JP2000213957A - 磁気式エンコ―ダ - Google Patents

磁気式エンコ―ダ

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JP2000213957A JP11015339A JP1533999A JP2000213957A JP 2000213957 A JP2000213957 A JP 2000213957A JP 11015339 A JP11015339 A JP 11015339A JP 1533999 A JP1533999 A JP 1533999A JP 2000213957 A JP2000213957 A JP 2000213957A
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英樹 竹田
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由則 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気検出素子の微細・小型化、高磁界中での
磁気測定、高周波対応が可能であり、また、温度変化に
よる出力変化が小さく、しかも汚れなどの影響を受けな
い高感度、高出力、高分解能の安価な磁気式エンコーダ
を提供する。 【解決手段】 等間隔に着磁された複数の磁極を有する
磁気記録媒体10,10aと、該磁気記録媒体の磁気パ
ターンを検出する磁気検出素子1,1aを有する磁気検
出器とを備えてなる磁気式エンコーダにおいて、上記磁
気検出素子が巨大磁気抵抗材料の薄膜を用いた巨大磁気
抵抗素子からなる。磁気検出素子は、好適には、基板2
上に直接又は絶縁層を介して形成された巨大磁気抵抗材
料の薄膜3及びその一方の端部に接続された第一の電極
薄膜4と、これら巨大磁気抵抗材料の薄膜及び第一の電
極薄膜の上部に絶縁層5を介して形成され、かつ上記巨
大磁気抵抗材料の薄膜の他方の端部に接続された第二の
電極薄膜6とからなる積層膜の構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気式エンコーダ
に関し、さらに詳しくは、基板上に巨大磁気抵抗材料の
薄膜を形成した磁気検出素子を用いることによって、小
型かつ高感度、高出力、高分解能を有する磁気式エンコ
ーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエンコーダは、磁気式と光学式に
大別される。従来、磁気式エンコーダでは、位置信号と
して等間隔に着磁された複数の磁極を有する磁気記録媒
体の移動に伴って周期的に現れる磁気パターンの検出素
子として、磁気抵抗効果センサ(特開昭59−1472
13号、特開平2−195284号、特開平7−139
966号)やホールセンサなどの磁気センサが用いられ
ており、また、磁気抵抗効果素子としては例えばNiF
e合金(特開平2−195284号)などが用いられて
いる。
【0003】一方、光学式エンコーダでは、レーザー光
を光源とし、検出器として光センサを用いており、光源
と検出器の間に回折格子を設け、回折した光を回折格子
後方に設けた検出器によって観察し、回折光の強度変化
によって精密な位置を検出するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気検
出素子としてホールセンサを使用したエンコーダでは、
ホール素子が4端子構造を持つことから微細・小型化が
困難なため、μmオーダーでの高分解能が得られないと
いう問題がある。また、半導体を使用しているため、高
周波の磁界変化に対して応答性が得られない、高温下で
使用できないといった問題がある。
【0005】一方、磁気抵抗効果センサを用いたもので
は、小型化は可能であるが、数十Oe以上の高磁界に対
する応答性がなく、外部から磁界を印加された場合、測
定が困難となる問題がある。そのため、数百Oe以上の
高磁界を有するモータなどの回転センサとしての使用
や、鋼材の側での使用など、高磁界の影響を受けるよう
な環境で使用する場合、磁気シールドが必要となり、装
