JP3114282B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3114282B2
JP3114282B2 JP03270464A JP27046491A JP3114282B2 JP 3114282 B2 JP3114282 B2 JP 3114282B2 JP 03270464 A JP03270464 A JP 03270464A JP 27046491 A JP27046491 A JP 27046491A JP 3114282 B2 JP3114282 B2 JP 3114282B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱性、剛
性、塗装性、および成形品表面外観に優れた熱可塑性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)は、優れた電気特性、耐薬品性などから各分
野で使用されているが、耐衝撃性および塗装性が劣ると
いう欠点を有している。一方、ABS樹脂は、成形外
観、耐衝撃性、塗装性および成形加工性に優れているこ
とから幅広く使用されているが、耐薬品性に劣るという
欠点を有している。ところで、PBTとABS樹脂から
なる組成物は、上記欠点を改良したものとして注目を集
めている。また、PBTとABS樹脂からなる組成物の
剛性、耐熱性を向上させる目的から、ガラス繊維などの
無機充填材を配合する方法があるが、成形品の外観が劣
り、その使用分野が限定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐衝撃性、耐熱性、
剛性、塗装性、および成形品表面外観に優れた熱可塑性
樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリブ
チレンテレフタレート30〜80重量%、 (B)ポリカーボネート0〜40重量%、 (C)ゴム質重合体の存在下または非存在下に、芳香族
ビニル化合物、ビニルシアン化合物および(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの群から選ばれた少なくとも1
種の単量体を重合して得られる熱可塑性樹脂8〜65重
量%、ならびに (D)無機充填材5〜62重量% 〔ただし、(A)+(B)+(C)+(D)=100重
量%〕を主成分とし、かつ(A)ポリブチレンテレフタ
レートが、極限粘度0.4〜0.59(o−クロロフェ
ノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレー
ト(a−1)と極限粘度0.6〜2.0(o−クロロフ
ェノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレ
ート(a−2)の混合物からなり、しかも(a−1)/
(a−2)の重量比が5〜80/95〜20である熱可
塑性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがあ
る)を提供するものである。
【0005】本発明の組成物は、ポリブチレンテレフタ
レートの一部に特定分子量のPBTを併用することによ
って、従来にない成形品表面外観を有する熱可塑性樹脂
組成物を得るものである。ここで、本発明で使用される
(A)成分のポリブチレンテレフタレート(PBT)
は、テレフタル酸および/またはテレフタル酸のエステ
ル形成誘導体と、1,4−ブタンジオールおよび/また
はそのエステル形成誘導体を主体とする成分を、公知の
方法により縮合重合させて得られるものである。このポ
リブチレンテレフタレートには、他のジカルボン酸成分
であるナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸およびこれ
らのエステル形成誘導体や、他のジオール成分として、
エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−ヘキサンジオール、ビスフェノールAおよびこれら
のエステル形成誘導体などの第3成分を、テレフタル酸
または1,4−ブタンジオールと併用して縮合重合した
ものも、本発明の(A)成分として使用することができ
る。この(A)成分として好ましいものは、テレフタル
酸および/またはテレフタル酸のエステル形成誘導体
と、1,4−ブタンジオールおよび/またはそのエステ
ル形成誘導体の縮合重合体である。
【0006】ただし、本発明の(A)成分は、成形品の
表面外観を良好にする目的から極限粘度0.4〜0.5
9(o−クロロフェノール溶媒、25℃測定)のポリブ
チレンテレフタレート(a−1)と、極限粘度0.60
〜2.0(o−クロロフェノール溶媒、25℃測定)の
ポリブチレンテレフタレート(a−2)との混合物を用
い、しかも(a−1)/(a−2)の重量比が5〜80
/95〜20、好ましくは5〜70/95〜30、さら
に好ましくは5〜50/95〜50、特に好ましくは5
〜40/95〜60の割合で用いる必要がある。(a−
1)成分の使用量が(a−1)/(a−2)比で5重量
%未満では、成形品の表面外観が劣り、一方80重量%
を超えると耐衝撃性および耐熱性が劣るものとなる。
【0007】本発明の組成物中における(A)成分の使
用量は、30〜80重量%、好ましくは30〜75重量
%、さらに好ましくは30〜70重量%、特に好ましく
は40〜65重量%である。(A)成分の使用量が30
重量%未満では耐熱性、成形品外観に劣り、一方80重
量%を超えると耐衝撃性、塗装性が劣る。
【0008】次に、(B)成分のポリカーボネートとし
ては、下記一般式
【0009】
【化1】
【0010】(式中、R1 およびR2 は同一または異な
り、水素原子、低級アルキル基、脂環族基またはフェニ
ル基、R3 は水素原子または低級アルキル基、nは重合
度を示す)で表される繰り返し単位を有し、2価フェノ
ールを主原料としてホスゲン法またはエステル交換法な
どにより製造される。
【0011】ここで、2価フェノールの好ましいものと
しては、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、
1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘ
キサンなどであり、特に好ましいものは、2,2−ビス
−(ヒドロキシフェニル)−プロパン、すなわちビスフ
ェノールAである。(B)ポリカーボネートの分子量
