JP3075033B2 - 圧電セラミックスの分極方法 - Google Patents

圧電セラミックスの分極方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電セラミックスの分
極方法に関する。さらに詳しく述べるならば、本発明
は、圧電セラミックスを一旦分極させた後、急激に冷却
し、再び分極させる工程を含む圧電セラミックスの分極
方法に関するものであり、この方法により駆動耐久性の
高い圧電素子が得られる。
【0002】
【従来の技術】圧電体は強誘電体であり、その圧電性を
利用するためには分極しなければならない。分極処理を
行った圧電体は、時間と共にあるいは駆動後に分極量が
減少し、特性の低下を引起し、これはセンサー等に使用
する場合には大きな問題となる。
【0003】従来の一般的な分極処理方法は、80〜120
℃のシリコンオイル中で2〜5kV/mm の電界を加えて行
われる。ここで、温度が高い方が低い電界で分極するこ
とができる。しかし、温度が高すぎると抵抗率が低下し
て電流が流れ、絶縁破壊に至ってしまう。従って、分極
電解の大きさは温度との兼ね合いによってきまる。
【0004】従来効果的であるとされた分極方法は、一
旦キューリー温度以上に加熱した後、電圧を印加した状
態で室温まで徐々に冷却させる方法である。しかし、こ
の方法では得られる圧電体の初期特性は高いものの、圧
電体を駆動させると、図1に示すように、分極処理によ
って一定方向にそろえられた分極が一部他の方向に向い
てしまい、その経時劣化を十分防止することができな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、圧電セラミ
ックスの従来の分極方法の有する前記の如き欠点を解消
し、得られる圧電体において分極量の低下を防ぎ、駆動
時の耐久性を向上させる分極方法を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、圧電セラミ
ックスの従来の分極方法の有する上記の問題点を解消す
べく鋭意研究を重ねた結果、圧電セラミックスを分極処
理した後、これを急激に冷却し、その後再び分極処理を
行うことにより、得られる圧電体の分極量の低下が抑制
されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の圧電セラミックスの分
極方法は、高電圧を印加した状態において(1) 圧電セラ
ミックスを、そのキューリー点の1/2の温度〜キュー
リー点以下の温度の範囲まで加熱し、この温度において
前記圧電セラミックスが分極飽和するに十分な時間保持
すること、(2) これを0℃以下の温度まで油冷により急
激に冷却し、この冷却状態において前記圧電セラミック
ス内に内部電荷が発生するに十分な時間保持すること、
そして(3) 前記圧電セラミックスをそのキューリー点の
1/2の温度〜キューリー点以下の温度の範囲まで加熱
し、この温度において前記圧電セラミックスが分極飽和
するに十分な時間保持すること、の工程からなることを
特徴とするものである。
【0008】
【作用】図1に本発明の原理を示す。圧電体は分極処理
を行う前は、その自発分極の向きはランダムな方向を向
いており、この状態では圧電性を示さない。そこで本発
明の具体的な方法において、まず圧電セラミックスを、
高電圧を印加した状態においてそのキューリー点の1/
2の温度〜キューリー点以下の温度の範囲まで加熱し、
この圧電セラミックスを一定方向に分極させる。上記温
度範囲以外では自発分極が存在しなくなる。この温度に
圧電セラミックスを所定時間保持し、分極の向きをすべ
て一定方向にする。この時間は通常1〜5分で十分であ
る。
【0009】次いでこの分極させた圧電セラミックスを
0℃以下に急激に冷却し、この状態に所定時間保つ。す
ると、分極処理によって一定方向に向いた自発分極が再
びもとのランダムな方向に向く。このように内部電界が
急激に反転すると、それを抑えようとするように、圧電
セラミックス内に静電誘導により、自発分極とは逆の向
きに内部電荷が発生する。この冷却は通常シリコンオイ
ル中での油冷により行われる。冷却を保つ時間は、内部
電荷が発生するに十分な時間であり、通常1〜5分であ
る。
【0010】その後、再び上記の加熱操作を行い、自発
分極の方向をそろえる。この際、上記冷却操作により生
じた内部電荷はすぐには消失せず内部に残っている。従
って、この加熱分極処理により方向がそろえられた自発
分極は内部電荷によりピンニングされ、劣化が防がれ
る。
【0011】また、上記の加熱、冷却の工程を繰り返す
ことにより、より多くの内部電荷が圧電セラミックス内
に発生する。従って、この工程を繰り返すことにより、
