JP2906731B2 - ジェットルームにおける1ショット緯入れ方法 - Google Patents

ジェットルームにおける1ショット緯入れ方法

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JP2906731B2 JP11344191A JP11344191A JP2906731B2 JP 2906731 B2 JP2906731 B2 JP 2906731B2 JP 11344191 A JP11344191 A JP 11344191A JP 11344191 A JP11344191 A JP 11344191A JP 2906731 B2 JP2906731 B2 JP 2906731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジェツトルームにおける
1ショット緯入れ方法及び緯入れ検出装置に係り、特に
製織停止中の機台のスロー逆転或いはスロー正転に起因
する織段発生を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】手動或いは経糸切断発生によって織機運
転が停止した後に再び起動する際には機台立ち上がり特
性に関連して筬打ち強度が充分でなく、織布に薄段が発
生する傾向にある。又、緯入れミス発生によって織機の
運転が停止した後に機台をスロー逆転してミス糸除去処
理を行い、その後に機台再起動を行った場合にはミス糸
除去のために行われる機台スロー逆転の際に製織直後の
織前近傍の織物組織が緩み、織前が本来の位置より織機
の後方へ移動してしまうことに起因して厚段発生の傾向
がある。
【0003】このような織段発生を防止するための手段
が特開昭60ー231849号公報、特開昭61ー55
241号公報、特開昭62ー263352号公報、実開
昭63ー94988号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】織段の種類には所謂綾
枕と言われるものがある。製織停止中の織機機台のスロ
ー逆転あるいはスロー正転によって織布の織前が筬によ
って叩かれると、織前上の緯糸が織布の上下方向にず
れ、この製織部位が織布の上で枕状に盛り上がる。この
ような綾枕は綾織物で生じ易いが、前記各従来の織段発
生防止手段では綾枕の発生を防止することは出来ない。
【0005】本発明は、他の織機に比べて緯入れミスの
生じ易いジェットルームにおけるこのような織段発生の
防止を含めた1ショット緯入れ方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、緯入れ用流体
供給系統からの流体供給によって緯入れ用メインノズル
から緯糸を射出緯入れすると共に、緯入れ用メインノズ
ルからの糸抜けを防止するための糸抜け防止用流体供給
系統を備えたジェットルームを対象とし、第1の発明で
は、製織開始前に前記糸抜け防止用流体供給系統からの
流体供給によって緯糸を1本緯入れ用メインノズルから
射出緯入れするようにした。
【0007】第2の発明では、製織停止直前に緯入れさ
れた緯糸を織前から除去処理するための機台スロー逆転
の前に予め織前を正規の位置から織布側へ移動してお
き、前記機台スロー逆転後に織前を正規の位置へ復帰さ
せ、製織停止直前に緯入れされた緯糸を織前から除去処
理した後、製織再開前に前記糸抜け防止用流体供給系統
からの流体供給によって緯糸を1本緯入れ用メインノズ
ルから射出緯入れするようにした。
【0008】
【作用】製織停止直前に緯入れされた緯糸を織前から除
去するには機台をスロー逆転して経糸開口を最大にし、
緯糸の織込み状態を解除する必要がある。この機台操作
の際に筬が織前を叩き、織前上の緯糸が織布の上下方向
へずれる。この緯糸を除去すると共に、新たな緯糸を1
本緯入れした後、製織再開に適した位置に筬を移行す
