JP3288445B2 - 高温高強度フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

高温高強度フェライト系ステンレス鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安価な高温高強度フェ
ライト系ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト系ステレンス鋼は、熱膨張係
数が小さいため繰り返し加熱を受けるような環境での特
性(熱疲労特性)に優れている。そのため自動車排気関
連部材、一例としてはエキゾーストパイプ等への使用が
増加しつつある。このような自動車部材は素材の薄肉化
のために、高い高温強度が必要とされる一方、大衆がユ
ーザーである点から安価であることが非常に重要であ
る。そのために、より安価な材料であり、高温高強度で
ある材料の開発が強く求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の要求
を満たすものであり、安価でありつつ、高温高強度のフ
ェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:0.03
wt%以下、 Si:2.0wt%以下、Mn:
1.5wt%以下、 Cr:5wt%以上20wt
%以下、Ni:1wt%以下、 Zr:0.0
5〜1.0wt%、S:0.03wt%以下、 A
l:0.1wt%以下、P:0.04wt%超0.2w
t%以下、N:0.03wt%以下、残部がFeおよび
不可避的不純物からなる高温高強度フェライト系ステン
レス鋼を提供するものである。
【0005】本発明鋼は、さらに下記の(1)〜(3)
を少なくとも1種含有していてもよい。 (1)Moを5.0wt%以下 (2)Nb,Vを1種以上総計で1.0wt%以下 (3)REM,Caを1種以上総計で0.5wt%以下
【0006】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。従来、
フェライト系ステンレス鋼では低くすることが必要とさ
れていたPを、逆に積極的に添加することにより、安価
に高温高強度化できる事を見出し、本発明を完成させ
た。
【0007】JISG4304の熱間圧延ステレス鋼板とJISG43
05の冷間圧延ステンレス鋼板の中で、フェライト系ステ
ンレス鋼板のPについて以下のように規定されている。
SUS447J1,SUSXM27の2種については、Pは0.03wt
%以下、その他のフェライト系ステンレス鋼板について
はPは0.04wt%以下となっている。この理由は、
Pは素材の靱性を劣化させるためと考えられるために、
できるだけ低減しようとするものである。
【0008】ところが、本発明者らは、Zr必須のフェ
ライト系ステンレス鋼の場合、P添加を行うことによ
り、高温強度が向上するとともに、その靱性も事実上問
題のない程度であることが明らかになった。このような
P添加の意義は次の2点において大きい。
【0009】1つにはPを0.04wt%以下に低減す
るには、従来脱P工程が必要であった。そのため0.0
4〜0.2wt%のPの含有が許されるならば、この脱
P工程の省略、または工程時間短縮が可能になり、著し
く製造性が向上する。また、2つめとして含P溶銑にさ
らにPを添加するとしても、P自身が非常に安価な元素
であり、製品価格への影響は非常に小さい。このような
点からP添加フェライト系ステンレス鋼の高温高強度化
は工業的に大きな意味を有している。
【0010】ところが、P添加によりフェライト系ステ
ンレス鋼は靭性が低下するという問題がある。例えば、
特公平1−20221号のように、耐食性合金としてP
含有鋼の例があるものの、この例では、靭性の低下をC
r,C,sol Al量を適正化することにより、改善
している。本発明者らは、Pによる高温高強度化に伴う
靭性低下を、Zr含有量の適正化で改善できることを見
出し、本発明完成させた。
【0011】本発明者らは高温強度におよぼす成分の影
響を詳細に検討した。以下に成分の限定理由を示す。 C:0.03wt%以下 Cは靱性に有害であり、できるだけ少いほうが好ましい
が、工業的、経済的な点から上限を0.03wt%とす
る。
【0012】Si:2.0wt%以下 Siは耐酸化性の向上に有効であるが、靱性、加工性を
低下させるため、上限を2wt%とする。
【0013】Mn:1.5wt%以下 Mnは、加工性の点から少ない程良いが、製造時の経済
性を考慮して上限を1.5wt%に限定した。
【0014】Cr:5wt%以上20wt%以下 Crは耐酸化性を付与する主要元素であるが、5wt%
未満では十分な耐酸化性がなく、20wt%を超えると
靱性劣化及び加工性の劣化が著しいため20wt%を上
限とした。
【0015】Ni:1wt%以下 Niは製造工程上不可避的に入ってくるが、靱性向上に
寄与する。特に添加する必要はないが、高価であるため
1wt%を上限とする。
【0016】S:0.03wt%以下 Sは熱間加工性の点から少ない方が好ましく、0.03
wt%以下とした。
【0017】Al:0.1wt%以下 酸材として添加する。多量に添加すると粗大な介在物
が生じるため上限を0.1wt%とした。
【0018】N:0.03wt%以下 高温強度を高めるが、Cと同じく、靱性に有害である
