JPH0685345A - Pzt系圧電素子の分極方法 - Google Patents

Pzt系圧電素子の分極方法

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JPH0685345A
JPH0685345A JP23740492A JP23740492A JPH0685345A JP H0685345 A JPH0685345 A JP H0685345A JP 23740492 A JP23740492 A JP 23740492A JP 23740492 A JP23740492 A JP 23740492A JP H0685345 A JPH0685345 A JP H0685345A
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JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
piezoelectric element
polarization
pzt
voltage
Prior art date
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Application number
JP23740492A
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English (en)
Inventor
Kunio Kurachi
邦雄 倉地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シリコンオイルの使用を廃止しつつ、圧電体の
スパーク割れを回避し、環境汚染、作業性の問題を改善
できるPZT系圧電素子の分極方法を提供する。 【構成】圧電体と圧電体の表裏両面に形成された一対の
電極層とを備えたPZT系圧電素子を用いる。そして、
70〜120°Cの大気中で、圧電体(厚み0.33m
m)に400V〜870Vの電圧、即ち、1.2kV/
mm〜2.6kV/mmの電界を印加し、圧電体を分極
する。雰囲気はファンで攪拌し、均熱化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPZT系圧電素子の分極
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PZT系圧電素子がアクチュエータ等に
使用されている。PZT系圧電素子は、原料粉末の成形
工程、焼成工程、電極層形成工程、分極工程を経て製造
される。このPZT系圧電体は強誘電体であり、その圧
電性を利用するには電界を印加して分極しなければなら
ず、そのため分極工程が行われている。
【0003】ところで、従来より、PZT系圧電素子の
分極は、特開昭60−123079号公報に開示されて
いる様に、電気絶縁体であるシリコンオイルを用い、2
0〜100°Cのシリコンオイルに圧電体を浸漬し、シ
リコンオイル中で2kV/mm〜3kV/mmの電界を
圧電体に印加することにより行われている。電気絶縁体
であるシリコンオイル中で分極する理由は、スパークに
よる圧電体の割れを防止するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしシリコンオイル
を使用する関係で、環境汚染に対する対策を必要とし、
更に、作業性が充分でないという不具合がある。本発明
は上記した実情に鑑みなされたものであり、その目的
は、シリコンオイルの使用を廃止しつつ圧電体のスパー
ク割れを極力回避し、環境汚染、作業性の問題を改善で
きるPZT系圧電素子の分極方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的のもとに、
本発明者は、大気中で分極する方法の開発を進めた。そ
して、使用頻度が高い厚み0.33mmの圧電体を用
い、その圧電体を70〜120°Cの大気中において分
極処理し、その静電容量と分極電圧との関係を調べたと
ころ、図1の特性線A1に示す様に、分極電圧200〜
300Vの域で静電容量が急激に上昇し、その後、やや
上昇気味で飽和することを知見した。また圧電体のスパ
ーク割れを調べたところ、大気における分極では、分極
電圧が870Vを越えると、図2に示す様に、スパーク
による割れが圧電体に発生する頻度が高くなる。そのた
め、使用した厚み0.33mmの圧電体では、スパーク
割れを防止しつつ必要な圧電特性を得るには、400〜
870Vの分極電圧が好適し、この領域で大気分極すれ
ば圧電体を良好に分極処理でき、しかも、圧電素子の圧
電特性がシリコンオイル中で分極したものと大差ないこ
とを試験で確認し、本発明方法を完成した。
【0006】なお、400〜870Vの分極電圧は、1
212V/mm〜2636V/mmの電界、つまり、
1.2kV/mm〜2.6kV/mmの電界に相当す
る。即ち、本発明のPZT系圧電素子の分極方法は、圧
電体と圧電体の表裏両面に形成された一対の電極層とを
備えたPZT系圧電素子を用い、70〜120°Cの大
気中で、圧電体に1.2kV/mm〜2.6kV/mm
の電界を印加して圧電体を分極することを特徴とするも
のである。
【0007】本発明方法はPZT系の圧電素子を対象と
する。PZT系とは、ジルコン酸鉛(PbZrO3 )と
チタン酸鉛(PbTiO3 )の固溶体の総称を意味し、
必要に応じてNb、Co等の第3成分を含んでいても良
い。本発明方法では、70〜120°Cの大気中で圧電
体に電界を印加し、圧電体を分極する。大気の温度は分
極の程度に影響を与える。一般的には、温度が低いと、
電界を大きくする必要がある。分極に要する時間は、圧
電素子に要求される特性等に応じて選択されるが、一般
的には10〜100分程度が好ましい。
【0008】本発明方法では、炉室等の様な密閉室内で
多数個の圧電素子を1度に分極処理する場合、雰囲気が
均熱になることが好ましい。分極する際の温度は前述し
た様に分極の程度に影響を与えるからである。この意味
で、ファン等の攪拌手段で、加熱空気を攪拌しつつ分極
処理することができる。
【0009】
【作用】本発明方法で大気分極した圧電素子では、必要
な圧電特性が得られる。
【0010】
【実施例】以下、本発明方法の実施例を図面を参照して
説明する。本例で用いる装置の模式図を図3に示す。図
3に示す様に、この装置1は、炉体10と、炉体10内
に配置されたフレーム11と、フレーム11に装備され
並列配置の多数個の電圧印加部12をもつ取付部13
と、電圧印加部12にリード線14、15を介して直流
の高電圧を印加する高電圧発生器16とを備えている。
電圧印加部12は、電極120をもつ固定部121と、
電極123をもつ昇降部124とをもつ。更に、炉体1
