JPH0560843U - 印刷機のシリンダ洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻取り軸への洗浄布の巻付けを、洗浄ユニッ
トを機台に装着したまゝ容易に短時間で行うことを可能
にした装置を提供することを目的としている。 【構成】 巻戻し軸２から巻戻された洗浄布４を巻取る
巻取り軸３の周面に、複数列の山部３ａと谷部３ｂとを
交互に設けた。山部３ａの頂面３ｃにローレット加工等
による微小凹凸を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は各種の印刷機において、ゴム胴，圧胴等の胴や、振りローラ，着ロー ラ等のローラなどシリンダの周面を洗浄するシリンダ洗浄装置に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

オフセット印刷機や凹版印刷機など各種の印刷機は、版胴やゴム胴，圧胴，渡 し胴等の胴と、振りローラや着ローラ等のローラなど多くのシリンダを備えてお り、これらシリンダの周面には、印刷作業においてインキかすや紙粉等の異物が 付着して印刷物の品質を低下させるので、印刷機にはこれらシリンダの周面に付 着した異物を除去するシリンダ洗浄装置が付設されている。

【０００３】 この種のシリンダ洗浄装置は、例えばゴム胴を洗浄する場合、このゴム胴の周 面に近接してその軸線方向に延び装置フレームの軸受に両端部を回転自在に軸支 された管状の巻戻し軸と、同じく管状の巻取り軸とを備えており、これら両軸の 中間部にはゴム胴の周面に対し接離するようにゴム胴の半径方向に進退可能な弾 性部材からなるパッドがホルダに支持されて設けられている。こうすることによ り別工程で巻戻し軸に巻取られた不織布等の洗浄布は、間欠的に巻戻されて巻取 り軸に巻取られ、こうして走行する洗浄布は、パッドによって両軸間の中間部を ゴム胴の周面に圧接されるので、胴周面に付着した異物は洗浄布に転移して洗浄 布とともに運び去られ、巻取り軸に巻取られるように構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のシリンダ洗浄装置においては、管状の巻戻し軸から巻戻 した帯状の洗浄布を、管状に形成された空の巻取り軸に巻付ける場合、洗浄布の 先端を両面テープなどの接着材料を使用して貼付けたり、あるいは、管状に形成 された巻取り軸の外周軸線方向に延びる溝と係合する長尺のバーを設けてこのバ ーで洗浄布を溝内へ圧入したりしており、この場合には洗浄ユニットを印刷機か ら取外さなければならないので、作業性が悪く、準備時間が延長して印刷機の稼 働率が低下するという問題がある。

【０００５】 本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、巻取り軸への洗浄布の巻付け を、洗浄ユニットを印刷機に装着したまゝ容易に短時間で行うことを可能にした 印刷機のシリンダ洗浄装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するために本考案では、巻戻し軸から巻戻されて巻取り 軸に巻取ることにより走行する洗浄布を、回転しているシリンダの周面に圧接さ せてシリンダの周面を洗浄する印刷機のシリンダ洗浄装置において、巻取り軸の 周面に軸線方向か円周方向に並列する複数条の山部と谷部とを交互に設け、その うちの山部の頂面に微小凹凸を設けた。

【０００７】

【作用】

洗浄布を巻取り軸に巻付ける場合には、巻戻し軸から巻戻した洗浄布の先端を 巻取り軸に載せるように添接させて手でこすると、巻取り軸の微小凹凸面に洗浄 布が食い付いて固定されるので、巻取り軸を回転させると、洗浄布は巻取り軸に 巻取られる。

【０００８】

【実施例】

図１および図２は本考案に係る印刷機のシリンダ洗浄装置をゴム胴の洗浄に用 いた例を示し、図１は巻取り軸の正面図、図２はシリンダ洗浄装置の概要側面図 である。図２において、ゴム胴１の周面近傍には、管状に形成されてゴム胴１の 軸線方向へ延びる巻戻し軸２と、これと平行状態で同じく管状に形成された巻取 り軸３とが、上下に位置して図示しない装置フレームに回動自在かつ着脱自在に 軸支されており、巻戻し軸２には、不織布等で形成された洗浄布４が巻かれてい る。なお、洗浄布４は別工程で巻かれており、洗浄布４が巻かれた巻戻し軸２は 空の巻戻し軸と交換されて装着されている。

【０００９】 ゴム胴１の周面には、両軸２，３とほゞ同長でゴム等の弾性材で形成されホル ダで支持されたパッド５が、巻戻し軸２から巻戻された洗浄布４を介して圧接さ れており、パッド５で圧接された洗浄布４は巻取り軸３に導かれてその周面に巻 付けられている。巻取り軸３は図示しないエアシリンダ等の駆動装置により定寸 送り装置を介し駆動されて所定長さずつ間欠的に巻取られている。

【００１０】 管状に形成された巻取り軸３は、その周面をスパイラル加工することにより複 数列の山部３ａと谷部３ｂとが交互に形成されており、山部３ａの頂面３ｃには 微小凹凸を形成させるローレット加工が施されている。こうすることにより、巻 取り軸３に洗浄布４を巻付け始めるときには、巻取り軸３の頂面３ｃに施された ローレット加工目に洗浄布４が食い付いて固定されるので、巻取り軸３を回転さ せると、洗浄布４が巻取り軸３の周面に巻取られるように構成されている。

