JP3316536B2 - 多色緯入れ織機の緯入れ方法およびその装置 - Google Patents

多色緯入れ織機の緯入れ方法およびその装置

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JP3316536B2
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    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D51/00Driving, starting, or stopping arrangements; Automatic stop motions
    • D03D51/12Driving, starting, or stopping arrangements; Automatic stop motions for adjusting speed

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  • Textile Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、選択して緯入れ
される緯糸に対応して織機回転数を変更する多色緯入れ
織機において、回転数変更過渡期における緯入れをより
確実にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、多色緯入れ織機で、飛走しやす
い緯糸と飛走しにくい緯糸とを緯入れする場合には、よ
り織布の生産性を高めるために、それぞれの緯糸飛走特
性に合わせた織機回転数のもとで織機運転することが行
われている。具体的には、飛走しやすい緯糸の緯入れは
高い回転数で、飛走しにくい緯糸の緯入れはより長い飛
走時間が必要なことから、飛走しやすい緯糸時の回転数
よりも低い回転数で製織する。例えば特開平5−789
55号によれば、緯糸種別に対応して織機の許容最高回
転数を、緯入れ1循環サイクル(1リピート)における
緯入れ順番である緯入れピック番号ごとに記憶させてお
き、織機1回転毎に緯入れピック番号に対応する許容最
高回転数を出力し、その回転数になるように織機モータ
を駆動することにより上記実現することを開示する。
【0003】このような織機回転数の変更に並行して緯
入れを安定させる技術に、例えば特開昭62−1250
47号や実開昭63−149979号がある。これら
は、緯入れ制御装置に予め織機回転数信号に対応して緯
入れ条件すなわちノズルの噴射タイミングや噴射圧力を
多数設定しておき、織機運転中は、検出された織機回転
数信号に対応する緯入れ条件を前記設定緯入れ条件から
選択し、この選択された緯入れ条件により緯入れするこ
とを開示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記技術は有
効であるが、緯入れ期間中に急速に回転数が変化する場
合には、やはりその緯入れ期間に対応する最適な緯入れ
条件が設定されないことに起因して緯入れミスにより織
機停台するという問題があった。なぜなら、織機回転数
信号の検出により回転数の変更に対応する緯入れ条件は
一応設定されたとしても、設定後も回転数が大きく変化
するため、実際に緯入れされるときの織機回転数と緯入
れ条件設定時の織機回転数との間に大きな齟齬が生じ、
実際には最適な緯入れ条件で緯入れすることができない
のである。このため、織機回転数変更中にも最適な緯入
れ条件で緯入れを行うには、回転数の変更を緯入れミス
の生じない範囲におさめる必要があり、回転数の変更
を、結局緩やかにしか行えないため織布の生産性が向上
しないという問題があった。
【0005】本発明は、このような問題に鑑み、選択さ
れた緯糸に対応して織機回転数を急激に変更する多色緯
入れ織機においても、確実に選択緯糸を緯入れすること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、選
択される緯糸に対応して織機の回転数を変更する多色緯
入れ織機において、前記回転数変更中の緯入れ可能期間
における回転数の変化パターンと前記選択緯糸とに対応
して緯入れ条件を予め設定しておき、前記回転数変更中
の緯入れに際して、前記設定緯入れ条件のうち対応する
緯入れ条件を選択し、選択緯糸を緯入れすることをこの
発明の第1の要旨とする。
【0007】さらに、前記第1の要旨を実現する手段と
して、織機1回転する毎に緯入れピック番号をカウント
し、このピック番号に対応する緯糸選択信号ならびに回
転数選択信号を出力する選択信号発生手段と、前記回転
数選択信号の入力に対応して予め設定された複数の回転
数パターンのうちいずれかを選択し、その選択された回
転数パターンに基づき織機を駆動する駆動手段と、前記
緯糸選択信号に対応する緯糸を緯入れする緯入れ制御手
段とを備えた多色緯入れ織機の緯入れ装置において、前
記緯入れ制御手段は、回転数変更中の緯入れ可能期間に
おける回転数の変化パターンと前記選択緯糸とに対応す
る緯入れ条件を設定する緯入れ条件設定器を備えるとと
もに、これら緯入れ条件を緯糸選択信号と回転数選択信
号とに対応して記憶し、回転数選択信号ならびに緯糸選
択信号が入力されるとそれら信号に対応する緯入れ条件
を選択し、回転数変更中の緯入れ可能期間には、前記選
択された緯入れ条件に基づき選択緯糸を緯入れすること
を本発明の第2の要旨とする。
【0008】ここで、緯入れ可能期間とは、主軸クラン
ク角度を尺度とし、経糸開口が形成されて緯入れノズル
噴射による緯入れが物理的に可能になる区間とすること
ができ、本発明では、回転数変更中の緯入れに際して、
前記した緯入れ可能期間における織機回転数の変化パタ
ーンと選択緯糸とに対応して緯入れ条件が設定される。
【0009】緯入れ可能期間における回転数の変化パタ
ーンと選択緯糸とに対応して設定される緯入れ条件とし
て、緯入れノズルの流体噴射タイミング、流体噴射圧力
および測長装置の緯糸解舒タイミングのうち少なくとも
いずれか1つを含む。好ましくは、前記緯入れ条件設定
器に設定する緯入れ条件は、これまでの経験により得ら
れた緯入れ条件であっても良いし、緯入れ制御手段に緯
糸飛走路にて緯糸を検知する緯糸フィーラからの緯糸検
知信号を入力し、緯入れ制御手段は、前記選択された緯
入れ条件に対する緯糸到達時期を前記入力信号により検
知し、次回選択時の緯入れ条件を予め設定されている目
標値との偏差に基づいて補正するようにしてもよい。
【0010】
【作用】本発明の第1の要旨によれば、織機回転数変更
中の緯入れは、この回転数変更中の緯入れ可能期間にお
ける回転数の変化パターンと選択される緯糸とに対応し
て予め設定される緯入れ条件で行うことができる。つま
り、急激に回転数が変更される場合においても、後追い
で設定値が設定されるいわゆる後追い制御ではなく、緯
入れ条件を緯入れ可能期間における回転数の変化パター
ンを考慮して最適な緯入れ条件を設定することができる
から、確実に選択した緯糸を緯入れすることができ、従
来のように緯入れミスによる停台が発生せず、織布の生
産性をより向上させることができる。
【0011】本発明の第2の要旨によれば、前記第1の
要旨をより具体的に実現することができる。具体的に
は、緯入れ条件設定器に設定する緯入れ条件として、緯
入れノズルの流体噴射タイミング、流体噴射圧力および
測長装置の緯糸解舒タイミングのうち少なくともいずれ
か1つが考えられる。この緯入れ条件は、これまでの経
験により得られた緯入れ条件とすれば、織物品種の変更
に対応して速やかに緯入れ条件を設定することが可能で
ある。さらに好ましくは、緯入れ制御手段に緯糸飛走路
にて緯糸を検知する緯糸フィーラからの緯糸検知信号を
