JP3503072B2 - 回転式フライス工具 - Google Patents
回転式フライス工具Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、交換可能な超硬合金切
削インサートを具備する一つ以上の周凹部が形成された
保持器を具備する回転式フライス工具に関し、周凹部に
は対応数のインサートがそれぞれ取外し可能に装着さ
れ、各凹部は各インサートの前方において削りくず空間
を形成する。 【０００２】 【従来技術及びその課題】フライス切削作業中、切削縁
の長さは、フライスとワークピースにおいて誘導された
振動と切削作業を実施する際のエネルギー必要条件に直
接に関係することが公知である。これらの振動は、いわ
ゆる「チャタリング」を生じさせる。言い換えれば、
「チャタリング」は、切削縁の長さの増大により増大す
る傾向がある。 【０００３】振動と結果のチャタリングは、形成された
切りくずにより、切削インサートと特に切削すくい面に
及ぼされた力から生じ、切りくずの幅が大きくなるほ
ど、及ぼされる力は大きくなる。これらの振動と「チャ
タリング」を減少させるために、比較的短い切削縁の切
削インサートを有するフライスを使用することが公知で
あり、インサートは、連続切削インサートの切削縁の切
削パスが重なり合う如く、工具保持器と相互に関して方
向付けられる。このようにして、各比較的短い切削縁
は、比較的狭い幅の切りくずを生じさせ、連続切削イン
サートの切削縁の間の重なりは、比較的滑らかなフライ
ス削りが達成されることを保証する。 【０００４】しかし、実際に、この提案は、有効である
ことが見いだされず、工具保持器において、ないしは関
して、正しく設計された切削インサートの注意深い予備
的な方向付けを必要とする。 【０００５】ヨーロッパ特許出願Ｎｏ．０ ４８０ ５
７６（以後「先行明細書））において、フライスで使用
される新規の改良切削インサートが開示され、このイン
サートは、それ自体、フライス工具の使用において「チ
ャタリング」の縮小という所望の目的を達成することが
できる。先行明細書における開示は、ここに取り入れら
れ、以後参照される。 【０００６】こうして、先行明細書における開示によ
り、回転式フライス工具で使用される切削インサートが
設けられ、切削すくい面と逃げ面の間に切削縁を規定
し、該逃げ面と基部面の間に基部縁を規定している。切
削縁は、複数の連続成分切削縁と、連続成分切削縁の間
にそれぞれ位置する中間縁とを具備する。各成分切削縁
は、それぞれの前端と後端を有する。一成分切削縁の後
端は、中間縁を介して続く成分切削縁の前端と併合し、
中間縁は、一成分切削縁の該後端から基部縁の方に指向
される。一成分切削縁の後端を通過するカッター工具の
回転軸への各法線は、フライス削り作業中、連続成分切
削縁が重なり合う如く、連続成分切削縁に交差する。 【０００７】そのような切削インサートでは、成分切削
縁が非常に短いことを考慮すると、これらの短い切削縁
によって形成された切りくずによって切削インサートに
及ぼされた合力は、比較的小さく、結果として、発生す
る「チャタリング」の程度は、最小となる。こうして、
隣接連続成分切削縁の重なり程度による成分切削縁の相
対配置を考慮すると、比較的狭幅の有効に分離された切
りくずが形成されることが保証される。 【０００８】そのような切削インサートでは、成分切削
縁の特定分布、すなわち、インサートが工具に装着され
た時の相対長と軸すくい角は、インサートの強度に直接
に関係することが見いだされた。これは、インサート
が、しばしば行われるように、脆弱ゾーンをインサート
に必ず導入する中央配置締め付け用ボアを形成される場
合に、特に言えることである。 【０００９】インサートの機械的強度が強化される新規
の改良切削インサートを設けることが、本発明の目的で
ある。 【００１０】 【課題を解決するための手段】本発明により、回転式フ
