JPH06224486A - 圧電セラミックスの分極方法 - Google Patents

圧電セラミックスの分極方法

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JPH06224486A
JPH06224486A JP1083093A JP1083093A JPH06224486A JP H06224486 A JPH06224486 A JP H06224486A JP 1083093 A JP1083093 A JP 1083093A JP 1083093 A JP1083093 A JP 1083093A JP H06224486 A JPH06224486 A JP H06224486A
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JP
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polarization
voltage
polarizing
applying
piezoelectric ceramics
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JP1083093A
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Takenobu Sakai
酒井  武信
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】残留分極の経時変化が防止された圧電セラミッ
クスを容易に形成する。 【構成】目的とする分極方向を得る為に必要な電圧印加
方向とは逆方向の電圧を圧電セラミックスに印加して分
極する第1分極工程と、逆方向に分極された圧電セラミ
ックスに目的とする分極方向を得る為に必要な電圧印加
方向の電圧を印加して分極する第2分極工程と、を行
う。予め逆方向に電圧を印加することにより内部バイア
ス電界が生じると推測され、この内部バイアス電界がド
メインの90°スイッチングを抑制していると考えられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電セラミックスを分
極する方法に関する。本発明の分極方法で得られた圧電
セラミックスは、自動車などに用いられる圧電アクチュ
エータとして最適である。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば特開昭62−291187号公報、
実開昭64−30865号公報などに開示されているよ
うに、チタン酸ジルコン酸鉛(以下PZTという)など
の圧電セラミックスを利用した圧電アクチュエータが提
案されている。
【0003】この圧電アクチュエータは低消費電力で発
熱が少なく、また小型で高速駆動が可能なため、各種の
機械的駆動素子として極めて有望である。ただ圧電効果
による機械的変位は本質的に極めて小さいので、大きな
変位量を得るために、板状の圧電体と電極板とを交互に
多重に積層した構造の圧電積層体として提供されてい
る。
【0004】ところでPZTなどの自発分極は、通常、
等方性である。そのため、圧電セラミックスとするため
には、高電圧を印加し自発分極の向きを特定方向に揃え
る分極処理を行って圧電性をもたせるようにしている。
しかしながら圧電セラミックス材料に分極処理を行って
も、得られる残留分極は単結晶の分極には及ばない。ま
た、残留分極は経時により漸減し易く、経時での圧電特
性の低下が生じたり、高圧力、高温、高電圧での使用に
よる高応力状態の場合には圧電特性が不安定となるとい
う不具合がある。そのため、例えばPZT圧電セラミッ
クスを用いた圧電アクチュエータでは、特に自動車用な
ど高温での使用中に変位量の低下(変位劣化)が生じ、
所望の変位量が得られなくなるという問題がある。
【0005】そこで特開昭62−234381号公報に
は、圧電セラミックスの加圧焼結時または/およびアニ
ーリング処理時に、加圧焼結時の加圧方向に対して垂直
方向の電界を印加する圧電セラミックスの製造方法が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報にも記載され
ているように、圧電セラミックスには残留分極の経時変
化が少なからず生じていた。そのため圧電アクチュエー
タの変位量を一定とするためには、駆動用電源の電圧又
は電流を制御するための複雑な制御用電源回路や冷却装
置などが必要となり、コスト面などから圧電アクチュエ
ータの利用拡大の障害となっている。
【0007】そこで本発明者らは、圧電アクチュエータ
の使用中に変位量が低下する原因を鋭意研究した結果、
圧電セラミックスの電気機械結合係数Kp(以下Kpと
いう)が使用中に低下することが大きな原因であること
