JP2990315B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2990315B2
JP2990315B2 JP3226022A JP22602291A JP2990315B2 JP 2990315 B2 JP2990315 B2 JP 2990315B2 JP 3226022 A JP3226022 A JP 3226022A JP 22602291 A JP22602291 A JP 22602291A JP 2990315 B2 JP2990315 B2 JP 2990315B2
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成子 木村
真人 奥山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関するもので、詳しくは赤外感光性カラー写真要
素において、仕上がり画像に色濁りがなく、かつレーザ
ープリンターで連続して画像を出力しても、安定して高
画質のカラー画像を得られるハロゲン化銀写真感光材料
に関するものである。
【0002】
【発明の背景】今日、エレクトロニクスの分野では、C
CD等の撮像素子及び磁気記録媒体の著しい進歩によ
り、これまでのハロゲン化銀を使った写真と同じ手軽さ
で写真撮影を行い、直ちにテレビに写しだしてこれを楽
しむことを可能としてきた。また、印刷・製版の分野で
はスキャナーおよび画像処理機器の進歩により原画をス
キャナーで読み取った後、カラーディスプレイを見なが
ら編集、修正などの作業や、コントラスト、拡大縮小な
どを自在に、手軽に行うことが出来るようになった。
【0003】しかし、テレビ画面に画像を映し出すとい
うだけではやはり不十分であり、紙の上に記録された画
像が求められており、感熱転写方式、インクジェット方
式、電子写真方式などの種々の方式が実用化されてい
る。こうした分野でもハロゲン化銀写真感光材料のもつ
豊かな階調性は他の方式に比べ群を抜いたものであって
優れた描写力を有しているが、従来のハロゲン化銀写真
感光材料では、青、緑、赤感光性のハロゲン化銀乳剤層
を有しているためこれに記録するのに適当な光源が得難
いという問題があった。
【0004】前記の目的でハロゲン化銀写真感光材料を
露光するのには、従来ヘリウム・ネオン、アルゴンイオ
ン、ヘリウム・カドミウム等のガスレーザーが多く用い
られてきた。しかし、これらのレーザーは、大きい、高
価である、寿命が短いなどの欠点を有していた。これに
対して半導体レーザーを用いて非線形光学素子を用いる
方法が知られているが、その変換効率は十分なものとい
えず、またハロゲン化銀写真感光材料の側から見たとき
に適切な波長の光がないなどの問題もあり実用化される
には到っていなかった。
【0005】しかし、赤外線に感光するハロゲン化銀乳
剤を用い、半導体レーザーを用いることにより、安価で
小型の露光装置で画像を容易に得られるようになった。
【0006】しかしながら、赤外光に感光性を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料は、赤外分光増感色素による吸
収波長が短波長側で裾が広がり、そのため得られる画像
が色濁りを起こし易い欠点があった。
【0007】さらに赤外光源として発光ダイオードや半
導体レーザーを用いて連続操作すると、画像濃度が変動
するという問題があり、その要因の一つとして、該光源
が温度によって発光波長や光強度が変化することが考え
られている。
【0008】これらに対して例えば特開昭61-137149号
では感光材料の層間の乳剤感度差、コントラスト、層構
成あるいはフィルター層の分光特性などを規定したり、
特開平3-138642号、同3-120535号或は同3-138638号で
は、特定の赤外増感色素を用いて分光波長領域を深く狭
くし、画像分解することにより色濁りを改良することな
どを開示している。
【0009】しかしながらこれら従来技術では、連続し
て画像を出力した場合に於ける色濁りの改良が充分でな
く高感度で、かつ安定して高画質を得られるレーザープ
リント用ハロゲン化銀写真感光材料が強く望まれてい
た。
【0010】
【発明の目的】従って本発明の目的は、レーザープリン
ターを用い連続して画像を出力しても色濁りがなく、か
つ高感度で安定して高画質のカラー画像を得られるレー
ザープリント用ハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
とである。その他の目的は以下の明細から明らかとな
る。
【0011】
【発明の構成】本発明の目的は、以下により達成される
ことを見い出し本発明を成すに至った。即ち、 (1)支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハ
ロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層中に下記一般式
〔1〕、〔2〕及び〔3〕から選ばれる増感色素の少な
くとも一つと、ヘテロ原子を含む大環状化合物(但し、
メルカプトテトラゾール構造を有するものを除く)の少
なくとも一つを組み合わせて含有するハロゲン化銀写真
感光材料。
【0012】
【化4】
【0013】式中、Z1、Z2はそれぞれ複素環を形成する
に必要な原子群を表し、複素環としては窒素原子、硫黄
原子、酸素原子、セレン原子又はテルル原子を含む5〜6
員の複素環で、これらの環には置換基を有した縮合環が
結合していてもよい。
【0014】複素環としては例えば、チアゾール、ベン
ゾチアゾール、ナフトチアゾール、セレナゾール、ベン
ゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、オキサゾール、
ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、イミダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、4-キノ
リン、ピロリン、ピリジン、テトラゾール、インドレニ
ン、ベンゾインドレニン、インドール、テルラゾール、
ベンゾテルラゾール、ナフトテルラゾール核などを挙げ
ることができる。
【0015】R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基又はアラルキル基を表す。これらの基
はそれぞれ置換基を有していてもよく、例えばアルキル
基の場合は炭素数1〜8の直鎖又は分岐、環状のいずれで
もよい。
【0016】アルキル基の置換分としては、例えばハロ
ゲン原子(臭素、塩素、フッ素など)、ヒドロキシ基、
シアノ基、アルコキシ基、置換又は非置換のアミノ基、
カルボン酸、スルホン酸などが一つ又は複数個置換して
いても良い。
【0017】アルケニル基としては例えばビニルメチル
基を、アラルキル基としては例えばベンジル基、フェネ
チル基などが挙げられる。R3、R4は水素原子、低級アル