ライス工具で使用され、上方すくい面と締め付け用ボア
を中央に配置した基部面とを有し、一対の略平行な主切
削縁と主切削縁に関して横に向けられた一対の略平行な
小切削縁とを有し、各主切削縁は、隣接すくい面と逃げ
面の間に規定され、各逃げ面は、該基部面により基部縁
を規定する略平行六面体形状の切削インサートにおい
て、各主切削縁が、第１、第２及び第３連続成分切削縁
を具備し、各第２成分切削縁は、該ボアとほぼ同延であ
り、該第１及び第２成分切削縁の各々の長さよりも実質
的により長く、カッター工具の回転軸に関して該第１及
び第３成分切削縁によってそれぞれ規定した軸すくい角
よりも実質的に小さい軸すくい角を該回転軸に関して規
定し、この場合各成分切削縁は、それぞれの前端と後端
を有し、一成分切削縁の後端は、中間縁を介して続く成
分切削縁の前端と併合し、該中間縁は、該一成分切削縁
の該後端から該基部縁の方に指向され、一成分縁の後端
を通過するカッター工具の該回転軸への各法線は、フラ
イス削り作業中、連続成分切削縁が重なり合う如く連続
成分切削縁に交差する改良が設けられる。 【００１１】発明によるインサートの３つの連続成分切
削縁の相対長と軸すくい角の特定の選択のために、位置
決めボアの領域においてインサートの機械的強度が強化
されることが保証される。 【００１２】好ましくは、それぞれの成分切削縁に関連
した切削すくい面、逃げ面とランド面は、それぞれの成
分縁に沿った対応位置において、インサートすくい角と
逃げ角が、カッター工具に関して規定されたランド角と
ともに、ほぼ等しい如く方向付けられる。 【００１３】回転式フライスで使用される、発明による
超硬合金切削インサートの一実施態様は、添付の図面を
参照して、実施例により以下に記載される。 【００１４】 【実施例】図面に示された如く、略矩形の平行六面体形
状のインサート１には、上方すくい面２と平基部面３を
形成してあり、直径ｄの中央締め付け用ボア１ａを設け
てある。インサートには、先行特許明細書に関して概略
を記載され示された如く、逃げ面４を設けてある。しか
し、本インサートの場合に、対向した主逃げ面と隣接切
削すくい面の対の間に、一対の切削縁５が規定してあ
り、各切削縁５は、成分切削すくい面にそれぞれ関連し
た３つの連続成分切削縁５ａ、５ｂと５ｃを具備する。 【００１５】先行明細書に記載された如く、前成分切削
縁５ａは、インサート１の基部３に向かって下方に傾斜
する中間切削縁６を介して連続成分切削縁５ｂとその終
端部において併合する。同様に、成分切削縁５ｂは、イ
ンサート１の基部３に向かって同様に下方に傾斜する中
間縁７を介して、連続切削縁５ｃと併合する。 【００１６】上記のインサートは、円筒保持器を有する
回転式フライスにおいて先行明細書の図面の図５に示さ
れた如く装着され、インサートは、その基部が、カッタ
ー工具の回転軸に関して正の軸すくい角αを提示する如
く装着される。 【００１７】図１及び図２に示したインサートにおい
て、成分切削縁５ａ及び５ｂは、フライス削り作業中に
有効に重なり合う。もちろん、これは先行明細書の図面
の図５を参照して説明したインサートに似ている。 【００１８】各逃げ面４は、３つの上方成分逃げ面４
ａ、４ｂと４ｃを具備し、それぞれ、それらと隣接成分
すくい面２ａ、２ｂと２ｃの間に成分切削縁５ａ、５ｂ
と５ｃを規定する。各逃げ面は、さらに、切削インサー
トの全長に沿っている平坦下方成分逃げ面４ｄを有す
る。 【００１９】さらに、先行明細書において記載された如
く、最適フライス削り条件を達成するために、成分逃げ
面４ａ、４ｂと４ｃと切削すくい面２ａ、２ｂと２ｃ
は、成分切削縁に沿った対応位置において、逃げ角及び
切削すくい角が等しい如く、相互に関して配置される。
こうして、例えば、各成分切削縁の中点において、これ
らの角度条件が満たされる。こうして、成分逃げ面は、
相互と平坦下方成分逃げ面４ｄに関して角度を形成して
