JP3091534B2 - ポリ1−ブテン樹脂組成物 - Google Patents

ポリ1−ブテン樹脂組成物

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JP3091534B2 JP03227913A JP22791391A JP3091534B2 JP 3091534 B2 JP3091534 B2 JP 3091534B2 JP 03227913 A JP03227913 A JP 03227913A JP 22791391 A JP22791391 A JP 22791391A JP 3091534 B2 JP3091534 B2 JP 3091534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリ1−ブテン樹脂組成
物に関し、特に、耐衝撃性、耐クリープ性に優れるとと
もに、高速成形性に優れたポリ1−ブテン樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、給水・給湯用の配管材として、鉛
めっき鋼管、銅管または鉛管等の金属製の管材が使用さ
れている。しかし、鋼管は、錆により赤水や黒水が発生
し、銅管は電蝕によりピンホールや青水が発生するおそ
れがあるなどの問題があるため、これらの問題がない配
管材が求められている。そこで、既に一部では錆、電蝕
によりピンホールが発生しないポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリ−1−ブテン等の合成樹脂からなる管材が
使用される傾向にある。
【0003】このような合成樹脂製の管材の中でも、ポ
リ1−ブテン樹脂からなる管材は、ポリ1−ブテン樹脂
が耐圧強度、高温の耐クリープ性、耐熱性および低温衝
撃強度、耐摩耗性、ならびに可撓性に優れるため、給水
・給湯用の配管材として最も好適なものの一つである。
そこで、このポリ1−ブテン樹脂からなるパイプに対
する需要の増加が予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、入手で
きるポリ1−ブテン樹脂は、剛性、クリープ特性、耐衝
撃強度および結晶化速度等においては、優れているが、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
(Mw/Mn)が6以下の分子量分布が狭いものである
ため、これを口径30mm以下のパイプに成形する場合
に、低速(3m/min以下)の成形速度では十分に成
形可能であるが、より高速の成形速度でパイプに成形す
ると、得られるパイプの内外面に肌荒れを生じ、外観が
良好なものが得られず、高速成形性に問題があった。
【0005】そこで本発明の目的は、ポリ1−ブテン樹
脂が本来有する、優れた剛性、クリープ特性、耐衝撃強
度などの特性を備えるとともに、さらに成形性、特に高
い成形速度での成形性、いわゆる高速成形性に優れたポ
リ1−ブテン樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、メルトフローレート0.01〜5g/1
0分、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下、かつ
アイソタクチック値が93%以上であるポリ1−ブテン
樹脂(A)60〜95重量部、およびメルトフローレー
トが(A)のポリ1−ブテン樹脂の20倍以上であり、
分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下、かつアイソ
タクチック値が93%以上であるポリ1−ブテン樹脂
(B)40〜5重量部を含むポリ1−ブテン樹脂組成物
(以下、単に「組成物」と略す)を提供するものであ
る。
【0007】また、本発明は、前記組成物にさらに核剤
を含むと、好ましい。
【0008】以下、本発明の組成物について詳細に説明
する。
【0009】本発明の組成物の主成分であるポリ1−ブ
テン樹脂(A)は、1−ブテンの単独重合体、もしくは
1−ブテンと、該1−ブテンと他の炭素数2〜20のα
−オレフィンとの共重合体である。
【0010】このポリ1−ブテン樹脂(A)のメルトフ
ローレート(MFR(E):ASTM D1238,
E)は、得られる組成物の押出成形性が良好である点
で、0.01〜5g/10分、好ましくは0.1〜2g
/10分である。
【0011】また、このポリ1−ブテン樹脂(A)は、
分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6以下のものであ
り、得られる組成物の耐衝撃性が優れる点で、5以下の
ものが好ましい。この重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、下記の方法によ
