JP3152685B2 - ウェハダイシング方法および該方法に用いる放射線照射装置 - Google Patents

ウェハダイシング方法および該方法に用いる放射線照射装置

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JP3152685B2 JP19237891A JP19237891A JP3152685B2 JP 3152685 B2 JP3152685 B2 JP 3152685B2 JP 19237891 A JP19237891 A JP 19237891A JP 19237891 A JP19237891 A JP 19237891A JP 3152685 B2 JP3152685 B2 JP 3152685B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はウェハダイシング方法およ
び該方法に用いる放射線照射装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】シリコン、ガリウムヒ素などの半
導体ウェハは大径の状態で製造され、このウェハは素子
小片に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であ
るマウント工程に移されている。この際、半導体ウェハ
は予じめ粘着シートに貼着された状態でダイシング、洗
浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップ、マウン
ティングの各工程が加えられている。
【0003】このような半導体ウェハのダイシング工程
からピックアップ工程に至る工程で用いられる粘着シー
トとしては、ダイシング工程から乾燥工程まではウェハ
チップに対して充分な接着力を有しており、ピックアッ
プ時にはウェハチップに粘着剤が付着しない程度の接着
力を有しているものが望まれている。
【0004】このような粘着シートとしては、特開昭6
0−196,956号公報および特開昭60−223,
139号公報に、基材面に、光照射によって三次元網状
化しうる、分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少な
くとも2個以上有する低分子量化合物からなる粘着剤を
塗布した粘着シートが提案されている。これらの提案
は、放射線透過性の基材上に放射線硬化性粘着剤を塗布
した粘着テープであって、その粘着剤中に含まれる放射
線硬化性化合物を放射線照射によって硬化させ粘着剤に
三次元網状化構造を与えて、その流動性を著しく低下さ
せる原理に基づくものである。
【0005】上記に例示されたような従来の粘着シート
は、特にエキスパンディング工程において次のような問
題点がある。エキスパンディング工程は、ダイシングさ
れた素子小片(チップ)の間隔を広げ、チップのピック
アップを容易にする工程である。従来のウェハ貼着用粘
着シートを用いると、ウェハが貼着された部分の伸び率
(拡張率)と、ウェハが貼着されていない部分の拡張率
との間に差があるため、所望のチップ間隔を得るのが困
難であった。すなわち、ウェハが貼着された部分の拡張
率は、ウェハが貼着されていない部分の拡張率に比べて
小さいため、エキスパンディング工程において、ウェハ
が貼着されていない部分が優先的に伸長されてしまい、
ウェハが貼着された部分があまり伸びず、充分なチップ
間隔を得るためには、過剰にエキスパンドすることが必
要であった。また上記のような問題点があるため、用い
られる基材についても限定される場合があった。
【0006】このような問題点を解決するために、たと
えば特開平2−265,258号公報には、ウェハが貼
着される基材表面部分にのみ粘着剤を塗布し、かつ該部
分にのみ紫外線照射を行なえるダイシング装置が開示さ
れている。しかしながらこの方法では工程数が多く、ま
たその効果も充分であるとはいえなかった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、ウェハが貼着された部分の拡
張率とウェハが貼着されていない部分の拡張率との差に
起因するエキスパンディング工程における上記問題点を
解決することを目的としている。また本発明は、上記問
題点を解決することにより、基材の材料マージンを広げ
ることを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るウェハダイシング方法は、
基材と、放射線が照射されると粘着力が低下する粘着剤
層とを備えたウェハ貼着用粘着シートの粘着剤層上に貼
着されたウェハを切断して素子小片に分離し、粘着剤層
に放射線を照射して該粘着剤層の粘着力を低下させ、素
子小片のピックアップを行なうウェハダイシング方法に
おいて、粘着剤層に放射線を照射するにあたり、粘着剤
層のうちウェハが貼着されている部分に照射される放射
線量を、ウェハが貼着されていない部分に照射される放
射線量の90%以下にすることを特徴としている。
【0009】また、本発明に係る放射線照射装置は、上