キル基又はアラルキル基を表し、R3が水素原子の場合、
R4又はR2と連結して5〜6員環を形成してもよく、R4が水
素原子の場合、R3は他のR3と連結して炭化水素環又は複
素環を形成してもよい。
【0018】k、mは0又は1を表し、Lは3以上の整数を表
す。Xは酸アニオンでnは0又は1を表す。
【0019】
【化5】
【0020】式中、Z1、Z2はそれぞれ複素環を形成する
に必要な原子群を表し、複素環としては前述の一般式
〔1〕のZ1、Z2と同義である。R1、R2はそれぞれアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基又はアラルキル基を
表し、前述の一般式〔1〕のR1、R2と同義である。 R4
はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリー
ル基(例えば置換基を有していてもよいフェニル基など)
を表す。R3は水素原子、低級アルキル基、アリール基を
表すほか、R3と他のR3とが連結して炭化水素環又は複素
環を形成してもよい。
【0021】Qは硫黄原子、酸素原子、セレン原子又は=
N-R5を表しR5はR4と同義である。Lは2又は3でk、mは0又
は1を表し、Xは酸アニオンでnは0又は1を表す。
【0022】
【化6】
【0023】式中、Z1は複素環を形成するに必要な原子
群を表し、複素環としては前述の一般式〔1〕のZ1、Z2
と同義のもの他に、例えばチアゾリン、チアゾリジン、
ベンゾチアゾリン、ナフトチアゾリン、セレナゾリン、
セレナゾリジン、ベンゾセレナゾリン、ナフトセレナゾ
リン、ナフトセレナゾリン、ベンゾオキサゾリン、ナフ
トオキサゾリン、ジヒドロピリジン、ジヒドロキノリ
ン、ベンズイミダゾリン、ナフトイミダゾリンなどが挙
げられる。R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基又はアラルキル基を表す。
【0024】R3は水素原子、低級アルキル基、アリール
基を表すほか、R3と他のR3とが連結して炭化水素環又は
複素環を形成してもよい。Qは硫黄原子、酸素原子、セ
レン原子又は=N-R4を表し、R4ははアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。Lは2又は
3でkは0又は1を表す。
【0025】(2)720nm以上に感光極大を有する赤感性層
を二層以上有するハロゲン化銀写真感光材料において、
より長波長の赤感性層がヘテロ原子を含む大環状化合物
の少なくとも一つを含有する上記(1)項記載のハロゲン
化銀写真感光材料により達成される。以下、本発明を詳
述する。
【0026】上記一般式〔1〕で表される分光増感色素
のうち、とくに有用な増感色素としては下記一般式
〔4〕、〔5〕及び〔6〕で表すことができる。
【0027】
【化7】
【0028】式中、Z1、Z2は、それぞれ置換基を有して
もよい5〜6員の複素環を形成するに必要な原子群を表
し、R1、R2はそれぞれアルキル基、アルール基で、これ
らの基は置換基を有してもよい。R3、R4、R5及びR6は水
素原子又は置換もしくは非置換のアルキル基、置換もし
くは非置換のアリール基を表す。Xはカウンターイオン
を表す。
【0029】
【化8】
【0030】式中、Z1、Z2は、それぞれチアゾール、オ
キサゾール、セレナゾール、ピリジン、キノリン或はテ
ルラゾール環などを形成するに必要な原子群を表し、こ
れらの複素環は置換基を有していてもよい。Z3は5〜6員
の炭素環を形成するに必要な原子群を表し、R1、R2は置
換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の
アルール基で、R1はR4と、R2はR5とそれぞれ一緒になっ
て環を形成していてもよい。R3は水素原子又は置換もし
くは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリー
ル基を表す。またR3は置換基を有していてもよい複素環
を表す。Xはカウンターイオンを表す。
【0031】
【化9】
【0032】式中、Z1は、ベンゾチアゾール、ベンゾオ
キサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾイミダゾール
或はベンゾテルラゾール環を形成するに必要な原子群を
表し、これらの環は置換基を有していてもよい。Z2は置
換基を有していてもよい5〜6員の複素環を形成するに必
要な原子群を表す。
【0033】L1からL5はそれぞれ置換基を有してもよい
メチン基を表し、R1、R2は置換もしくは非置換のアルキ
ル基、置換もしくは非置換のアルール基で、R1はR4と、
R2はR5とそれぞれ一緒になって環を形成していてもよ
い。R3は水素原子又は置換もしくは非置換のアルキル
基、置換もしくは非置換のアリール基を表す。
【0034】R3は置換基を有していてもよい炭素数4ま
でのアルキル基で、mは1〜2、nは0〜1を表し、Xはカウ
ンターイオンを表す。
【0035】以下、本発明の前記一般式〔1〕〜〔6〕
で表される具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0036】
【化10】
【0037】 No. Z121212- 1 S O C2H5 C2H5 H 6,7-ベンゾ I 2 S O C2H5 (CH2)3SO3 - 6,7-ベンゾ 4,5ベンゾ − 3 S O C2H5 (CH2)3SO3 - H 6-C6H5 − 4 S O C2H5 (CH2)2COO- 5,6-CH3 6-Cl − 5 O S C2H5 C2H5 4,5-ベンゾ 4,5-ベンゾ Br 6 S S 〃 〃 H H I 7 S S 〃 〃 5,6-SCH3 5,6-SCH3 〃 8 S S 〃 〃 〃 4,5-ベンゾ 〃 9 S S 〃 〃 5-SCH3 H 〃 10 S S 〃 C3H7 5-CH3 6-Cl 〃 11 S S 〃 CH2COOH H H 〃 12 S S C2H4OH C2H4OH H H 〃 13 O S C2H5 C2H5 H 6-CH3 〃 14 S S C2H5 (CH2)3SO3 - 6-Cl H 〃 15 S S C2H5 C2H5 5,6-SCH3 5-OCH3,6-CH3 〃 No. Z121212- 16 S S CH3 CH3 4,5-ベンゾ 4,5-ベンゾ ※PTS 17 S S C2H5 C2H5 〃 H I 18 S S 〃 〃 〃 6-CH3 〃 19 S S 〃 〃 〃 5-OCH3 〃 20 S S 〃 〃 〃 5,6-CH3 〃 21 S S (CH2)4SO3K (CH2)4SO3 - 5,6-OCH3 5,6-CH3 − 22 S S (CH2)3SO3 - C4H9 6,7-ベンゾ 5-OCH3 − 23 S O C5H11 (CH2)2SO3 - 5,6-CH3 6-OCH3 − 24 S S (CH2)3OH (CH2)4SO3 5,6-CH3 5,6-CH3 − (※PTSはパラトルエンスルホン酸)