置が大きくなるという問題がある。
【0006】また、光学式エンコーダでは、μmオーダ
ーでの高分解能は得られるものの、埃、オイルミストな
どの汚れが付着した時に検出感度が低下し、また高温、
放射光などの環境下では測定が困難になるといった問題
がある。さらに、検出にレーザー光源、回折格子といっ
た精密機器を用いており、装置自体が大きくかつ高価な
ものになるといった問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、磁気検出素子の
微細・小型化、高磁界中での磁気測定、高周波対応が可
能であり、また、温度変化による出力変化が小さく、し
かも汚れなどの影響を受けない高感度、高出力、高分解
能の安価な磁気式エンコーダを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、等間隔に着磁された複数の磁極を
有する磁気記録媒体と、該磁気記録媒体の磁気パターン
を検出する磁気検出素子を有する磁気検出器とを備え、
該磁気検出素子を上記磁気記録媒体の磁界が作用する範
囲内で相対移動自在に対向して配設してなる磁気式エン
コーダであって、上記磁気検出素子が巨大磁気抵抗材料
の薄膜を用いた巨大磁気抵抗素子からなることを特徴と
する磁気式エンコーダが提供される。好適な態様によれ
ば、上記磁気検出器は、基板上に形成された巨大磁気抵
抗材料の薄膜とその両端に接続された2つの電極薄膜と
からなる磁気検出素子と、該磁気検出素子に定電流又は
定電圧を与える手段と、上記磁気検出素子が発生する電
流又は電圧を検出する手段とを有する。
【0009】前記磁気検出素子は、好適には、急激な磁
界の変化によるリード線からの誘導起電力によるノイズ
を低減し、センサ部分の磁界のみを検出する構造とする
ために、巨大磁気抵抗材料の薄膜の両端に接続された2
本のセンサリードを絶縁層を介して積層成膜した配線構
造とする。例えば、基板上に直接又は絶縁層を介して形
成された巨大磁気抵抗材料の薄膜及びその一方の端部に
接続された第一の電極薄膜(センサリード)と、これら
巨大磁気抵抗材料の薄膜及び第一の電極薄膜の上部に絶
縁層を介して形成され、かつ上記巨大磁気抵抗材料の薄
膜の他方の端部に接続された第二の電極薄膜(センサリ
ード)とからなる積層膜、あるいは、基板上に直接又は
絶縁層を介して形成された上記第二の電極薄膜と、該第
二の電極薄膜の上部に絶縁層を介して形成された上記巨
大磁気抵抗材料の薄膜及び第一の電極薄膜とからなる積
層膜の構造とする。
【0010】また、前記のような磁気検出素子が前記磁
気記録媒体における磁極間距離の1/2の間隔で2つ以
上形成された磁気検出器を用いることが好ましい。この
ような構成とすることにより、2つ以上の巨大磁気抵抗
素子の差動信号を回転角もしくは移動量として検出する
ことができ、また、回転駆動する励磁コイルなどの外部
磁界の影響を低減することができる。このような2つ以
上の巨大磁気抵抗素子は同一基板に形成することもでき
る。例えば、基板上に平行に離間して成膜された一対の
細長い第一の電極薄膜とこれにそれぞれ接続された巨大
磁気抵抗材料の薄膜を覆うように絶縁層を積層し、該絶
縁層上にさらに平行に離間して一対の細長い第二の電極
薄膜を上記巨大磁気抵抗材料の端部にそれぞれ接続する
ように成膜する。
【0011】前記巨大磁気抵抗材料としては、電気伝導
性マトリックス中に磁性粒子を分散させた構造、好まし
くはAg、Cu、Au、Ptのうち少なくとも1種の元
素からなる電気伝導性マトリックス中に、Fe、Co、
Niのうち少なくとも1種の元素からなる磁性粒子を、
好ましくは5〜55%の原子比率で分散させた構造を有
する磁性粒子分散型(グラニュラー型)巨大磁気抵抗材
料を用いることが好ましい。さらに、前記磁気記録媒体
の等間隔に着磁された複数の磁極は、高保磁力を有する
磁石からなることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】前記のように、本発明の磁気式エ
ンコーダは、磁気検出素子が巨大磁気抵抗材料(巨大磁
気抵抗効果を有する材料をいう)の薄膜を用いた巨大磁
