JP3037368U - 自動車 - Google Patents

自動車

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JP3037368U
JP3037368U JP1996012442U JP1244296U JP3037368U JP 3037368 U JP3037368 U JP 3037368U JP 1996012442 U JP1996012442 U JP 1996012442U JP 1244296 U JP1244296 U JP 1244296U JP 3037368 U JP3037368 U JP 3037368U
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一浩 上月
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細見 潤逸
一浩 上月
上月 千恵子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陸上で通常どおりに使用できる一方、水中に
転落した際にはしばらく浮上状態を保つことができて乗
員の脱出を可能にする自動車を提供する。 【解決手段】 水中に没したことを検知するセンサー1
1・21と、通常は折り畳まれていながら上記センサー
11・21からの信号を受けて内部にガスを急速充満さ
せ車体の外部で膨らむ膨張袋14L・14R・24とを
車体に取り付けている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、誤って水中に転落したとき乗員が自ら脱出しまたは救出されるこ とを可能にする自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
夜の港などでは、岸壁から海中へと誤って自動車の転落する事故が発生するこ とがある。その場合、乗員は自動車とともに水中に沈み、悲惨な結果に至ること が多い。乗員が助からないのは、自動車が一旦水中に入ると、ドアに水圧がかか って内側からそれを開けることが困難になるからである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
自動車が陸上から水中に転落しても、しばらく水面付近に浮いていることがで きれば、乗員は容易に車内から脱出等することができ、最悪の事態を免れること ができるはずである。しかし現実には、港湾作業用の自動車にも、また漁業関係 者の自動車にも、車体を浮かすための手段は装備されていない。その理由はおそ らく、軽くても1トン近い重量のある自動車を水面付近に浮かせ得るだけの浮力 をもたらしながらも通常時(すなわち普通に陸上を走行する際)にはかさばらな い、という適切な手段が考案されなかったからであろう。
【0004】 この考案の目的は、そのような適切な手段を備える自動車であって、陸上で通 常どおりに使用できる一方、水中に転落した際にはしばらく浮上状態を保つこと ができて乗員の脱出を可能にするもの、を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の自動車は、水中に没したことを検知するセンサーと、通常は 折り畳まれていながら上記センサーからの信号を受けて内部にガスを急速充満さ せ車体の外部で膨らむ膨張袋とを車体に取り付けていることを特徴とする。 請求項1のこの自動車は、水中に転落した場合、つぎの作用によって水面付近 に浮かぶことができる。すなわち、自動車が転落して水中に入ると、車体に設 けたセンサーがそのことを検知する、センサーが発する検知信号を受けて、や はり車体に設けた膨張袋が、内部にガスを急速充満させ車体の外部で膨らむ、 膨張袋が車体の外部にて膨らむと、それが浮力を発生し車体を水上に浮かべる。 ただし、その膨張袋は通常は上記のように折り畳まれて車体にコンパクトに取り 付けられるため、この自動車は、陸上での使用について膨張袋から支障を受ける ことはない。
【0006】 請求項2の自動車は、上記の膨張袋が、車体に搭載されたガスボンベまたは点 火されて気体を生じるガス発生剤によって内部にガスを充満させるものであり、 膨らんだ状態で少なくとも3分間車体を水面付近に浮かせておくことができるも のであることをも特徴とする。ガスボンベによってガスを充満させる膨張袋とし ては、炭酸ガスなどのボンベをガス源とする船舶用救命ゴムボート(膨張式救命 筏)のようなものが考えられる。ガス発生剤を利用するものとしてはたとえば、 運転席のハンドル部分に内蔵配置されるSRSエアバッグのように、センサーの 信号を受けて点火剤がガス発生剤に点火し、窒素ガスを急速に発生させて膨張袋 内に吹き込む構造のもの等が考えられる。 上記のように構成されている請求項2の自動車では、膨張袋が膨らんだとき、 少なくとも3分間は車体を水面付近に浮かせておくことができるため、乗員はそ の間に落ち着いて脱出策を考え、かつ実行することができる。乗員が実際に車外 に脱出するためには数十秒もあれば足りるが、余裕をもたせて乗員を冷静でいさ せるためには、3分間程度の時間が確保されている必要がある。なお、3分間と いう条件から、膨張袋には完璧な密封性は必要でない。したがって、膨張袋は比 較的薄手の布地等によって形成され、折り畳まれた状態では、かさばらずコンパ クトに収容されることになる。
