JP3504532B2 - ブラシレスdcモータ - Google Patents

ブラシレスdcモータ

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JP3504532B2
JP3504532B2 JP11319099A JP11319099A JP3504532B2 JP 3504532 B2 JP3504532 B2 JP 3504532B2 JP 11319099 A JP11319099 A JP 11319099A JP 11319099 A JP11319099 A JP 11319099A JP 3504532 B2 JP3504532 B2 JP 3504532B2
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magnetic
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magnetoresistive element
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    • H02K29/00Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices
    • H02K29/06Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with position sensing devices
    • H02K29/08Motors or generators having non-mechanical commutating devices, e.g. discharge tubes or semiconductor devices with position sensing devices using magnetic effect devices, e.g. Hall-plates, magneto-resistors
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10N50/80Constructional details
    • H10N50/85Magnetic active materials

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  • Power Engineering (AREA)
  • Brushless Motors (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットロータ
の磁極を検出する磁電変換素子として巨大磁気抵抗効果
素子を用いたブラシレスDCモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ブラシレスDCモータはビデオテ
ープレコーダ(VTR)やオーディオテープのテープ送
り用キャプスタンモータや、フロッピーディスクやコン
パクトディスクのディスクドライブ用のスピンドルモー
タ等に非常に多く用いられている。また、FA(ファク
トリーオートメーション)やロボットなどの用途でも、
より小型でトルクの大きなブラシレスDCモータが使用
されている。従来のブラシレスDCモータは、図4に示
すように、ハウジング内に回転自在に収容された永久磁
石よりなる磁気回転子(以下、ロータマグネットとい
う)10、該ロータマグネット10の周囲に所定の隙間
を開けて配設された励磁用コイル11、該励磁用コイル
11間に設置された回転角検出用磁気センサ12等で構
成され、ロータマグネット10の磁極位置に応じて励磁
用コイル11を外部から順序よく励磁することによりロ
ータマグネット10は回転駆動され、励磁の信号により
回転速度を制御できる。従来、ロータマグネット10の
N−S極を判別するための上記磁気センサとしてはホー
ル素子が用いられている。
【0003】このようなブラシレスDCモータの従来の
一例を図5に示す。図5において、円筒状に形成された
フレーム13の下部には鍔部14が一体形成され、この
鍔部14にはステータコア15がスペーサ16を介して
載置されている。さらに、鍔部14には駆動回路等を構
成した回路基板17が載置され、上記ステータコア15
及びスペーサ16と共にビス18によって取り付けられ
ている。また、ステータコア15は外周側に複数の突極
が形成されていて、これら突極には各相の励磁コイル1
1が各々巻回されている。さらに、ステータコア15の
外周面にはロータマグネット10aの内周面が適宜の間
隙をもって対向している。ロータマグネット10aは略
皿状に形成されたロータケース19の内周面に配設さ
れ、複数の磁極が着磁されている。また、ロータケース
19の中心部は回転軸20に嵌着されたボス21に固着
されている。回転軸20は上記フレーム13の内部に配
設された上下一対のボールベアリング22、22に回転
自在に支持されている。
【0004】一方、ロータマグネット10aの下方近傍
には回路基板17に接続された3個のホール素子12が
対向している(図4参照)。そして、ホール素子12に
よってロータマグネット10aの磁極を検出し、この検
出出力を上記駆動回路に入力して各相の励磁コイル11
にタイミングよく通電するようにしている。このように
