JPH0725939A - 熱可塑性エラストマーの製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマーの製造方法

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JPH0725939A
JPH0725939A JP17446393A JP17446393A JPH0725939A JP H0725939 A JPH0725939 A JP H0725939A JP 17446393 A JP17446393 A JP 17446393A JP 17446393 A JP17446393 A JP 17446393A JP H0725939 A JPH0725939 A JP H0725939A
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JP
Japan
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rubber
thermoplastic elastomer
parts
weight
double bond
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JP17446393A
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English (en)
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Motoyoshi Tsujimoto
素芳 辻本
Sumiya Miyake
澄也 三宅
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 不飽和炭素2重結合基含有ゴム100重量部
に対しポリオレフィン系樹脂5〜300重量部、分子内
にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系架
橋剤0.005〜30重量部及び有機過酸化物系触媒
(d)0.0001〜2重量部である熱可塑性エラスト
マーの製造方法。 【効果】 本発明によって得られる動加硫した熱可塑性
エラストマー組成物は、柔軟性、耐熱クリープ性能、低
温耐衝撃性、機械的強度に優れ、広い温度範囲にわたっ
て優れたゴム弾性を示し、さらに耐油性が良好、調色が
自由なため、耐油性、ゴム弾性、機械強度及び成形速
度、成形歩留まり、調色の自由度等の改善が望まれてい
る自動車部品、家電部品、各種電線被覆(絶縁、シー
ス)及び各種工業部品に好適に成形し用いることができ
る。また、灰成分中に重金属が検出されないため衛生性
が不可欠な用途、例えば食品向け用途、医療用途にも好
適に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
の製造方法に関するものである。更に詳しくは柔軟性に
富み、広い温度範囲にわたるゴム弾性、高温クリープ性
能、低温耐衝撃性、機械強度、成形加工性に優れ、かつ
熱可塑性エラストマーでありながら、耐油性、耐光変色
性に優れた各種成形物の素材として使用でき、かつ系内
に重金属をほとんど含んでいない衛生性に非常に優れた
新規な熱可塑性エラストマーの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な軟質材料であって加硫工
程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有
する熱可塑性エラストマーが自動車部品、家電部品、電
線被覆材、医療部品、雑貨、履物等の分野で利用されて
いる。熱可塑性エラストマーの構造の代表的な例として
は特開昭61−34050号公報等に開示されているよ
うに共重合体鎖中にハードセグメント及びソフトセグメ
ントを交互に含有している種類のものがある。そして、
これらは各セグメントの割合を変えることにより柔軟性
に富むものから、剛性のあるものまで各種のグレードが
製造されている。更に、安価でそして容易に入手できる
原料物質から導かれた別種類の熱可塑性エラストマーも
ある。即ち、特公昭53−21021号公報等に開示さ
れているように有機過酸化物を用いて部分架橋したモノ
オレフィン共重合体ゴムとポリオレフィン樹脂との熱可
塑性ブレンドあるいはモノオレフィン共重合体ゴムとポ
リオレフィン樹脂に架橋助剤として有機過酸化物を用い
て溶融混練を行い、部分架橋した組成物がこれに該当す
る。しかしながら、前者の共重合体鎖中にハードセグメ
ント及びソフトセグメントを交互に含有している構造を
持つ熱可塑性エラストマーの場合、柔軟性のある熱可塑
性エラストマーとするためにはソフトセグメントを多量
に含むことが必要となる。通常、ソフトセグメントは引
張強度が弱く、耐熱性、流動性、耐油性が悪いことから
このようなソフトセグメントを多量に含む柔軟性のある
熱可塑性エラストマー組成物はやはり、引張強度が弱
く、耐熱性、流動性、耐油性が悪いといった欠点を持
ち、広範囲にわたっての各種用途に用いることができな
い。また、柔軟性グレードを多段合成法により合成する
場合は、ハードセグメントとソフトセグメントを別々に
合成する必要があるため、重合装置が非常に複雑になる
