JP2801834B2 - 加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−Cr合金 - Google Patents
加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−Cr合金Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性、耐食性、特に耐
孔食性、溶接部耐食性(耐粒界腐食性)、耐酸性、耐酸
化性などに優れるFe−Cr合金に関する。
孔食性、溶接部耐食性(耐粒界腐食性)、耐酸性、耐酸
化性などに優れるFe−Cr合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にFe−Cr合金は耐食性に優れた
材料として知られているが、耐食性および加工性の改善
も含めてFe−Cr合金の物性の改良が以下の例示のご
とくに各種提案されている。
材料として知られているが、耐食性および加工性の改善
も含めてFe−Cr合金の物性の改良が以下の例示のご
とくに各種提案されている。
【0003】特公昭63−58904号公報ではCr含
量11.0〜16.0重量%のFe−Cr合金で、特に
Ti含量を特定量とした張り出し性および二次加工性に
優れたフェライト系ステンレス鋼を提案している。
量11.0〜16.0重量%のFe−Cr合金で、特に
Ti含量を特定量とした張り出し性および二次加工性に
優れたフェライト系ステンレス鋼を提案している。
【0004】特公昭64−6264号公報ではCr含量
8.0〜35.0重量%のFe−Cr合金で、特にS
i、MnおよびMbを各々特定量含有した耐銹性に優れ
たステンレス鋼光輝焼鈍材を提案している。
8.0〜35.0重量%のFe−Cr合金で、特にS
i、MnおよびMbを各々特定量含有した耐銹性に優れ
たステンレス鋼光輝焼鈍材を提案している。
【0005】特公平2−1902号公報ではCr含量が
20.0重量%を越え25重量%以下のFe−Cr合金
で、特にMo、MnおよびMbを各々特定量含有せした
め溶接時の耐高温割れ性および溶接部靱性に優れた耐食
性フェライトステンレス鋼を提案している。
20.0重量%を越え25重量%以下のFe−Cr合金
で、特にMo、MnおよびMbを各々特定量含有せした
め溶接時の耐高温割れ性および溶接部靱性に優れた耐食
性フェライトステンレス鋼を提案している。
【0006】特開昭62−267450号公報でCr含
量16〜19重量%のFe−Cr系合金であって、特に
Moを特定量含有せしため耐粒界腐食性に優れる高純度
フェライト系ステンレス鋼を提案している。
量16〜19重量%のFe−Cr系合金であって、特に
Moを特定量含有せしため耐粒界腐食性に優れる高純度
フェライト系ステンレス鋼を提案している。
【0007】特開平2−232344号公報ではCr含
量25.0〜30.0重量%のFe−Cr系合金であっ
て、特にMoを特定量含有せしめた耐生物付着性および
耐海水性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提案して
いる。
量25.0〜30.0重量%のFe−Cr系合金であっ
て、特にMoを特定量含有せしめた耐生物付着性および
耐海水性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提案して
いる。
【0008】特開平3−2355号公報ではCr含量1
6.0〜25.0重量%のFe−Cr合金であって、特
にNbをCとNの合計量との比において特定量含有せし
めた冷間加工性、靱性、耐食性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼を提案している。
6.0〜25.0重量%のFe−Cr合金であって、特
にNbをCとNの合計量との比において特定量含有せし
めた冷間加工性、靱性、耐食性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼を提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらFe−Cr合金
は、まずは耐食性を重要視するので、Crを比較的多量
に使用する。その結果、延性が低下し加工性が必ずしも
充分でなく、家庭用流し台のシンク、建築用外装材や自
動車用外装材などに適用しようとする場合、加工時に割
れが生じたり、加工に当って厳しい条件が必要な場合に
は加工が困難になるという問題点があり、一層の加工性
の向上が望まれていた。
は、まずは耐食性を重要視するので、Crを比較的多量
に使用する。その結果、延性が低下し加工性が必ずしも
充分でなく、家庭用流し台のシンク、建築用外装材や自
動車用外装材などに適用しようとする場合、加工時に割
れが生じたり、加工に当って厳しい条件が必要な場合に
は加工が困難になるという問題点があり、一層の加工性
の向上が望まれていた。
【0010】さらに、これらFe−Cr合金は耐食性に
優れるが、なお不充分で、特に耐孔食性、溶接部耐食性
(耐粒界腐食性)が要請される温水器缶体や、自動車マ
フラー用材などの用途、更には耐酸性が要求される化学
プラントなどの用途にはこれらの特性の改善が要望され
ている。
優れるが、なお不充分で、特に耐孔食性、溶接部耐食性
(耐粒界腐食性)が要請される温水器缶体や、自動車マ
フラー用材などの用途、更には耐酸性が要求される化学
プラントなどの用途にはこれらの特性の改善が要望され
ている。
【0011】かくして、本発明の第1の目的は加工性が
改善されかつ耐孔食性および溶接部耐食性に優れたFe
−Cr合金を提供することである。
改善されかつ耐孔食性および溶接部耐食性に優れたFe
−Cr合金を提供することである。
【0012】本発明の第2の目的は上記特性の改善に加
えて、耐酸性および/または耐酸化性に於いても改善さ
れたFe−Cr合金を提供することにある。
えて、耐酸性および/または耐酸化性に於いても改善さ
れたFe−Cr合金を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意研究を行った結果、意外にも従来のFe−
Cr合金に存在していたC,N,O,P,Sなどの不純
物量が極めて少ないFe−Cr合金が著しく延性に於い
て優れることおよび耐食性に於いても優れることを見い
出した。
成すべく鋭意研究を行った結果、意外にも従来のFe−
Cr合金に存在していたC,N,O,P,Sなどの不純
物量が極めて少ないFe−Cr合金が著しく延性に於い
て優れることおよび耐食性に於いても優れることを見い
出した。
【0014】そして上記不純物量の低下したFe−Cr
合金に特定量のMoを添加することにより著しく耐孔食
性が向上すること、更にTi,Nb,Zr,V,Ta,
WおよびBの一種以上を特定量加えることにより溶接部
耐食性(耐粒界腐食性)が著しく向上することを見い出
した。
合金に特定量のMoを添加することにより著しく耐孔食
性が向上すること、更にTi,Nb,Zr,V,Ta,
WおよびBの一種以上を特定量加えることにより溶接部
耐食性(耐粒界腐食性)が著しく向上することを見い出
した。
【0015】さらに、上記元素に加えて、Ni,Co,
Cuの一種以上を特定量加えることにより耐酸性が著し
く向上する一連の事実を見い出した。さらに、上記元素
にかえて、Si,Mn,Alの一種以上および/または
Ca,Mg,REMの一種以上を特定量加えることによ
り耐酸化性が著しく向上することを見い出し本発明を完
成するに至った。
Cuの一種以上を特定量加えることにより耐酸性が著し
く向上する一連の事実を見い出した。さらに、上記元素
にかえて、Si,Mn,Alの一種以上および/または
Ca,Mg,REMの一種以上を特定量加えることによ
り耐酸化性が著しく向上することを見い出し本発明を完
成するに至った。
【0016】即ち、本発明によれば、Cr含量が5〜6
0重量%であり、C,N,O,PおよびSの合計量が1
