JP2004205573A - ハロゲン化銀カラー感光材料及び現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料及び現像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたイエローの色再現性、特に明度、彩度の低下を招くことなく色相が目標とする画像に極めて近似した色再現性を有するハロゲン化銀カラー感光材料およびその処理方法を提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、前記ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(1)で表される少なくとも1種のカプラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料及びその処理方法。
【化1】
Figure 2004205573

(式中、L:−N(R5)C(=O)−、−C(=O)N(R5)−、−N(R5)S(=O)2−、−S(=O)2N(R5)−、−N(R5)S(=O)−、−S(=O)N(R5)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−等を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー感光材料におけるイエローの色再現を改良し、印刷に極めて近似した画像を提供し、かつこれを安定して実現するものである。さらには明度が高く、印刷本紙に近似し、いかなる光源下においても同様に観察される優れた白地を与え、イエローの色再現性と両立するカラープルーフを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀カラー感光材料は高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理に適していることから、写真の分野のみではなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるプルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
【0003】
プルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
【0004】
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合にはコンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれ、ハロゲン化銀感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、一方で上述したように連続した処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込むことができることから高い生産性を実現することが可能となった。
【0005】
デジタルデータに基づき面積階調画像を形成するシステムでは、網点をさらに小さな単位(ここではこれを画素と表現した)に分割し、この画素を適切な露光量で露光することによってその集合体として網点を再現することが可能である。例えとして簡単な例を挙げれば、1つの網点が100個の画素で構成されるのであれば、50個の画素を現像可能なように露光することにより網%が50%の網点を形成することができる。
【0006】
実際には、露光量や、露光ビーム径等によって発色濃度、発色領域の面積は変化し、実際に濃度計を用いて測定した網%は露光した画素の数とは異なってくる。実技上は露光量やビーム径を適切な領域に定めた後、露光する画素の数を適宜変更し、更に露光量を微調整していくといった作業を繰り返し、オリジナルの網%に対して適切なドットゲインが再現されるように条件を調整していくことになる。
【0007】
このようなハロゲン化銀カラー感光材料を用いた露光システム的な技術開発に加え、ハロゲン化銀カラー感光材料用から得られる色再現を限りなく印刷物に近づけるために、長年様々な努力が重ねられてきた。特にイエローの発色、色再現技術においてはその要求が高く、従来より用いられているアシルアセトアニリド型イエローカプラーは、特に発色色素の分光スペクトルの長波側の切れが鋭くなく、赤味成分の多い色調となり、印刷物の色調との大きな乖離が指摘されていた。さらに、特開2002−122969号には、一般的に用いられる観賞用カラー写真システム用の発色現像主薬をカラープルーフ用途に適用する提案がなされているが、その化合物の性質上赤味がさらに増加し、さらにイエローの色再現性を劣化させてしまうという問題を有していた。さらには色相を合わせるために、イエロー発色層に像様に発色する、イエローとは色相の異なるカプラーを添加する技術も開示されているが、明度、彩度を共に低下させるため本質的な改良手段とはいえず、やはり改良が望まれていた。
【0008】
一方特定の構造を有するハロゲン化銀カラー写真用イエローカプラーが提案されている。例えば、アシル部に特徴を持たせたアシルアセトアニリド型イエローカプラー(例えば、特許文献2参照。)や、マロンジアミド型イエローカプラー(例えば、特許文献1、特許文献6参照)が、また発色性、色再現性、耐光性などの改良を目的に、アシルアセトアニリド型においてそのアニリド部の2位置換基に特徴を持たせたもの(例えば、特許文献3参照)が、提案されている。特に、特定の高沸点有機溶媒と共に用いることでカラープルーフ用途のハロゲン化銀カラー感光材料に好ましく適用できるという提案もある(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
一方、現像処理後のハロゲン化銀カラー感光材料の白地の汚れを防止するため、感光材料中もしくは処理液中に蛍光増白剤を添加する等の技術が知られている。縮合オキサゾール環を塩基性母核として有する特定のカルボシアニン色素で色増感されたハロゲン化銀乳剤と、特定の界面活性剤を含有するハロゲン化銀感光材料を4,4’−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体蛍光増白剤の存在下で発色現像するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法が提案されており、これによって増感色素の残存によって生じる汚染を低減することができることが開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、増感色素等の着色物質の残存は、増感色素の構造とカラー感光材料中に用いられている油相素材の特性によっても変化することが知られている。事実、本発明者らの研究によれば、極めて印刷物に近似したイエローの色再現を与える本願発明の一般式(1)で表されるイエローカプラーを用いた場合、未発色部である白地に対しては従来の化合物に比べ優れた効果を与えるものの、縮合チアゾール母核を有するシンプルシアニン色素、縮合オキサゾール母核、縮合イミダゾール母核、縮合チアゾール母核を有するカルボシアニン色素による残色汚染が依然存在することが判明した。これらは前記公報で記載されている化合物では改善することができないことも判明した。