108のレベルで駆動させるアクチュエータ等に適した、
より耐久性の高い圧電体が得られる。
【0012】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0013】圧電体の製造 まず、従来の方法によりPZT圧電体を製造した。すな
わち、PbO、TiO 2 及びZrO2 と微量元素を所定
量秤量し、湿式混合、仮焼、造粒、成形、焼成、加工、
及び電極形成の工程を行い、直径15mm、厚さ1mmのPZ
T圧電体を製造した。
【0014】分極処理 サンプル1 こうして得たPZT圧電体を、まず従来の方法により分
極処理した。すなわちPZT圧電体に1kv/mm の電圧を
加え、100 ℃のシリコンオイル中に入れ5分間保持し
た。これをサンプル1と呼ぶ。
【0015】サンプル2〜6 また上記のPZT圧電体を同様にして 200℃まで加熱
し、5分間保持し、次いでそれぞれを90℃、60℃、30
℃、0℃及び−20℃の温度のシリコンオイル中に入れ、
急激に冷却し、この温度に5分間保持し、次いで再び 2
00℃まで高め30秒間保持した。こうして得たサンプルを
それぞれサンプル2〜6と呼ぶ。
【0016】こうして製造したサンプルについて、その
変位を経時的にレーザ変位計により測定し、その変位特
性を求めた。変位特性は、初期変位(分極処理直後の変
位)に対する経時変化後の変位の割合である。この結果
を図2に示す。
【0017】図2より明らかなように、従来の方法で分
極処理を行った圧電体(サンプル1)は時間と共にその
変位特性が著しく低下した。また、加熱後、90℃、60℃
及び30℃まで冷却した圧電体(それぞれサンプル2、3
及び4)は、この冷却により変位特性の低下が抑えられ
ているが、十分ではない。一方、0℃及び−20℃まで冷
却した圧電体(サンプル5及び6)は、ほとんどその変
位特性は低下しなかった。
【0018】繰り返し分極処理 次に、PZT圧電体を加熱し、次いで冷却する工程を複
数回繰り返すことにより、その効果を調べた。PZT圧
電体を上記のようにして製造し、上記と同様にして加熱
し、次いで0℃まで冷却し、この加熱−冷却工程を1〜
5回繰り返し、最後に加熱し分極処理を行った。次いで
得られたサンプルを50枚積層し、0.5mmの積層体を形成
し、これに0〜800Vの電圧を加え、35MPa の初期圧力を
かけ駆動させ、変位量を測定しその耐久性を求めた。こ
の結果を図3に示す。
【0019】図3より明らかなように、繰り返し回数0
のサンプル、すなわち従来の圧電体は駆動後の変位特性
の低下が大きく、耐久性が十分ではない。一方、加熱−
冷却工程を行うことにより耐久性は向上し、これは繰り
返し回数が多いほど顕著である。
【0020】
【発明の効果】圧電体の分極処理時に、温度を0℃以下
の低温まで急激に低下させる本発明の方法により、圧電
体内に内部電荷を生じさせ、この内部電荷によって自発
分極をピンニングし、これによって分極量の低下を抑
え、圧電体の特性低下を抑制することができる。また、
圧電体の加熱−冷却工程を繰り返すことにより内部電荷
量を増加させ、それによりアクチュエータに適した駆動
耐久性の高い圧電体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の分極方法及び本発明の分極方法の原理を
示す図である。
【図2】各方法により分極処理した圧電体の変位特性の
経時変化を示すグラフである。
【図3】圧電体の耐久性に対する加熱−冷却工程の繰り
返しの効果を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスの分極方法であって、
    高電圧を印加した状態において以下の工程: (1) 圧電セラミックスを、そのキューリー点の1/2の
    温度〜キューリー点以下の温度の範囲まで加熱し、この
    温度において前記圧電セラミックスが分極飽和するに十
    分な時間保持すること、 (2) これを0℃以下の温度まで急激に冷却し、この冷却
    状態において前記圧電セラミックス内に内部電荷が発生
    するに十分な時間保持すること、そして (3) 前記圧電セラミックスをそのキューリー点の1/2
    の温度〜キューリー点以下の温度の範囲まで加熱し、こ
    の温度において前記圧電セラミックスが分極飽和するに
    十分な時間保持すること からなることを特徴とする、圧電セラミックスの分極方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、工程(1)
    及び(2) を複数回繰り返すことを特徴とする、圧電セラ
    ミックスの分極方法。
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