記ウェハダイシング方法に用いられるものであって、該
装置の放射線発生部と、ウェハ貼着用粘着シートの基材
との間に、ウェハ貼着用粘着シートに貼着されるウェハ
と略同一の形状を有する放射線減衰部を備えたフィルタ
ーが設けられてなることを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】以下本発明に係るウェハダイシン
グ方法ならびにこのダイシング方法に用いられる放射線
照射装置についてさらに具体的に説明する。
【0011】本発明で用いられるウェハ貼着用粘着シー
ト1は、その断面図が図1に示されるように、基材2
と、粘着剤層3とから構成されている。使用前にはこの
粘着剤層3を保護するため、図2に示すように粘着剤層
3の上面に剥離性シート4を仮粘着しておくことが好ま
しい。
【0012】本発明で用いられる粘着シートの形状は、
テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとりうる。以
下、本発明で用いられる基材2および粘着剤層3につい
て順次説明する。
【0013】基材2としては、放射線透過性を有する基
材が用いられる。このような基材としては、従来より種
々のものが知られている。たとえば放射線として、紫外
線を使用する場合には、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、塩化ビ
ニル、塩化ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリアミドなどの樹脂製基材、さらにはこれ
ら樹脂製基材表面にシリコーン樹脂等を塗布して剥離処
理した基材等をあげることができる。また、放射線とし
て電子線を使用する場合には、フッ素樹脂や着色不透明
フィルム等が用いられる。さらに本発明の目的から基材
としては、102〜104Kg/cm2程度のヤング率を有する
基材を用いることが好ましい。
【0014】基材2としては上記のような樹脂製フィル
ムを1種単独で用いてもよく、また2種以上を積層して
なる積層フィルムを用いてもよい。上記のような基材の
厚さは、通常10〜300μmであり、好ましくは50
〜150μmである。
【0015】本発明の粘着シートでは、後述するよう
に、その使用に当たり、電子線(EB)や紫外線(U
V)などの放射線照射が行なわれるが、EB照射の場合
には、該基材2は透明である必要はないが、UV照射を
して用いる場合には、透明である必要がある。
【0016】粘着剤層3を構成する粘着剤としては従来
公知のものが広く用いられうるが、アクリル系粘着剤が
好ましく、具体的には、アクリル酸エステルを主たる構
成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ば
れたアクリル系重合体その他の官能性単量体との共重合
体およびこれら重合体の混合物が用いられる。
【0017】さらに後述するオリゴマーとの相溶性を高
めるため、アクリル酸あるいはメタクリル酸、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させても
よい。これらのモノマーを重合して得られるアクリル系
重合体の分子量は、2.0×105〜10.0×105
あり、好ましくは、4.0×105〜8.0×105であ
る。
【0018】上記のような粘着剤層中に放射線重合性化
合物を含ませることによって、ウェハを切断分離した
後、該粘着剤層に放射線を照射することによって、粘着
力を低下させることができる。このような放射線重合性
化合物としては、たとえば特開昭60−196,956
号公報および特開昭60−223,139号公報に開示
されているような光照射によって三次元網状化しうる分
子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以
上有する低分子量化合物が広く用いられる。
【0019】さらに放射線重合性化合物として、上記の
ようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリ
レート系オリゴマーを用いることもできる。このような
ウレタンアクリレート系オリゴマーとして、特に分子量
が3000〜30000、好ましくは3000〜100
00、さらに好ましくは4000〜8000であるもの
を用いると、粘着シートとして極めて優れたものが得ら
れる。すなわち粘着シートの放射線照射前の接着力は充
分に大きく、また放射線照射後には接着力が充分に低下
してウェハチップのピックアップ時にチップ表面に粘着
剤が残存することはない。
【0020】本発明における粘着剤中のアクリル系粘着
剤とウレタンアクリレート系オリゴマーの配合比は、ア
クリル系粘着剤100重量部に対してウレタンアクリレ
ート系オリゴマーは50〜900重量部の範囲の量で用
いられることが好ましい。この場合には、得られる粘着
シートは初期の接着力が大きく、しかも放射線照射後に
は粘着力は大きく低下し、容易にウェハチップを該粘着
シートからピックアップすることができる。
【0021】また必要に応じては、粘着剤層3中に、上