【0010】
また、処理液中での析出性の改良と白地汚染の低減の両立を目的に、トリアジン環上に特定の置換基を有するトリアジニルスチルベン系化合物の処理液中への添加が提案されている(例えば、特許文献5参照)。本願発明者らは鋭意検討の結果、特定の構造を有する前記一般式(1)のイエローカプラーを採用するにあたり、特定の置換基を有する同号記載のトリアジニルスチルベン系化合物が含有される処理液で処理した際に、前述の増感色素の残色が大幅に改良され、極めて明度が高く、かついかなる光源下においても同様に観察される優れた白地が得られることがわかった。即ちイエロー画像の色再現性と、優れた白地を両立しうる感光材料、及び感光材料の処理方法を提供することが可能であることを、本発明者らは見出した。さらには、特定の置換基を有する該トリアジニルスチルベン系化合物を、感光材料中に添加することによっても、同様の効果が得られることを見出し、さらには該トリアジニルスチルベン系化合物を感光材料中に添加し、同化合物を含有する処理液により処理することで、更なる効果が得られることを見出した。一般式(1)で表される特定構造を有するイエローカプラーを含有する感光材料、あるいは一般式(W)で表される化合物を含有する感光材料を、一般式(W)で表される化合物を添加する処理液により処理することは、前記の先行技術文献を含むいかなる先行技術文献においても、その記載はない。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−11416号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平8−29932号公報
【0013】
【特許文献3】
特開平10−186601号公報
【0014】
【特許文献4】
特開昭59−72444号公報
【0015】
【特許文献5】
特開2001−281823号公報
【0016】
【特許文献6】
特開2002−296738号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、優れたイエローの色再現性、特に明度、彩度の低下を招くことなく色相が目標とする画像に極めて近似した色再現性を有するハロゲン化銀カラー感光材料を提供することにある。さらには、明度が高く、いかなる光源下においても同様に観察される優れた白地が再現されるハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成することができる。
【0019】
(1)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、前記ハロゲン化銀乳剤層に前記一般式(1)で表される少なくとも1種のカプラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
【0020】
(2)前記一般式(1)で表される化合物において、R1で表される基が置換、または無置換の脂肪族基であり、R2で表される置換基がアルコキシ基、またはアリールオキシ基であり、Lで表される2価の連結基が−N(R5)C(=O)−、−C(=O)N(R5)−、−N(R5)S(=O)2−、−S(=O)2N(R5)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−のいずれかから選ばれることを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
【0021】
(3)前記一般式(1)で表される化合物において、R3で表される基がアルコキシ基、アリールオキシ基、またはハロゲン原子であり、Xで表される基が窒素原子で脱離する基であることを特徴とする(1)または(2)に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
【0022】
(4)前記一般式(W)で表される化合物を該感光材料を構成するいずれかの層に含有することを特徴とする(1)、(2)または(3)に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
【0023】
(5)前記(1)から(4)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料を、前記一般式(W)で表される化合物を少なくとも一種含有する処理液により処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
【0024】
(6)処理液中に含有する前記一般式(W)で表される化合物において、R11及びR12で表される置換基がいずれも水素原子であるか、またはR13及びR14で表される置換基がいずれも水素原子であることを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法。
【0025】
以下、本発明について更に詳細に詳述する。
まず、前記一般式(1)で表されるカプラーについて説明する。
【0026】
一般式(1)で表される化合物におけるR1で表される基のうち、置換もしくは無置換の脂肪族基としては例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。具体的にはiso−プロピル機、t−ブチル基、ネオペンチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピル基、アダマンチル基などが挙げられる。R1で表される基として好ましくはアルキル基が挙げられ、アルキル基のうち好ましくは、t−ブチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、さらに好ましくはt−ブチル基である。
【0027】
同様にR1で表される置換もしくは無置換の芳香族基としては例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、ナフチル基、2−アミノナフチル基等が挙げられる。同様にR1で表される基のうち、置換または無置換の複素環基としては、ピロリル基、フリル基、ベンゾフリル基、ベンゾピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピリミジニル基、ベンゾイミダゾリル基等が挙げられる。
【0028】
同様にR1で表されるアルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。同様にR1で表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0029】
同様にR1で表されるアミノ基としては、ジエチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、インダゾリニル基、ピラゾリル基等が挙げられる。