入力し、回転数変更中の緯入れ可能期間において緯入れ
制御手段は、選択された緯入れ条件に対する緯糸到達時
期を緯糸検知信号の入力により検知し、次回選択時の緯
入れ条件を予め設定されている目標値との偏差に基づい
て補正するように構成すれば、選択される緯入れ条件を
製織の進行にともない最適値に近づけることが可能にな
り、より確実に緯入れできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図1には、緯糸の切替りに対応し
て織機回転数を変更する多色緯入れ織機であるエアージ
ェット織機の緯入れ装置を示す。織機10は、緯糸11
を供給する給糸体12、測長ドラム13、これに付設さ
れる係止ピン14を有し、さらには緯糸11を空気噴射
により緯入れするメインノズル15、および緯糸飛走路
途中に配置され、飛走する緯糸11を空気噴射により加
勢する複数のサブノズル16とを備えている。
【0013】メインノズル15は、電磁開閉弁22、図
示しないエアータンクを経由して例えば電空比例弁など
で構成される調圧装置24に接続される。また、緯糸飛
走路内の各サブノズル16は、緯入れ方向に向かってそ
れぞれグループ分けされており、その各グループ毎に電
磁開閉弁22、図示しないエアータンクを経由して対応
する調圧装置24にそれぞれ接続される。各調圧装置2
4..24は、共通の流体供給源25に接続される。な
お、織機10の主軸17には、図示しない経糸開口装
置、筬19、給糸カッタ18などの織機各装置や、後述
するモータ48,ブレーキ50が連結されている。
【0014】測長ドラム13には、緯糸11が所定回数
巻き付けられ、進出状態にある係止ピン14により係止
されている。その後経糸開口時には、係止ピン14が退
避状態となって緯糸11は解舒可能な状態にされる一
方、メインノズル15ならびに各サブノズル16・・16
などの緯入れノズルがリレー噴射されて緯入れされる。
緯糸11が所定巻数解舒されると、係止ピン14は進出
状態となって緯糸11はそれに係止され、緯入れが図示
のように完了する。やがて緯入れされた緯糸11は、筬
19により筬打ちされ、給糸カッタ18により切断され
る。このようにして、緯糸11は順に織り込まれてい
く。なお、織機1回転毎に予め設定された緯入れパター
ンにしたがって緯糸を選択し緯入れする多色緯入れ織機
では、測長ドラム13〜係止ピン14などの測長部材、
ならびにメインノズル15やこの噴射を制御する電磁開
閉弁22および調圧装置24は、本来緯糸ごとに設けら
れるが、便宜上図示を省略してある。また、緯糸飛走路
には、筬19に対向して緯糸フィーラ26が配置されて
おり、緯糸11を検知すると信号を出力する。
【0015】図2に、本発明の緯入れ装置の制御ブロッ
ク図を示す。織機を制御する織機制御装置30は、選択
信号発生手段32、モータを介して織機を駆動する駆動
手段40、および織機の回転に対応して測長部材や緯入
れノズルを制御する緯入れ制御手段60よりなる。な
お、主軸17には、織機のクランク角度を検出するエン
コーダ20が連結されており、エンコーダ20は、織機
のクランク角度信号θを発生し、この信号を緯入れ制御
手段60に供給する。
【0016】選択信号発生手段32は、ドグ28、近接
センサ34、歩進信号発生器36、選択指令設定器3
7、および選択信号発生器38よりなる。主軸17に連
結されたドグ28の回転周面に対向して、2つの近接セ
ンサ34..34が配置されており、各近接センサ34
は、ドグ28の検出信号を歩進信号発生器36に送り込
む。2つの近接センサ34は互いに離間して配置される
ため、2つの信号は位相差をもって歩進信号発生器36
に入力される。歩進信号発生器36は、これら検出信号
に基づき主軸17の回転方向を判別し、1回転する毎に
回転方向が正転ならステップ前進信号SP1を、また逆転
方向ならステップ後退信号SP2を選択信号発生器38に
送り込む。
【0017】選択指令設定器37には、緯入れ1循環サ
イクルにおける緯入れ順番を示す緯入れピック番号に対
応して各種選択指令を設定することができ、選択信号発
生器38にこの設定された選択指令を送り込むことがで
きる。選択信号発生器38は、2つのステップ信号SP1
およびSP2に基づき、緯入れピック番号を正逆方向にカ
ウントする一方、カウントされた緯入れピック番号に対
応する前記選択指令に基づき、各種選択信号を出力す
る。なお、選択信号発生器38がカウントする緯入れピ
ック番号は、主軸が正転すると、主軸の1回転ごとに入
力されるステップ前進信号SP1により1ずつ加算される
が、緯入れ1循環サイクルを構成する緯入れピック数を
越えると1にリセットされる。また、主軸が逆転する
と、緯入れピック番号は、主軸の1回転ごとに入力され
るステップ後退信号SP2により1ずつ減算されるが、緯
入れピック番号が0になると、緯入れ1循環サイクルを
構成する緯入れピック数にリセットされる。
【0018】本実施例では、選択信号発生器38は、上
記した選択信号として、カウントした緯入れピック番号
に対応して緯糸選択信号CL1・・CLnを緯入れ制御手段60
に出力し、また、回転数選択信号RD1,RU1,RT1・・RTmを駆
動手段40ならびに緯入れ制御手段60に出力する。な
お、選択信号発生手段32は、織機上の既存の装置、例
えば開口装置の制御コントローラを使用して構成するこ
ともできる。より詳しくは、開口枠を電気的に選択可能
な開口装置、いわゆる電子ドビーや電子ジャカードなど
の開口装置が装着されていれば、その制御コントローラ
の選択信号出力機能を利用して、回転数選択信号や緯糸
選択信号を出力させればよい。
【0019】さて、この実施例においては、回転数選択
信号の入力に対応して選択する回転数パターンに基づき
織機を駆動する駆動手段40は、回転数設定器41、回
転数指令器42、インバータ装置44よりなる。回転数
設定器41には、織機の指令回転数がパターン状に複数
設定されており、それらを回転数指令器42に送り込
む。回転数指令器42は、これら回転数パターンを、モ
ータ48に対する速度指令パターンに換算し、これらパ
ターンを回転数選択信号RD1,RU1,RT1・・RTmに関連づけて
記憶する。従い、回転数指令器42は、回転数選択信号
入力に対応して選択した回転数パターンに基づき、イン
バータ装置44へモータ速度指令vを出力することがで
きる。インバータ装置44は、これら指令に基づき駆動
に必要な電力をモータ48に給電し駆動する。以上によ
り、回転数指令器42に設定された回転数パターンにな
るようにモータ48を介して織機を駆動することができ
る。なお、回転数を減速させるとき、インバータ装置に
よる減速効果が不充分な場合には、駆動手段40に付設
したブレーキ回路46を介して主軸に連結したブレーキ
50により織機の制動を補ってもよい。
【0020】緯入れ制御手段60は、主制御装置62、
タイミングコントローラ66および圧力コントローラ6
8からなり、さらに主制御装置62には、緯入れ条件設
定器64が接続されている。緯入れ条件設定器64に
は、緯入れ条件である前述の測長部材や緯入れノズルに
対する制御データ、すなわち織機クランク角度θに対応
して設定される係止ピン14の退避・進出タイミング、
メインノズル15やサブノズル16の噴射開始・噴射停
止タイミング、さらには各緯入れノズルに対する噴射圧
力が緯糸選択指令と回転数選択指令とに対応して設定さ
れており、これら設定緯入れ条件を主制御装置62に送
り込む。
【0021】主制御装置62は、前記設定器64からの
設定緯入れ条件を緯糸選択信号CL1,…CLnと回転数選択
信号RD1,RU1,RT1…RTmとに対応して設定・記憶する。そ
して、主制御装置62は、選択信号発生器38からの選
