JP3647306B2 - 磁気抵抗素子及び磁気抵抗メモリ素子 - Google Patents

磁気抵抗素子及び磁気抵抗メモリ素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小さな印加磁界で動作する微細化可能な磁気抵抗素子及び磁気抵抗メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
強磁性層を用いた磁気抵抗素子は、現在ハードディスクドライブの再生ヘッドに用いられ、高い記録密度をもつハードディスクに必要不可欠なものとなっている。またセンサーとしても用いられている他、さらに固体メモリ素子への応用が検討されている。再生ヘッドに用いられている異方性磁気抵抗素子は、基本的には面内磁気異方性を持つ強磁性膜であり、この強磁性膜の面内方向に電流Ιを流す回路および強磁性膜の抵抗変化を検出する回路を備えるものである。図1は異方性磁気抵抗効果の原理を示す図である。電流は磁化容易方向に流し、磁界Ηを面内困難方向に印加するように強磁性膜を配する。磁化方向が電流方向と平行であるときの抵抗率を
【0003】
【外1】
Figure 0003647306
磁化方向が電流方向と垂直であるときの抵抗率を
【0004】
【外2】
Figure 0003647306
とすると、磁化Μと電流のなす角がθであるときの抵抗率ρは
【0005】
【外3】
Figure 0003647306
の式で表すことができる。この式からわかるように、強磁性膜の抵抗はそれに流れる電流と磁化のなす角度に依存している。再生ヘッドでは、ハードディスクからの浮遊磁界によって強磁性膜の磁化方向が変化し、その変化量が抵抗の変化量として検出される。
【0006】
図2は磁気抵抗素子をメモリとして用いたときの、磁化方向と抵抗率変化について示したものである。磁化が右向きの場合を「0」、左向きの場合を「1」とし、検出時に強磁性膜の保磁力よりも大きな右向きの磁界を印加する。この場合、「0」が記録された強磁性膜の磁化方向は変化しないが、「1」が記録された強磁性膜の磁化方向は反転する。磁化が反転するとき磁化は電流方向に対して傾くので、上記のように抵抗率は変化することになる。従って、「0」を検出すると抵抗率は変化せず、「1」を検出すると抵抗率の変化が見られ、この違いを検出することによって「0」と「1」の情報の識別が可能である。
【0007】
従来の磁気抵抗効果型メモリ素子の記録や検出に用いられる磁界は、図3に示すように強磁性膜の上下に導線を配し、これに電流を流すことにより強磁性膜面内に印加される。導線に流す電流の大きさは、片側の導線から発生する磁界のみでは磁化が反転せず、両導線に同時に電流を流した時、上下の導線の交差する位置にある強磁性層の磁化が反転するように決められる。記録印加磁界の方向は、強磁性層の磁気異方性と垂直な方向に配された導線に流れる電流の方向によって決まる。
【0008】
磁気抵抗素子として使用されている強磁性膜は、主にNi、Fe、Coやそれらの合金からなり、面内磁気異方性を持ったフェロ磁性体である。一般に面内磁気異方性の誘起は、強磁性膜の成膜中に磁気異方性を持たせる方向に磁界を印加することで達成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
モバイル情報機器等において音声や画像といった膨大な容量をもつデータを取り扱う場合、データはディスクやテープに記録されている。しかしそのような情報記録装置は駆動装置を必要とするため、容量の大きな電源が必要である。また、モーターや大容量電源を搭載するため軽量化が困難であった。あるいは記録媒体が固体メモリであるモバイル情報機器では、十分に記録密度を高めた固体メモリは未だ実現しておらず、容量の小さなデータしか扱うことができなかった。
【0010】