記のような粘着剤と放射線重合性化合物とに加えて、放
射線照射により着色する化合物を含有させることもでき
る。このような放射線照射により、着色する化合物を粘
着剤3に含ませることによって、粘着シートに放射線が
照射された後には該シートは着色され、したがって光セ
ンサーによってウェハチップを検出する際に検出精度が
高まり、ウェハチップのピックアップ時に誤動作が生ず
ることがない。また粘着シートに放射線が照射されたか
否かが目視により直ちに判明するという効果が得られ
る。
【0022】放射線照射により着色する化合物は、放射
線の照射前には無色または淡色であるが、放射線の照射
により有色となる化合物であって、この化合物の好まし
い具体例としてはロイコ染料が挙げられる。
【0023】また場合によっては、粘着剤層3中に上記
のような粘着剤と放射線重合性化合物とに加えて、シリ
カ粉末、アルミナ粉末、シリカアルミナ粉末、マイカ粉
末などの光散乱性無機化合物粉末を含有させることもで
きる。このような光散乱性無機化合物粉末を粘着剤層3
に含ませることによって、たとえ半導体ウェハなどの被
着物表面が何らかの理由によって灰色化あるいは黒色化
しても、該粘着シートに紫外線などの放射線を照射する
と、灰色化あるいは黒色化した部分でもその接着力が充
分に低下し、したがってウェハチップのピックアップ時
にウェハチップ表面に粘着剤が付着してしまうことがな
く、しかも放射線の照射前には充分な接着力を有してい
るという効果が得られる。
【0024】さらに本発明では、基材中に砥粒が分散さ
れていてもよい。この砥粒は、粒径が0.5〜100μ
m、好ましくは1〜50μmであって、モース硬度は6
〜10、好ましくは7〜10である。具体的には、グリ
ーンカーボランダム、人造コランダム、オプティカルエ
メリー、ホワイトアランダム、炭化ホウ素、酸化クロム
(III)、酸化セリウム、ダイヤモンドパウダーなどが用
いられる。このような砥粒は無色あるいは白色であるこ
とが好ましい。このような砥粒は、基材2中に0.5〜
70重量%、好ましくは5〜50重量%の量で存在して
いる。このような砥粒は、切断ブレードをウェハのみな
らず基材2にまでも切り込むような深さで用いる場合
に、特に好ましく用いられる。
【0025】上記のような砥粒を基材中に含ませること
によって、切断ブレードが基材中に切り込んできて、切
断ブレードに粘着剤が付着しても砥粒の研磨効果によ
り、目づまりを簡単に除去することができる。
【0026】また上記の粘着剤中に、イソシアナート系
硬化剤を混合することにより、初期の接着力を任意の値
に設定することができる。このような硬化剤としては、
具体的には多価イソシアネート化合物、たとえば2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、
1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−
2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシア
ネートなどが用いられる。
【0027】さらに上記の粘着剤中に、UV照射用の場
合には、UV開始剤を混入することにより、UV照射に
よる重合硬化時間ならびにUV照射量を少なくなること
ができる。
【0028】このようなUV開始剤としては、具体的に
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラ
ムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
ベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンな
どが挙げられる。
【0029】本発明で用いられるウェハ貼着用粘着シー
トには、その使用前には前記粘着剤層3を保護するた
め、図2に示すように粘着剤層3の上面に剥離性シート
4を仮粘着しておくことが好ましい。この剥離性シート
4としては、従来公知のものが特に限定されることなく
用いられる。
【0030】本発明に係るウェハダイシング方法では上
記のようなウェハ貼着用粘着シートを用いてウェハのダ
イシングを行なう。粘着シート1の上面に剥離性シート
4が設けられている場合には、該シート4を除去し、次
いで粘着シート1の粘着剤層3を上向きにして載置し、
図3に示すようにして、この粘着剤層3の上面にダイシ
ング加工すべき半導体ウェハAを貼着する。この貼着状
態でウェハAにダイシング、洗浄、乾燥の諸工程が加え
られる。この際、粘着剤層3によりウェハチップは粘着
シートに充分に接着保持されているので、上記各工程の
間にウェハチップが脱落することはない。
【0031】次に、各ウェハチップを粘着シートからピ
ックアップして所定の基台上にマウンティングするが、
この際、ピックアップに先立ってあるいはピックアップ
時に、第5図に示すように、紫外線(UV)あるいは電
子線(EB)などの放射線Bを粘着シート1の粘着剤層
3に照射し、粘着剤層3中に含まれる放射線重合性化合
物を重合硬化せしめる。