択信号により設定緯入れ条件を選択し、その選択緯入れ
条件に基づき、エンコーダ20からのクランク角度信号
θに対応して各緯入れ部材への動作指令をタイミングコ
ントローラ66ならびに圧力コントローラ68に送り込
む。図1に示すように、タイミングコントローラ66
は、その動作指令に基づき各係止ピン14ならびに各電
磁開閉弁22・・22に駆動信号を出力し、圧力コント
ローラ68は、各調圧装置24に圧力指令を出力する。
以上のようにして、緯入れ装置を構成する係止ピン14
ならびに各緯入れノズルは、緯入れ条件設定器64に設
定される緯入れ条件に基づき、それぞれ駆動される。な
お、主制御装置62は、例えばマイクロプロセッサや制
御に関する演算手順を記憶するメモリなどが組み込まれ
て構成されており、上記した緯入れ制御のみならず織機
の起動制御や経糸張力制御などを行うこともできる。
【0022】なお、上記選択指令設定器37には、緯糸
選択指令および回転数選択指令が緯入れ1ピック毎に緯
入れピック番号に対応して設定される。一方、回転数設
定器41には、選択指令設定器37からの回転数選択信
号に対応して回転数指令パターンがそれぞれ設定され
る。この回転数指令パターンは、選択期間、すなわち緯
入れ1ピックの期間にわたり、回転数を一定に維持する
パターン、ならびに時間の経過とともに回転数を上昇あ
るいは下降させるパターンが、緯糸の切替りに対応して
複数設定されており、回転数指令器42は、回転数選択
信号により選択された回転数パターンに基づき織機回転
数を変更することができる。他方、緯入れ条件設定器6
4には、選択指令設定器37からの緯糸選択指令と回転
数選択指令とに対応して緯入れ条件がそれぞれ設定さ
れ、主制御装置62は、緯糸選択信号と回転数選択信号
とにより選択された緯入れ条件で各緯入れ部材すなわち
各緯入れノズルおよび各測長部材をそれぞれ駆動し、緯
入れすることができる。
【0023】ここで、織物仕様に合せて、飛走特性の異
なる2種類の緯糸を、緯糸毎に所定ピック数単位で連続
して緯入れし、緯糸の切替りに対応して織機の回転数を
変更する場合を想定する。具体的には、飛走しやすい緯
糸aをiピック緯入れ後飛走しにくい緯糸bをkピック
緯入れし、その後再び飛走しやすい緯糸aをnピック緯
入れする場合を考え(ただし、iは2以上の整数、k,nは
1以上の整数とする)、さらに具体的には、緯糸aから
緯糸bに切り換わる1ピック手前より緯糸aに対する高
い回転数から緯糸bに対する低い回転数に向けて織機を
減速しつつ緯糸aを緯入れし、その緯糸bを対応する低
い回転数に維持しつつkピック緯入れした後、織機回転
数を1ピック間において緯糸aに対する回転数に向けて
加速しつつ緯糸aを緯入れする、緯入れ1循環サイクル
がi+k+nピックの例を考える。
【0024】そこで、選択指令設定器37には、緯糸選
択信号CL1,CL2出力のための選択指令および回転数選択
信号RD1,RU1,RT1,RT2出力のための選択指令が緯入れ1
ピック毎に緯入れピック番号1からピック番号i+k+nに
対応してパターン状に予め設定されている。選択信号発
生器38は、設定器37からの選択指令パターンを記憶
しており、カウントする緯入れピック番号に対応して、
図3に示すように各選択信号をそれぞれ出力する。な
お、設定器37の設定内容は、選択信号発生器38から
の各選択信号の出力信号波形を図3にそれぞれ示し、そ
の説明を省略する。
【0025】一方、回転数設定器41には、選択指令設
定器37に設定された回転数選択指令に対応する回転数
パターンがそれぞれ設定される。この回転数指令パター
ンは、選択期間すなわち緯入れ1ピック期間にわたり、
回転数を一定に維持する回転数パターン、ならびに緯糸
の切替りに対応して時間の経過とともに回転数を上昇あ
るいは下降させる回転数パターンが、それぞれ複数設定
可能である。具体的には、回転数設定器41には、この
緯入れ1ピック間の回転数パターンとして、飛走しやす
い緯糸aに対応して連続して高速運転するために高い回
転数VHを維持する回転数パターンPH1、飛走しにくい緯
糸bに対応して連続して低速運転するために低い回転数V
Lを維持する回転数パターンPL1、さらには緯糸aから緯
糸bの切替りに先立ち、高い回転数VHから低い回転数VL
に織機を減速させ移行させるための回転数パターンPD
1、および緯糸bからもとの緯糸aに切り替える際の低い
回転数VLから高い回転数VHに織機を加速させ移行させる
ための回転数パターンPU1がそれぞれ設定されており、
これらパターンを回転数指令器42に送り込む。そし
て、回転数指令器42は、これら回転数パターンを選択
信号発生器38からの回転数選択信号RT1,RT2,RD1,RU1
のそれぞれに対応させて記憶しており、回転数指令器4
2は、上記回転数選択信号の入力により選択された回転
数パターンに基づいて織機回転数を時間の経過に対応し
て変更することができる。
【0026】他方、緯入れ条件設定器64にも、回転数
選択指令と緯糸選択指令とに対応する緯入れ条件がそれ
ぞれ複数設定されており、主制御装置62は、これら緯
入れ条件を緯糸選択信号と回転数選択信号とに対応して
記憶している。なお、緯入れ条件の設定については後述
する。
【0027】織機運転中の上記構成による実際の動作を
図3を用いて説明する。なお、横軸は時間軸であり、縦
軸は各信号レベルを示しており、また0°信号は、筬打
ちタイミングである主軸クランク角度0°を通過するご
とに図示しない信号発生器よりLレベルに出力される信
号である。
【0028】例えば緯入れピック番号が1になると、選
択信号発生器38からは、飛走しやすい緯糸aを選択状
態にする信号、すなわち緯糸選択信号CL1をon出力する
とともに、織機回転を高速回転に選択状態にする信号、
すなわち回転数選択信号RT1をon出力する。回転数指令
器42は、回転数選択信号RT1がon状態であるため、対
応する回転数パターンすなわち高速回転数を一定に維持
する回転数パターンPH1を選択する。この回転数パター
ンにより速度指令vが出力され、織機の実回転数はVHに
維持される。
【0029】緯入れが進行し、緯糸aから緯糸bに切り換
わる1ピック手前、すなわち緯入れピック番号のカウン
トがiになると、選択信号発生器38は、選択指令設定
器38に緯入れピック番号に対応して設定されたパター
ンにより回転数選択信号RT1をoffにRD1をonに出力す
る。この回転数選択信号RD1により回転数指令器42
は、対応する回転数パターン、すなわち時間の経過とと
もに高速回転数VHから緯糸bに対応する低速回転数VLに
減速させる回転数パターンPD1を選択する。この回転数
パターンにより織機の実回転数は、図3に示すように、
この1ピック期間にわたって回転数VHからVLに次第に減
速される。
【0030】つぎに、先の減速される中で緯糸aが緯入
れされた後、選択信号発生器38は、緯入れピック番号
のカウントがi+1となり、緯糸aから緯糸bに切り換える
べく緯糸選択信号CL1をoffにCL2をon出力し、回転数選
択信号RD1をoffにRT2をonに出力する。このため、回転
数指令器42は、回転数選択信号RT2により、対応する
回転数パターンPL1を選択する。この回転数パターンに
より、織機の実回転数は常に低い回転数VLに維持され
る。
【0031】そしてピック数kの緯糸bを緯入れした
後、選択信号発生器38は、緯入れピック番号のカウン
トがi+k+1となり、選択緯糸を緯糸bからもとの緯糸aに
戻すべく、緯糸選択信号CL2をoffにCL1をonに出力し、
回転数選択信号RT2をoffにRU1をon出力にする。回転数
指令器42は、この選択信号RU1により、対応する回転
数パターンPU1を選択する。この回転数パターンによ