配置される。 【００２０】代替的に、再び先行明細書において記載さ
れた如く、各成分切削縁と逃げ面４ａ、４ｂ、４ｃと２
ａ、２ｂ、２ｃは、特定成分切削縁の全長に沿って、逃
げ角と切削すくい角が、ほぼ不変であることを保証する
ように湾曲される。これらの湾曲が保証される特定モー
ドは、同時係属米国特許第５、０５２、８６３号、第
５、０７１、２９２号と第５、０７８、５５０号におい
て記載される。 【００２１】インサート１の基部３にほぼ平行な前及び
後成分切削縁５ａと５ｃは、工具に装着された時、比較
的高い正の軸すくい角を提示し、そしてこれは、非常に
公知な如く、インサートがワークピースに入出する領域
に対して好都合である。一方、中間成分切削縁５ｂは、
工具に装着された時、極めて小さな（負でもある）軸す
くい角を提示する。 【００２２】示された如く、中間成分切削縁５ｂは、隣
接成分切削縁５ａと５ｃの各々よりもずっと大きな長さ
である（好ましくは、成分切削縁５ｂの長さは、成分切
削縁５ａと５ｃの長さの合計に等しい。）さらに、中間
成分切削縁５ｂは、ボア１ａとほぼ同延であり、その長
さは、このため、好ましくは、少なくともｄに等しい。
このため、ボア１ａを含み、このため潜在的にインサー
ト１の最脆弱領域であるインサートの中央領域は、縮小
又は負軸すくい角の関連切削縁５ｃを有することによ
り、不当な破壊応力から保護されることになる。 【００２３】前及び後成分切削縁５ａと５ｃは、必ずし
も、相互又はインサートの基部に平行である必要はない
ことが認められる。必要なことは、中間切削縁５ｂが、
前及び後成分切削縁５ａと５ｂよりも、軸すくい角がず
っと小さいことである。同様に、中間切削縁５ｂの長さ
は、必ずしも、成分切削縁５ａと５ｂの結合長に等しい
必要はない。必要なことは、（ボア１ａとほぼ同延であ
る）成分切削縁５の長さが、成分切削縁５ａと５ｃの各
々の長さよりも実質的に大きいことである。 【００２４】本発明は、平行六面体形状、すなわち、４
辺と関連切削縁を有するフライス削りインサートを参照
して具体的に記載されたが、本発明は、例えば、三角形
の如く、他の形状の切削インサートに等しく適用できる
ことが、容易に認められる。同様に、インサートは、成
分切削縁がインサートの一対の対向辺において形成され
る、長円矩形状のインサートの如く使用される。 【００２５】本発明の主なる特徴及び態様は以下のとお
りである。 【００２６】 １．回転軸を有し、円筒状ホルダーと該
円筒状ホルダーに設置された少なくとも１つの切削イン
サートとを具備し、該切削インサートが、平行六面体で
あり、上方すくい面と基部面とを有し、一対の平行な主
切削縁と主切削縁に関して横に向けられた一対の平行な
副切削縁とを有し、各主切削縁は、隣接すくい面と逃げ
面の間に規定され、各逃げ面は、該基部面と共に基部縁
を規定し、各主切削縁が、第１、第２及び第３連続成分
切削縁を具備し、各成分切削縁は、それぞれの前端と後
端を有し、一成分切削縁の後端は、中間縁を介して続く
成分切削縁の前端と併合し、該中間縁は、該一成分切削
縁の該後端から該基部縁の方に指向され、一成分縁の後
端を通過する回転式フライス工具の上記回転軸への各法
線は、フライス削り作業中、連続成分切削縁が重なり合
う如く、連続成分切削縁に交差している回転式フライス
工具において、該切削インサートが、中央に配置された
締め付け用ボアを有し、各第２成分切削縁が、該ボアと
同延であり、該第１及び第３成分切削縁の各々の長さよ
りも長く、回転式フライス工具の上記回転軸に関して該
第１及び第３成分切削縁によってそれぞれ規定した軸す
くい角よりも小さい軸すくい角を上記回転軸に関して規
定していることを特徴とする回転式フライス工具。 【００２７】 ２．成分切削縁（５ａ、５ｂ、５ｃ）
が、連続成分逃げ面（４ａ、４ｂ、４ｃ）の対応位置に
おいてフライス工具に関して規定されたインサート側部
逃げ角が、ほぼ等しい如く相互の方に指向された成分逃
