JP5616559B1 - 自動車水没防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車で走行中や停車中に大津波や海面転落や大洪水などに遭遇して、車内に浸水しても、車体の完全水没を防止し、車内の乗員が漂流物にぶつかることから身を守ったり、荒波を飲み込んだりすることなく、車内水面の上部空間で呼吸ができる自動車水没防止装置を提供するものである。【解決手段】自動車の車内各所に、折り畳まれた浮き袋131と、前記浮き袋131を膨張させるためのガス供給器111を設置し、車内への浸水を検知して、手動または自動操作手段によりガスが供給された前記浮き袋131が車内に膨出し、前記複数の浮き袋131の浮力によって車体が半水没状態を保つとともに、少なくとも車内水面4の上部に乗員が呼吸可能な空間8を確保できる構成としたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に乗って避難中や走行中や停車中に、大地震による大津波や台風による巨大高潮や誤運転による海面転落や豪雨による大洪水などに遭遇して、車内に浸水しても、車体を半水没状態に保ち、車内の乗員が漂流物などにぶつかって負傷するのを防止し、荒波を鼻や口から飲み込むことなく、長時間にわたって車内水面上部に呼吸可能な空間を確保できる人命救助の自動車水没防止装置に関する技術である。
大地震の後、自動車に乗って避難中に交通渋滞に出会って、大津波に巻き込まれてしまい、海まで流されて水没し、大勢の人が行方不明になるとか、尊い命を落とされるということがありました。
また、車内から脱出したがために、流木などにぶつかって大けがをしたり、激流に飲まれて行方不明になったり溺れ死ぬ人が多数おられました。
また、地震時ではなくても、運転を誤って池や海に転落して脱出できずに自動車ごと水没し、命を失うということもありました。
そこで、自動車が池や海などに飛び込んだとき、乗員の脱出や救助が円滑に行えるように、所定位置まで沈んだら、センサーが検知して電動式のドアガラスやサンルーフを全開するとともに、天井パネル28やドアトリム34に設けたエアバッグ25が膨らんで沈みを抑制し、乗員が全開した所から脱出するのを容易にするという技術があった。(特許文献1参照。)。この技術は段落00025に記載されているように、吊り天井のエアバッグ25は浮きとして作用させるものであり、水が天井のエアバッグ25まで来ているということは、車体の完全水没は防止できても、水面上に空間がないため、車内上部に呼吸可能な空間を確保できる技術ではなかった。
それと、この技術では、平面状の天井パネル28やドアトリム34に内蔵されたエアバッグが、図5や図6に二点鎖線で示されるエアバッグ25のようにカマボコ型に膨張するということは、折り畳まれたものではなく、例えばゴムシートのように伸縮性のある材料より成る平面状のものが内蔵されていると理解される。
伸縮性材料よりなるエアバッグ25は例えばゴム風船のように注入される気体の量や圧力が大きいと膨れ過ぎを制御することが困難であり、膨れるとシートの厚さが薄くなり、引っ張り力も働いているため、車内のものがちょっと当たっただけでその部分が破裂するとか、膨れすぎて車内いっぱいになり呼吸可能な空間がなくなるとかの危険性があった。
そして、ドアパネルなど車内下方で膨らんだエアバッグは浸水の水面上昇とともに上昇するが、伸縮性があるシートのために自動車の重量の方が勝ってしまい浮き袋のシートが伸びて浮き袋は天井まで達して留まり、自動車の水没は防止できても、天井や水面上部に浮き袋があるため呼吸可能な空間を確保できない、という恐れがあった。
また、この技術では、伸縮性を有する材質よりなる周囲を密封された平面状のゴムシートのようなものは膨らむと丸い形状となるし、その伸縮性ゆえに、逆止弁31を備えているため膨張した容積の減少はないとしても、一部が押圧されて凹むと、他の部分がその容積分だけ膨らむということになるものである。水面上部に呼吸可能な空間ができたとしても、水中または水面に出た浮き袋の上部が丸い形状では滑りやすいため乗員が乗りにくいし、上部に乗れたとしても、エアバッグの上部が凹んで顔や鼻が水中に没してしまい、津波にのみ込まれたような緊急時には、落ち着いた行動が取れず、水を飲んで苦しむとか溺れてしまう危険性や、履物や着衣などが当たるとその部分が破裂してしまうという危険性をも生じるものである。
また、車両が河川や湖沼の水中に突入した場合、事故を検知してガスバッグが膨らんで沈没を防止する技術があった。(特許文献2参照。)。しかし、ガスバッグが車外に膨出して沈没を防止するものであるため、流木や木材から突き出た釘などの漂流物に当たると、突き刺さって破れて水没してしまう危険性があった。
また、自動車が水中に落ちると、天井から空気室3を備えた水中窒息防止器が落下してきて、乗員が空気室3に入って窒息を防止するというものがあった。(特許文献3参照。)。しかし、空気室3を水平に保つことは困難であり、浮力や水密性にも劣り、重い方に傾斜して浸水する可能性が大であり、短時間なら呼吸可能としても、長時間は困難であろう。
