JP3635940B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転舵輪を転舵駆動するアクチュエータの駆動制御を行うことで、操舵ハンドルの操作に応じて転舵輪を転舵させる操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵ハンドルに連結された操舵軸と、転舵輪を転舵させる転舵機構とを機械的に分離し、これらの連動制御を電気的に行う操舵制御装置が提案されている。例えば、特開平4−133860号では、図9に示す制御システムが開示されており、操舵ハンドル101の操作量をポテンショメータ102で検出し、その検出結果をもとに、転舵装置103によってロッド104を変位させて車輪105を転舵させる機構となっている。また、操舵ハンドル101はステアリングシャフト106を介してアクチュエータ107に連結されており、アクチュエータ107の駆動力により操舵反力が与えられる。この際、アクチュエータ107によって発生する操舵反力Tは、下記の(A)式に基づいて決定している。なお、下記式中、θは操舵角、M2、M1、M0は定数、Mcは操舵方向により符号の変化する定数である。
【0003】
T=M2・(d2θ/dt2)+M1・(dθ/dt)+M0・θ±Mc …(A)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来は、(A)式に基づいて操舵反力Tを設定しているが、この(A)式中、変化する状態量は操舵角θであり、操舵反力Tは操舵角θに応じて決定されている。従って、車両がスリップ傾向になりつつある状況や、オーバーステア傾向になりつつある状況など、車両の挙動限界付近においても、操舵角θに基づき、通常時と同様に操舵反力Tが設定される。
【0005】
そこで、本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、操舵反力を好適に制御することにより、車両の挙動限界付近での走行時における、車両挙動の安定性を維持し、操舵操作性を向上させる操舵制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の操舵制御装置は、操舵ハンドルの操作に応じて、転舵軸を駆動するアクチュエータの駆動制御を行うことで、転舵軸に連結された転舵輪の転舵制御を行う操舵制御装置であって、操舵ハンドルに操舵反力を付与する反力付与手段と、操舵状態に基づく第1制御量と、基準値を超える車両の挙動状態に基づく第2制御量とにより、反力付与手段に対する制御量を設定する制御量設定手段とを備え、制御量設定手段は、車両が横滑り傾向になりつつある程度を示すスピンバリューSvを算出し、当該算出したスピンバリューSvが所定値Svthを超えた場合に、制御量設定手段は反力付与手段に対する制御量Thを、操舵角θに基づき、所定のゲイン係数Kp、Kd、Kdd、及びKsを用いて、
Th=Kp・θ+Kd・dθ/dt+Kdd・d 2 θ/dt 2 +Ks・(Sv−Svth)
として算出し、スピンバリューSvが所定値Svth以下の場合に、制御量設定手段は反力付与手段に対する制御量Thを、
Th=Kp・θ+Kd・dθ/dt+Kdd・d 2 θ/dt 2
として算出する。
【0007】
なお、反力付与手段は、操舵ハンドルに連結された操舵軸と転舵軸とが機械的に分離された舵取り機構において操舵ハンドルに操舵反力を付与する手段の他、操舵軸と転舵軸とが機械的に連結された舵取り機構において操舵のアシスト力を発生する手段を含むものとする。
【0008】
所定の基準値を超えて車両の挙動状態が増加した場合、その基準値を超えた程度に応じて第2制御量が設定される。これにより、この分、操舵反力が増加して操舵が抑制されるように作用し、車両の挙動状態の変化が抑制される。
【0009】
また、車両の挙動状態は、車両の公転運動と自転運動とをもとに規定されることも好ましい。
【0010】
車体スリップ角や、車体スリップ角の変化状態を示す車体スリップ角速度は、直接検出することができないため、車両の公転運動と自転運動とをもとに推定する。そして、推定した車体スリップ角等をもとに、このときの車両の運動状態を規定する。規定した車両の挙動状態が所定の基準値を超えた場合には、基準値との偏差が僅かに生じた時点で、その偏差に応じて操舵反力が僅かに増加し、偏差の増加に伴って操舵反力が次第に増加する状態となり、操舵反力の急増が抑制される。
【0011】
また、車両の挙動状態は車両の旋回状態であることも好ましい。
【0012】
車両の旋回状態は、車両に作用するヨーレートや横加速度として直接検知することが可能である。検知した車両の挙動状態が所定の基準値を超えた場合には、基準値との偏差が僅かに生じた時点で、その偏差に応じて操舵反力が僅かに増加し、偏差の増加に伴って操舵反力が次第に増加する状態となり、操舵反力の急増が抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1に第1の実施形態にかかる操舵制御装置の構成を示す。この操舵制御装置は、運転者が操作する操舵機構10、車輪21を転舵させる転舵機構20、これら操舵機構10と転舵機構20との連動制御を電気的に行う制御装置30を備えて構成する。
