JP3201774B2 - エラストマー組成物及びその製造法 - Google Patents

エラストマー組成物及びその製造法

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JP3201774B2
JP3201774B2 JP51491097A JP51491097A JP3201774B2 JP 3201774 B2 JP3201774 B2 JP 3201774B2 JP 51491097 A JP51491097 A JP 51491097A JP 51491097 A JP51491097 A JP 51491097A JP 3201774 B2 JP3201774 B2 JP 3201774B2
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thermoplastic resin
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rubber
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素芳 辻本
毅 岩佐
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、後架橋可能な新規水硬化性エラストマー、
その製造方法及び該エラストマーを後架橋したゴム弾性
を有する成形されたエラストマー組成物に関するもので
ある。
本発明の水硬化性エラストマーは良好な成形加工性を
有すると共に、後架橋により、広い温度範囲にわたって
加硫ゴム並のゴム弾性及び耐油性を備えた成形エラスト
マーを与える。
背景技術 近年、ゴム的な弾性を有しており加硫を必要とせず、
しかも熱可塑性樹脂と同様の優れた成形加工性を備えた
エラストマーとして、熱可塑性エラストマーが自動車部
品、家電部品、電線被覆材、医療部品、雑貨、履物等の
分野に用いられている。
このような熱可塑性エラストマーとして特開昭61−34
050号公報等には、共重合体鎖中にビニル芳香族化合物
ブロック(ハードセグメント)及び共役ジエン化合物ブ
ロック(ソフトセグメント)を交互に含有する熱可塑性
エラストマーが挙げられている。この熱可塑性エラスト
マーは、各セグメントの割合を適宜変えることにより柔
軟性に富むものから剛性のあるものまで各種の規格の製
品を製造することができる。しかしながら、ソフトセグ
メントを多量に含む熱可塑性エラストマー組成物は、引
張強度が小さく、耐熱性、流動性、耐油性が低いため、
幅広い用途に用いることはできない。
また、特公昭53−21021号公報等には、モノオレフィ
ン共重合体ゴム及びポリオレフィン樹脂に対してゴムの
架橋助剤として有機過酸化物を用いて溶融混練を行い部
分架橋を行った組成物が記載されている。
このような熱可塑性エラストマーは、モノオレフィン
共重合体ゴムが部分架橋であるため、耐油性及び高温下
における形状回復性等が不充分であり幅広い用途に用い
ることはできない。また、架橋に用いる有機過酸化物よ
り生ずるラジカルによりポリマー鎖の切断が起こり機械
的強度の低下を招く。
さらに、特公昭58−46138号公報には、このような欠
点を解消するため、熱反応性アルキルフェノール樹脂を
架橋剤として用い、モノオレフィン共重合体ゴムのみを
優先的に架橋することが記載されている。すなわち、こ
こには熱可塑性樹脂中でEPDMゴムを選択的にフェノール
系加硫剤で架橋させた熱可塑性エラストマーが記載され
ている。かかる製法により得られる熱可塑性エラストマ
ーは、ゴム成分が完全に架橋されているため、耐油性及
び高温下の形状回復性が向上しているが、加硫ゴムに比
較するといまだ不充分である。
また、米国特許第4803244号には、オルガノシロキサ
ン化合物を用いてモノオレフィン共重合体からなるゴム
成分の架橋を行った熱可塑性エラストマーが記載されて
いる。しかしながら、ここに記載の熱可塑性エラストマ
ーのマトリックス成分は、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン及びエチレンとα−オレフィンとの共重合体などであ
り、高温時におけるエラストマー組成物の圧縮回復率が
低い。また、このエラストマー組成物は、マトリックス
成分との相溶性が比較的良好なモノオレフィン共重合体
をゴム成分として用いた場合も、マトリックスの結晶部
分の相溶性が悪いため、ゴム成分の分散が充分でない。
特に、ゴム量が多くなるにつれて分散状態が低下し、ウ
ェザーストリップ、ダストブーツのようなゴム弾性が特
に必要な自動車部材に用いるのに充分な物性が得られな
い。
米国特許第4970263号及び4500688号にも架橋剤として
オルガノシロキサン化合物を用いてゴム成分の架橋を行
った熱可塑性樹脂組成物が記載されている。しかしなが
ら、ここに記載の樹脂組成物もポリオレフィンなどをマ
トリックスとして用いており高温時での圧縮回復率が低
い。
また、特開平1−236250号公報には、ポリエチレンな
どに加水分解性シランをグラフトした熱可塑性ポリマー
をマトリックスとして用い、これにイオウなどシラング
ラフトポリマーを架橋させない加硫剤により架橋された
ゴム粒子を分散させたエラストマー組成物が記載されて
いる。この文献にはイオウやイソシアネート等を用いた