って測定される。 (a)分子量既知の標準ポリスチレン(単分散ポリスチ
レン、東洋曹達社製)を用い、異なる分子量のポリスチ
レンを、下記測定条件: 装置:ウオーター社製、Model 1 150C カラム: 東洋曹達社製、TSKGMH−6.6mmφ×
600 サンプル量:400μ 温度:135℃ 流量:1 m /min で、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ー)分析に供し、分子量MとEV値(Elution Volum
e :溶出体積)の校正曲線を作成する。 (b)試料の調製 分子量を測定するポリマー試料と溶媒o−ジクロロベン
ゼンとを、フラスコに入れ、ポリマー15mgに対して
溶媒20mlの割合の溶液を調製する。得られたポリマ
ー溶液に、安定剤として2,6−ジ−t−ブチル−クレ
ゾ−ルを0.1重量%の濃度に加える。この溶液を14
0℃で1時間加熱した後、1時間撹拌して、ポリマーお
よび安定剤を完全に溶解させる。次に、135〜140
℃の温度で0.5μmのフィルターで溶液を瀘過する。
得られた瀘過液を、上記の(a)と同じ測定条件でGP
C分析に供し、得られたEV値から、前記で作成してお
いた校正曲線により、数平均分子量: Mn=ΣMi Ni /ΣNi および 重量平均分子量:Mw=ΣMi2Ni /ΣMi Ni を求め、(Mw/Mn)を計算する。
【0012】さらに、このポリ1−ブテン樹脂(A)の
アイソタクチック値は、93%以上であり、好ましく
は、得られる組成物の剛性、耐熱性および耐クリープ性
が優れる点で、93〜98%である。このアイソタクチ
ック値(II)は、以下の方法により測定した。1−ブ
テン樹脂1gをn−デカン100mlに溶解した後、 0
℃に冷却し、0℃で24時間放置して高立体規則性成分
を析出させ、不溶部の重量%をIIとした。
【0013】本発明の組成物のもう1つの主成分である
ポリ1−ブテン樹脂(B)は、前記ポリ1−ブテン樹脂
(A)と同様に、1−ブテンの単独重合体、もしくは1
−ブテンと、該1−ブテンと他の炭素数2〜20のα−
オレフィンとの共重合体であり、この炭素数2〜20の
他のα−オレフィンを含む場合は、その含有量も前記ポ
リ1−ブテン樹脂(A)と同様である。
【0014】このポリ1−ブテン樹脂(B)のメルトフ
ローレート(MFR(E):ASTM D1238,
E)は、得られる組成物の押出成形性が良好である点
で、前記(A)のポリ1−ブテン樹脂のメルトフローレ
ートの20倍以上、好ましくは50〜1000倍であ
る。
【0015】また、このポリ1−ブテン樹脂(B)は、
分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6以下のものであ
り、得られる組成物の耐衝撃性が優れる点で、5以下の
ものが好ましい。
【0016】さらに、このポリ1−ブテン樹脂(B)の
アイソタクチック値(II)は、93%以上であり、得
られる組成物が剛性、耐熱性および耐クリープ性に優れ
る点で、93〜98%が好ましい。
【0017】本発明の組成物において、得られる組成物
の溶融パリソンのメルトテンションが高くなるため成形
加工性が良好となり、高速でパイプに成形することが可
能となる。また良好な衝撃強度を有する成形品が得られ
る点で、ポリ1−ブテン樹脂(A)/ポリ1−ブテン樹
脂(B)の配合割合は、重量比で60/40〜95/
5、好ましくは90/10〜70/30である。
【0018】また、本発明の組成物は、前記ポリ1−ブ
テン樹脂(A)および(B)に加えて、さらに核剤を含
有していると、パイプ成形時にダイスから押し出された
溶融樹脂の固化速度が早くなるため、より安定した高速
成形性が得られること、および固化した後もポリ1−ブ
テン樹脂に特有の結晶転移の速度を促進し、さらに剛性
向上に効果がある点で、好ましい。
【0019】この核剤としては、例えば、ポリエチレン
樹脂、ポリエチレンワックス、エチレンビスステアロア
マイド、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
【0020】本発明の組成物に、この核剤を配合する場
合、その配合量は、通常、0.01〜2%程度であり、
0.05〜0.5%程度が好ましい。
【0021】本発明の組成物の製造は、前記ポリ1−ブ
テン樹脂(A)、ポリ1−ブテン樹脂(B)、および必
要に応じて前記核剤等を、前記配合割合でヘンシェルミ
キサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラ
ーブレンダー等を用いて混合する方法;さらに混合後、
単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー等を用いて溶融混練した後、造粒または粉砕する方法
によって行なうことができる。また、ポリ1−ブテン樹
