメータとし、旋回半径が大きいほど大きなトルクで与えられる。
【0033】
目標トルク選択部110では、前後回転数差トルクT△VとイニシャルトルクTVと駆動力マップトルクTACCとアクセル開度感応トルクTSのうちセレクトハイにより目標トルクT1が選択される。
【0034】
最終目標トルク決定部111(目標トルク演算手段)では、目標トルク選択部110により選択された目標トルクT1に対しトルク増加/減少のフィルタ処理を行って最終目標トルクTが決定される。
【0035】
最終目標トルク〜電流変換部112では、最終目標トルクTに対応する電流値iに電流変換され、この電流値iが設定電流値i1以下であるときはPWM特性(所定周波数でON/OFFが繰り返されるパルス信号のパルス幅を変調させる特性)の周波数fをf=f1(例えば、400Hz)に設定し、電流値iが設定電流値i1を超えているときは高トルク走行状態と判断し、PWM特性の周波数fをf=f2(例えば、600Hz)に設定し、電流値iを設定周波数f1または設定周波数f2によりPWM変換する。
【0036】
最終出力判断部113では、2WDモード(i=0)の判断時以外は最終目標トルク〜電流変換部112により変換されたPWM出力が、トルク配分クラッチ9内のソレノイドに出力される。
【0037】
次に、作用を説明する。
【0038】
[PWM出力処理作用]
図3はトルク配分コントローラ10の最終目標トルク〜電流変換部112において行われるPWM出力処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0039】
ステップ40では、最終目標トルク決定部111から最終目標トルクTが読み込まれる。
【0040】
ステップ41では、最終目標トルクTに対応する電流値iに電流変換される(トルク−電流変換手段)。
【0041】
ステップ42では、ステップ41にて変換された電流値iが設定電流値i1以下かどうかが判断され、i≦i1の時にはステップ43及びステップ44へ進み、i>i1の時にはステップ45及びステップ46へ進む(高トルク走行状態判断手段)。
【0042】
ステップ43では、低トルク走行状態であるとの判断に基づき、PWM特性の周波数fがf=f1(例えば、400Hz)に設定される(印加電流周波数設定手段)。
【0043】
ステップ44では、電流値iが設定周波数f1によりPWM変換される。
【0044】
ステップ45では、高トルク走行状態であるとの判断に基づき、PWM特性の周波数fがf=f2(例えば、600Hz)に設定される(印加電流周波数設定手段)。
【0045】
ステップ46では、電流値iが設定周波数f2によりPWM変換される。
【0046】
ステップ47では、変換されたPWM出力が最終出力判断部113に出力される。
【0047】
[周波数可変PWM出力作用]
【0048】
エンジン1及びトランスミッション2からの駆動トルクは、前輪駆動をベースとし、前輪5,6と後輪7,8に配分する駆動系に設けられたトルク配分クラッチ9に対するトルク配分コントローラ10からの制御指令により前輪5,6と後輪7,8に伝達されるトルク配分比が制御される。
【0049】
このとき、トルク配分コントローラ10の目標トルク選択部110において、トルク配分クラッチ9の締結により伝達する最適な目標トルクT1が運転状態(前後回転数差△Vwや推定車体速VFFやアクセル開度ACC等)に応じて演算され、最終目標トルク決定部111において、目標トルク選択部110により選択された目標トルクT1に対しトルク増加/減少のフィルタ処理を行って最終目標トルクTが決定される。
【0050】
そして、最終目標トルク〜電流変換部112において、最終目標トルクTに対応する電流値iに電流変換され、この電流値iが設定電流値i1以下であるときは、図3のステップ42からステップ43へ進み、PWM特性の周波数fがf=f1(例えば、400Hz)に設定され、また、電流値iが設定電流値i1を超えているときは、高トルク走行状態と判断に基づき図3のステップ42からステップ45へ進み、PWM特性の周波数fがf=f2(例えば、600Hz)に設定され、電流値iが設定周波数f1または設定周波数f2によりPWM変換される。
【0051】
そして、最終出力判断部113において、2WDモード(i=0)の判断時以外は最終目標トルク〜電流変換部112により変換されたPWM出力が、トルク配分クラッチ9内のソレノイドに出力される。
【0052】
すなわち、車両発進時を具体例として図4により説明すると、発進時に車速を上げてゆくと、低車速域では、イニシャルトルクTVもしくは駆動力マップトルクTACC(推定車体速VFFが20km/h以下の領域で5km/h前後の推定車体速VFFでピークとなるようなトルク特性)が与えられることで、図4の伝達トルク特性に示すように、伝達トルクが高まり、いわゆる高トルク走行状態となる。この高トルク走行状態の時には、図4の周波数可変PWM出力特性に示すように、PWM特性の設定周波数fがf2と高く設定され、図4の周波数固定出力特性によるPWM制御時に比べ、電流脈動に伴う伝達トルク変動が小さく抑えられ、トルク配分クラッチ9の振動による異音が解消される。