が、0.03wt%以下であれば、実用上問題はない。
【0019】P:0.04wt%超0.2wt%以下 Pは高温強度を向上させる。0.04wt%を超えて添
加するとその効果が顕著になるが、靱性を劣化させる。
しかし、Zrとの複合添加によって、その劣化が抑制さ
れるが、Pが0.2wt%を超えるとZrとの複合添加
によっても、靱性劣化が著しいので0.04wt%超
0.2wt%以下に限定する。
【0020】Zr:0.05〜1.0wt%以下 上述のように、Zr添加は、P添加による靱性の劣化を
防ぐ効果がある。しかし、1wt%を超えて添加した場
合、靱性の低下また、コスト的にも望ましくないため、
0.05〜1.0wt%の範囲とした。
【0021】Mo:5.0wt%以下 Moは高温強度向上のために添加する。非常に高価な元
素であるため上限を5.0wt%とした。
【0022】Nb,V:1種以上総計で1.0wt%以
下 Nb,Vは高温強度向上のために少なくとも1種添加さ
れる。総計の添加量が1wt%を超えて添加すると、靱
性が劣化するため上限を1wt%とした。
【0023】REM,Ca:1種以上総計で0.5wt
%以下 REM,Caは耐酸化性向上のため少なくとも1種添加
する。しかし総計の添加量が0.5wt%を超えて添加
すると靱性が劣化するため上限を0.5wt%とする。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0025】(実施例) 表1に示す化学組成を有するステンレス鋼を真空溶解炉
で溶製し、30kg鋼塊とした。以下公知の方法により
熱間圧延、焼きなまし、冷間圧延、仕上げ焼きなましを
行い、2mm厚の鋼板を作製した。これらの供試材を以
下の条件において高温引張試験、シャルピー衝撃試験を
行った。その結果を表2に示す。 (1)高温引張試験 板厚2mmの板状試験片を用いて、0.3%/分の引張
速度で0.2%PSを測定した。 (2)シャルピー衝撃試験 長さ55mm、幅10mm厚さ2mmの試験片を用
い、冷延方向に2mmのVノッチをいれ−20℃での吸
収エネルギーを測定した。N=3の平均値を求めた。 (3)酸化試験 2mm×20mm×30mmの試験片を大気中900
℃、100時間保持した後の重量変化を求めた。また目
視により、酸化スケーが剥離しているか否かも調べ
た。評価は下記によった。
【0026】鋼A,B,Fの比較により、P添加により
高温強度が向上することは明確であるものの、Pにより
著しく脆化することがわかる。しかし、Zrとの複合添
加により、Pによる脆化は抑制されつつ、高い高温強度
が維持される(鋼1,2と鋼A,Bの比較)。しかし、
比較鋼C,Dのように、Pが過剰であると、Zrを複合
添加しても靱性向上が見られない。一方、Zrが、過剰
であると、Zrの金属間化合物が生成し、靱性を劣化さ
せる(鋼E)。鋼1と鋼3,4,8又は鋼4と鋼10、
鋼5と鋼11の比較によりMo,Nb,Vの添加はP添
加鋼においても高温強度を向上させる。鋼5,6のよう
にREM,Caの添加は表2に示すように、P添加鋼に
おいても耐酸化性を向上させる。鋼7,9は、P,Z
r,Mo,Nb,REMのすべての効果が具現したもの
であり、P添加鋼において、高靱性、高温高強度、高耐
酸化性フェライト系ステンレス鋼である。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低廉なP
添加高温高強度フェライト系ステンレス鋼が得られる。
さらに、基本成分に付加成分を添加すれば一層特性は優
れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉 岡 啓 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平4−228547(JP,A) 特開 昭54−128421(JP,A) 特開 昭55−122856(JP,A) 特開 昭61−99659(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.03wt%以下、 Si:
    2.0wt%以下、 Mn:1.5wt%以下、 Cr:5wt%以上2
    0wt%以下、 Ni:1wt%以下、 Zr:0.05〜1.
    0wt%、 S:0.03wt%以下、 Al:0.1wt%以
    下、 P:0.04wt%超0.2wt%以下、 N:0.03wt%以下、 残部がFeおよび不可避的不純物からなる高温高強度フ
    ェライト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】さらに、Moを5.0wt%以下含有する
    請求項1に記載の高温高強度フェライト系ステンレス
    鋼。
  3. 【請求項3】さらに、Nb,Vを1種以上総計で1.0
    wt%以下含有する請求項1または2に記載の高温高強
    度フェライト系ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】さらに、REM,Caを少なくとも1種総
    計で0.5wt%以下含有する請求項1〜3のいずれか
    に記載の高温高強度フェライト系ステンレス鋼。
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