脂(A)および(B)をそれぞれ重合し、それぞれ得ら
れる重合溶液をそのまま撹拌混合することによっても製
造することができる。
【0022】さらに、本発明の組成物には、成形して得
られる成形品の耐熱老化性、耐塩素水性等の長期耐久性
を向上させるために、酸化防止剤を含有していてもよ
い。この酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデ
シル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−
ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)イソシアヌレ
ート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)イソシアヌレート、n−オクタデシル−3
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンゾイルホスホン酸)モノエチルエステル
のニッケル塩、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−
ジフェニルメタン、4,4−チオ−ビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−フェニ
ル)ブタン、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル−フェノール、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−フ
ェニル)ホスファイト、ビタミンE等のフェノール系ま
たはリン系のものが挙げられる。これらは1種単独でも
2種以上を組合せても用いられる。
【0023】この酸化防止剤を含む場合、その含有量
は、通常、樹脂分((A)+(B))100重量部に対
して、0.1〜2重量部程度、好ましくは0.5〜1.
8重量部程度である。
【0024】本発明の組成物は、上記の酸化防止剤に加
えて、必要に応じて他の紫外線吸収剤、防かび剤、発錆
防止剤、滑剤、充填剤、顔料、耐熱安定剤等を添加する
こともできる。 さらに、本発明の組成物は、耐衝撃性
の改良のために、例えば、エチレン−プロピレンコポリ
マー樹脂等のオレフィン系エラストマーを15重量%以
下の範囲で含んでいてもよい。
【0025】本発明の組成物のメルトフローレートは、
通常、成形加工上、0.2〜5g/10分程度であるの
が、好ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明する。
【0027】(参考例A) (チタン触媒成分(A)の調製)無水塩化マグネシウム
4.76g(50mmol)、デカン25mlおよび2
−エチルヘキシルアルコール23.4ml(150mm
ol)を、130℃で2時間加熱して反応させ、均一溶
液を得た。次に、この均一溶液中に無水フタル酸1.1
1g(7.5mmol)を添加し、130℃でさらに1
時間攪拌して混合して、無水フタル酸を均一溶液に溶解
させた。この均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に
保持された四塩化チタン200ml(1.8ml)中に
1時間かけて全量を滴下して加えた。次いで、得られた
混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110
℃に達したところでジイソブチルフタレート2.68m
l(12.5mmol)を添加し、2時間温度を保持し
て攪拌して反応させた。2時間の反応終了後、反応混合
物を熱時濾過して固形分を採取し、この固形分をTiC
4 200ml中に投入して懸濁させ、再び110℃で
2時間、加熱して反応させた。反応終了後、再び反応混
合物を熱時濾過し、固形分を採取し、この固形分を11
0℃のデカンおよびヘキサンで、洗液中に遊離のチタン
化合物が検出されなくなるまで、十分に洗浄してチタン
触媒成分(A)を得た。
【0028】以上のようにして得られたチタン触媒成分
(A)をヘキサンスラリーとして保存し、またその一部
を乾燥して触媒組成を分析した。分析の結果、得られた
チタン触媒成分(A)の組成は、チタン3.1重量%、
塩素56.0重量%、マグネシウム17.0重量%およ
びジイソブチルフタレート20.9重量%であった。
【0029】(重合)内容積200lのSUS製反応器
に、ヘキサン50l/hr、液体1−ブテン50l/h
r、上記チタン触媒成分(A)0.6mM/hr、トリ
イソブチルアルミニウム100mM/hr、シクロヘキ
シルメチルジメトキシシラン5mM/hrと水素を連続
的に供給し、重合温度60℃、重合圧力4.7barで
反応させた。このとき、水素の供給量は、反応器の気相
部における水素/1−ブテンのモル比が0.01となる