ロータマグネット10aの磁極位置に応じて励磁コイル
11に通電することによって、周知のようにロータマグ
ネット10aが回転付勢される。これらの3個のホール
素子12には電流入力端子2本と、出力端子2本の計4
本の配線が接続され、ステータコア15の励磁コイル1
1を介してモータ駆動回路に接続されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ブラシレスDCモータ
では、モータの回転を制御するために、ロータを構成し
ている磁石の回転を検知し、回転信号としている。その
ために数kOeの磁界応答と、極性(NS)を判別する
必要がある。また、高速で回転するロータマグネットの
NS極を検出するために高周波特性が必要である。これ
らを満足する磁気センサとして、従来はホール素子が用
いられてきた。しかし出力を上げるために励磁コイルに
流す電流を大きくすると、モータ内の温度が高温になる
ため、高温で不安定なInSb等の半導体を用いるホー
ル素子では感度が低下し、高温下で使用できないといっ
た問題があり、センサがモータ出力の律速となってい
た。また、ホール素子は入力用2本と出力用2本の4本
の配線が必要であり、一つのモータに3個の素子が用い
られる場合が多いので合計12本の配線が必要となり、
引きまわしが繁雑になり、モータの小型化を妨げる大き
な要因になっている。
【0006】上記のような問題を解決するために、ホー
ル素子に代えて磁気抵抗効果素子を用いることが提案さ
れている(例えば、特開平5−207721号、特開平
6−245464号)。ここで、磁気抵抗( Magnetore
sistance,MR)効果とは、磁界を印加することで材料
の電気抵抗が変化する現象であり、MR素子としては一
般に強磁性体が用いられ、磁気抵抗の変化率が約5%の
CoFe合金、約2%のパーマロイなどがある。ここ
で、磁気抵抗効果の変化率(磁気抵抗比,MR比)は、
以下の式(1)で表わされる。 磁気抵抗比(%)=(R(0)−R(H))/R(0)×100・・・(1) R(0):磁界がない場合の電気抵抗 R(H):磁界が印加された場合の電気抵抗
【0007】磁気抵抗効果を利用する場合、センサリー
ドは2本で済み、配線の取りまわしが簡単になるなど、
モータを小型化するには有効である。しかし、ブラシレ
スDCモータの場合、ロータに磁石(表面の磁界は10
0[Oe]以上)が使用され、またロータ回転のための
励磁用コイルの磁界が強く(数百Oe)、パーマロイに
代表される軟磁性材料を用いた磁気抵抗効果型素子を用
いたセンサでは、検出可能な磁界(数十Oe以下)を越
えるため、回転角度を検出できないという問題があっ
た。また、合金系の磁気抵抗効果素子では、応答できる
磁界範囲が狭く、磁界変動が大きい環境では使用できな
いという問題がある。
【0008】以上のように、小型ブラシレスDCモータ
用の磁気センサには以下の4つの特性が要求されるが、
従来のセンサで全てを満たすものはないという問題があ
る。 (1)小型化し易いセンサであること。(小型化) (2)磁界の検出感度が温度により大きく変化しないこ
と。(温度特性) (3)数kOeまでの磁界を検出できること。(磁界特
性) (4)数kHzまでの交流磁界を検出できること。(周
波数特性)
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために、本発明によれば、複数のコイルを設けたステー
タと、該ステータのコイルと対向するように回転自在に
配設され、かつ多極着磁されたロータマグネットを有
し、該ロータマグネットの磁極を検出する磁気センサの
検出信号に基づいて各相コイルを通電制御し、ロータマ
グネットを回転駆動させるブラシレスDCモータにおい
て、上記磁気センサが、上記ロータマグネットに面する
ように配置された磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子又は
超巨大磁気抵抗素子からなる巨大磁気抵抗素子とその背
面側に基板もしくはスペーサー部材を介して配置された
磁石の組合せからなり、該磁石が、モータに使用されて
いる磁石よりも強い磁界バイアスを印加できる電磁石も
しくは永久磁石であることを特徴とするブラシレスDC
モータが提供される。
【0010】前記巨大磁気抵抗素子は、磁性粒子分散型
巨大磁気抵抗効果材料又は超巨大磁気抵抗効果材料から
なり、少なくとも5kHz以上の交流磁界を信号として
読み取ることができる。好適には、前記巨大磁気抵抗素
子は、磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子であって、モー
タ内の高磁界(50[Oe]以上)で磁界感度を持た
せ、かつモータ内の磁界変動が少なくとも10kHzま
での変化に応答させるために、非磁性(常磁性、反磁
性)材料中に最大長径が1〜500nm、好ましくは1
〜100nmの強磁性粒子が分散した材料、好ましくは
磁性粒子間距離が0.5nm以上離れて互いに接触する
ことなく分散している材料からなる。
【0011】磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子の材料
は、好ましくは、一般式:NM1−XTMX (但し、
NMはAg、Au、Cu、Ptのうち少なくとも1種の
元素であり、TMはCo、Fe、Niのうち少なくとも
1種の元素であり、xは原子比で0.05≦x<0.