【0053】
一方、中高車速域では、図4の伝達トルク特性に示すように、伝達トルクが低く抑えられ、いわゆる低トルク走行状態となる。この低トルク走行状態の時には、図4の周波数可変PWM出力特性に示すように、PWM特性の設定周波数fがf1と低周波数側に設定され、駆動電流を流しっぱなしにする電流出力での制御時に比べ、トルク配分コントローラ10の駆動回路の負担(発熱)が大幅に低下する。
【0054】
次に、効果を説明する。
【0055】
(1) トルク配分クラッチ9の締結により伝達する最適な最終目標トルクTを運転状態に応じて決定する最終目標トルク決定部111と、最終目標トルクTをトルク配分クラッチ9への電流値iに変換する最終目標トルク〜電流変換部112と、電流値iが設定電流値i1を超えているときに高トルク走行状態と判断する高トルク走行状態判断ステップ42と、PWM特性の周波数fを高トルク走行状態であるほど高周波数(f2>f1)に設定する周波数設定ステップ43,44と、をトルク配分コントローラ10に設けたため、通常の低トルク伝達時におけるトルク配分コントローラ10の駆動回路の負担低減と、高トルクを必要とする条件で発生する異音解消との両立を図ることができる。
【0056】
(2) 高トルク走行状態判断ステップ42を、トルク配分クラッチ9への電流値iが設定電流i1を超えているときに高トルク走行状態であると判断するステップとしたため、トルク配分クラッチ9の締結トルクを決める直接情報である電流値iの大きさにより、高トルク走行状態であるかどうかを的確に判断することができる。
【0057】
(実施の形態2)
【0058】
次に、請求項3記載の発明に対応する実施の形態2について説明する。
【0059】
この実施の形態2は、高トルク走行状態判断において、アクセル開度計算部106により計算されたアクセル開度ACCが設定開度ACC1を超えているときに高トルク走行状態であると判断するようにした例である。つまり、図5のフローチャートに示すように、図3のステップ42に代え、ステップ52において、アクセル開度ACCが設定開度ACC1以下かどうかが判断され、ACC>ACC1の場合、高トルク走行状態であるとの判断に基づきステップ45へ進み、PWM特性の周波数fとして高周波数側のf=f2に設定するようにしている。
【0060】
すなわち、駆動力配分制御装置では加速性能を確保するため、アクセル開度感応トルク計算部109において、アクセル開度ACCによりアクセル開度感応トルクTSが計算され、ドライバのアクセル操作によるアクセル開度ACCが大きいほどトルク配分クラッチ9への目標トルクを大きくし、前後輪駆動力配分を4輪駆動側とする制御が行われる。言い換えると、アクセル開度情報は、トルク配分クラッチ9の締結トルクを決める間接情報として用いることができる。
【0061】
よって、実施の形態2にあっては、実施の形態1における上記(1)の効果に加え、下記の効果が得られる。
【0062】
(3) 高トルク走行状態判断ステップ52を、アクセル開度センサ15により検出されるアクセル開度ACCが設定開度ACC1を超えているときに高トルク走行状態であると判断するステップとしたため、アクセル開度ACCの大きさにより高トルク走行状態であるかを判断することができる。
【0063】
(実施の形態3)
【0064】
次に、請求項4記載の発明に対応する実施の形態3について説明する。
【0065】
この実施の形態3は、高トルク走行状態判断において、推定車体速計算部101により計算された推定車体速(車速)VFFが設定車体速VFF1以下であるときに高トルク走行状態であると判断するようにした例である。つまり、図6のフローチャートに示すように、図3のステップ42に代え、ステップ62において、推定車体速計算部101により計算された推定車体速VFFが設定車体速VFF1以下かどうかが判断され、VFF≦VFF1の場合、高トルク走行状態であるとの判断に基づきステップ45へ進み、PWM特性の周波数fとして高周波数側のf=f2に設定するようにしている。
【0066】
すなわち、駆動力配分制御装置では発進性能を確保するため、駆動力マップトルク計算部108において、推定車体速VFFにより駆動力マップトルクTACCが計算され、推定車体速VFFが低車速域であるときに車両発進時であると推定し、低車速域ではトルク配分クラッチ9への目標トルクを大きくし、前後輪駆動力配分を4輪駆動側とする制御が行われる。言い換えると、車速情報は、トルク配分クラッチ9の締結トルクを決める間接情報として用いることができる。
【0067】
よって、実施の形態3にあっては、実施の形態1における上記(1)の効果に加え、下記の効果が得られる。
【0068】