【0038】
【化11】
【0039】 No. Z121212- 25 S O C2H5 CH3 H H I 26 S O 〃 C2H5 〃 4,5-ベンゾ 〃 27 S O 〃 〃 6-CH3 6-CH3 〃 28 S O 〃 〃 5-OCH3 6-CH3 〃 29 O O 〃 〃 H H 〃 30 O O 〃 〃 5,6-ベンゾ 5,6-ベンゾ 〃 31 S S CH3 CH3 5-SCH3 5-SCH3
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【表1】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】上記の赤外感光性増感色素は、例えばエフ
・エム・ハーマー著、(The Chemistry of Heterocylic
Compounds)第18巻、(The Cyanine Dyes and Related
Compounds)(A.Weissherger ed.Interscience社刊、N
ew York 1964年)に記載の方法によって容易に合成する
ことができる。
【0051】次に本発明のヘテロ原子を含む大環状化合
物は、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原
子、セレン原子の少なくとも1つを含む9員環以上の大環
状化合物である。特に好ましい化合物としては、クラウ
ンエーテル化合物をあげることができる。これらの化合
物は、C.J.Pedersen,Journal of American chemical So
ciety vol.86(2495),7017〜7036(1967),G.W.Gokel,
S.H,Korzeniowski,“Macrocyclic polyethr synthesi
s",Springer-Verlag.(1982),小田、庄野、田伏編“ク
ラウンエーテルの化学"化学同人(1978),田伏等“ホ
ストーゲスト"共立出版(1979),佐々木、古賀、有機
合成化学、Vol45(6)、571〜582(1987)等に詳細に書か
れている。
【0052】以下、本発明に用いられるヘテロ原子を含
む大環状化合物の具体例を示すが本発明はこれらに限定
されるものでない。
【0053】
【化21】
【0054】
【化22】
【0055】
【化23】
【0056】なお、本発明に用いられるヘテロ原子を含
む大環状化合物は、上記の他に本発明者と同一の出願人
による特願平3-82798号第13頁から第18頁に記載のS-9、
S-12〜15、S-17,18、S-20、S-22〜31、S-33〜34、S-36
などを用いることができる。
【0057】本発明のヘテロ原子を含む大環状化合物を
ハロゲン化銀粒子を含有する親水性コロイドに添加する
には、水又はメタノール、エタノール、フッ素化アルコ
ール,N,N-ジメチルホルムアミドなどの親水性有機溶媒
に溶解したのち添加すればよい。添加時期は、乳剤の塗
布前であればいずれの時期でもよいが好ましくは化学増
感が終了する前に添加されることが好ましい。
【0058】赤外感光性増感色素と大環状化合物の添加
順序は、いずれを先に添加してもよく、同時でも又混合
溶液で添加してもよい。本発明の大環状化合物の添加量
は、化合物の種類により異なるが通常はハロゲン化銀1
モル当り1×10-6〜1×10-1モルの範囲であり、好まし
くは5×10-6〜1×10-2モルである。
【0059】本発明に用いられるハロゲン化銀として
は、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀等の任意のハロゲン化銀が包含される。本発明
に好ましく用いられるハロゲン化銀粒子は塩臭化銀であ
る。更に好ましくは、臭化銀含有率が0.01〜2モル%の
塩臭化銀であり、特に好ましくは臭化銀含有率が0.1〜2
モル%の塩臭化銀である。ハロゲン化銀粒子の組成は、
粒子内部から外部に至るまで均一なものであってもよい
し、また粒子内部と外部の組成が異なってもよい。粒子
内部と外部の組成が異なる場合、連続的に組成が変化し
てもよいし、不連続であってもよい。又、特開平1-1836
47号に記載のように局部的にハロゲン組成が異なる局在
相を有していてもよい。
【0060】ハロゲン化銀粒子の粒子径は特に制限はな
いが、迅速処理性及び感度等、他の写真性能等考慮する
と、好ましくは0.2〜1.6μm、更に好ましくは0.25〜1.2
μmの範囲である。上記粒子径は、球状又は球に近似の
粒子の場合は粒子直径、立方体粒子の場合は稜長を粒子
径とし、投影面積に基づく平均で表す。ハロゲン化銀粒
子の粒子径の分布は、多分散であってもよいし、単分散
であってもよい。好ましくはハロゲン化銀粒子の粒径分
布において、その変動係数が0.22以下、更に好ましくは
0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。
【0061】本発明において、乳剤に用いられるハロゲ
ン化銀粒子は酸性法、中性法、アンモニア法のいずれで
得られたものでもよい。該粒子は一時に成長させてもよ
いし、種粒子をつくった後、成長させてもよい。本発明
に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用
いることができる。好ましい1つの例は、{100}面を結
晶表面として有する立方体である。8面体、14面体、12
面体等の形状を有する粒子を用いることもできる。又、
球状、棒状、板状等の粒子でもよい。更に、双晶面を有
する粒子を用いてもよい。
【0062】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤、本
発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、イエローカプ
ラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせ
て、400〜900nmの波長域に分光増感されたハロゲン化銀
乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種また
は、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
【0063】増感色素と共にそれ自身分光増感作用を持
たない色素、或いは可視光を実質的に吸収しない化合物
であって、増感色素の増感作用を強める強色増感剤を乳
剤中に含有させてもよい。
【0064】本発明において、イエローカプラーとして
は、アシルアセトアニリド系カプラーを好ましく用いる
ことができる。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリ
ド系及びピバロイルアセトアニリド系化合物は有利であ
り、特に特開昭63-85631号に記載されている例示化合物