それと、自動車の後部座席前方部にエアバッグ収納部1を配設し、スイッチを押すとエアバッグが膨張して、運転席側と後部座席を遮断する技術があった。(特許文献4参照。)。しかし、これは後部座席の強盗から身を守るための技術であった。
そして、座席前方部材にエアバッグを設け、自動車衝突時にガス発生器によりエアバッグが展開する技術があった。特許文献5参照。)。これは、乗員の脚部が前方部材にぶつかるのを保護するための技術であった。
これら以外にも、自動車の衝突時にシートに座った乗員が車内の他のもの(前後、左右または上下の部材や他の乗員)にぶつかろうとするのを、膨出したエアバッグで防ぐための技術が多々提案されている。これらのエアバッグの取り付け位置はその目的に応じて車内の各所に設置されているが、全て、対象とする乗員と車内の他のものとの間に設置されて膨出するようになっていて、膨出したエアバッグに対象とする乗員がぶつかっても破断することなく、そのクッション性により乗員が負傷するのを防止するためのものであり、車内浸水時に車体を浮上させたり、車内上部に呼吸可能な空間を確保するためのものではなかった。
また、略球形や略円筒状の津波時に逃げ込むシェルターなるものが各種提案されているが、(特許文献6参照。)。内部に浸水することがなく、水に浮いて頑丈なので、その中にいれば、呼吸も可能で命が助かるとはいうものの、家庭において狭い室内ではその置き場所の確保が困難であるとか、庭などの外部ではプラスチック製の外殻が劣化してしまうとか、その中に逃げ込む際に、出入り口の開閉や、ロックの開閉に時間がかかるとか、単一用途であるため、来ないかもしれない津波だけのために、高価なものを購入しにくいという問題点があった。
本発明の第1の課題解決手段は上記の目的を達成するために、車内の低部取り付けられた折り畳まれた浮き袋を収納した浮き袋収納部と、該浮き袋を膨張させるためのガス供給器と、該ガス供給器から該浮き袋までのガス供給経路と、車内への浸水を検知して手動操作または自動操作により前記ガス供給器を作動させる操作手段と、を有する自動車水没防止装置であって、車内への浸水時に、前記操作手段を介してガスが供給された前記浮き袋が車内に膨出して、車内水面の上昇とともに上昇し、前記浮き袋の浮力により車体を半水没状態に保つとともに、天井面と前記浮き袋上端との間に乗員が少なくとも顔を出すことができる空間を確保する構成としたことを特徴とする自動車水没防止装置としたものである。
本発明の第2の課題解決手段は上記の目的を達成するために、折り畳まれた浮き袋と、該浮き袋を膨張させるためのガス供給器と、車内への浸水を検知して手動操作または自動操作により前記ガス供給器を作動させる操作手段と、を備えた浮き袋装置が車内の低部取り付けられ、車内への浸水時に、前記操作手段を介してガスが供給された前記浮き袋が車内に膨出して、車内水面の上昇とともに上昇し、前記浮き袋の浮力により車体を半水没状態に保つとともに、天井面と前記浮き袋上端との間に乗員が少なくとも顔を出すことができる空間を確保する構成としたことを特徴とする自動車水没防止装置としたものである。
本発明の第1の課題解決手段は上記の目的を達成するために、車内の各所に配置された、折り畳まれた浮き袋を収納した浮き袋収納部と、該浮き袋を膨張させるためのガス供給器と、該ガス供給器から該浮き袋までのガス供給経路と、車内への浸水を検知して手動操作または自動操作により前記ガス供給器を作動させる操作手段と、を有する自動車水没防止装置であって、車内への浸水時に、前記操作手段を介してガスが供給された前記浮き袋が車内に膨出して、前記浮き袋の浮力により車体を半水没状態に保つとともに、少なくとも車内水面の上部に乗員が呼吸可能な空間を確保できる構成とし、前記浮き袋が伸縮性の少ない基布より成ることを特徴とする自動車水没防止装置としたものである。
本発明の第2の課題解決手段は上記の目的を達成するために、折り畳まれた浮き袋と、該浮き袋を膨張させるためのガス供給器と、車内への浸水を検知して手動操作または自動操作により前記ガス供給器を作動させる操作手段と、を備えた浮き袋装置が車内の各所に配置され、車内への浸水時に、前記操作手段を介してガスが供給された前記浮き袋が車内に膨出して、前記浮き袋の浮力により車体を半水没状態に保つとともに、少なくとも車内水面の上部に乗員が呼吸可能な空間を確保できる構成とし、前記浮き袋が伸縮性の少ない基布より成ることを特徴とする自動車水没防止装置としたものである。
上記解決手段による効果は次のとおりである。
大地震の後大津波の警報が出たら、急いで高台に向かって避難しなくてはならないが、健常者だけでなく、歩行困難な人や高齢者や障害者や幼児などは自動車に乗って避難するしか手段がなかった。
しかしながら避難走行中、あるいは交通渋滞に出会って身動きできず停車中に、津波に巻き込まれてしまい、自動車ごと海まで浮きながら流されてついには水没したり、自動車から降りて逃げたものの激流に飲まれて流されるなど数えきれないほどの人々を目の当たりにしました。