げ面（４ａ、４ｂ、４ｃ）にそれぞれ関連することを特
徴とする上記１に記載の回転式フライス工具。 【００２８】 ３．該逃げ面（４）が、該成分逃げ面
（４ａ、４ｂ、４ｃ）を含む上方部分（４ａ、４ｂ、４
ｃ）とほぼ平坦な下方部分（４ｄ）を具備することを特
徴とする上記２に記載の回転式フライス工具。 【００２９】 ４．成分切削縁（５ａ、５ｂ、５ｃ）
が、連続成分すくい面の対応位置においてフライス工具
に関して規定されたインサート切削すくい角が、ほぼ等
しい如く、相互の方に指向された成分切削すくい面（２
ａ、２ｂ、２ｃ）にそれぞれ関連することを特徴とする
上記１、２又は３のいずれか一つに記載の回転式フライ
ス工具。 【００３０】 ５．各成分逃げ面（４ａ、４ｂ、４ｃ）
と切削すくい面（２ａ、２ｂ、２ｃ）が、カッター工具
に関して規定されたインサートすくい角と逃げ角が、成
分切削縁（５ａ、５ｂ、５ｃ）の長さに沿ってほぼ不変
である如く連続的に湾曲されることを特徴とする上記４
に記載の回転式フライス工具。
削インサートを具備する一つ以上の周凹部が形成された
保持器を具備する回転式フライス工具に関し、周凹部に
は対応数のインサートがそれぞれ取外し可能に装着さ
れ、各凹部は各インサートの前方において削りくず空間
を形成する。 【０００２】 【従来技術及びその課題】フライス切削作業中、切削縁
の長さは、フライスとワークピースにおいて誘導された
振動と切削作業を実施する際のエネルギー必要条件に直
接に関係することが公知である。これらの振動は、いわ
ゆる「チャタリング」を生じさせる。言い換えれば、
「チャタリング」は、切削縁の長さの増大により増大す
る傾向がある。 【０００３】振動と結果のチャタリングは、形成された
切りくずにより、切削インサートと特に切削すくい面に
及ぼされた力から生じ、切りくずの幅が大きくなるほ
ど、及ぼされる力は大きくなる。これらの振動と「チャ
タリング」を減少させるために、比較的短い切削縁の切
削インサートを有するフライスを使用することが公知で
あり、インサートは、連続切削インサートの切削縁の切
削パスが重なり合う如く、工具保持器と相互に関して方
向付けられる。このようにして、各比較的短い切削縁
は、比較的狭い幅の切りくずを生じさせ、連続切削イン
サートの切削縁の間の重なりは、比較的滑らかなフライ
ス削りが達成されることを保証する。 【０００４】しかし、実際に、この提案は、有効である
ことが見いだされず、工具保持器において、ないしは関
して、正しく設計された切削インサートの注意深い予備
的な方向付けを必要とする。 【０００５】ヨーロッパ特許出願Ｎｏ．０ ４８０ ５
７６（以後「先行明細書））において、フライスで使用
される新規の改良切削インサートが開示され、このイン
サートは、それ自体、フライス工具の使用において「チ
ャタリング」の縮小という所望の目的を達成することが
できる。先行明細書における開示は、ここに取り入れら
れ、以後参照される。 【０００６】こうして、先行明細書における開示によ
り、回転式フライス工具で使用される切削インサートが
設けられ、切削すくい面と逃げ面の間に切削縁を規定
し、該逃げ面と基部面の間に基部縁を規定している。切
削縁は、複数の連続成分切削縁と、連続成分切削縁の間
にそれぞれ位置する中間縁とを具備する。各成分切削縁
は、それぞれの前端と後端を有する。一成分切削縁の後
端は、中間縁を介して続く成分切削縁の前端と併合し、
中間縁は、一成分切削縁の該後端から基部縁の方に指向
される。一成分切削縁の後端を通過するカッター工具の
回転軸への各法線は、フライス削り作業中、連続成分切
削縁が重なり合う如く、連続成分切削縁に交差する。 【０００７】そのような切削インサートでは、成分切削
縁が非常に短いことを考慮すると、これらの短い切削縁
によって形成された切りくずによって切削インサートに
及ぼされた合力は、比較的小さく、結果として、発生す
る「チャタリング」の程度は、最小となる。こうして、