とともに、重合段階での各セグメントの性状や割合のコ
ントロールが非常に難しく、またグレードの切り替え時
に不良品が発生することもある。さらに生成したポリマ
ーの回収もゴム的な性状のものが多量に含まれることか
ら非常に困難である。
【0003】後者の、成分中のモノオレフィン共重合体
ゴムに部分架橋を施した構造の熱可塑性エラストマーの
場合は、部分架橋であるために耐油性及び高温下での形
状回復性等が不十分であるために広範囲にわたっての各
種用途に用いることができない。また、有機過酸化物を
用いているために、架橋と同時に有機過酸化物に起因す
るラジカルによりポリマー鎖の切断が起こり機械的強度
の低下もみられるという欠点も有している。この欠点を
克服する手段が特公昭58−46138号公報等に開示
されている。即ち架橋剤として熱反応性アルキルフェノ
ール樹脂を用いることによりモノオレフィン共重合体ゴ
ムの架橋のみを優先的に進めるという手段である。この
手段で得られる熱可塑性エラストマーは完全架橋である
ため耐油性及び高温下での形状回復性等は十分である
が、アルキルフェノール樹脂を用いているため耐光変色
性が著しく悪く、調色の自由度が求められる自動車部
品、家電用部品、電線被覆等の用途に用いることができ
ない。また、架橋剤としてアルキルフェノール樹脂の代
わりに有機オルガノシロキサン化合物を用いる手法がU
SP4803244に提案されている。この方法ではア
ルキルフェノール樹脂架橋と同様にモノオレフィン共重
合体ゴムの架橋のみを優先的に進めることができ、耐油
性、高温下での形状回復性及び耐光変色性等に非常に優
れた材料が得られるので、調色の自由度が求められる自
動車部品、家電用部品、電線被覆等の用途に用いること
ができる。しかしながら、この手法では低温耐衝撃性が
十分とはいえず、低温耐衝撃性が要求される用途−例え
ば自動車のエアバッグ用材料等−には使用できないのが
現状である。また、架橋触媒としてロジウム、白金等の
ような重金属を含んだ触媒を用いているため、例えば白
金系触媒等を用いた場合、失活した触媒が黒色状のブツ
となるため淡色のものがつくれない、あるいは衛生性が
求められる用途即ち食品向け、医療向け用途には用いる
ことができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の熱可塑
性エラストマー組成物では困難であった問題を解決する
ためになされたものであり、広い温度範囲にわたって良
好なゴム特性を維持しつつ、低温耐衝撃性、広い着色自
由度、低い残留重金属物等の特徴を有しており、調色が
求められる用途、衛生性が求められる用途も含めての広
範囲にわたっての各種用途に用いることができ熱可塑性
エラストマーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、架橋剤として耐光
変色性及び生体適合性に優れ、ゴムを選択的に架橋する
特性を有する分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オル
ガノシロキサン化合物類を、また、触媒としてSiHの
架橋反応を促進とともにポリオレフィンとゴムとのクロ
スカップリング反応を引き起こす能力を持つ微量の有機
過酸化物系触媒を用いて溶融混練しながら架橋させるこ
とによりゴムの選択的な架橋を行いつつ微量のグラフト
ポリマーを生成させ界面の接着強度を向上させるという
技術思想のもとに研究を展開し、その結果、広い温度範
囲にわたって良好なゴム特性を有しつつ、低温耐衝撃
性、調色が求められる用途、衛生性が求められる用途も
含めての広範囲にわたっての各種用途に適用するという
課題を達成できるという知見を見いだし、その知見に基
づき、さらに種々の研究を進めて本発明を完成するに至
ったものである。本発明は、(a)不飽和炭素2重結合
基含有ゴム、(b)ポリオレフィン系樹脂、(c)分子
内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系
架橋剤、(d)有機過酸化物系触媒を動的に熱処理する
ことにより得られる熱可塑性エラストマーの製造方法で
あり、好ましくは不飽和炭素2重結合基含有ゴム(a)
100重量部に対しポリオレフィン系樹脂(b)5〜3
00重量部、分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オル
ガノシロキサン系架橋剤(c)0.005〜30重量
部、有機過酸化物系触媒(d)0.0001〜2重量部
である熱可塑性エラストマーの製造方法であり、また不
飽和炭素2重結合基含有ゴム(a)100重量部当たり
30〜300重量部のパラフィン系オイル(e)を含む
熱可塑性エラストマーの製造方法である。
【0006】本発明で用いられる不飽和炭素2重結合基
含有ゴム(a)は特に限定されるものではなく一般に市
販されている主鎖及び又は側鎖に不飽和炭素2重結合を
含むゴム全般を指す。例をあげるとすれば、エチレン−
α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、スチレン−ブタジ
エンランダム共重合体ゴム、スチレン−イソプレンラン
ダム共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体ゴム
またはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等が
挙げられる。そして、これらのゴムに含まれる脂肪族2
重結合を部分的に水添し、不飽和度を低下させた部分水
添ゴムも使用することができる。例えば、水添率が80
%未満の部分水添ゴムが挙げられる。これらのゴムは1
種または2種以上のブレンド物であっても良い。ここ
で、エチレン、α・オレフィン及び非共役ジエンからな
るエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴ
ムはその組成におけるα・オレフィンは炭素数3〜15
のものが適する。非共役ジエンとしてはジシクロペンタ
ジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネ
ン、及びメチレンノルボルネン等が使用できる。本発明
においては入手の容易さ、耐衝撃性改良の観点からα・
オレフィンとしてはポリプロピレンが適する。従って、
EPDMが好適となる。共重合ゴムのエチレン/α・オ
レフィン比は重量比で50/50〜90/10、さらに
好適には60/40〜80/20が適する。ここで、用
いられるゴムのムーニ粘度、ML1+4(100℃)は1
0〜120、好ましくは40〜100の範囲から好適に
選ぶ事が出来る。このムーニ粘度が10未満のものを用
いた場合、好ましい架橋が得られず高温での圧縮永久歪
みの改良が期待できず、好ましくない。また、120を
超えたものは成形加工性が著しく悪化し、さらに成形品
の外観が悪化するため好ましくない。また、このゴムの
ヨウ素価は5〜30、特に10〜20のものが好まし
い。
【0007】次に、本発明に用いられているポリオレフ
ィン系樹脂(b)は、得られる組成物の加工性、耐熱性
向上に有効である。結晶性ポリオレフィン樹脂と非晶性
ポリオレフィン樹脂の2つに大別される。ここで、結晶
性オレフィン系樹脂は、例えばポリエチレン、アイソタ
クチックポリプロピレンやプロピレンと他の少量のα−
オレフィンのランダムまたは及びブロック共重合体、具
体的にはポリプロピレン−エチレン共重合体、プロピレ
ン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチルー
1ペンテン共重合体、及びポリ4−メチル−1−ペンテ
ン、ポリブテン−1等をあげることができる。結晶性オ
レフィン系樹脂として、アイソタクチックポリプロピレ
ンまたはその共重合体を用いる場合のMFR(ASTM-D-1
238L条件、230℃)は0.1〜50g/10分特に0.5
〜30g/10分の範囲のものが好適に使用できる。ま
た、非晶性オレフィン系樹脂は環状オレフィン構造を有
する重合体単独ないし環状オレフィンとα−オレフィン
との共重合体である。また、2種以上のポリオレフィン
樹脂を組み合わせて使用しても良い。ここで結晶性ポリ
オレフィン樹脂用いた方が成形加工性が良好である。ポ
リオレフィン樹脂(b)の配合量は、ゴム成分(a)1
00重量部に対し5〜300重量部が好ましく、さらに
好ましくは10〜200重量部である。300重量部を
越えた配合では、得られるエラストマー状組成物の硬度
が高くなり柔軟性が失われる傾向にあり、5重量部未満
の配合では加工性が悪くなる傾向にある。
【0008】次に本発明で用いられるゴムの架橋剤
(c)はSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサ
ン化合物類である。この架橋法はSiH基のゴム成分中
の不飽和炭化水素への選択的な付加反応(ハイドロシリ
ル化)を利用したものである。架橋剤となり得るために
は2分子以上のゴムに付加することが必要条件であるか
ら分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要がある。具体
的な化合物例は以下に示すように環状ポリシロキサン類
(1)、線状ポリシロキサン類(2)、四面体シロキサ
ン類(3)の構造を持つ化合物が代表的である。また、
該化合物から誘導された化合物及びまたはポリマーを用
いても良い。
【0009】環状ポリシロキサン類(1) 線状ポリシロキサン類(2) 四面体シロキサン類(3) mは3〜30の整数、nは0から200までの整数、R
は、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基また
はアリールオキシ基であり、かつ珪素原子に結合してい
る少なくとも1個のRが水素である珪素原子が分子中に
2個以上存在するものである。上記のような構造を持つ
有機オルガノシロキサンがゴムに対して選択的な架橋を
行うことができる。
【0010】本発明に用いられる架橋反応触媒(d)は
ハイドロシリル化反応を促進する触媒のうち、有機過酸
化物系触媒を指す。有機過酸化物の例とすれば2,5−
ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3,1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)3,5,5トリメチルシクロヘキサン、2,
5ジメチル2,5ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン
3、及びジクミルパーオキシド等がある。有機過酸化物
を用いることによって、SiHによる架橋反応が促進す
るとともに、界面にゴムとポリオレフィン樹脂とのグラ
フトポリマーが生成し界面の接着強度が向上することに
より、低温時耐衝撃性を著しく改善することができる。
さらに、有機過酸化物を助触媒のビスマレイミド化合物
と併用した系を触媒として用いてもよい。本発明で使用
するビスマレイミド化合物にはN,N’−m−フェニレ
ンビスマレイミド及びトルイレンビスマレイミド等があ
る。N,N’−m−フェニレンビスマレイミドは市販の
例えば、HVA−2(デュポン社製)、ソクシノールB
M(住友化学製)等を使用することができる。
【0011】ここで動加硫された熱可塑性エラストマー
組成物とは、本発明で得られた組成物1gを沸騰キシレ
ンを用いてソックスレー抽出器で10時間リフラックス
し、残留物を80メッシュの金網で濾過し、メッシュ上
に残留した不溶物乾燥重量(g)/組成物1g中に含ま
れるa成分の重量の比を100倍した値で示されるゲル
含量が少なくとも30%、好ましくは50%以上(ただ
し、無機充填物等の不溶成分はこれに含まない)となる
ように加硫したものであり、かつ該加硫が熱可塑性エラ
ストマー組成物の溶融混練中に行われることを特徴とす
る。このような動加硫された熱可塑性エラストマー組成
物を得るため、成分dの配合量は、成分aに対して0.
005〜30重量部、好ましくは0.01〜20重量部
の中から好適に選ぶことができ、そのゲル含量を調節す
ることができる。また触媒の添加量はゴム成分100重
量部に対して0.0001〜2部の触媒を任意に添加す
ることができる。ここで、0.001未満の場合、実用
的速度で架橋が進まない。また、2部超では増量する効
果がないがないばかりか好ましくない副反応(ポリオレ
フィン樹脂の分解、ゲル化反応等)を引きおこす傾向が
ある。
【0012】本発明で用いるパラフィン系オイル(e)
は、得られる組成物の硬度を調整し、柔軟性を与える作
用を持ち、必要に応じて添加される。一般にゴムの軟
化、増容、加工性向上に用いられるプロセスオイルまた
はエクステンダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化
剤は芳香族環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組合
わさった混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素
数の50%以上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナ
フテン環炭素数が30から45%のものがナフテン系、
芳香環炭素数が30%を越えるものが芳香族系とされ
る。本発明で用いられるオイルは上記区分でパラフィン
系のものが好ましく、ナフテン系、芳香族系のものは分
散性、溶解性の点で好ましくない。パラフィン系ゴム用
軟化剤の性状は37.8℃における動粘度はが20〜5
00cst、流動点が−10〜−15℃および引火点が
170〜300℃を示す。パラフィン系オイル(e)の
好ましい配合量はゴム成分(a)100重量部に対して
30〜300重量部であり、さらに好ましくは30〜2
50重量部である。300重量部をこえた配合のもの
は、軟化剤のブリードアウトを生じやすく、最終製品に
粘着性を生じる恐れがあり、機械的性質を低下させる傾
向がある。また、30重量部未満だと添加する意味がな
い。
【0013】本発明の製法で得られる熱可塑性エラスト
マー組成物は公知技術の有機過酸化物を用いて部分架橋
した熱可塑性エラストマー組成物に比べ、機械強度及び
高温での圧縮永久歪みに優れた性能をしめす組成物を与
える。また、公知技術の熱反応性アルキルフェノール樹
脂を用いて完全架橋した熱可塑性エラストマー組成物に
比べ、耐光変色性に著しく優れ、重金属触媒が実質上皆
無であるため、黒色状のブツがなく淡色に着色可能であ
り、尚かつ衛生性に優れた組成物を与える。また、界面
の接着性が著しく改善されており、公知技術の塩化白金
酸のような重金属触媒を用いてハイドロシリル化させ架
橋させて得た熱可塑性エラストマー組成物に比べ、低温
耐衝撃性が著しく向上する。上記した成分のほかに、本
発明の組成物はさらに必要に応じて、特に調色が不必要
な用途及び衛生性が不問の用途には、無機充鎮剤を配合
することも可能である。この無機充鎮剤は、増量剤とし
て製品コストの低下をはかることの利益があるばかりで
なく、品質改良(耐熱保形、難燃性付与等)に積極的効
果を付与する利点もある。無機充鎮剤としては、例えば
炭酸カルシウム、カーボンブラック、タルク、水酸化マ
グネシウム、マイカ、硫酸バリウム、天然ケイ酸、合成
けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン等があり、カ
ーボンプラックとしてはチャンネルブラック、ファーネ
スブラック等が使用できる。これらの無機充填剤のうち
タルク、炭酸カルシウムは経済的にも有利で好ましいも
のである。さらに必要に応じて造核剤、外滑剤、内滑
剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、着色剤、シリコンオイル等を添加して
も良い。また、スチレン系ブロックコポリマー(SB
