JP3195479B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置

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JP3195479B2
JP3195479B2 JP28689893A JP28689893A JP3195479B2 JP 3195479 B2 JP3195479 B2 JP 3195479B2 JP 28689893 A JP28689893 A JP 28689893A JP 28689893 A JP28689893 A JP 28689893A JP 3195479 B2 JP3195479 B2 JP 3195479B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンの燃
料噴射量制御装置に係り、特にスピル弁の駆動制御を行
うことにより燃料噴射量を制御するディーゼルエンジン
の燃料噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御ディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプにおいては、そのプランジャのリフトに応
じて得られる燃料噴射量が目標値になるように、例えば
電磁スピル弁等を制御してスピルポートを開放させるよ
うにしている。これにより、プランジャ高圧室からの燃
料を燃焼室へ溢流(スピル)させ、燃料の圧送終わり
(即ち燃料の噴射の終了)を制御し、所要の燃料噴射量
を得るようにしている。
【0003】このような電磁スピル弁では、通常プラン
ジャのリフトに同期し、かつ一定のポンプ回転角度毎に
入力される信号、例えばエンジン回転パルスと平均エン
ジン回転速度とにより目標スピル角度を時間換算して目
標スピル位置を決定し、その目標スピル位置に基づいて
電磁スピル弁のオン・オフ制御を行うよう構成されてい
る。
【0004】例えば、特開昭62−267547号公報
に開示された技術では、その時々の運転状態に応じて決
定される燃料噴射量を得るべく、噴射終了時期に相当す
る目標スピル位置で電磁スピル弁を開弁させてスピルポ
ートを開放させている。ここで、目標スピル位置を決定
するには、一定のクランク角毎に得られるエンジン回転
パルスに基づき、そのエンジン回転パルスのある基準位
置から目標スピル位置までのパルスカウント数と、1パ
ルス分に満たない余り角度を求める。そして、その余り
角度については、前回のスピル位置を含む1パルス分の
所要時間(スピル時パルス時間)に基づいて時間換算す
るようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
技術では、エンジンの回転変動が大きい場合に、上記の
スピル時パルス時間の差が大きくなる。例えば、今回の
目標スピル位置周辺の瞬時回転速度が、前回のスピル位
置周辺の瞬時回転速度に比べて落ち込むような場合に
は、今回のスピル時パルス時間が前回のスピル時パルス
時間に比べて長くなる。
【0006】従って、そのような回転変動の大きい状態
で求められた前回のスピル時パルス時間に基づいて余り
角度を時間換算した場合には、その時間換算の誤差が非
常に大きくなり、燃料噴射量制御の精度が悪化するおそ
れがあった。また、燃料噴射量制御の精度悪化に起因し
て、エンジンの回転変動を更に誘発させて出力低下を招
来するというおそれもあった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、余り角度を時間換算する際の基準となるスピル時
パルス時間を今回のスピル位置を含むエンジン回転パル
スの直前のパルス時間或いは180度前のパルス時間或
いは720度前のパルス時間に基づいて演算することに
より、エンジン回転変動の影響を受けることなく燃料噴
射量制御の精度向上を図ったディーゼルエンジンの燃料
噴射量制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。同図に示すように、上記課題を解決するために本
発明では下記の手段を講じたことを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項1の発明では、ディーゼルエンジン
(A1)の発生する駆動力により燃料を加圧し、この加圧さ
れた燃料をスピル弁(A2)で燃料噴射量を制御しつつディ
ーゼルエンジン(A1)に圧送する燃料噴射ポンプ(A3)と、
上記ディーゼルエンジン(A1)の運転状態に応じ決定され
る燃料噴射量に基づき、少なくとも燃料噴射終了時期に
相当する上記スピル弁(A2)の開弁時期を演算するスピル
位置演算手段(A4)と、上記ディーゼルエンジン(A1)の一
定クランク角毎にエンジン回転パルスを出力するエンジ
ン回転検出手段(A5)と、一定のクランク角毎にエンジン
回転検出手段(A5)から出力されるエンジン回転パルスに
基づき、このエンジン回転パルスの基準位置からスピル
位置までのカウント数と、その1パルス分に満たない余
り角度を演算する余り角度演算手段(A6)と、エンジン回
転パルスの1パルス分のパルス時間を演算するパルス時
間演算手段(A7)と、このパルス時間演算手段(A7)により
演算されるスピル位置を挟むエンジン回転パルスのパル
ス時間に基づき、上記余り角度演算手段(A6)により演算
される余り角度を時間換算し余り角度時間を演算する余
り角度時間換算手段(A8)と、上記パルス時間演算手段(A
7)により演算されるパルス時間を記憶するパルス時間記
憶手段(A9)と、上記余り角度演算手段(A6)により演算さ
れる基準位置からスピル位置までのカウント数と、上記