00ppm以下、Mo含量が0.5〜20重量%であ
り、かつTi,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから
選択される1種以上を下記式(1)を満たす量含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−
Cr合金が提供される。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1)
0重量%であり、C,N,O,PおよびSの合計量が1
00ppm以下、Mo含量が0.5〜20重量%であ
り、かつTi,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから
選択される1種以上を下記式(1)を満たす量含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−
Cr合金が提供される。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1)
【0017】本発明によれば、Cr含量が5〜60重量
%、C,N,O,PおよびSの合計量が100ppm以
下であり、Mo含量が0.5〜20重量%であり、かつ
Ti,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから選択され
る1種以上を下記式(1)を満たし、さらにNi,Cu
およびCoから選択される1種以上を下記式(2)を満
たす量含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とする加工性、耐孔食性、溶接部耐食性およ
び耐酸性に優れるFe−Cr合金が提供される。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2)
%、C,N,O,PおよびSの合計量が100ppm以
下であり、Mo含量が0.5〜20重量%であり、かつ
Ti,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから選択され
る1種以上を下記式(1)を満たし、さらにNi,Cu
およびCoから選択される1種以上を下記式(2)を満
たす量含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とする加工性、耐孔食性、溶接部耐食性およ
び耐酸性に優れるFe−Cr合金が提供される。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2)
【0018】また、本発明によれば、Cr含量が5〜6
0重量%、C,N,O,PおよびSの合計量が100p
pm以下であり、Mo含量が0.5〜20重量%であ
り、かつTi,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから
選択される1種以上を下記式(1)を満たす量含有し、
かつSi,MnおよびAlから選択される1種以上を下
記式(3)を満たす量および/またはCa,Mgおよび
希土類元素(REM)から選択される1種以上を下記式
(4)を満たす量含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなることを特徴とする加工性、耐孔食性、溶接部
耐食性および耐酸化性に優れるFe−Cr合金が提供さ
れる。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量%………(4)
0重量%、C,N,O,PおよびSの合計量が100p
pm以下であり、Mo含量が0.5〜20重量%であ
り、かつTi,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから
選択される1種以上を下記式(1)を満たす量含有し、
かつSi,MnおよびAlから選択される1種以上を下
記式(3)を満たす量および/またはCa,Mgおよび
希土類元素(REM)から選択される1種以上を下記式
(4)を満たす量含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなることを特徴とする加工性、耐孔食性、溶接部
耐食性および耐酸化性に優れるFe−Cr合金が提供さ
れる。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量%………(4)
【0019】さらに、本発明によれば、Cr含量が5〜
60重量%、C,N,O,PおよびSの合計量が100
ppm以下であり、Mo含量が0.5〜20重量%であ
り、かつTi,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから
選択される1種以上を下記式(1)を満たす量含有し、
さらにNi,CuおよびCoから選択される1種以上を
下記式(2)を満たす量含有し、かつSi,Mnおよび
Alから選択される1種以上を下記式(3)を満たす量
および/またはCa,Mgおよび希土類元素(REM)
から選択される1種以上を下記式(4)を満たす量含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴
とする加工性、耐孔食性、溶接部耐食性および耐酸化性
に優れるFe−Cr合金が提供される。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量%………(4)
60重量%、C,N,O,PおよびSの合計量が100
ppm以下であり、Mo含量が0.5〜20重量%であ
り、かつTi,Nb,Zr,V,Ta,WおよびBから
選択される1種以上を下記式(1)を満たす量含有し、
さらにNi,CuおよびCoから選択される1種以上を
下記式(2)を満たす量含有し、かつSi,Mnおよび
Alから選択される1種以上を下記式(3)を満たす量
および/またはCa,Mgおよび希土類元素(REM)
から選択される1種以上を下記式(4)を満たす量含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴
とする加工性、耐孔食性、溶接部耐食性および耐酸化性
に優れるFe−Cr合金が提供される。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量%………(4)
【0020】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。 (I)まず、加工性、耐孔食性および溶接部腐食性に優
れたFe−Cr合金について説明する。図1に、Fe−
18%Cr合金に関してC,N,O,PおよびSの合計
量と室温での引張試験の結果を、上記合計量が500p
pm程度の従来合金を基準として、示したものである。
従来合金と比較してその含有量が100ppm以下にな
ると、伸びの値が向上し、降伏強さの低下が著しくな
り、如実に延性が改善されていることがわかる。
れたFe−Cr合金について説明する。図1に、Fe−
18%Cr合金に関してC,N,O,PおよびSの合計
量と室温での引張試験の結果を、上記合計量が500p
pm程度の従来合金を基準として、示したものである。
従来合金と比較してその含有量が100ppm以下にな
ると、伸びの値が向上し、降伏強さの低下が著しくな
り、如実に延性が改善されていることがわかる。
【0021】なお、試験片の調製法および測定法は以下
の通りである。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し供試材とした。 測定方法;JIS Z−2241に準拠した引張試験に
より評価した。試験片はL方向、X方向、C方向より採
取し、(L+C+2×X)/4で算出した。図1中、伸
びの変化(%)、耐力(降伏強度)の変化(N/mm2)と
は、各合金成分について、C+N+O+S+P=500