近年では、衝突事故の際に乗員への衝撃をやわらげるエアバッグ装置が自動車に装備されるのが常識であるが、このエアバッグは衝突を検知するセンサーにより自動操作で瞬時にガス発生装置からガスが供給されて膨出する機構となっている。
自動車が水面に落下するとしばらくは浮いていて、そのうち浸水により完全水没するものである。車内で浮き袋を膨らませたら完全水没を防ぐことが可能になる。
本願は、浸水時に自動車の車内の各所に堅固に取り付けた浮き袋を膨出することにより、その浮力で車体の完全水没を防止するとともに、車内上部に乗員が呼吸可能な空間を確保しようとするものである。
自動車が大津波に巻き込まれてもすぐには沈まずしばらくは浮いているので、本願の自動車水没防止装置は、車内への浸水を運転者などの乗員が検知してから、手でボタンを押すとかレバーを引くなどの手動操作で浮き袋を膨出させても時間的に充分間に合うものである。しかし、乗員が気を失うなど手動操作できない場合もあるので、車内への浸水を浸水検知器が検知したら、自動操作でガス供給器からガスが供給されて浮き袋が膨出する自動機構も備えておくのがベターである。
本発明の自動車水没防止装置は、水がフロントグリルやボンネットなどの隙間からエンジンルームに入り、それから車内に入ってきても、手動または自動操作により膨らませた浮き袋の浮力により、例えばフロントエンジンの場合だと重いエンジンなどがある車体前部を斜め下にして、半水没状態を保った車体の車内水面の上部に、呼吸可能な空間が確保されているため、乗員全員がこの空間に顔を出して呼吸することができるものである。
ドアやドアガラスやサンルーフなどの開口部はできるだけ閉じているほうがベターである。これらの開口部が開いていると、ここから波や漂流物が車内に入ってきて乗員が波を口や鼻から飲み込んで苦しんだり、漂流物で身体を傷つけられたり、突然の緊急時に乗員が落ち着きを失って車内で溺れたりするようなことがあるからである。
窓ガラスはできるだけ閉じておいた方が水が入ってこないので良いが、開口部がすべて閉じられていて呼吸可能な空間が密閉状態になっていて、時間の経過とともに酸欠ぎみになったら、電動式の窓ガラスをスイッチを押して開けるか、通電できなくて開かないようならば備え付けの専用ハンマーなどでガラスをたたき割って、新鮮な空気を入れるようにしたら窒息を防止できるものである。また、ここから水が入ってきたとしても、高圧ガスで一杯に膨らんだ浮き袋の浮力により、水面に浮いた半水没状態の車体がこれ以上沈むことはなく、浮き袋上部や車内水面上部に呼吸可能な空間が確保されているものである。
乗員全員が車内にいて、身体は水中にあっても呼吸可能な空間に口や鼻を出したり、浮き袋の上に身体を乗せたり、足や膝を床やシートなどの足場に置いて、手で背もたれや上部の取手などにつかまって身体を支えて固定していたら、車外の水面に身体が投げ出されて足場がないため波間に浮き沈みしたり、力尽きて溺れたりするのに比べて、頭から海水をかぶったり鼻や口から水がはいって苦しむのを防止してくれるし、漂流物の木材から突き出た釘等に身体がぶつかって怪我をしたりするのを車体の外殻が防止してくれるものである。ただし、車内にあっても長時間にわたって水中に身体があると、低体温症になる恐れがあるため、寒い時期などは水面に出た浮き袋の上に身体を乗せるようにして、できるだけ水中に身体を浸さないようにして低体温症を防止するのがベターである。
それで、身体を乗せ易く滑り落ちにくくするために浮き袋の上部の形状を丸面としないで、できるだけ平面状にしたり略水平な面にするのが好適である。
また、乗員が上に乗っても少なくとも顔が水中に沈まぬようにするとともに、自動車も沈まぬような浮力を発生する容積を有するようにすれば良いものである。
本発明の自動車水没防止装置は、浮き袋が車内で膨らんでいるため、とがった木切れや木材から突き出た釘などの漂流物が当たって浮き袋が破れるのを、車体の外殻が防いでくれて、浮き袋が破れることによる自動車の完全水没を防止してくれるものである。
乗員全員が車内にいるため、バラバラに流されることがなく、互いに落ち着いて励ましあうことが可能になるものである。そして、海面を漂いながら協力しあって救助を待つことができるものである。
海面を漂流中に捜索の航空機や船などが来たら、先の尖った脱出用専用ハンマーなどでガラスを破って、備え付けの救助要請の標識や旗などを窓から出して海に浮かべたり、振りかざしたりして、救助要請ができるものである。そして、ガラスが破られても車の外殻やドアパネルなどにより、漂流物が身体にぶつかるのがある程度防止されて、身の安全が守られるものである。
ガラスが閉じていても、車内水面が車外水面と略同一面となっていたら、水圧差によりドアが開けにくくなるということはないものの、乗員または救助隊員が専用ハンマーなどでガラスを破るとドアを開けやすくなったり、救助隊に窓やドアから引っ張り出して救助してもらいやすくなるものである。
