JP3022324B2 - 印刷機シリンダ洗浄方法 - Google Patents

印刷機シリンダ洗浄方法

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JP3022324B2 JP8132697A JP13269796A JP3022324B2 JP 3022324 B2 JP3022324 B2 JP 3022324B2 JP 8132697 A JP8132697 A JP 8132697A JP 13269796 A JP13269796 A JP 13269796A JP 3022324 B2 JP3022324 B2 JP 3022324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷機
のブランケット胴などの印刷機シリンダを洗浄する際に
用いられる洗浄シートを用いた印刷機シリンダ洗浄方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ブランケット胴などのような印刷機シリ
ンダに対しては、印刷作業により経時的に表面汚れが生
じるために定期的に表面洗浄が行われている。このよう
な印刷機シリンダの表面洗浄のために、洗浄シートを用
いた洗浄装置が用いられている。これは印刷機シリンダ
の表面に接離可能とした押圧部に洗浄液を含浸させた不
織布からなる洗浄シートを走行できるようにしておき、
洗浄作業時に押圧部をシリンダ表面に接触移動させるこ
とにより押圧部のニップ圧と印刷シリンダの回転を利用
して表面汚れを払拭除去するものである。従来、この種
の洗浄装置は、洗浄対象となる印刷機シリンダの胴長相
当長さを有する押圧部の後方に、供給ロールとなる洗浄
用シートロールを配置する。当該洗浄用シートロールと
は紙管を芯管材とし、当該紙管の表面と洗浄シートの巻
始端とを接着剤にて固定し、洗浄シートを紙管にロール
状に巻き上げたものである。また巻き取り側には、巻取
用金属製シャフトを配置する。当該巻取用金属製シャフ
トには、洗浄シートを取り付け可能にするために、表面
に摩擦係数の高いブラスト処理が施されたり、凹凸加工
を施したラップを接着固定する方法がなされている。あ
るいは巻取用金属製シャフトと洗浄シートとを直接テー
プで貼りつける方法も用いられている。このテープを用
いて巻取用金属製シャフトと洗浄シートとを貼りつける
方法では、まず固定用のテープを用意し、当該テープを
洗浄シート幅に相当するよう切断する。次いで洗浄シー
トを巻取用金属製シャフト上で位置決めするとともに切
断されたテープにて両者を固定するのである。
【0003】このように洗浄シートを洗浄装置に設置し
た後は、巻取用金属製シャフトを間欠的に回転させて洗
浄シートを巻取用金属製シャフトに巻き取りつつ、シリ
ンダの洗浄作業を行っている。
【0004】ここで巻取用金属製シャフトにおける洗浄
シートの巻き取りが進み、洗浄用シートロールに洗浄シ
ートが無くなると、印刷機シリンダより洗浄装置の押圧
部を離脱させ、洗浄装置を停止させる。当該洗浄装置の
停止後は、作業者によって洗浄用シートロールにおける
紙管と洗浄シートの巻始端との接着部分を剥すか、もし
くは洗浄シートの巻始端をテープカッタ等で切断し、当
該紙管より洗浄シートを取り外すのである。そして巻取
用金属製シャフトとともに使用済みの洗浄シートを洗浄
装置より取り外し、別な場所に移動させて巻取用金属製
シャフトから洗浄シートを巻きほぐし、再び元の紙管に
巻き付けるのである。このように元の紙管に巻き付けら
れた使用後の洗浄シートは、紙管とともに破棄されるの
である。または巻取用金属製シャフトから洗浄シートを
巻きほぐし、この洗浄シートと紙管はともに破棄され
る。これら破棄作業終了後は、新規の洗浄用シートロー
ルを洗浄装置に配置し、再び洗浄シートを巻取用金属製
シャフトに取り付けて、印刷機シリンダの洗浄を行うの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで洗浄シートの
巻き取りには巻取用金属製シャフトを用いているが、当
該巻取用金属製シャフトの表面には洗浄シートを固定す
る目的から、摩擦係数を高くするための表面処理を施し
たり、あるいは凹凸状のラップを接着固定する必要があ
った。このため高価な巻取用金属製シャフトを購入しな