高い記録密度を持つ磁気抵抗メモリを実現するためには、強磁性膜の微細化が求められるが、強磁性膜の磁化容易軸方向のサイズを小さくしていくと、反磁界が増加するため磁化が不安定となり、メモリ素子の記録保存性が悪くなるという問題である。
【0011】
そこで上記のような反磁界の問題を解決するために、強磁性膜の磁気異方性を膜面に対して垂直方向に向けることが考えられる。膜面積と反磁界の大きさの関係は、垂直磁化膜と面内磁化膜では異なり、面内磁化膜では膜面積を小さくすると反磁界は大きくなるが、垂直磁化膜の膜面積が小さくなると反磁界は逆に減少するので、磁化の方向は膜面法線方向に安定する。つまり、磁化の安定性という点で、膜面積の小さな強磁性膜は垂直磁気異方性を持つものが好ましい。
【0012】
モバイル情報端末用の固体メモリとして磁気抵抗素子を用いる場合には、導線に電流を流すことで磁界を発生させるが、電源容量の制限から少ない電流で動作することが好ましく、磁気抵抗素子の磁性層は小さな保磁力を有することが求められる。
【0013】
これまで、垂直磁化膜を用いた磁気抵抗素子においては、その磁性層としてCoCr合金膜、Co−γFe23やBaフェライトが提案されているが、いずれも保磁力が大きく、小さな磁界で動作させることが困難である。また、膜面内方向に容易に磁化されるので、膜面内方向へ磁界が印加された場合、磁気抵抗効果率の低下を招くという問題があった。さらに、膜面法線方向に磁気異方性を誘起するために、単結晶基板の使用や基板の加熱が必要であった。
【0014】
従って、本発明は小さな磁界で動作可能な、微細磁気抵抗素子を実現することを目的をするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行い本発明に到達した。即ち、本発明は、以下の発明及び実施態様を包含する。
【0016】
(1)少なくとも第1の磁性層/非磁性層/第2の磁性層の膜構成からなる磁気抵抗素子であって、該二つの磁性層の保磁力が異なっており、共に膜面法線方向に磁気異方性を有し、前記第1の磁性層の保磁力が、前記第1の磁性層よりも小さな保磁力を有する第2の磁性層の磁化飽和磁界よりも大きく、前記第2の磁性層がGdと、Fe、Co及びNiから選択された1種以上の遷移金属を主成分し、且つ該第2の磁性層のGdの組成が17at%〜28at%であることを特徴とする磁気抵抗素子。
【0017】
(2)前記Gdと遷移金属を主成分とする第2の磁性層の組成が補償組成付近であることを特徴とする(1)に記載の磁気抵抗素子。
【0018】
(3) 前記第1の磁性層の組成が補償組成付近であることを特徴とする(1)に記載の磁気抵抗素子。
【0019】
(4) (1)〜(3)の何れかに記載の磁気抵抗素子の、前記第1の磁性層をメモリ層とし、前記第2の磁性層を検出層としたメモリ素子。
【0020】
【発明の実施の形態】
図4に本発明の磁気抵抗素子の膜構成の一例を示す。10は基板、21は第1の強磁性層、22は非磁性層、23は第2の強磁性層、24は保護層である。
【0021】
基板には通常素子基板として用いられるものであれば制限なく使用できるが、例えば、Si基板やガラス基板等が用いられる。また、第1の強磁性層および第2の強磁性層は、垂直磁気異方性を示す磁性体が用いられる。
【0022】
該磁化反転する磁性層は300(Oe)以下の小さな保磁力を有していることが好ましく、かつ磁化曲線の角形比は1であることが好ましく、以上の特性を満たす材料として、ガドリウムと遷移金属の合金が挙げられる。耐食性を向上させるためにはCrやTi等の元素を添加しても良いが、磁気特性や磁気抵抗特性を劣化させないことが好ましく、添加量は10at%以内とすることが好ましく、5at%以内にすることがさらに好ましい。
【0023】
また、磁化曲線の角形比を1にするためには、ガドリウムと遷移金属の組成比を補償組成付近にすることが好ましい。
【0024】
例えば、Gd−Feの組成物では室温における補償組成はガドリウムが約23at%であり、磁気特性と組成との関係は成膜条件によって若干ずれるが、ガドリウムの組成が15〜31at%、即ち、補償組成±8%では角形比が1となった。