隣接連続成分切削縁の重なり程度による成分切削縁の相
対配置を考慮すると、比較的狭幅の有効に分離された切
りくずが形成されることが保証される。 【０００８】そのような切削インサートでは、成分切削
縁の特定分布、すなわち、インサートが工具に装着され
た時の相対長と軸すくい角は、インサートの強度に直接
に関係することが見いだされた。これは、インサート
が、しばしば行われるように、脆弱ゾーンをインサート
に必ず導入する中央配置締め付け用ボアを形成される場
合に、特に言えることである。 【０００９】インサートの機械的強度が強化される新規
の改良切削インサートを設けることが、本発明の目的で
ある。 【００１０】 【課題を解決するための手段】本発明により、回転式フ
ライス工具で使用され、上方すくい面と締め付け用ボア
を中央に配置した基部面とを有し、一対の略平行な主切
削縁と主切削縁に関して横に向けられた一対の略平行な
小切削縁とを有し、各主切削縁は、隣接すくい面と逃げ
面の間に規定され、各逃げ面は、該基部面により基部縁
を規定する略平行六面体形状の切削インサートにおい
て、各主切削縁が、第１、第２及び第３連続成分切削縁
を具備し、各第２成分切削縁は、該ボアとほぼ同延であ
り、該第１及び第２成分切削縁の各々の長さよりも実質
的により長く、カッター工具の回転軸に関して該第１及
び第３成分切削縁によってそれぞれ規定した軸すくい角
よりも実質的に小さい軸すくい角を該回転軸に関して規
定し、この場合各成分切削縁は、それぞれの前端と後端
を有し、一成分切削縁の後端は、中間縁を介して続く成
分切削縁の前端と併合し、該中間縁は、該一成分切削縁
の該後端から該基部縁の方に指向され、一成分縁の後端
を通過するカッター工具の該回転軸への各法線は、フラ
イス削り作業中、連続成分切削縁が重なり合う如く連続
成分切削縁に交差する改良が設けられる。 【００１１】発明によるインサートの３つの連続成分切
削縁の相対長と軸すくい角の特定の選択のために、位置
決めボアの領域においてインサートの機械的強度が強化
されることが保証される。 【００１２】好ましくは、それぞれの成分切削縁に関連
した切削すくい面、逃げ面とランド面は、それぞれの成
分縁に沿った対応位置において、インサートすくい角と
逃げ角が、カッター工具に関して規定されたランド角と
ともに、ほぼ等しい如く方向付けられる。 【００１３】回転式フライスで使用される、発明による
超硬合金切削インサートの一実施態様は、添付の図面を
参照して、実施例により以下に記載される。 【００１４】 【実施例】図面に示された如く、略矩形の平行六面体形
状のインサート１には、上方すくい面２と平基部面３を
形成してあり、直径ｄの中央締め付け用ボア１ａを設け
てある。インサートには、先行特許明細書に関して概略
を記載され示された如く、逃げ面４を設けてある。しか
し、本インサートの場合に、対向した主逃げ面と隣接切
削すくい面の対の間に、一対の切削縁５が規定してあ
り、各切削縁５は、成分切削すくい面にそれぞれ関連し
た３つの連続成分切削縁５ａ、５ｂと５ｃを具備する。 【００１５】先行明細書に記載された如く、前成分切削
縁５ａは、インサート１の基部３に向かって下方に傾斜
する中間切削縁６を介して連続成分切削縁５ｂとその終
端部において併合する。同様に、成分切削縁５ｂは、イ
ンサート１の基部３に向かって同様に下方に傾斜する中
間縁７を介して、連続切削縁５ｃと併合する。 【００１６】上記のインサートは、円筒保持器を有する
回転式フライスにおいて先行明細書の図面の図５に示さ
れた如く装着され、インサートは、その基部が、カッタ
ー工具の回転軸に関して正の軸すくい角αを提示する如
く装着される。 【００１７】図１及び図２に示したインサートにおい
て、成分切削縁５ａ及び５ｂは、フライス削り作業中に
有効に重なり合う。もちろん、これは先行明細書の図面
の図５を参照して説明したインサートに似ている。 【００１８】各逃げ面４は、３つの上方成分逃げ面４