架橋の記載があるにすぎず、かかる技術では高温、高速
の架橋ができず、イオウのブリードの恐れがあるなど得
られた製品の用途が限定される。
さらに、特開平1−217053号にも同様に、加水分解性
シラン基を有するポリオレフィン樹脂及び他のポリオレ
フィン樹脂からなるマトリックスと、ゴムの分散相とか
らなるエラストマー組成物が記載されている。しかしな
がら、ゴム相はフェノール架橋がなされておりSiH架橋
についての記載はない。
発明の目的及び概要 本発明の目的は、加硫ゴムと同等のゴム弾性と共に、
優れた成形加工性を有し、しかも種々の用途に用いた場
合の安全性が高く、またベースポリマーを劣化させるこ
とがないなど、性能についての長期の信頼性に優れたエ
ラストマー組成物を提供することにある。
本発明者らは熱可塑性エラストマー組成物の連続相及
び分散ゴム相の架橋方法について種々の検討を行ってき
た。その結果、後架橋可能な加水分解性シラン基を有す
る熱可塑性樹脂を連続相とし、これに特定の架橋剤によ
り架橋したゴム成分を高分散し、さらに所望によりシラ
ノール縮合触媒を配合した水硬化性エラストマー組成物
は、成形後、水分により連続相が架橋して優れた特性を
有するとの知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明は: (a)エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合
体ゴム、 (b)分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン系の架
橋剤、 (c)ハイドロシリル化触媒、及び (d)加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂 からなる混合物を動的に熱処理して得られた水硬化性の
エラストマー組成物及びその製造法を提供するものであ
る。
また、本発明は前記の水硬化性エラストマー組成物を
成形した後、好ましくはシラノール触媒の存在下に水分
と接触させて加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂
を架橋させたエラストマー組成物及びその製造法を提供
するものである。
本発明のエラストマー組成物を製造するには、特にエ
チレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム10
0重量部に対して、加水分解性シラン基を有する熱可塑
性樹脂10〜120重量部、架橋剤0.5〜30重量部、ハイドロ
シリル化触媒(架橋触媒)0.001〜5重量部を混合し、
動的に熱処理した後、シラノール縮合触媒0.001〜3重
量部を加えて溶融混練し、水分と接触させ加水分解性シ
ラン基を有する熱可塑性樹脂を架橋するのが好ましい。
本発明にて得られた架橋されたエラストマー組成物
は: (i)シラノール基の脱水縮合により架橋された加水分
解性シラン基を有する熱可塑性樹脂からなるマトリック
ス、及び (ii)該マトリックス中に分散され、かつ架橋されたエ
チレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの
分散相 を含む構造を有するものと考えられる。
発明の詳細な開示 分散相 (a)ゴム成分 本発明で用いられるゴム成分は、エチレン−α・オレ
フィン−非共役ジエン共重合体ゴムである。
α・オレフィンは炭素数3〜15のものが好ましい。具
体的なα・オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン
−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ド
デセン−1、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−
ペンタデセンなどが好ましい。これらの内でも、プロピ
レンは、その入手が容易であること、得られるエラスト
マー組成物の耐衝撃性に優れることなどから特に好まし
い。
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン(DCP
D)、5−(2−メチル−2−ブテニル)−2−ノルボ
ルネン(MBN)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MN
B)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、メチ
ルテトラヒドロインデン(MTHI)、及び1,4−ヘキサジ
エン(HD)などを用いることが好ましい。これらの中で
入手の容易さから、DCPD、ENB、HDが好ましく、とりわ
けジエンをより多く導入することのできるENBが好まし
い。
したがって、本発明で用いられるエチレン−α・オレ
フィン−非共役ジエン共重合体ゴムとしては、エチレン
−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムが
最も好ましい。
かかる共重合体ゴムのエチレン/α・オレフィン比
は、好ましいゴム弾性を得るため、重量比で50/50〜90/
10、さらに好ましくは60/40〜80/20である。本発明にて
用いられるゴムのムーニ粘度[ML1+4(125℃)]は10〜