気抵抗素子からなるため、磁気検出素子の微細・小型
化、高磁界中での磁界測定、高周波対応が可能であり、
また、温度変化による出力変化が小さく、しかも汚れな
どの影響を受けない高感度、高出力、高分解能の磁気式
エンコーダを提供することが可能となる。上記巨大磁気
抵抗材料は、磁性粒子分散型巨大磁気抵抗効果材料、人
工格子型巨大磁気抵抗効果材料又は超巨大磁気抵抗効果
材料からなり、少なくとも5kHz以上の交流磁界を信
号として読み取ることができる。
【0013】ここで巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresis
tance,GMR)効果とは、エイ.イー.ベルコウィッツ
(A.E. Berkowitz)ら、Phys. Rev. Lett. 68 (1992),
3745頁やジェイ.キュー.ズィエ(J.Q. Xiao )ら、Ph
ys. Rev. Lett. 68 (1992),3749頁に報告されている磁
性粒子分散型磁気抵抗効果、又はエム.エヌ.バイビッ
チ(M.N. Baibich)ら、Phys. Rev. Lett. 61 (1988),
2473頁やエス.エス.ピィー.パーキン(S.S.P. Parki
n )ら、Appl. Phys. Lett. 58 (1991), 2710頁に報告
されている人工格子型巨大磁気抵抗効果を指す。これら
の材料の磁気抵抗効果は、潟岡ら「まてりあ」第33巻
第2号、1994年、165頁に解説されているよう
に、磁性体(析出粒子もしくは多層膜)の磁化と伝導を
担う電子のスピン依存散乱によるとされている。従っ
て、磁性体としてCo、Ni、Feやそれらの合金を用
いているので、少なくとも300℃まで磁化変化が無
く、大きな磁気抵抗効果が得られる。
【0014】また、超巨大磁気抵抗(Colossal Magneto
resistance,CMR)効果を示す材料は、La(AE)
MnO3(AE:アルカリ土類金属Ca、Sr又はB
a)で示されるMn系ペロブスカイト構造を持つ酸化物
などで、これは、1950年代から研究が行われ(Land
olt-Bornstein New Series III/4a(1970), III/12a(197
8)参照)、近年、低温で磁界により絶縁体から金属に変
わる電気抵抗変化を示す材料として注目されている
(「まてりあ」第35巻第11号、1996年、121
7頁参照)。
【0015】前記磁性粒子分散型巨大磁気抵抗材料は、
Ag、Cu、Au等の電気伝導性材料もしくは非磁性
(常磁性、反磁性)材料中に最大長径が約5〜500n
mのFe、Co、Ni等の強磁性粒子が分散した材料か
らなり、また、人工格子型巨大磁気抵抗材料は、非磁性
(常磁性、反磁性)材料と強磁性材料とを周期的に、例
えば約1〜10nmのものを周期的に積層した材料から
なる。一方、前記超巨大磁気抵抗材料としては、例え
ば、一般式:Ln1-yAEyMnO3-z(但し、Lnは希
土類元素のうち少なくとも1種の元素、AEはCa、S
r、Baのうち少なくとも1種の元素であり、y、zは
それぞれ原子比で0.2≦y≦0.4、−0.1≦z≦
0.3)で示される組成を有する材料を主成分としてい
る(材料の95at%以上が上記組成を有する)ものが
挙げられる。特に好ましいのは前記AE元素がSrであ
る材料であり、また、希土類元素としては主にLaが用
いられる。
【0016】これらの材料の特徴として、数kOe以上
の磁界においても、磁気抵抗変化があるため、モータ内
にセンサを配してもロータの回転に伴う磁界変化を測定
することができる。それに加えて、これらの材料は配線
がホール素子の半分の2本で済むために、配線が簡単で
小型化が容易である。つまり、磁気式エンコーダに要求
される「高磁界特性」、「高周波特性」、「耐磁界外
乱」、「小型化」の要件を備えている。
【0017】前記3種の材料のうちでも、磁気式エンコ
ーダに利用するためには、磁性粒子分散型巨大磁気抵抗
材料を用いることが好ましい。これは、超巨大磁気抵抗
効果の場合、温度特性をよくするために高温(700〜
900℃)で熱処理を必要とするため、作製プロセスが