【0030】
一般式(1)で表される化合物におけるR1で表される基のうち好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはアルキル基である。アルキル基として好ましくはt−ブチル基、アダマンチル基、シクロプロピル基等があげられ、最も好ましくはt−ブチル基である。
【0031】
一般式(1)で表される化合物におけるR2で表される基としては、R1で挙げたものと同様のものを挙げることができる。さらにR2で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素などを挙げることができる。R2で表されるハロゲン原子として好ましくは、塩素である。
【0032】
一般式(1)で表される化合物におけるR2で表される基のうち好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基であり、より好ましくはアルコキシ基である。アルコキシ基として好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロピルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられ、更に好ましくはiso−プロピルオキシ基である。
【0033】
一般式(1)で表される化合物におけるR3で表される基としては、R2で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
【0034】
一般式(1)で表される化合物におけるR3で表される基のうち好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基であり、より好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子である。アルコキシ基として好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロピルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられ、更に好ましくはメトキシ基、iso−プロピルオキシ基である。R3で表されるアリールオキシ基として好ましくは、フェノキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基等が挙げられる。R3で表されるハロゲン原子として好ましくは、フッ素、塩素等が挙げられ、より好ましくは塩素である。
【0035】
一般式(1)で表される化合物におけるR4で表される基としては、ベンゼン環に置換可能な基であれば何でも良いが、代表例としては例えば、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
【0036】
nは0〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、複数のR4は同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成してもよい。
【0037】
一般式(1)で表される化合物におけるLで表される2価の連結基としては、−N(R5)CO−、−CON(R5)−、−N(R5)SO2−、−SO2N(R5)−、−N(R5)SO−、−SON(R5)−、−COO−、−OCO−、−OP(=O)(O)2−、−N(R5)P(=O)(O)2−のいずれかから選ばれる基を表す。
【0038】
Lで表される2価の連結基として好ましくは、−N(R5)CO−、−CON(R5)−、−N(R5)SO2−、−SO2N(R5)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−であり、さらに好ましくは−N(R5)CO−、−N(R5)SO2−である。
【0039】
Lで表される連結基におけるR5は水素原子または置換基を表し、R5で表される置換基としてはアルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
【0040】
5で表される置換基として好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基である。アルキル基として好ましくは、エチル基、2−エチルヘキシル基、2−カルボキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0041】
一般式(1)で表される化合物におけるLで表される連結基が−SO2NH−の時、同時にR1がアミノ基であることはない。
【0042】
一般式(1)で表される化合物におけるXで表される、発色現像主薬の酸化体とのカップリングによって脱離する原子、基としては窒素原子で脱離する基、酸素原子で脱離する基、イオウ原子で脱離する基、ハロゲン原子、水素原子などが挙げられる。窒素原子で脱離する基としては例えば、スクシンイミド、フタルイミド、ピロール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジオン、インドール、ベンゾピラゾール、2−ピリドン、2−ピリミドン、等の複素環基、またトリフルオロアセトアミド基などのカルボンアミド基、メタンスルホンアミド基などのスルホンアミド基、ナフチルアゾ基などのアリールアゾ基等が挙げられる。
【0043】
窒素原子で脱離する基として好ましくは、ヘテロ環基であり、ヘテロ環基として好ましくは1,2,4−トリアゾール、イミダゾリン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジオンなどが挙げられる。
【0044】
酸素原子で脱離する基としては例えば、フェニルオキシ基、4−メトキシカルボニルフェニルオキシ基、4−アリールスルホニルフェニルオキシ基などのアリールオキシ基が挙げられる。
【0045】
硫黄原子で脱離する基としては例えば、フェニルチオ基などのアリールチオ基が挙げられる。
【0046】
ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
更にこれらの基は、置換可能であればさらに置換基を有することができる。またXは写真用有用性基であってもよい。
【0047】
Xとして好ましくは、窒素原子、または酸素原子で脱離する基であり、さらに好ましくは、窒素原子で脱離する基である。
【0048】
次に、本発明に関わる化合物である前記一般式(1)で表されるカプラーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
【化4】
Figure 2004205573
【0050】
【化5】
Figure 2004205573
【0051】
【化6】
Figure 2004205573
【0052】
【化7】
Figure 2004205573
【0053】
【化8】
Figure 2004205573
【0054】