120、好ましくは40〜100である。ゴムのムーニ粘度が10
未満であると分子量が非常に小さいため架橋されたゴム
の分子量が小さくなり、圧縮永久歪みが大きくなる傾向
がある。一方、ムーニ粘度が120を超えると成形加工性
が著しく低下し好ましくない。なお、このようなゴム成
分には、パラフィン系オイルを予め溶融混練(油添)
し、見掛けのムーニ粘度を120以下に調整したものが市
販されており、これを用いることもできる。また、ゴム
のヨウ素価は反応性の指標であって値が大きいほど高活
性を意味するが、本発明で用いられるゴムでは10〜30、
特に15〜30の高活性のゴムが好ましい。
(b)ゴム架橋剤及び(c)ゴム架橋触媒 次に本発明で用いられる、分子内にSiH基を2つ以上
有するシリコン系架橋剤(ゴム架橋剤)及びハイドロシ
リル化触媒(ゴム架橋触媒)は、ゴム成分を架橋しゴム
弾性を発現させるために添加する。架橋触媒は、ゴム架
橋剤が架橋反応を起こすために用いられる触媒、あるい
は架橋反応を助ける架橋助剤である。架橋触媒を用いる
ことにより、実用的な速度で架橋反応が進行する。
分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン系架橋剤に
よる架橋とは、SiH基による、ゴム成分中の不飽和炭化
水素への選択的な付加反応(ハイドロシリル化)を用い
たものである。ここで用いられる架橋剤は、2分子以上
のゴムに対して付加するため、架橋剤1分子中に2つ以
上のSiH基を有する必要がある。
このようなシリコン系架橋剤の好ましい例としては、
下記の環状オルガノハイドロジェンシロキサン(I)、
線状オルガノハイドロジェンシロキサン(II)及び四面
体オルガノハイドロジェンシロキサン(III)などのオ
ルガノシロキサン構造を有する化合物及びこれらより誘
導された化合物が挙げられる。ゴムの架橋密度を上げる
にはシリコン系架橋剤のSiH基が多いほど好ましい。こ
れらシリコン系架橋剤のうちでも分子内に5個以上のSi
H基を有する線状ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン(II)が好ましく、より好ましくは10個以上であり、
15個以上のものが最も好ましい。さらに、好ましい架橋
剤としては、下記のII−、II−のようなSiH基を含
有するユニットのみで構成されている線状オルガノハイ
ドロジェンシロキサンが挙げられる。
[式中、R(R′)はそれぞれ独立に炭素数1から24の
アルキル基及びアルコキシル基;フェニル基、アリール
基並びにアリールオキシ基の中から選ばれた1種または
2種以上の置換基であり、好ましくはメチル基である。
nは2から100、好ましくは5から80、mは1から100、
sは0から2の整数である。各々の置換基のRは同じも
のであっても異なっていてもよい。] エラストマーの製造にあたり、前記ゴム架橋剤の配合
量は、ゴム成分100重量部に対して0.5〜30重量部、好ま
しくは1〜20重量部、さらに好ましくは3〜7重量部で
ある。架橋剤の配合量がこれより少ないと、充分な架橋
が得られずエラストマーのゴム特性が充分でない場合が
ある。一方、架橋剤の配合量がこれより多くてもその効
果は殆ど増加せず架橋剤のブリードが生ずる場合があ
る。
つぎに、ハイドロシリル化触媒(ゴム架橋触媒)は、
前記のゴム架橋剤によるハイドロシリル化反応を促進す
る触媒であり、代表的な触媒としては、パラジウム、ロ
ジウム、白金などの第VIII族遷移金属、またはこれらの
化合物、錯体などが挙げられる。具体的にはジクロロビ
ス(アセトニトリル)パラジウム(II)、クロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、塩化白金
酸等が挙げられる。この中では塩化白金酸や白金のビニ
ルシロキサン錯体(カールステッド触媒)のような白金
系触媒を用いることが好ましい。
ハイドロシリル化触媒をゴムに分散させるにあたって
は、あらかじめ液体成分に溶解して用いる方法、あるい
は固体成分に担持させて用いる方法があるが、分散性、
作業性の観点から、固体成分の1種以上に担持させて用
いるのが好ましい。このような具体的な方法としては、
触媒をアルコール溶媒等に溶解しシリカなどの固体成分
に担持させる方法がある。このような固体成分としては
吸着能力を有する担体が用いられ、例えば炭酸カルシウ
ム、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウ
ム、天然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸
化チタン等の無機フィラーが挙げられ、これらの中でも
合成けい酸を用いることが好ましい。これら担体に担持
された触媒の調製法は公知の方法を用いてよい。
またハイドロシリル化触媒の配合量は、ゴム成分100
重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜2
重量部である。配合量が前記の範囲より少ないと反応速
度が遅くなり十分な架橋に至る時間が長くなる。一方、
前記の範囲を越えても効果の増加はほとんどないばかり
か最終製品の異物となる恐れがある。
連続相 (d)加水分解性シラン基を含有する熱可塑性樹脂 本発明組成物の連続相に用いられる、加水分解性シラ
ン基を含有する熱可塑性樹脂は、エラストマーに良好な