難しいこと、また電気抵抗が数kΩと高いため電気を流
しにくいためである。
【0018】磁性粒子分散型巨大磁気抵抗材料は、好ま
しくは、一般式:NM100-XTMX(但し、NMはAg、
Cu、Au、Ptのうち少なくとも1種の元素、TMは
Fe、Co、Niのうち少なくとも1種の元素であり、
xは原子%で5≦x≦55、好ましくは10≦x≦3
5)で示される組成を有する。上記一般式で示される組
成の磁性粒子分散型巨大磁気抵抗材料において、非磁性
材料NMは最大20at%まで、好ましくは10at%
以下の範囲内でAl、Ti、Pd、Rhなど他の元素の
1種以上を含むことができる。これらの元素は、磁気抵
抗効果を低下させ、感度を低くするが、反面、Al、T
iは磁気抵抗効果の温度依存性を小さくし、一方、P
d、Pt、Rhは電気抵抗を増大させることで、配線を
含むセンサ全体の磁気抵抗効果を大きくする効果があ
る。また、強磁性材料TMはFe、Co、Ni以外にC
r、Mnなどの元素を最大5at%までの範囲内で含む
ことができる。特にCr、Mnは磁気抵抗効果を減少さ
せるが、磁性粒子の粗大化を防ぎ、耐熱性を上げること
ができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の磁気式エンコーダについて添
付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の磁気
検出器の磁気検出素子1の一実施例を示す平面図、図2
はそのII−II線断面図である。図1及び図2において、
符号3は前記したような磁性粒子分散型巨大磁気抵抗材
料よりなる薄膜(センサ素子)を示している。図1及び
図2に明瞭に示されているように、基板2の上には細長
い銅製の第一電極薄膜4が形成され、該第一電極薄膜4
の先端部に上記巨大磁気抵抗材料の薄膜3が配設されて
いる。上記巨大磁気抵抗材料薄膜3及び第一電極薄膜4
の上には、これらを覆うようにAl23製の絶縁層5が
積層されている。但し、第一電極薄膜4の後端部はリー
ド線接続のために露出している。該絶縁層5の上には、
上記第一電極薄膜4と整合する位置に、上記巨大磁気抵
抗材料薄膜3と接続されるように細長い銅製の第二電極
薄膜6が形成されている。
【0020】前記巨大磁気抵抗材料薄膜3の形状は、長
さ5mm以下、幅0.5mm以下の矩形状が適当であ
る。前記電極薄膜4、6は、Al、Cu、Cr、Taも
しくはMo又はそれらの合金等の導電性材料から作製で
きるが、これらの中でもCuが好ましい。また、前記絶
縁層5としては、Al23、SiO2、MgO等を用い
ることができる。絶縁層5の厚さは0.5nm以上、
1,000nm以下が適当であり、好ましくは10nm
以上、100nm以下がよい。別の好適な態様によれ
ば、前記基板2として、又はその裏側にケイ素鋼板やパ
ーマロイ、CoFeSiBアモルファス合金等の軟磁性
体を取り付けたものを用いる。このように軟磁性体を利
用して磁束を収束させることにより、さらに感度が向上
し、従って検出器の設置場所の制約が緩和される。
【0021】図3は、本発明の磁気検出素子をロータリ
ーエンコーダに応用した例の概略基本構成を示してい
る。図3において、符号10はモータ等の回転駆動源1
3の回転軸12に取り付けられた回転ドラム状の磁気記
録媒体であり、その外周面に永久磁石が、円周方向にN
S極11が等間隔に出現するように固着されている。磁
極としては強力磁石(SmCo,NdFeBなどの希土
類磁石)を用いることが好ましい。磁気検出素子1a
は、上記磁気記録媒体10と対向するように、かつ、N
S極による磁界が作用する範囲内に所定の間隙を介して
配設されており、電源17からリード線14を介して定
電流又は定電圧が与えられている。なお、図3に示す磁
気検出素子1aは、絶縁層を介して基板上に積層された
上下の電極薄膜の下端部が二股状に拡げられた構造を有
するが、その基本的な構造は前記図1及び図2に示すも
のと同様である。
【0022】このような構成において、磁気記録媒体1
0を回転させると、着磁された磁気パターンに対応して
磁気検出素子1aに加わる磁界が周期的に変化する。こ
の変化は磁気検出素子1aにより磁気抵抗の変化として
