JP3238620B2 - ポリエステル樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びその製造法

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JP3238620B2 JP34122395A JP34122395A JP3238620B2 JP 3238620 B2 JP3238620 B2 JP 3238620B2 JP 34122395 A JP34122395 A JP 34122395A JP 34122395 A JP34122395 A JP 34122395A JP 3238620 B2 JP3238620 B2 JP 3238620B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム強化スチレン
系樹脂を含有したポリエステル樹脂組成物及びその製造
法に関し、機械的特性、特に耐衝撃性とウエルド特性、
溶融粘度のバランスが取れた良好な成形材料を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリブ
チレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに
代表される熱可塑性ポリエステルは、加工性の容易さ、
機械的特性、その他物理的、化学的特性に優れているた
め自動車部品、電気・電子機器部品、その他精密機器部
品の分野に幅広く使用されているが、ノッチ付衝撃強さ
が低いこと、射出成形時の成形収縮率が大きく、寸法安
定性が不十分であることなどの欠点を有することから、
それらの改善が望まれている。そこでこれら熱可塑性ポ
リエステルの耐衝撃性を改善する目的で、ABS樹脂等
のゴム強化スチレン系樹脂を配合する方法(特公昭51−
25261 号公報)、また熱可塑性ポリエステルと配合する
ABS樹脂、AS樹脂に官能基を導入し物性の改良をは
かる方法(特開昭54−23656 号公報、特開平1−163249
号公報)が提案されている。しかし上記の方法で得られ
る樹脂組成物は、寸法安定性は向上するものの、耐衝撃
性が不充分で実用上問題を生じる場合があったり、溶融
粘度が高くなり過ぎる場合があり射出成形等の成形時に
支障を来たし、更なる改善が望まれていた。一方、本来
ポリブチレンテレフタレートとゴム強化スチレン系樹脂
との親和性が十分でないため、混練および成形条件によ
り分散不良をおこしやすく、得られる樹脂組成物の機械
特性が安定しなかったり、あるいは成形品のウエルド部
の強度が低下する等の課題を有している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性ポリ
エステルにゴム強化スチレン系樹脂と特定のエポキシ基
含有スチレン系ブロック共重合体を特定の割合で溶融混
練することにより、ポリエステルの優れた特性をあまり
損なうことなく耐衝撃性、ウエルド特性、溶融粘度のバ
ランスが取れた良好な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂97
〜10重量部と(B) ゴム強化スチレン系樹脂3〜90重量部
からなる樹脂成分 100重量部に対し(C) エポキシ基含有
スチレン系ブロック共重合体 0.1〜20重量部を配合した
ことを特徴とするポリエステル樹脂組成物、並びに(A)
、(B) 及び(C) 成分の共存下で30秒以上加熱溶融混練
処理することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製
造法である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂とは、構
成成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、α,β−ビス(4−カルボ
キシフェノキシ)エタン、アジピン酸、セバチン酸、ア
ゼライン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等のジカ
ルボン酸又はそれらのエステル形成誘導体の1種又は2
種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デ
カンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロ
キノン、ビスフェノールA、2,2 −ビス(4'−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン、キシレングリコール、
ポリエチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレン
エーテルグリコール、両末端が水酸基である脂肪族ポリ
エステルオリゴマー等の1種又は2種以上から選ばれた
グリコール類とから重縮合反応によって得られるポリエ
ステル樹脂であり、ホモポリエステル、コポリエステル
の何れにてもよい。コポリエステルを構成するためのコ
モノマー成分としては上記以外に、グリコール酸、ヒド
ロキシ酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル酢
酸、ナフチルグリコール酸のようなヒドロキシカルボン
酸、プロピオラクトン、ブチロラクトン、カプロラクト
ン、バレロラクトンのようなラクトン化合物も使用する