Y-1〜Y-146、特開昭63-97951号に記載されている例示
化合物Y-1〜Y-98及び特開平1-156748号(67〜78頁)に
記載されている例示化合物Y-1〜Y-24等が好ましく用い
られる。
【0065】本発明に用いうるマゼンタカプラーとして
は、オイルプロテクト型のインダゾロン系もしくはシア
ノアセチル系、好ましくは5-ピラゾロン系及びピラゾロ
トリアゾール類などのピラゾロアゾール系のカプラーが
挙げられる。本発明に好ましく用いられるマゼンタカプ
ラーとしては、下記一般式〔M-I〕及び〔M-XI〕で表さ
れるマゼンタカプラーが挙げられる。
【0066】
【化24】
【0067】式中、Zは含窒素複素環を形成するに必要
な非金属原子群を表し、該Zにより形成される環は置換
基を有してもよい。Xは水素原子又は発色現像主薬の酸
化体との反応により離脱しうる基を表す。
【0068】又、Rは水素原子又は置換基を表す。Rの表
す置換基としては特に制限はないが、代表的には、アル
キル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンア
ミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シク
ロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン
原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スル
ホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモ
イル、スルファモイル、シアノ、アルコキシなどが挙げ
られる。
【0069】一般式〔M-I〕で表される化合物の具体例
としては特開昭63-167360号の第5頁右下欄〜第9頁左下
欄に記載のM-1〜M-61ならびに特開昭62-166339号の第1
8頁右上欄〜第32頁右上欄に記載されている化合物の中
で、No.1〜4,6,8〜17,19〜24,26〜43,45〜59,61
〜104,106〜121,123〜162,164〜223で示される化合
物等を挙げることができる。
【0070】
【化25】
【0071】式中、Arはアリール基、Xはハロゲン原
子、アルコキシ基又はアルキル基、Rはベンゼン環に置
換可能な基を表す。nは1又は2を表す。nが2の時はRは同
じ基であっても異なった基でもよい。Yは芳香族第1級
アミン系発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応に
より離脱しうる基を表す。
【0072】一般式〔M-XI〕において、Yは芳香族第1級
アミン系発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応に
より離脱し得る基で、例えばハロゲン原子、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールチオ
基、アルキルチオ基、5〜6員のヘテロ環基等が挙げられ
る。ここでYは水素原子を表すことはない。
【0073】一般式〔M-XI〕で表されるカプラーとして
は、例えば特開昭63-52138号に記載の例示化合物No.218
〜No.244等を挙げることができ、更に米国特許2,600,78
8号、同3,061,432号、同3,062,653号、同3,127,269号、
同3,311,476号、同3,152,896号、同3,419,391号、同3,5
19,429号、同3,555,318号、同3,684,514号、同3,888,68
0号、同3,907,571号、同3,928,044号、同3,930,861号、
同3,930,866号、同3,933,500号、特開昭49-29639号、同
49-111631号、同49-129538号、同50-13041号、同52-589
22号、同55-62454号、同55-118034号、同56-38043号、
同57-35858号、同60-2953号、同60-23855号、同60-6064
4号、英国特許1,247,493号、ベルギー特許789,116号、
同792,525号、***特許2,156,111号、特公昭46-60479
号、同57-36577号等に記載されている。
【0074】シアンカプラーとしては、フェノール系シ
アンカプラーとナフトール系シアンカプラーを用いう
る。本発明に好ましく用いられるシアンカプラーとして
は、下記一般式〔C-I〕及び〔C-II〕で表されるシアン
カプラーが挙げられる。
【0075】
【化26】
【0076】式中、R1は炭素原子数2〜6のアルキル基を
表す。R2はバラスト基を表す。Zは水素原子又は発色現
像主薬の酸化体との反応により離脱可能な原子もしくは
基を表す。R1で表されるアルキル基は直鎖でも分岐でも
よく、置換基を有するものも包含する。
【0077】R2で表されるバラスト基は、カプラーが適
用される層からカプラーを実質的に他層へ拡散できない
ようにするのに十分な嵩ばりをカプラー分子に与えると
ころの大きさと形状を有する有機基である。
【0078】該バラスト基として好ましいものは下記一
般式で表されるものである。
【0079】
【化27】
【0080】R3は炭素原子数1〜12のアルキル基を表
し、Arは、フェニル基等のアリール基を表し、このアリ
ール基は置換基を有するものを包含する。一般式〔C-
I〕で表されるシアンカプラーの具体例としては、特開
平1-156748号第116頁〜119頁に記載されている例示化合
物PC-1〜PC-19、特開昭62-249151号に記載されている
例示化合物C-1〜C-28の他、特公昭49-11572号、特開昭
61-3142号、同61-9652号、同61-9653号、同61-39045
号、同61-50136号、同61-99141号、同61-105545号など
に記載されているシアンカプラーを挙げることができ
る。
【0081】
【化28】
【0082】式中、R1はアルキル基又はアリール基を表
す。R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又
は複素環基を表す。
【0083】R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
又はアルコキシ基を表す。
【0084】又、R3はR1と共同して環を形成してもよ
い。Zは水素原子又は芳香族第1級アミン系発色現像主
薬の酸化体との反応により離脱可能な基を表す。
【0085】前記一般式で〔C-II〕で表されるシアンカ
プラーにおいて、R1で表されるアルキル基としては、炭
素数1〜32のものが好ましく、これらは直鎖でも分岐で
もよく、置換基を有するものも含む。R1で表されるアリ
ール基としてはフェニル基が好ましく、置換基を有する
ものも含む。R2で表されるアルキル基としては炭素数1
〜32のものが好ましく、これらのアルキル基は直鎖でも