ければならないとの問題があった。また巻取用金属製シ
ャフトと洗浄シートとを直接テープで貼りつける方法で
は、洗浄シートを巻取用金属製シャフト上で位置決めす
るとともにテープにて両者を固定するという同時作業が
必要になる。しかしこの同時作業は難易度が高く、テー
プを貼りつける際、洗浄シートと巻取用金属製シャフト
との相対位置が変動してしまう可能性があった。そして
前記相対位置の変動により、使用済みの洗浄シートを巻
取用金属製シャフトにて巻きとる際、巻き乱れが発生す
る可能性があった。またテープを貼りつけるために手間
がかかり、作業効率を低減させる原因になっていた。
【0006】本発明は、前記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、洗浄シートを巻取管に取り付け
る際の作業効率を向上させることを目的とする。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】洗浄シートを用いた印刷
機シリンダ洗浄方法は、回転している印刷機シリンダに
洗浄シートを移動させつつ押圧接触させて前記印刷機シ
リンダの表面を払拭する印刷機シリンダ洗浄方法であっ
て、芯管材への巻始端を接着させた前記洗浄シートの繰
り出し先端部に巻取管への接着部を予め設けた前記洗浄
用シートを前記接着部にて前記巻取管に接着し、前記巻
取管に巻き取り、前記洗浄シートを前記芯管材から送り
出した後に、前記洗浄シートと前記巻取管を取り外すと
ともに前記洗浄シートを送り出した前記芯管材を前記巻
取管として使用することとした。
【0009】
【作用】上記構成によれば、洗浄シートの繰り出し先端
部に巻取管へ取り付け可能とする接着部を予め設けてお
く。このように構成された洗浄シートを印刷機シリンダ
洗浄装置に取り付けるには、まず洗浄シートの巻始端側
を洗浄シート供給側として設置する。次いで洗浄シート
の繰り出し先端部を巻き取り側となる巻取管に取り付け
るのである。このとき洗浄シートの繰り出し先端部に
は、巻取管に取り付け可能とする接着部が予め設けられ
ていることので、巻取管への洗浄シートの取り付けは、
洗浄シートの繰り出し先端部を巻取管に押しつけるだけ
で完了するのである。よって洗浄用シートロールの交換
時間を短縮させることが可能になり、作業効率を向上さ
せることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る洗浄用シート
ロールを使用した印刷機シリンダ洗浄方法を用いる洗浄
装置の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0011】まず、印刷機シリンダ洗浄装置の全体構成
を図2および図3を参照して説明する。印刷機シリンダ
洗浄装置10は洗浄対象の印刷機シリンダとなるブラン
ケット胴12に対向して配置されており、これは一対の
側板14と、この側板間に渡しかけられた断面H形のス
テー16とからなるフレームとを有している。ステー1
6はブランケット胴12に対向し押圧部18が取り付け
られるメインステー20と、上下一対の洗浄シートガイ
ドステー22とからなっている。ステー16の後方には
不織布からなる洗浄シート24をロール状に巻いた供給
ロールとなる洗浄用シートロール26と巻取管28とが
配置され、洗浄シート24は洗浄用シートロール26か
ら繰り出され、図中上部ガイドステー22Uから押圧部
18を経由して、下部ガイドステー22Dを経て後方の
巻取管28にて巻き取られるようになっている。また洗
浄対象によっては、洗浄シート24を繰り出し、下部ガ
イドステー22Dから押圧部18を経由して、上部ガイ
ドステー22Uを経て後方の巻取管28にて巻き取る場
合もある。洗浄シート24の巻き取りは、巻取管28を
間欠回転駆動することにより行われ、そのための駆動機
構が側板14に設備されている。また前記ステー16の
内部における押圧部18の側方(図中上部)には洗浄液
供給ノズル30が配置され、洗浄シート24に対して洗
浄液を適宜噴射供給するようにしている。これにより、
間欠的に送り出される洗浄シート24は洗浄液で湿潤状
態にされながら押圧部18の先端部に達し、そのとき装
置フレームを図示しない機構により前進させてブランケ
ット胴12の表面に押圧部18を接触させることによ