ことが出来、又熱可塑性を保持しうる範囲でトリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリ
トール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸のような多官能性エステル形成成分を使用した分岐又
は、架橋構造を有するポリエステルであってもよい。
又、ジブロモテレフタル酸、テトラブロモテレフタル
酸、テトラクロロテレフタル酸、1,4 −ジメチロールテ
トラブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールAのエチレン又はプロピオ
ンオキサイド付加物のような芳香族核にハロゲン化合物
を置換基として有し、かつエステル形成性基を有する化
合物を用いたハロゲンを有するポリエステルコポリマー
も含まれる。又、高融点ハードセグメントと低融点ソフ
トセグメントのブロック共重合体を構成するポリエステ
ル系エラストマーも使用することが出来る。このポリエ
ステル系エラストマーとして、例えば、アルキレンテレ
フタレート単位を主体とするハードセグメントと脂肪族
ポリエステルもしくはポリエーテルから成るソフトセグ
メントとのブロック共重合体が挙げられる。これらの熱
可塑性ポリエステル樹脂は成分(A) として1種又は2種
以上を混合して使用することが出来る。特に好ましい熱
可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート及びこれらを主
たる繰り返し単位とする共重合体であり、共重合体を形
成するコモノマー成分としては、特に好ましくはイソフ
タル酸、ビスフェノールA、2,2 −ビス(β−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2 −ビス(β−ヒド
ロキシエトキシテトラブロモフェニル)プロパン等が挙
げられる。
【0005】本発明の(B) ゴム強化スチレン系樹脂と
は、ゴム状ポリマーの存在下、芳香族ビニル系単量体お
よび必要に応じて共重合可能な他のビニル系単量体を重
合して得られる共重合体または該共重合体と、芳香族ビ
ニル系単量体および必要に応じて共重合可能な他のビニ
ル系単量体を重合して得られる芳香族ビニル系重合体と
の混合物である。ここで言うゴム状ポリマーとは室温で
ゴム状であるポリマーであり、ガラス転移温度−20℃以
下のものが好ましい。具体的には、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、エチレン−プロピレン−エチリデンノル
ボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペ
ンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチ
リデン−2−ノルボルネン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、イソプレン−イソブチレン共重
合体などのジエン系共重合体およびn−ブチルアクリレ
ートおよびこれらと共重合し得るアクリル酸エステル単
量体との共重合体であるアクリレートゴム等を挙げるこ
とができる。これらのうちでも、ポリブタジエン(B
R)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、エチ
レン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン
共重合体(EPDM)などのジエン系ゴムおよびポリ−
n−ブチルアクリレートなどのアクリレート系ゴムが好
ましい。これらのゴム状ポリマーは、乳化重合、溶液重
合、懸濁重合、塊状重合等により製造される。なお、乳
化重合により製造する場合におけるゴム状重合体の粒子
径およびゲル含有率については特に制限はないが、平均
粒子径 0.1〜1μmおよびゲル含有率0〜95%であるこ
とが好ましい。
【0006】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、ク
ロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジ
ブロムスチレン等が例示され、1種または2種以上用い
ることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが
好ましい。芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビ
ニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート等の不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル、マレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド等のマレイミド単量体が例示され各々1種または2
種以上用いることができる。特にアクリロニトリル、メ
チルメタクリレートおよびN−フェニルマレイミドが好
ましい。
【0007】成分(B) の重合方法としては、公知の乳化
重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合またはこれらを組
合わせた方法が用いられる。共重合体と混合して用いら