る。除去緯糸に代えて新たな緯糸を1本緯入れしておか
ない場合には製織再開に適した位置に筬を移行するため
に1回以上織機機台をスロー逆転する必要がある。この
スロー逆転によって筬が織前を叩き、綾枕が発生する。
除去緯糸に代えて新たな緯糸を1本緯入れしておくこと
によって製織再開に適した位置に筬を移行する過程で筬
が織前を経由させないようにすることができ、綾枕発生
を防止できる。
【0009】緯入れ用メインノズルからの緯糸抜けを防
止するために緯糸先端に微噴射を作用させることが行わ
れるが、この微噴射は緯糸の撚り戻りを生じさせる。こ
の撚り戻りは緯糸の糸強力の低下に繋がり、緯入れ噴射
作用による糸切れ発生の原因となる。初速が大きい場合
には糸切れが生じ易いが、1ショット緯入れは前記微噴
射によって行われる。従って、初速は小さく、前記撚り
戻り部位の糸切れは生じない。又、緯入れ完了時の緯入
れ阻止ショックも糸切れの原因となるが、緯入れされた
緯糸の飛走速度は初速に左右され、初速が小さければ緯
入れ完了時の最終飛走速度も小さくなる。従って、緯入
れ完了時の糸切れも防止される。
【0010】第2の発明では緯糸除去のための機台スロ
ー逆転の際に織前が筬打ち位置から織布側へ逃げてお
り、機台スロー逆転の際にミス糸を叩くことによる軽微
な綾枕発生も確実に防止できる。
【0011】
【実施例】以下、第1の発明を具体化した一実施例を図
1〜図14に基づいて説明する。図2は織機全体の側面
図を略体的に示す。Mは機台モータであり、機台モータ
Mは主制御コンピュータC0 の作動制御を受ける。1は
機台モータMから独立した正逆転可能な送り出しモータ
であり、送り出しモータ1はワープビーム2を駆動す
る。ワープビーム2から送り出される経糸Tはバックロ
ーラ3及びテンションローラ4を経由して綜絖5及び変
形筬6を通される。織布Wはエキスパンションバー7、
サーフェスローラ8、プレスローラ9及びしわ取りガイ
ド部材10を経由してクロスローラ11に巻き取られ
る。
【0012】テンションローラ4はテンションレバー1
2の一端部に取り付けられており、テンションレバー1
2の他端部に取付られた引っ張りばね13により所定の
張力が経糸Tに付与されるようになっている。テンショ
ンレバー12は検出レバー14の一端に回転可能に支持
されており、検出レバー14の他端にはロードセル15
が連結されている。経糸張力はテンションローラ4、テ
ンションレバー12及び検出レバー14を介してロード
セル15に伝えられ、ロードセル15は経糸張力に応じ
た電気信号を主制御コンピュータC0 に出力する。
【0013】主制御コンピュータC0 は予め設定された
張力と前記入力信号によって把握される検出張力との比
較及び機台回転角度検出用ロータリエンコーダ16から
の検出信号で把握されるワープビーム径に基づいて送り
出しモータ1の回転速度を制御する。これにより通常運
転時の経糸張力が制御され、製織中の織段発生防止が行
われる。
【0014】主制御コンピュータC0 は起動スイッチ1
7からのON信号に基づいて送り出しモータ1の正転作
動を指令し、送り出しモータ1に組み込まれたロータリ
エンコーダ1aからの回転速度検出信号に基づいて送り
出しモータ1の回転速度をフィードバック制御する。サ
ーフェスローラ8は機台モータMから独立した正逆転可
能な巻取りモータ18に作動連結されている。主制御コ
ンピュータC0 は巻取りモータ18に組み込まれたロー
タリエンコーダ18aからの回転速度検出信号に基づい
て巻取りモータ18の回転速度をフィードバック制御す
る。
【0015】図1は緯入れ装置の正面を略体的に示す。
19は巻付方式の緯糸測長貯留装置である。緯糸測長貯
留装置19で測長貯留された緯糸Yは緯入れ用メインノ
ズル20から射出緯入れされ、複数の緯入れ用補助ノズ
ル群21,22,23,24のリレー噴射へと受け継が
れる。緯糸末端には反射式光電センサからなる緯糸検出