分岐でもよく、又置換基を有するものも含む。R2で表さ
れるシクロアルキル基としては炭素数3〜12のものが好
ましく、これらのシクロアルキル基は置換基を有するも
のも含む。R2で表されるアリール基としてはフェニル基
が好ましく、置換基を有するものも含む。R2で表される
複素環基としては5〜7員のものが好ましく、置換基を有
するものを含み、又縮合していてもよい。
【0086】R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
又はアルコキシ基を表し、該アルキル基及び該アルコキ
シ基は置換基を有するものを含むが、R3は好ましくは
水素原子である。
【0087】又、R1とR3が共同して形成する環としては
5〜6員環が好ましく、その例としては、
【0088】
【化29】
【0089】一般式〔C-II〕においてZで表される発色
現像主薬の酸化体との反応により離脱可能な基として
は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ
基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルオキシ
基、アリールオキシカルボニルオキシ基及びイミド基な
ど(それぞれ置換基を有するものを含む)が挙げられる
が、好ましくは、ハロゲン原子、アリールオキシ基、ア
ルコキシ基である。
【0090】上述のシアンカプラーのうち特に好ましい
ものは、下記一般式〔C-II-A〕で示されるものである。
【0091】
【化30】
【0092】式中、RA1は少なくとも1個のハロゲン原
子で置換されたフェニル基を表し、これらのフェニル基
は更にハロゲン原子以外の置換基を有するものを含む。
【0093】RA2は前記一般式〔C-II〕のR1と同義であ
る。XAはハロゲン原子、アリールオキシ基又はアルコキ
シ基を表し、置換基を有するものを含む。
【0094】一般式〔C-II〕で表されるシアンカプラー
の代表的具体例としては、特開昭63-96656号に記載され
ている例示化合物C-1〜C-25、特開平1-156748号第124
頁〜127頁に記載されている例示化合物PC-II-1〜PC-II-
31の他、特開昭62-178962号第7頁右下の欄〜9頁左下の
欄、特開昭60-225155号第7頁左下の欄〜10頁右下の欄、
特開昭60-222853号第6頁左上の欄〜8頁右下の欄及び特
開昭59-185335号第6頁左下の欄〜9頁左上の欄の記載さ
れた 2,5−ジアシルアミノ系シアンカプラー等が挙げら
れる。
【0095】上記カプラー等をハロゲン化銀乳剤に添加
するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通
常、沸点約150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必
要に応じて低沸点及び/又は水溶性有機溶媒を併用して
溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界
面活性剤を用いて撹拌器として、ホモジナイザー、コロ
イドミル、フロージェットミキサー、超音波装置等の分
散手段を用いて、乳化分散した後、目的とする写真構成
層(親水性コロイド層)中に添加すればよい。
【0096】分散後、又は分散と同時に低沸点有機溶媒
を除去する工程を入れてもよい。
【0097】このような目的に用いられる高沸点有機溶
媒としては、ジブチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキ
シル)フタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキ
シルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレンジ
ルホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェー
ト、ジ-フェニル-クレジルホスフェート、トリヘキシル
ホスフェート等の隣酸エステル類、ジエチルラウラミ
ド、ジブチルラウラミド等の有機酸アミド類、ジノニル
フェノール、p-ドデシルフェノール等のフェノール類、
デカリン、ドデシルベンゼン等の炭化水素類、1,4-ビス
(2-エチルヘキシルカルボニルオキシメチル)シクロヘ
キサン、アジピン酸ジノニル等のエステル類が好ましく
用いられる。中でもフタル酸、隣酸、その他の有機酸エ
ステル類がより好ましく用いられる。これらの高沸点有
機溶媒は1種でも2種以上を併用して用いてもよい。
【0098】カプラー等の分散に用いられる水不溶性で
有機溶媒可溶性のポリマーとしては、 (1)ビニル重合体及び共重合体 (2)多価アルコールと多塩基酸との縮重合体 (3)開還重合法により得られるポリエステル (4)その他ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂 等がある。
【0099】これら重合体の数平均分子量は特に限定さ
れないが、好ましくは20万以下であり、更に好ましくは
5,000〜10万である。重合体のカプラーに対する割合
(重合比)は、1:20〜20:1が好ましく、より好まし
くは1:10〜10:1である。
【0100】本発明に係る感光材料には、画像色素の耐
久性を高めるため種々の化合物を用いることができる。
【0101】又本発明においては、カプラーと共に溶
解、分散し、本発明の感光材料に添加することにより、
形成される色素の分光吸収を変化させる種々の化合物を
用いることが出来る。
【0102】また、これ以外にも米国特許4,774,187号
に記載の蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
【0103】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
イラジェーション防止、ハレーション防止の目的や感度
調整の目的のために種々の波長域に吸収を有する染料を
用いることが出来る。
【0104】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、色カブリ防止剤、硬膜剤、可塑剤、ポリマーラテッ
クス、紫外線吸収剤、ホルマリンスカベンジャー、現像
促進剤、現像遅延剤、蛍光増白剤、マット剤、滑剤、帯
電防止剤、界面活性剤等を任意に用いることができる。
【0105】本発明の乳剤は、常法により化学増感され
る。即ち、銀イオンと反応できる硫黄を含む化合物や、
活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン化合物を用い
るセレン増感法、還元性物質を用いる還元増感法などを
単独又は組み合わせて用いることができる。
【0106】本発明のハロゲン化銀乳剤には、感光材料
の製造工程、保存中、或いは写真処理中のカブリの防
止、又は写真性能を安定に保つことを目的として化学熟