【0015】
操舵機構10は、操舵反力を発生する反力モータ11を備えており、この反力モータ11の出力軸に操舵軸12を連結し、操舵軸12に対して操舵ハンドル13を連結している。また、操舵軸12には、操舵ハンドル13の操舵角を検出する操舵角センサ14を設けている。さらに、後述する制御装置30から出力された制御量Thが与えられる駆動回路15を備えており、駆動回路15は与えられた制御量Thに応じて反力モータ11を駆動させる。
【0016】
転舵機構20は、車輪21を転舵させる駆動源となる転舵モータ22を備えており、転舵モータ22によって、ラックハウジング23h内のラック軸23をその軸線方向に沿って変位駆動させる。ラック軸23の両側には、それぞれタイロッド24、ナックルアーム25を介して車輪21が連結されており、ラック軸23の変位量及び変位方向に応じて車輪21の転舵がなされる機構となっている。また、ラックハウジング23hに対して、ラック軸23のストローク位置を検出する位置センサ26の本体を固定し、その検出ロッド26aをラック軸23に接続しており、ラックハウジング23hに対するラック軸23の変位量からラック軸23のストローク位置を検出する。そして、ラック軸23のストローク位置が車輪21の転舵角に対応するため、位置センサ26によってラック軸23のストローク位置を検出することで、車輪21の転舵角を検知している。さらに、後述する制御装置30から出力された制御量Twが与えられる駆動回路27を備えており、駆動回路27は与えられた制御量Twに応じて転舵モータ22を駆動させる。
【0017】
制御装置30には、操舵角センサ14、位置センサ26の検出結果の他、車速を検出する車速センサ41、車両に作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサ42、車両に作用する横方向の加速度を検出する横加速度センサ43の検出結果が与えられ、これらの検出結果をもとに、反力モータ11及び転舵モータ22の駆動制御を実施している。
【0018】
ここで制御装置30で実施する転舵モータ22の制御処理について、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0019】
このフローチャートは、イグニションスイッチのオン操作によって起動する。まず、ステップ(以下、ステップを「S」と記す)102に進んで、操舵角センサ14で検出された操舵角θ、車速センサ41で検出された車速V及び位置センサ26で検出されたラック軸23の実ストローク位置Xrをそれぞれ読み込む。
【0020】
続く104では、S102で読み込んだ操舵角θと車速Vをもとに、車輪21の転舵制御の目標となる、ラック軸23の目標ストローク位置Xtを設定する。この際、制御装置30には、図3に示すように、操舵ハンドル13の操舵角θを車輪21の転舵角θwとして伝達する伝達比G(G=操舵角θ/転舵角θw)の値を、操舵角θと車速Vとに応じて規定した3次元マップを備えており、S102で読み込まれた操舵角θと車速Vから、図3のマップをもとに検索し、操舵角θ及び車速Vに応じた伝達比Gを設定する。そして、設定された伝達比Gと操舵角θとをもとに、(1/G)*θを演算し、その演算結果をラック軸23の目標ストローク位置Xtとして設定する。
【0021】
なお、前述したようにラック軸23のストローク位置は車輪21の転舵角に対応するため、「目標ストローク位置」は車輪21の「目標転舵角」と同義である。
【0022】
続くS106では、S102で読み込んだラック軸23の実ストローク位置Xrと、S104で設定したラック軸23の目標ストローク位置Xtとをもとに、転舵モータ22に対する制御量Twを、下記の(1)式に基づいて設定する。なお、(1)式中、Cp、Cd、Ciは、該当する制御量のゲインを示すゲイン係数である。
【0023】
Figure 0003635940
S106において、転舵モータ22に対する制御量Twが設定された後、S108に進み、S106で設定された制御量Twを駆動回路27に対して出力し、駆動回路27は制御量Twをもとに転舵モータ22を駆動する。
【0024】
このような処理を繰り返し実行することで、操舵ハンドル13の操舵角θ、車速Vに応じた車輪21の転舵制御が継続して実行される。
【0025】
次に制御装置30で実施する反力モータ11の制御処理について、図4のフローチャートに沿って説明する。
【0026】
このフローチャートは、イグニションスイッチのオン操作によって起動する。まず、S202に進んで、操舵角センサ14で検出された操舵角θ、車速センサ41で検出された車速V、ヨーレートセンサ42で検出されたヨーレートγ、横加速度センサ43で検出された横加速度Gyをそれぞれ読み込む。