成形加工性を付与する。この熱可塑性樹脂は、好ましく
はシラノール縮合触媒を添加して成形した後、水分との
接触により後架橋を行うことができる。
また、本発明のエラストマー組成物は良好な成形加工
性と共に、加硫ゴムと同等以上のゴム弾性を有する点が
特徴である。このような相反する特徴を両立させるた
め、連続相である加水分解性シラン基を含有する熱可塑
性樹脂のベース樹脂は、分散相のエチレン−α・オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴムと相溶性の良い樹脂を
選択することが不可欠である。
このような加水分解性シラン基を含有する熱可塑性樹
脂を製造するには、ベース樹脂に有機不飽和シラン及び
遊離ラジカル発生剤を所定量混合し溶融混練することに
より容易に製造することができる。
かかるベース樹脂としては、スチレン系ブロック共重
合体及び/又はその水添物、スチレン系ランダム共重合
体及び/又はその水添物、エチレン/α・オレフィン共
重合体、ポリエチレンが好ましい。中でも、スチレン系
ブロック共重合体及び/又はその水添物、スチレン系ラ
ンダム共重合体及び/又はその水添物、エチレン/α・
オレフィン共重合体の様な非晶性ポリマーを用いた方が
低温特性の点で好ましい。
スチレン系ランダム共重合体の例としては、ビニル芳
香族化合物と共役ジエン化合物のランダム共重合体又は
その水添物が挙げられる。より具体的には、スチレン・
ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、水添スチレン・ブタ
ジエン共重合体ゴム(HSBR)があり、特に、ゴム成分の
みを選択的にSiH基を持つ化合物で架橋を行うために
は、ポリマー内に不飽和結合をなるべく含まないことが
好ましく、HSBRが好ましい。、特にHSBRとしては成形性
の観点からスチレン含量が10〜30%でMFRが0.5〜20g/10
minのものが特に好ましく、最も好ましくは1〜10g/10m
inである。
また、スチレン系ブロック共重合体の例としては、少
なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックよりなるブロック共重合体又はそ
の水添物を用いることができる。より具体的に説明する
と、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体、水添スチレン−イソプレンブロ
ック共重合体等が挙げられる。特に、ゴム成分のみを選
択的にSiH基を持つ化合物で架橋を行うためには、ポリ
マー内に不飽和結合をなるべく含まないことが好まし
く、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添
スチレン−イソプレンブロック共重合体等が好ましい。
さらに好ましくはスチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン(SEBS)のようなマルチブロックタイプの水添スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレ
ン−プロピレン−スチレン(SEPS)のようなマルチブロ
ックタイプの水添スチレン−イソプレンブロック共重合
体等が特に好ましい。SEBSやSEPSとしてはスチレン含量
が20〜60%でMFRが160g/10min以下のものが好ましく、
特に好ましいのは、50g/10min以下である。また、MFRが
1以下のものを用いる場合には油展して用いることが好
ましい。
エチレン/α・オレフィン共重合体のα・オレフィン
は炭素数3〜15のものが好ましい。具体的なα・オレフ
ィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチ
ルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン
−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、1
−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセンが
好ましく、入手の容易さ、耐衝撃性改良の観点から特に
プロピレンが好ましい。即ち、本発明で用いられるエチ
レン/α・オレフィン共重合体としては、エチレン/プ
ロピレン共重合体が最も好ましい。
エチレン/プロピレンの組成比としては、Tgを低下さ
せ、機械強度の向上をはかるため、85/15〜50/50が好ま
しく、70/30〜80/20であるのがより好ましい。またMFR
は0.5〜50g/10minのものが好ましい。
ポリエチレンとしては、高密度タイプ(HDPE)、中密
度タイプ(MDPE)、低密度タイプ(LDPE)、直鎖状中低
密度タイプ(L−LDPE)等が挙げられ、この中では硬度
が柔らかく、密度が低いLDPEやL−LDPEが好ましい。す
なわちLDPEとしては、密度が0.915〜0.935g/cm3、MFRが
好ましくは0.1〜50g/10min、さらに好ましくは0.5〜10g
/10min、最も好ましくは1〜3g/10minのものが挙げられ
る。L−LDPEとしては、密度が0.910〜0.945g/cm3で、M
FRが0.1〜50g/10min、さらに好ましくは0.5〜10g/10mi