ように調整した。反応器内の液量を100lに保ちなが
ら、液状の反応混合物を連続的に抜き出した。抜き出し
た反応混合物に1l/hrのメタノールを添加して1−
ブテンを除去し、さらに280℃に昇温してフラッシュ
蒸留してヘキサンを除去した後、得られたポリ1−ブテ
ン樹脂を250℃でペレット化した。この重合反応にお
ける重合活性は7600g/mM・Tiであった。以
下、このようにして得られたポリ1−ブテン樹脂を「P
B−A」という。
【0030】また、このPB−Aのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR:0.2
g/10分(ASTM:D1238,E)、Mw/Mn
=4.5、II=95%であった。
【0031】(参考例B)反応器の気相部における水素
/1−ブテンのモル比を0.5に調整した以外は、参考
例Aと同様にして重合を行い、ポリ1−ブテン樹脂を得
た。このポリ1−ブテン樹脂を「PB−B」という。
【0032】また、このPB−Bのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR: 20
g/10分(ASTM:D1238,E)、Mw/Mn
=4.5、II=95%であった。
【0033】(参考例C)シクロヘキシルメチルジメト
キシシランの供給量を20mM/hrに変更し、反応器
の気相部における水素/1−ブテンのモル比を0.00
6に調整した以外は、参考例Aと同様にして重合を行
い、ポリ1−ブテン樹脂を得た。このポリ1−ブテン樹
脂を「PB−C」という。
【0034】また、このPB−Cのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR:0.0
5g/10分、Mw/Mn=5、II=97%であっ
た。
【0035】(参考例D)シクロヘキシルメチルジメト
キシシランの供給量を20mM/hrに変更し、反応器
の気相部における水素/1−ブテンのモル比を1.5に
調整した以外は、参考例Aと同様にして重合を行い、ポ
リ1−ブテン樹脂を得た。このポリ1−ブテン樹脂を
「PB−D」という。
【0036】また、このPB−Dのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR:100
g/10分、Mw/Mn=5、II=97%であった。
【0037】(参考例E)内容積200lのSUS製反
応器に、ヘキサン50l/hr、液体1−ブテン50l
/hr、三塩化チタン(東邦チタニウム(株)製、TA
C−141)100mM/hr、ジエチルアルミニウム
クロリド100mM/hr、ジエチルアルミニウムアイ
オダイド100mM/hrと水素を連続的に供給し、重
合温度60℃、重合圧力4.8barで反応させた。こ
のとき、水素の供給量は、反応器の気相部における水素
/1−ブテンのモル比が0.04となるように調整し
た。反応器内の液量を100lに保ちながら、液状の反
応混合物を連続的に抜き出した。抜き出した反応混合物
に1l/hrのメタノールを添加して1−ブテンを除去
し、水100l/hrを添加し、攪拌した。次に、水を
分離し、さらに280℃に昇温してフラッシュ蒸留して
ヘキサンを除去した後、得られたポリ1−ブテン樹脂を
250℃でペレット化した。この重合反応における重合
活性は63g/mM・Tiであった。このようにして得
られたポリ1−ブテン樹脂を「PB−E」という。
【0038】また、このPB−Eのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR:0.5
g/10分、Mw/Mn=12、II=95%であっ
た。
【0039】(参考例F)シクロヘキシルメチルジメト
キシシランの供給量を1mM/hrに変更し、反応器の
気相部における水素/1−ブテンのモル比を0.02に
調整した以外は、参考例Aと同様にして重合を行い、ポ
リ1−ブテン樹脂を得た。このポリ1−ブテン樹脂を
「PB−F」という。
【0040】また、このPB−Fのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR:0.5
g/10分、Mw/Mn=4.5、II=90%であっ
た。
【0041】(参考例G)反応器の気相部における水素
/1−ブテンのモル比を0.02に調整した以外は、参
考例Aと同様にして重合を行い、ポリ1−ブテン樹脂を
得た。このポリ1−ブテン樹脂を「PB−G」という。
【0042】また、このPB−Gのメルトフローレー
ト、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、およびアイソタ
クチック値を測定したところ、それぞれMFR:0.5
g/10分、Mw/Mn=4.5、II=95%であっ
た。
【0043】(実施例1〜3)PB−A(MFR:0.