【0027】
続くS204では、S202で読み込まれた各値をもとに、車体スリップ角速度dβ/dt、車体スリップ角βを求める。なお、車体スリップ角βは、車両の進行方向と実際の車両の向きとのなす角度である。
【0028】
まず、車体スリップ角βの変化状態を示す車体スリップ角速度dβ/dtは、ヨーレートセンサ42で直接検出される自転運動と、遠心力による横加速度として横加速度センサ43で検出される公転運動との差として求めることができる。自転運動としてのヨーレートγと公転運動としての横加速度Gyと車体スリップ角βの変化との間には、車速Vを用いて、下記の(2)式で示す関係が成り立つ。
【0029】
dβ/dt=(Gy/V)−γ …(2)
また、車体スリップ角βは、(2)式の両辺を積分することで求めることができ、ラプラス変換形式で示すと、下記の(3)式で示すようになる。なお、(3)式中、「s」はラプラス演算子、「To」は減衰の時定数である。
【0030】
Figure 0003635940
このように、S202で読み込んだ各値をもとに、(2)式、(3)式に基づいて、車体スリップ角速度dβ/dt、車体スリップ角βを求める。
【0031】
続くS206では、スピンバリューSvを演算する。このスピンバリューSvは、車両が横すべり傾向になりつつある程度を示す値であり、その値が大きいほど横すべり傾向が強い。ここでは、一例として、Sv=β+V・dβ/dtとして演算し、現在の走行状態に応じたスピンバリューSvを求める。
【0032】
続くS208では、S206で演算したスピンバリューSvが、予め定めた基準値Svth以下であるかを判断する。S208で「Yes」と判断された場合には、S210に進み、下記の(4)式をもとに、反力モータ11に対する制御量Thを設定する。なお、(4)式中、Kp、Kd、Kddは、該当する制御量のゲインを示すゲイン係数である。
【0033】
Th=Kp・θ+Kd・dθ/dt+Kdd・d2θ/dt2 …(4)
また、S208で「No」と判断された場合には、S212に進み、下記の(5)式をもとに、反力モータ11に対する制御量Thを設定する。なお、(5)式中、Ksはゲイン係数である。
【0034】
Figure 0003635940
(4)式、(5)式における右辺第1項、第2項及び第3項にかかる演算により、操舵角θに基づく操舵反力の制御量が設定される。第1項は操舵角θに応じた操舵反力を付与する項として作用し、第2項は操舵ハンドル13の振動を抑制する粘性項として作用し、第3項は反力モータ11の慣性モーメントの影響を抑制し、操舵ハンドル13の切り始めの操舵感を調節する慣性項として作用する。
【0035】
また、(5)式では、さらに右辺第4項を有しており、この項において、基準値Svthを超えたスピンバリューSvに基づいて、操舵反力の制御量が設定される。
【0036】
従って、スピンバリューSvが基準値Svth以下の場合には、S210において、(4)式をもとに操舵角θに基づく操舵反力の制御量が設定されるが、スピンバリューSvが基準値Svthよりも大の場合には、S212において、(4)式で設定される制御量に対し、(5)式右辺第4項で設定される制御量が付加されることになり、この分、制御量Thが増加することになる。
【0037】
このように、スピンバリューSvとして表される横すべり傾向が基準値Svthを超えた場合には、基準値Svthを超えたスピンバリューSvの分だけ、反力モータ11から発生される操舵反力が増加して、操舵ハンドル13の操舵量が抑制される傾向となり、この結果、スピンバリューSvが基準値Svth以下になるように、車両挙動を抑制することができる。
【0038】
また、基準値Svthとの偏差が僅かに生じた時点で、その偏差に応じて操舵反力が僅かに増加し、偏差の増加に伴って操舵反力が次第に増加する状態となり、スピンバリューSvの変化に起因した操舵反力の急増を抑制することができる。
【0039】
このようにして、S210又はS212において制御量Thを設定した後、S214に進み、設定された制御量Thを駆動回路15に対して出力し、駆動回路15は制御量Thをもとに反力モータ11を駆動する。
【0040】
このような処理を繰り返し実行することで、操舵ハンドル13に付与する操舵反力の制御が継続して実行される。
【0041】
以上説明した第1の実施形態では、スピンバリューSvを用いて車両の挙動状態を評価したが、この例に限定するものではなく、車両の公転運動と自転運動との関係をもとにした、他の評価法を採用することもできる。
【0042】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0043】
第1の実施形態では、車両の挙動状態を示す指標として、車両の公転運動と自転運動とをもとに規定されるスピンバリューSvを採用したが、ヨーレートセンサ42や横加速度センサ43で直接検出できるヨーレートや横加速度を指標とすることもできる。