は、10,000〜200,000、好ましくは15,
000〜50,000、さらに好ましくは20,000
〜30,000である。本発明の組成物中における
(B)成分の使用量は、0〜40重量%、好ましくは0
〜20重量%、さらに好ましくは0〜10重量%であ
る。(B)成分の使用量が40重量%を超えると、成形
品の表面外観が劣る。
【0012】次に、(C)成分は、ゴム質重合体の存在
下または非存在下に、芳香族ビニル化合物、ビニルシア
ン化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
群から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合して得ら
れる熱可塑性樹脂である。ここで、(C)成分に使用さ
れるゴム質重合体としては、ポリブタジエン、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン
−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン
−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ポリイソプレン、
ブチルゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン重
合体、水素化スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げ
られる。このうち、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型(ここで、Aはポリスチレンブロック、Bは
ポリブタジエンあるいはポリイソプレンブロックを示
す)、ABA型、ABAテーパー型、ラジカルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。なお、この
ゴム質重合体の重量平均分子量は、好ましくは50,0
00以上程度である。また、本発明の(C)成分中のゴ
ム質重合体の含有量は、0〜80重量%、好ましくは0
〜70重量%であり、耐衝撃性の面からは20〜70重
量%の量が特に好ましく用いられる。これらのゴム質重
合体は、1種単独であるいは2種以上が混合して用いら
れる。なお、ゴム質重合体は、架橋されていてもよい。
ゴム質重合体の架橋は、(C)成分の重合時でも、
(A)〜(C)成分を混合するときでもよい。
【0013】また、(C)成分の芳香族ビニル化合物と
しては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノク
ロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレ
ン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−t−ブ
チルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、ジ
ビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなど
が挙げられ、特にスチレンが好ましい。なお、芳香族ビ
ニル化合物の使用量は、全単量体中に好ましくは10〜
80重量%、さらに好ましくは20〜75重量%であ
る。
【0014】さらに、(C)成分のビニルシアン化合物
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のアクリロニトリル誘導体が挙げられる。なお、ビニル
シアン化合物の使用量は、全単量体中に好ましくは10
〜50重量%、さらに好ましくは20〜35重量%であ
る。さらに、(C)成分の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキル
エステルが挙げられ、好ましくはメチルメタクリレート
である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
使用量は、全単量体中に好ましくは20〜90重量%、
さらに好ましくは40〜90重量%である。
【0015】なお、(C)成分に使用される単量体とし
ては、このほかこれらの単量体と共重合可能な他のビニ
ル系単量体を30重量%以下程度併用することもでき
る。この他のビニル系単量体としては、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、
N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系化合
物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シ
トラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水
フタル酸などの不飽和カルボン酸無水物、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、
2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−
グリシジルエーテル、3,4−エポキシブテン、3,4
−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキ
シ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチルペン
テン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキシド、p−グリシジルスチレンなどの
エポキシ基含有不飽和化合物、アリルアミン、メタクリ
ル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、アミ
ノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物、3−ヒド
ロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、
シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒ
ドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−
1−プロペン、シス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、