【0032】粘着シート1への放射線照射は、基材2の
粘着剤層3が設けられていない面から行なう。したがっ
て前述のように、放射線としてUVを用いる場合には基
材2は光透過性であることが必要であるが、放射線とし
てEBを用いる場合には基材2は必ずしも光透過性であ
る必要はない。
【0033】放射線を照射する際には、ウェハが貼着さ
れている部分の粘着剤層(以下、ウェハ貼着部と呼ぶこ
とがある。)には、ウェハが貼着されていない部分の粘
着剤層(以下、ウェハ非貼着部と呼ぶことがある。)に
照射される放射線量に比べて比較的少量の放射線を照射
する。ウェハ貼着部に照射される放射線量は、ウェハ非
貼着部に照射される放射線量の1〜90%であり、好ま
しくは5〜60%であり、特に好ましくは5〜30%で
ある。
【0034】このように粘着剤層3に放射線を照射して
放射線重合性化合物を重合硬化せしめると、ウェハ貼着
部の粘着力は、ウェハのピックアップが行なえる程度に
低下するが、拡張率はあまり低下しない。一方、ウェハ
非貼着部には多量の放射線が照射されるので、硬化が充
分に進行して拡張率が大幅に低下する。この結果、エキ
スパンディング工程において、ウェハが貼着されていな
い部分のみが優先的に伸長されることがなくなり、ウェ
ハが貼着されている部分も伸長されるので、所望のチッ
プ間隔を得ることが容易になる。
【0035】上記のように、ウェハ貼着部に照射される
放射線量とウェハ非貼着部に照射される放射線量とを制
御するには、本発明に係るに放射線照射装置(図5参
照)が用いられる。放射線の照射は脱酸素装置を備えた
密閉容器中で行なわれる。この密閉容器の上部または下
部には放射線透過性5の窓が設けられており、この窓5
を通して紫外線が照射される。放射線照射は、充分に酸
素を排気した後、不活性雰囲気中で行なわれる。放射線
発生部7とウェハ貼着用粘着シートの基材との間に、ウ
ェハ貼着用粘着シートに貼着されるウェハと略同一の形
状を有する放射線減衰部6aを備えたフィルター6が設
けられている。そしてこのフィルター6は、その放射線
減衰部6aとウェハAとが対向するように設置される。
このようなフィルター6を介して放射線を照射すること
により、ウェハ貼着部には比較的少量の放射線が照射さ
れるようになり、ウェハ非貼着部には比較的多量の放射
線が照射されるようになる。
【0036】放射線減衰部6aは、放射線を反射また吸
収して、透過する放射線量を減衰する機能を有する化合
物(以下、放射線減衰性化合物と呼ぶこともある。)を
含有してなる。このような放射線減衰性化合物として
は、特に限定されることなく種々のものを用いることが
できる。本発明において、特に好ましく用いられる放射
線減衰性化合物としては、ベンゾフェノン系化合物、ベ
ンゾトリアゾール系化合物、サルチレート系化合物、シ
アノアクリレート系化合物などの紫外線吸収性化合物;
アゾ顔料、フタロシアニン系顔料およびアントラキノ
ン、ペリレンに代表される縮合多環系顔料などの有機顔
料;または鉛、水酸化鉛、バリウム、水酸化バリウム、
ステアリン酸バリウムなどの電子線遮蔽効果を有する化
合物等をあげることができる。これらは1種単独で、ま
たは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0037】放射線減衰部6aの厚さは、該放射線減衰
層に含まれる放射線減衰性化合物に依存し、いちがいに
はいえないが、一般的には0.5〜20μm、好ましく
は1〜8μm程度である。
【0038】このような放射線減衰部6aの放射線透過
率は、1〜90%であり、好ましくは5〜60%であ
り、特に好ましくは5〜30%である。上記のようなフ
ィルターを介してウェハ貼着用粘着シートの基材側から
放射線を照射すると、粘着剤層3のうちウェハ貼着部に
照射される放射線量が減衰し、ウェハ非貼着部には多量
の放射線が照射される。この結果、ウェハ非貼着部の粘
着剤層は充分に硬化が進行し、エキスパンディング工程
における拡張率が低くなる。またウェハ貼着部の粘着剤
層は充分に硬化が進行しないので、エキスパンディング
工程における拡張率はあまり低下しない。ウェハ貼着部
の粘着剤層は充分に硬化が進行しないものの、ウェハの
ピックアップを行なうには充分に粘着力は低下してい
る。
【0039】ウェハ非貼着部の粘着剤層の拡張率が低く
なり、ウェハ貼着部の粘着剤層における拡張率があまり
低下しないので、エキスパンディングを行なっても、ウ
ェハ非貼着部の粘着剤層のみが優先的に伸長されること
がなくなり、所望のチップ間隔を得ることが容易にな
る。
【0040】エキスパンディング工程の後、図7に示す
ように、ここで常法に従って基材2の下面から突き上げ
針扞6によりピックアップすべきチップA1、A2……A
5を突き上げ、このチップA1……をたとえば吸引コレッ
ト7によりピックアップし、これを所定の基台上にマウ
ンディングする。このようにしてウェハチップA1,A2
……のピックアップを行なうと、充分なチップ間隔が得
られているので簡単にチップをピックアップすることが
でき、しかも粘着力は充分に低下しているので、汚染の