器25が設置されており、緯糸Yの先端到達の有無を判
断するための情報が緯糸検出器25によって得られる。
【0016】緯糸測長貯留装置19の糸巻付面19aか
らの緯糸引出し解舒及び停止は係止ピン26aを駆動す
る電磁ソレノイド26の励消磁によって行われる。電磁
ソレノイド26の励消磁制御は補助制御コンピュータC
1 からの指令により行われ、補助制御コンピュータC1
は主制御コンピュータC0 から得られる機台回転角度検
出情報に基づいて電磁ソレノイド26の励消磁を制御す
る。
【0017】糸巻付面19aの近傍には反射式光電セン
サからなる緯糸解舒検出器27が設置されており、糸巻
付面19aから引出し解舒される緯糸Yが緯糸解舒検出
器27によって検出される。補助制御コンピュータC1
は緯糸解舒検出器27からの検出解舒数nが設定数Nに
達すると電磁ソレノイド26の消磁を指令し、係止ピン
26aが糸巻付面19aに係合して緯糸引出し解舒を阻
止する。
【0018】緯入れ用メインノズル20の緯入れ用圧力
エア噴射は電磁バルブV1 の励消磁によって制御され、
緯入れ用補助ノズル群21〜24における圧力エア噴射
は電磁バルブV2,3,4,5 の励消磁により制御され
る。電磁バルブV1 は圧力エア供給タンク28に接続さ
れており、電磁バルブV2 〜V4 は圧力エア供給タンク
29に接続されている。電磁バルブV5 はさらに別の圧
力エア供給タンク30に接続されている。各電磁バルブ
1,i (i=2〜5)の励消磁制御は補助制御コンピ
ュータC2 からの指令により行われ、補助制御コンピュ
ータC2 は主制御コンピュータC0 から得られる機台回
転角度検出情報に基づいて各電磁バルブV1,i を励消
磁制御する。
【0019】電磁バルブV1,i の励消磁制御は電磁バ
ルブV1 側からリレー的に行われ、このリレー励消磁制
御のためのデータは入力装置31によって主制御コンピ
ュータC0 に入力される。緯入れ用メインノズル20に
は微風管路33が接続されており、微風管路33上には
逆止弁34が介在されている。微風管路33は圧力調整
器35を介して図示しない圧力エア供給源に接続されて
いる。圧力調整器35は圧力エア供給タンク28の圧力
よりも低い圧力に減圧する状態に調整している。従っ
て、微風管路33には圧力エア供給タンク28の圧力よ
りも低圧のエアが常時供給されており、緯入れ用噴射以
外のときには緯入れ用メインノズル20は微噴射する。
この微噴射は緯入れ用メインノズル20からの糸抜けを
防止し、この糸抜け防止は織機停止時においても行われ
る。
【0020】緯入れ用メインノズル20の直上には緯糸
処理装置32が設置されている。緯糸処理装置32は特
開平2ー61138号公報に開示される緯糸処理装置と
同タイプであり、緯入れミスした緯糸に後続する緯糸の
緯入れを阻止すると共に、この後続緯糸を手掛かりとし
て織布Wの織前W1 上のミス糸を自動的に引出し除去す
る。この緯入れミス処理は主制御コンピュータC0によ
って制御される。
【0021】図10〜図14のフローチャートは緯入れ
ミス処理プログラム及び綾枕発生防止プログラムを表
す。綾枕発生防止プログラムを遂行する上で必要な励消
磁タイミング、噴射圧、緯糸種類、織幅等の情報は入力
装置31によって主制御コンピュータC0 に入力され
る。主制御コンピュータC0 は綾枕発生防止のための電
磁バルブV1 ,Vi のリレー励消磁タイミング情報を補
助制御コンピュータC2 に転送すると共に、綾枕発生防
止のための電磁ソレノイド26の励磁タイミング情報を
補助制御コンピュータC1 へ転送する。
【0022】以下、図10〜図14のフローチャートに
基づいて綾枕発生防止制御を説明する。緯入れミスが発
生した場合、主制御コンピュータC0 は緯糸検出器25
からの異常検出情報に基づいて機台モータM、送り出し
モータ1及び巻き取りモータ18の作動停止を指令す
る。各モータM,1,18は図9に曲線D1,2,3