余り角度時間換算手段(A8)により演算される余り角度時
間とに基づき決定される時刻タイミングにより上記スピ
ル弁(A2)を駆動制御するスピル弁制御手段(A10) とを具
備しており、上記余り角度時間換算手段(A8)は、 上記パ
ルス時間記憶手段(A9)に記憶されている今回求めるスピ
ル位置を含むエンジン回転パルスよりも少なくとも一つ
前のエンジン回転パルスのパルス時間に 基づき余り角度
時間を演算すると共に、 上記パルス時間記憶手段(A9)に
記憶されている今回求めるスピル位置を含むエンジン回
転パルスよりもクランクアングルにして720度前にお
けるエンジン回転パルスのパルス時間に基づき、気筒固
有の機器誤差に起因して発生するエンジン回転変動を補
正する補正値である同一気筒補正量を演算し、 上記余り
角度時間を同一気筒補正量により補正する構成としたこ
とを特徴とするものである。
【0010】
【0011】
【作用】上記構成とされたディーゼルエンジンの燃料噴
射量制御装置では、パルス時間演算手段(A7)及びパルス
時間記憶手段(A9)が設けられているため、パルス時間演
算手段(A7)で演算されたパルス時間をパルス時間記憶手
段(A9)に記憶しておくことができる。
【0012】このため上記余り角度時間換算手段(A8)
は、パルス時間記憶手段(A9)に記憶されている今回求め
るスピル位置を含むエンジン回転パルスよりも少なくと
も一つ前のエンジン回転パルスのパルス時間に基づき余
り角度時間を演算すること、及びパルス時間記憶手段(A
9)に記憶されている今回求めるスピル位置を含むエンジ
ン回転パルスよりもクランクアングルにして720度前
におけるエンジン回転パルスのパルス時間に基づき、気
筒固有の機器誤差に起因して発生するエンジン回転変動
を補正する補正値である同一気筒補正量を演算すること
が可能となる。そして、求められた余り角度時間を同一
気筒補正量により補正することにより、気筒間のバラツ
キは抑制され、補正の後の余り角度時間はエンジン回転
変動の影響が排除された、実際の余り角度時間に極めて
近い値となる。よって、燃料噴射量の精度を向上させる
ことができる。
【0013】前期したエンジン回転変動は、あるエンジ
ン回転パルスから急激に生じるのではなく、エンジン状
態によって漸次生じるものである。よって、今回求める
スピル位置を含むエンジン回転パルスのパルス時間(ス
ピル時パルス時間)と、スピル時パルスの直前のエンジ
ン回転パルスのパルス時間とは極めて近似した時間であ
り、エンジン回転変動の影響を殆ど受けない時間であ
る。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0019】図2はこの実施例における過給機付ディー
ゼルエンジンの燃料噴射量制御装置を示す概略構成図で
あり、図3はその分配型燃料噴射ポンプ1を示す断面図
である。燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン2のク
ランク軸40にベルト等を介して駆動連結されたドライ
ブプーリ3を備えている。そして、そのドライブプーリ
3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆動され、ディー
ゼルエンジン2の各気筒(この場合は4気筒)毎に設け
られた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃料噴射
を行う。
【0020】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
又、そのドライブシャフト5の途中には、ベーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。更に、ドライブシャ
フト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられてい
る。このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2
の気筒数と同数の、即ちこの場合4個の切歯が当角度間
隔で形成され、更に各切歯の間にはクランプアングルに
して3.75度毎に突起が当角度間隔で形成されている。そ
して、ドライブシャフト5の基端部は図示しないカップ
リングを介してカムプレート8に接続されている。
【0021】パルサ7とカムプレート8との間には、ロ
ーラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿
ってカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数
のカムローラ10が取付けられている。カムフェイス8
aはディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ(本実施
例では4個)設けられている。又、カムプレート8はス
プリング11によって常にカムローラ10に付勢係合さ
れている。
【0022】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取付けられ、それらカムプ
レート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の回
転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5の
回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝達さ
れることにより、カムプレート8が回転しながらカムロ
ーラ10に係合して、気筒数と同数だけ図中左右方向へ
往復駆動される。又、この往復運動に伴ってプランジャ