屋根にルーフラックなどを装着しておけば、これにつかまって屋根によじ上って救助要請することも可能になるものである。
重いエンジンやシャシーなど重心が下方にあるため、少々の波で車体が上下逆さにひっくりかえることがないので、浮き袋の上に身体を乗せたり、車内水面の上に顔や身体を出して、呼吸可能な空間で呼吸しながら安心して海面を漂うことが可能になるものである。
本発明の自動車水没防止装置を装着しておけば、水面に浮いた車体は、例えば重いエンジンが前部にある場合は、前方に傾斜して半水没状態となっているが、後部にある場合は後方に傾斜して半水没状態となっている。その傾斜角度は車種形式や乗員の位置や浮き袋の配置などによりさまざまである。いずれにしても、車種形式や乗員の位置などを問わず、半水没状態となっていて、浸水した車内の水面上部に呼吸可能な空間が確保されるものである。
この装置をさまざまな車種の自動車に装備しておけば、大地震の後、自動車で避難する際に、渋滞に巻き込まれても、従来の自動車に比して安心して避難できるし、レジャーなどで海や河川に出かける際に水面に転落しても完全水没することはなく、乗員の命を助けてくれるものである。幼稚園や学校や高齢者デイサービスなどの送迎マイクロバスに装備しておくと、大地震の際の高台への避難にも使用することができる。
そして、避難中に大津波に巻き込まれたとしても、健常者だけでなく歩行困難な障害者や高齢者や子供にも利用可能なユニバーサルデザインの人命救助自動車として社会に貢献できるものとなるであろう。
仮に、走行中の自動車が運転を誤って岸壁から海面に落下したような場合には、通常、自動車はすぐに水没することはなく、重い下部構造を下にしてしばらくは水面に浮いているものである。そして、重いエンジン部が仮に前部にあれば前部から沈み始め、フロントグリルやボンネットの隙間などからエンジンルームに水が入り、エンジンルームと車室の間を仕切る隔壁に開けた配線や空調などの貫通孔との隙間などから車室内に浸水してゆっくりと完全水没していくものである。ドアの周囲は近年の高い防水技術により水密性が確保されているが、前記のような隔壁の隙間などはゴムシーリングや弾性コーキング材などでできるだけ塞いでおくといいが、それでも水はダクトや可動部や換気孔などから浸入してくるため、本発明の自動車水没防止装置を装着しておけば、大地震の後、襲ってくる津波からの避難用自動車として、安心して使用できるものである。
本発明の自動車水没防止装置を装着しておけば、津波に巻き込まれたような場合に、運転者または他の乗員が車内への浸水を検知すると、あわてることなく手動式でボタンやレバー等を操作してやれば、ワイヤーや電気配線などの操作手段を介してガス供給器の栓が解放されて、高圧ガスが浮き袋に供給され、一杯に膨らんだ複数の浮き袋の浮力により、沈もうとする車体を引っ張り上げて、半水没状態に保つことができるものであり、車内水面の上部に呼吸可能な空間を確保できる構成としたものである。乗員全員が身体は車内の水中にあってもこの呼吸可能な空間に鼻や口や顔を出したり、浮き袋の上に身体を乗せたりして呼吸可能な空間で長時間にわたっての生存を可能にするものである。
本発明の自動車水没防止装置は、車内水面上部に、呼吸可能な空間を確保できるだけの浮力を生じる複数の浮き袋が車内の各所に配置されているものであるが、仮に、一部の浮き袋が何らかの原因で膨張しないようなことがあっても、他の浮き袋が膨張していたら、完全水没までの時間を、従来の自動車に比べて、延長できる効果があるものであり、救助時間を延長し、救助される確率を大幅にアップすることが可能になるものである。
自動車が誤運転により岸壁から海面に落下したような場合に、乗員が失神や怪我などの原因で手動式ボタンやレバーを操作できない場合もあるであろう。そこで、車内への浸水を検知する検知器を車内の最初に浸水が始まるであろう位置(フロントエンジンなら車内前方の下部)に設置しておけば、浸水を検知したこの検知器からの信号回路によりガス供給器から高圧ガスが浮き袋に供給されて膨張し、浮き袋収納部の蓋を裂開して車内に膨出した複数の浮き袋の浮力により車体を完全水没させることなく、車内上部に呼吸可能な空間を確保した半水没状態に保つことができるようにすることが可能なものであり、救助されるまで長時間生存することができるようになるものである。
この浮き袋収納部の取付け位置は、乗員やシートなどが浮き袋収納部の蓋が開くのを邪魔しない位置で、車内の比較的低い位置であれば、座席シートの下部や脚部、背もたれ背面やダッシュボード部の上面や前面や下部、または床面やセンターコンソール部の上部、側部、後部等でもいいし、トランクルーム内に設置しても構わないし、できるだけ沢山取り付けて浮力を増すようにして、なおかつ車内水面上部の天井までの空間が顔や身体を出すことが可能なように平均高さ30センチ程度以上は残すように配置して浮き袋の寸法形状容積を設定しておけば良いものである。また、浮き袋が膨出しようとして、乗員がこれに当たるような位置にいる場合は速やかに身体を移動して膨出を妨げないようにすれば良い。