示すように同期して停止し、経糸送り出し及び織布巻き
取りが停止すると共に、変形筬6が図3に示す筬打ち直
前の位置に停止する。図9の信号S1 は製織停止信号で
ある。
【0023】緯入れミスが発生すると、各モータM,
1,18が停止するまでの間に緯糸処理装置32が作動
し、ミス糸Y1 に後続する緯糸の緯入れが阻止される。
各モータM,1,18は停止後に曲線D4,5,6 で示
すようにスロー逆転する。このスロー逆転によって機台
が1回半程逆転し、図4に示すように経糸Tが最大開口
を形成する。この開口形成により織前W1 上のミス糸Y
1 が経糸Tの把持作用から解放され、後続緯糸を手掛か
りとした緯糸処理装置32の引出し作用によって織前W
1 上のミス糸Y1 が織前W1 から経糸開口の側方へ引出
し除去される。
【0024】変形筬6は図3の位置から図4の位置まで
移行する間に織前W1 の正規の位置P、即ち筬打ち位置
を経由する。従って、織前W1 上のミス糸Y1 は変形筬
6によって叩かれ、ミス糸Y1 が織布Wの上下方向へず
らされる。このような緯糸織込状態が綾枕をもたらす
が、ミス糸Y1 は緯糸処理装置32によって引出し除去
されるため、ミス糸Y1 が綾枕発生の原因となることは
ない。
【0025】各モータM,1,18の同期したスロー逆
転により経糸Tがスロー引き戻しされると共に、織布W
がスロー巻き戻しされる。スロー引き戻し量及びスロー
巻き戻し量は同一であり、織前W1 は機台のスロー逆転
量に対応する位置変位を受ける。緯入れミス処理が終了
すると、主制御コンピュータC0 は起動信号S2 の入力
に備える。起動スイッチ17のON操作によって起動信
号S2 が入力すると、主制御コンピュータC0 は1ショ
ット緯入れ開始用基準信号S3 を補助制御コンピュータ
1 ,C2 へ出力する。
【0026】補助制御コンピュータC2 は主制御コンピ
ュータC0 から得られる製織停止信号S1 に応答して電
磁バルブV1 , i (i=2〜5)の励消磁制御を停止
すると共に、基準信号S3 の入力に備える。基準信号S
3 が入力すると、補助制御コンピュータC2 は所定時間
をおいて電磁バルブVi の所定タイミングによる1ショ
ット励消磁制御を行なう。この実施例では各電磁バルブ
Vi の励磁開始タイミングは同一にしてあり、緯入れ用
補助ノズル群21〜24は図5に矢印Rで示すように同
時に噴射開始する。
【0027】補助制御コンピュータC1 は主制御コンピ
ュータC0 から得られる製織停止信号S1 に応答して電
磁ソレノイド26の励消磁制御を停止し、基準信号S3
の入力に備える。基準信号S3 が入力すると、補助制御
コンピュータC1 は電磁バルブVi の励磁開始タイミン
グよりも所定時間をおいて電磁ソレノイド26を励磁す
る。この励磁により係止ピン26aが糸巻付面19aか
ら離間し、糸巻付面19aからの緯糸引出し解舒が可能
となる。
【0028】図9の曲線Eは電磁ソレノイド26の1シ
ョット励消磁を表し、曲線Fi (i=2〜5)は各電磁
バルブVi の1ショット励消磁を表す。又、直線P1
微風管路33から供給されるエア圧を表し、直線P2
圧力エア供給タンク28の圧力を表す。緯糸Y2 は図9
の直線P1 で表される微風及び曲線E,Fi で表す励消
磁制御によって図6,7に示すように1ショット緯入れ
される。
【0029】織機停止中においても微風管路33からの
圧力エア供給によって緯入れ用メインノズル20は微噴
射しており、緯糸Y2 の先端部は織機停止中においても
緯入れ用メインノズル20の微噴射にさらされている。
この微噴射は緯糸の撚り戻りをもたらすものであり、織
機停止という比較的長い時間にわたって微噴射を受けれ
ば緯糸の撚り戻りが大きくなり、糸強力が低下する。そ
のため、通常の製織時における噴射圧P2 によって緯入
れ用メインノズル20から1ショット緯入れを行おうと
すると緯糸Y2 の先端部が吹き切れる。