【0025】
印加される外部磁界範囲内において、両磁性層の磁化は、平行と反平行の状態を実現できるものである。希土類金属と遷移金属を主成分とする磁性層は、高価な単結晶基板等を用いたり加熱処理を施したりすることなく、膜面法線方向に磁気異方性を容易に誘起できる。さらに、遷移金属には、大きな磁気抵抗変化率を生じる元素が用いられることが好ましく、Fe、Co及びNiが挙げられる。
また、膜厚を薄くすることによって保磁力を小さくすることが可能であり、100nm以下にすると磁化曲線の角形比が1で保磁力が200(Oe)程度の磁気特性が得られ好ましい。また、20nm以下では、保磁力が数十Oe程度となるのでさらに好ましい。但し、所望の組成の磁気膜を安定して作成するために、1nm以上の膜厚を有することが好ましい。
【0026】
図5は本発明の磁気抵抗素子の膜面法線方向に磁界を印加した場合に測定される磁気抵抗曲線を示したものである。
【0027】
非磁性層の上下に配された磁性層の相互作用を考慮しないという条件下においては、スピン散乱型磁気抵抗素子では、非磁性層の膜厚が薄くなると磁気抵抗変化率は大きくなる。ところが実際には、非磁性層の膜厚が薄くなると、その上下に配された各強磁性層の静磁的結合力が強くなり、磁化の反平行状態が得られなくなってしまうため磁気抵抗効果率は逆に減少してしまう。したがって、非磁性層の膜厚が薄い場合においても、磁化の反平行状態を実現するために、磁性層の磁化を小さくすることが好ましい。例えば、磁性層が補償点を持つ場合には、その補償点を動作環境温度程度とすることで磁化を小さくできる。ガドリニウムと遷移金属を用いた合金薄膜においては、ガドリニウムの組成を17at%〜28at%にすることが好ましく、18at%〜26at%にするとさらに好ましい。
【0028】
非磁性層には、そのフェルミ準位が、磁性層のフェルミ準位と同等のものが用いられ、そのような材料としてCuが挙げられる。非磁性層の成膜は、一般にスパッタリングや蒸着によって行われるが、膜厚が薄い場合には、島状になってしまう。材料や成膜条件によって若干異なるが、薄膜を形成するには1nm程度の膜厚が必要である。また高い磁気抵抗変化率を得るためには非磁性層中で、電子スピンが反転しないことが必要である。電子スピンの反転は電子の衝突と関係があり、電子の平均自由行程よりも非磁性層の膜厚が厚くなると電子のスピンは非磁性層中で反転してしまうことになる。例えば銅の平均自由行程は約30nmであるので、銅を非磁性層として用いた場合、その厚さは約30nm以下であることが好ましい。
【0029】
次に本発明の磁気抵抗素子の動作について説明する。
【0030】
今、第1の磁性層が比較的保磁力の大きな磁性膜であり、第2の磁性層がガドリニウムと遷移金属を主成分とする比較的保磁力の小さな磁性膜であるとする。
【0031】
第1の磁性層の保磁力は記録磁界より小さく、かつ検出磁界よりも大きく、第2の磁性層の保磁力は、検出磁界と第1の磁性層から発生する浮遊磁界の差よりも小さく、かつ第1の磁性層から発生する浮遊磁界よりも小さくなければならない。但し、記録磁界は検出磁界よりも大きく、検出磁界は第1の磁性層から発生する浮遊磁界よりも大きい。
【0032】
第1の磁性層の磁化は図6に示すように、下向きに向いていて印加磁界範囲内では磁化方向は反転しないとする。膜面法線方向上向きに第2の磁性層の保磁力よりも大きく、第1の磁性層の保磁力よりも小さな磁界Ηaを印加した場合、第2の磁性層の磁化は上向きになり、両磁性層の磁化は反平行になる。膜法線方向下向きにHaを印加した場合、第2の磁性層の磁化は下向きになり、両磁性層の磁化は平行になる。両磁性層の磁化が平行になったとき、磁気抵抗素子の電気抵抗は比較的小さく、反平行になったとき電気抵抗は比較的大きくなる。この性質を利用することにより、磁気抵抗素子に印加された磁界方向を検出することができる。