(4) 高トルク走行状態判断ステップ63を、推定車体速計算部101により計算される推定車体速VFFが設定車体速VFF1以下であるときに高トルク走行状態であると判断するステップとしたため、推定車体速VFFの大きさにより高トルク走行状態であるかを判断することができる。
【0069】
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、前輪駆動ベースの四輪駆動車への適用例を示したが、後輪駆動ベースの四輪駆動車にも適用することができる。
【0070】
実施の形態1では、高トルク走行状態判断手段として、電流値の大きさ、アクセル開度の大きさ、車速(推定車体速)の大きさにより高トルク走行状態を判断する例を示したが、最終目標トルクTを用いて高トルク走行状態を判断しても良いし、また、電流値とアクセル開度と車速等のうち複数の情報により高トルク走行状態を判断するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における四輪駆動車の駆動力配分制御装置を示す全体システム図である。
【図2】実施の形態1の駆動力配分制御装置に採用されたトルク配分コントローラでのトルク配分制御ブロック図である。
【図3】実施の形態1におけるトルク配分コントローラの最終目標トルク〜電流変換部において行われるPWM出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1における駆動力配分制御装置での周波数可変PWM出力作用を説明する車両発進時のタイムチャートである。
【図5】実施の形態2におけるトルク配分コントローラの最終目標トルク〜電流変換部において行われるPWM出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態3におけるトルク配分コントローラの最終目標トルク〜電流変換部において行われるPWM出力処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 フロントディファレンシャル
4 リヤディファレンシャル
5 右前輪
6 左前輪
7 右後輪
8 左後輪
9 トルク配分クラッチ(トルク配分アクチュエータ)
10 トルク配分コントローラ
11 右前輪速センサ
12 左前輪速センサ
13 右後輪速センサ
14 左後輪速センサ
15 アクセル開度センサ
16 エンジン回転センサ
17 ATコントローラ
110 目標トルク選択部
111 最終目標トルク決定部
112 最終目標トルク〜電流変換部
113 最終出力判断部

Claims (4)

  1. エンジントルクを前輪と後輪に配分する駆動系に設けられたトルク配分クラッチに対するトルク配分コントローラからの制御指令により前輪と後輪に伝達されるトルク配分比が制御される四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    トルク配分クラッチの締結により伝達する最適な目標トルクを運転状態に応じて演算する目標トルク演算手段と、
    前記目標トルクを前記トルク配分クラッチへの印加電流に変換するトルク−電流変換手段と、
    高トルク走行状態かどうかを判断する高トルク走行状態判断手段と、
    前記印加電流を所定周波数でON/OFFが繰り返されるパルス信号のパルス幅を変調させるPWM特性による電流とし、その周波数を高トルク走行状態であるほど高周波数に設定する印加電流周波数設定手段と、
    を前記トルク配分コントローラに設けたことを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  2. 請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記高トルク走行状態判断手段を、トルク配分クラッチへの印加電流が設定電流を超えているときに高トルク走行状態であると判断する手段としたことを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  3. 請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記高トルク走行状態判断手段を、アクセル開度検出手段により検出されるアクセル開度が設定開度を超えているときに高トルク走行状態であると判断する手段としたことを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  4. 請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、
    前記高トルク走行状態判断手段を、車速検出手段により検出される車速が設定車速以下であるときに高トルク走行状態であると判断する手段としたことを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装置。
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