n、最も好ましくは1〜3g/10minのものが挙げられる。
ポリエチレンのMFRが前記の下限値より小さいと押出加
工性が悪くなる傾向にあり、上限値を越えると架橋度の
低下を引き起こす傾向にある。また、ポリエチレンの密
度が前記の下限値より小さいと加熱変形等の耐熱性の低
下を引き起こす傾向にあり、上限値を越えるとL−LDPE
の場合は押出加工性が悪くなる傾向にあり、LDPEの場合
は工業的に製造が困難となる。これら熱可塑性樹脂は単
独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
有機不飽和シランは、ベース樹脂相互の架橋点となる
べくベース樹脂にグラフトされるものである。有機不飽
和シランとして具体的には一般式RR′SiY2(Rは1価の
オレフィン不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機
基、R′は脂肪族飽和炭化水素基あるいはYとおなじも
の)で表される化合物が使用できる。特にR′がYと同
一で一般式RSiY3で表される有機シランを利用すること
が好ましい。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラ
ン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシ
ラン等があげられる。これらのうちビニルトリメトキシ
シランが特に好ましい。
遊離ラジカル発生剤はシラングラフト化反応の開始剤
として働く。本発明において使用される遊離ラジカル発
生剤は重合開始作用の強い種々の有機過酸化物及びパー
エステルが用いられる。例えばジクミルパーオキサイ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピバレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙
げられる。
加水分解性シラン基を含有する熱可塑性樹脂を製造す
るには、前記のベース樹脂100重量部に対し、有機不飽
和シラン0.1〜8重量部、遊離ラジカル発生剤0.01〜0.8
重量部の範囲内で配合され、好ましくは有機不飽和シラ
ン1〜6重量部、遊離ラジカル発生剤0.05〜0.5重量部
である。有機不飽和シランの配合量が下限値を下回る場
合は充分なグラフト化が起こらず、上限値を上回る場合
は成形不良を起こす傾向があるとともに経済的でない。
また、遊離ラジカル発生剤の配合量が下限値を下回る場
合は充分なシラングラフト化反応が進行せず、上限値を
上回る場合は押出加工性が低下するとともに成形表面が
悪くなる傾向がある。
なお、加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂の製
法としては、前記のほか1種以上のα・モノオレフィン
と加水分解性シランとのコポリマーとして製造してもよ
い。
かかる加水分解性シラン基を含有する熱可塑性樹脂の
配合量は、共重合体ゴム100重量部に対し10〜120重量
部、好ましくは15〜70重量部、最も好ましくは20〜50重
量部である。配合量が120重量部を越えると得られるエ
ラストマー状組成物のゴム弾性が低下する。一方、配合
量が10重量部未満では加工性が悪くなる。
添加剤 本発明においては、得られる組成物の硬度を調整し、
柔軟性を与える目的でパラフィン系オイルを必要に応じ
て添加してもよい。用いるパラフィン系オイルとして
は、性状は37.8℃における動粘度が20〜500cst、流動点
が−10〜−15℃および引火点が170〜300℃を示すものが
好ましい。
パラフィン系オイルの好ましい配合量はゴム成分100
重量部に対して0〜160重量部であり、さらに好ましく
は20〜100重量部である。配合量が160重量部を越えると
軟化剤のブリードアウトを生じやすく、最終製品に粘着
性を生じる恐れがあり、機械的性質を低下させる傾向が
ある。
また、本発明のエラストマー組成物に、必要に応じて
無機充填剤を配合してもよい。この無機充填剤は、増量
剤として製品コストの低下をはかり得るだけでなく、品
質改良(耐熱保形、難燃性付与等)に積極的効果を付与
する利点もある。このような無機充填剤としては、例え
ば炭酸カルシウム、カーボンブラック、タルク、水酸化
マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、天然ケイ酸、合
成けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン等があり、
カーボンプラックとしてはチャンネルブラック、ファー
ネスブラック等が使用できる。これらの無機充填剤のう
ちタルク、炭酸カルシウムは経済的にも有利で好まし
い。
さらに必要に応じて、その他の各種添加剤を添加する
ことができる。このような添加剤の例をあげると、造核
剤、外滑剤、内滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、着色剤、難燃剤、シ
リコン系オイル(オルガノシロキサン、シランカップリ
ング剤等)が挙げられる。また、ポリプロピレン、熱可
塑性ウレタン樹脂のような他の熱可塑性樹脂、各種の相
溶化剤をブレンドすることもできる。
動的熱処理 前記のゴム成分、加水分解性シラン基を含有する熱可