【００１１】 以上のように構成されたシリンダ洗浄装置の動作を説明する。洗浄装置とは別 工程の巻取り機で洗浄布４がいっぱい巻取られた巻戻し軸２を、空の巻戻し軸２ と交換して洗浄装置の装置フレーム間に軸支する。こうして軸支された巻戻し軸 ２から洗浄布４を巻戻し、ゴム胴１とパッド５との間を通したのち、巻取り軸３ に巻付ける。この巻付けに際しては、洗浄布４の先端を巻取り軸３に載せるよう に添接させて手でこすると、巻取り軸３の頂面３ｃに施されたローレット加工目 に洗浄布４が食い付いて固定されるので、巻取り軸３を回動させると、端部を巻 取り軸３に固定された洗浄布４は巻取り軸３に巻付けられる。

【００１２】 こうして洗浄布４の端部を巻取り軸３に巻付け、洗浄布４をパッド５でゴム胴 １の周面に圧接させたのち、ゴム胴１を回転させながら、巻取り軸３をエアシリ ンダ等の駆動装置で定寸送り装置を介し間欠回転させると、洗浄布４は所定長さ ずつ間欠的に巻取られる。この結果、ゴム胴１の周面に付着しているインキかす や紙粉等の異物は、周面に圧接された洗浄布４で拭き取られて洗浄布４に転移し 洗浄布４に付着したまゝ巻取り軸３に巻取られる。

【００１３】 巻戻し軸２上の洗浄布４が無くなると、この空の巻戻し軸２と、別に用意して ある洗浄布がいっぱい巻かれた巻戻し軸とを交換し、また、洗浄布４がいっぱい 巻かれた巻戻し軸３を空の巻取り軸とを交換したのち、洗浄作業を再開する。

【００１４】 図３および図４は本考案の他の実施例を示し、図３は巻取り軸の正面図、図４ は巻取り軸の側面図である。本実施例においては、巻取り軸６の周面に軸線方向 に延びる複数列の溝を切ることにより、山部６ａと谷部６ｂとが交互に形成され ており、山部６ａの頂面６ｃには、ローレット加工等による微小凹凸が形成され ている。こうすることにより、洗浄布４の先端を巻取り軸６に載せるように添接 させて手でこすると巻取り軸６の頂面６ｃに施されたローレット加工目に洗浄布 ４が食い付いて固定されるので、巻取り軸６を回動させると、端部を巻取り軸６ に固定された洗浄布４が巻取り軸６に巻付けられることは、前記実施例と同じで ある。

【００１５】 さらに、図５は本考案の他の実施例を示す巻取り軸の正面図であって、本実施 例においては、巻取り軸７の周面に複数列の環状溝を切ることにより、山部７ａ と谷部７ｂとが交互に形成されており、山部７ａの頂面７ｃには、ローレット加 工等による微小凹凸が形成されている。こうすることにより、洗浄布４の先端を 巻取り軸７に載せるように添接させて手でこすると巻取り軸７の頂面７ｃに施さ れたローレット加工による微小凹凸に洗浄布４が食い付いて固定されるので、巻 取り軸７を回動させると、端部を巻取り軸７に固定された洗浄布４が巻取り軸７ に巻付けられることは、前記各実施例と同じである。

【００１６】 なお、前記各実施例ディスクは山部の頂部に設ける微小凹凸をローレット加工 によって形成した例を示したが、ローレット加工に限定するものではなく、微小 凹凸が形成されれば、いかなる加工でもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明により明らかなように、本考案によれば巻戻し軸から巻戻されて巻 取り軸に巻取ることにより走行する洗浄布を、回転している印刷胴の周面に圧接 させて印刷胴の周面を洗浄する印刷機のシリンダ洗浄装置において、巻取り軸の 周面に軸線方向か円周方向に並列する複数列の山部と谷部とを交互に設け、その うちの山部の頂面に微小凹凸を設けたことにより、巻取り軸への洗浄布の巻始め においては、洗浄ユニットを取り外すことなく、洗浄布の端部を巻取り軸の周面 に載せるように添接させて手でこすり洗浄布を例えばローレット加工による微小 凹凸に食い込ませるという簡単で長時間を要しない動作で洗浄布を巻取り軸の周 面に固定することができるので、労力が軽減されるとともに、準備時間が短縮さ れ印刷機の稼働率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】巻取り軸の正面図である。

【図２】印刷胴洗浄装置の概要側面図である。

【図３】本考案の他の実施例としての巻取り軸の正面図
である。

【図４】本考案の他の実施例としての巻取り軸の側面図
である。

【図５】本考案の他の実施例としての巻取り軸の正面図
である。

【符号の説明】

１ ゴム胴 ２ 巻戻し軸 ３ 巻取り軸 ３ａ 山部 ３ｂ 谷部 ３ｃ 頂面 ４ 洗浄布 ５ パッド ６ 巻取り軸 ６ａ 山部 ６ｂ 谷部 ６ｃ 頂面 ７ 巻取り軸 ７ａ 山部 ７ｂ 谷部 ７ｃ 頂面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻戻し軸から巻戻されて巻取り軸に巻取
   ることにより走行する洗浄布を回転しているシリンダの
   周面に圧接させてシリンダの周面を洗浄する印刷機のシ
   リンダ洗浄装置において、前記巻取り軸の周面に軸線方
   向か円周方向に並列する複数列の山部と谷部とを交互に
   設け、そのうちの山部の頂面に微小凹凸を設けたことを
   特徴とする印刷機のシリンダ洗浄装置。