ppmのものとの引張特性の差を示す。基本となる引張
特性は、以下の通り。 Fe−18Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び30%、耐
力330N/mm2 Fe−30Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び25%、耐
力450N/mm2
の通りである。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し供試材とした。 測定方法;JIS Z−2241に準拠した引張試験に
より評価した。試験片はL方向、X方向、C方向より採
取し、(L+C+2×X)/4で算出した。図1中、伸
びの変化(%)、耐力(降伏強度)の変化(N/mm2)と
は、各合金成分について、C+N+O+S+P=500
ppmのものとの引張特性の差を示す。基本となる引張
特性は、以下の通り。 Fe−18Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び30%、耐
力330N/mm2 Fe−30Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び25%、耐
力450N/mm2
【0022】図2には、C,N,O,PおよびSの合計
量が100ppm以下のFe−16%Cr合金の冷延焼
鈍板に関してMoの含有量と孔食電位の関係を示した
が、Mo含有量が0.5重量%以上となると孔食電位が
急激に向上し、耐孔食性に優れることが明らかである。
量が100ppm以下のFe−16%Cr合金の冷延焼
鈍板に関してMoの含有量と孔食電位の関係を示した
が、Mo含有量が0.5重量%以上となると孔食電位が
急激に向上し、耐孔食性に優れることが明らかである。
【0023】なお、試験片の調製法および測定方法は以
下の通りである。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し、表面をエメリー
#800研磨し試験片とした。 測定方法;1000ppmCl- 溶液中でJIS G0
577に準拠しアノード分極曲線を求め、Vc 10μA を
孔食発生電位とした。
下の通りである。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し、表面をエメリー
#800研磨し試験片とした。 測定方法;1000ppmCl- 溶液中でJIS G0
577に準拠しアノード分極曲線を求め、Vc 10μA を
孔食発生電位とした。
【0024】図3には、C,N,O,PおよびSの合計
量が100ppm以下のFe−20%Cr合金に関し
て、TIG溶接部の粒界腐食試験結果を、(Ti+Nb
+Zr+V+Ta+W+50×B)の値(重量%)を変
化させた場合につき示されている。これによれば上記の
値が0.01%以上であれば著しく溶接部耐食性(耐粒
界腐食性)が改善されることが明らかである。
量が100ppm以下のFe−20%Cr合金に関し
て、TIG溶接部の粒界腐食試験結果を、(Ti+Nb
+Zr+V+Ta+W+50×B)の値(重量%)を変
化させた場合につき示されている。これによれば上記の
値が0.01%以上であれば著しく溶接部耐食性(耐粒
界腐食性)が改善されることが明らかである。
【0025】なお、試験片の調製法および測定方法は以
下の通りである。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し、表面をエメリー
#500研磨した試料に、TIG溶接(ビードオン)を
施し、供試材とした。 測定方法;JIS G−0572に準拠した硫酸−硫酸
銅試験後の溶接部曲げ試験(r=2t、180℃曲げ)
による割れの有無により評価した。
下の通りである。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し、表面をエメリー
#500研磨した試料に、TIG溶接(ビードオン)を
施し、供試材とした。 測定方法;JIS G−0572に準拠した硫酸−硫酸
銅試験後の溶接部曲げ試験(r=2t、180℃曲げ)
による割れの有無により評価した。
【0026】図4には、C,N,O,PおよびSの合計
量が100ppm以下であって、Fe−(25〜45)
%Cr合金板の5重量%HCl水溶液中での浸漬試験に
より求めた腐食速度と(Ni+Co+2Cu)重量%と
の関係を示した。このグラフから(Ni+Co+2C
u)の値が0.01重量%以上となると腐食速度が急激
に低下し、耐酸性が向上することが明らかである。
量が100ppm以下であって、Fe−(25〜45)
%Cr合金板の5重量%HCl水溶液中での浸漬試験に
より求めた腐食速度と(Ni+Co+2Cu)重量%と
の関係を示した。このグラフから(Ni+Co+2C
u)の値が0.01重量%以上となると腐食速度が急激
に低下し、耐酸性が向上することが明らかである。
【0027】なお、試験片の調製法および測定方法は以
下の通り。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し、表面をエメリー
#500研磨し試験片とした。
下の通り。 試験片 ;10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4m
m厚まで圧延後再結晶焼鈍し、脱スケール後、冷間で
0.8mm厚まで圧延後再結晶焼鈍し、表面をエメリー
#500研磨し試験片とした。
【0028】次に本発明合金の組成について説明する。 Cr:5〜60重量%、好ましくは10〜35重量%含
有する。Cr含量がこの範囲であることにより合金の耐
食性が優れる。60重量%を越え過剰のCrの含有は耐
食性改善の効果がほぼ飽和し経済的に不合理となるばか
りか加工性も低下するので好ましくない。
有する。Cr含量がこの範囲であることにより合金の耐
食性が優れる。60重量%を越え過剰のCrの含有は耐
食性改善の効果がほぼ飽和し経済的に不合理となるばか
りか加工性も低下するので好ましくない。
【0029】C,N,O,P,S:これらの元素の合計
量100ppm以下である。[作用]の項で説明したよ
うに、100ppm以下であるこにより優れた延性を示
し、加工性に於いて優れる。 Mo:0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%
含有する。0.5重量%以上であれば耐孔食性に優れる
が、過剰の含有は不経済となり好ましくない。Ti,N
b,Zr,V,Ta,W,B:本発明の合金はこれらの
元素を一種以上含有し、その含有量は下記式(1)を満
たす。好ましくは式(1a)を満たすのがよい。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.05重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦0.5重量% ………(1a) この式を満たすことにより、溶接部耐食性(耐粒界腐食
性)に著しく優れた本発明の合金が得られる。しかしな
がら、これらの元素の過剰の含有は添加元素自身の固溶
強化により加工性が低下するので好ましくない。
量100ppm以下である。[作用]の項で説明したよ
うに、100ppm以下であるこにより優れた延性を示
し、加工性に於いて優れる。 Mo:0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%
含有する。0.5重量%以上であれば耐孔食性に優れる
が、過剰の含有は不経済となり好ましくない。Ti,N
b,Zr,V,Ta,W,B:本発明の合金はこれらの
元素を一種以上含有し、その含有量は下記式(1)を満
たす。好ましくは式(1a)を満たすのがよい。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.05重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦0.5重量% ………(1a) この式を満たすことにより、溶接部耐食性(耐粒界腐食