【0007】 請求項3の自動車は、上記の膨張袋が、車体の前部及び後部に取り付けられて いて上向きに膨らむものであることをも特徴とする。 膨張袋が車体の前部と後部とにそれぞれ取り付けられているから、車体を概ね 水平に保って水面付近に浮かべることが可能である。しかもその膨張袋が車体か ら上向きに膨らむものであって、必ず上向きに車体の上部を引き上げるから、車 体は上下を逆にすることなく正立姿勢で浮かぶことになる。水面に近い位置で車 体が正立姿勢を保てば、乗員は冷静さを保ちやすく、また室内での動作(膨張袋 が水面付近に浮かぶとき車体はそのすぐ下にあってドアの大部分が水中にあるこ とになるため、乗員はドアのガラスを割るなどの動作をなす必要がある)を行い やすい。
【0008】 請求項4の自動車は、上記の膨張袋が、車体前部についてはエンジンルームの 最前部左右に各1個、車体後部についてはトランクルームに1個それぞれ収容さ れていて、車体外板面にある蓋を開けて車体外に膨らむものである――といった 点にも特徴を有する。 このように、エンジンを搭載していて重い車体前部に対しては最前部の左右そ れぞれに膨張袋を設け、比較的軽い後部に対しては幅の中央付近に1個のみ膨張 袋を配置すると、最少数の膨張袋によって車体を概ね水平に保ち、安定的に水面 付近に浮かべることができる。しかも、収容箇所をエンジンルームおよびトラン クルームにとると、膨張袋の収容スペースを確保することも容易である。車体外 板面の位置に収容箇所のための蓋を設けていて、膨張袋がその蓋を開けて車体外 に膨らむようにしておくと、通常時(走行中)に外観がよく、また水中転落時に は膨張袋が円滑に機能する。
【0009】 請求項5の自動車は、請求項1または2の自動車について、膨張袋として、車 体の最前部に取り付けられていて前方へ膨らむもの、車体の最後部に取り付けら れていて後方へ膨らむもの、および車体の底部に取り付けられていて側部へはみ 出さぬように膨らむもののみを配置し、かつ、その配置が車体の左右に対称であ るようにしたことをも特徴とする。 膨張袋によって自動車を水上に浮かべる場合、自動車が水中で上下逆さまにな ることを防止すべきであるが、さらに、自動車のうちできるだけ多くの部分を水 面上に出しておくのが好ましい。水面上に出る部分が多ければ、ドアに作用する 水圧が小さくなるため、乗員は楽にドアを開いて車外へ脱出できるからである。 その点、この請求項5の自動車のように膨張袋を配置するなら、車体の大部分を 水上に出せるうえ、車体を逆さまにしてしまう恐れも少ない。車体の上部ではな く底部に膨張袋を設けることにより車体を水面上に押し上げてその大部分を水上 に出すとともに、車体の最前部および最後部にそれぞれ前方・後方へ向けて膨ら む膨張袋をも取り付けて、車体底部のみに膨張袋を設けるよりも車体の正立性を 維持しやすくし、しかもそれらの配置を左右対称として安定性を保ちやすくした からである。請求項5の自動車ではさらに、車体の底部に取り付ける膨張袋を側 部へはみ出さぬように膨らませることとして、これら以外には膨張袋を設けない ので、膨張袋がドアを開ける上での妨げになることがない。なお、自動車が水中 に転落するのは、ほとんどの場合、車体の最前部か最後部からであることを考慮 すると、車体の最前部と最後部とに膨張袋を有するこの自動車では、転落時の勢 い等により前回りや後ろ回りに車体が回転して上下が逆さまになるという危険性 を回避しやすい(請求項6を参照)。
【0010】 請求項6の自動車は、請求項5の自動車についてさらに、車体の最前部および 最後部に取り付けられた膨張袋を、車体の最前部および最後部に個々に取り付け られたセンサーとそれぞれ接続していて各センサーの信号を受けて直ちに(つま り他の膨張袋よりも先に)膨らむものとし、残りの膨張袋を、直ちに膨らむ上記 の膨張袋から遅れて膨らむものとした、という特徴を有する。 スピードを出しているときにたとえば前向きに水中に飛び込んだ場合、この請 求項6の自動車では、車体最前部に取り付けられたセンサーがまず機能して車体 最前部の膨張袋を直ちに膨らませる。