C)、熱可塑性ウレタン樹脂のような他の熱可塑性樹脂
をブレンドすることもできる。
【0014】本発明の組成物を製造する方法としては、
通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる一般
的な全ての方法を採用できる。基本的には機械的溶融混
練方法であり、これらには単軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロー
ル等が用いられる。この際、各成分の添加順序には制限
がなく、例えば、ゴム、樹脂成分を前もってヘンシェル
ミキサー、ブレンダー等の混合機で予備混合し上記の混
練機で溶融混練し、次いで架橋剤、触媒成分を添加し動
加硫したり、使用するゴムのスコーチ時間が十分長い場
合は触媒以外の成分を前もって溶融混練し、さらに触媒
を添加し溶融混練する等の添加方法も採用できる。ま
た、この際溶融混練する温度は180℃〜300℃のな
かから好適に選ぶことが出来る。ここで得られた動加硫
したエラストマー組成物は、熱可塑性であるので一般に
使用される熱可塑性樹脂成形機を用いて成形することが
可能であって、射出成形、押出成形、カレンダー成形、
ブロー成形等の各種の成形方法が適用可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。以下に示す実施例及び比較例において配合した
各成分は以下の通りである。 <成分a(1)>日本合成ゴム製エチレン−プロピレン
−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムEP57C[プ
ロピレン含量:28重量% ムーニ粘度ML1+4(100
℃):90 ヨウ素価:15 Tg:−40℃] <成分a(2)>日本合成ゴム製アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体ゴム N240S[アクリロニトリル
含量:26重量% ムーニ粘度ML1+4(100℃):5
6] <成分a(3)>日本合成ゴム製スチレン−ブタジエン
共重合体ゴム JSR 1503[スチレン含量:2
3.5重量% ムーニ粘度ML1+4(100℃):75] <成分b(1)>三井石油化学製非晶性オレフィン系樹
脂、アペル150R <成分b(2)>住友化学製ポリプロピレン樹脂、W5
01[MFR(230℃)=8.0g/10分 熱変形
温度:115℃] <成分c(1)>東レ・ダウコーニング・シリコーン株
式会社製1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン <成分c(2)>東レ・ダウコーニング・シリコーン株
式会社製1,1,3,3−テトラメチルジテトラシロキ
サン <成分d(1)>日本油脂製パークミルD <成分d(2)>住友化学製ソクシノールBM <成分e>出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−3
80[パラフィン系プロセスオイル、動粘度:381.
6cst(40℃)、30.1(100℃)、平均分子
量746、環分析値:CA=0%、CN=27%、CP=
73%]
【0016】《実施例1〜24及び比較例1〜18》c
成分及びd成分を除く全ての成分を十分ドライブレンド
した後、二軸混練機を用いて樹脂温190〜230℃に
なるような条件で溶融混練し押し出し動加硫する前の熱
可塑性組成物を得、これをペレタイズ化した。このペレ
ットに相当量のc成分及びd成分を添加配合し再び二軸
混練機を使用して樹脂温190〜230℃になるように
混練して動加硫した熱可塑性エラストマー組成物を得
た。この組成物を用い射出成形を行い、以下の諸物性の
評価を行い、実施例については表1、表2、表3及び表
4に示し、比較例については、表5、表6及び表7に示
した。 (1) 硬度(JIS K6301 Aタイプ) (2) 引張強度TS[MPa]及び伸びEb[%](JI
S K6301、3号ダンベル) (3) 圧縮永久歪みCS[%](JIS K6301、2
5%圧縮 70℃×22Hr) (4) 低温耐衝撃性(75×75×t1の試験片を−60
℃のドライアイス−メタノール溶液に10分間浸せき
後、デュポン式落球衝撃試験を行い、試験後亀裂が生じ
なかった場合は○、亀裂が生じたものは×とした。 [試験条件 錘り重量:500g 先端球R:3/16
落下高さ:1m]) (5) 耐油性[%](JIS K6301、No3試験油
(潤滑油)を使用し、70℃で2時間、50×50×t
2の試験片を浸せきし、浸せき前後の重量変化(%)を
求めた) (6) 耐光変色性試験 (ナチュラルの組成物をサンシャ
インウェザーオメーターを用いて、88℃×1000h
r処理を施し、色差を測定した。) (7) 黒色状ブツ 150×150×t0.1のプレスシートを作成し、目
視により判定した。 (8) 衛生性試験 日本薬局方一般試験法(23)−重金属試験法第3法に
準拠して試験した。1ppm以上の重金属灰分を検出し
た場合は×、それ未満の重金属灰分しか検出できなかっ
た場合は○とした。
【0017】また、比較例1〜6では動加硫を有機過酸
化物[ジクミルペルオキシド(DCP)]を2重量部及
びジビニルベンゼン(DVB)3重量部を用いた他は実
施例と同様な方法で行った。さらに比較例7〜12では