性)に著しく優れた本発明の合金が得られる。しかしな
がら、これらの元素の過剰の含有は添加元素自身の固溶
強化により加工性が低下するので好ましくない。
【0030】また、Ti,Nb,Zr,V,Ta,Wま
たはBの含有量は各々以下の範囲であることが好まし
い。 Ti:Ti≦5(C%+N%) Nb:0.01〜0.5重量% Zr:0.01〜0.5重量% V :0.01〜0.5重量% Ta:0.01〜0.5重量% W :0.01〜0.5重量% B :0.0003〜0.01重量%
たはBの含有量は各々以下の範囲であることが好まし
い。 Ti:Ti≦5(C%+N%) Nb:0.01〜0.5重量% Zr:0.01〜0.5重量% V :0.01〜0.5重量% Ta:0.01〜0.5重量% W :0.01〜0.5重量% B :0.0003〜0.01重量%
【0031】以上の条件を充足するFe−Cr合金は加
工性に優れ、しかも耐孔食性および溶接部耐食性(耐粒
界腐食性)に優れ、温水器缶体、自動車マフラー材など
をはじめとした様々な用途に好ましく用いることができ
る。
工性に優れ、しかも耐孔食性および溶接部耐食性(耐粒
界腐食性)に優れ、温水器缶体、自動車マフラー材など
をはじめとした様々な用途に好ましく用いることができ
る。
【0032】(II)次に、加工性、耐孔食性、溶接部腐
食性および耐酸性に優れた本発明のFe−Cr合金につ
いて説明する。上記の(I)の条件に加えて、さらにN
i、Cu、Coの少なくとも一種を含有し、そしてその
含有量が下記の(2)式を満たすことにより、耐酸性に
於いても優れる合金となる。好ましくは(2a)を満た
すのがよい。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) 0.05重量%≦Ni+Co+2Cu≦5重量% ………(2a)
食性および耐酸性に優れた本発明のFe−Cr合金につ
いて説明する。上記の(I)の条件に加えて、さらにN
i、Cu、Coの少なくとも一種を含有し、そしてその
含有量が下記の(2)式を満たすことにより、耐酸性に
於いても優れる合金となる。好ましくは(2a)を満た
すのがよい。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) 0.05重量%≦Ni+Co+2Cu≦5重量% ………(2a)
【0033】Ni,C3,Cuの(2)式を超えての過
剰の配合は、これら元素がオーストナイト安定化元素で
あり、本発明のように最終的にフェライト単相を得るに
は多量のCr,Moの添加が必要となり好ましくない。
剰の配合は、これら元素がオーストナイト安定化元素で
あり、本発明のように最終的にフェライト単相を得るに
は多量のCr,Moの添加が必要となり好ましくない。
【0034】また、Ni,Co,Cuの各々の好ましい
含量は以下の如くであり、その理由は上記と同様であ
る。 Ni:0.05〜5.0重量% Co:0.05〜5.0重量% Nu:0.05〜2.5重量%
含量は以下の如くであり、その理由は上記と同様であ
る。 Ni:0.05〜5.0重量% Co:0.05〜5.0重量% Nu:0.05〜2.5重量%
【0035】以上の(I)または(II)に記載した条件
を満たす合金は加工性に優れると共に、耐孔食性、溶接
部耐食性(耐粒界腐食性)、耐酸性に於いて著しく優
れ、自動車マフラー材、温水器缶体や化学プラント用材
をはじめとしたさまざまな用途に好適である。
を満たす合金は加工性に優れると共に、耐孔食性、溶接
部耐食性(耐粒界腐食性)、耐酸性に於いて著しく優
れ、自動車マフラー材、温水器缶体や化学プラント用材
をはじめとしたさまざまな用途に好適である。
【0036】本発明の(I)または(II)に記載したF
e−Cr合金を製造するには原料として、まず、高純度
電解鉄,電解Cr,金属Mo,金属Ti,金属Nb,金
属Zr,金属V,金属Ta,金属W,高純度(Fe−
B),電解Ni,電解Cuと金属Coを用いる。いずれ
の原料も主たる不純物は酸素であり、この酸素を除去す
るために10-7torr以上の超高真空下で溶解、鋳造
することにより本発明のFe−Cr合金を製造すること
ができる。
e−Cr合金を製造するには原料として、まず、高純度
電解鉄,電解Cr,金属Mo,金属Ti,金属Nb,金
属Zr,金属V,金属Ta,金属W,高純度(Fe−
B),電解Ni,電解Cuと金属Coを用いる。いずれ
の原料も主たる不純物は酸素であり、この酸素を除去す
るために10-7torr以上の超高真空下で溶解、鋳造
することにより本発明のFe−Cr合金を製造すること
ができる。
【0037】(III) さらに、加工性、耐孔食性、溶接部
腐食性および耐酸化性に優れた本発明のFe−Cr合金
について説明する。図5は、C,N,O,PおよびSの
合計量が100ppm以下であるFe−(15〜30)
%Cr合金に関し、耐酸化性試験(大気中1350K、
12hrスケール除去後の重量減)の結果を示すグラフ
である。(3Al+2Si+Mn)が0.1重量%以上
で耐酸化性に優れていることが明白である。
腐食性および耐酸化性に優れた本発明のFe−Cr合金
について説明する。図5は、C,N,O,PおよびSの
合計量が100ppm以下であるFe−(15〜30)
%Cr合金に関し、耐酸化性試験(大気中1350K、
12hrスケール除去後の重量減)の結果を示すグラフ
である。(3Al+2Si+Mn)が0.1重量%以上
で耐酸化性に優れていることが明白である。
【0038】図6は、C,N,O,PおよびSの合計量
が100ppm以下であるFe−(15〜30)%Cr
合金に関し、耐酸化性試験(大気中1350K、12h
rスケール除去後の重量減)の結果を示すグラフであ
る。(4Ca+4Mg+REM)が0.001重量%以
上で耐酸化性に優れていることが明白である。
が100ppm以下であるFe−(15〜30)%Cr
合金に関し、耐酸化性試験(大気中1350K、12h
rスケール除去後の重量減)の結果を示すグラフであ
る。(4Ca+4Mg+REM)が0.001重量%以
上で耐酸化性に優れていることが明白である。
【0039】以下、本発明の合金組成の成分および態様
について説明する。本発明の加工性および耐酸化性に優
れたFe−Cr合金については下記の三態様があり、そ
れぞれについて説明する。
について説明する。本発明の加工性および耐酸化性に優
れたFe−Cr合金については下記の三態様があり、そ
れぞれについて説明する。
【0040】(1)本発明の第1の態様 Cr:5〜60重量%好ましくは10〜40重量%含有
する。Cr含量がこの範囲であることにより、他の条件
と結合して耐酸化性に優れた合金となる。過剰のCrの
含有は加工性の低下の原因となるとともに、耐酸化性の
改善に対する効果も飽和するので好ましくない。
する。Cr含量がこの範囲であることにより、他の条件
と結合して耐酸化性に優れた合金となる。過剰のCrの
含有は加工性の低下の原因となるとともに、耐酸化性の
改善に対する効果も飽和するので好ましくない。
【0041】C,N,O,P、S:これらの元素の合計
量は100ppm以下、好ましくは85ppm以下であ
る。この条件を満たすことにより異常酸化が抑制され
る。そしてこの条件と他の条件とが結合して、優れた耐
酸化性を示す合金となると同時に延性に於いて優れ、加
工性の良好な合金となる。
量は100ppm以下、好ましくは85ppm以下であ
る。この条件を満たすことにより異常酸化が抑制され
る。そしてこの条件と他の条件とが結合して、優れた耐
酸化性を示す合金となると同時に延性に於いて優れ、加
工性の良好な合金となる。
【0042】Mo:0.5〜20重量%、好ましくは1
〜10重量%含有する。0.5重量%以上であれば耐孔
食性に優れるが、過剰の含有は不経済となり好ましくな
い。Ti,Nb,Zr,V,Ta,W,B:本発明の合