成中、化学熟成の終了時、及び/又は化学熟成の終了後
ハロゲン化銀乳剤を塗布するまでに、カブリ防止剤又は
安定剤を加えることができる。
【0107】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料のバインダーとしては、ゼラチンを用いることが有
利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導
体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、それ以
外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一或いは
共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コロイ
ドも用いることができる。
【0108】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
写真構成層はバライタ紙又はα-オレフィンポリマー等
をラミネートした紙、及び、紙支持体とα-オレフィン
層が容易に剥離できる紙支持体、合成紙等の可撓性反射
支持体、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテフタレート、ポリ
カーボネート、ポリアミド等の半合成又は合成高分子か
らなるフィルムに白色顔料を含有あるいは塗布した反射
支持体や金属、陶器などの剛体等に塗布できる。又、12
0〜160μmの薄手型反射支持体を用いることもできる。
【0109】白色顔料としては、無色及び/又は有機の
白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔
料であり、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属
の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸
塩、微粉珪酸、合成珪酸塩のシリカ類、珪酸カルシウ
ム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜
鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。白色顔料として好
ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
【0110】本発明に係るハロゲン化銀感光材料は、必
要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火焔
処理等に施した後、直接又は下塗層(支持体表面の接着
性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性硬さ、ハレーシ
ョン防止性、摩擦特性及び/又はその他の特性を向上す
るための1又は2以上の下塗層)を介して塗布されてもよ
い。
【0111】本発明に係るハロゲン化銀乳剤を用いた写
真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させる為に増
粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同
時に塗布することのできるエクストルージョンコーティ
ング及びカーテンコーティングが特に有用である。
【0112】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、当
業界公知の発色現像処理を行うことにより画像を形成す
ることができる。
【0113】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理において発色現像液に使用される発色現像主薬は、
種々のカラー写真プロセスにおいて広範囲に使用されて
いるアミノフェノール系及びp-フェニレンジアミン系誘
導体を包含する。
【0114】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理に適用される発色現像液には、前記の芳香族第1級
アミン系発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合
物を添加することができる。
【0115】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行ってもよい。定着処理の後は、通
常は水洗処理が行われる。又、水洗処理の代替として、
安定化処理を行ってもよい。
【0116】本発明に係る画像形成方法においてハロゲ
ン化銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置と
しては、処理槽に配置されたローラーに感光材料を挟ん
で搬送するローラートランスポートタイプであっても、
ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト
方式であっても、処理槽をスリット状に形成して、この
処理槽に処理液を供給すると共に感光材料を搬送する方
式であってもよい。
【0117】
【実施例】以下実施例により、本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0118】実施例1 マゼンタカプラーM-1と色素画像安定剤(ST-1、ST-
2、ST-3)に、高沸点有機溶媒(DNP)と酢酸エチル60
mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU-1)7m
lを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナ
イザーを用いて乳化分散させて、マゼンタカプラー分散
液を作製した。この分散液を下記の構成で塗布した赤外
感光性ハロゲン化銀乳剤と混合し、塗布液を調整し、試
料101〜118を作製した。
【0119】硬膜剤として、H-1、H-2を添加した。塗布
助剤としては、界面活性剤(SU-2)、(SU-3)を添加
し、表面張力を調整した。
【0120】 保護層 添加量(g/m2) ゼラチン 1.00 防バイ剤(F-1) 0.002 赤外感光層 ゼラチン 1.40 赤外感光性塩臭化銀乳剤(Em-IR1) 0.170 マゼンタカプラー(M-1) 0.35 色素画像安定化剤(ST-1) 0.15 色素画像安定化剤(ST-2) 0.15 色素画像安定化剤(ST-3) 0.15 DNP 0.20 イラジェーション防止染料(AI-1) 0.01 支持体 ポリエチレンラミネート紙 (赤外感光性ハロゲン化銀乳剤の調製方法)40℃に保温
した2%ゼラチン水溶液1000ml中に下記(A液)及び
(B液)をpAg=6.5、pH=3.0に制御しつつ30分かけて
同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=7.