浸水時に、膨出した複数の浮き袋が車体と乗員を、その浮力により沈まぬように引っ張り上げるものであるから、これらの浮き袋や取付け部などは、引っ張り強度や水圧に充分耐えて、水密性も高い構成とされている。そのため、長時間にわたって破断したり、ガスが漏れてしぼんだり、水が入ったりすることがなく、長時間にわたって乗員が呼吸しながら、生存して水面を漂うことができるものである。また、それぞれの浮き袋に乗員が上に乗っても沈まないような浮力を発生する容積を有するように設定するのがベターである。
また、乗員が高圧ガスで一杯に膨らんだ浮き袋の上に乗っても沈まない方法として、浮き袋の下面がシート座面や床面などに載っていたら乗員が水に沈んで呼吸できなくなるということが防止できるので、膨らんだ浮き袋の形状を車内各部の形状にある程度、そぐうように考慮してもよいものである。
本発明の自動車水没防止装置は、常時使用される自動車に設置されているので、いつもの駐車場所に駐車できて、置き場所に困ることがない。例えば自家用車の場合ならば、大地震が発生したときに、たとえ夜間であっても、いつもの位置に停めてある勝手知ったる自家用車のドアを簡単に開いて乗車することができて、家族全員が乗ったらドアをバタンと閉じて高台へ向けて出発することができるものである。そして、途中で運悪く交通渋滞などにより津波に巻き込まれたとしても、前述のように、人命救助の自動車となるものである。
また、本発明の自動車水没防止装置は、従来より公知のエアバッグの技術を流用できるため、比較的安価に製造可能であるし、廃車とエアバッグ式の浮き袋と人体模型とプールを用意すれば実物大実験も比較的に実施しやすいものである。また、この装置を設置しても従来の自動車としての機能を殆ど損なうことがないし、人命救助の自動車として普及する可能性が大なるものである。そして、緊急用だけでなく釣り人用や屋外レジャー用にも用途が拡大するものである。
本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。 本発明の実施例を示す断面図である。
以下、本発明の実施例について、図1〜図6に基づいて説明する。
近年では、自動車が衝突事故を起こした時、乗員への衝撃をやわらげるために、膨張したエアバッグのクッションを利用したエアバッグ装置が自動車に装備されている。エアバッグを膨張させる手段として、衝撃を検知した衝撃検知センサーからの信号によりガス発生装置が作動することにより、自動的にエアバッグにガスが供給されてエアバッグを瞬時に膨張させている。通常、エアバッグへのガスの公知の供給方法として、1.燃焼ガスを用いる燃焼ガスタイプ、2.ボンベに貯蔵した高圧ガスを用いる貯蔵ガスタイプ、3.前記2者を混合して用いるハイブリッドタイプの3種類のタイプが知られている。
本願では衝突時用のように瞬時にエアバッグを膨らませる必要はないので、車体が津波の先端にぶつかったときの衝撃検知センサーは不必要である。乗員が車内への浸水を検知してからボタンを押すなどの手動操作、あるいは浸水センサーが車内への浸水を検知することによる機械的または電気的な自動操作による操作手段110を介して、車内に配置された図3のようなガス供給器111の封が開封されて、供給経路となるガス供給経路119を通じて浮き袋収納部121の浮き袋131が図1のように車内へ膨出して、自動車を半水没状態に保つものである。
または、乗員が車内への浸水を検知してからボタンを押すなどの手動操作、あるいは浸水センサーが車内への浸水を検知することによる機械的または電気的な自動操作による操作手段110を介して、図5のように各浮き袋装置221の浮き袋131に内包されたガス供給器111の封が開封されて、直接的に浮き袋131へガスを供給して各浮き袋131が図2に示すように車内へ膨出するようにしてもよいものである。
図1に示す実施例は、車内への浸水が始まってから、乗員がこれを検知すると、ボタンを押すとかレバーを引く(不図示)などの乗員(特に運転者)の手動操作により、図3に示すようにワイヤーなどの操作手段110を介して、車内に配置された複数のガス供給器111の開封装置114のロック115が解放され、スプリング116の反発力により針117がガスボンベ112の封板113に突き刺さり、ガスボンベ112から流出した高圧ガスがガス流出口118からガス供給経路119を経由して、複数の図4に示す浮き袋131のガス流入口133に供給される。
ガスが流入して充分に膨張した浮き袋131内のガスが水圧などに負けて逆流しないようにするために、ガス供給経路119の先端部や供給経路などに逆止弁134を設けておくのがベターである。