【0030】しかしながら、1ショット緯入れの際の緯
入れ用メインノズル20における噴射圧は低圧P1 であ
り、緯糸Y2 は製織時よりも低い噴射圧で緯入れ用メイ
ンノズル20から射出される。この微風の圧力P1 は織
機停止中における緯入れ用メインノズル20からの糸抜
けを防止し得る程度に低圧設定されており、微風による
撚り戻り部位が切れることはない。従って、1ショット
緯入れ開始時の吹き切れを回避することができる。
【0031】図9の曲線Gは緯糸解舒検出信号を表す。
緯糸解舒検出器27からの検出緯糸解舒数nが設定数N
に達すると、補助制御コンピュータC1 は電磁ソレノイ
ド26を消磁する。この消磁により係止ピン26aが糸
巻付面19aに係合し、緯糸引出し解舒が阻止される。
緯糸引き出し解舒が阻止されることによって緯入れが完
了するが、この引き出し解舒阻止ショックが糸切れの原
因となる。最終の緯糸飛走速度が大きいほど糸切れが生
じ易いが、緯糸飛走速度は緯入れ用メインノズル20か
ら射出される際の初速に専ら左右される。初速が大きい
ほど最終の緯糸飛走速度も大きくなり、糸切れが起き易
くなる。しかしながら、微風によって緯入れ用メインノ
ズル20から緯糸Y2 を射出するため、緯糸Y2 の初速
は製織中の緯入れ初速に比して大幅に遅く、最終飛走速
度も製織中の最終飛走速度よりも大幅に遅くなる。従っ
て、緯糸解舒阻止ショックによる糸切れのおそれは全く
なく、糸強力の弱い緯糸種類を用いた製織においても1
ショット緯入れは良好に行われる。
【0032】製織停止中のエア無供給状態の圧力エア供
給タンク29,30内の圧力は製織中の断続的なエア供
給状態に比して高圧となるが、係止ピン26aが糸巻付
面19aから離間する前に緯入れ用補助ノズル群21〜
24の連続噴射を開始することによって緯入れ開始前に
圧力エア供給タンク29,30の圧力が製織中の圧力よ
りも更に低下する。従って、微風によって射出された緯
糸Y2は製織中よりも低圧の緯入れ用補助ノズル群21
〜24の噴射作用によって牽引されることになり、糸切
れ防止効果が更に増す。
【0033】1ショット緯入れされた緯糸Y2 が緯糸検
出器25によって検出されると、主制御コンピュータC
0 は緯糸検出器25からの緯糸検出信号Hに基づいて電
磁バルブV5 を除いたV2 〜V4 を消磁する。即ち、製
織再開後にまず筬打ちされる緯糸Y2は緯入れ用補助ノ
ズル群24の噴射作用によって製織再開初期まで張力を
付与される。1ショット緯入れされた緯糸Y2 は図6に
矢印Rで示すようにこの張力付与によって変形筬6の緯
入れ通路6a内で良好な姿勢に保たれ、この良好な姿勢
のまま筬打ちされる。従って、織傷となり易い緩み状態
のままで緯糸Y 2 が筬打ちされることはない。又、緯入
れ通路6a内から緯糸Y2 が外れてしまうという事態が
生じることもない。
【0034】電磁バルブV2 〜V4 の消磁後、主制御コ
ンピュータC0 は機台モータM、送り出しモータ1及び
巻き取りモータ18を図9の曲線D7,8,9 で示すよ
うに同期してスロー正転させる。この同期スロー正転に
より変形筬6が図7の位置から図8の製織再開に適した
位置へ移行する。この製織再開に適した位置は筬打ち直
前の位置であり、この位置から変形筬6を筬打ち揺動さ
せることによって製織再開後の第1回目の緯入れ緯糸の
緯入れ及び筬打ちが円滑に行われる。このスロー正転の
際には変形筬6が筬打ち位置Pを経由することはなく、
織前W1 が変形筬6によって叩かれることはない。
【0035】除去されたミス糸Y1 に代えて新たな緯糸
2 を1ショット緯入れしておかない場合(即ち図7か
ら緯糸Y2 を省いた場合)、この状態から製織再開に適
した位置へ変形筬6を移行するにはミス糸Y1 より先に
緯入れされた緯糸Y3 を筬打ち位置Pへ引き戻しておか
ねばならない。そのため、機台を緯糸Y3 の筬打ち前の
位置まで逆転しなければならず、変形筬6が筬打ち位置