り、洗浄作用をなすのである。
【0012】側板14には、巻取管28を間欠回転駆動
するための電動モータ32が据え付けられており、当該
電動モータ32の回転軸34には駆動歯車36が取り付
けられている。さらに側板14には、巻取管28の開口
に挿入されるスピンドル38と洗浄用シートロール26
の芯管材の開口に挿入されるスピンドル40とが回転可
能に据え付けられており、両者スピンドル38、40に
はそれぞれ歯車38A、40Aが取り付けられているの
である。そしてこれらの歯車38A、40Aは駆動歯車
36からの駆動力により回転し、洗浄シート24を搬送
させるのである。
【0013】図1は洗浄用シートロール26の全体構成
を示す状態図である。同図に示されるように、洗浄用シ
ートロール26は洗浄シート24をロール状に巻いたも
のであるが、その中央部分には芯管材となる紙管42が
置かれている。すなわち洗浄用シートロール26とは、
洗浄シート24の巻始端を紙管42に接着剤44を用い
て接着固定し、洗浄シート24を紙管42を中心にロー
ル状に巻いたものである。また洗浄シート24の繰り出
し先端部には、接着部となる両面粘着テープ46が設け
られている。当該両面粘着テープ46は、ブランケット
胴12と接触する反対面側に位置されており、また両面
粘着テープ46表面には、被覆材となる剥離紙46Aが
取り付けられている。そして当該剥離紙46Aを設けた
ことで、洗浄シート24が重なりあった場合でも、洗浄
シート24同士が貼りつくのを防止しているのである。
【0014】また洗浄シート24を巻き取る巻取管28
には、使用済みのシートロールの芯管材となる紙管48
(図4参照)を用いる。ここで紙管48と前述の紙管4
2とは使用前後の違いだけであり、紙管48と関連する
部材も同一構成であることから、紙管48と関連する部
材は、紙管42側と同一の番号を付与して説明を行う。
すなわち紙管48側が新規ロールとなる前回のブランケ
ット胴12の洗浄作業において、洗浄シート24を全て
送りだした後は、紙管48と洗浄シート24とを分離す
る。次いで洗浄シート24を切り放した紙管48をスピ
ンドル40から取り外す。そして今度は紙管48をスピ
ンドル38に装着し、印刷シリンダ洗浄装置10に備え
付ける。このように備え付けられた紙管48に、新規ロ
ールから繰り出した洗浄シート24の巻頭側先端を押圧
部18を経由して接近させる。そして剥離紙46Aを剥
し、両面粘着テープ46を紙管48に貼りつけ、洗浄シ
ート24と紙管48とを固定するのである。
【0015】このように構成された印刷機シリンダ洗浄
装置10を用いて、ブランケット胴12を洗浄する作業
手順を説明する。
【0016】図4はブランケット胴12の洗浄作業中か
ら洗浄用シートロール26を交換するまでの経過を示し
た状態図である。そして同図における(1)は、ブラン
ケット胴12の洗浄作業中を示す状態図である。同図に
示すように印刷機シリンダ洗浄装置10には、未使用の
洗浄用シートロール26が、スピンドル40によって回
転可能に装着されている。また巻取管28として用いら
れる紙管48もスピンドル38によって、印刷機シリン
ダ洗浄装置10に回転可能に装着されているのである。
ここで洗浄用シートロール26から引き出された洗浄シ
ート24は、押圧部18にてブランケット胴12の洗浄
作業を行いながら紙管48側へ間欠動作にて巻き取られ
ていくのである。
【0017】同図(2)は、洗浄用シートロール26か
ら洗浄シート24を全て送りだした際の状態図である。
ここで洗浄シート24は、紙管48に殆ど巻き取られて
おり、洗浄用シートロール26は、紙管42表面が露出
し、洗浄シート24の巻始端だけが、接着剤44を介し
て紙管42に固定されている状態である。この状態にな
ると作業者は、印刷機シリンダ洗浄装置10の洗浄作業
を停止させ、洗浄用シートロール26の交換作業を行う
のである。まず紙管42と洗浄シート24とを固定して
いる接着剤44を剥すか、もしくは洗浄シート24の巻
始端をテープカッタ等で切断し、紙管42と洗浄シート
24とを分離させる。そして紙管42から分離した洗浄
シート24は、全て紙管48に巻き付け、紙管48とと
もに印刷機シリンダ洗浄装置10より取り外し、破棄処
分を行うのである。そして紙管48をスピンドル38か
ら取り外した後、今度は紙管42をスピンドル38に装