3、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加した。こ
の時、pAgの制御は特開昭59-45437号記載の方法により
行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウムの水溶液を
用いて行った。
【0121】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて
200ml (C液) 塩化ナトリウム
102.7g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.43μm、変動
係数=0.08、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳
剤EMP-1を得た。
【0122】上記乳剤EMP-1に対し、下記化合物を用
い、50℃にて90分化学熟成を行い、赤外感光性ハロゲン
化銀乳剤(Em-IR1)を得た。
【0123】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB-1 6×10-4モル/モルAgX 最適なセンシトメトリー性能が得られる時間でSTAB-1を
添加し、温度を低下させて化学熟成を停止させたがSTAB
-1の添加の3分前に本発明に係る増感色素(例示化合
物)を1×10-4モル/モルAgXとヘテロ原子を含む大環状
化合物(例示化合物)を0.7g/モルAgXを添加し、次の
表2に示す内訳の塗布液を調製した。
【0124】
【表2】
【0125】
【化31】
【0126】
【化32】
【0127】
【化33】
【0128】このようにして得られた試料をレーザープ
リンタ(約830nmガリウム・アルミニウム・ヒ素半導体
レーザー)を用い100μmピッチでビーム径80μmのレー
ザー光束により、1.6m/秒の走査速度で走査を行い画像
出力後連続して画像を出し最初の試料と1hr後の試料を
下記の処理工程に従って処理した。
【0129】処理工程 温 度 時 間 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 安 定 化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 (発色現像液) 純水 800ml トリエタノールアミン 10g N,N‐ジエチルヒドロキシルアミン 5g 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 2g 亜硫酸カリウム 0.3g 1‐ヒドロキシエチリデン1,1‐ジホスホン酸 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g カテコール‐3,5‐ジスルホン酸二ナトリウム塩 1.0g N‐エチル‐N‐β‐メタンスルホンアミド エチル‐3‐メチル‐4‐アミノアニリン 硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4′‐ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g 炭酸カリウム 27g 水を加えて全量を100mlとし、pH=10.10に調整する。
【0130】 (漂白定着液) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム (70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム (40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を100mlとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.7に調整する。
【0131】 (安定化液) 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 1.0g エチレングリコール 1.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 2.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を100mlとし、硫酸又は水酸化カリウムでpH=7.0に調整する。
【0132】得られた試料の濃度を求め最初に出力した
試料と1hr後の試料の濃度差(ΔD)を求め評価した。
【0133】また、別途780nmのガリウム・アルミニウ
ム・ヒ素半導体レーザーで露光し、下記処理工程にて処
理を行なった。
【0134】露光時の波長が830nmの時の各試料間での
感度比較を行ない感度を求め、試料No.101の感度を100
として表した相対感度で示した。
【0135】得られた結果を次の表3に示す。
【0136】
【表3】
【0137】表から明らかな如く、試料101〜104はΔD
が大きく、露光装置を連続して稼動した場合の濃度変動
が大きい。試料105は色素の併用により、連続して走査
露光を行なった時の画像の安定性は良くなっているが、
波長の違いによる感度差が小さい。
【0138】本発明の赤外増感色素と含ヘテロ大環状化
合物の併用によりΔDが小さく、安定した画像が得られ
ることが分かる。又、ΔSが大きく分光感度の短波側の
切れがよいことが分かる。このことから、色濁りの要因
が著しく改良されることが分かる。
【0139】更に試料106、117、112と試料114、115、1
16を比べて分かるように、一般式の〔4〕、〔5〕、
〔6〕を使用することにより、ΔD、ΔSが小さくより
効果が発揮されていることが分かる。
【0140】又、本発明の含ヘテロ大環状化合物で強色
増感した場合、試料106、109、118と試料119、120、121
を比べて分かるように、クラウンエーテルを用いること
により、より効果が大きいこととが分かる。
【0141】実施例2 実施例1同様に塗布液を調製し、下記の表4,5に示す
構成層で多層ハロゲン化銀写真感光材料201〜205を作製
した。
【0142】(青感性ハロゲン化銀乳剤層の調製)(A
液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添
加時間を変更する以外はEMP-1と同様にして、平均粒径
0.85μm、変動係数=0.07、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP-2を得た。
【0143】EMP-2に対し、下記化合物を用いて、50℃
で90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em-
B)を得た。
【0144】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB-1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS-1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS-2 1×10-4モル/モルAgX (赤感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B
液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変
更する以外は実施例1のEMP-1と同様にして、平均粒径