12が回転しながら同方向へ往復駆動される。つまり、
カムプレート8のカムフェイス8aがローラリング9の
カムローラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往
動(リフト)され、その逆にカムフェイス8aがカムロ
ーラ10を乗り下げる過程でプランジャ12が復動され
る。
【0023】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15
となっている。又、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分
配ポート17が形成されている。又、それら吸入溝16
及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング13
には分配通路18及び吸入ポート19が形成されてい
る。
【0024】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。又、プランジャ12が復動
されて高圧室15が減圧される吸入工程中に、吸入溝1
6の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料
室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、プ
ランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮
工程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル
4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0025】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピ
ル通路22が形成されている。このスピル通路22の途
中には、高圧室15からの燃料スピルを調整する溢流調
整弁としての電磁スピル弁23が設けられている。この
電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が無
通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室1
5内の燃料が燃料室12へスピルされる。又、コイル2
4が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖さ
れて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止め
られる。
【0026】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調量が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮工程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われない。又、プランジャ12の往動中に、電磁スピル
弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料
噴射ノズル4からの燃料噴射量が制御される。
【0027】ポンプハウシング13の下側には、燃料噴
射時期を調整するためのタイマ装置(この図では90度
展開されている)26が設けられている。このタイマ装
置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロー
ラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス
8aがカムローラ10に係合する時期、即ちカムプレー
ト8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更するため
のものである。
【0028】このタイマ装置26は油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌挿されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハジング27内一側の低圧室29にてタイマピストン
28を他側の加圧室30へ押圧付勢するタイマスプリン
グ31等とから構成されている。そして、タイマピスト
ン28はスライドピン32を介してローラリング9に接
続されている。
【0029】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置が決定される。又、タイマピストン
28の位置が決定されることにより、ローラリング9の
位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ1
2の往復動タイミングが決定される。
【0030】タイマ装置26の燃料圧力、即ち制御油圧
を調整するために、タイマ装置26にはタイミングコン
トロールバルブ33が設けられている。即ち、タイマハ
ウジング27の加圧室30と低圧室29とは連通路34
によって連通されており、同連通路34の途中にタイミ
ングコントロールバルブ33が設けられている。このタ
イミングコントロールバルブ33は、デューティ制御さ
れた通電信号によって開閉制御される電磁弁であり、同
タイミングコントロールバルブ33の開閉制御によって
加圧室30内の燃料圧力が調整される。そして、その燃
料圧力調整によって、プランジャ12のリフトタイミン
グが制御され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期
が調整される。
