JP3489112B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
車両用操舵制御装置Info
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Description
舵角と転舵輪の転舵角との間の伝達比を変化させる伝達
比可変機構を備えた車両用操舵制御装置に関する。
ハンドルの伝達比を変化させる伝達比可変機構を搭載し
た操舵機構が知られている。この伝達比可変機構は所定
のギア機構で構成され、このギア機構をアクチュエータ
で駆動することで、伝達比可変機構を介した入出力間の
伝達比、すなわち操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵
角との間の伝達比が変化する機構となっている。例えば
特開平10−236328号では、伝達比可変機構にお
ける出力軸の回転角が目標回転角に一致するように、ア
クチュエータの駆動制御を実施している。
の走行状態に応じて時々刻々と伝達比が設定され、設定
された伝達比をもとに、操舵ハンドルの操舵角に対応し
た転舵角となるように、転舵輪の転舵制御がなされる。
この際、伝達比がクイックに設定された状況下で急操舵
が行われ、その結果、伝達比可変機構のアクチュエータ
に追従遅れが生じると、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪
の転舵角との位相関係が崩れる位相偏差(N点ずれ)が
発生する。
目標回転角に一致するように制御されるため、このよう
に位相偏差が生じると、操舵が終了した後にも、この位
相偏差を補うようにアクチュエータの駆動制御が継続さ
れることになる。従って、操舵停止後にも、転舵輪の転
舵動作が残存し、運転者に操舵違和感を与えるおそれが
あった。
ンスイッチのオフ操作後に操舵ハンドルが操作された場
合にも生じ得る。
れたものであり、その目的は、操舵ハンドルの操舵角と
転舵輪の転舵角との間に位相偏差が発生した場合にも、
運転者に操舵違和感を与えることなく、位相偏差を修正
することができる車両用操舵制御装置を提供することに
ある。
操舵制御装置は、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵
角との間の伝達比を変化させ得る伝達比可変機構を備え
た車両用操舵制御装置であって、伝達可変機構を駆動す
るアクチュエータと、アクチュエータの動作制御を行う
制御手段とを備え、制御手段は、転舵角の目標値となる
転舵角目標値を仮設定して仮設定転舵角目標値を算出す
る目標値仮設定手段と、操舵ハンドルの中立位置と転舵
輪の中立位置とが異なる位相偏差が生じている場合に、
この位相偏差を残存させるように、仮設定転舵角目標値
を補正する第1補正量を設定する第1補正手段と、位相
偏差を低減させるように、第1補正量を減少させる第2
補正量を設定する第2補正手段と、仮設定転舵角目標値
と第2補正手段で減少させられた第1補正量との偏差に
基づいて、転舵角の目標値である転舵角目標値を設定す
る目標値設定手段と、転舵角目標値および転舵角の偏差
に基づいて、アクチュエータに対する主制御量を設定す
る制御量設定手段とを備えて構成する。
と、位相偏差を減少させる第2補正手段とを備えるの
で、位相偏差が生じた場合にも、どのような状況下で、
どの程度の修正処理を実行するかを、適宜設定すること
ができる。このため、運転者が操舵違和感を感じ難い状
況下で、位相偏差の修正処理を実施することが可能とな
る。
請求項1における車両用操舵制御装置において、第2補
正手段は、操舵ハンドルの操舵速度に基づき第2補正量
を設定する。
が小さいほど第2補正量を小さく設定し、操舵速度が速
いほど第2補正量をより大きく設定することで、操舵違
和感の発生が十分に抑制され、効率的に位相偏差を修正
できる。
請求項1における車両用操舵制御装置において、第2補
正手段は、位相偏差の大きさに基づき第2補正量を設定
する。
第2補正量が設定されるため、生じた位相偏差が大きい
場合にも、位相偏差が速やかに低減される。