トランス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、シス−1,
4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−1,4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルアクリ
レート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシ
ルメタクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシ
ペンチルアクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロ
キシペンチルメタクリレートなどの水酸基含有不飽和化
合物などが挙げられる。これらの他のビニル系単量体
は、1種または2種以上で用いられる。
【0016】本発明の(C)熱可塑性樹脂は、公知の重
合方法である乳化重合、懸濁重合、塊状重合、または溶
液重合によって製造することができる。好ましい(C)
成分としては、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニト
リル)共重合体、ブタジエン系ゴム−スチレン−アク
リロニトリル共重合体、エチレン−プロピレン系ゴム
−スチレン−アクリロニトリル共重合体、水素化スチ
レン−ブタジエン系ゴム−スチレン−アクリロニトリル
共重合体、ブタジエン系ゴム−スチレン−メタクリル
酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体、エチレン
−プロピレン系ゴム−スチレン−メタクリル酸メチル−
(アクリロニトリル)共重合体、水素化スチレン−ブ
タジエン系ゴム−スチレン−メタクリル酸メチル−(ア
クリロニトリル)共重合体などである。(C)成分とし
ては、耐衝撃性、耐熱性の面から、前記ブタジエン系
ゴム−スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニト
リル)共重合体、エチレン−プロピレン系ゴム−スチ
レン−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重
合体、水素化スチレン−ブタジエン系ゴム−スチレン
−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体
であり、特に好ましくはアクリロニトリルを含まず、か
つスチレンとメタクリル酸メチルの重量比が95〜5/
5〜95の前記〜の共重合体である。本発明の組成
物中における(C)成分の使用量は、8〜65重量%、
好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは15〜
50重量%、特に好ましくは15〜40重量%であり、
8重量%未満では耐衝撃性、塗装性が劣り、一方65重
量%を超えると耐熱性、成形品表面外観が劣る。
【0017】次に、本発明の(D)成分である無機充填
材は、剛性および/または耐熱性を向上させ得るもので
ある。この(D)無機充填材としては、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスミルドファイバ
ー、ガラスバルーン、炭素繊維、金属繊維、ロックフィ
ラー、金属粉、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ
ー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸マグネシ
ウム、黒鉛、マイカ、クレー、モンモリロナイト、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、シラスなどがあり、これれは
1種または2種以上で使用される。(D)無機充填材と
しては、本発明の目的である耐衝撃繊維、耐熱性、剛性
の面から、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、炭素繊維、マイカ、タルクが好ましく、特に好まし
くはガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維である。な
お、ガラス繊維や炭素繊維は、繊維径が6〜50μm、
繊維長が30μm以上のものが好ましい。また、ガラス
繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マイカには、表
面処理剤として各種カップリング剤を用いて表面処理し
たものを用いるのが好ましい。さらに、ガラス繊維の集
束剤として、アクリル系、ウレタン系あるいはエポキシ
系の接着剤を使用することがきる。本発明の組成物中に
おける(D)成分の使用量は、5〜62重量%、好まし
くは5〜50重量%、さらに好ましくは5〜45重量
%、特に好ましくは5〜40重量%である。(D)成分
の使用量が5重量%未満では耐熱性、剛性を向上させる
ことが難しく、一方62重量%を超えると耐衝撃性、塗
装性および成形品表面外観が劣る。
【0018】熱可塑性樹脂組成物の調製 本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分を含有する
が、そのほかこれらの成分に公知の紫外線吸収剤、難燃
剤、フェノール系および/またはリン系などの難燃剤、
可塑剤、着色剤、滑剤、造核剤、フェノールおよび/ま
たはリン系などの熱安定化剤などの添加剤を必要に応じ
て配合することができる。また、本発明の熱可塑性樹脂
組成物には、要求される性能に応じて、他の重合体、例
えばポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、PP
S、ポリエーテルエーテルケトン、フッ化ビニリデン重
合体、液晶ポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体とアクリロニトリル・スチレンあるいはメタクリ
ル酸メチル・スチレンのグラフト共重合体などを、適宜
ブレンドすることができる。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記
(A)〜(D)成分に、必要に応じてその他の添加剤な
どを加えて、公知の混練り装置、例えばロール、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、連続ニーダー/押し出し機、