【0044】
ここで、ヨーレートγを採用した場合における、反力モータ11の制御処理について、図5のフローチャートに沿って説明する。
【0045】
このフローチャートは、イグニションスイッチのオン操作によって起動する。まず、S302に進んで、操舵角センサ14で検出された操舵角θ、車速センサ41で検出された車速V、ヨーレートセンサ42で検出されたヨーレートγをそれぞれ読み込む。
【0046】
続くS304では、車両の走行状態を示す車速Vと操舵角θとの情報から、走行状態に応じたヨーレートの基準値γthを設定する。この設定に際しては、車速V及び操舵角θと基準値γthとの関係を規定した、車両の運動モデルに基づく関数Γ(θ、V)=k1・V・θ/(1+k2・V2)が用いられ(k1、k2は定数)、S302で読み込まれた操舵角θと車速Vから関数Γ(θ、V)を演算し、その演算結果を基準値γthとして設定する。なお、この場合、演算された基準値γthの値をそのまま設定しても良いが、例えば演算結果の110%、90%、80%など、演算結果に基づいて定めた所定値を基準値γthとして設定しても良い。
【0047】
続くS306では、S302で読み込んだ現在のヨーレートγが、S304で設定した基準値γth以下であるかを判断する。S306で「Yes」と判断された場合には、S308に進み、先の(4)式をもとに、反力モータ11に対する制御量Thを設定する。また、S306で「No」と判断された場合には、S310に進み、下記の(6)式をもとに、反力モータ11に対する制御量Thを設定する。なお、(6)式中、Kγはゲイン係数である。
【0048】
Figure 0003635940
そして、このようにS308又はS310において制御量Thを設定した後、S214に進み、設定された制御量Thを駆動回路15に対して出力し、反力モータ11を駆動する。
【0049】
このように、ヨーレートγが基準値γthを超えた場合には、(6)式において、基準値γthを超えたヨーレートγの分だけ、反力モータ11から発生される操舵反力が増加して、操舵ハンドル13の操舵量が抑制される傾向となる。この結果、車両に作用するヨーレートγが、基準値γth以下となるように、車両挙動を抑制することができる。また、ヨーレートγの変化に起因した操舵反力の急増を抑制することができる。
【0050】
また、ヨーレートγに代えて横加速度Gyを採用した場合にも、同様に、図6のフローチャートに沿って反力制御が実施される。図5との相違点を概略的に説明すると、S402において、ヨーレートγに代えて横加速度Gyを読み込み、S404では、横加速度の基準値Gythを、例えば車両の運動モデルに基づく関数g(θ、V)=k3・V2・θ/(1+k4・V2)を用いて演算し(k3、k4は定数)、その演算結果を横加速度の基準値Gythとして設定する。そして、S406では、検出された横加速度Gyと基準値Gythとを比較し、横加速度Gy>基準値Gythの場合には、S410において、下記の(7)式をもとに、反力モータに対する制御量Thを設定する。なお、(7)式中、Kgはゲイン係数である。
【0051】
Figure 0003635940
このように、横加速度Gyを採用した場合にも、(7)式において、基準値Gythを超えた横加速度Gyの分だけ、反力モータ11から発生される操舵反力が増加して、操舵ハンドル13の操舵量が抑制される傾向となる。この結果、車両に作用する横加速度Gyが、基準値Gyth以下となるように、車両挙動を抑制できると共に、横加速度Gyの変化に起因した操舵反力の急増を抑制できる。
【0052】
なお、説明した第2の実施形態において、実際に検出されるヨーレートγや横加速度Gyが、車両の運動モデルをもとに設定される基準値γthやGythよりも大きくなる状況は、車両状態が線形領域から非線形領域に移行しつつある状態であり、これは車両の限界状態であるため、この状況下において操舵反力を好適に制御し、非線形領域への移行を抑制するものである。
【0053】
以上説明した第2の実施形態で説明した、基準値γth、Gythは、さらに、車輪21と路面との間の摩擦状態を示す路面μを考慮し、路面μの値に応じた補正係数を基準値γth、Gythに乗じることで、基準値を補正することも可能である。この場合、この補正係数は、路面μの値が低いほど、小さな係数となるように設定する。これにより、路面μの値が低いほど、基準値γth、Gythがより小さな値に設定されるため、低μ路では、車両挙動をより一層抑制することができる。
【0054】
また、基準値γth、Gythは、車速Vと操舵角θとをもとに設定する例を説明したが、例えば、路面μの大きさをもとに固定値として設定することも可能であり、例えば路面μの大小に応じて、基準値γth、Gythの大きさを2段階に切り替えてもよい。
【0055】