り、織機の実回転数をこの緯入れ1ピック期間にわた
り、図3に示すように、回転数VLからVHに次第に加速さ
れる。
【0032】そして加速するなかで緯糸aを緯入れした
後、選択信号発生器38は、緯入れピック番号がi+k+2
となり、回転数選択信号RU1をoffにRT1をonに出力す
る。回転数指令器42は、回転数選択信号RT1により、
対応する回転数パターンPH1を選択して、実回転数はVH
を維持する。以降、緯入れピック番号を順次カウントし
てゆき、選択緯糸により回転数を変更して選択緯糸を緯
入れし、やがて1緯入れ循環サイクルである1リピート
すなわちピック番号i+k+nの緯入れが終了すれば、緯入
れピック番号は初期値1にリセットされ、最初の状態に
戻り織機運転が継続される。
【0033】ところで、織機には緯入れ1ピック期間内
において織機の回転にともない経糸開口状態になり緯入
れノズルの噴射による緯入れが物理的に可能になる期
間、すなわち緯入れ可能期間が存在し、緯入れ部材であ
る緯入れノズルや係止ピンに対しては、少なくともこの
緯入れ可能期間の範囲において動作するように緯入れ条
件が設定される。しかも、緯糸の切替りに対応して選択
する回転数パターンによりこの緯入れ可能期間における
実際の織機回転数の変化パターンも変化する。このた
め、回転数が変更される緯入れ期間では、選択した緯糸
が確実に緯入れされるように、選択緯糸と回転数変更中
の緯入れ可能期間における回転数の変化パターンとに対
応する緯入れ条件がそれぞれ設定される。織機回転数の
変更は、回転数選択指令に基づき行われることから、緯
入れ条件は、具体的には緯糸選択指令と回転数選択指令
とに対応して設定・記憶される。なお、緯入れ可能期間
は、例えば、開口装置の開口量、開口曲線、クロスタイ
ミングなどの設定や経糸走行径路の相対的な位置設定、
緯入れノズルの取付位置などの織機上の設定に応じて変
わるものであり、図3、〜図6では主軸クランク角50
゜から290゜になっている。
【0034】そこで、緯入れ装置の設定器、すなわち緯
入れ条件設定器64には、選択指令設定器37からの緯
糸選択指令と回転数選択指令とに対応して緯入れ条件が
それぞれ設定される。具体的には、緯入れピック番号が
1からi-1ならびに緯入れピック番号がi+k+2からi+k+n
の間では、選択緯糸として緯糸aが選択されるとともに
織機実回転数が回転数パターンPH1の選択により高い回
転数VHを維持するため、これに対応する緯入れ条件とし
て緯入れ条件JaH1が設定される。また、緯入れピック番
号がi+1からi+kの間では、選択緯糸として緯糸bが選択
されるとともに織機実回転数が回転数パターンPL1の選
択により低い回転数VLを維持するため、これに対応する
緯入れ条件として緯入れ条件JbL1が設定される。
【0035】織機回転数を回転数VHからVLへ、あるいは
その逆に回転数を変化させるとき対しても、選択指令設
定器37からの緯糸選択指令と回転数選択指令とに対応
して緯入れ条件がそれぞれ設定される。具体的には図4
に示すように、緯入れピック番号iの回転数VHからVLへ
の減速時には、緯糸aが選択されるとともに、回転数選
択信号RD1の入力により期間(時間)t1において高い現回
転数VHを維持し、その後期間(時間)t2において目標回転
数VLに減速する回転数パターンPD1が選択されて緯入れ
可能期間における回転数の変化パターンは図4の符号D1
を付した線状になるので、選択緯糸aと回転数の変化パ
ターンD1とに対応する緯入れ条件として緯入れ条件JaD1
が設定される。また、上記例における織機回転数加速
時、すなわち緯入れピック番号がi+k+1になると、緯糸
aが選択されるとともに、回転数パターンPU1の選択に
より織機実回転数が低い回転数VLから高い回転数VHに向
けて加速されてこの緯入れ可能期間には回転数の変化パ
ターンは図示しない符号U1の線状になり、緯糸aと回転
数の変化パターンU1とに対応する緯入れ条件として緯入
れ条件JaU1が設定される。
【0036】このような緯入れ条件の設定により、主制
御装置62は、緯入れ条件設定器64から入力された上
記緯入れ条件を、緯糸選択信号と回転数選択信号とに関
連づけてそれぞれ設定記憶し、緯糸選択信号と回転数選
択信号との入力に対応して緯入れ条件を選択し、選択す
る緯糸を緯入れすることができる。具体的には、緯入れ
ピック番号が1からi-1の間では、緯糸aが選択される
とともに、織機実回転数は高い回転数VHを維持するた
め、主制御装置62は緯糸選択信号CL1と回転数選択信
号RT1の入力により対応する緯入れ条件JaH1を選択し、
緯糸aを緯入れ条件JaH1により緯入れする。次いで、緯
入れピック番号がiになると、緯糸aが選択されるとと
もに、織機実回転数は高い回転数VHから低い回転数VLに
向けて減速されるため、主制御装置62は、緯糸選択信
号CL1と回転数選択信号RD1の入力により緯糸aと回転数
の変化パターンD1とに対応する緯入れ条件JaD1を選択
し、緯糸aを緯入れ条件JaD1により緯入れする。
【0037】その後、緯入れピック番号がi+1からi+kの
間では、選択緯糸として緯糸bが選択されるとともに、
織機実回転数は低い回転数VLを維持するため、主制御装
置62は、緯糸選択信号CL2と回転数選択信号RT2の入力
により対応する緯入れ条件JbL1を選択し、緯糸bを緯入
れ条件JbL1により緯入れする。やがて、緯入れピック番
号がi+k+1になると、緯糸aが選択されるとともに、織
機実回転数は低い回転数VLから高い回転数VHに向けて加
速されるため、主制御装置62は、緯糸選択信号CL1と
回転数選択信号RU1の入力により緯糸aと図示しない回
転数の変化パターンU1とに対応する緯入れ条件JaU1を選
択し、緯糸aを緯入れ条件JaU1により緯入れする。そし
て、緯入れピック番号がi+k+2からi+k+nの間では、緯入
れピック番号が1からi-1までの間と同様に、緯糸aを
選択するとともに、織機実回転数は高い回転数VHを維持
するため、主制御装置62は、緯糸選択信号CL1と回転
数選択信号RT1の入力により対応する緯入れ条件JaH1を
選択し、緯糸aは緯入れ条件JaH1により緯入れすること
ができる。このようにして、選択される緯糸の切替りに
対応して回転数が変更される織機で、回転数変更中の緯
入れ可能期間における回転数の変化パターンと選択緯糸
とに対応して緯入れ条件を予め設定しておき、緯糸の切
替りに対応して織機回転数を変更するに際して、選択す
る回転数パターンにしたがって織機回転数を変更しつ
つ、緯糸選択信号と回転数選択信号の入力により選択緯
糸と回転数の変化パターンとに対応する緯入れ条件を選
択し、選択緯糸を緯入れすることができる。
【0038】本実施例では、緯糸の切替りに対応して設
定される回転数パターンについて、さまざまな変形が考
えられる。特に回転数を変更する際の回転数パターン設
定のためのパラメータとして、例えば、変更先の目標回
転数やその回転数に変更するまでの期間t1ならびに期間
t2があり、これらパラメータにより織機回転数の変化パ
ターンは変化する。前実施例では、緯糸aと緯糸bの緯入
れを考えたが、ここでは緯糸bに代え、緯糸bよりも幾
分緯入れしやすい緯糸cを緯入れする場合について考え
る。なお、緯糸cに対応する織機回転数は、緯糸bより
も幾分か緯入れしやすいことから緯糸bに対応する回転
数VLよりも幾分か大きい回転数VMとすることができる。
【0039】具体的には、選択指令設定器37には、選
択緯糸a,緯糸cに対応する緯糸選択信号CL1,CL3出力の
ための選択指令、および回転数選択信号RD2,RU2,RT1,RT
3出力のための選択指令が緯入れピック番号1からi+k+n