【0031】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなるエンジン回転検出手段としての回転
数センサ35がパルサ7の外周面に対向して取付けられ
ている。この回転数センサ35はパルサ7の突起等が横
切る際に、それらの通過を検出してエンジン回転数NE
に相当するタイミング信号、即ち所定のクランク角度毎
(本実施例の場合は3.75°CA毎)の回転角度信号とし
てのエンジン回転パルスを出力する。又、更に、この回
転数センサ35は、ローラリング9と一体であるため、
タイマ装置26の制御動作に関わりなく、プランジャリ
フトに対して一対のタイミングで基準となるタイミング
信号を出力する。
【0032】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。このディーゼルエンジン2ではシリンダ41、ピ
ストン42及びシリンダヘッド43によって各気筒毎に
対応する主燃焼室44がそれぞれ形成されている。又、
それら各主燃焼室44が、同じく各気筒毎に対応して設
けられた副燃焼室45に連設されている。そして、各副
燃焼室45に各燃料噴射ノズル4から噴射される燃料が
供給される。又、各副燃焼室45には、始動補助装置と
しての周知のグロープラグ46がそれぞれ取付けられて
いる。
【0033】ディーゼルエンジン2には、吸気管47及
び排気管50がそれぞれ設けられ、その吸気管47には
過給機を構成するターボチャージャ48のコップレッサ
49が設けられ、排気管50にはターボチャージャ48
のタービン51が設けられている。又、排気管50に
は、過給圧力PiMを調節するウェイストゲートバルブ
52が設けられている。周知のようにこのターボチャー
ジャ48は、排気ガスのエネルギーを利用してタービン
51を回転させ、その同軸上にあるコンプレッサ49を
回転させて吸入空気を昇圧させる。これによって、密度
の高い混合気を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量に
燃焼させ、ディーゼルエンジン2の出力を増大させるよ
うになっている。
【0034】又、ディーゼルエンジン2には、排気管5
0内の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還流
させる還流管54が設けられている。そして、その還流
管54の途中には排気の還流量を調節するエキゾースト
ガスリサキュレイションバルブ(EGRバルブ)55が
設けられている。このEGRバルブ55はバキュームス
イッチングバルブ(VSV)56の制御によって開閉制
御される。
【0035】更に、吸気管47の途中には、アクセルペ
ダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバル
ブ58が設けられている。又、そのスロットルバルブ5
8に平行してバイパス路59が設けられ、同バイパス路
59にはバイパス絞り弁60が設けられている。このバ
イパス絞り弁60は、二つのVSV61,62の制御に
よって駆動される二段のダイヤフラム室を有するアクチ
ュエータ63によって開閉制御される。このバイパス絞
り弁60は各種運転状態に応じて開閉制御されるもので
ある。例えば、アイドル運転時には騒音振動等の低減の
ために半開状態に制御され、通常運転時には全開状態に
制御され、更に運転停止時には円滑な停止のために全閉
状態に制御される。
【0036】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及び各VSV56,61,62はスピル位置演算手
段、余り角度演算手段、余り角度時間換算手段、パルス
時間記憶手段、スピル弁制御手段を構成する電子制御装
置(以下単に「ECU」という)71にそれぞれ電気的
に接続され、同ECU71によってそれらの駆動タイミ
ングが制御される。
【0037】運転状態を検出するセンサとしては、回転
数センサ35に加えて以下の各種センサが設けられてい
る。即ち、吸気管47にはエアクリーナ64の近傍にお
ける吸気温度THAを検出する吸気温センサ72が設け
られている。又、スロットルバルブ58の開閉位置か
ら、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開
度ACCPを検出するアクセル開度センサ73が設けら
れている。吸入ポート53の近傍には、ターボチャージ
ャ48によって過給された後の吸入空気圧力、即ち過給
圧力PiMを検出する吸気圧センサ74が設けられてい
る。更に、ディーゼルエンジン2の冷却水温THWを検
出する水温センサ75が設けられている。又、ティーゼ
ルエンジン2のクランク軸40の回転基準位置、例えば
特定気筒の上死点に対するクランク軸40の回転位置を
検出するクランク角センサ76が設けられている。更に
又、図示しないトランスミッションには、そのギアの回
転によって回されるマグネット77aによりリードスイ
ッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車速)SPを
検出する車速センサ77が設けられている。
【0038】そして、ECU71には上述した各センサ
72〜77がそれぞれ接続されると共に回転数センサ3
5が接続されている。又、ECU71は各センサ35,
72〜77から出力される信号に基づいて、電磁スピル
弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロープ
ラグ46及びVSV56,61,62等を好適に制御す
る。
【0039】次に、前述したECU71の構成につい
て、図4のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84、所定のクロッ