れる芳香族ビニル系重合体を構成する芳香族ビニル系単
量体および共重合可能な他のビニル系単量体としては、
各々グラフト共重合体に用いられるものと同一の群から
任意の1種又は2種以上を選択して用いることができ
る。また、該重合体の重合方法としては、公知の乳化重
合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合またはこれらを組合
わせた方法が用いられる。
【0008】ゴム強化スチレン系樹脂におけるゴム状ポ
リマーと単量体との構成比には制限はないが、好ましく
はゴム状ポリマー15〜80重量%、単量体85〜20重量%で
ある。ゴム状ポリマーが15重量%未満では得られる樹脂
組成物の耐衝撃性が不十分であり、80重量%を越えると
成分(A) との親和性が十分でない。又、かかる単量体に
おける芳香族ビニル系単量体と他のビニル系単量体との
構成比にも制限はないが、芳香族ビニル系単量体10〜10
0 重量%、特に30〜70重量%、他のビニル系単量体90〜
0重量%、特に70〜30重量%が好ましい。これらゴム強
化スチレン系樹脂は(B) 成分として、1種又は2種以上
を混合して使用することが出来る。特に好ましいゴム強
化スチレン系樹脂としては、スチレン−アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体(ABS)、スチレン−アクリ
ロニトリル−エチレン−プロピレン−エチリデンノルボ
ルネン共重合体(AES)及びこれらの水添物が挙げら
れる。
【0009】熱可塑性ポリエステル樹脂(A) とゴム強化
スチレン系樹脂(B) の配合割合は、広い範囲で選択で
き、例えば熱可塑性ポリエステル樹脂(A) 97〜10重量部
に対し(B) 成分3〜90重量部であり、好ましくは、(A)
成分95〜20重量部に対し(B) 成分5〜80重量部である。
【0010】本発明の(C) エポキシ基含有スチレン系ブ
ロック共重合体とは、芳香族ビニル系単量体(C-a1)を主
成分とする芳香族ビニル重合体成分(C-a) と、エポキシ
基を有するアクリル系単量体(C-b1)とそれと共重合可能
なビニル系単量体(C-b2)との共重合成分(C-b) がブロッ
ク化した共重合体である。芳香族ビニル重合体成分(C-
a) は、芳香族ビニル単量体(C-a1)の単独重合成分だけ
でなく、その単量体(C-a1)と共重合可能なビニル系単量
体(C-a2)との共重合体成分であってもよい。(C-a) 成分
の芳香族ビニル系単量体(C-a1)としては、スチレン、α
−メチルスチレン、メチルトルエン、ジメチルスチレ
ン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン等が挙げられ、1種または2種以
上用いることが出来る。特に好ましい物として、スチレ
ン、α−メチルスチレンが挙げられる。(C-a) 成分の芳
香族ビニル系単量体と共重合可能な他の単量体(C-a2)と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシ
アン化ビニル系単量体、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等
のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、マ
レイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイ
ミド等のマレイミド単量体が挙げられ、1種または2種
以上用いることが出来る。特に、アクリロニトリル、メ
チルメタクリレート、N−フェニルマレイミドが好まし
い。好ましい(C-a) 成分として、ポリスチレンとスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。又、(C-
a) 成分が共重合体の場合、(C-a) 成分中の(C-a1)単量
体と(C-a2)単量体の割合は、(C-a1)/(C-a2)の重量比で
15/85〜85/15である。
【0011】(C-b) 成分のエポキシ基を有するアクリル
系単量体(C-b1)は、アクリル酸又はメタクリル酸とエポ
キシ基を持つ化合物をエステル又はアミド結合した化合
物であり、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、N−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,5 −ジメチルベンジル〕アクリルアミド、エポキシ化
ステアリルアルコールとアクリル酸又は、メタクリル酸
のエステルが例示される。特に、グリシジルメタクリレ
ートとN−〔4−(2,3 −エポキシプロポキシ)−3,5
−ジメチルベンジル〕アクリルアミドが好ましい。(C-
b) 成分のエポキシ基を含有するアクリル系単量体と共
重合可能なビニル系単量体(C-b2)としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量
体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のアルキルエステル等が挙げられ、メチルメ
タクリレート、メチルアクリレート、アクリロニトリル
が好ましい。好ましい(C-b) 成分として、グリシジルメ
タクリレート−メチルメタクリレート共重合体、グリシ