単軸押し出し機、二軸押し出し機などを用いて混練りす
ることによって得ることができる。なお、混練りに際
し、各成分を一括して混練りしてもよく、また分割して
2段以上の多段混練りによることもできる。本発明の熱
可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空
成形、異形成形、発泡成形などによって、各種成形品に
成形することができる。この成形法によって得られる各
種成形品は、その優れた性質を利用して、自動車の外
装、内装部材、および電気・電子関連の各種部品、ハウ
ジング、家電関連の各種部品、ハウジングなどとして使
用することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中の部および%は、重量基準
である。また、実施例の各種の評価は、下記の評価方法
に拠った。耐衝撃性 ASTM D256に従って、厚み1/4″、ノッチ付
き、23℃におけるアイゾット衝撃強度を測定した。耐熱性 ASTM D648に従って、厚み1/2″、荷重1
8.6kg/cm2 で測定した。
【0021】剛性 ASTM D790に従って、曲げ弾性率を測定した。塗装性 オリジン電気(株)製のウレタン塗料〔塗料;オリジン
プレートZ−NY、硬化剤;ポリハードH、シンナー;
オリジンシンナー#210〕を用い、塗膜面にゴバン目
100個を入れ、セロハンテープで剥がし、剥がれたゴ
バン目の数から下記の基準で評価した。 ○;90/100以上剥がれなかった。 ×;11/100以上剥がれた。成形品の表面外観 平板の成形品の外観を目視評価し、下記の評価基準で評
価した。 ◎;非常に良い。 ○;良い。 ×;劣る。
【0022】参考例(A)成分(重合体A−1〜A−4)の調製 テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールの縮合
重合で得た下記の重合体を用いた。なお、極限粘度は、
o−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した。
【0023】
【表1】
【0024】(B)成分の調製 ビスフェノールAとホスゲンから得た分子量23,00
0のポリカーボネートを用いた。(C)成分(重合体C−1〜C−5)の調製 表2に示すゴム質重合体、単量体を用いて重合し、重合
体C−1〜C−5を得た。重合体C−1〜C−3は乳化
重合で製造し、また重合体C−4〜C−5は溶液重合で
製造した。各重合反応は、単量体の重合体への転化率で
ほぼ100%まで行った。
【0025】
【表2】
【0026】*)水添スチレン−ブタジエン系ゴムは、
スチレン15%、1,2−ビニル結合含量30%のポリ
ブタジエン70%、1,2−ビニル結合含量10%のポ
リブタジエン15%からなるブロック共重合体の水添共
重合体である。 **)MMAはメチルメタクリレート、ANはアクリロ
ニトリル、STはスチレンを表す。 (D)無機充填材の調製 ガラス繊維;直径13μm、カット長3.0mm ガラスフレーク;平均粒径600μm 炭素繊維;直径7μm、カット長6mm
【0027】実施例1〜12、比較例1〜4 参考例で得られた各種重合体および無機充填材を表3に
示す配合処方で混練りし、組成物を得た。組成物の製造
に際しては、二軸押し出し機を用い、重合体成分を1段
目から添加し、無機充填材を押し出し機の途中から添加
した。得られたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を除湿
乾燥機を用いて充分に乾燥してから、射出成形機にて試
験片を作製し、耐衝撃性、耐熱性、剛性、塗装性および
成形品表面外観を評価した。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】表3から明らかなように、本発明の組成物
(実施例1〜12)は、いずれも耐衝撃性、耐熱性、剛
性、塗装性、成形品表面外観に優れている。これに対
し、表3から明らかなように、比較例1も本発明の
(D)無機充填材を用いなかった例であり、耐熱性およ
び剛性が劣る。比較例2〜3は、本発明の(a−1)/
(a−2)の重量比が本発明の範囲外の例である。この
うち、比較例2は(a−1)成分が範囲未満で、(a−
2)成分が範囲を超える場合であり、成形表面外観が劣
る。また、比較例3は、(a−1)成分が範囲を超え、
(a−2)成分が範囲未満で少ない場合であり、耐衝撃
性、耐熱性および成形品表面外観が劣る。比較例4は、
(C)熱可塑性樹脂の使用量が本発明の範囲未満の例で
あり、耐衝撃性および塗装性が劣る。
【0030】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、無機充
填材を配合した組成物であって優れた成形品外観を有す
るものである。従って、高剛性および/または高耐熱性
が要求される自動分野の各種パーツ、電気・電子部品お
よび家電製品、OA機器の各種部品、ハウジング、扉の
枠などの用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−126166(JP,A) 欧州特許出願公開79477(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリブチレンテレフタレート30
    〜80重量%、 (B)ポリカーボネート0〜40重量%、 (C)ゴム質重合体の存在下または非存在下に、芳香族
    ビニル化合物、ビニルシアン化合物および(メタ)アク
    リル酸アルキルエステルの群から選ばれた少なくとも1
    種の単量体を重合して得られる熱可塑性樹脂8〜65重
    量%、ならびに (D)無機充填材5〜62重量% 〔ただし、(A)+(B)+(C)+(D)=100重
    量%〕を主成分とし、かつ(A)ポリブチレンテレフタ
    レートが、極限粘度0.4〜0.59(o−クロロフェ
    ノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレー
    ト(a−1)と極限粘度0.6〜2.0(o−クロロフ
    ェノール溶媒、25℃測定)のポリブチレンテレフタレ
    ート(a−2)の混合物からなり、しかも(a−1)/
    (a−2)の重量比が5〜80/95〜20である熱可
    塑性樹脂組成物。
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