ない良好な品質のチップが得られる。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
ウェハダイシング方法および該方法に用いる放射線照射
装置によれば、エキスパンディング工程において、所望
のチップ間隔を得ることが容易になり、過剰のエキスパ
ンディングが不要になる。
【0042】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0043】
【実施例1】基材として軟質塩化ビニルフィルム(可塑
剤30%含有、厚さ80μm)を用い、基材上に粘着剤
として、アクリル系ポリマー(n−ブチルアクリレート
とアクリル酸の共重合体)100重量部と、分子量80
00のウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部
と、硬化剤(芳香族ジイソシアネート系)10重量部と
から組成物をシリコーン処理したポリエチレンテレフタ
レートフィルム(38μm)からなる剥離材上にキャス
トして、上記基材と貼り合わせ粘着テープを作成した。
【0044】フィルターとして、ガラス上に2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノンを3重量部含有するアクリル
系ポリマーをスクリーン印刷により5インチウェハ形状
に印刷したフィルターを作成した。
【0045】粘着テープに5インチウェハを貼付した
後、フラットフレームに装着し、この後、50μm厚の
ダイヤモンドブレードで5mm□のチップにフルカットし
た。この後、フィルターを介して基材側の面から照度2
00mW/cm2の紫外線を2秒間照射した。
【0046】次にエキスパンディング治具を用いてダイ
シングテープを15%拡張した。ウェハが貼着された部
分の拡張率は8〜10%であった。
【0047】
【実施例2】基材としてエチレン−メタクリル酸共重合
体を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0048】ウェハが貼着された部分の拡張率は5〜7
%であった。
【0049】
【比較例1】フィルターを用いずにガラスを介して紫外
線を照射した以外は実施例1と同様に行った。
【0050】ウェハが貼着された部分の拡張率は3〜5
%であった。
【0051】
【比較例2】フィルターを用いずにガラスを介して紫外
線を照射した以外は実施例1と同様に行った。
【0052】ウェハが貼着された部分の拡張率は1%で
あった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる粘着シートの断面図であ
る。
【図2】本発明で用いられる粘着シートの断面図であ
る。
【図3】本発明で用いられる粘着シートにウェハが接着
された状態を示す断面図である。
【図4】ウェハがダイシングされた状態を示す断面図で
ある。
【図5】ダイシングされたウェハに放射線を照射してい
る状態を示す図面である。
【図6】本発明で用いられるフィルターの概略図であ
る。
【図7】ピックアップ工程の説明図である。
【符号の説明】
1…粘着シート 2…基材 3…粘着剤層 4…剥離性シート 5…密閉容器の窓 6…フィルター 6a…放射線減衰部 7…放射線発生部 8…突き上げ針扞 9…吸引コレット A…ウェハ B…放射線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、放射線が照射されると粘着力が
    低下する粘着剤層とを備えたウェハ貼着用粘着シートの
    粘着剤層上に貼着されたウェハを切断して素子小片に分
    離し、粘着剤層に放射線を照射して該粘着剤層の粘着力
    を低下させ、素子小片のピックアップを行なうウェハダ
    イシング方法において、 粘着剤層に放射線を照射するにあたり、粘着剤層のうち
    ウェハが貼着されている部分に照射される放射線量を、
    ウェハが貼着されていない部分に照射される放射線量の
    90%以下にすることを特徴とするウェハダイシング方
    法。
  2. 【請求項2】 基材と、放射線が照射されると粘着力が
    低下する粘着剤層とを備えたウェハ貼着用粘着シートの
    粘着剤層上に貼着されたウェハを切断して素子小片に分
    離し、粘着剤層に放射線を照射して該粘着剤層の粘着力
    を低下させ、素子小片のピックアップを行なうウェハダ
    イシングに用いる放射線照射装置において、 該装置の放射線発生部と、ウェハ貼着用粘着シートの基
    材との間に、ウェハ貼着用粘着シートに貼着されるウェ
    ハと略同一の形状を有する放射線減衰部を備えたフィル
    ターが設けられてなることを特徴とする放射線照射装
    置。
JP19237891A 1991-07-31 1991-07-31 ウェハダイシング方法および該方法に用いる放射線照射装置 Expired - Fee Related JP3152685B2 (ja)

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