ク信号を生成するクロック92等と、これら各部と入力
ポート85及び出力ポート86等とをバス87によって
接続した論理演算回路として構成されている。
【0040】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセル開度センサ73、吸気圧センサ74及
び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,9
1、マルチプレクサ93及びA/D変換機94を介して
接続されている。同じく、入力ポート85には、前述し
た回転数センサ35、クランク角センサ76及び車速セ
ンサ77が、波形整形回路95を介して接続されてい
る。そして、CPU81は入力ポート85を介して入力
される各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値
として読み込む。又、出力ポート86には各駆動回路9
6,97,98,99,100,101を介して電磁ス
ピル弁23、タイミングコントロールバルブ33、グロ
ープラグ46及びVSV56,61,62等が接続され
ている。
【0041】そして、CPU81は各センサ35,72
〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ33、グロープラグ
46及びVSV56,61,62等を好適に制御する。
【0042】次に、前述したECU71により実行され
る燃料噴射量制御動作について図5乃至図8を用いて説
明する。図5及び図6に示すフローチャートはECU7
1により実行される燃料噴射時間演算処理を示してい
る。尚、この燃料噴射時間演算処理は、回転数センサ3
5から入力されるエンジン回転数NEのエンジン回転パ
ルスの立ち上がりで割り込まれるNE割り込みルーチン
として実施される。
【0043】同図に示される燃料噴射時間演算処理が起
動すると、先ずステップ10(図ではステップをSと略
称する)において、回転数センサ35から出力されるエ
ンジン回転パルスに基づき求められるエンジン回転数N
E及びアクセル開度センサ73から求められるアクセル
開度Accp 等に基づき燃料噴射量SPVが求められる。
続くステップ12においては、ステップ10で求めら
れた燃料噴射量SPVに基づき燃料噴射を開始する噴射
開始位置ANGSPS(即ち電磁スピル弁23をオンす
る位置)と、燃料噴射を終了する噴射開終了位置ANG
SPE(即ち電磁スピル弁23をオフするスピル位置)
を演算する。この噴射開始位置ANGSPS及びスピル
位置ANGSPEの位置を図7に示す。尚、図7はエン
ジン回転パルスとスピル弁動作の一例を相関させて示し
た図である。
【0044】ステップ12において噴射開始位置ANG
SPS及びスピル位置ANGSPEが求められると、ス
テップ14ではこの各値に基づきスピル時パルス数CA
NGLa及び余り角θREMが算出される。
【0045】ここで、スピル時パルス数CANGLaと
は、図7に示されるように、基準位置からスピル位置A
NGSPEを含むエンジン回転パルス(本実施例では第
4パルスがこれに該当する。尚、以下のこのパルスをス
ピル時パルスという)の1パルス前までのパルス数をい
う。また、余り角θREMとは、スピル時パルスの立ち
上がり位置からスピル位置ANGSPEまでのクランク
アングルをいう。更に、本実施例において基準位置と
は、回転数センサ35から出力されるエンジン回転パル
スの内、パルサ7の回転に伴い切歯形成位置の次に形成
された突起(歯)により出力されるパルスの立ち上がり
位置をいうものとする(本実施例では第0パルスの立ち
上がり位置を基準位置としている)。
【0046】いま、基準位置からスピル位置ANGSP
Eまでのクランクアングル(以下、このクランクアング
ルをスピル開角度という)をANGSPVとすると、ス
ピル開角度ANGSPVは、上記のスピル時パルス数C
ANGLa, 余り角θREM,及びエンジン回転パルス
1パルス当たりのクランク角度(3.75°CA)を用いて
下式で示される。
【0047】 ANGSPV=3.75×CANGLa+θREM … 続くステップ16では、スピル時パルスより1パルス前
(前回)のパルス時間TNINT(n−1)を演算す
る。このパルス時間TNINT(n−1)は、今回のル
ーチン処理が起動したエンジン回転パルス(第4パル
ス)の1回前のエンジン回転パルス(第3パルス)のパ
ルス幅時間であるため、CPU81は第4パルスの立ち
上がり時刻T4Uから第3パルスの立ち上がり時刻T4U
減算処理することにより前回のパルス時間TNINT
(n−1)を演算する。
【0048】ステップ16で演算されたパルス時間TN
INT(n−1)は、ステップ18においてRAM83
に格納され記憶される。前記のように、本ルーチン処理
はエンジン回転パルスの発生毎に実行される。よって、
エンジン回転パルスの発生毎に、当該エンジン回転パル
スよりも1回前のパルス時間TNINT(n−1)は順
次RAM83内に記憶されてゆき、従って全てのエンジ
ン回転パルスに対するパルス時間TNINTがRAM8
3内に記憶される。
【0049】続くステップ20においては、基本余り角
度時間TθREM0を演算する。ここで、基本余り角度
時間TθREM0は、前記した余り角度θREMを時間
換算したものである。この基本余り角度時間TθREM
0は、スピル時パルスのパルス時間TNINT(n)
(以下、スピル時パルス時間という)が判っているもの
とすると下式で示すことができる。
【0050】 TθREM0={θREM×TNINT(n)}/3.75 … しかるに、実際のスピル時パルス時間TNINT(n)
は、スピル時パルスの次のエンジン回転パルス(第5パ