4、好ましくは0.1≦x≦0.35の範囲内にある)
で示される組成を有する。他の好適な磁性粒子分散型巨
大磁気抵抗素子は、一般式:A1−y Coy (但し、
AはMgO、Al2 O3 のうち少なくとも1種で構成
される化合物であり、yは容積比で0.05≦y<0.
35の範囲内にある)で示される組成の合金を主成分と
する磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子である。
【0012】磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子の前記一
般式で示される組成において、NMは最大20at%ま
で、好ましくは10at%以下の範囲内でAl、Ti、
Pd、Pt、Rhなど他の元素の1種以上を含むことが
できる。これらの元素は、磁気抵抗効果を低下させ、感
度を低くするが、反面、Al、Tiは磁気抵抗効果の温
度依存性を小さくし、一方、Pd、Pt、Rhは電気抵
抗を増大させることで、配線を含むセンサ全体の磁気抵
抗効果を大きくする効果がある。また、TMはFe、C
o、Ni以外にCr、Mnなどの元素を最大5at%ま
での範囲内で含むことができる。特にCr、Mnは磁気
抵抗効果を減少させるが、磁性粒子の粗大化を防ぎ、耐
熱性を上げることができる。
【0013】一方、前記超巨大磁気抵抗素子は、好まし
くは、一般式:Ln1−z AEzMnO3−p (但
し、Lnは希土類元素のうち少なくとも1種の元素であ
り、AEはCa、Sr、Baのうち少なくとも1種の元
素であり、z、pはそれぞれ原子比で0.2≦z≦0.
4、−0.1≦p≦0.3の範囲内にある)で示される
組成を有する材料を主成分として用いる(材料の95a
t%以上が上記組成を有する)。特に好ましいのは前記
AE元素がSrである材料である。また、希土類元素と
しては主にLaを用いることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、ブラシレスDCモータ
の磁気センサとして、巨大磁気抵抗効果型センサを利用
したことを特徴としている。すなわち、巨大磁気抵抗素
子を高磁界(数百Oe〜数kOe)のロータマグネット
に近接してモータハウジング内に内蔵し、さらに適切な
磁石をセンサ近傍に配置することにより、ロータマグネ
ットの磁極の極性を判別できるようにしたものである。
ここで巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistance,GM
R)効果とは、エイ.イー.ベルコウィッツ(A.E. Ber
kowitz)ら、Phys. Rev. Lett. 68 (1992), 3745頁やジ
ェイ.キュー.ズィエ(J.Q. Xiao )ら、Phys. Rev. L
ett. 68 (1992),3749頁に報告されている磁性粒子分散
型磁気抵抗効果を指す。これらの材料の磁気抵抗効果
は、潟岡ら「まてりあ」第33巻第2号、1994年、
165頁に解説されているように、磁性体(析出粒子も
しくは多層膜)の磁化と伝導を担う電子のスピン依存散
乱によるとされている。従って、磁性体としてCo、N
i、Feやそれらの合金を用いているので、少なくとも
300℃まで磁化変化が無く、大きな磁気抵抗効果が得
られる。
【0015】また、超巨大磁気抵抗(Colossal Magneto
resistance,CMR)効果を示す材料は、La(AE)
MnO3 (AE:アルカリ土類金属Ca、Sr又はB
a)で示されるMn系ペロブスカイト構造を持つ酸化物
などで、これは、1950年代から研究が行われ(Land
olt-Bornstein New Series III/4a(1970), III/12a(197