請求項1における車両用操舵制御装置において、第2補
正手段は車速に基づき第2補正量を設定する。
度が高速になるほど第2補正量をより小さく設定するこ
とで、位相偏差の修正が高速走行中に行われた場合であ
っても、車両挙動の変化が十分に抑制される。
請求項2、3又は4における車両用操舵制御装置におい
て、第2補正量を設定する際の基になる値が所定値より
大となった場合に、第2補正手段の処理を制限する。
の変化がより大きく現れるため、例えば、車速が所定速
度を超えた場合に位相偏差の修正処理が中止されるよう
に、第2補正手段に制限を加え、車両挙動の安定性を確
保する。また、修正処理が急操舵時に実行されること
で、アクチュエータの追従遅れが一層増大する場合も起
こり得るため、例えば操舵速度が所定速度を超えた場合
に、位相偏差の修正処理が中止されるように第2補正手
段の処理に制限を加え、位相偏差の増大を抑制する。
第2補正量を設定する際の基になる値が所定値より小と
なった場合に、第2補正手段の処理を制限する。
定する場合を想定すると、位相偏差が小の場合に急操舵
が行われると、設定される第2補正量の大きさによって
は、残存する位相偏差が反転してしまう場合も起こり得
る。そこで、そのような現象が発生しないように、例え
ば位相偏差が所定の微少範囲内の場合には第2補正手段
の処理を中止するように制限を加える。また、例えば操
舵ハンドルの操舵角が小さい中立付近の場合には、第2
補正手段の処理を中止して、車両の直進性を確保する。
請求項1、2、3又は4における車両用操舵制御装置に
おいて、制御量設定手段で設定される主制御量は、アク
チュエータの作動位置を制御する制御量と、アクチュエ
ータの作動速度を制御する制御量とを含んでおり、第1
補正手段では、作動位置及び作動速度の各偏差を残存さ
せるように第1補正量を設定し、第2補正手段では、作
動位置及び作動速度の各偏差をそれぞれ低減させるよう
に第2補正値を設定する。
作動位置と作動速度とを制御している場合には、第1補
正手段及び第2補正手段において、それぞれ作動位置及
び作動速度に対する各補正量を設定することで、位相偏
差の修正処理を行った場合にも、制御系の安定性を維持
させることができる。
添付図面を参照して説明する。
置の構成を示す。
構30を介して連結されており、入力軸20には操舵ハ
ンドル10が連結されている。出力軸40は、ラックア
ンドピニオン式のギヤ装置50を介してラック軸51に
連結されており、ラック軸51の両側には転舵輪FW
1、FW2が連結されている。
操舵角となる入力角θhを検出する入力角センサ21を
設け、出力軸40には出力軸40の回転角となる出力角
θpを検出する出力角センサ41を設けている。この出
力軸40の回転角はラック軸51のストローク位置に対
応し、さらにラック軸51のストローク位置は転舵輪F
W1、FW2の転舵角に対応するため、出力角センサ4
1によって出力軸40の回転角を検出することで、転舵
輪FW1、FW2の転舵角を検出している。
の操作に対する転舵輪FW1,FW2の転舵動作を制御
する機構部となっており、入力軸20と出力軸40とを
連結するギヤ機構とこのギヤ機構を駆動するモータ31
とを備えている。そして、モータ31によってギヤ機構
を駆動することで、操舵ハンドル10の操舵角が転舵輪
FW1、FW2の転舵角として伝達される伝達比(入力
角θh/出力角θp)を変化させる機能を有する。
装置70によって実施され、操舵制御装置70は、入力
軸20に設けた入力角センサ21、出力軸40に設けた
出力角センサ41及び車両の速度を検出する車速センサ
71の各検出信号を基にモータ31に対して制御信号I
sを出力することで、伝達比可変機構30におけるモー
タ31の駆動制御を実施している。
理について、図2のフローチャートに沿って説明する。
チのオン操作によって起動する。まず、ステップ(以
下、ステップを「S」と記す。)102に進み、入力角
センサ21で検出された入力角θh、出力角センサ41
で検出された出力角θp、車速センサ71で検出された
車速Vをそれぞれ読み込む。
達比Gとの関係を示すマップから、S102で読み込ん