Pを経由する。従って、新たな緯糸Y2 を1ショット緯
入れしておかない場合には製織再開位置へのスロー逆転
の過程で変形筬6が織前W1 を叩き、綾枕が発生する。
【0036】ミス糸Y1 に代えて緯糸Y2 を1ショット
緯入れしておく場合には、製織再開の際にこの1ショッ
ト緯入れされた緯糸Y2 を筬打ち位置Pへ引き戻せばよ
い。この場合の機台の回転はスロー正転となり、筬打ち
前の位置が再起動位置となるため、変形筬6が筬打ち位
置Pを経由することはない。従って、織前W1 が変形筬
6によって叩かれることはなく、綾枕が発生することは
ない。
【0037】なお、織機の再起動位置は自由に設定する
ことができ、正転方向に移行する場合にのみ限らず逆転
方向でもよく、又、1ショット緯入れを行った位置から
直接再起動してもよい。さらに正逆転方向に移行する場
合でもその移行量は自由に設定することができ、いずれ
にしても変形筬6が筬打ち位置Pを経由しない状態で再
起動位置の設定が可能となる。
【0038】変形筬6が図8の製織再開位置へ移行する
と、主制御コンピュータC0 は1ショット緯入れ終了用
基準信号S4 を各補助制御コンピュータC1 ,C2 へ出
力する。補助制御コンピュータC1 は基準信号S4 に応
答して電磁ソレノイド26の製織用励消磁制御へ移行す
る。
【0039】補助制御コンピュータC2 は1ショット緯
入れ終了用基準信号S4 の入力に応答して電磁バルブV
5 を消磁し、曲線F1 ,F21,F31,F41,F51で示す
ように電磁バルブV1 〜V5 の製織用リレー励消磁制御
へ移行する。そして、主制御コンピュータC0 は図9の
曲線D10, 11, 12で示すように機台モータM、送り
出しモータ1及び巻き取りモータ18を同期して正転開
始し、製織が再開される。
【0040】なお、特開昭58ー197350号公報に
はジェットルームの製織再開に先立つ1ショット緯入れ
方式の起動方法が開示されている。しかしながら、この
1ショット緯入れ方式は製織再開時の緯入れトラブルを
減少して円滑な製織再開を目的としており、綾枕発生防
止の目的及び作用は何ら開示されていない。図15〜図
20は第2の発明の実施例を示し、図17〜図20のフ
ローチャートは主制御コンピュータC0 における緯入れ
ミス処理プログラム及び織段発生防止プログラムを表
す。装置構成及び補助制御コンピュータC1 ,C2 の制
御機能は前記実施例と同様であるが、主制御コンピュー
タC0 の制御機能は前記実施例と異なる。
【0041】緯入れミスが発生すると、各モータM,
1,18が図16の曲線D1,2,3 で示すように同期
して停止し、変形筬6が筬打ち直前で停止する。機台停
止後、主制御コンピュータC0 は曲線D4 で示すように
入力装置31によって入力設定された設定量Q+ だけの
スロー正転を送り出しモータ1に対して指令すると同
時、曲線D5 で示すように入力装置31によって入力設
定された設定量R+ だけのスロー正転を巻き取りモータ
18に対して指令する。即ち、緯入れミス処理のための
機台モータMの所定量スロー逆転に先立って送り出しモ
ータ1の所定量Q+ だけのスロー正転及び巻き取りモー
タ18の設定量R+ だけのスロー正転が行われる。両モ
ータ1,18のスロー正転により経糸Tが所定量ρだけ
スロー送り出しされると共に、織布Wが所定量ρだけス
ロー巻き取りされる。スロー送り出し及びスロー巻き取
りによって織前W1 が図15に示すように所定量ρだけ
正規の位置Pから織布W側へ移動する。
【0042】送り出しモータ1及び巻き取りモータ18
の所定量スロー正転後、モータMが図16に曲線D6
示すようにスロー逆転し、機台が1回半程スロー逆転す
る。このスロー逆転により変形筬6が図14の実線で示
す位置から鎖線で示す最後退位置へ移動し、経糸Tが最
大開口を形成する。この開口形成によって織前W1 上の
ミス糸Y1 が経糸Tの把持作用から解放され、緯入れミ