また、なんらかの原因でガスが車内に漏れたときのことを考慮して、使用ガスは非毒性かつ火気によって爆発しない不活性の窒素ガスやヘリウムガスなどを使用することが好ましいものである。また、ガス供給経路119(ガス配管)の材質は伸縮性が少なく強度や取付け性、加工性に優れた金属パイプとするが好適であるが、座席シートなどのスライド部やリクライニング部などの可動部に跨るような場合には一部または、全部をゴムホース、合成樹脂パイプ、蛇腹管など伸縮性を有する材質としてもよいものである。
それと、ガス供給器111や浮き袋収納部121や浮き袋装置221や操作手段110や他の各部品はその効力をいつでも発揮できるように、隙間などをなくして水や湿気が入らぬように防水防湿性を高めておくことが重要である。
それと、乗員が気を失ったり大怪我などで手動操作ができない場合も想定して、車内に最初に浸水が始まると予測される位置(フロントエンジンなら車内下部の前部)に設けた浸水検知センサー(不図示)が車内への浸水を検知すると自動的に電気的配線や機械的な操作手段(不図示)により、熱や磁力や爆発やバネなどで開封されて、ガス供給器111のガスボンベ112から流出した高圧ガスがガス流出口から、ガス供給経路119となるガス配管を経由して、または図5に示す各浮き袋装置221の浮き袋131に内包されたガス供給器111からガス配管なしで直接的に各浮き袋131のガス流入口133に供給されるように構成してもよいものである。
ガス供給器からガスをエアバッグに供給する前述の3種類の公知の方法のうち、前記実施例は、両者ともボンベに貯蔵した高圧ガスを用いる貯蔵ガスタイプであるが他の二つのタイプを採用することも可能である。
これらのことを具体的な数字をあげて説明すると、図1に示す実施例は、海まで流されて半水没状態となったSU社のワンボックスハイルーフの軽自動車PAの概略断面図である。メーカーの諸元表によると、(わかり易いので単位はトン、メートルで示す。)車両重量が0.92トン、乗員も含めた車両総重量が1.14トン、室内寸法が長さ2.085メートル、幅1.28メートル、高さ1.365メートル、となっている。車内の容積はこれらの積から3.64立方メートルとなるが、シート断面積を差し引いても、車内空間の容積は3.1立方メートル程度の空間が残されている。
この自動車を図1に示すように半水没状態に保つためには、大目にみて、1.14トン程度の複数の浮き袋131の合計浮力を必要とするが、鉄の比重は7.85であり、仮に車体全部が鉄製だとしても、車体が完全水没した際には1.14÷7.85=0.145立方メートルの浮力を生じているし、タイヤ部や発泡材料やプラスチックなど鉄より小なる比重の材料や中空部品も沢山使用されているし、比重1.0程度の乗員の身体は多くの部分が水没しているし、実際は0.9立方メートル程度の浮き袋容積でも充分である。ここでは、大目に見て複数の浮き袋131が1.0立方メートル以上の合計容積を必要とするように設定してみる。水面上に出ているルーフ部の重量は、鉄板の肉厚を0.5mmとすると、屋根面積は広目に見て(2.2×1.5=3.3平方メートル)であり、3.3×0.0005×7.85=0.0129トン程度であり、無視することにする。
図1における実施例は、車内各所に配置されて車内に膨出した浮き袋のうち、Dはダッシュボード部、Cはセンターコンソール部、Sはシート下部、Fは後部荷室のフロアー部に、図4に示すような浮き袋収納部121が配置された実施例を示すものである。図3に示すようなガス供給器111が複数個所に配置されていて、手動操作式の場合は、運転者または他の乗員が操作しやすい位置に、ボタンやレバー等(不図示)が設けられていて、これを押したり引っ張ったりすると、ワイヤーなどの操作手段110が引っ張られたり回転するなどして、図3のようなガス供給器111のロック115が解除されて、スプリング116が作動し、この反発力により針117がガスボンベ112の封板113に突き刺さって開封されると、ガスが流出し、ガス流出口118に接続されて途中から分岐したガス供給経路119を通じて車内各所に配置固定された図4に示す浮き袋131のガス流入口133から供給される。
浮き袋131が膨張することにより、浮き袋収納部121の蓋体122が裂開線124で裂開して、ヒンジ部123で蓋122が外側に曲がって開口し、膨らんだ複数の浮き袋131が車内に膨出する。浮き袋131のガス流入口133や、浮き袋収納部121はボルトなどで堅固に固定してある。そのため、充分に膨張した浮き袋131の浮力により上方に引っ張られても固定部は破損しないし、浮き袋を構成する基布も破損しないように構成されているものである。また、逆止弁134が設けてあるため、浮き袋131に流入したガスが水圧に負けて逆流することがなく、膨張した浮き袋131がしぼむこともないものである。
車内に浸水してくると、車体9の水没につれて車内水面4が上昇するが、車内水面4の上昇とともに、充分に膨張した浮き袋131も浮力により上昇し、車内水面4が一定の線まで達したら、複数の浮き袋D,C,S,Fによる浮力と、下方に沈もうとする車両総重量による重力が釣り合って、これ以上沈むことはなくなり、浸水がストップして、たとえドアやガラスが解放されても、これ以上は沈まなくなるものである。複数の膨らんだ空気袋131の容積の合計が水中部分で1.0立方メートル以上になるように、車内容積3.1立方メートル程度の中に配置すればよいものであるから、数字的にも充分余裕があるものである。