だ車速Vをもとにマップ検索し、車速Vに応じた伝達比
Gを設定する。
た入力角θh、S104で設定した伝達比Gをもとに、
出力角目標値θpm=(1/G)・θhを演算し、出力
角目標値θpmを仮設定する。
舵角と転舵輪FW1,FW2との転舵角との位相関係が
崩れて、操舵ハンドル10の中立位置と転舵輪FW1,
FW2の中立位置との間に偏差を生じている場合、この
位相偏差(N点ずれ)に対応した補正値を設定する。こ
こでは、前回のルーチンで設定された出力角目標値θpm
old(S120参照)と、今回のルーチンのS102で
読み込まれた出力角θpとの差(位相偏差)をΔθp=
θpmold−θpとして求め、このΔθpを第1補正値
(第1補正量)として設定する。
定される第2補正値S(第2補正量)を読み込む。な
お、具体的な設定処理については後に説明する。
出力角目標値θpm、S108で設定された第1補正値
Δθp、及びS110で読み込まれた第2補正値Sをも
とに、θpm−(Δθp−S)を演算し、その結果を新
たに出力角目標値θpmとして設定する。この処理によ
り、S106で設定された出力角目標値θpmが更新さ
れ、出力角目標値θpmが確定する。S112の演算式
を参照すると、第1補正値Δθpは、本来の出力角目標
値θpmをより小さく設定して、生じている位相偏差を
残存させるように作用し、また第2補正値Sは、そのよ
うに作用する第1補正値Δθpの値を減少させるように
作用する。
出力角目標値θpmと、出力角センサ41で検出された
出力角θpとの偏差eを、e=θpm−θpとして設定
する。
ことなく偏差eを0にするように、モータ31を制御す
る制御信号Isを決定する。この処理の一例としては、
Is=C(s)・eの演算式に基づいて、PID制御の
パラメータを適切に設定することにより制御信号Isを
決定することができる。なお、式中の「(s)」はラプラ
ス演算子である。
制御信号Isをモータ31に出力し、制御信号Isに応
じてモータ31を駆動する。
で設定した出力角目標値θpmをθpmoldとして設定
し、この値を記憶する。この結果は、次回のルーチンで
読み出される。
イッチ(IG)がオフ操作されたかを判断し、「No」
の場合にはS102に戻り、S122で「Yes」と判
断されるまで、前述したS102以降の処理が繰り返し
実行される。
について、図4のフローチャートに沿って説明する。
定される第1補正値Δθpが更新されたかを判断し、更
新された(S202で「Yes」)段階でS204に進
む。
p=0であるか、すなわち位相偏差が生じていないかを
判断する。この判断で「Yes」の場合には、S206
に進み、第2補正値S=0に設定する。
の値をF=0に設定し、位相偏差の修正処理が停止中で
あることを示す。
ち第1補正値Δθp≠0に設定され、位相偏差が生じて
いる場合には、S210に進み、修正中フラグFが位相
偏差の修正中を示すF=1に設定されているかを判断す
る。
設定されており、S210で「No」と判断されてS2
12に進む。
補正値|Δθp|が所定のしきい値Δθpthより大で
あるかを判断する。S108で設定された第1補正値|
Δθp|がしきい値Δθpth以下の場合には、S21
2で「No」と判断されて、先のS206、S208へ
進み、第2補正値S=0に設定されることになる。従っ
て、第1補正値|Δθp|がしきい値Δθpthを超え
るまで、第1補正値Δθpを減少させる第2補正値S=
0に設定されるため、生じた位相偏差が残存することに
なる。
蓄積されて増加し、S108で設定された第1補正値|
Δθp|がしきい値Δθpthより大となると、S21
2で「Yes」と判断されてS214に進み、修正中フ
ラグFをF=1に設定し、位相偏差の修正処理が実行中
であることを示す。
θh/Δtと補正値Sとの関係を示すマップから、操舵
速度Δθh/Δtをもとにマップ検索し、位相偏差とし
ての第1補正値|Δθp|を減少させるような第2補正
値Sの値が、操舵速度Δθh/Δtに応じて設定され
る。
0の回転方向)及び転舵方向(出力軸40の回転方向)
とも右方向を正とし、前回のルーチンで検出された入力