【0033】
印加磁界範囲内で第2の磁性層に加えて第1の磁性層も磁化反転可能である場合の磁化方向の変化を図7に示す。ただし、第1の磁性層の保磁力が第2の磁性層の保磁力よりも大きいとする。両磁性層の保磁力よりも大きな磁界Hwを印加することによって、両磁性層の磁化はどちらもHwの方向に揃う。このとき両磁性層の磁化は平行である。次に、上述したように、Haを印加すると第2の磁性層の磁化のみHaの印加方向に揃う。したがって、各層の磁化方向の組み合わせは4通りとなる。このような磁気特性を持つ磁気抵抗素子は、非破壊検出可能なメモリとして用いることができる。すなわち、第1の磁性層をメモリ層として、その磁化の向きが下向きのときを「0」、上向きのときを「1」とする。記録磁化方向の検出は、第2の磁性層の磁化方向を変化させることにより、磁気抵抗効果を用いて行われる。例えば、Haをまず上向きに印加し、次いで下向きに印加する。「0」が記録されている場合、Haの反転によって磁気抵抗は減少し、「1」が記録されている場合では、逆に増加する。この磁気抵抗の変化の違いにより、記録情報を非破壊で検出可能である。図8はHaと磁気抵抗素子の電位Vの関係を示したタイムチャートである。
【0034】
【実施例】
実施例1
チャンバー内を1×10-5Pa以下まで真空にした後、ガラス基板上にマグネトロンDCスパッタリングによって第1の磁性層として遷移金属副格子磁化優勢であるGd22Co78アモルファス合金薄膜を20nm、非磁性層としてCuを6nm、第2の磁性層として遷移金属副格子磁化優勢であるDy17Fe83アモルファス合金薄膜を20nm、保護層としてPtを3nm順次成膜した。成膜中のArガス圧は、0.3Pa一定とした。
【0035】
上記のようにして得られた磁気抵抗素子の膜面法線方向に磁界を印加し、磁化曲線を測定したところ、角形比1の磁化曲線が得られ、第1の磁性層の保磁力は、150(Oe)、第2の強磁性層の交換結合膜の保磁力は4.3(kOe)であった。さらに、膜面内方向に磁界を印加し磁化曲線の測定を行ったところ、残留磁化は検出されなかった。
【0036】
得られた磁気抵抗素子の抵抗効果率を四端子法によって測定したところ、±150(Oe)で抵抗変化が見られ、磁性層の磁化が反平行であるときの抵抗値は、平行であるときの抵抗値に比べて大きくなることが確認された。ただし、印加した磁界の大きさは300(Oe)で、方向は膜面法線方向である。
【0037】
実施例2
第1の磁性層として遷移金属副格子磁化優勢であるGd21Fe79アモルファス合金薄膜を5nm、非磁性層としてCuを6nm、第2の磁性層として遷移金属副格子磁化優勢のGd22Fe78アモルファス合金薄膜を5nm、保護層としてPtを3nm順次成膜した。成膜条件は実施例1と同じとした。
【0038】
上記のようにして得られた磁気抵抗素子の膜面法線方向に磁界を印加し、磁化曲線を測定したところ、角形比1の磁化曲線が得られ、第1の磁性層の保磁力は20(Oe)、第2の磁性層の保磁力は110(Oe)であった。さらに、膜面内方向に磁界を印加し磁化曲線の測定を行ったところ、残留磁化は検出されなかった。得られた磁気抵抗素子の抵抗変化率を四端子法によって測定したところ、±20(Oe)および±110(Oe)で抵抗変化が見られ、磁性層の磁化が反平行であるときの抵抗値は、平行であるときの抵抗値に比べて大きくなることが確認された。ただし、印加した磁界の大きさは300(Oe)で、方向は膜面法線方向である。
【0039】
比較例1
200℃に加熱した石英ガラス基板上に、第1の磁性層としてCo82Cr18を100nm、非磁性層としてCuを6nm、第2の磁性層としてCo82Cr18を30nm、保護層としてPtを3nm順次成膜した。ただし、磁性層の成膜ガス圧力は1Paで、その他の成膜条件は実施例1と同じとした。
【0040】