0内に配置されたヒータ20と、ヒータ20を駆動する
ヒータ駆動部21とが装備され、更に、炉体10内の空
気を攪拌するファン22と、ファン22を駆動するファ
ン駆動部23とが装備されている。炉内の温度は温度セ
ンサ25により検知され、炉内の温度に応じて、制御部
27はヒータ駆動部21及びファン駆動部23を制御
し、炉内温度の一定化を図る。これにより分極処理の際
の温度が100°C程度に設定される。
【0011】本例で用いる圧電素子3の概略断面を図5
に示す。図5に示す様に、圧電素子3は、PZT系セラ
ミックスからなるチップ状の圧電体30を用い、圧電体
30の表裏両面に、銀ペーストをスクリーン印刷し、乾
燥させて一対の電極層31を積層することにより、形成
されている。なお、圧電体30は、厚みが0.33m
m、外径が14.7mm、内径が4.6mmである。圧
電体30はPZT系セラミックスで構成され、PbZr
3 が62.4%、PbTiO3 が34.5%、Nb2
5 、SrOが3.1%含まれている。
【0012】そして図4から理解できる様に、電圧印加
部12の昇降部124を持上げて、昇降部124の電極
123と固定部121の電極120とで圧電素子3を挟
持する。その状態で、高電圧発生器16から各電圧印加
部12に給電する。これにより100°Cの大気の中
で、各圧電体30に650Vの電圧を印加し、各圧電体
30をまとめて分極処理する。なお、分極時間は10〜
100分である。
【0013】また他の試験例として、750Vの電圧で
も分極処理する。ここで、本例で用いる圧電体30の厚
みは0.33mmのため、650Vの電圧は約2.0V
/mmの電界に相当し、750Vの電圧は約2.3V/
mmの電界に相当する。この条件で大気分極すれば、ス
パークによる圧電体30の割れは回避または大幅に削減
される。
【0014】なお、その後、100℃×60分の条件
で、圧電素子3をエージング処理する。この様にして形
成した圧電素子3の分極量を調べたところ、図6に●の
様な結果が得られ、シリコンオイルの使用を廃止した大
気分極においても必要な静電容量が確保されることが、
把握された。なお、シリコンオイル中で従来の条件(圧
電体30の厚み0.33mmの場合で電圧990V、電
界約3kV/mm)で分極処理した圧電素子の分極量
は、図6において○で示されている。この結果から明ら
かな様に、大気分極したものと、シリコンオイル中で分
極したものとでは、分極量は大差ない。
【0015】更に、圧電特性として、共振抵抗R1 、静
電容量Cf、径方向電気機械結合係数Kp、機械的品質
係数Qmを調べ、その結果を図7に●として示した。な
お、シリコンオイル中で従来の条件で分極処理した圧電
素子の分極量は、図7において○で示されている。この
結果から明らかな様に、本例によれば、シリコンオイル
中で従来の条件で分極したものと大差のない圧電特性を
もつ圧電素子3が得られることが把握される。
【0016】従って本例によれば、分極処理の際のシリ
コンオイルを廃止できるため、環境汚染防止の面、コス
トの面で有利であり、しかも圧電素子3に付着したシリ
コンオイルを洗浄する工程、洗浄後に圧電素子3を乾燥
する工程を廃止し得るので、工程削減も可能である。更
に本実施例では、ファン22で空気を攪拌して炉体10
内の均熱化を図ることができるので、多数個の圧電素子
3をまとめて分極処理する場合であっても、各圧電素子
3の分極の程度のばらつき回避に有利である。
【0017】(他の例)上記した実施例では、ファン2
2で空気を攪拌して均熱化を図るが、場合によっては、
ファン22による攪拌処理をせずとも良い。
【0018】
【発明の効果】本発明方法によれば、分極処理の際のシ
リコンオイルの使用を廃止しても、必要な圧電特性をも
つ圧電素子が得られる。更に、シリコンオイルを廃止で
きるため、環境汚染防止の面、コストの面で有利であ
り、しかも圧電素子に付着したシリコンオイルを洗浄す
る工程、洗浄後に圧電素子を乾燥する工程を廃止し得る
ので、工程削減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】大気分極における分極電圧と静電容量との関係
を示すグラフである。
【図2】大気分極における分極電圧とスパーク割れの発
生率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例で用いる装置の概念図である。
【図4】電圧印加部に圧電素子をセットする状態を示す
正面図である。
【図5】圧電素子の断面図である。
【図6】分極電圧と分極量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】圧電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、16は高電圧発生器、3は圧電素子、30は圧電
体、31は電極層を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電体と該圧電体の表裏両面に形成された
    一対の電極層とを備えたPZT系圧電素子を用い、70
    〜120°Cの大気中で、該圧電体に1.2kV/mm
    〜2.6kV/mmの電界を印加して圧電体を分極する
    ことを特徴とするPZT系圧電素子の分極方法。
JP23740492A 1992-09-04 1992-09-04 Pzt系圧電素子の分極方法 Pending JPH0685345A (ja)

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JPH0685345A true JPH0685345A (ja) 1994-03-25

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7772747B2 (en) 2008-03-21 2010-08-10 Fujifilm Corporation Process for producing a piezoelectric film, film forming apparatus, and piezoelectric film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7772747B2 (en) 2008-03-21 2010-08-10 Fujifilm Corporation Process for producing a piezoelectric film, film forming apparatus, and piezoelectric film

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