8)参照)、近年、低温で磁界により絶縁体から金属に変
わる電気抵抗変化を示す材料として注目されている
(「まてりあ」第35巻第11号、1996年、121
7頁参照)。
【0016】これらの材料の特徴として、高温下におい
ても大きな感度変化が無く、また、数kOe以上の磁界
においても、磁気抵抗変化があるため、モータ内にセン
サを配してもロータマグネットの回転に伴う磁界変化を
測定することができる。それに加えて、これらの材料は
配線がホール素子の半分の2本で済むために、配線が簡
単で小型化が容易である。また、300[Oe]での磁
界変化も5kHzまで応答する。つまり、小型ブラシレ
スDCモータ用の磁気センサに要求される前記した「小
型化」、「温度特性」、「磁界特性」及び「高周波特
性」を満足する。前記材料のうちでも、ブラシレスDC
モータに利用するためには、磁性粒子分散型巨大磁気抵
抗材料を用いることが好ましい。これは、超巨大磁気抵
抗効果の場合、温度特性をよくするために高温(700
〜900℃)で熱処理を必要とするため、作製プロセス
が難しいこと、また電気抵抗が数kΩと高いため電気を
流しにくいためである。
【0017】以下、本発明のブラシレスDCモータ用の
磁気センサについて添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の磁気センサ1の検知部の平面図であ
り、図2はそのII−II線断面図である。図1及び図2に
おいて、符号2は前記したような巨大磁気抵抗材料より
なる薄膜状の巨大磁気抵抗素子(センサ素子)を示して
いる。基板3の上には、成膜された細長い銅製の第1セ
ンサリード4が形成され、該第1センサリード4の一端
部には同様に銅製の突出部5が一体的に立設されてい
る。上記第1センサリード4の上にはこれを覆うように
Al2 O3 製の絶縁層6が積層され、該絶縁層6の上
には、上記巨大磁気抵抗素子2が形成され、また、該巨
大磁気抵抗素子2の一方の端部を覆うように成膜された
細長い銅製の第2センサリード7が形成されている。巨
大磁気抵抗素子2の一端部は、上記第1センサリード4
の突出部5の上端の折り曲げ部により固定されている。
また、基板3の背面には、永久磁石8が固定されてい
る。これは、高磁界のモータ内部において、ロータマグ
ネットの回転方向を決定するためにはそのN−S極を判
定する必要があり、そのためモータに使用している磁石
よりも強いバイアス磁界を印加する必要があるためであ
る。センサにバイアス磁界用の磁石を配設することで、
ホール素子の機能を代替できる。ここで用いる磁石とし
ては電磁石や永久磁石が使用できるが、サマリウムコバ
ルト磁石、ネオジウム鉄ボロン磁石等の強力磁石を用い
ることが好ましい。
【0018】薄膜状の巨大磁気抵抗素子2は、膜厚は1
0nm以上、1μm以下、長さは5mm以下、幅は0.
5mm以下が適当である。前記センサリードは、Al、
Cu、Cr、TaもしくはMo又はそれらの合金等の導
電性材料から作製できるが、これらの中でもCuが好ま
しい。また、前記絶縁層としては、Al2 O3 、Si
O2 、MgO等を用いることができる。なお、実際に
前記巨大磁気抵抗効果型センサをブラシレスDCモータ
用の磁気センサとして用いる場合、急激な磁界変化によ
るリード線からの誘導起電力を避けることが望ましい
が、原因となる配線のループを小さくなるように配線を
積層することで、センサ部分の磁界のみを検出する構造
とすることができる。そのために、巨大磁気抵抗素子2
の両端に接続された2本の電極(センサリード4,5と
7)の間にAl2 O3 、MgO等からなる絶縁層6を
介した積層構造とする。このとき、絶縁層の厚さは0.