0.50μm、変動係数=0.08、塩化銀含有率99.5モル%の
単分散立方体乳剤を得た。
【0145】この乳剤に、下記化合物を用いて60℃で90
分化学熟成を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em-R)
を得た。
【0146】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB-1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS-1 1×10-4モル/モルAgX
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
【化34】
【0150】
【化35】
【0151】
【化36】
【0152】
【化37】
【0153】
【化38】
【0154】得られた試料をレーザープリンタ(約78
0nmガリウム・アルミニウム・ヒ素半導体レーザー)
で適宜露光量を変え、実施例1に示した処理工程にて処
理を行ない、イエローのカラーパッチを作成した。得ら
れた試料を光学濃度計(コニカ[株]製PDA-65型)を用
いて、濃度測定し、B濃度1.8のところのG濃度(G
D)を求め色濁りの評価を行なった。得られた結果を表
6に示す。
【0155】
【表6】
【0156】表6から本発明の化合物を用いることによ
り色濁りが少なく本発明の効果が得られていることが判
る。
【0157】実施例3 実施例−1で試料102、105、106、107の作成において臭
化銀含有率10モル%の塩臭化銀乳剤を用いた以外、実施
例1同様に試料301〜304を作製した。
【0158】また、上記同様に臭化銀含有率70モル%の
塩臭化銀乳剤を用い、試料305〜308及び塩化銀含有率10
0モル%の塩化銀乳剤を用い試料309〜312を作製した。
【0159】このようにして作製した試料を実施例1同
様に評価した。
【0160】試料305〜318については、最適な画像を得
るため、下記処理工程に従って処理した。
【0161】 (処理液組成)発色現像液 ベンジルアルコール 15ml エチレングリコ−ル 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 0.7g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ポリ燐酸(TPPS) 2.5g N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミド エチル)-3-メチル-4-アミノアニリン 硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g 水酸化カリウム 2.0g 水を加えて全量100mlとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH10.20に調整する。漂白定着液 エチレンジアミン四酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 水を加え全量100mlとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH7.1に調整する。 得られた結果を次の表7に示す。
【0162】
【表7】
【0163】表7で明らかなように塩化銀乳剤又は臭化
銀含有量の高い塩臭化銀乳剤においても、色濁りが小さ
く、連続して画像を出力した時の濃度差も小さく本発明
の効果が得られた。更に臭化銀含有率0.05モル%ではよ
り効果が発揮されることが分かった。
【0164】
【発明の効果】本発明により、色濁りがなく、レーザー
プリンターで連続して画像を出力した場合にも安定して
高画質を有するハロゲン化銀写真感光材料を得ることが
できた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−25833(JP,A) 特開 平3−20730(JP,A) 特開 平1−138552(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/20 G03C 1/22 G03C 1/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層中に下記
    一般式〔1〕、〔2〕及び〔3〕から選ばれる増感色素
    の少なくとも一つと、ヘテロ原子を含む大環状化合物
    (但し、メルカプトテトラゾール構造を有するものを除
    く)の少なくとも一つを組み合わせて含有することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、Z1、Z2はそれぞれ複素環を形成するに必要な原子
    群を表し、R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基又はアラルキル基を表す。R3、R4は水
    素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を表し、R3
    水素原子の場合、R4又はR2と連結して5〜6員環を形成し
    てもよく、R4が水素原子の場合、R3は他のR3と連結して
    炭化水素環又は複素環を形成してもよい。k、mは0又は1
    を表し、Lは3以上の整数を表す。Xは酸アニオンでnは0
    又は1を表す。 【化2】 式中、Z1、Z2はそれぞれ複素環を形成するに必要な原子
    群を表し、R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基又はアラルキル基を表す。R4はアルキ
    ル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表
    し、R3は水素原子、低級アルキル基、アリール基を表す
    ほか、R3と他のR3とが連結して炭化水素環又は複素環を
    形成してもよい。Qは硫黄原子、酸素原子、セレン原子
    又は=N-R5を表しR5はR4と同義である。Lは2又は3でk、m
    は0又は1を表し、Xは酸アニオンでnは0又は1を表す。 【化3】 式中、Z1は複素環を形成するに必要な原子群を表し、
    R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アルキニ
    ル基又はアラルキル基を表す。R3は水素原子、低級アル
    キル基、アリール基を表すほか、R3と他のR3とが連結し
    て炭化水素環又は複素環を形成してもよい。Qは硫黄原
    子、酸素原子、セレン原子又は=N-R4を表し、R 4 アル
    キル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を
    表す。Lは2又は3でkは0又は1を表す。
  2. 【請求項2】 720nm以上に感光極大を有する赤感性層
    を、二層以上有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、より長波長の赤感性層がヘテロ原子を含む大環状化
    合物の少なくとも一つを含有することを特徴とする請求
    項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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