に対応してパターン状に予め設定されている。選択信号
発生器38は、設定器37からの選択指令パターンを記
憶しており、カウントする緯入れピック番号に対応し
て、図5に示すように各選択信号をそれぞれ出力する。
なお、上記選択指令発生器38は、図3の選択指令発生
器38に対し、図示しない回転数選択信号RD2,Rウ2、RT3
のそれぞれを出力するものとし、これらを回転数指令器
42ならびに主制御装置62にそれぞれ出力するものと
する。
【0040】一方、回転数設定器41には、緯入れ1ピ
ック間の回転数パターンが回転数選択指令に対応してそ
れぞれ設定される。例えば、回転数設定器41には、こ
の緯入れ1ピック間の回転数パターンとして、飛走しや
すい緯糸aに対応して連続して高速運転するために高い
回転数VHを維持する回転数パターンPH1、飛走しにくい
緯糸cに対応して連続して低速運転するために低い回転
数VMを維持する回転数パターンPL2、さらには緯糸aから
緯糸cの切替りに先立ち、高い回転数VHから低い回転数
VMに織機を減速させ移行させるための回転数パターンPD
2、および緯糸cからもとの緯糸aに切り替える際の低い
回転数VMから高い回転数VHに織機を加速させ移行させる
ための回転数パターンPU2がそれぞれ設定されており、
これらを回転数指令器42に送り込む。そして、回転数
指令器42は、選択信号発生器38からの回転数選択信
号RT1,RT3,RD2,RU2のそれぞれに対応させてこれら回転
数パターンを記憶しており、回転数指令器42は、緯入
れピック毎に上記回転数選択信号の入力により選択され
た回転数パターンに基づいて織機回転数を時間の経過に
対応して変更することができ、より具体的には、織機の
実回転数を図5に図示した線状に変化させることができ
る。
【0041】他方、緯入れ条件設定器64には、選択緯
糸と緯入れ可能期間における回転数の変化パターンとに
対応する緯入れ条件がそれぞれ設定される。具体的に
は、緯入れ条件設定器64には、緯入れピック番号が1
からi-1ならびに緯入れピック番号がi+k+2からi+k+nの
間では、選択緯糸として緯糸aが選択されるとともに、
織機実回転数は回転数パターンPH1の選択により高い回
転数VHを維持するため、これに対応する緯入れ条件とし
て緯入れ条件JaH1が設定される。また、緯入れピック番
号がi+1からi+kの間では、選択緯糸として緯糸cが選択
されるとともに織機実回転数が回転数パターンPL2の選
択により低い回転数VMを維持するため、これに対応する
緯入れ条件として緯入れ条件JbL2が設定される。
【0042】また、緯糸の切替りに対応して織機回転数
を回転数VHからVLへ、あるいはその逆に回転数を変化さ
せるときに対しても、緯入れ条件設定器64には、選択
緯糸と緯入れ可能期間における回転数の変化パターンと
に対応する緯入れ条件が設定される。具体的には、緯入
れピック番号iの回転数VHからVMへの減速時には、緯糸
aが選択されるとともに、回転数選択信号RD1の入力に
より時間t1において高い回転数VHを維持しその後時間t2
において目標回転数VMに減速する回転数パターンPD2が
選択され、織機の実回転数すなわち緯入れ可能期間にお
ける回転数の変化パターンは図4の符号D2を付した線状
になるので、選択緯糸aと回転数の変化パターンD2とに
対応する緯入れ条件として緯入れ条件JaD2が設定され
る。また、織機回転数加速時、すなわち緯入れピック番
号がi+k+1になると、緯糸aが選択されるとともに、織
機実回転数は回転数パターンPU2の選択により低い回転
数VMから高い回転数VHに向けて加速され、この緯入れ可
能期間には回転数の変化パターンは図示しない符号U2の
線状になり、選択緯糸aと回転数の変化パターンU2とに
対応する緯入れ条件として緯入れ条件JaU2が設定され
る。
【0043】そこで、主制御装置62には、緯入れ条件
設定器64に設定された上記緯入れ条件を、緯糸選択信
号と回転数選択信号とに関連づけてそれぞれ設定記憶
し、緯糸選択信号と回転数選択信号との入力に対応して
緯入れ条件を選択し、選択する緯糸を緯入れすることが
できる。具体的には、緯入れピック番号が1からi-1の
間では、緯糸aが選択されるとともに、織機実回転数は
高い回転数VHを維持するため、主制御装置62は、緯糸
選択信号CL1と回転数選択信号RT1の入力により対応する
緯入れ条件JaH1を選択し、緯糸aを緯入れ条件JaH1によ
り緯入れする。次いで、緯入れピック番号がiになる
と、緯糸aが選択されるとともに、織機実回転数は高い
回転数VHから低い回転数VMに向けて減速されるため、主
制御装置62は、緯糸選択信号CL1と回転数選択信号RD2
の入力により緯糸aと回転数の変化パターンD2とに対応
する緯入れ条件JaD2を選択し、緯糸aを緯入れ条件JaD2
により緯入れする。
【0044】その後、緯入れピック番号がi+1からi+kの
間では、選択緯糸として緯糸cが選択されるとともに、
織機実回転数は低い回転数VMを維持するため、主制御装
置62は、緯糸選択信号CL3と回転数選択信号RT3の入力
により対応する緯入れ条件JcL2を選択し、緯糸cを緯入
れ条件JcL2により緯入れする。やがて、緯入れピック番
号がi+k+1になると、選択緯糸として緯糸aが選択され
るとともに、織機実回転数は低い回転数VMから高い回転
数VHに向けて加速されるため、主制御装置62は、緯糸
選択信号CL1と回転数選択信号RU2の入力により緯糸aと
回転数の変化パターンU2とに対応する緯入れ条件JaU2を
選択し、緯糸aを緯入れ条件JaU2により緯入れする。そ
して、緯入れピック番号がi+k+2からi+k+nの間では、緯
入れピック番号が1からi-1までの間と同様、緯糸aを
選択するとともに、織機実回転数は高い回転数VHに維持
するため、主制御装置62は、緯糸選択信号CL1と回転
数選択信号RT1の入力により対応する緯入れ条件JaH1を
選択し、緯糸aを緯入れ条件JaH1により緯入れすること
ができる。このようにして、選択される緯糸の切替りに
対応して回転数が変更される織機で、回転数変更中の緯
入れ可能期間における回転数の変化パターンと選択緯糸
とに対応して緯入れ条件を予め設定しておき、緯糸の切
替りに対応して織機回転数を変更するに際して、選択す
る回転数パターンにしたがって織機回転数を変更しつ
つ、緯糸選択信号と回転数選択信号の入力により選択緯
糸と回転数の変化パターンとに対応する緯入れ条件を選
択し、選択緯糸を緯入れすることができる。
【0045】上記実施例では、回転数パターンのパラメ
ータである変更先の目標回転数を変更する場合を述べた
が、もう一方のパラメータ、すなわち回転数を変更する
期間に対する設定の場合も同様である。例えば、最初の
実施例すなわち回転数VHからVLに変更する例で、回転数
VHからVLに減速時に選択する回転数パターンPD1に対し
現状の回転数に維持する期間t1をゼロに設定した場合を
考える。
【0046】選択指令設定器37には、緯糸a,緯糸b
に対応する緯糸選択信号CL1,CL2出力のための選択指
令、および回転数選択信号RD3,RU3,RT1,RT2出力のため
の選択指令が緯入れ1ピック毎に緯入れピック番号に対
応してパターン状に予め設定されており、選択指令発生
器38は、緯入れピック番号i時には、緯糸aを緯入れ
するため選択緯糸信号CL1を出力するとともに、回転数
をVHからVLに減速するために回転数選択信号RD3を出力
することができる。なお、上記選択指令発生器38は、
図3の選択指令発生器38に対し、図示しない回転数選
択信号RD3,RD4のそれぞれを出力するものとし、これら
を回転数指令器42ならびに主制御装置62にそれぞれ
出力するものとする。一方、回転数設定器41には、緯