図1に示す一実施例において、車内水面4の上部に乗員が顔を出して呼吸可能な空間8を確保するために、天井面から0.3メートル程度下方のラインに膨張した浮き袋131のD,C,S,Fの上端が位置するように設定して、各浮き袋131の車内水面4(車内水面4は乗員6の位置や浮き袋131のバランスなどにより変化するものであり、図1の車内水面4を示す一点鎖線や車体の傾斜角度は仮定によるものである。)より下部の容積(下記の浮き袋131の横×縦×長さの寸法は、SU社のワンボックスハイルーフの軽自動車PAの実車内において、膨らむことができる浮き袋の寸法を実測した寸法である。)を計算してみると、Dは0.5メートル×0.4メートル×1.28メートル=0.256立方メートル、Cは0.5×0.8×1.28=0.512、Sは(0.7×0.5+0.4×0.2)×1.28=0.550、Fは0.4×0.2×1.28=0.1024となり、合計は1.42立方メートルとなる。前記のように、水中部分が1.0立方メートルあれば満足するものであるから、まだ0.42トンの余裕があり、これにより充分な容積が確保されることは明白であり、車内水面の上部に呼吸可能な空間8を、余裕をもって確保することができるものである。また、ダッシュボード部やシート下部部やセンターコンソール部などは左右二つに分けて配置しても良いものである。
それと、乗員が車室内にあって身体が長時間水中に浸っていると、少し寒い時期でも低体温症になり生命を脅かすことになる。これを防止するためには浮き袋の上に乗って身体を少しでも水中から出して置くのが良い方法である。そのため、図1や図2のように、乗員が上に滑りにくく、乗りやすいように、浮き袋の上面をできるだけ丸面ではなく平面状にして略水平状となるように形成するのがベターである。
また、乗員が高圧ガスで一杯に膨らんだ浮き袋の上に乗っても沈まない方法として、浮き袋の下面がシート座面や床面などに載っていたり、シート背もたれに寄りかかって倒れにくくしたら乗員が水に沈んで呼吸できなくなるとか、低体温症になるということが防止できるので、膨らんだ浮き袋の形状を車内各部の形状にそぐうようにして沈まないように、また、倒れにくくするように形成してもよいものである。
それと、膨らんだ浮き袋131と背もたれとの隙間や、浮き袋131と浮き袋131との隙間が狭いため、乗員の足や下半身がこの隙間に出入りしにくいが、浮き袋が多少は左右に移動することができるため、多少きゅうくつであってもなんとか身動きできるものであり、図1、図2のように上半身を浮き袋131の平らな上面に乗せたり、車内水面4の上部の呼吸可能な空間8に顔や身体を出すことができて、呼吸できるものである。
下半身が車内の水中にあった乗員が、ルーフによじ登ったりして体重と濡れた衣服分の荷重を掛けると、濡れた衣服の重量分だけは車体が沈んだり、傾斜角度が変わったりするが、この程度の荷重では影響は少なく、車内の他の乗員の呼吸可能な空間にはまだ充分な余裕が残されているものである。
また、半水没状態の車体9の傾斜角度は、呼吸可能な空間8の平面的な面積を広くして複数の乗員6が呼吸しやすくするために、車体をできるだけ水平状態とするのが好ましく、複数の浮き袋131の容積や配置をバランスよく設定するのが好ましいものである。
図4に示すように、浮き袋収納部121の蓋体122は、公知のエアバッグ技術と同様に略中央部が厚みの薄い裂開線124となっていて、両側は厚みの薄いヒンジ部123となっている。浮き袋131が膨張すると、裂開線124が先に破断して、ヒンジ部123が外側に折れ曲がり浮き袋131がこの開口部から膨出する。伸縮性が少なく所定の引っ張り強度を有する基布を縫製や溶着や接着で製造されている浮き袋131は、設定された一定量の容積を有しているため、高圧ガスが供給されると一杯に膨らむが、水の浸入による車内水面の上昇とともに浮き上がり、複数の浮き袋131の浮力でもって、沈もうとする車体の重力を支持して、設定された一定の線で車体を半水没状態に保つものである。
また、逆止弁134を設けておくと、一杯に膨らんだ浮き袋はガスが逆流しないので、しぼむことがなく、一杯に膨らんだ状態を長時間にわたって保つものである。そして、半水没状態に保つため、乗員が長時間呼吸することが可能になるものである。
なお、浮き袋131は伸縮性が少なく引っ張り強度に優れたナイロン繊維織物やポリエステル繊維織物などを用いた基布より成っていて、設計図により裁断されたものを縫製、溶着、接着などして製造され、これを折り畳んだものを浮き袋収納部121や浮き袋装置221に収納するため、膨張時に膨れ過ぎることもなく、天井面から略30センチメートル程度以上の呼吸可能空間を設けるとか、上面を略平面状、略水平状とするなど、想定した任意の形状をある程度保つことが可能であり、車内に展開膨出することが可能となるものである。