角θholdと今回のルーチンで検出された入力角θhと
の偏差を示し、Δθh=θh−θholdとする。また、
「Δt」は、このΔθh(=θh−θhold)を求めた
時間間隔となるサンプリングタイムを示す。
第2補正値Sに対し、所定のゲイン係数kを乗じた値
を、最終的に第2補正値Sとして設定し、このルーチン
を終了する。
Δθpが更新されると(S202で「Yes」)、S2
04に進み、位相偏差がまだ解消されていない場合に
は、第1補正値Δθp≠0であるため、「No」と判断
されてS210に進む。続いて、位相偏差の修正処理が
継続中であるため、この時点では修正中フラグF=1に
設定されており、S210で「Yes」と判断されてS
216以降の処理に進み、同様に操舵速度Δθh/Δ
t、ゲイン係数kに応じた第2補正値Sが設定される。
に位相偏差が減少するように推移し、S204で第1補
正値Δθp=0、すなわち位相偏差が解消したと判断さ
れると、先に説明したS206に進み、第2補正値S=
0に設定した後、S208において修正中フラグF=0
にリセットし、修正処理が終了したことを示す。
Δθh/Δtの絶対値が増加するほど、第2補正値Sの
絶対値が大きく設定され、また、操舵速度Δθh/Δt
=0となる保舵状態では、補正値S=0に設定される。
これにより、緩慢な操舵時には位相偏差の修正角も小さ
く、速い操舵ほどより大きく修正され、また、保舵状態
の場合には修正処理が中止される。このため、運転者に
与える操舵違和感を十分に抑制し、かつ、効率的に位相
偏差を修正することができる。
正値Sを設定することで、実際に位相偏差が修正される
状況を図6に示す。時刻t0では、出力角目標値θpmol
dと出力角θpとの間に位相偏差がδ1だけ生じてい
る。時刻t0〜t1の間は、入力角θhが一定で操舵速
度Δθh/Δt=0となる保舵状態であり、この間は第
1補正値Δθpがδθp=δ1、第2補正値SはS=0
にそれぞれ設定され、位相偏差δ1がそのまま残存する
ことになる。時刻t1で操舵が開始され、時刻t2で再
び保舵状態となるまでの間は、操舵速度Δθh/Δtに
応じた第2補正値Sが設定され、位相偏差δが次第に小
さくなる。そして、時刻t2で再び保舵状態となるた
め、時刻t2の時点で修正処理が一時中止され、再び操
舵が開始されるまで、この時点の位相偏差δ2が残存す
る。
で、操舵速度Δθh/Δtに応じて位相偏差が修正さ
れ、位相偏差が次第に解消される。
/Δtに比例するように第2補正値Sを設定したが、こ
の例に限定するものではない。
/Δtに応じて第2補正値Sを設定することもできる。
これは、操舵速度Δθh/Δtが増加すると、修正処理
も急激に行われるため、操舵速度Δθh/Δtがある程
度増加した領域M内では、第2補正値Sを上限値Smax
として一定の値に設定し、第2補正値Sの増加を抑える
ことで、過大な修正処理による操舵違和感の発生を抑え
ることができる。そして、操舵速度Δθh/Δtがより
速い領域Lに移行すると、通常の制御においてもモータ
31の動作速度が上昇するため、さらに位相偏差の修正
処理が加わることで、より一層の動作速度が要求される
場合も起こり得る。そこで、この領域Lでは操舵速度Δ
θh/Δtの増加に伴って、設定される第2補正値Sの
値を次第に低下させ、修正処理に起因して、位相偏差が
増大する事態を回避する。
h/Δt|が小さい領域では、操舵速度Δθh/Δtに
応じた第2補正値Sが「0」に設定されるいわゆる不感
帯Aを設けてもよい。これにより、操舵ハンドル10を
比較的ゆっくりと操舵するような状況下において、位相
偏差の修正処理に起因した車両挙動の変化を抑えること
ができる。また、この不感帯Aの幅も、フラッタ速度な
どの諸条件に応じて変化させても良い。
同様に、図9(a)、図9(b)に示すように、操舵速
度Δθh/Δtに応じて設定することもでき、その作用
は、前述した操舵速度Δθh/Δtに応じて第2補正値
Sを設定する場合と同様である。この場合、例えば、図
9(c)に示すように、第2補正値Sの値は、操舵速度
Δθh/Δt≠0の領域で、操舵の方向に応じた一定値
としても良い。
例えば図10(a)、(b)に示すように、生じている