ルス)が発生した時点でなければ求めることはできな
い。また、燃料噴射の終了時であるスピル位置ANGS
PEは第5パルスの発生時以前に存在するため、基本余
り角度時間TθREM0の演算は第5パルスの発生時以
前に演算する必要がある。即ち、実際のスピル時パルス
時間TNINT(n)が判明する前に演算する必要があ
る。
【0051】従って、基本余り角度時間TθREM0の
演算処理において必要となるスピル時パルス時間TNI
NT(n)を何らかの方法で推定する必要がある。そこ
で、本実施例においては、スピル時パルス(第4パル
ス)よりも1回前のエンジン回転パルス(第3パルス)
のパルス時間TNINT(n−1)に基づき、基本余り
角度時間TθREM0を演算する構成としたことを第1
の特徴とする。本実施例における基本余り角度時間Tθ
REM0の演算式を下記する。
【0052】 TθREM0={θREM×TNINT(n−1)}/3.75 … ここで、実際のスピル時パルス時間TNINT(n)に
代えて、スピル時パルス(第4パルス)よりも1回前の
エンジン回転パルス(第3パルス)のパルス時間である
TNINT(n−1)を用いて基本余り角度時間TθR
EM0の演算することとした理由について説明する。
【0053】前記したエンジン回転変動は、あるエンジ
ン回転パルスから急激に生じるのではなく、エンジン状
態によって漸次生じるものである。これを図7を用いて
説明する。エンジン回転変動が生じると、エンジン回転
パルスのパルス時間TNINTにも変化を生じる。前記
したように、スピル時パルスは略下死点(BDC)位置
近傍で発生するため、スピル位置近傍においてはエンジ
ン回転パルスのパルス時間TNINTは長くなる。この
ため、同図に示されるように第0パルスのパルス時間T
NINT(n−4)に対してスピル時パルス時間TNI
NT(n)は長くなっており、その時間変化はスピル時
パルスに向け漸次増大している。
【0054】従って、仮にスピル時パルスから離れた第
0パルスのパルス時間TNINT(n−4)に基づいて
基本余り角度時間TθREM0を演算した場合、第0パ
ルスのパルス時間TNINT(n−4)とスピル時パル
ス時間TNINT(n)とは大きく異なった時間となっ
ているため、パルス時間TNINT(n−4)に基づい
て演算される基本余り角度時間TθREM0は実際の値
と異なりその精度は低下してしまう。
【0055】これに対して、スピル時パルス(第4パル
ス)の直前の第3パルスのパルス時間TNINT(n−
1)は、スピル時パルス時間TNINT(n)と近似し
た時間となっている。このため、スピル時パルスの直前
のエンジン回転パルスのパルス時間TNINT(n−
1)を用いて基本余り角度時間TθREM0の演算する
ことにより、エンジン回転変動の影響が基本余り角度時
間TθREM0に反映されることを防止することがで
き、基本余り角度時間TθREM0を高精度に求めるこ
とができ、延いては料噴射量制御の精度を向上させるこ
とが可能となる。
【0056】上記の如くステップ20において基本余り
角度時間TθREM0が演算されると、処理は図6のス
テップ22に進む。
【0057】ステップ22においては、ステップ18の
処理によりRAM83に順次記憶されたパルス時間TN
INTの内、今回のスピル時パルスに対して720°C
A前におけるパルス時間TNINT(n−192)を読み出
す。
【0058】前記したように、本実施例に係るディーゼ
ルエンジン2は4気筒4サイクルエンジンであり、クラ
ンク軸40が720°CA回転することにより吸気,圧
縮,爆発,排気の各工程を行う構成とされている。従っ
て、今回のスピル時パルスに対して720°CA前にお
けるパルス時間TNINT(n−192)は、図8に示され
るように同一気筒における前回のスピル時パルスのスピ
ル時パルス時間(以下、前回スピル時パルス時間とい
う)である。
【0059】ステップ22で前回スピル時パルス時間T
NINT(n−192)が求められると、処理はステップ2
4に進み、この前回スピル時パルス時間TNINT(n
−192)に基づき同一気筒補正量ΔTθSPVX0を演算
する。ここで、同一気筒補正量ΔTθSPVX0とは、
各気筒固有の機器誤差に起因して発生するエンジン回転
変動を余り角度時間TθREMに反映させるための補正
値である。
【0060】具体的な同一気筒補正量ΔTθSPVX0
の演算方法は、予めROM82内に計算により求められ
た機器誤差のない状態のスピル時パルス時間(真のスピ
ル時パルス時間という)TNINT0をエンジン回転数
NEとの2元マップとして格納しておき、現在における
ディーゼルエンジン2のエンジン回転数NEを回転数セ
ンサ35の出力より求め、真のスピル時パルス時間TN
INT0を先ず求める。そして、求められた真のスピル
時パルス時間TNINT0に基づき、下式により同一気
筒補正量ΔTθSPVX0を演算する。
【0061】 ΔTθSPVX0=TNINT(n−192)−TNINT0 … このようにして求められた同一気筒補正量ΔTθSPV
X0は、後述するステップ30の処理においてステップ
20で演算された基本余り角度時間TθREM0に反映
される。
【0062】周知のように、複数気筒を有するエンジン
においては、各気筒毎に機器誤差を有しており、これに
よりエンジン回転変動も影響を受ける。よって、同一気
筒かつ同一工程におけるパルス時間(TNINT(n−
192)とTNINT(n−1))に基づき基本余り角度時
間TθREM0に補正を加えることにより、上記各気筒
毎の機器誤差を相殺することができる。
【0063】従って、同一気筒補正量ΔTθSPVX0
を基本余り角度時間TθREM0に反映させることによ
り、基本余り角度時間TθREM0の各気筒毎の気筒間
バラツキを無くすることができ、基本余り角度時間Tθ