塑性樹脂、及びSiH基を2つ以上有するシリコン系架橋
剤及びハイドロシリル化触媒を混合し、動的に熱処理を
行う方法としては、通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製
造に用いられる公知の方法がいずれも採用されてよい。
動的熱処理は、基本的には機械的溶融混練であり、かか
る処理には単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等を用いるこ
とができる。動的処理において各成分の添加順序は特に
限定されず、例えば、ゴム、樹脂成分を前もってヘンシ
ェルミキサー、ブレンダー等の混合機で予備混合した
後、上記の混練機で溶融混練し、次いで架橋剤、触媒成
分を添加し動的架橋を行ってもよく、また、使用するゴ
ムのスコーチ時間が十分長い場合は触媒以外の成分を前
もって溶融混練し、さらにハイドロシリル化触媒を添加
し溶融混練する等の添加方法を採用してもよい。
溶融混練温度は、180〜300℃、剪断速度は100〜5000/
secの範囲から適宜に選択してよい。特にゴムの高分散
を達成するには、1.0〜5.5mmのクリアランスを有し、15
0〜500m/分という極めて高い先端速度で、異方向に回転
する二軸混練機によって溶融混練することが望ましい。
成形及び水架橋 前記の工程により溶融混練し動的熱処理を行った組成
物には、シラノール縮合触媒を加えるのが好ましい。通
常、かかる触媒を用いることにより水架橋反応において
実用的な反応速度が得られる。
ここで用いられるシラノール縮合触媒としては、ジブ
チル錫ジラウリレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテン酸鉛、カ
プリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブ
チルエステル、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステア
リン酸カルシウム等の有機金属化合物が挙げられる。
シラノール縮合触媒の添加量は、加水分解性シラン基
を含有する熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.001〜3
重量部、好ましくは0.005〜1重量部である。シラノー
ル縮合触媒の添加量が、0.001重量部未満であると十分
に架橋が進行せず、一方、3重量部を越えると局所的に
硬化が進行し外観が悪化する傾向にある。
シラノール縮合触媒を添加するには、従来公知の方法
がいずれも採用されてよい。例えば、そのまま添加して
もよく、樹脂とのマスターバッチ又は溶媒に希釈して添
加してもよく、あるいはフィラーに担持して添加しても
よい。
必要によりシラノール縮合触媒を添加した組成物は、
十分にドライブレンドした後、公知の熱可塑性樹脂成形
機を用いて所望の形状に成形することができる。このよ
うな成形は、射出成形、押出成形、カレンダー成形、ブ
ロー成形等の種々の方法により行うことができる。
このようにして成形されたエラストマー組成物を水分
と接触させることにより、加水分解性シラン基を含有す
る熱可塑性樹脂が水架橋して、連続相が硬化する。水架
橋を行うには、温熱水中、適当な時間にわたり浸漬を行
う。例えば60℃程度の温水中に24時間程度浸漬したり、
100℃の沸騰水中で2時間程度浸漬する。又、水蒸気の
充満した部屋の中に2時間程度放置する方法等、適宜の
方法を選択することができる。このようにして得られた
成形エラストマー組成物は、高温下においても優れたゴ
ム特性を有する。
実施例 つぎに、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細
に説明するが、本発明は、これらに限定されるものでは
ない。以下において、ベース樹脂をシラングラフト化し
て得られた加水分解性シラン基を含有する熱可塑性樹脂
をシラングラフトマーと記述する。実施例及び比較例に
おいて用いた各成分は以下のとおりである。
エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム <EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重
合体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712 [プロピレン含量:40重量%,ムーニ粘度ML1+4(125
℃):63,ヨウ素価:16] <EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重
合体ゴム 日本合成ゴム(株)製EP43 [プロピレン含量:43重量%,ムーニ粘度ML1+4(100
℃):47,ヨウ素価:6] <架橋剤> テトラメチル−チウラムジサルファイド100部に対し
て硫黄26部の混合物からなる硫黄系架橋剤(特開平1−
236250公報に記載) ハイドロシリル化触媒 <担持触媒> 塩化白金酸6水和物(安田薬品社製)の3重量%2−
プロパノール溶液を調製し、この溶液10gをコロイダル
シリカ(日本アエロジル製 アエロジル200)100g中に
担持させて調製した。
<ロジウム触媒> ビス−シクロオクタジエンロジウム塩1gを低密度ポリ
エチレン(比重0.923)500g中に溶融混練することによ