位相偏差の大きさに応じて変化さても良い。図10
(a)に示すように、位相偏差となる第1補正値Δθp
が増加するに連れて、ゲイン係数kを増加させること
で、生じた位相偏差(第1補正値Δθp)が大きい場合
にも、位相偏差を速やかに低減させることができる。ま
た、図10(b)に示すように、位相偏差としての第1
補正値Δθpが小さい領域ではゲイン係数k=0に設定
し、位相偏差が微少な状況下で、急操舵などの影響で大
きく修正された場合に、位相偏差が反転して発生する事
態を防止する。
大きさに応じて変化させることもできる。例えば、図1
1(a)、(b)に示すマップをもとに設定すること
で、操舵角の中立位置付近となる入力角|θh|が小さ
い領域では、ゲイン係数kを乗じることで、図11
(a)のマップでは第2補正値Sがより小さな値に設定
され、図11(b)のマップでは第2補正値S=0に設
定される。これにより、車両の直進時には、位相偏差の
修正を十分に抑制して、車両の直進安定性を確保する。
に応じて変化させることもできる。例えば、図12
(a)に示すマップをもとに設定することで、高車速時
には第2補正値S=0に設定され、図12(b)に示す
マップをもとに設定することで、車速の増加と共に、第
2補正値Sがより小さな値に設定される。これは、高車
速になるほど修正処理に伴う車両挙動の変化がより大き
く現れることを考慮したものであり、このようにゲイン
係数kを設定することで、高車速時には、位相偏差の修
正処理に伴う車両挙動の変化を十分に抑制し、車両の安
定性を確保することができる。
対する制御信号Isを、Is=C(s)・eとして決定
する、位置偏差に基づく制御例を示したが、さらに位置
偏差と速度偏差とを考慮し、下記式をもとにモータ31
に対する制御信号Isを決定する場合にも適用すること
ができる。式中、「C1」は比例ゲイン、「C2」は微
分ゲインを示す。
上式の右辺第1項及び第2項の「e」に適用すること
で、前述した位相偏差の修正処理が、上式右辺第1項に
おける位置偏差に対する制御量に作用すると共に、同第
2項における速度偏差に対する制御量にも作用すること
となる。これにより、位相偏差の修正処理を行った場合
にも、制御系の安定性を維持することができる。
差の修正処理を実行した場合にも、操舵ハンドル10の
操舵方向と、転舵輪FW1、FW2の転舵方向とが一致
するように各マップが設計されているものとして説明し
たが、何らかの原因で不適な第2補正値Sが設定された
場合に対処すべく、S114とS116の間に、図13
に示す処理を実行することもできる。
Aでは、転舵輪FW1、FW2の転舵方向に対応する偏
差eの符号と、操舵ハンドル10の操舵方向を示すdθ
h/dtとの符号とを比較し、同符号であれば互いに同
じ方向に推移することになり、この場合には「Yes」
と判断されてそのままS116に進む。これに対し、S
115Aで「No」と判断された場合には、操舵ハンド
ル10と転舵輪FW1、FW1が互いに逆方向に推移す
る状況となってしまう。この場合には、S115Bに進
んで第2補正値S=0とし、今回のルーチンでは位相偏
差を修正しないこととする。すなわち、S114におけ
る偏差eを、第2補正値S=0として再度設定する。こ
のようなS115A、S115Bを付加することで、不
適な第2補正値Sが設定された場合に、位相偏差の修正
を中断することができ、次回のルーチン以降で再び位相
偏差の修正処理が継続される。
31の追従遅れなどの理由により、制御中に位相偏差が
発生した場合を想定して説明したが、このような位相偏
差はイグニションスイッチのオフ操作後に操舵ハンドル
10が操作された場合にも生じ得る。このような場合に
は、例えば、左右の転舵輪FW1、FW2の車輪速度の
差をもとに転舵輪FW1、FW2の実際の転舵角を推定
し、推定した転舵角と出力角θpとの差を位相偏差とし
て、前述した修正処理を実行すればよい。
車両用操舵制御装置によれば、位相偏差が生じている場
合に、この位相偏差を残存させるように第1補正量を設
定する第1補正手段と、この位相偏差を低減させる第2
補正量を設定する第2補正手段とを備える構成を採用し