動加硫を熱反応性アルキルフェノール樹脂[Schenectad
y Chemicals社 SP1045]を5重量部及び架橋助剤[塩化
第1錫]2重量部を用いた他は実施例と同様な方法で行
った。また、比較例13〜18では架橋剤として有機オ
ルガノシロキサンを用いて、触媒として従来の塩化白金
酸2水和物を用いた。この結果から、本発明の有機オル
ガノシロキサン化合物を用いて動加硫した熱可塑性エラ
ストマー組成物は公知技術の有機ペルオキシド系を配合
して動加硫した熱可塑性エラストマー組成物よりも機械
強度及び70℃の圧縮永久歪みさらに耐油性に優れた組
成物を与えることが明らかになった。そしてさらに、本
発明の組成物は耐光変色性が良好であり、黒色状ブツの
ないので淡色系の含めた調色の自由度が大きいことが判
明した。また、低温耐衝撃性が著しく改善されており、
灰分中に重金属が検出されず衛生性に非常に優れている
ことがわかった。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の効果】本発明によって得られる動加硫した熱可
塑性エラストマー組成物は、柔軟性、耐熱クリープ性
能、低温耐衝撃性、機械的強度に優れ、広い温度範囲に
わたって優れたゴム弾性を示し、さらに耐油性が良好、
調色が自由なため、耐油性、ゴム弾性、機械強度及び成
形速度、成形歩留まり、調色の自由度等の改善が望まれ
ている自動車部品、家電部品、各種電線被覆(絶縁、シ
ース)及び各種工業部品に好適に成形し用いることがで
きる。また、灰成分中に重金属が検出されないため衛生
性が不可欠な用途、例えば食品向け用途、医療用途にも
好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9/00 21/00 LBG 23/02 LCB 23/16 LCY

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)不飽和炭素2重結合基含有ゴム (b)ポリオレフィン系樹脂 (c)分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシ
    ロキサン系架橋剤 (d)有機過酸化物系触媒 上記の(a)〜(d)を動的に熱処理することにより得
    られる熱可塑性エラストマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 不飽和炭素2重結合基含有ゴム(a)1
    00重量部に対しポリオレフィン系樹脂(b)5〜30
    0重量部、分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガ
    ノシロキサン系架橋剤(c)0.005〜30重量部、
    有機過酸化物系触媒(d)0.0001〜2重量部であ
    る請求項1記載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 不飽和炭素2重結合基含有ゴム(a)1
    00重量部当たり30〜300重量部のパラフィン系オ
    イル(e)を含む請求項2記載の熱可塑性エラストマー
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 不飽和炭素2重結合基含有ゴム(a)が
    エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体であ
    る請求項1、2又は3記載の熱可塑性エラストマーの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 不飽和炭素2重結合基含有ゴム(a)が
    アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びまたはスチ
    レン−ブタジエン共重合体である請求項1、2又は3記
    載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン系樹脂(b)が結晶性ポ
    リオレフィン樹脂である請求項1、2、3、4又は5記
    載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008201817A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系樹脂組成物
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JP2016074855A (ja) * 2014-10-09 2016-05-12 リケンテクノス株式会社 熱可塑性エラストマー組成物
JP2016074856A (ja) * 2014-10-09 2016-05-12 リケンテクノス株式会社 熱可塑性エラストマー組成物
WO2021262777A1 (en) * 2020-06-24 2021-12-30 Dow Global Technologies Llc Compositions made from crosslinkable olefin/silane interpolymer

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