2g/10分(ASTM:D1238,E)、Mw/M
n=4.5、II=95%)と、PB−B(MFR:
20g/10分(ASTM:D1238,E)、Mw/
Mn=4.5、II=95%)とを、表1に示す割合で
配合してなる混合物100重量部に、酸化防止剤として
Irganox 1330、Irganox 1010、 Irganox 1076をそれぞれ
0.4重量部、0.3重量部、0.2重量部の割合で添
加し、さらに各混合物に核剤としてポリエチレンを0.
2重量部、顔料としてイソインドリノン系の黄色有機顔
料0.05重量部と酸化チタン0.2重量部の割合で添
加した。次に、ヘンシェルミキサーで撹拌、混合した
後、65mmφ押出機を用いて溶融、混練し、 ポリ1−
ブテン樹脂組成物のペレットを製造した。
【0044】得られたペレットを温度200℃の加熱プ
レスで10分間溶融させた後、約30℃の冷却プレスで
5分間加圧して、厚さ2mmおよび3mmの2種類のプ
レスシートを作成した。このプレスシートを試料とし
て、下記の方法に従って、耐熱性、引張降伏応力、衝撃
強度を測定した。
【0045】また、ポリ1−ブテン樹脂組成物のペレッ
トを用いて、パイプ成形装置(日立造船産業株製)で、
内径:13mm、外径:17mmのパイプを作製し、下
記の方法に従って、熱管内圧クリープ特性およびパイプ
の成形性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】耐熱性 JIS K7206(熱可塑性プラスチックのビカット
軟化温度試験方法)に準拠して、耐熱性を測定した。こ
のビカット軟化温度は樹脂の最高使用可能温度を示す1
つの尺度であり、給湯・給水用のパイプは、熱水と接触
する場合があるので、100℃が好ましい。
【0047】引張降伏応力 ASTM D638に準拠し、ASTM4号ダンベルを
用いて測定した。
【0048】衝撃強度 ASTM D256に準拠し、ノッチを入れて0℃で測
定した。
【0049】熱間内圧クリープ特性 90±1℃に調節された恒温槽中にパイプを浸漬し、パ
イプの円周方向に発生する応力が70kg/cm2 にな
るように90℃温水をパイプ内に通じて加圧し、パイプ
が破損するまでの時間を測定した。
【0050】パイプの成形性 10m/minの成形速度でパイプを成形し、得られた
パイプの内外面を目視により観察し、下記の基準で評価
した。 ○…成形性が良好であり、かつパイプの外観も良好 △…パイプ成形は一応可能であるが、パイプの内外面に
小さな凹凸状の肌荒れが発生 ×…パイプ成形ができなかった
【0051】(実施例4)核剤としてエチレンビスステ
アロアマイド(EBSA)を添加する以外は、実施例2
と同様にして、ポリ1−ブテン樹脂組成物のペレットを
製造し、これを用いてプレスシートを作成し、耐熱性、
引張降伏応力、衝撃強度を測定し、また、パイプを作製
し、熱管内圧クリープ特性およびパイプの成形性を評価
した。結果を表1に示す。
【0052】(実施例5)核剤を添加しない以外は、実
施例2と同様にして、ポリ1−ブテン樹脂組成物のペレ
ットを製造し、これを用いてプレスシートを作成し、耐
熱性、引張降伏応力、衝撃強度を測定し、また、パイプ
を作製し、熱管内圧クリープ特性およびパイプの成形性
を評価した。結果を表1に示す。
【0053】(実施例6および7)PB−C(MFR:
0.05g/10分、Mw/Mn=5、II=97%)
と、PB−D(MFR:100g/10分、Mw/Mn
=5、II=97%)とを、表1に示す割合で配合する
以外は実施例2と同様にして、ポリ1−ブテン樹脂組成
物のペレットを製造し、これを用いてプレスシートを作
成し、耐熱性、引張降伏応力、衝撃強度を測定し、ま
た、パイプを作製し、熱管内圧クリープ特性およびパイ
プの成形性を評価した。結果を表1に示す。
【0054】(比較例1)PB−Bを使用しない以外
は、実施例1と同様にして組成物を製造し、実施例1と