を見出した。そしてKpは使用中の圧力,温度,電圧な
どの負荷によって低下し、このKpの低下は、主として
ドメインの90°スイッチングに起因していることも見
出した。しかしドメインの90°スイッチングを防止
し、Kpの低下を防止する手段は今のところ見つかって
いない。
【0008】また上記特開昭62−234381号公報
に開示された製造方法では、加熱と電圧印加を同時に行
う必要があり、加熱時に溶融しない材料を選ばなければ
ならないなど、電極材料の選択の自由度が小さく工数も
多大となる。本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、残留分極の経時変化が防止された圧電セラ
ミックスを容易に形成することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電セラミックスの分極方法は、圧電セラミックス
に電圧を印加して分極するにあたり、目的とする分極方
向を得る為に必要な電圧印加方向とは逆方向の電圧を圧
電セラミックスに印加して分極する第1分極工程と、逆
方向に分極された圧電セラミックスに目的とする分極方
向を得る為に必要な電圧印加方向の電圧を印加して分極
する第2分極工程と、を行うことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の分極方法では、先ず第1分極工程で目
的とする分極方向を得る為に必要な電圧印加方向とは逆
方向の電圧が印加され、圧電セラミックスは逆方向に分
極される。次いで目的とする分極方向とするべく、第1
分極工程とは逆方向の電圧が印加されて第2分極工程が
行われる。これにより残留分極の経時変化が抑制された
分極状態をもつ圧電セラミックスが得られる。
【0011】このようになる機構はまだ明らかではない
が、予め逆方向に電圧を印加することにより、圧電セラ
ミックス内部のポアや介在物の周りに内部バイアス電界
が生じ、この内部バイアス電界がドメインの90°スイ
ッチングを抑制しているものと考えられる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)<試験片の作製>原料粉末としてのPb
O,ZrO2 ,TiO2 ,Sr2 3 ,Nb2 5 を、
Pb0.89Sr0.11(Zr0.55Ti0.44Nb0.01)O3
組成となるように秤量後、ボールミルで48時間粉砕
し、900℃で1時間焼成後、再びボールミルで粉砕・
乾燥した。この粉末にバインダとしてのPVA(ポリビ
ニルアルコール)を約5重量%加えて造粒後、1ton
/cm2 の圧力で直径約20mm、厚さ約15mmの円
柱状の成形体を20個形成した。
【0013】得られた各成形体を、Pb雰囲気調整用P
bZrO3 粉末とともにアルミナ坩堝に入れ、電気炉内
で昇温速度300℃/hrで昇温し、1250℃で2時
間焼結した。この焼結体を直径15mm、厚さ1mmの
円板状に切り出し、表裏面に銀ペーストを塗布し550
℃で10分間焼き付けて電極を形成して、比誘電率(ε
33 T /ε0 )及びKp測定用試験片とした。 <第1分極工程>それぞれの試験片1について、図1
(a)に示すように、100℃のシリコンオイル2中で
3kv/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を
行った。 <第2分極工程>次に、図1(b)に示すように、第1
分極工程とは陽極と陰極を逆に、すなわち電圧印加方向
が逆になるように配線し、同様に100℃のシリコンオ
イル2中で3kv/mmの直流電圧を30分間印加して
分極処理を行った。 <試験>第2分極工程後24時間放置し、その後、第2
分極工程における電圧印加方向を正方向として、Kp及
び比誘電率(ε33 T /ε0 )を測定した。また正方向に
0〜700vの電圧を印加したときの、試験片厚さ1m
m当たりの変位量を測定した。結果を表1に示す。
【0014】さらに、温度100℃にて分極正方向に2
0MPaの圧力を加えた状態で、0〜700vの電圧を
101 〜108 回繰り返し印加する耐久試験を行い、繰
り返し回数に対するKpと比誘電率の変化を図2に、試
験片厚さ1mm当たりの変位量の変化を図3に示す。 (実施例2)第1分極工程における処理温度を30℃と
したこと以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、
同様に初期と耐久試験時のKp、比誘電率及び変位量を
測定し、結果を表1、図2及び図3に示す。 (実施例3)第2分極工程における処理温度を30℃と
したこと以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、
同様に初期と耐久試験時のKp、比誘電率及び変位量を
測定し、結果を表1、図4及び図5に示す。 (実施例4)第1分極工程及び第2分極工程における処