REM0の精度を向上でき、延いては燃料噴射量制御の
精度を向上させることができる。
【0064】続くステップ26においては、ステップ1
8の処理によりRAM83に順次記憶されたパルス時間
TNINTの内、今回のスピル時パルスに対して180
°CA前におけるパルス時間TNINT(n−48)を読
み出す。
【0065】周知のように、エンジンの回転はエンジン
サイクルに伴い変動し、爆発工程において最も高速とな
り、他の工程においては低下する傾向がある。従って、
基本余り角度時間TθREM0を求めるに際し、エンジ
ン回転変動の少ない領域におけるエンジン回転パルスの
パルス時間TNINTをもとめ、これに基づき基本余り
角度時間TθREM0の演算を行うことにより、エンジ
ン回転変動の基本余り角度時間TθREM0への影響を
排除することができる。
【0066】そこで実際のエンジン回転変動(実エンジ
ン回転変動)に注目すると、図8に示す如く、スピル時
パルスの発生位置は略下死点(BDC)位置近傍であ
り、これよりもクランクアングルにして180度前は下
死点(BDC)と上死点(TDC)との中間位置であり
エンジン回転変動の少ない領域となっている。
【0067】従って、今回のスピル時パルスよりも18
0°CA前におけるエンジン回転パルスのパルス時間T
NINT(n−48)に基づき基本余り角度時間TθRE
M0を求めることにより、基本余り角度時間TθREM
0の安定化を図ることができ、延いては燃料噴射量制御
の精度を向上させることができる。
【0068】よって本実施例においては、180°CA
前におけるエンジン回転パルスのパルス時間TNINT
(n−48)に基づき平滑化補正量ΔTθSPVX1を演
算し、これをステップ30において基本余り角度時間T
θREM0に反映させることにより基本余り角度時間T
θREM0の安定化を図る構成としている。この平滑化
補正量ΔTθSPVX1は、前記した真のスピル時パル
ス時間TNINT0を用いて下式により求められる。
【0069】 ΔTθSPVX1=TNINT(n−48)−TNINT0 … このようにして求められた平滑化補正量ΔTθSPVX
1、及び前記したステップ24で求められた同一気筒補
正量ΔTθSPVX0は、ステップ30において先に説
明したステップ20で演算された基本余り角度時間Tθ
REM0に反映され、余り角度時間TθREMが演算さ
れる。余り角度時間TθREMは下式により求めること
ができる。
【0070】 TθREM=TθREM0+k0 ×ΔTθSPVX0 +k1 ×ΔTθSPVX1 ………………… 但し、k0,k1 は、同一気筒補正量ΔTθSPVX0及
び平滑化補正量ΔTθSPVX1を基本余り角度時間T
θREM0に反映させるための定数である。
【0071】このステップ30で求められる余り角度時
間TθREMは、同一気筒補正が行われることにより気
筒間バラツキが抑制され、かつ平滑化補正が行われるこ
とによりエンジン回転変動の影響が排除された、実際の
余り角度時間に極めて近い値となっている。
【0072】続くステップ32においては、ステップ3
0で求められた余り角度時間TθREMに基づき燃料噴
射時間TSPVが演算される。ここで、燃料噴射時間T
SPVとは、基準位置よりスピル位置ANGSPEまで
の時間をいう(図7参照)。いま、ステップ14で求め
られるスピル時パルス数CANGLaを時間換算した値
をTCANGLaとすると、燃料噴射時間TSPVは下
式で示される。
【0073】 TSPV=TCANGLa+TθREM … 但し、TCANGLa=TNINT(n−4)+TNI
NT(n−3)+TNINT(n−2)+TNINT
(n−1) 上記の如く燃料噴射時間TSPVを求めることにより、
燃料噴射時間演算処理は終了する。上記の一連の処理に
より求められた燃料噴射時間TSPVに基づき、CPU
81は電磁スピル弁23の駆動制御を行う。具体的に
は、CPU81は接続されたクロック92を用いて基準
位置よりの経過時間を計測し、基準位置から噴射開始位
置ANGSPSに到るまでの時間TANGSPSが経過
した時点で電磁スピル弁23をオンし燃料噴射を開始さ
せ、ステップ32で求められた燃料噴射時間TSPVが
経過した時点で電磁スピル弁23をオフし燃料噴射を終
了する。
【0074】この際、前記したように余り角度時間Tθ
REMは実際の余り角度時間に極めて近い値となってお
り、従ってこの余り角度時間TθREMに基づいて演算
された燃料噴射時間TSPVは極めて精度の高いもので
あり、燃料噴射量の制御を精度よく行うことができる。
【0075】また、例えば本実施例で採用したいわゆる
フェイスカム型の燃料噴射ポンプ1に代えて、燃料をよ
り高い圧力で加圧できるインナーカム型の燃料噴射ポン
プを採用した場合、燃料圧力が上昇することにより電磁
スピル弁23のオン・オフ制御をより精度よく行う必要
が生じる。
【0076】即ち、燃料圧力が上昇することにより燃料
噴射ノズル4から噴射される単位時間当たりの噴射量は
増大するため、電磁スピル弁23のオン・オフのタイミ
ングが所定のタイミングより若干ずれただけで、噴射さ
れる燃料量は演算された既定の噴射量から大きく相違し
てしまう。この場合、最適エンジン制御は不可能とな
り、エミッションの悪化及び大きなエンジン回転変動等
が生じてしまう。
【0077】これに対し、本願構成の燃料噴射量制御装
置は、燃料噴射時間TSPVを極めて精度良く設定で
き、従って電磁スピル弁23のオン・オフのタイミング
を高精度に設定することができる。よって、本願構成の
燃料噴射量制御装置を採用することにより、上記のよう
に供給する燃料圧力が高い燃料噴射ポンプを採用しても
燃料噴射量制御を確実に行うことができる。