また、この浮き袋131は膨張時に、ゴムシートのように伸縮性のあるものなら厚さが薄くなって強度が弱くなるが、伸縮性が少ない基布より成るため、厚さに変化がないし、設定以上に膨れ過ぎることもないし、引っ張り強度にも優れているため内部のガス圧に負けて破裂することもない。そして、図1、図2のように浮き袋の上に乗員が乗りやすいように、上面をある程度は平面状かつ略水平状に膨出形成することもできるものである。また、シリコン樹脂などの防水コーティングまたはラミネートなどが施されているためガスが漏れたり、水が入ることがないし、長時間にわたって所定の浮力を保つことができるものである。
図2における一実施例は、車内各所に配置されて車内に膨出した浮き袋のうち、Dはダッシュボード部、Cはセンターコンソール部、Sはシート下部、Fは後部荷室のフロアー部に、図5に示すような浮き袋装置221が車内各所に配置された実施例を示すものである。図5に示す浮き袋装置221は、手動操作式の場合は、運転者または他の乗員が操作しやすい位置に、ボタンやレバー等(不図示)が設けられていて、これを押したり引っ張ったりすると、ワイヤーなどの操作手段110が引っ張られたり回転するなどして、(または、電気的信号による自動操作手段により)それぞれの浮き袋131に内包された(または、不図示であるが浮き袋131の外面に密接された)ガス供給器111の封板(不図示)が開封されてガスが流出し、ガス供給器111から(ガス配管なしで)直接的にそれぞれの浮き袋131にガスが供給される。浮き袋が膨張することにより、浮き袋装置221の蓋122が裂開線124で裂開して、ヒンジ部123で蓋122が外側に曲がって開き、膨らんだ浮き袋131がこの開口部から車内に膨出する。図5に示すように、浮き袋131の口部や浮き袋装置221は車体9にボルトなどで堅固に固定してある。そのため、充分に膨張した浮き袋の浮力により上方に引っ張られても固定部は破損しない。また、浮き袋を構成する基布も破損しないように構成されているものである。
図6に示す実施例は、MA社のワンボックスハイルーフ8人乗りのBIの場合の概略図であるが、諸元表によると、車両重量が1.66トンで、車両総重量は乗員も含めて2.10トンである。室内寸法は、長さ2.99メートル、幅1.545メートル、高さ1.35メートル、である。シート断面積を差し引いても、室内空間の容積は5.9立方メートル程度である。
これを半水没状態に保つためには、大目にみて2.1トン程度の浮力を必要とするが、図6に示す複数の膨らんだ浮き袋131のC,S,S,Fの合計が水中で2.1立方メートル以上になるように、車内容積5.9立方メートル程度の中に、図1〜図5に示す実施例や前述の記載例と同様にガス供給器111や浮き袋収納部121または浮き袋装置221を配置して、手動操作または自動操作によって、浮き袋131が膨張するようにしてやれば、車内水面4の上部に乗員6全員が呼吸可能な空間8を確保できるものであり、諸元表の数値からして、呼吸可能な空間8を確保できることが充分可能であることは明白なものである。
近いうちに発生するといわれる大地震による大津波に備えて、本発明の自動車水没防止装置を自動車に装備しておけば、避難中や運転中や駐車中に大津波に巻き込まれて浸水しても、乗員の命を救うことが可能になるため、大きな需要が見込まれるものである。
110:操作手段
111:ガス供給器
112:ガスボンベ
131:浮き袋
121:浮き袋収納部
221:浮き袋装置
4:車内水面
8:呼吸可能な空間

Claims (2)

  1. 車内の低部取り付けられた折り畳まれた浮き袋を収納した浮き袋収納部と、該浮き袋を膨張させるためのガス供給器と、該ガス供給器から該浮き袋までのガス供給経路と、車内への浸水を検知して手動操作または自動操作により前記ガス供給器を作動させる操作手段と、を有する自動車水没防止装置であって、車内への浸水時に、前記操作手段を介してガスが供給された前記浮き袋が車内に膨出して、車内水面の上昇とともに上昇し、前記浮き袋の浮力により車体を半水没状態に保つとともに、天井面と前記浮き袋上端との間に乗員が少なくとも顔を出すことができる空間を確保する構成としたことを特徴とする自動車水没防止装置。
  2. 折り畳まれた浮き袋と、該浮き袋を膨張させるためのガス供給器と、車内への浸水を検知して手動操作または自動操作により前記ガス供給器を作動させる操作手段と、を備えた浮き袋装置が車内の低部取り付けられ、車内への浸水時に、前記操作手段を介してガスが供給された前記浮き袋が車内に膨出して、車内水面の上昇とともに上昇し、前記浮き袋の浮力により車体を半水没状態に保つとともに、天井面と前記浮き袋上端との間に乗員が少なくとも顔を出すことができる空間を確保する構成としたことを特徴とする自動車水没防止装置。
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