ジルメタクリレート−メチルアクリレート共重合体が挙
げられる。(C-b) 成分中の(C-b1)単量体と(C-b2)単量体
の割合は、(C-b1)/(C-b2)の重量比で5/95〜70/30
で、好ましくは、10/90〜50/50である。(C-a) −(C-
b) ブロック共重合体の製造法は、高分子反応、重合法
でも可能であり、製造方法は問わない。例えば、これら
(C-a) /(C-b) 型ブロック共重合体は、前記(C-a) また
は(C-b) セグメントを構成する単量体若しくは単量体混
合物を、下記に示されるポリメリックペルオキシド(特
開昭60−141754号公報記載)を用い、公知の製造プロセ
ス(特公昭60−3327号公報記載)で塊状重合法、懸濁重
合法又は乳化重合法で重合することによって、容易に製
造することができる。ポリメリックペルオキシドとして
は、例えば
【0012】
【化1】
【0013】等を挙げることができる。この場合、(C-
a) または(C-b)セグメントを構成する単量体若しくは
単量体混合物の第一段重合反応により生じた分子内にペ
ルオキシ結合を有する重合体は、中間体として反応系か
ら取り出して次のブロック共重合体製造の原料にするこ
ともできるし反応系からとりだすことなくひき続いてブ
ロック共重合させることもできる。この第一段重合反応
で用いるポリメリックペルオキシドの使用量は、前記(C
-a) または(C-b) セグメントを構成する単量体若しくは
単量体混合物 100重量部に対して 0.1〜10重量部で、重
合温度は40〜140 ℃、重合時間は2〜15時間がそれぞれ
適している。また、製造時に各単量体の単独重合体若し
くは単量体混合物による任意共重合体が副生することも
あるが、特に精製する必要なくそのまま用いることがで
きる。(C) 成分のエポキシ基含有スチレン系ブロック共
重合体の(C-a) 成分と(C-b)成分の割合は、 (C-a)/(C-
b) が重量比で20/80〜80/20であり、好ましくは30/7
0〜70/30である。本組成物におけるエポキシ基含有ス
チレン系ブロック共重合体(C) の配合量は、熱可塑性ポ
リエステル(A) とゴム強化スチレン系樹脂(B) の合計 1
00重量部に対して、 0.1〜20重量部であり、好ましくは
1〜10重量部である。(C) 成分の配合量が20重量部を越
えると、流動性が低下して成形性を損なう場合があり、
又、過少の場合は、成形品のウエルド特性と耐衝撃性の
改善効果が不十分になる。
【0014】次に本発明の樹脂組成物は、その成形性、
物性を損なわない範囲で各種充填剤の添加が可能であ
り、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質の性
能に優れた成形品を得るためには配合することが好まし
い。これは目的に応じて繊維状、粒子状、板状又は中空
状の充填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、ガラ
ス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、
シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊
維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更に
ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属
の繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特に
代表的な繊維状充填剤はガラス繊維、又はカーボン繊維
である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂な
どの高融点有機質繊維状物質も使用することが出来る。
一方、粒子状充填剤としては、カーボンブラック、シリ
カ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カルシウ
ム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、硅
藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チ
タン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅
素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられ
る。板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、各
種金属箔等が挙げられる。又、中空状充填剤としては、
シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバルーン等が挙
げられる。これら充填剤は、有機シラン、有機ボラン、
有機チタネート等を使用して表面処理を施すことが好ま
しい。これらの無機充填剤は1種又は2種以上併用する
ことができる。繊維状充填剤、特にガラス繊維又はカー
ボン繊維と、粒子状又は板状充填剤の併用は特に機械的
強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい
組み合わせである。無機充填剤の添加量は樹脂成分(A)
と(B) の合計 100重量部に対し 120重量部以下であり、