同様にして、シートを作製して、耐熱性、引張降伏応
力、衝撃強度を測定し、また、パイプを作製し、熱管内
圧クリープ特性およびパイプの成形性を評価した。結果
を表1に示す。その結果、10m/minでパイプ成形
を行なうと、得られるパイプの内外面に著しい肌荒れが
生じていた。
【0055】(比較例2)PB−Aを使用しない以外
は、実施例1と同様にして組成物を製造し、実施例1と
同様にして、シートを作製して、耐熱性、引張降伏応
力、衝撃強度を測定し、また、パイプを作製し、熱管内
圧クリープ特性およびパイプの成形性を評価した。結果
を表2に示す。その結果、得られるシートは衝撃強度に
劣り、また、パイプ成形の際には、溶融パリソンの粘度
が著しく小さく、パイプ成形が不可能であった。
【0056】(比較例3)PB−AおよびPB−Bの代
わりに、PB−E(MFR:0.5g/10分、Mw/
Mn=12、II=95%)を使用した以外は、実施例
1と同様にして組成物を製造し、実施例1と同様にし
て、シートを作製して、耐熱性、引張降伏応力、衝撃強
度を測定し、また、パイプを作製し、熱管内圧クリープ
特性およびパイプの成形性を評価した。結果を表2に示
す。
【0057】(比較例4)PB−AおよびPB−Bの代
わりに、PB−F(MFR:0.5g/10分、Mw/
Mn=4.5、II=90%)を使用した以外は、実施
例1と同様にして組成物を製造し、実施例1と同様にし
て、シートを作製して、耐熱性、引張降伏応力、衝撃強
度を測定し、また、パイプを作製し、熱管内圧クリープ
特性およびパイプの成形性を評価した。結果を表2に示
す。その結果、得られたシートは、引張降伏応力が低
く、パイプの熱管内圧クリープ試験においては、75k
g/cm2 の応力をかける途中でパイプが破裂した。ま
た、パイプ成形の際には、得られたパイプの内外面に著
しい肌荒れが生じていた。
【0058】(比較例5)PB−AおよびPB−Bの代
わりに、PB−G(MFR:0.5g/10分、Mw/
Mn=4.5、II=95%)を使用した以外は、実施
例1と同様にして組成物を製造し、実施例1と同様にし
てシートを作製して、耐熱性、引張降伏応力、衝撃強度
を測定し、また、パイプを作製して、熱管内圧クリープ
特性およびパイプの成形性を評価した。結果を表2に示
す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の組成物は、ポリ1−ブテン樹脂
が本来有する、優れた剛性、クリープ特性、耐衝撃強度
などの特性を備えるとともに、さらに成形性、特に高い
成形速度での成形性、いわゆる高速成形性に優れたポリ
1−ブテン樹脂組成物を提供することにある。そのた
め、本発明の組成物は、パイプに成形して、給湯・給水
管用の配管材として好適なパイプを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレート0.01〜5g/10
    分、分子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下、かつア
    イソタクチック値が93%以上であるポリ1−ブテン樹
    脂(A)60〜95重量部、およびメルトフローレート
    が(A)のポリ1−ブテン樹脂の20倍以上であり、分
    子量分布を表す重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比(Mw/Mn)が6以下、かつアイソタ
    クチック値が93%以上であるポリ1−ブテン樹脂
    (B)40〜5重量部を含むポリ1−ブテン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリ1−ブテン樹脂組成
    物にさらに核剤を含むことを特徴とするポリ1−ブテン
    樹脂組成物。
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