ａ、４ｂと４ｃを具備し、それぞれ、それらと隣接成分
すくい面２ａ、２ｂと２ｃの間に成分切削縁５ａ、５ｂ
と５ｃを規定する。各逃げ面は、さらに、切削インサー
トの全長に沿っている平坦下方成分逃げ面４ｄを有す
る。 【００１９】さらに、先行明細書において記載された如
く、最適フライス削り条件を達成するために、成分逃げ
面４ａ、４ｂと４ｃと切削すくい面２ａ、２ｂと２ｃ
は、成分切削縁に沿った対応位置において、逃げ角及び
切削すくい角が等しい如く、相互に関して配置される。
こうして、例えば、各成分切削縁の中点において、これ
らの角度条件が満たされる。こうして、成分逃げ面は、
相互と平坦下方成分逃げ面４ｄに関して角度を形成して
配置される。 【００２０】代替的に、再び先行明細書において記載さ
れた如く、各成分切削縁と逃げ面４ａ、４ｂ、４ｃと２
ａ、２ｂ、２ｃは、特定成分切削縁の全長に沿って、逃
げ角と切削すくい角が、ほぼ不変であることを保証する
ように湾曲される。これらの湾曲が保証される特定モー
ドは、同時係属米国特許第５、０５２、８６３号、第
５、０７１、２９２号と第５、０７８、５５０号におい
て記載される。 【００２１】インサート１の基部３にほぼ平行な前及び
後成分切削縁５ａと５ｃは、工具に装着された時、比較
的高い正の軸すくい角を提示し、そしてこれは、非常に
公知な如く、インサートがワークピースに入出する領域
に対して好都合である。一方、中間成分切削縁５ｂは、
工具に装着された時、極めて小さな（負でもある）軸す
くい角を提示する。 【００２２】示された如く、中間成分切削縁５ｂは、隣
接成分切削縁５ａと５ｃの各々よりもずっと大きな長さ
である（好ましくは、成分切削縁５ｂの長さは、成分切
削縁５ａと５ｃの長さの合計に等しい。）さらに、中間
成分切削縁５ｂは、ボア１ａとほぼ同延であり、その長
さは、このため、好ましくは、少なくともｄに等しい。
このため、ボア１ａを含み、このため潜在的にインサー
ト１の最脆弱領域であるインサートの中央領域は、縮小
又は負軸すくい角の関連切削縁５ｃを有することによ
り、不当な破壊応力から保護されることになる。 【００２３】前及び後成分切削縁５ａと５ｃは、必ずし
も、相互又はインサートの基部に平行である必要はない
ことが認められる。必要なことは、中間切削縁５ｂが、
前及び後成分切削縁５ａと５ｂよりも、軸すくい角がず
っと小さいことである。同様に、中間切削縁５ｂの長さ
は、必ずしも、成分切削縁５ａと５ｂの結合長に等しい
必要はない。必要なことは、（ボア１ａとほぼ同延であ
る）成分切削縁５の長さが、成分切削縁５ａと５ｃの各
々の長さよりも実質的に大きいことである。 【００２４】本発明は、平行六面体形状、すなわち、４
辺と関連切削縁を有するフライス削りインサートを参照
して具体的に記載されたが、本発明は、例えば、三角形
の如く、他の形状の切削インサートに等しく適用できる
ことが、容易に認められる。同様に、インサートは、成
分切削縁がインサートの一対の対向辺において形成され
る、長円矩形状のインサートの如く使用される。 【００２５】本発明の主なる特徴及び態様は以下のとお
りである。 【００２６】 １．回転軸を有し、円筒状ホルダーと該
円筒状ホルダーに設置された少なくとも１つの切削イン
サートとを具備し、該切削インサートが、平行六面体で
あり、上方すくい面と基部面とを有し、一対の平行な主
切削縁と主切削縁に関して横に向けられた一対の平行な
副切削縁とを有し、各主切削縁は、隣接すくい面と逃げ
面の間に規定され、各逃げ面は、該基部面と共に基部縁
を規定し、各主切削縁が、第１、第２及び第３連続成分
切削縁を具備し、各成分切削縁は、それぞれの前端と後
端を有し、一成分切削縁の後端は、中間縁を介して続く
成分切削縁の前端と併合し、該中間縁は、該一成分切削
縁の該後端から該基部縁の方に指向され、一成分縁の後
端を通過する回転式フライス工具の上記回転軸への各法