次に第3の実施形態について説明する。
【0056】
第1及び第2の実施形態では、操舵機構10と転舵機構20とが機械的に分離された舵取り機構を例に説明したが、図7に概略的に示すように、操舵軸51と転舵軸52とがギヤボックス53を介して機械的に連結された舵取り機構において、操舵のアシスト力を発生するアシストモータ54を備えたパワーステアリング機構に適用することも可能である。
【0057】
この場合、制御装置50では、まず、アシストモータ54に対する駆動電流のうち、基準電流Ipsを設定する。この基準電流Ipsは、操舵トルクMtと車速Vとをもとに設定されるアシストモータ54の駆動電流である。例えば、図8に示すように、車速V及び操舵トルクMtに対する基準電流Ipsの関係が予めマップ化されており、トルクセンサ55で検出された操舵トルクMtと車速センサ56で検出された車速Vとに応じてマップ検索し、対応する基準電流Ipsを設定する。そして、例えば、横加速度Gyを例にすると、第2の実施形態と同様に、横加速度センサ57で検出された横加速度Gyが基準値Gythよりも大となった場合には、下記の(8)式をもとに、アシストモータ54に対する制御電流Imを設定する。
【0058】
Im=Ips−Kg・(Gy−Gyth) …(8)
(8)式より、基準値Gythを超えた横加速度Gyの分だけ、アシストモータ54で発生されるアシスト力が低下し、その分、操舵ハンドル58のハンドル操作が重くなり、操舵ハンドル58の操舵量が抑制される傾向となる。この結果、車両に作用する横加速度Gyが、基準値Gyth以下となるように、車両挙動を抑制できる。なお、ヨーレートγやスピンバリューSvを採用した場合にも同様であり、説明は省略する。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、各請求項にかかる操舵制御装置によれば、制御量設定手段において、操舵状態に基づく第1制御量に加えて、車両挙動が基準値を超えた程度に応じて第2制御量が設定されるので、第2制御量の分だけ、操舵反力が増加して操舵が抑制されるように作用し、この結果、車両挙動が抑制される。従って、車両の挙動限界付近での走行時における、車両挙動の安定性を維持し、また、操舵操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操舵制御装置の全体的な構成を示すブロック図である。
【図2】転舵モータの駆動制御を示すフローチャートである。
【図3】操舵角θ及び車速Vに応じた伝達比Gを設定するマップである。
【図4】反力モータの駆動制御を示すフローチャートである。
【図5】他の実施形態にかかる反力モータの駆動制御を示すフローチャートである。
【図6】他の実施形態にかかる反力モータの駆動制御を示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態にかかる操舵制御装置の全体的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】アシストモータに与える基準電流Ipsを、車速V及び操舵トルクMtに応じて規定したマップである。
【図9】従来の操舵制御装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10…操舵機構、11…反力モータ、14…操舵角センサ、20…転舵機構、
21…車輪(転舵輪)、22…転舵モータ(アクチュエータ)、
26…位置センサ、30…制御装置、41…車速センサ、
42…ヨーレートセンサ、43…横加速度センサ、54…アシストモータ、
55…トルクセンサ。

Claims (1)

  1. 操舵ハンドルの操作に応じて、転舵軸を駆動するアクチュエータの駆動制御を行うことで、前記転舵軸に連結された転舵輪の転舵制御を行う操舵制御装置であって、前記操舵ハンドルに操舵反力を付与する反力付与手段と、操舵状態に基づく第1制御量と、基準値を超える車両の挙動状態に基づく第2制御量とにより、前記反力付与手段に対する制御量を設定する制御量設定手段とを備え
    前記制御量設定手段は、車両が横滑り傾向になりつつある程度を示すスピンバリューSvを算出し、
    当該算出したスピンバリューSvが所定値Svthを超えた場合に、前記制御量設定手段は前記反力付与手段に対する制御量Thを、操舵角θに基づき、所定のゲイン係数Kp、Kd、Kdd、及びKsを用いて、
    Th=Kp・θ+Kd・dθ/dt+Kdd・d 2 θ/dt 2 +Ks・(Sv−Svth)
    として算出し、
    前記スピンバリューSvが前記所定値Svth以下の場合に、前記制御量設定手段は前記反力付与手段に対する制御量Thを、
    Th=Kp・θ+Kd・dθ/dt+Kdd・d 2 θ/dt 2
    として算出する、操舵制御装置。
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