そうすると、飛び込んだとき最も水中深く 突っ込んだ車体最前部にその膨張袋による浮力が作用して、その最前部を引き上 げるので、転落時の勢いで車体が前方へ半回転して逆さまになる事態が避けられ る。その少し後(たとえば1秒程度経過後)に車体最後部の膨張袋など残りのも のを膨らませれば、車体は確実に正立状態で水上に浮上することになる。車体が 左右に傾いたり揺れたりしている不安定な時期に底部の膨張袋を膨らませると車 体が左右に半回転して逆さまになる恐れもあるので、底部の膨張袋は最も後に( 車体が正立状態で安定してから)膨らませることとするのもよい。なお、車体が 後ろ向きに水中に飛び込む場合には、以上とは逆に最後部のセンサーにより最後 部の膨張袋を最初に膨らませ、残りの膨張袋を後に膨らませることによって、車 体を確実に正立状態に保ちながら浮上させることが可能になる。海中への転落事 故のうち多くがこのように前向きまたは後ろ向きに飛び込むものであることを考 慮すると、請求項6の自動車におけるこのような作用には重要な価値がある。
【0011】 請求項7の自動車は、上記のセンサーとして、100〜1000mmAq(ゲ ージ圧)を超える圧力を受けたか否かを検知する水圧センサーを使用するもので ある。このようなセンサーは、水によって100〜1000mmAqの圧力を受 けたとき膨張袋に対して信号を送るので、車体が水中に没したか否かを的確に検 知する。100〜1000mmAqの圧力とは、水深10〜100cmの圧力を さし、水中に没したか否かの判断基準として適切である。100mmAq以下の 低圧を基準にすると、雨天時の雨滴等によってセンサーが誤作動しやすく、また 1000mmAq以上の高圧を基準にすると、自動車を浮上させるタイミングと して遅すぎることになりかねない。
【0012】
【考案の実施の形態】
図1(a)・(b)に、本考案の実施について第一の形態を示す。図1(a) は自動車1の側面図、同(b)はその正面図である。
【0013】 図のように、自動車1は車体の最前部左右の各1カ所と車体後部の1カ所との 合計3カ所にそれぞれ膨張袋14L・14R・24を装備している。これらの膨 張袋は、いずれもゴム加工を施した合成繊維布地からなり、普段はコンパクトに 折り畳まれているが、自動車1が水中に没したときには内部にガスを充満させ、 車体外で上方へ膨らむものである。ガスの圧力や各膨張袋の容積および配置等を 適切に定めているため、仮想線で示す水面Aの付近で図のように膨張袋14L・ 14R・24が膨らんだとき(仮想線を参照)、図のように自動車1が水中の浅 い位置に浮かぶことができる。
【0014】 上記膨張袋を膨らませるための手段は、どの膨張袋14L・14R・24につ いても同様だが、車体最前部左方の膨張袋14Lを例にとって説明するとつぎの とおりである。膨張袋14Lは、まず、エンジンルーム内の上部に設けられた収 容箱13のうちに収めている。箱13は、内部から押されたとき上向きに開く蓋 13aを車体外板(ボンネット)と同一面上に有している。膨張袋14の基端部 にあるガス吹込み口は、車体フレームと一体であるガス吹込み管に対して強固に (膨らんだときも外れないように)連結しており、その吹込み管は高圧炭酸ガス ボンベ12に接続している。そしてボンベ12の出口管には、水没したことを検 知するセンサー11に連動する開閉バルブを設けている。センサー11が作動し たときにのみそのバルブが開き、ボンベ12内の圧縮炭酸ガスを膨張袋14内に 注入するのである。車体最前部右方の膨張袋14Rについても以上と同様で、袋 14Rは上記と同様の収容箱(図には表れない)に収め、センサー(同)および バルブ付きの炭酸ガスボンベ(同)に接続している。また、車体後部の膨張袋2 4も、同様にセンサー21付きの炭酸ガスボンベ22と接続して収容箱23内に 収めている。なお、上記三つのセンサーはいずれも水圧センサーであり、300 mmAqの圧力を検知したとき、水没したことを示す信号を発する。
【0015】 そしてこの自動車1では、上記した車体最前部の膨張袋14L・14Rのため のセンサーとガスボンベ・収容箱等を、図1(a)・(b)のようにエンジンル ームの最前部左右に取り付け、車体後部の膨張袋24のためのセンサー・ガスボ ンベ・収容袋等を後部トランクルームの上部中央付近に配置している。このよう な位置は、それらの機器配置が容易であるうえ、三つの膨張袋14L・14R・ 24を水中で膨らませて浮力を得るとき、それらを結ぶ三角形が車体の重心(エ ンジンを前部に有するため、重心はやや前方にある)を中央付近に含むことにな り、自動車1を安定的に水面付近に浮かすことになる。