【化9】
Figure 2004205573
【0055】
【化10】
Figure 2004205573
【0056】
【化11】
Figure 2004205573
【0057】
【化12】
Figure 2004205573
【0058】
本発明の感光材料に用いられるイエローカプラーは、特開平10−186601号、あるいは特開平5−11416号等に記載の方法に準じて合成することができる。
【0059】
次に、一般式(W)で表される化合物について説明する。
一般式(W)で表される化合物におけるR11、R12で表される置換基としては特に制限はないが、一般式(1)におけるR4で表される置換基と同様の基を挙げることができる。R11、R12として好ましくはアリール基、アルキル基であり、好ましくはアルキル基である。好ましいアルキル基としては炭素数1〜16,更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の置換、もしくは無置換のアルキル基である。置換基としてはアルコキシ基、スルホン酸基、エチレンオキシ基などが挙げられる。R11、R12で表されるアルキル基としては具体的には、メチル基、プロピル基、iso−プロピル基、オクチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等が挙げられる。R11,R12として特に好ましくは水素原子、2−ヒドロキシエチル基、2−スルホエチル基などである。
【0060】
一般式(W)で表される化合物におけるR13、R14で表される置換もしくは無置換のアルキル基としては、R11、R12と同様のものを好ましく用いることができる。
【0061】
一般式(W)で表される化合物におけるR15、R16で表される置換基は前記一般式(W−R)で表され、一般式(W−R)中のAは水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシプロピル基のいずれかを表し、4つのAは同一でも異なっていてもよい。R15及びR16で表される基としては、ヒドロキシル基を少なくとも一つ以上含有することが好ましい。
【0062】
一般式(W)で表される化合物におけるR11及びR12がいずれも、同時に水素原子であるか、またはR13及びR14がいずれも、同時に水素原子であることが好ましく、R11、R12、R13及びR14がいずれも、同時に水素原子であることが特に好ましい。
【0063】
一般式(W)で表される化合物におけるRwで表される基は、前記一般式(W−R)で表される基、または−CH2CH2SO3Mである。Rwで表される基として好ましくは、−CH2CH2SO3Mである。
【0064】
一般式(W)で表される化合物におけるMで表されるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、の中で特に好ましいのはNa、及びKである。アンモニウム基としてはテトラアルキルアンモニウム基が好ましく、例えばテトラブチルアンモニウムが挙げられる。
【0065】
一般式(W)で表される化合物におけるMとして最も好ましくは、Na、及びKである。
【0066】
次に、本発明に関わる化合物である前記一般式(W)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
【化13】
Figure 2004205573
【0068】
【化14】
Figure 2004205573
【0069】
【化15】
Figure 2004205573
【0070】
【化16】
Figure 2004205573
【0071】
【化17】
Figure 2004205573
【0072】
【化18】
Figure 2004205573
【0073】
【化19】
Figure 2004205573
【0074】
【化20】
Figure 2004205573
【0075】
本発明の感光材料の処理方法に用いられる一般式(W)で表される化合物は、特開2001−281823号に記載の方法に準じて合成することができる。
【0076】
本発明の感光材料に用いられるイエローカプラーは通常ハロゲン化銀1モル当り1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。また本発明のカプラーは他の種類のカプラーと併用することもできる。本発明の感光材料に用いられるカプラーには、通常の色素形成カプラーにて用いられる方法及び技術が、同様に適用される。
【0077】
本発明に係る感光材料に用いられるマゼンタカプラーとしては、特開平8−328210号2ページ記載の一般式M−IもしくはM−IIで示される化合物が好ましい。好ましい化合物の具体例としては、同号6ページから16ページに記載のMCP−1〜MCP−41を挙げることができる。更に他の具体例としては欧州公開特許0273712号6〜21頁に記載されている化合物M−1〜M−61及び同0235913号36〜92頁に記載されている化合物1〜223の中の上述の代表的具体例以外のものがある。
【0078】
該マゼンタカプラーは他の種類のマゼンタカプラーと併用することもでき、通常ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0079】
本発明に係る感光材料において形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλmaxは530〜560nmであることが好ましく、またλL0.2は、580〜635nmであることが好ましい。λL0.2とは、画像色素の分光吸光度曲線において、最大吸光度が1.0である時、最大吸光度を示す波長よりも長波で、吸光度が0.2となる波長をいう。この量は画像色素の長波側の不要吸収の大きさを示す目安となる量であり、λmaxに近い波長であるほど不要吸収が小さく好ましいことを表す。
【0080】
本発明に係るハロゲン化銀感光材料のマゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイエローカプラーが含有されることが好ましい。本発明の感光材料のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーとしては、公知のピバロイルアセトアニリド型もしくはベンゾイルアセトアニリド型等のカプラーが挙げられる。本発明の感光材料のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーの具体例としては特開平8−314079号6〜15ページ右欄に記載のYCP−1〜YCP−39で表されるカプラーが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0081】