5nm以上、1,000nm以下が適当であり、好まし
くは10nm以上、100nm以下がよい。
【0019】図3は、本発明のブラシレスDCモータ用
の磁気センサの他の実施例を示している。図3に示す磁
気センサ1aおいて、符号2aは前記したような巨大磁
気抵抗材料よりなるワイヤー状の巨大磁気抵抗素子(セ
ンサ素子)を示している。このセンサ素子2aは、ガラ
スやアルミニウム等の適当な材料からなる板状のスペー
サー部材3aを介して、バイアス磁界印加用の永久磁石
8に固着されている。符号9は、センサ素子2aの両端
部に固着されたリード線である。
【0020】なお、前記したセンサ素子2,2aの製造
には、液中紡糸法、メルトスピン法等の液体急冷法や、
スパッタ法など、適当な種々の方法を採用できるが、生
産性や製造コストの点からは、液中紡糸法やメルトスピ
ン法などの液体急冷法を用いて、直径もしくは厚さが5
0μm以下の細線状や薄帯状のセンサ素子を製造するこ
とが好ましい。また、モータ内が200℃でも磁界感度
があり、その感度に経時変化が無いようにするために、
センサ作製後に200℃以上で熱処理を行なったり、あ
るいは200℃以上でセンサを作製することが好まし
い。例えば、溶体処理後、水焼き入れで過飽和固溶体を
作製し、これを熱処理して作製する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の効果を具体的に確認した実施
例を示す。磁気センサは、以下のようにスパッタ法で作
製した。
【0022】磁性粒子分散型巨大磁気抵抗材料は、Ag
ターゲットもしくはCuターゲット上にCoチップもし
くはNi0.66Co0.18Fe0.16合金チップ
を均等に配した複合ターゲットを用いた。成膜条件及び
熱処理条件は以下のとおりである。 成膜方法:RFマグネトロンスパッタ 基板:Siウェーハ 基板温度:100℃ 雰囲気:Ar0.6Pa スパッタ電力:100W 薄膜組成:Ag70Co30、Ag75(Ni0.66
Co0.18Fe0.16)25の2種 膜厚:10nm 熱処理: 温度:200℃ 時間:0.5時間 雰囲気:真空中 磁気抵抗効果:10kOeの磁界で約10%の磁気抵抗
比(前記式(1)で求められた値)
【0023】さらに、超巨大磁気抵抗効果を示すLa
0.67Sr0.33MnO3 薄膜は、RFスパッタ
法で作製した。ターゲットは固相反応法でLa0.67
Sr0.33MnO3 化合物を焼結したものを用い
た。 成膜方法:RFスパッタ 基板:Siウェーハ 基板温度:500℃ 雰囲気:Ar2.4Pa+O2 0.6Pa スパッタ電力:100W 膜厚:0.5μm 熱処理: 温度:500〜900℃ 時間:0.5時間 雰囲気:大気 磁気抵抗効果:10kOeの磁界で約5%の磁気抵抗比
(前記式(1)で求められた値)
【0024】以上の薄膜をそれぞれ長さ0.5mm、幅
0.1mmの矩形状に成膜し、厚さを0.01μmから
0.5μmまで調整し、センサの抵抗として2Ωから5
0Ωまで変えた。永久磁石としてはSmCo5 、フェ
ライト磁石を用い、バイアス磁界として100[Oe]
から2.5[kOe]まで変えた。上記薄帯状の巨大磁
気抵抗素子を、ガラスやアルミニウムの板状のスペーサ
ー部材(厚さ0.2〜1mm)を介して上記永久磁石上
に固着した。この磁気センサをブラシレスDCモータの
ステータの隙間に3個配置し、ロータマグネットの永久
磁石のNS極の変化を読み取ると、ホールセンサと同様
の信号が得られ、なおかつ、ステータのコイルへの電流
を大きくし、モータ内の温度が約150℃以上となって
も、信号が室温に比べ30%低下したが、充分回転位置
を検出できることを確認し、またトルクが20%以上大
きくなった。なお、ロータマグネットの回転方向を検出
するためには、少なくとも2個の磁気センサが必要であ
る。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ブラシ
レスDCモータの磁気センサとして、磁性粒子分散型巨
大磁気抵抗素子又は超巨大磁気抵抗素子からなる巨大磁
気抵抗素子、特に磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子をバ
イアス磁界印加用の磁石と組み合わせて用いることによ
り、耐熱性や高周波応答性、高磁界(少なくとも1kO
e以上)までの感度を兼ね備えた交流磁界感度が広い磁
気センサが得られ、強い磁界中でも磁界検出が可能とな
り、またセンサの小型化が可能となる。また、このよう
な巨大磁気抵抗素子は、300℃の高温においても磁気
抵抗効果をもつことから、高温下での使用が可能とな
る。従って、最高使用温度を少なくとも200℃まで上
げられるので、励磁コイルに流す電流を大幅に大きくで
き、回転力を上げることができる。すなわち、モータの
使用温度を引き上げ、回転力を大きくできることによっ
て、ブラシレスDCモータの使用範囲が広がることが期
待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレスDCモータに用いる磁気セ
ンサの部分概略平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明のブラシレスDCモータに用いる磁気セ
ンサの他の実施例の概略側面図である。
【図4】従来のブラシレスDCモータの概念図である。