これ以上であると成形加工性や靭性を害し好ましくな
い。特に好ましくは70重量部以下である。
【0015】尚、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他
の熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド
系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の熱可塑性樹脂、或いは
難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、離型剤、核
剤、発泡剤、架橋剤、着色剤等の添加剤を加えても差支
えない。
【0016】熱可塑性ポリエステル樹脂(A) 、ゴム強化
スチレン系樹脂(B) 及びエポキシ基含有スチレン系ブロ
ック共重合体(C) の混合順序並びにその状態には何ら制
限はなく、ペレット、ビーズ、パウダーなどによる(A)
、(B) 及び(C) の3成分の共存下で加熱溶融し、30秒
以上混練処理することが必要であり、特定の2成分を予
備混合した後残る成分を混合する方法が例示される。混
合方法としては、バンバリーミキサー、ロール、押出機
等の公知の方法を採用することができる。具体的には、
例えば(A) 、(B) 及び(C) 成分を予めタンブラー又はヘ
ンシェルミキサーのような混合機で均一に混合した後、
1軸又は2軸の押出機に供給して溶融混練処理し、ペレ
ットを製造する。混練処理温度は、樹脂成分が溶融する
温度より5℃乃至100 ℃高い温度であり、特に好ましく
は樹脂の融点より10℃乃至60℃高い温度である。高温過
ぎると樹脂の分解や異常反応を生じ好ましくない。又、
混練処理時間は、少なくとも30秒以上15分以内、好まし
くは1〜10分である。
【0017】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらによって何等制限を受け
るものではない。尚、熱可塑性ポリエステル樹脂、ゴム
強化スチレン系樹脂及び調製例に示す物質は、市販品を
使用した。 熱可塑性ポリエステル樹脂(A) (A-1) PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリ
プラスチックス株式会社製ジュラネックス2000) (A-2) 変性PBT:イソフタル酸15モル%を含む酸成分
を用いて得られた変性ポリブチレンテレフタレート ゴム強化スチレン系樹脂(B) (B-1) ABS:スチレン−アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体 スチレン−アクリロニトリル共重合体(スチレン74重量
%、アクリロニトリル26重量%)とスチレン−アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体(スチレン41重量%、ア
クリロニトリル14重量%、ブタジエン45重量%)の重量
比で50/50の割合の混合物 (B-2) ABS:スチレン−アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体(スチレン41重量%、アクリロニトリル14重
量%、ブタジエン45重量%) 調製例1(エポキシ基含有スチレン系ブロック共重合体
(C-1)の製造) 温度計、攪拌機、コンデンサーを備えたガラス製反応容
器に、蒸留水 300重量部と予めメチルメタアクリレート
30重量部とグリシジルメタクリレート20重量部に下記に
示される構造式のポリメリックペルオキシド 2.5重量部
を溶解させて得られた溶液を仕込んだ。反応器内の空気
を窒素ガスで置換した後、攪拌しつつ65℃に加熱して重
合を開始した。温度を65℃に維持しつつ 1.5時間重合さ
せた後、スチレン35重量部とアクリロニトリル15重量部
を加えた。次いで温度を 115℃に昇温して12時間重合を
続けた。室温に冷却して重合を終了した後、重合物を濾
別し、よく水洗してから真空乾燥して白色粒状のポリ
〔(スチレン−アクリロニトリル)−(メチルメタアク
リレート−グリシジルメタクリレート)〕重量比が35/
15/30/20のブロック共重合体混合物を得た。本調製例
のポリメリックペルオキシドは、次記構造式からなるも
のを用いた。
【0018】
【化2】
【0019】調製例2(エポキシ基含有スチレン系ブロ
ック共重合体(C-2)の製造) 予めメチルメタアクリレート40重量部とグリシジルメタ
クリレート10重量部に調製例1に示すポリメリックペル
オキシド 2.5重量部を溶解させた溶液を重合させた後、
スチレン35重量部とアクリロニトリル15重量部の混合物
を用いる以外は調製例1に準じてポリ〔(スチレン−ア
クリロニトリル)−(メチルメタアクリレート−グリシ
ジルメタクリレート)〕重量比が35/1/40/10のブロ
ック共重合体混合物を得た。 調製例3(スチレン系ブロック共重合体(C'-1) の製
造) 予めメチルメタアクリレート50重量部に調製例1に示す
ポリメリックペルオキシド 2.5重量部を溶解させた溶液
を重合させた後、スチレン35重量部とアクリロニトリル
15重量部の混合物を用いる以外は調製例1に準じてポリ
〔(スチレン−アクリロニトリル)−(メチルメタアク
リレート)〕重量比が35/15/50のブロック共重合体混
合物を得た。 調製例4(エポキシ変性スチレン−アクリロニトリル共