上記のようにして得られた磁気抵抗素子の膜面法線方向に磁界を印加し、磁化曲線を測定したところ、第1の磁性層の保磁力は1.5(kOe)、第2の磁性層の保磁力は1.3(kOe)で、各磁性層の角形比はどちらも0.2程度と小さい値を示した。また、膜面内方向に磁界を印加して磁化曲線を測定したところ、膜面内方向に残留磁化が有り、角形比が0.3の磁化曲線となった。
【0041】
得られた磁気抵抗素子の抵抗変化率を四端子法によって測定したところ、明確な抵抗変化は確認されなかった。これは、両磁性層の磁化反転が同じ磁界範囲内で徐々に起きており、上スピンを持つ電子と下スピンを持つ電子の電気電動率に大きな差が生じないためであると思われる。ただし、印加した磁界の大きさは2kOeで、方向は、膜面法線方向である。
【0042】
比較例2
チャンバー内を1×10-5Paまで真空にした後、ガラス基板上にマグネトロンDCスパッタリングによって第1の磁性層として遷移金属副格子磁化優勢であるGd16Fe84アモルファス合金薄膜を20nm、非磁性層としてCuを6nm、第2の磁性層として遷移金属副格子磁化優勢であるGd17Fe83アモルファス合金薄膜を20nm、保護層としてPtを3nm順次成膜した。成膜中のArガス圧は、0.3Pa一定とした。
【0043】
上記のようにして得られた磁気抵抗素子の膜面法線方向に磁界を印加し、磁化曲線を測定したところ、膜組成がGd17Fe83である磁性膜の保磁力が、膜組成がGd16Fe84である磁性膜の磁化飽和磁界よりも小さかった。
【0044】
得られた磁気抵抗素子の抵抗変化率を四端子法によって測定したところ、山型の磁化抵抗曲線が確認され、磁気抵抗変化率は実施例2の1/4程度と小さな値を示した。これは、両磁性層の磁化が完全な反平行状態になっていないためであると考えられる。
【0045】
【発明の効果】
上記のように本発明の磁気抵抗素子は、膜面法線方向に磁気異方性を有し、保磁力が小さく、かつ作製が容易である。また、微細化しても磁化方向が不安定になることがないので、低消費電力で駆動可能である高密度メモリ素子として利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】異方性磁気抵抗効果の原理を示す図
【図2】従来の磁気抵抗素子の磁化方向と抵抗率変化を示す図
【図3】従来の磁気抵抗素子の磁界印加用導線と強磁性膜の配置を示す図
【図4】本発明の磁気抵抗素子の膜構成図
【図5】本発明の磁気抵抗素子の磁気抵抗曲線
【図6】本発明の磁気抵抗素子の磁化方向の変化を示す図
【図7】本発明の磁気抵抗素子の磁化方向の変化を示す図
【図8】印加磁界と電位の関係を示したタイムチャート
【符号の説明】
10 基板
21 第1の磁性層
22 非磁性層
23 第2の磁性層
24 保護層
31 電極
32 電極
33 磁性体

Claims (4)

  1. 少なくとも第1の磁性層/非磁性層/第2の磁性層の膜構成からなる磁気抵抗素子であって、該二つの磁性層の保磁力が異なっており、共に膜面法線方向に磁気異方性を有し、前記第1の磁性層の保磁力が、前記第1の磁性層よりも小さな保磁力を有する第2の磁性層の磁化飽和磁界よりも大きく、前記第2の磁性層がGdと、Fe、Co及びNiから選択された1種以上の遷移金属を主成分し、且つ該第2の磁性層のGdの組成が17at%〜28at%であることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 前記Gdと遷移金属を主成分とする第2の磁性層の組成が補償組成付近であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記第1の磁性層の組成が補償組成付近であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気抵抗素子の、前記第1の磁性層をメモリ層とし、前記第2の磁性層を検出層としたメモリ素子。
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