金はこれらの元素を一種以上含有し、その含有量は下記
式(1)を満たす。好ましくは(1a)を満たす。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.05重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦0.5重量% ………(1a) この式を満たすことにより、溶接部耐食性(耐粒界腐食
性)に著しく優れた本発明の合金が得られる。しかしな
がら、これらの元素の過剰の含有は添加元素自身の固溶
強化により加工性が低下するので好ましくない。以上の
条件を充足するFe−Cr合金は加工性に優れ、しかも
耐孔食性および溶接部耐食性(耐粒界腐食性)に優れ、
温水器缶体、自動車マフラー材などをはじめとした様々
な用途に好ましく用いることができる。
〜10重量%含有する。0.5重量%以上であれば耐孔
食性に優れるが、過剰の含有は不経済となり好ましくな
い。Ti,Nb,Zr,V,Ta,W,B:本発明の合
金はこれらの元素を一種以上含有し、その含有量は下記
式(1)を満たす。好ましくは(1a)を満たす。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.05重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦0.5重量% ………(1a) この式を満たすことにより、溶接部耐食性(耐粒界腐食
性)に著しく優れた本発明の合金が得られる。しかしな
がら、これらの元素の過剰の含有は添加元素自身の固溶
強化により加工性が低下するので好ましくない。以上の
条件を充足するFe−Cr合金は加工性に優れ、しかも
耐孔食性および溶接部耐食性(耐粒界腐食性)に優れ、
温水器缶体、自動車マフラー材などをはじめとした様々
な用途に好ましく用いることができる。
【0043】Si、Mn、Al:本態様の合金はこれら
の元素の1種以上を含有し、含有量は下記式(3)、好
ましくは(3a)を満たす。 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ……(3) 0.5重量%≦3Al+2Si+Mn≦25重量% ……(3a) この様な範囲であることにより、他の条件と結合して、
耐酸化性に於いて著しく優れた合金となる。これらの元
素を過剰に含有させて、3Al+2Si+Mnの値が式
(3)の範囲を越えると合金を製造するのが困難となる
のでこれらの元素の過剰の含有は避けるべきである。
の元素の1種以上を含有し、含有量は下記式(3)、好
ましくは(3a)を満たす。 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ……(3) 0.5重量%≦3Al+2Si+Mn≦25重量% ……(3a) この様な範囲であることにより、他の条件と結合して、
耐酸化性に於いて著しく優れた合金となる。これらの元
素を過剰に含有させて、3Al+2Si+Mnの値が式
(3)の範囲を越えると合金を製造するのが困難となる
のでこれらの元素の過剰の含有は避けるべきである。
【0044】各個別の元素の好ましい含有量およびその
理由を下記する。 Si:0.1〜10.0重量% 0.1重量%未満では効果があるが顕著でない。10.
0重量%を超えると製造性の低下が目立つようになる。 Mn:0.1〜5.0重量% 0.1重量%未満では効果があるが顕著でない。5重量
%を超えると製造性の低下が目立つようになる。 Al:0.1〜4.0重量% 0.1重量%未満では効果があるが顕著でない。10.
0重量%を超えると製造性の低下が目立つようになる。
理由を下記する。 Si:0.1〜10.0重量% 0.1重量%未満では効果があるが顕著でない。10.
0重量%を超えると製造性の低下が目立つようになる。 Mn:0.1〜5.0重量% 0.1重量%未満では効果があるが顕著でない。5重量
%を超えると製造性の低下が目立つようになる。 Al:0.1〜4.0重量% 0.1重量%未満では効果があるが顕著でない。10.
0重量%を超えると製造性の低下が目立つようになる。
【0045】以上の条件を満たすFe−Cr合金は耐酸
化性および加工性に優れるので、自動車排ガス系部材、
高温くり返し酸化環境で使用されるパイプ等に適切に用
いることができる。
化性および加工性に優れるので、自動車排ガス系部材、
高温くり返し酸化環境で使用されるパイプ等に適切に用
いることができる。
【0046】(2)本発明の第2の態様 Cr含量、C,N,O,PおよびSの含量、Feの好ま
しい含量に関しては第1の態様で記載したことが本態様
に於いても適用される。第2の態様の合金に於いては、
Ca、MgおよびREMから選択される1種以上を含有
せしめる。そしてこれ等元素の含有量は下記式(4)、
好ましくは(4a)を満たす。 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量% ……(4) 0.005重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.15重量%……(4a)
しい含量に関しては第1の態様で記載したことが本態様
に於いても適用される。第2の態様の合金に於いては、
Ca、MgおよびREMから選択される1種以上を含有
せしめる。そしてこれ等元素の含有量は下記式(4)、
好ましくは(4a)を満たす。 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量% ……(4) 0.005重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.15重量%……(4a)
【0047】この条件を満たすことにより、他の条件と
結合して、優れた耐酸化性および良好な加工性を有する
Fe−Cr合金が得られる。
結合して、優れた耐酸化性および良好な加工性を有する
Fe−Cr合金が得られる。
【0048】これ等の元素は本態様の合金の表面に形成
される酸化被膜の保護性を著しく改善し、極薄材料に発
生し易い異常酸化を抑制し、酸化被膜と母材との密着性
を良好にするという機能を有する。
される酸化被膜の保護性を著しく改善し、極薄材料に発
生し易い異常酸化を抑制し、酸化被膜と母材との密着性
を良好にするという機能を有する。
【0049】しかしながら、これ等の元素を過剰に含有
せしめて(4Ca+4Mg+REM)の値が0.2重量
%を超えると合金の表面欠陥を生じやすくなるので好ま
しくない。
せしめて(4Ca+4Mg+REM)の値が0.2重量
%を超えると合金の表面欠陥を生じやすくなるので好ま
しくない。
【0050】Ca、Mg、REMの各々のより好ましい
含有量およびその理由は以下の如くである。 Ca :0.002〜0.01重量% 0.002重量%未満でも効果はあるが顕著ではない。
0.01重量%を超えると製造性の低下が目立つように
なる。 Mg :0.002〜0.01重量% 0.002重量%未満でも効果はあるが顕著ではない。
0.01重量%を超えると製造性の低下が目立つように
なる。 REM:0.005〜0.1重量% 0.005重量%未満でも効果はあるが顕著ではない。
0.1重量%を超えても効果は飽和するし、かつ、コス
トの上昇となる。
含有量およびその理由は以下の如くである。 Ca :0.002〜0.01重量% 0.002重量%未満でも効果はあるが顕著ではない。
0.01重量%を超えると製造性の低下が目立つように
なる。 Mg :0.002〜0.01重量% 0.002重量%未満でも効果はあるが顕著ではない。
0.01重量%を超えると製造性の低下が目立つように
なる。 REM:0.005〜0.1重量% 0.005重量%未満でも効果はあるが顕著ではない。
0.1重量%を超えても効果は飽和するし、かつ、コス
トの上昇となる。
【0051】このような本発明の第2の態様の合金は、
第1の態様の合金と同様な用途に用いることができる。