検出され、電流変化又は電圧変化の出力信号が得られる
ことになる。この出力信号は増幅回路15により増幅し
て制御系16に送られる。このようにして、磁気記録媒
体10の回転角もしくは移動量や回転速度を検出するこ
とができる。
【0023】なお、図3は本発明の磁気検出素子をロー
タリーエンコーダに応用した場合の概略的な基本構成を
示しており、エンコーダの構成自体は従来公知の種々の
形態を採用できることは言うまでもない。例えば、前記
した特開昭59−147213号、特開平2−1952
84号、特開平7−139966号等に記載されている
ような態様で磁気記録媒体の表面にアブソリュート相、
インクリメンタル相を形成することができる。
【0024】図4は、本発明の磁気検出素子をリニアエ
ンコーダに応用した例の概略基本構成を示している。こ
のリニアエンコーダにおいては、表面に所定のパターン
でNS極11aが形成され、移動対象物18に固定され
た細長いプレート状の磁気記録媒体10aが用いられて
いる以外、他の構成は基本的には前記ロータリーエンコ
ーダの場合と同様である。この場合にも、磁気検出素子
1aは、磁気記録媒体10aと対向するようにその近傍
に配置されている。
【0025】以下、本発明の効果を具体的に確認した実
施例を示す。磁性粒子分散型巨大磁気抵抗材料は、Ag
ターゲットもしくはCuターゲット上にCoチップもし
くはNi0.66Co0.18Fe0.16合金チップを均等に配し
た複合ターゲットを用いて作製した。成膜条件及び熱処
理条件は以下のとおりである。 成膜方法:RFマグネトロンスパッタ 基板:Siウェーハ 基板温度:100℃ 雰囲気:Ar0.6Pa スパッタ電力:100W 薄膜組成:Ag70Co30、Ag75(Ni0.66Co0.18
0.1625の2種 膜厚:10〜500nm 熱処理: 温度:200℃ 時間:0.5時間 雰囲気:真空中 膜厚10nmでの磁気抵抗効果:10kOeの磁界で約
10%の磁気抵抗比(MR比)が得られた。なお、この
磁気抵抗比は、下記式により求めた値である。 MR比(%)=(R(0)−R(H))/R(0)×1
00 R(0):磁界がないときの電気抵抗 R(H):磁界が印加されたときの電気抵抗
【0026】上記の方法により、ガラス基板上に巨大磁
気抵抗材料の薄膜を長さ0.5mm、幅0.1mmの矩
形状に成膜し、厚さを10nm〜500nmまで調整
し、センサの抵抗として2Ωから50Ωまで変え、また
Cu電極もしくは銀ペーストにより電極を作製し、磁気
検出素子を作製した。約1mm厚さの磁石板(表面磁界
500Oe)をNS極が交互になるように積み重ね、1
0枚おきに1kΩの磁石を挟んだものを磁気記録媒体と
し、これを上記磁気検出素子と対向させて移動させるこ
とにより、磁気記録媒体の位置変化だけでなく、絶対位
置が検出でき、また150℃の温度条件下でも検出可能
であることを確認した。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気式エンコー
ダは、磁気検出素子として巨大磁気抵抗材料、特に磁性
粒子分散型巨大磁気抵抗材料を用いているため、高温下
や粉塵環境下においても使用でき、かつ小型で分解能の
高い磁気式エンコーダを安価に作製することが可能とな
った。また、高磁界環境下でも磁気検出が可能であり、
また検出磁界の発生源に強力磁石を用いることによっ
て、外部磁界(ノイズ)の影響を受け難くなり、磁気シ
ールドの必要がなく、高い信頼性が得られる。さらに、
高周波磁界の測定ができ、また埃等の汚れが付着しても
感度低下がない。従って、ヒーター用、エンジン用等の
各種ロータリーエンコーダ、リニアエンコーダとして有
利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気検出素子の一実施例を示す平面図
である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明の磁気検出素子をロータリーエンコーダ
に応用した実施例を示す概略基本構成図である。
【図4】本発明の磁気検出素子をリニアエンコーダに応