【図5】従来のブラシレスDCモータの構造の一例を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1,1a 磁気センサ 2,2a 巨大磁気抵抗素子(センサ素子) 3 基板 3a スペーサー部材 4 第1センサリード(電極) 5 突出部 6 絶縁層 7 第2センサリード(電極) 8 永久磁石 10,10a 磁気回転子(ロータマグネット) 11 励磁用コイル 12 ホール素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 由則 宮城県仙台市太白区茂庭台4丁目26番3 号 (56)参考文献 特開 平10−308313(JP,A) 特開 平10−227809(JP,A) 特開 平8−264860(JP,A) 特開 平8−250330(JP,A) 特開 平8−236314(JP,A) 特開 平8−67966(JP,A) 特開 平7−86017(JP,A) 特開 平5−207721(JP,A) 実開 平4−48650(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/08 H02K 11/00 G01D 5/245 G01P 3/487 G01R 33/09 H01L 43/08 H01L 43/10 H01F 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のコイルを設けたステータと、該ス
    テータのコイルと対向するように回転自在に配設され、
    かつ多極着磁されたロータマグネットを有し、該ロータ
    マグネットの磁極を検出する磁気センサの検出信号に基
    づいて各相コイルを通電制御し、ロータマグネットを回
    転駆動させるブラシレスDCモータにおいて、上記磁気
    センサが、上記ロータマグネットに面するように配置さ
    れた磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子又は超巨大磁気抵
    抗素子からなる巨大磁気抵抗素子とその背面側に基板も
    しくはスペーサー部材を介して配置された磁石の組合せ
    からなり、該磁石が、モータに使用されている磁石より
    も強い磁界バイアスを印加できる電磁石もしくは永久磁
    石であることを特徴とするブラシレスDCモータ。
  2. 【請求項2】 前記巨大磁気抵抗素子が、一般式:NM
    1-XTMX(但し、NMはAg、Au、Cu、Ptのうち
    少なくとも1種の元素であり、TMはCo、Fe、Ni
    のうち少なくとも1種の元素であり、xは原子比で0.
    05≦x<0.4の範囲内にある)で示される組成の合
    金を主成分とする磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記巨大磁気抵抗素子が、一般式:A
    1-yCoy(但し、AはMgO、Al23のうち少なくと
    も1種で構成される化合物であり、yは容積比で0.0
    5≦y<0.35の範囲内にある)で示される組成の合
    金を主成分とする磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモ
    ータ。
  4. 【請求項4】 前記磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子
    が、前記NM元素を主成分とした非磁性金属又は前記A
    化合物を主成分とした非磁性化合物中に、前記TM元素
    又はCoを主成分とした強磁性粒子が互いに接触するこ
    となく磁性粒子間距離が0.5nm以上離れて分散して
    いる磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子であることを特徴
    とする請求項2又は3に記載のブラシレスDCモータ。
  5. 【請求項5】 前記強磁性粒子のサイズ(長径)が1〜
    100nmであることを特徴とする請求項4に記載のブ
    ラシレスDCモータ。
  6. 【請求項6】 前記磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子が
    作製後に200℃以上で熱処理したものであるか、又は
    200℃以上で作製したものであることを特徴とする請
    求項2乃至5のいずれか一項に記載のブラシレスDCモ
    ータ。
  7. 【請求項7】 前記磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子
    が、膜厚が10nm以上、1μm以下の薄膜状素子であ
    ることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記
    載のブラシレスDCモータ。
  8. 【請求項8】 前記磁性粒子分散型巨大磁気抵抗素子
    が、液体急冷法によって作製された厚さもしくは直径が
    50μm以下の薄帯もしくは細線状素子であることを特
    徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載のブラシ
    レスDCモータ。
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