第1の態様の合金と同様な用途に用いることができる。
【0052】(3)本発明の第3の態様 前記で詳述した本発明の第1の態様の合金の条件および
第2の態様の合金の条件のいずれをも満たす合金、すな
わち、Cr含量が5〜60重量%、C,N,O,Pおよ
びSの合計量が100ppm以下であり、Mo含量が
0.5〜20重量%であり、さらに、Ti,Nb,Z
r,V,Ta,WおよびBが選択される1種以上を前記
式(1)を満たす量含有し、かつ、Si、MnおよびA
lから選択される1種以上を前記式(2)を満たす量含
有し、しかも、Ca、Mgおよび希土類元素(REM)
から選択される1種以上を前記式(3)を満たす量含有
するFe−Cr合金も一層優れた耐酸化性および加工性
を有する合金であり、前記の用途に好ましく用いられ
る。
第2の態様の合金の条件のいずれをも満たす合金、すな
わち、Cr含量が5〜60重量%、C,N,O,Pおよ
びSの合計量が100ppm以下であり、Mo含量が
0.5〜20重量%であり、さらに、Ti,Nb,Z
r,V,Ta,WおよびBが選択される1種以上を前記
式(1)を満たす量含有し、かつ、Si、MnおよびA
lから選択される1種以上を前記式(2)を満たす量含
有し、しかも、Ca、Mgおよび希土類元素(REM)
から選択される1種以上を前記式(3)を満たす量含有
するFe−Cr合金も一層優れた耐酸化性および加工性
を有する合金であり、前記の用途に好ましく用いられ
る。
【0053】これら3種の態様を包含する本発明のFe
−Cr合金を製造するには原料として、超高純度電解
鉄、電解クロム、ゾーンメルト法シリコン、融解塩電解
マンガン、融解塩電解アルミニウム、融解塩電解カルシ
ウム、電解還元マグネシウム、電解還元希土類金属を用
いる。いずれの原料も主たる不純物は酸素であり、この
酸素を除去するために10-5torrよりも高いの超高
真空下で溶解、鋳造することにより本発明のFe−Cr
合金を製造することができる。
−Cr合金を製造するには原料として、超高純度電解
鉄、電解クロム、ゾーンメルト法シリコン、融解塩電解
マンガン、融解塩電解アルミニウム、融解塩電解カルシ
ウム、電解還元マグネシウム、電解還元希土類金属を用
いる。いずれの原料も主たる不純物は酸素であり、この
酸素を除去するために10-5torrよりも高いの超高
真空下で溶解、鋳造することにより本発明のFe−Cr
合金を製造することができる。
【0054】(IV)最後に、加工性、耐孔食性、溶接部
腐食性に加え、耐酸性および耐酸化性に優れた本発明の
Fe−Cr合金について説明する。本発明のこの合金
は、(II)で述べた特に耐酸性に優れた合金組成に加
え、(III) で述べた特に耐酸化性に優れた合金組成を加
味したものである。したがって、以下にはその態様のみ
を示し、詳細な説明は(II)および(III) において説明
した通りであるので省略する。
腐食性に加え、耐酸性および耐酸化性に優れた本発明の
Fe−Cr合金について説明する。本発明のこの合金
は、(II)で述べた特に耐酸性に優れた合金組成に加
え、(III) で述べた特に耐酸化性に優れた合金組成を加
味したものである。したがって、以下にはその態様のみ
を示し、詳細な説明は(II)および(III) において説明
した通りであるので省略する。
【0055】この発明には(III) の発明と同様に三態様
があり、C+N+O+P≦100ppmであり、Cr:
5〜60重量%であり、Mo:0.5〜20重量%であ
り、0.01%≦Ti+Nb+Zr+V+W+50B≦
1%であることに加えて、変化する部分のみを以下に各
態様ごとに説明する。 (1)本発明の第1の態様 Ni,CoおよびCuから選択される1種以上を下記式
(2)を満たす量含有する。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) Si,MnおよびAlから選択される1種以上を下記式
(3)を満たす量含有する。 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 好ましくは、 0.5重量%≦3Al+2Si+Mn≦25重量% ………(3a)
があり、C+N+O+P≦100ppmであり、Cr:
5〜60重量%であり、Mo:0.5〜20重量%であ
り、0.01%≦Ti+Nb+Zr+V+W+50B≦
1%であることに加えて、変化する部分のみを以下に各
態様ごとに説明する。 (1)本発明の第1の態様 Ni,CoおよびCuから選択される1種以上を下記式
(2)を満たす量含有する。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) Si,MnおよびAlから選択される1種以上を下記式
(3)を満たす量含有する。 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 好ましくは、 0.5重量%≦3Al+2Si+Mn≦25重量% ………(3a)
【0056】(2)本発明の第2の態様 Ni,CoおよびCuから選択される1種以上を下記式
(2)を満たす量含有する。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) Ca,Mgおよび希土類元素(REM)から選択される
1種以上を下記式(4)を満足する量含有する。 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量% ……(4) 好ましくは、 0.005重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.15重量%……(4a)
(2)を満たす量含有する。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) Ca,Mgおよび希土類元素(REM)から選択される
1種以上を下記式(4)を満足する量含有する。 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量% ……(4) 好ましくは、 0.005重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.15重量%……(4a)
【0057】(3)本発明の第3の態様 Ni,CoおよびCuから選択される1種以上を下記式
(2)を満たす量含有する。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) Si,MnおよびAlから選択される1種以上を下記式
(3)を満たす量含有する。 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 好ましくは、 0.5重量%≦3Al+2Si+Mn≦25重量% ………(3a) Ca,Mgおよび希土類元素(REM)から選択される
1種以上を下記式(4)を満足する量含有する。 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量% ……(4) 好ましくは、 0.005重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.15重量%……(4a)
(2)を満たす量含有する。 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) Si,MnおよびAlから選択される1種以上を下記式
(3)を満たす量含有する。 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 好ましくは、 0.5重量%≦3Al+2Si+Mn≦25重量% ………(3a) Ca,Mgおよび希土類元素(REM)から選択される
1種以上を下記式(4)を満足する量含有する。 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量% ……(4) 好ましくは、 0.005重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.15重量%……(4a)