り調製した。
加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂 <シラングラフトマー> 水添ポリ(スチレン・ブタジエン)ブロック共重合
体、旭化成工業(株)製タフテックH1041[スチレン含
量:30重量%,MFR(230℃)=5.0g/10分]100重量部に対
して、ビニルトリメトキシシラン6重量部、ジクミルパ
ーオキサイド0.1重量部をよく混和し、押出機を用い
て、押出温度200〜250℃で混練し、ストランドカットを
行いシラングラフトマーのペレットを得た。
<シラングラフトマー′> 水添ポリ(スチレン・ブタジエン)ブロック共重合
体、旭化成工業(株)製タフテックH1052[スチレン含
量:30重量%,MFR(230℃)=12g/10分]100重量部に対
して、ビニルトリメトキシシラン4重量部、ジクミルパ
ーオキサイド0.1重量部をよく混和し、押出機を用い
て、押出温度200〜250℃で混練し、ストランドカットを
行いシラングラフトマーのペレットを得た。
<シラングラフトマー> 水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体、日本合
成ゴム(株)製ダイナロン1320P[スチレン含量:10重量
%,MFR(230℃)=3.5g/10分]100重量部に対して、ビ
ニルトリメトキシシラン4重量部、ジクミルパーオキサ
イド0.15重量部をよく混和し、押出機を用いて、押出温
度200〜250℃で混練し、ストランドカットを行いシラン
グラフトマーのペレットを得た。
<シラングラフトマー′> 水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体、日本合
成ゴム(株)製ダイナロン1910P[スチレン含量:30重量
%,MFR(230℃)=5.3g/10分]100重量部に対して、ビ
ニルトリメトキシシラン4重量部、ジクミルパーオキサ
イド0.1重量部をよく混合和し、押出機を用いて、押出
温度200〜250℃で混練し、ストランドカットを行いシラ
ングラフトマーのペレットを得た。
<シラングラフトマー> エチレン/プロピレン共重合体、日本合成ゴム(株)
製EP07P[MFR(230℃]=0.7g/10分]100重量部に対し
て、ビニルトリメトキシシラン2重量部、ジクミルパー
オキサイド0.1重量部をよく混和し、押出機を用いて、
押出温度200〜250℃で混練し、ストランドカットを行い
シラングラフトマーのペレットを得た。
<シラングラフトマー> 低密度ポリエチレン樹脂、日本ユニカー(株)製NUC9
025[MFR(230℃)=3.2g/10分、密度0.957g/cm3]100
重量部に対して、ビニルトリエトキシシラン2重量部、
ジクミルパーオキサイド0.15重量部をよく混和し、押出
機を用いて、押出温度200〜250℃で混練し、ストランド
カットを行いシラングラフトマーのペレットを得た。
<シランコポリマー> エチレンと加水分解性シランとのコポリマー: 三菱化学(株)製リンクロンHE−700N その他の成分 <PP> ポリプロピレン樹脂、住友化学工業(株)製W501 [MFR(230℃)=3.1g/10分] <オイル> 出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルPW−380
[パラフィン系プロセスオイル、動粘度:381.6cst(40
℃)、30.1(100℃)、平均分子量746、環分析値:CA=
0%、CN=27%、CP=73%] <縮合触媒(シラノール縮合触媒)> ジブチル錫ジラウリレート [実施例1〜12] 表1及び表2の各実施例に記載の成分のうち、ハイド
ロシリル化触媒とシラノール縮合触媒を除く成分を混合
して十分ドライブレンドした。つぎに、この混合物をニ
ーダを用い約200℃にて20分溶融混練しロールシートに
した。このロールシートを室温まで冷却し、シートペレ
タイザーでペレット化し、動的架橋に供する熱可塑性組
成物を得た。このペレットに表1及び表2に記載のハイ
ドロシリル化触媒を添加し、2軸混練機を使用して800/
secの剪断速度でベース樹脂に応じて十分可塑化するよ
うに(樹脂温度:190〜230℃)混練を行い水硬化性エラ
ストマー組成物を得た。しかる後、シラノール縮合触媒
を添加し、この組成物を用いて射出成形を行った。得ら
れた成形品を80℃の温水中にて3時間処理して架橋を促
進して下記(1)〜(4)に示す諸物性の評価を行っ
た。一方、水硬化性エラストマー組成物にシラノール縮
合触媒を加えて押出成形し、80℃の温水中にて3時間処
理して下記(5)により成形性を評価した。
[比較例1〜8] 比較例1〜4では、シラングラフトマーの代わりに米
国特許第4803244号に記載されているポリプロピレンを
連続相として用いた以外は実施例と同様にしてエラスト
マー組成物を製造した(水架橋は行えない)。また、比
較例5〜8では、架橋剤として、テトラメチル−チウラ
ムジサルファイド及び硫黄の混合物を用いた以外は実施
例と同様にしてエラストマー組成物を製造した。
得られた各エラストマーの評価項目を以下に示す。
評 価 (1)硬度(JIS K6301 Aタイプ) (2)圧縮永久歪みCS[%](JIS K6301、25%圧縮