重合体(C'-2) の製造) 攪拌機付ガラス製反応容器内部を窒素ガスで充分置換し
た後、スチレン32重量部、アクリロニトリル14重量部、
グリシジルメタクリレート11重量部、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.3 重量部及びトルエン43重量部を仕込ん
だ。この反応容器を80℃の油浴中にセットし、窒素ガス
雰囲気下で攪拌しながら1時間反応させた後、油浴の温
度を 100℃に昇温し、さらに1時間反応させた。得た反
応液を室温まで冷却した後、強攪拌下にメチルアルコー
ルを滴下し、反応生成物を析出させ、分離した。反応生
成物を充分にメチルアルコールで洗浄後乾燥し、エポキ
シ変性スチレン−アクリロニトリル共重合体を得た。
【0020】実施例1〜9、比較例1〜8 ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(A-1) 、A
BS樹脂(B) 、及び(C-1) 、(C'-1) 、(C'-2) を表
1、表2に示す配合量となるように加え、ヘンシェルミ
キサーで5分間予備混合した。これをシリンダー温度 2
60℃の押出機で溶融混練しポリエステル樹脂組成物を作
製した。次に、射出成形機でシリンダー温度 260℃、金
型温度60℃の条件で、長さ方向の両端にゲートを設けて
中心にウエルドを生じさせた引張試験片を作成し、ASTM
D638 に準じてウエルド特性を評価した。又、ASTM試験
片を成形し、ASTM D638に準じて引張試験及びASTM D256
に準じて衝撃試験を行った。また、溶融粘度を250℃に
て測定を行った。結果を表1、表2にまとめて示す。 実施例10〜12、比較例9〜10 (A) 〜(C) 成分の種類と比率を表3に示すように変化さ
せた場合について、上記実施例と同様に試験片を作製
し、評価した。結果を表3にまとめて示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】上記の説明及び実施例から明らかな如
く、本発明のポリエステル樹脂組成物は機械特性を改良
し特に耐衝撃性、ウエルド特性、及び溶融粘度とのバラ
ンスの取れた優れた成形品を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−81616(JP,A) 特開 平1−304153(JP,A) 特開 平1−297466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 C08G 59/20 C08L 53/00 C08L 67/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 熱可塑性ポリエステル樹脂97〜10重量
    部と (B) ゴム強化スチレン系樹脂3〜90重量部からなる樹脂
    成分 100重量部に対し (C) ポリスチレン成分(C-a) と、エポキシ基を含有する
    (メタ)アクリルエステルあるいは(メタ)アクリルア
    ミド単量体とスチレン以外のビニル単量体の共重合体成
    分(C-b) のブロック共重合体、及びスチレン−アクリロ
    ニトリル共重合体成分(C-a) と、エポキシ基を含有する
    (メタ)アクリルエステルあるいは(メタ)アクリルア
    ミド単量体とスチレン以外のビニル単量体の共重合体成
    分(C-b)のブロック共重合体より選ばれる、エポキシ基
    含有スチレン系ブロック共重合体0.1〜20重量部を配合
    したことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性ポリエステル樹脂(A) が、ポリア
    ルキレンテレフタレートである請求項1記載のポリエス
    テル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ゴム強化スチレン系樹脂(B) が、スチレン
    −アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及び該共重合
    体の水添物から選ばれる1種又は2種以上の樹脂である
    請求項1又は2記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリブチレンテレフタレート(A) 95〜20重
    量部とスチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
    体(B) 5〜80重量部からなる樹脂成分100 重量部に対
    し、スチレン−アクリロニトリル共重合体成分(C-a) と
    グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重
    合体成分(C-b) のブロック共重合体(C) を1〜10重量部
    を配合してなるポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れか1項記載の(A) 、
    (B) 及び(C) 成分の共存下で30秒以上加熱溶融混練処理
    することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造
    法。
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