ス処理が可能となる。送り出しモータ1及び巻き取りモ
ータ18は曲線D7,8 で示すように機台モータMのス
ロー逆転と同期してスロー逆転する。
【0043】最大開口形成後、図16に曲線D9 で示す
ように送り出しモータ1が所定量Q - スロー逆転すると
共に、曲線D10で示すように巻き取りモータ18が同期
して所定量R- スロー逆転する。両モータ1,18の同
期スロー逆転により経糸Tが所定量ρだけスロー引き戻
しされると共に、織布Wが所定量ρだけスロー巻き戻し
され、織前W1 が正規の位置Pへ変位復帰する。
【0044】織前W1 が正規の位置Pへ復帰した後、ミ
ス糸Y1の除去処理、新たな緯糸Y 2 の1ショット緯入
れ及び製織再開が前記実施例と同様に行われる。前記実
施例で説明したように、緯入れミス処理のための機台の
1回半程のスロー逆転によって変形筬6が図15の実線
で示す停止位置から鎖線で示す最後退位置へ移動する間
に正規の位置(筬打ち位置)Pを経由する。従って、織
前W1 が筬打ち位置Pにある場合には織前W1 が変形筬
6によって叩かれることになるが、緯入れミス処理のた
めの機台スロー逆転に先立って織前W1 が筬打ち位置P
から織布W側へ逃れているため、織前W1 が変形筬6に
よって叩かれることはない。従って、ミス糸Y1 より先
に緯入れされた緯糸Y3,4 等が織布Wの上下方向へず
らされることはなく、緯糸Y3,4 のずれに起因する綾
枕が生じることはない。即ち、この実施例における綾枕
防止は前記実施例よりもさらに確実である。
【0045】本発明は図21に示すような実施例も可能
である。この実施例では糸抜け防止用エア管路36が緯
入れ用メインノズル20に接続されており、糸抜け防止
用エア管路36へのエア供給が圧力調整器37、電磁バ
ルブV6 及び逆止弁38を介して行われる。電磁バルブ
6 は製織時に緯入れされた緯糸を切断するタイミング
に合わせて励消磁され、緯入れ毎の緯糸切断ショックに
起因する緯入れ用メインノズル20からの糸抜けが糸抜
け防止用エア管路36からのエア供給によって防止され
る。このエア圧も製織のための緯入れ用エア圧力よりも
低圧に設定されており、この糸抜け防止用エア管路36
から供給される低圧エア噴射が1ショット緯入れに利用
される。即ち、1ショット緯入れの際には電磁バルブV
6 が励磁され、緯糸Y2 は糸抜け防止用エア管路36か
ら緯入れ用メインノズル20に供給される低圧エアによ
って射出される。従って、前記実施例と同様に糸切れが
防止される。
【0046】又、本発明では緯入れ用補助ノズル21〜
24のリレー噴射によって1ショット緯入れするように
してもよい。さらに本発明は綾枕発生防止のみならず特
開昭58−197350号公報に開示されるような再起
動時の緯入れトラブルを回避するための1ショット緯入
れの実施にも適用可能である。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明は、製織
開始前に糸抜け防止用流体供給系統からの低圧流体供給
によって緯糸を1本緯入れ用メインノズルから射出緯入
れするようにしたので、1ショット緯入れされた緯糸の
糸切れも発生せず、糸切れに起因する織傷発生を防止し
得るという効果を奏する。
【0048】第2の発明は、製織停止直前に緯入れされ
た緯糸を織前から除去処理するための機台スロー逆転の
前に予め織前を正規の位置から織布側へ移動しておき、
前記機台スロー逆転後に織物を正規の位置へ復帰させ、
製織停止直前に緯入れされた緯糸を織前から除去処理し
た後、製織時よりも低い設定圧でもって除去緯糸に代わ
る新たな緯糸を1本射出緯入れするようにしたので、緯
糸除去のための機台スロー逆転の際にミス糸を叩くこと
による軽微な綾枕発生も確実に防止できるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1ショット緯入れを制御するための回路を組