着し、巻取管28として用いるのである。紙管42をス
ピンドル38に装着した後は、まず新規ロールとなる洗
浄用シートロール26から洗浄シート24の繰り出し先
端部を引きだし、押圧部18を経由して紙管42に接近
させる。次いで洗浄シート24の繰り出し先端部の両面
粘着テープ46から剥離紙46Aを剥し、両面粘着テー
プ46を紙管42に貼りつけ、洗浄シート24と紙管4
2とを固定するのである。紙管42を巻取管28として
用い、スピンドル40には新たな洗浄用シートロールを
装着した状態図を(3)に示す。
【0018】このように上述した(1)、(2)、
(3)の手順を繰り返し行う際、洗浄シート24の繰り
出し先端部に接着部を持たせることとしたので、洗浄シ
ート24の繰り出し先端部と巻取管28との固定が容易
に行えるのである。このことから洗浄用シートロール2
6の交換時間を短縮することができるのである。また洗
浄シート24の繰り出し先端部に固定手段を設けたこと
から、洗浄シート24の先端を巻取管28に位置決めす
るだけで、両者の固定が可能となる。このため取り付け
作業において両者の相対位置変動が発生せず、使用済み
洗浄シートの巻き乱れを防止することができるのであ
る。
【0019】また洗浄作業を新規に行う際、例えば洗浄
用シートロール26を購入し、ブランケット胴12の1
回目の洗浄を行うときには、使用済みの洗浄用シートロ
ール26が無いため、当該使用済みの洗浄用シートロー
ル26から紙管を取りだし巻取管28として使用するこ
とができない。しかし購入した未使用の洗浄用シートロ
ール26を巻きほぐし、紙管を取り出して巻取管28と
して用いる必要はなく、紙管と同様の破棄可能な管を巻
取管28に用いれば、初回の洗浄作業も問題なく行うこ
とができるのである。そして2回目以降の洗浄作業は、
前述した通り使用済みの洗浄用シートロール26から取
りだした紙管を巻取管28として使用すればよい。
【0020】本実施の形態では、接着部として両面粘着
テープ46を用いたが、洗浄シート24と紙管とを固定
する目的から、接着剤やその他の固定手段を用いてもよ
い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、芯
管材への巻始端を接着させた洗浄シートの繰り出し先端
部に巻取管への接着部を予め設けたことで、巻取管に洗
浄シートを取り付ける作業が容易になる。このため洗浄
用シートロールの交換時間を短縮させることが可能にな
り、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄用シートロール26の全体構成を示す状態
図である。
【図2】印刷機シリンダ洗浄装置の全体構成を示す側面
図である。
【図3】印刷機シリンダ洗浄装置の全体構成を示す正面
図である。
【図4】ブランケット胴の洗浄作業中から洗浄用シート
ロールを交換するまでの経過を示した状態図である。
【符号の説明】
10 印刷機シリンダ洗浄装置 12 ブランケット胴 14 側板 16 ステー 18 押圧部 20 メインステー 22(22U、22D) ガイドステー 24 洗浄シート 26 洗浄用シートロール 28 巻取管 30 洗浄液供給ノズル 32 電動モータ 34 回転軸 36 駆動歯車 38 スピンドル 38A 歯車 40 スピンドル 40A 歯車 42 紙管 44 接着剤 46 両面粘着テープ 46A 剥離紙 48 紙管

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転している印刷機シリンダに洗浄シート
    を移動させつつ押圧接触させて前記印刷機シリンダの表
    面を払拭する印刷機シリンダ洗浄方法であって、芯管材
    への巻始端を接着させた前記洗浄シートの繰り出し先端
    部に巻取管への接着部を予め設けた前記洗浄用シートを
    前記接着部にて前記巻取管に接着し、前記巻取管に巻き
    り、前記洗浄シートを前記芯管材から送り出した後
    に、前記洗浄シートと前記巻取管を取り外すとともに前
    記洗浄シートを送り出した前記芯管材を前記巻取管とし
    て使用することを特徴とする印刷機シリンダ洗浄方法。
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