【0016】 膨張袋14L・14R・24は図1のように上向きに膨らんで車体を引き上げ るため、水中での自動車1の姿勢を必ず正立状態に保つことができる。このとき 車体は、水面下の浅い位置であるとはいえ水中に没することを免れないから、乗 員が車外に脱出するためには何らかの手段でドアを開けるかまたはガラスを破る 必要があるが、それはさほど困難なことではない。車体が正立していて水面付近 の浅い位置に保たれる以上、水圧が低いうえに乗員の冷静さも保たれやすいから である。なお、車内に小型のハンマーなどを備え付けておくと、ガラスを破るこ とが容易になる。
【0017】 続いて図2および図3に、本考案の実施について第2の形態を示す。図2は自 動車31の側面図、図3(a)・(b)は、水中に飛び込んだときからのその自 動車31の機能を説明する図である。
【0018】 自動車31には、図2のように膨張袋を4個取り付けている。前方へ膨らむよ うに車体の最前部に取り付けた膨張袋44、後方へ膨らむように車体の最後部に 取り付けた膨張袋54、ならびに車体底部の前部および後部に取り付けた膨張袋 47・57――の合計4個である。いずれも車体幅の中央に取り付けている。車 体底部の膨張袋47・57には、車体の前後および幅方向への広がりをもたせる とともに、水中で車体が逆さまにならないよう上下方向の寸法を小さく抑えてい る。また、膨らんだ際にもドアを開けることができるよう、膨張袋47・57に は車体側部にはみ出さない形状および配置を付与している。
【0019】 膨張袋44・47・54・57はいずれも合成繊維布地にて製造し、通常はコ ンパクトに折り畳んで収容箱43・46・53・56のうちにそれぞれ収め、ガ ス吹込み管と個々に結合させている。各吹込み管には固体ガス発生剤を内蔵する インフレータ42・45・52・55を接続している。インフレータは運転席等 のSRSエアバッグにガスを充満させるものと同様の構成を有しており、点火剤 にて点火されたガス発生剤が多量の窒素ガスを急速に発生させ、上記の吹込み管 を介してそれを各膨張袋に送るものである。各インフレータを機能させる手段と しては、約500mmAqの水圧を受けて機能信号を発する水圧センサー41・ 51を、車体の最前部および最後部に取り付けている。前部のセンサー41を二 つのインフレータ42・45に接続し、後部のセンサー51は他の二つのインフ レータ52・55に接続しているが、インフレータ45・55には遅延タイマー を設けて、他のものよりも作動が1〜2秒遅れるようにしている。
【0020】 以上のような自動車31が、誤って図3(a)のように前部から水中に飛び込 んだとする。このときの膨張袋等の機能はつぎのとおりである。 車体前部に設けたセンサー41が先に水面Aの下に入り、瞬時に水圧を検 知してインフレータ42・45に信号を発する。 遅延タイマーのため車体底部のインフレータ45はまだ機能しないが、車 体最前部のインフレータ42はセンサー41からの信号を受けて直ちに機能し、 図3(a)のように最前部の膨張袋44を車体外へ膨らませる。 真っ先に膨らんだ膨張袋44は、最も深く水中に突っ込んだ車体最前部を 上方に引き上げて車体の姿勢を水平に近づける働きをし、飛び込んだ勢いで車体 が前方へ半回転して上下が逆さまになることを防止する。 続いて車体後部も水面A下に入り、センサー51が水圧を検知してインフ レータ52・55に信号を送るので、2番目として最後部の膨張袋54が外へ膨 らむ。 さらに、遅延タイマーの作用でわずかに遅れて車体底部の膨張袋47・5 7が順に車体外へ膨らむ。先に膨らむ膨張袋44・54の浮力を大きく設定した 場合には、遅延タイマーの時間をやや長く設定し、車体の揺れや傾きが収まった 頃に底部の膨張袋47・57を膨らませるのも、車体の正立性維持の観点から好 ましい。 以上によってすべての膨張袋44・47・54・57が膨らみ、自動車3 1は大部分が図3(b)のように水面A上に浮かぶことになる。この状態で、乗 員はドア61・62を開いて車外へ脱出することができる。 なお、自動車31が後部から水中に転落する場合も以上の〜に準じてセン サーや膨張袋が機能するが、その場合に最初に膨らむのは最後部の膨張袋54で ある。
【0021】
【考案の効果】
請求項1に記載の自動車は、水中に転落したとき水面付近に浮かぶことができ て、車内からの乗員の脱出もしくは救出を可能にする。しかも、車体を浮かべる ための手段が折り畳み式の膨張袋であって車体にコンパクトに取り付けられるた め、自動車としての本来の使用に支障をきたすことがない。したがってこの自動 車は、港湾作業用や漁業関係者の乗用などとして特に好適である。
【0022】 請求項2の自動車は、少なくとも3分間は車体を水面付近に浮かべることがで きるため、乗員が落ち着いて車外に脱出することができる。また、3分間という 条件から膨張袋に完璧な密封性が必要でないため、膨張袋は比較的薄手の布地等 によってかさばらないように構成され車体内にコンパクトに取り付けられる。