み込んだ略体正面図である。
【図2】 織機全体の略体側面図である。
【図3】 ミス糸の織込状態を示す拡大側面図である。
【図4】 ミス糸の織込状態を解除した状態を示す拡大
側面図である。
【図5】 1ショット緯入れ開始前に緯入れ用補助ノズ
ル群を噴射した状態を示す略体正面図である。
【図6】 1ショット緯入れ状態を示す略体正面図であ
る。
【図7】 1ショット緯入れ状態を示す拡大側面図であ
る。
【図8】 変形筬を製織再開位置へ移行した状態を示す
拡大側面図である。
【図9】 1ショット緯入れのための圧力制御及び励消
磁制御を表すグラフである。
【図10】 第1の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図11】 第1の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図12】 第1の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図13】 第1の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図14】 第1の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図15】 第2の発明における織前の変位を示す拡大
側面である。
【図16】 1ショット緯入れのための圧力制御及び励
消磁制御を表すグラフである。
【図17】 第2の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図18】 第2の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図19】 第2の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図20】 第2の発明の緯入れ処理プログラム及び1
ショット緯入れ制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図21】 別例を示す側体正面図である。
【符号の説明】
20…緯入れ用メインノズル、21〜24…緯入れ用補
助ノズル群、Y1 …ミス糸、Y2 …1ショット緯入れさ
れる緯糸、W1 …織前、C0 …主制御コンピュータ、C
1 ,C2 …補助制御コンピュータ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入れ用流体供給系統からの流体供給によ
    って緯入れ用メインノズルから緯糸を射出緯入れすると
    共に、緯入れ用メインノズルからの糸抜けを防止するた
    めの糸抜け防止用流体供給系統を備えたジェットルーム
    において、製織開始前に前記糸抜け防止用流体供給系統
    からの流体供給によって緯糸を1本緯入れ用メインノズ
    ルから射出緯入れするジェットルームにおける1ショッ
    ト緯入れ方法。
  2. 【請求項2】緯入れ用流体供給系統からの流体供給によ
    って緯入れ用メインノズルから緯糸を射出緯入れすると
    共に、緯入れ用メインノズルからの糸抜けを防止するた
    めの糸抜け防止用流体供給系統を備えたジェットルーム
    において、製織停止直前に緯入れされた緯糸を織前から
    除去処理するための機台スロー逆転の前に予め織前を正
    規の位置から織布側へ移動しておき、前記機台スロー逆
    転後に織前を正規の位置へ復帰させ、製織停止直前に緯
    入れされた緯糸を織前から除去処理した後、製織再開前
    に前記糸抜け防止用流体供給系統からの流体供給によっ
    て緯糸を1本緯入れ用メインノズルから射出緯入れする
    ジェットルームにおける1ショット緯入れ方法。
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