70℃×100HR、25℃×100HR) (3)低温耐衝撃性 75×75×t1の試験片を−60℃のドライアイス−メタノ
ール溶液中に10分間浸漬後、デュポン式落球衝撃試験を
5回実施した。5回の試験のうち、試験後亀裂が生じな
かった回数を表中に記載した。[試験条件 錘重量:500
g先端球R:3/16 落下高さ:1m] (4)耐油性[%](JIS K6301、No3試験油(潤滑
油)を使用し、70℃で2時間、50×50×t2の試験片を浸
漬し、浸漬前後の重量変化(%)を求めた。) (5)成形性(φ50mm押出機を用いてL/D=20のスクリ
ュー、100mm×t0.5のダイスを用いてC/R=3.0、混練温
度200℃、回転数100rpmにて、150×500mmのテープを作
成し、目視にて表面を観察し、直径100ミクロン以上の
ブツを10つ以上観察した場合は×、2〜9つ観察した場
合は1つ以下のブツしか観察しなかった場合は○とし
た。) 下記の表1〜4より明らかなように本発明のエラスト
マー組成物は、高温時のゴム弾性、低温耐衝撃性及び耐
油性に優れると共に優れた成形性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 101/10 101/10 C08K 5/54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/08 - 23/16 C08L 101/10 C08L 51/06 C08L 83/04 C08K 3/24 C08K 5/541

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレン−α・オレフィン−非共役
    ジエン共重合体ゴム100重量部、 (b)分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン系架橋
    剤0.5〜30重量部、 (c)ハイドロシリル化触媒0.001〜5重量部、及び (d)加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂10〜12
    0重量部 からなる混合物を動的に熱処理して得られた水硬化性の
    エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】(a)エチレン−α・オレフィン−非共役
    ジエン共重合体ゴム、 (b)分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン系架橋
    剤、 (c)ハイドロシリル化触媒、及び (d)加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂 を混合する工程、及び該混合物を動的に熱処理する工程
    からなる水硬化性のエラストマー組成物の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1のエラストマー組成物を成形した
    後、水分と接触を行い加水分解性シラン基を有する熱可
    塑性樹脂を架橋させてなるエラストマー組成物。
  4. 【請求項4】加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂
    の架橋が、シラノール縮合触媒の存在下に行われたもの
    である請求項3のエラストマー組成物。
  5. 【請求項5】エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン
    共重合体ゴムがエチレン−プロピレン−エチリデンノル
    ボルネン共重合体ゴムである請求項1又は3のエラスト
    マー組成物。
  6. 【請求項6】分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン
    系架橋剤が、オルガノハイドロジェンシロキサンである
    請求項1又は3のエラストマー組成物。
  7. 【請求項7】ハイドロシリル化触媒が、固体成分に担持
    されている請求項1又は3のエラストマー組成物。
  8. 【請求項8】加水分解性シラン基を有する熱可塑性樹脂
    が、熱可塑性樹脂に対して有機不飽和シラン及び遊離ラ
    ジカル発生剤を反応させて得られたシラングラフトマー
    である請求項1又は3のエラストマー組成物。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂がスチレン系ブロック共重合
    体及び/またはスチレン系ランダム共重合体である請求
    項8のエラストマー組成物。
  10. 【請求項10】スチレン系ブロック共重合体が、水添ス
    チレン−ブタジエンブロック共重合体である請求項9の
    エラストマー組成物。
  11. 【請求項11】スチレン系ランダム共重合体が、水添ス
    チレン・ブタジエン共重合体ゴムである請求項9のエラ
    ストマー組成物。
  12. 【請求項12】熱可塑性樹脂がエチレン/α・オレフィ
    ン共重合体である請求項8のエラストマー組成物。
  13. 【請求項13】熱可塑性樹脂がポリエチレンである請求
    項8のエラストマー組成物。
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