入れ1ピック期間にわたり、図3に示す最初の実施例の
設定に対し、期間t1をゼロに期間t2はそのまま維持する
設定に基づいて作成された回転数パターンPD3が予め設
定されており、回転数指令器42は、選択信号RD3に対
応させてこの回転数パターンを記憶する。このため、緯
入れピック番号iになると、回転数指令器42は、回転
数選択信号RD3の入力に対応して回転数パターンPD3を選
択することにより、回転数が減速され、緯入れ可能期間
における回転数の変化パターンは図4符号D3を付した線
状となる。
【0047】他方、織機回転数が回転数VHからVLに変化
するときに対しても、緯入れ条件設定器64には、選択
緯糸と回転数変更中の緯入れ可能期間における回転数の
変化パターンとに対応する緯入れ条件が設定される。具
体的には、緯入れ条件設定器64には、緯入れピック番
号i時に対応する緯入れ条件、すなわち選択緯糸aと緯
入れ期間における回転数の変化パターンD3とに対応する
緯入れ条件JaD3が予め設定され、これらを主制御装置6
2に送り込む。主制御装置62は、緯糸選択指令と回転
数選択指令とに関連づけてそれぞれ設定記憶する。そし
て、緯入れピック番号i時には、緯糸aが選択されると
ともに、織機実回転数は高い回転数VHから低い回転数VL
に向けて減速されるため、主制御装置62は、緯糸選択
信号CL1と回転数選択信号RD3との入力により、緯糸aと
回転数の変化パターンD3とに対応する緯入れ条件JaD3を
選択し、選択する緯糸aを緯入れ条件JaD3により緯入れ
することができる。
【0048】回転数パターンは、例えば時間当りの回転
数変化率(勾配)などの上記以外のパラメータにより設
定してもよく、回転数パターンの設定には多様な設定が
可能である。
【0049】なお、上記したように緯入れ条件の設定
は、織機減速時の緯入れに対して説明したが、加速時に
ついても同様である。もちろん、緯入れ条件は、緯入れ
可能期間における実際の回転数の変化パターンのほか、
緯入れする選択緯糸にも対応して設定される。
【0050】回転数パターンの他の設定例について、緯
糸の切替りに対応する回転数の変更を、前記図3〜図5
に示す実施例では、飛走しやすい緯糸選択中に行ってい
るが、これに加えて飛走しにくい緯糸選択期間中にも行
うようにしてもよい。具体的には、飛走しやすい緯糸a
をiピック緯入れ後飛走しにくい緯糸bに切り替える際
に、切替りの前後2ピック間、すなわち緯入れピック番
号iからi+1にかけて織機回転数をVHからVLに減速しつ
つ、緯入れピック番号i時には緯糸aを、その後緯入れ
ピック番号i+1時には緯糸bを緯入れすることもでき
る。この場合、選択信号発生器37には、緯入れピック
番号i時には、選択緯糸aに対応する緯糸選択信号CL1
と回転数選択信号RD4出力のための選択指令が、さらに
緯入れピック番号i+1時には、選択緯糸bに対応する緯糸
選択信号CL2と回転数選択信号RD5出力のための選択指令
がそれぞれ設定されている。なお、選択信号発生器38
は、図3の発生器38に対し、図示しない回転数選択信
号RD4,RD5のそれぞれを出力するものとし、これらを回
転数指令器42ならびに主制御装置62にそれぞれ出力
するものとする。
【0051】一方、回転数設定器41には、緯入れピッ
ク番号i時に対応して、緯入れ1ピック間にわたり回転
数VHからVM'に減速する図示しない回転数パターンPD4、
および緯入れピック番号i+1時に対応して、緯入れ1ピ
ック間にわたり回転数VM'からVLに減速する図示しない
回転数パターンPD5がそれぞれ設定される。
【0052】他方、緯入れ条件設定器64には、選択緯
糸と回転数変更中の緯入れ可能期間における回転数の変
化パターンとに対応する緯入れ条件が設定され、具体的
には、緯入れピック番号i時には、選択緯糸aと選択す
る回転数パターンPD4すなわち緯入れ可能期間における
図示しない回転数の変化パターンD4とに対応する図示し
ない緯入れ条件JaD4が、さらには緯入れピック番号i+1
時には、選択緯糸bと選択する回転数パターンPD5すな
わち緯入れ可能期間における図示しない回転数の変化パ
ターンD5とに対応する図示しない緯入れ条件JaD5がそれ
ぞれ設定され、これらを主制御装置62に送り込む。従
い、緯入れピック番号i時には、主制御装置62は、緯
糸選択信号CL1と回転数選択信号RD4の入力により、緯糸
aと図示しない回転数の変化パターンD4とに対応する緯
入れ条件JaD4を選択し、緯糸aを緯入れ条件JaD4により
緯入れすることができる。また、緯入れピック番号i+1
時には、主制御装置62は、緯糸選択信号CL2と回転数
選択信号RD5の入力により、緯糸bと図示しない回転数
の変化パターンD5とに対応する緯入れ条件JbD5を選択
し、緯糸bを緯入れ条件JbD5により緯入れすることがで
きる。以上のように、それぞれの緯入れピック番号で、
選択する回転数パターンにしたがって織機回転数を減速
しつつ、選択緯糸と回転数の変化パターンとに対応する
緯入れ条件を選択し、選択緯糸を緯入れすることができ
る。
【0053】なお、選択期間すなわち緯入れ1ピック期
間にわたって設定する各回転数パターンは、例えば常に
一定の割合で回転数が変化するように設定しても良い
し、段階的に異なる割合で回転数が変化するように設定
してもよい。回転数パターンの設定は、これ以外にも多
種多様な設定が考えられ、設定される緯入れ条件もその
多様な緯入れ可能期間における回転数の変化パターンと
選択緯糸とに対応して設定される。また、緯糸の切替り
に対応して回転数を変更する緯入れ期間すなわち緯入れ
ピック数も上記2ピックに限らず、これ以上のピック数
に設定しても良いことは言うまでもない。
【0054】また、上記実施例では、回転数変更のため
に緯入れ1ピックごとに回転数パターンを設定している
が、数ピック単位の回転数パターンを設定しても良い。
図6には、最初の実施例すなわち回転数VHからVLに変更
する例に対し、回転数減速時には緯入れ3ピック間にわ
たり回転数をVHからVLに減速する回転数パターンを選択
する例を示す。具体的には飛走しやすい緯糸aをiピッ
ク緯入れ後飛走しにくい緯糸bに切り換える際に、緯入
れピック番号i-1よりi+1にわたる3ピック間に回転数を
VHからVLに向けて減速しつつ、緯糸切換えの2ピック前
より緯入れ3ピック間、すなわち緯入れピック番号i-1
およびi時には緯糸aを、緯入れピック番号i+1時には緯
糸bをそれぞれ選択し緯入れするものとする。
【0055】選択指令設定器37には、緯糸選択信号出
力のための選択指令、および回転数選択信号RD10,RT1,R
T2出力のための選択指令が緯入れ1ピック毎に緯入れピ
ック番号に対応してパターン状に予め設定されており、
緯入れピック番号i-1からi+1の3ピックにわたり回転数
選択信号RD10を出力するように設定されている。なお、
選択信号発生器38は、図3の発生器38に対し、図示
しない回転数選択信号RD10を出力するものとし、これら
を回転数指令器42ならびに主制御装置62にそれそれ
出力するものとする。
【0056】一方、回転数設定器41には、回転数パタ
ーンとして緯入れ3ピック間にわたり回転数VHからVLに
減速する回転数パターンPD10が設定され、これらを回転
数指令器41に送り込む。回転数指令器42は、選択信
号RD10に対応させてパターンPD10を記憶しており、選択
信号RD10が入力されるとパターンPD10を選択することに
より、図6の緯入れピック番号のi-1からi+1の間に示し
た線状に織機の回転数を変化させることができる。ここ
で、回転数パターンPD10の選択により緯入れ3ピックの
期間にわたり織機回転数が減速され、緯入れ可能期間に
おける回転数の変化パターンは、緯入れピック毎に図6