理温度を、それぞれ30℃としたこと以外は実施例1と
同様にして試験片を作製し、同様に初期と耐久試験時の
Kp、比誘電率及び変位量を測定して、結果を表1、図
4及び図5に示す。 (従来例)第1分極工程を行わず第2分極工程のみを行
ったこと以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、
同様に初期と耐久試験時のKp、比誘電率及び変位量を
測定して、結果を表1、図2、図3、図4及び図5に示
す。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例5〜9)第2分極工程における正
方向の印加電圧を、3.6〜1.2kv/mmの間で種
々選択したこと以外は実施例1と同様にして試験片を作
製し、同様に初期と108 回繰り返し耐久試験時のK
p、比誘電率及び変位量を測定し、結果を表2に示す。 (実施例10〜14)第1分極工程における逆方向の印
加電圧を、3.6〜1.2kv/mmの間で種々選択し
たこと以外は実施例1と同様にして試験片を作製し、同
様に初期と108 回繰り返し耐久試験時のKp、比誘電
率及び変位量を測定し、結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】(実施例15〜18)圧電セラミックスの
組成をPb0.89Sr0.11(Zr0.56Ti0.43Nb0.01
3 とし、かつ第2分極工程における正方向の印加電圧
を、3.6〜2kv/mmの間で種々選択したこと以外
は実施例1と同様にして試験片を作製し、同様に初期と
108 回繰り返し耐久試験時のKp、比誘電率及び変位
量を測定し、結果を表3に示す。
【0019】なお、実施例1〜14の圧電セラミックス
の組成は正方晶系であり、実施例15〜18の圧電セラ
ミックスの組成は菱面晶系で、Pb0.89Sr0.11(Zr
0.60Ti0.39Nb0.01)O3 で表される。
【0020】
【表3】
【0021】(評価)表1〜3及び図2〜5の結果から
明らかなように、実施例で得られた圧電セラミックス
は、従来例で得られたものに比べて初期の変位量が大き
く、耐久試験に伴うKpの低下が小さいため変位量の変
化率が小さい。これは正方向に分極処理するに先立っ
て、逆方向に分極処理したことに起因することが明らか
である。
【0022】
【発明の効果】すなわち本発明の分極方法により得られ
た圧電セラミックスは、大きな変位量を示し、かつ残留
分極の経時変化が抑制されているため耐久性に優れてい
る。したがってこの圧電セラミックスを用いて圧電アク
チュエータを製造すれば、変位低下補正のための電源回
路などが不要となり、また変位劣化防止のための冷却装
置などを不要とすることができ、低コスト化及び構造の
簡易化に貢献することが可能となる。
【0023】そして本発明の分極方法によれば、従来の
分極方法を2回に分けて行うのとほとんど同様の工数で
あり、上記圧電セラミックスを極めて容易に、かつ安定
して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の分極方法を説明する模式的
説明図である。
【図2】Kpと比誘電率の耐久試験回数に対する変化を
示すグラフである。
【図3】厚さ1mm当たりの変位量の耐久試験回数に対
する変化を示すグラフである。
【図4】Kpと比誘電率の耐久試験回数に対する変化を
示すグラフである。
【図5】厚さ1mm当たりの変位量の耐久試験回数に対
する変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1:試験片(圧電セラミックス) 2:シリコンオイ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスに電圧を印加して分極
    するにあたり、目的とする分極方向を得る為に必要な電
    圧印加方向とは逆方向の電圧を該圧電セラミックスに印
    加して分極する第1分極工程と、 逆方向に分極された該圧電セラミックスに目的とする分
    極方向を得る為に必要な電圧印加方向の電圧を印加して
    分極する第2分極工程と、を行うことを特徴とする圧電
    セラミックスの分極方法。
JP1083093A 1993-01-26 1993-01-26 圧電セラミックスの分極方法 Pending JPH06224486A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN105655479A (zh) * 2015-12-30 2016-06-08 中国科学院上海硅酸盐研究所 在压电陶瓷中获得大应变效应的极化老化处理方法

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