【0023】 請求項3の自動車は、膨張袋が車体の前部及び後部に取り付けられていて上向 きに膨らむため、車体が、逆さまにならずに必ず正立姿勢で浮かぶことになる。 したがって、乗員は冷静さを失わず、脱出に必要な動作を落ち着いてなすことが できる。
【0024】 請求項4の自動車によれば、最少数の膨張袋によって車体を概ね水平に保ち、 安定的に水面付近に浮かべることができる。また、膨張袋等の収容スペースを確 保することも容易である。車体外板面に収容箇所用の蓋を設けているので、通常 時(走行中等)の外観が損なわれることもない。
【0025】 請求項5の自動車は、膨張袋の配置上の特徴から、水中に落ちた車体の大部分 を水上に出せるうえ、車体を逆さまにしてしまう恐れが少ない。また、車体の底 部に取り付ける膨張袋についても側部へはみ出さぬように膨らませるので、膨張 袋がドアの開きを妨げることもない。したがって、水中に飛び込んだ際にも、乗 員は容易にドアを開けてこの自動車から出ることができる。
【0026】 請求項6の自動車は、飛び込んだとき最も水中深く突っ込む車体最前部または 最後部を、最前部もしくは最後部にある所定の膨張袋によってまず引き上げるの で、転落時の勢いで車体が前方へ半回転して逆さまになる事態が避けられ、車体 が確実に正立状態で水上に浮上する。
【0027】 請求項7の自動車は、水中に没したことを検知するのセンサーとして、適切な 検出圧にセットされた水圧センサーを使用するので、誤作動をせず、またタイミ ングを逃すこともなく、車体が水中に没したか否かを的確に検知する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施について第一の形態を示す図であ
り、図1(a)は自動車1の側面図、同(b)はその正
面図である。
【図2】本考案の実施について第2の形態を示す図で、
自動車31の側面図である。
【図3】図3(a)・(b)は、水中に飛び込んだとき
からのその自動車31の機能を順に説明する図である。
【符号の説明】
1・31 自動車 11・21・41・51 センサー 14L・14R・24・44・47・54・57 膨張
袋 A 水面

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に没したことを検知するセンサー
    と、通常は折り畳まれていながら上記センサーからの信
    号を受けて内部にガスを急速充満させ車体の外部で膨ら
    む膨張袋とを車体に取り付けていることを特徴とする自
    動車。
  2. 【請求項2】 上記の膨張袋が、車体に搭載されたガス
    ボンベまたは点火されて気体を生じるガス発生剤によっ
    て内部にガスを充満させるものであり、膨らんだ状態で
    少なくとも3分間車体を水面付近に浮かせておくことが
    できるものであることを特徴とする請求項1に記載の自
    動車。
  3. 【請求項3】 上記の膨張袋が、車体の前部及び後部に
    取り付けられていて上向きに膨らむものであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の自動車。
  4. 【請求項4】 上記の膨張袋が、車体前部についてはエ
    ンジンルームの最前部左右に各1個、車体後部について
    はトランクルームに1個それぞれ収容されていて、車体
    外板面にある蓋を開けて車体外に膨らむものであること
    を特徴とする請求項3に記載の自動車。
  5. 【請求項5】 上記の膨張袋として、車体の最前部に取
    り付けられていて前方へ膨らむもの、車体の最後部に取
    り付けられていて後方へ膨らむもの、および車体の底部
    に取り付けられていて側部へはみ出さぬように膨らむも
    ののみが配置されており、かつ、その配置が車体の左右
    に対称であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の自動車。
  6. 【請求項6】 車体の最前部および最後部に取り付けら
    れた膨張袋は、車体の最前部および最後部に個々に取り
    付けられたセンサーとそれぞれ接続されていて各センサ
    ーの信号を受けて直ちに膨らむものであり、残りの膨張
    袋は、直ちに膨らむ上記の膨張袋から遅れて膨らむもの
    である請求項5に記載の自動車。
  7. 【請求項7】 上記のセンサーが、100〜1000m
    mAqを超える圧力を受けたか否かを検知する水圧セン
    サーである請求項1〜6のいずれかに記載の自動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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