の符号D11〜D13を付したそれぞれの線状になる。
【0057】他方、緯入れ条件設定器64には、選択緯
糸と緯入れ可能期間における回転数の変化パターンすな
わちパターンD11〜D13とに対応する緯入れ条件がそれぞ
れ設定される。具体的には、緯糸選択指令と回転数選択
指令とこの回転数選択指令が入力されてからの緯入れ回
数(ピック数)とに対応して緯入れ条件が設定される。
より具体的には、緯入れピック番号i-1時には、緯糸a
を選択するとともに、回転数パターンPD10を選択する選
択指令とパターンPD10が選択されてから緯入れ1ピック
目にありこの緯入れ可能期間では回転数の変化パターン
は図6の符号D11を付した線状になることから、緯糸a
と回転数の変化パターンD11とに対応する緯入れ条件と
してJaD11が設定される。また、緯入れピック番号i時に
は、緯糸aが選択されるとともに、パターンPD10が選択
されてから緯入れ2ピック目にありこの緯入れ可能期間
では回転数の変化パターンは図6の符号D12を付した線
状になることから、緯糸aと回転数の変化パターンD12
とに対応する緯入れ条件としてJaD12が設定される。そ
して、緯入れピック番号i+1時には、緯糸bが選択され
るとともに、回転数パターンPD10が選択されてから緯入
れ3ピック目にありこの緯入れ可能期間では回転数の変
化パターンは図6の符号D12を付した線状になることか
ら、緯糸bと回転数の変化パターンD13とに対応する緯
入れ条件としてJbD13が設定される。これら設定された
各緯入れ条件は、主制御装置62に送り込まれる。
【0058】主制御装置62には、緯糸選択信号、回転
数選択信号のほかに図示しない信号発生器から織機クラ
ンク角度0゜を通過するたびに出力される0°信号が1
ピック毎に入力される。主制御装置62は、回転数選択
指令が入力されてから0°信号の入力をカウントするこ
とにより緯入れ回数をカウントし、緯糸選択指令と回転
数選択指令とこの回転数選択指令が入力されてからの緯
入れ回数とに対応する緯入れ条件を選択し、選択緯糸を
緯入れすることができる。具体的には、緯入れピック番
号i-1時には、回転数選択信号RD10が入力され緯入れ回
数を1にリセットし、緯糸選択信号CL1と回転数選択信
号RD10の各入力と緯入れ回数が1であることとにより、
緯糸aと回転数の変化パターンD11とに対応する緯入れ
条件JaD11を選択し、緯糸aを緯入れ条件JaD11により緯
入れする。その後、緯入れピック番号がiになり、0°
信号が入力されて緯入れ回数が2となり、緯糸選択信号
CL1と回転数選択信号RD10の各入力と緯入れ回数が2で
あることにより、緯糸aと回転数の変化パターンD12と
に対応する緯入れ条件JaD12を選択し、緯糸aを緯入れ
条件JaD12により緯入れする。そして、緯入れピック番
号がi+1になり、0°信号が再び入力されて緯入れ回数
が3となり、緯糸bに対応する緯糸選択信号CL2および
回転数選択信号RD10の各出力と緯入れ回数が3であるこ
ととに対応して緯入れ条件JbD13を選択し、緯糸bを緯
入れ条件JbD13により緯入れすることができる。以上の
ように、緯入れ数ピックにわたって織機回転数を減速す
る減速パターンにより、織機回転数を数ピックにわたっ
て減速しつつ、減速中の各緯入れ可能期間における回転
数の変化パターンに対応する緯入れ条件をそれぞれ設定
しておき、緯糸選択指令と回転数選択指令の各入力とそ
の指令が入力されてからの緯入れ回数とに対応して、各
緯入れ可能期間における回転数の変化パターンに対応す
る緯入れ条件緯入れ条件を選択し、選択した緯糸を緯入
れすることができる。
【0059】なお、上記したように緯入れ条件の設定
は、織機減速時の緯入れに対して説明したが、加速時に
ついても同様である。もちろん、緯入れ条件は、緯入れ
可能期間における実際の回転数の変化パターンのほか、
緯入れする選択緯糸にも対応して設定される。
【0060】回転数変更中の緯入れ可能期間における回
転数の変化パターンと選択緯糸とに対応する緯入れ条件
は、より具体的には以下のように設定すればよい。例え
ば、緯入れピック番号i時のように、高い回転数VHから
低い回転数VLに減速させる場合を考えると、緯入れ条件
が当初の高い回転数VHに対応する設定にあれば、減速す
ることにより噴射期間が長くなり、しかも高い回転数に
対応する緯入れノズルの噴射圧力により、よこ糸は当初
の想定よりも早いタイミングで飛走する。これにより、
よこ糸先端部が反よこ入れ側に近い区間に達しても、経
糸開口がまだ不充分であったり、サブノズルがまだ噴射
していなかったりして、よこ糸先端が失速し、よこ糸先
端が開口内に引っ掛かる緯入れミスいわゆるベンドピッ
クを発生したり、緯糸aに対し織端到達後も長い期間噴
射にさらされるためいわゆる緯糸の吹き切れが発生した
りする。このため、減速期間中の緯入れ条件、すなわち
上記実施例における緯入れ条件JaD1〜JbD13は、例えば
緯糸の飛走開始時期を遅らせる、緯糸飛走速度を遅らせ
るようにして、緯糸到達時期が高速回転時とほぼ同じに
なるように設定すればよい。例えば緯糸の飛走開始時期
を遅らせるには、係止ピン14による緯糸開放タイミン
グや緯入れノズルの噴射開始タイミングなどを遅らせれ
ばよい。また、緯糸飛走速度を遅らせるには、緯入れノ
ズルの噴射期間を短くする、各緯入れノズルのリレー噴
射タイミングを変更する、緯入れノズルの流体噴射圧力
を変更する、さらには噴射を連続噴射から間欠噴射に変
更するなどが考えられる。
【0061】逆に、緯入れピック番号i+k+1時のよう
に、低い回転数から高い回転数に加速させる場合、緯入
れ条件が当初の低い回転数の設定にあれば、加速するこ
とにより噴射期間が短くなり、しかも緯入れノズルの噴
射圧力が充分でないことから、よこ糸は当初の想定より
も遅いタイミングで飛走する結果、緯入れ可能期間中に
緯糸が反よこ入れ側織り端部に到達しないという緯入れ
ミスが発生する。このため、加速期間中の緯入れ条件、
すなわち上記した実施例における緯入れ条件JaU1〜JaU3
は、例えば緯糸の飛走開始時期を早める、緯糸飛走速度
を早めるようにして、緯糸到達時期が高速回転時とほぼ
同じになるように設定すればよい。具体的には係止ピン
14による緯糸開放タイミングや緯入れノズルの噴射開
始タイミングなどを早めたり、緯入れノズルの噴射期間
を長くしたり、さらには緯入れノズルの流体噴射圧力を
変更するなどが考えられる。つまり、回転数変更中の緯
入れ可能期間における回転数の変化パターンに対応する
緯入れ条件としては、緯入れノズルの流体噴射タイミン
グ、流体噴射圧力および測長装置の緯糸解舒タイミング
のうち少なくともいずれか1つを含んでいればよい。
【0062】また、上記回転数の変化パターンに対応す
る緯入れ条件の設定には、上記以外にも多種多様な設定
が考えられ、選択した緯糸が確実に緯入れされる緯入れ
条件が設定される。好ましくは、緯入れピック番号i時
のような減速の場合、減速されるにつれて織り端に近い
側の緯入れノズル噴射期間が長くなることから、織り端
に近づくにつれサブノズル16の噴射期間を短く設定し
たり、各緯入れノズルの噴射圧力を徐々に低下させるよ
うに設定することが考えられ、これとは逆に、緯入れピ
ック番号i+k+1時のように加速の場合には、前記逆の設
定をすることが考えられる。もちろん加速時と減速時と
では緯入れ可能期間全体の長さ(時間)が同じであって
も、その時に回転数により緯入れ部材の作動期間(時
間)もそれぞれ異なることから、緯入れ条件を加速なら
びに減速のそれぞれに対応するようにすればさらによ
い。
【0063】また、回転数の変化パターンに対応する緯
入れ条件の設定には、条件の設定を簡略化し、変更前回