【0078】尚、上記した実施例においては、余り角度
θREMを時間変換して余り角度時間TθREMを求
め、これに基づき電磁スピル弁23のオフのタイミング
(即ちスピル位置)を高精度に設定する構成としたが、
この処理を噴射開始位置ANGSPSにおいても適用し
電磁スピル弁23のオンのタイミングをより高精度に設
定する構成としてもよい。この構成とすることにより、
電磁スピル弁23のオン・オフのタイミングを共に高精
度に設定することが可能となり、特に上記のように燃料
圧力が高い燃料噴射ポンプにおいて精度の高い燃料噴射
量制御が可能となる。
【0079】
【0080】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、余り角度時
間の演算精度が向上することにより燃料噴射時間を正確
に設定することが可能となり、よって燃料噴射量制御の
精度を向上させることができる等の特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例である過給付ディーゼルエン
ジンの燃料噴射量制御装置を説明する概略構成図であ
る。
【図3】本発明の一実施例における燃料噴射ポンプを拡
大して示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるECUの構成を示す
ブロック図である。
【図5】ECUにより実行される燃料噴射時間演算処理
を示すフローチャートである。
【図6】ECUにより実行される燃料噴射時間演算処理
を示すフローチャートである。
【図7】スピル時パルス時間及び燃料噴射時間の求め方
を説明するための図である。
【図8】同一気筒補正量及び平滑化補正量の求め方を説
明するための図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 2 ディーゼルエンジン 4 燃料噴射ノズル 6 燃料フィードポンプ 7 パルサ 8 カムプレート 9 ローラリング 10 カムローラ 12 燃料加圧用プランジャ 21 燃焼室 22 スピル通路 23 電磁スピル弁 26 タイマ装置 35 回転数センサ 40 クランク軸 41 シリンダ 42 ピストン 48 ターボチャージャ 57 アクセルペダル 58 スロットルバルブ 71 ECU 73 アクセル開度センサ 76 クランク角センサ 81 CPU 82 ROM 83 RAM SPV :燃料噴射量 ANGSPS :噴射開始位置 ANGSPE :噴射終了位置(スピル位置) CANGLa :スピル時バルス数 TCANGLa :CANGLaを時間換算した値 θREM :余り角度 TθREM :余り角度時間 ΔTθSPVX0:同一気筒補正量 ΔTθSPVX1:平滑化補正量 TSPV :燃料噴射時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−223248(JP,A) 特開 平4−86352(JP,A) 特開 平5−288110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 F02D 41/04 F02D 41/38 - 41/40 F02D 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの発生する駆動力に
    より燃料を加圧し、該加圧された燃料をスピル弁で燃料
    噴射量を制御しつつディーゼルエンジンに圧送する燃料
    噴射ポンプと、 該ディーゼルエンジンの運転状態に応じ決定される燃料
    噴射量に基づき、少なくとも燃料噴射終了時期に相当す
    る該スピル弁の開弁時期を演算するスピル位置演算手段
    と、 該ディーゼルエンジンの一定クランク角毎にエンジン回
    転パルスを出力するエンジン回転検出手段と、 一定のクランク角毎に該エンジン回転検出手段から出力
    されるエンジン回転パルスに基づき、該エンジン回転パ
    ルスの基準位置からスピル位置までのカウント数と、そ
    の1パルス分に満たない余り角度を演算する余り角度演
    算手段と、 該エンジン回転パルスの1パルス分のパルス時間を演算
    するパルス時間演算手段と、 該パルス時間演算手段により演算される該スピル位置を
    挟むエンジン回転パルスのパルス時間に基づき、該余り
    角度演算手段により演算される余り角度を時間換算し余
    り角度時間を演算する余り角度時間換算手段と、 該パルス時間演算手段により演算されるパルス時間を記
    憶するパルス時間記憶手段と、 該余り角度演算手段により演算される基準位置からスピ
    ル位置までのカウント数と、該余り角度時間換算手段に
    より演算される余り角度時間とに基づき決定される時刻
    タイミングにより該スピル弁を駆動制御するスピル弁制
    御手段とを具備しており、該余り角度時間換算手段は、 該パルス時間記憶手段に記憶されている今回求めるスピ
    ル位置を含むエンジン回転パルスよりも少なくとも一つ
    前のエンジン回転パルスのパルス時間に基づき該余り角
    度時間を演算すると共に、 該パルス時間記憶手段に記憶されている今回求めるスピ
    ル位置を含むエンジン回転パルスよりもクランクアング
    ルにして720度前におけるエンジン回転パル スのパル
    ス時間に基づき、気筒固有の機器誤差に起因して発生す
    るエンジン回転変動を補正する補正値である同一気筒補
    正量を演算し、 該余り角度時間を該同一気筒補正量により補正する構成
    としたことを特徴とする ディーゼルエンジンの燃料噴射
    量制御装置。
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