【0058】なお、この発明合金の製法等については上
記と全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
記と全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0059】
【実施例】以下、実施例を以って本発明をより具体的に
説明する。 (実施例1)表1に示す化学組成を有する合金を10k
g真空溶解炉で溶製、鋳造し、熱間圧延により板厚4m
mの熱延板とし、再結晶を目的とした熱延板焼鈍を施
し、脱スケール後冷間圧延により板厚0.7mmの冷延
板として、最終的に再結晶焼鈍し、冷延焼鈍板とした。
説明する。 (実施例1)表1に示す化学組成を有する合金を10k
g真空溶解炉で溶製、鋳造し、熱間圧延により板厚4m
mの熱延板とし、再結晶を目的とした熱延板焼鈍を施
し、脱スケール後冷間圧延により板厚0.7mmの冷延
板として、最終的に再結晶焼鈍し、冷延焼鈍板とした。
【0060】このようにして得られた合金板について以
下の試験を行った。
下の試験を行った。
【0061】(加工性)発明合金1、2と比較合金1、
2を用いてJIS Z−2241に準拠した引張試験に
よる伸びの値の測定と、50%冷間圧延後、C方向に1
80℃密着曲げ試験を行った時の割れの状態観察を行っ
た。評価は以下の如く行った。 ○ 全く割れなし △ 微小割れあり × 割れ大 その結果を表2に示す。
2を用いてJIS Z−2241に準拠した引張試験に
よる伸びの値の測定と、50%冷間圧延後、C方向に1
80℃密着曲げ試験を行った時の割れの状態観察を行っ
た。評価は以下の如く行った。 ○ 全く割れなし △ 微小割れあり × 割れ大 その結果を表2に示す。
【0062】C,N,O,PおよびSの合計量が100
ppm以下では、50%冷間圧延後のC方向密着曲げに
より全く割れが生じていないのに対し、100ppmを
超えると割れが生じ、加工性が低下することがわかる。
また、伸びも同一Cr、同一Mo量で比較するとC,
N,O,PおよびSの合計量が100ppmを超えると
5〜6%程度低下することもわかる。
ppm以下では、50%冷間圧延後のC方向密着曲げに
より全く割れが生じていないのに対し、100ppmを
超えると割れが生じ、加工性が低下することがわかる。
また、伸びも同一Cr、同一Mo量で比較するとC,
N,O,PおよびSの合計量が100ppmを超えると
5〜6%程度低下することもわかる。
【0063】(耐孔食性および耐粒界腐食性)試験片表
面をエメリー#500研磨した試料を用い、耐孔食性は
表2に示すFeCl3 +HCl水溶液中で4時間浸漬した後
の腐食減量より算出した腐食速度で評価し、耐粒界腐食
性は、上記試料にTIG溶接(ビードオン)を施し、J
ISG−0572に準拠した硫酸−硫酸銅試験後の溶接
部曲げ試験(r=2t、180°曲げ)による割れの有
無により評価した。 ○ 割れ全くなし △ 微小割れあり × 大きな割れ 結果を表2に示す。
面をエメリー#500研磨した試料を用い、耐孔食性は
表2に示すFeCl3 +HCl水溶液中で4時間浸漬した後
の腐食減量より算出した腐食速度で評価し、耐粒界腐食
性は、上記試料にTIG溶接(ビードオン)を施し、J
ISG−0572に準拠した硫酸−硫酸銅試験後の溶接
部曲げ試験(r=2t、180°曲げ)による割れの有
無により評価した。 ○ 割れ全くなし △ 微小割れあり × 大きな割れ 結果を表2に示す。
【0064】(耐粒界腐食性、耐酸性)上記と同様にサ
ンプルを作製し、耐粒界腐食性は、上述と同様な評価で
行った。また、耐酸性は、表2に示すHCl水溶液中で
24時間浸漬した後の腐食減量により算出した腐食速度
で評価した。結果を表2に示す。
ンプルを作製し、耐粒界腐食性は、上述と同様な評価で
行った。また、耐酸性は、表2に示すHCl水溶液中で
24時間浸漬した後の腐食減量により算出した腐食速度
で評価した。結果を表2に示す。
【0065】(酸化試験)酸化試験は、大気中で135
0kで12時間熱処理し、スケール除去後の重量減によ
り評価した。結果を表2に示す。
0kで12時間熱処理し、スケール除去後の重量減によ
り評価した。結果を表2に示す。
【0066】(伸びおよび耐力の変化)得られた供試材
につき、伸びの変化および耐力(降伏強度)の変化を調
べた。伸びの変化(%)、耐力(降伏強度)の変化(N/
mm2)とは、各合金成分について、C+N+O+S+P=
500ppmのものとの引張特性の差を示す。基本とな
る引張特性は、以下の通りである。 Fe−18Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び30%、耐
力330N/mm2 Fe−30Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び25%、耐
力450N/mm2
につき、伸びの変化および耐力(降伏強度)の変化を調
べた。伸びの変化(%)、耐力(降伏強度)の変化(N/
mm2)とは、各合金成分について、C+N+O+S+P=
500ppmのものとの引張特性の差を示す。基本とな
る引張特性は、以下の通りである。 Fe−18Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び30%、耐
力330N/mm2 Fe−30Cr、C+N+O+S+P =500ppm で伸び25%、耐
力450N/mm2
【0067】Moを本発明の範囲添加することにより耐
孔食性が著しく改善され、Ti,Nb,V,Ta,W,
Zr,Bを適量添加すると溶接部での耐粒界腐食性が改
善されることがわかる。さらにNi,Co,Cuの適量
添加により耐酸性も著しく改善されることは明らかであ
る。さらに、Si,Mn,Alの一種以上および/また
はCa,Mg,REMの一種以上を添加すると耐酸化性
が向上することも明らかである。
孔食性が著しく改善され、Ti,Nb,V,Ta,W,
Zr,Bを適量添加すると溶接部での耐粒界腐食性が改
善されることがわかる。さらにNi,Co,Cuの適量
添加により耐酸性も著しく改善されることは明らかであ
る。さらに、Si,Mn,Alの一種以上および/また
はCa,Mg,REMの一種以上を添加すると耐酸化性
が向上することも明らかである。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
【発明の効果】本発明のC,N,O,P,Sの合計量を
100ppm以下としてMoおよびTi,Nb,Zr,
V,Ta,W,Bの1種以上をを特定量含有するFe−
Cr合金は加工性に於いて優れると共に、耐孔食性およ
び溶接部耐食性(耐粒界腐食性)に於いて著しく優れ
る。
100ppm以下としてMoおよびTi,Nb,Zr,
V,Ta,W,Bの1種以上をを特定量含有するFe−
Cr合金は加工性に於いて優れると共に、耐孔食性およ
び溶接部耐食性(耐粒界腐食性)に於いて著しく優れ
る。
【0081】さらにNi,Cu,Coの一種以上を特定
量含有するFe−Cr合金は耐酸性に於いても著しく優
れる。さらに、Si,Mn,Alの一種以上および/ま
たはCa,Mg,REMの一種以上を添加することによ
り耐酸化性が一層向上する。これらの鋼板は様々な用途
に有用である。
量含有するFe−Cr合金は耐酸性に於いても著しく優
れる。さらに、Si,Mn,Alの一種以上および/ま
たはCa,Mg,REMの一種以上を添加することによ
り耐酸化性が一層向上する。これらの鋼板は様々な用途
に有用である。
【図1】C,N,O,PおよびSの合計量と引張特性の
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図2】Moの含有量と孔食電位の関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図3】(Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50×