た。従って、位相偏差が生じた場合にも、どのような状
況下で、どの程度の修正処理を実行するかを、適宜設定
することができ、このため、運転者が操舵違和感を感じ
難い状況下で位相偏差の修正処理を実施することが可能
となる。
を示すブロック図である。
ャートである。
ある。
である。
を規定したマップである。
る。
を規定したマップである。
を規定したマップである。
Δtとゲイン係数kとの関係を規定したマップ、(c)
は操舵速度Δθh/Δt第2補正値Sと規定したマップ
である。
p|とゲイン係数kとの関係を規定したマップである。
p|とゲイン係数kとの関係を規定したマップである。
数kとの関係を規定したマップである。
機構、31…モータ(アクチュエータ)、40…出力
軸、70…操舵制御装置。
Claims (7)
- 【請求項1】 操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角
との間の伝達比を変化させ得る伝達比可変機構を備えた
車両用操舵制御装置であって、 前記伝達可変機構を駆動するアクチュエータと、 前記アクチュエータの動作制御を行う制御手段とを備
え、 前記制御手段は、 前記転舵角の目標値となる転舵角目標値を仮設定する一
方、前記アクチュエータに対する主制御量を設定する制
御量設定手段と、 前記操舵ハンドルの中立位置と前記転舵輪の中立位置と
が異なる位相偏差が生じている場合に、この位相偏差を
残存させるように、前記仮設定された転舵角目標値を補
正する第1補正量を設定する第1補正手段と、 前記位相偏差を低減させるように、前記第1補正量を減
少させる第2補正量を設定する第2補正手段と、を備
え、 前記制御量設定手段は、 前記仮設定された転舵角目標値と前記第2補正手段で減
少させられた前記第1補正量との偏差に基づいて前記転
舵角の目標値となる転舵角目標値を算出し、算出された
転舵角目標値と前記転舵輪の転舵角との偏差に基づい
て、前記アクチュエータに対する主制御量を設定する、 ことを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 【請求項2】 前記第2補正手段は、操舵ハンドルの操
舵速度に基づき、前記第2補正量を設定する請求項1記
載の車両用操舵制御装置。 - 【請求項3】 前記第2補正手段は、前記位相偏差の大
きさに基づき、前記第2補正量を設定する請求項1記載
の車両用操舵制御装置。 - 【請求項4】 前記第2補正手段は、車速に基づき前記
第2補正量を設定する請求項1記載の車両用操舵制御装
置。 - 【請求項5】 前記第2補正量を設定する際の基になる
値が所定値より大となった場合に、前記第2補正手段の
処理を制限する請求項2,3又は4に記載の車両用操舵
制御装置。 - 【請求項6】 前記第2補正量を設定する際の基になる
値が所定値より小となった場合に、前記第2補正手段の
処理を制限する請求項2,3又は4に記載の車両用操舵
制御装置。 - 【請求項7】 前記制御量設定手段で設定される主制御
量は、前記アクチュエータの作動位置を制御する制御量
と、前記アクチュエータの作動速度を制御する制御量と
を含んでおり、 前記第1補正手段では、前記作動位置及び作動速度の各
偏差を残存させるように第1補正量を設定し、前記第2
補正手段では、前記作動位置及び作動速度の各偏差をそ
れぞれ低減させるように第2補正値を設定する請求項
1、2、3又は4記載の車両用操舵制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15825199A JP3489112B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 車両用操舵制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15825199A JP3489112B2 (ja) | 1999-06-04 | 1999-06-04 | 車両用操舵制御装置 |
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