線は、フライス削り作業中、連続成分切削縁が重なり合
う如く、連続成分切削縁に交差している回転式フライス
工具において、該切削インサートが、中央に配置された
締め付け用ボアを有し、各第２成分切削縁が、該ボアと
同延であり、該第１及び第３成分切削縁の各々の長さよ
りも長く、回転式フライス工具の上記回転軸に関して該
第１及び第３成分切削縁によってそれぞれ規定した軸す
くい角よりも小さい軸すくい角を上記回転軸に関して規
定していることを特徴とする回転式フライス工具。 【００２７】 ２．成分切削縁（５ａ、５ｂ、５ｃ）
が、連続成分逃げ面（４ａ、４ｂ、４ｃ）の対応位置に
おいてフライス工具に関して規定されたインサート側部
逃げ角が、ほぼ等しい如く相互の方に指向された成分逃
げ面（４ａ、４ｂ、４ｃ）にそれぞれ関連することを特
徴とする上記１に記載の回転式フライス工具。 【００２８】 ３．該逃げ面（４）が、該成分逃げ面
（４ａ、４ｂ、４ｃ）を含む上方部分（４ａ、４ｂ、４
ｃ）とほぼ平坦な下方部分（４ｄ）を具備することを特
徴とする上記２に記載の回転式フライス工具。 【００２９】 ４．成分切削縁（５ａ、５ｂ、５ｃ）
が、連続成分すくい面の対応位置においてフライス工具
に関して規定されたインサート切削すくい角が、ほぼ等
しい如く、相互の方に指向された成分切削すくい面（２
ａ、２ｂ、２ｃ）にそれぞれ関連することを特徴とする
上記１、２又は３のいずれか一つに記載の回転式フライ
ス工具。 【００３０】 ５．各成分逃げ面（４ａ、４ｂ、４ｃ）
と切削すくい面（２ａ、２ｂ、２ｃ）が、カッター工具
に関して規定されたインサートすくい角と逃げ角が、成
分切削縁（５ａ、５ｂ、５ｃ）の長さに沿ってほぼ不変
である如く連続的に湾曲されることを特徴とする上記４
に記載の回転式フライス工具。
【図面の簡単な説明】
【図１】発明による切削インサートの斜視図である。
【図２】図１に示されたインサートの側面図である。
【符号の説明】
１ インサート
１ａ ボア
２ 上方すくい面
３ 平基部面
４ 逃げ面
５ 切削縁
６ 中間切削縁
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平４−261707（ＪＰ，Ａ)
欧州特許出願公開480576（ＥＰ，Ａ
１)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B23C 5/20
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 回転軸を有し、円筒状ホルダーと該円筒
状ホルダーに設置された少なくとも１つの切削インサー
トとを具備し、 該切削インサートが、平行六面体であり、上方すくい面
と基部面とを有し、一対の平行な主切削縁と主切削縁に
関して横に向けられた一対の平行な副切削縁とを有し、
各主切削縁は、隣接すくい面と逃げ面の間に規定され、
各逃げ面は、該基部面と共に基部縁を規定し、 各主切削縁が、第１、第２及び第３連続成分切削縁を具
備し、 各成分切削縁は、それぞれの前端と後端を有し、一成分
切削縁の後端は、中間縁を介して続く成分切削縁の前端
と併合し、該中間縁は、該一成分切削縁の該後端から該
基部縁の方に指向され、一成分縁の後端を通過する回転
式フライス工具の上記回転軸への各法線は、フライス削
り作業中、連続成分切削縁が重なり合う如く、連続成分
切削縁に交差している回転式フライス工具において、 該切削インサートが、中央に配置された締め付け用ボア
を有し、 各第２成分切削縁が、該ボアと同延であり、該第１及び
第３成分切削縁の各々の長さよりも長く、回転式フライ
ス工具の上記回転軸に関して該第１及び第３成分切削縁
によってそれぞれ規定した軸すくい角よりも小さい軸す
くい角を上記回転軸に関して規定していることを特徴と
する回転式フライス工具。
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