B)重量%と耐粒界腐食性の関係を示すグラフである。
B)重量%と耐粒界腐食性の関係を示すグラフである。
【図4】(Ni+Co+2Cu)重量%と耐酸性の関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】(3Al+2Si+Mn)と耐酸化性の関係を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図6】(4Ca+4Mg+REM)と耐酸化性の関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢 沢 好 弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 加 藤 康 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 大和田 哲 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭57−134542(JP,A) 特開 昭61−186451(JP,A) 特開 平3−53025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C22C 27/06 C22C 30/00
Claims (4)
- 【請求項1】Cr含量が5〜60重量%、C,N,O,
PおよびSの合計量が100ppm以下であり、Mo含
量が0.5〜20重量%であり、かつTi,Nb,Z
r,V,Ta,WおよびBから選択される1種以上を下
記式(1)を満たす量含有し、残部Feおよび不可避的
不純物からなることを特徴とする加工性、耐孔食性およ
び溶接部耐食性に優れるFe−Cr合金。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) - 【請求項2】Cr含量が5〜60重量%、C,N,O,
PおよびSの合計量が100ppm以下であり、Mo含
量が0.5〜20重量%であり、かつTi,Nb,Z
r,V,Ta,WおよびBから選択される1種以上を下
記式(1)を満たし、さらにNi,CuおよびCoから
選択される1種以上を下記式(2)を満たす量含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る加工性、耐孔食性、溶接部耐食性および耐酸性に優れ
るFe−Cr合金。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) - 【請求項3】Cr含量が5〜60重量%、C,N,O,
PおよびSの合計量が100ppm以下であり、Mo含
量が0.5〜20重量%であり、かつTi,Nb,Z
r,V,Ta,WおよびBから選択される1種以上を下
記式(1)を満たす量含有し、かつSi,MnおよびA
lから選択される1種以上を下記式(3)を満たす量お
よび/またはCa,Mgおよび希土類元素(REM)か
ら選択される1種以上を下記式(4)を満たす量含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴
とする加工性、耐孔食性、溶接部耐食性および耐酸化性
に優れるFe−Cr合金。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量%………(4) - 【請求項4】Cr含量が5〜60重量%、C,N,O,
PおよびSの合計量が100ppm以下であり、Mo含
量が0.5〜20重量%であり、かつTi,Nb,Z
r,V,Ta,WおよびBから選択される1種以上を下
記式(1)を満たす量含有し、さらにNi,Cuおよび
Coから選択される1種以上を下記式(2)を満たす量
含有し、かつSi,MnおよびAlから選択される1種
以上を下記式(3)を満たす量および/またはCa,M
gおよび希土類元素(REM)から選択される1種以上
を下記式(4)を満たす量含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなることを特徴とする加工性、耐孔食
性、溶接部耐食性、耐酸性および耐酸化性に優れるFe
−Cr合金。 0.01重量%≦Ti+Nb+Zr+V+Ta+W+50B≦1.0重量% ………(1) 0.01重量%≦Ni+Co+2Cu≦6重量% ………(2) 0.1重量%≦3Al+2Si+Mn≦50重量% ………(3) 0.001重量%≦4Ca+4Mg+REM≦0.2重量%………(4)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5103933A JP2801834B2 (ja) | 1992-05-01 | 1993-04-30 | 加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−Cr合金 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-112522 | 1992-05-01 | ||
JP11252292 | 1992-05-01 | ||
JP5103933A JP2801834B2 (ja) | 1992-05-01 | 1993-04-30 | 加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−Cr合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641696A JPH0641696A (ja) | 1994-02-15 |
JP2801834B2 true JP2801834B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=26444505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5103933A Expired - Fee Related JP2801834B2 (ja) | 1992-05-01 | 1993-04-30 | 加工性、耐孔食性および溶接部耐食性に優れるFe−Cr合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2801834B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2737819B2 (ja) * | 1993-06-30 | 1998-04-08 | 川崎製鉄株式会社 | 耐リジング性に優れるFe−Cr合金 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5938300B2 (ja) * | 1981-02-13 | 1984-09-14 | 住友金属工業株式会社 | 耐食性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼 |
JPS61186451A (ja) * | 1985-02-13 | 1986-08-20 | Nippon Steel Corp | 耐サワ−性の優れた合金 |
JPH0757890B2 (ja) * | 1989-07-18 | 1995-06-21 | 新日本製鐵株式会社 | 高耐熱耐食性フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP5103933A patent/JP2801834B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0641696A (ja) | 1994-02-15 |
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