転数と変更先の目標回転数との中間値、すなわち平均回
転数を求め、この回転数で連続運転する場合の緯入れ条
件を採用するようにしてもよい。緯入れ条件の設定は、
上記した方法のうちそれぞれ単独でも、2以上の組合せ
でもいずれでもよい。
【0064】上記したように、選択される緯糸に対応し
て織機の回転数を変更する多色緯入れ織機で、織機回転
数変更中の緯入れは、この回転数変更中の緯入れ可能期
間における実際の回転数の変化パターンと選択される緯
糸とに対応して予め設定される緯入れ条件で行うことが
できる。つまり、急激に回転数が変更される場合におい
ても、後追いで設定値が設定されるいわゆる後追い制御
ではなく、緯入れ条件を緯入れ可能期間における回転数
の変化パターンを考慮して最適な緯入れ条件を設定する
ことができるから、確実に選択した緯糸を緯入れするこ
とができ、従来のように緯入れミスによる停台が発生せ
ず、織布の生産性をより向上させることができる。
【0065】さらに好ましくは、回転数変更中の緯入れ
可能期間における回転数の変化パターンと選択緯糸とに
対応する緯入れ条件を、実際の緯糸飛走時期に応じて補
正するようにしてもよい。例えば、緯糸飛走路に配置し
た緯糸フィーラ26からの緯糸検知信号を主制御装置6
2に入力し、主制御装置62は、クランク角信号θによ
り緯糸到達タイミングを求めることができる。このため
緯糸到達タイミングと目標値とのズレすなわち到達タイ
ミングの偏差に基づき、緯入れ条件設定器64からの設
定値を補正して記憶し、これを真の設定値として次回の
緯入れ条件選択時に採用して緯入れすることにより、製
織の進行にともなって緯入れ条件をより最適値に近づけ
ることも可能である。
【0066】上記実施例では、エアージェット織機を例
に説明したが、もちろんウオータジェット織機など他の
流体噴射式織機にも応用可能である。
【0067】
【発明の効果】上記したように本発明の第1の要旨によ
れば、織機回転数変更中の緯入れは、この回転数変更中
の緯入れ可能期間における実際の回転数の変化パターン
と選択される緯糸とに対応して予め設定される緯入れ条
件で行うことができる。つまり、急激に回転数が変更さ
れる場合においても、後追いで設定値が設定されるいわ
ゆる後追い制御ではなく、緯入れ条件を緯入れ可能期間
における回転数の変化パターンを考慮して最適な緯入れ
条件を設定することができるから、確実に選択した緯糸
を緯入れすることができ、従来のように緯入れミスによ
る停台が発生せず、織布の生産性をより向上させること
ができる。
【0068】本発明の第2の要旨によれば、前記第1の
要旨をより具体的に実現することができる。緯入れ条件
設定器に設定する緯入れ条件は、これまでの経験により
得られた緯入れ条件とすれば、織物品種の変更に対応し
て速やかに緯入れ条件を設定することが可能である。さ
らに好ましくは、緯入れ制御手段に緯糸飛走路にて緯糸
を検知する緯糸フィーラからの緯糸検知信号を入力し、
回転数変更中の緯入れ可能期間において緯入れ制御手段
は、選択された緯入れ条件に対する緯糸到達時期を緯糸
検知信号の入力により検知し、次回選択時の緯入れ条件
を予め設定されている目標値との偏差に基づいて補正す
るように構成すれば、選択された緯入れ条件を製織の進
行にともない最適値に近づけることが可能になり、より
確実に緯入れできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアージェット織機における緯入れ装置を示す
概略図である。
【図2】本発明の緯入れ装置の制御ブロック図である。
【図3】本発明の緯入れ装置の動作タイミングチャート
である。
【図4】本発明の緯入れ装置の緯入れ可能期間における
回転数の変化パターンを示す図である。
【図5】本発明の緯入れ装置の変形例を示す動作タイミ
ングチャートである。
【図6】本発明の緯入れ装置の緯入れ可能期間における
他の回転数の変化パターンを示す図である。
【符号の説明】
10 織機 13 測長ドラム 14 係止ピン 15 メインノズル 16 サブノズル 17 主軸 20 エンコーダ 22 電磁開閉弁 24 調圧装置 25 流体供給源 30 織機制御装置 32 選択信号発生手段 40 駆動手段 48 モータ 60 緯入れ制御手段 64 緯入れ条件設定器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−78955(JP,A) 特開 平3−59146(JP,A) 特開 平3−51345(JP,A) 特開 昭57−205553(JP,A) 特開 昭63−75147(JP,A) 特開 昭62−222974(JP,A) 実開 昭63−149979(JP,U) 実開 昭59−109786(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 47/28 D03D 47/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択される緯糸に対応して織機の回転数
    を変更する多色緯入れ織機において、 前記回転数変更
    中の緯入れ可能期間における回転数の変化パターンと前
    記選択緯糸とに対応して緯入れ条件を予め設定してお
    き、前記回転数変更中の緯入れに際して、前記設定緯入
    れ条件のうち対応する緯入れ条件を選択し、選択緯糸を
    緯入れすることを特徴とする多色緯入れ織機の緯入れ方
    法。
  2. 【請求項2】 前記設定緯入れ条件は、緯入れノズルの
    流体噴射タイミング、流体噴射圧力および測長装置の緯
    糸解舒タイミングのうち少なくともいずれか1つを含
    む、請求項1に記載の多色緯入れ織機の緯入れ方法。
  3. 【請求項3】 織機1回転する毎に緯入れピック番号を
    カウントし、このピック番号に対応する緯糸選択信号な
    らびに回転数選択信号を出力する選択信号発生手段と、
    前記回転数選択信号の入力に対応して予め設定された複
    数の回転数パターンのうちいずれかを選択し、その選択
    された回転数パターンに基づき織機を駆動する駆動手段
    と、前記緯糸選択信号に対応する緯糸を緯入れする緯入
    れ制御手段とを備えた多色緯入れ織機の緯入れ装置にお
    いて、前記緯入れ制御手段は、回転数変更中の緯入れ可
    能期間における回転数の変化パターンと前記選択緯糸と
    に対応する緯入れ条件を設定する緯入れ条件設定器を備
    えるとともに、これら緯入れ条件を緯糸選択信号と回転
    数選択信号とに対応して記憶し、回転数選択信号ならび
    に緯糸選択信号が入力されるとそれら信号に対応する緯
    入れ条件を選択し、回転数変更中の緯入れ可能期間に
    は、前記選択された緯入れ条件に基づき選択緯糸を緯入
    れすることを特徴とする多色緯入れ織機の緯入れ装置。
  4. 【請求項4】 前記設定緯入れ条件は、緯入れノズルの
    流体噴射タイミング、流体噴射圧力および測長装置の緯
    糸解舒タイミングのうち少なくともいずれかを含む、請
    求項3に記載の多色緯入れ織機の緯入れ装置。
  5. 【請求項5】 前記緯入れ制御手段には、緯糸飛走路に
    て緯糸を検知する緯糸フィーラからの緯糸検知信号が入
    力されており、前記緯入れ制御手段は、前記選択された
    緯入れ条件に対する緯糸到達時期を前記入力信号により
    検知し、次回選択時の緯入れ条件を予め設定されている
    目標値との偏差に基づいて補正することを特徴とする請
    求項3または4に記載の多色緯入れ織機の緯入れ装置。
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