用した実施例を示す概略基本構成図である。
【符号の説明】
1,1a 磁気検出素子 2 基板 3 巨大磁気抵抗材料薄膜 4 第一電極薄膜 5 絶縁層 6 第二電極薄膜 10,10a 磁気記録媒体 11,11a NS極 12 回転軸 13 回転駆動源(モータ) 15 増幅回路 16 制御系 17 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 由則 宮城県仙台市太白区茂庭台4丁目26番3号 Fターム(参考) 2F063 AA01 AA35 AA50 BC02 BC05 BD11 BD16 CA09 CA34 CA40 DA19 EA02 EA03 GA55 LA11 LA30 2F077 AA25 AA41 NN04 NN05 NN17 NN24 PP14 TT87 2G017 AA01 AB01 AB05 AD21 AD53 AD55 AD63 AD65

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等間隔に着磁された複数の磁極を有する
    磁気記録媒体と、該磁気記録媒体の磁気パターンを検出
    する磁気検出素子を有する磁気検出器とを備え、該磁気
    検出素子を上記磁気記録媒体の磁界が作用する範囲内で
    相対移動自在に対向して配設してなる磁気式エンコーダ
    であって、上記磁気検出素子が巨大磁気抵抗材料の簿膜
    を用いた巨大磁気抵抗素子からなることを特徴とする磁
    気式エンコーダ。
  2. 【請求項2】 前記磁気検出器が、基板上に形成された
    巨大磁気抵抗材料の薄膜とその両端に接続された2つの
    電極薄膜とからなる磁気検出素子と、該磁気検出素子に
    定電流又は定電圧を与える手段と、上記磁気検出素子が
    発生する電流又は電圧を検出する手段とを有する請求項
    1に記載の磁気式エンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記磁気検出素子が、基板上に直接又は
    絶縁層を介して形成された巨大磁気抵抗材料の薄膜及び
    その一方の端部に接続された第一の電極薄膜と、これら
    巨大磁気抵抗材料の薄膜及び第一の電極薄膜の上部に絶
    縁層を介して形成され、かつ上記巨大磁気抵抗材料の薄
    膜の他方の端部に接続された第二の電極薄膜とからなる
    積層膜、あるいは、基板上に直接又は絶縁層を介して形
    成された上記第二の電極薄膜と、該第二の電極薄膜の上
    部に絶縁層を介して形成された上記巨大磁気抵抗材料の
    薄膜及び第一の電極薄膜とからなる積層膜である請求項
    2に記載の磁気式エンコーダ。
  4. 【請求項4】 前記磁気検出素子が前記磁気記録媒体に
    おける磁極間距離の1/2の間隔で2つ以上形成された
    磁気検出器を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の磁気式エンコーダ。
  5. 【請求項5】 前記巨大磁気抵抗材料が、電気伝導性マ
    トリックス中に磁性粒子を分散させた構造を有する請求
    項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気式エンコーダ。
  6. 【請求項6】 前記巨大磁気抵抗材料が、Ag、Cu、
    Au、Ptのうち少なくとも1種の元素からなる電気伝
    導性マトリックス中に、Fe、Co、Niのうち少なく
    とも1種の元素からなる磁性粒子を分散させた構造を有
    する請求項5に記載の磁気式エンコーダ。
  7. 【請求項7】 前記磁性粒子の巨大磁気抵抗材料中にお
    ける含有割合が原子比率で5〜55%である請求項6に
    記載の磁気式エンコーダ。
  8. 【請求項8】 前記磁気記録媒体の等間隔に着磁された
    複数の磁極が、高保磁力を有する磁石からなる請求項1
    乃至7のいずれか一項に記載の磁気式エンコーダ。
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