本発明に係る感光材料においてシアン画像形成層中に含有されるシアンカプラーとしては、公知のフェノール系、ナフトール系又はイミダゾール系、アゾール系カプラーを用いることができる。例えば、アルキル基、アシルアミノ基、或いはウレイド基などを置換したフェノール系カプラー、5−アミノナフトール骨格から形成されるナフトール系カプラー、離脱基として酸素原子を導入した2当量型ナフトール系カプラーなどが代表される。このうち好ましい化合物としては特開平6−95283号13ページ記載の一般式[C−I]、[C−II]が挙げられる。
【0082】
アゾール系カプラーとしては特開平8−171185号2ページ記載の一般式〔I〕もしくは〔II〕で表されるピラゾロアゾール系カプラー、または特開平11−282138号に記載の一般式(I)で表されるピロロアゾール系カプラーを挙げることができる。
【0083】
該シアンカプラーは通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0084】
該マゼンタ色画像、シアン色画像、及びイエロー色画像の分光吸収特性を調整するために、色調調整作用を有する化合物を添加することが好ましい。このための化合物としては、特開平6−95283号22ページ記載の一般式[HBS−I]に記載されるリン酸エステル系化合物、[HBS−II]で示されるホスフィンオキサイド系化合物が好ましく、より好ましくは同号22ページ記載の一般式[HBS−II]で示される化合物である。
【0085】
前記マゼンタ、シアン、イエローの各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することができる。好ましい化合物としては、特開平2−66541号3ページ記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開平64−90445号記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。また特開平1−196049号記載の一般式I’で示される化合物および特開平5−11417号記載の一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
【0086】
本発明に係るハロゲン化銀感光材料に用いられるステイン防止剤やその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。ステイン防止剤等を溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、特開平4−265,975号5ページ記載の(a−i)〜(a−x)を代表とする高級アルコール系化合物等が好ましく用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0であることが好ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
【0087】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤としては、95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤が好ましく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものが用いられる。中でも、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤の、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成されることが特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
【0088】
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤には重金属イオンを含有させるのが有利である。これによっていわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたりシャドー側での軟調化が防止されることが期待される。このような目的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、ニトロシル、アンモニア、1,2,4−トリアゾール、チアゾール等を挙げることができる。中でも、塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。これらの配位子は単独であっても複数の配位子が併用されてもよい。
【0089】
これらの金属化合物は、ハロゲン化銀乳剤粒子に含有させた時の電子トラップの深さとして特徴づけることもできる。深さが0.2eV以下の浅い電子トラップを与える化合物としては第2鉛イオンまたは、シアノ配位子を有する化合物を挙げることができ、相反則不軌特に低照度不軌を改良するのに有効である。また、深さが0.35eV以上の深い電子トラップを与える化合物としては、ハロゲン化物イオンやニトロシル配位子を有するIr、Rh、Ru化合物を挙げることができる。これらは高照度相反則不軌を改良する上で好ましく用いることが出来る。深さが0.2eV以下の浅い電子トラップを与える化合物と深さが0.35eV以上の深い電子トラップを与える化合物を併用することも好ましい形態である。これら化合物については特開2000−214561号4〜5ページに詳しい記載がある。
【0090】
ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。
【0091】
重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することができる。また、あらかじめこれらの重金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製することもできる。前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
【0092】
本発明に用いられる粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許4183756号、同4225666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
【0093】
本発明に用いられる粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加することが特に好ましい。
【0094】
本発明に用いられる粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
【0095】
この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
【0096】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
【0097】
変動係数=S/R
(ここに、S は粒径分布の標準偏差、R は平均粒径を表す。)
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
【0098】
本発明に用いられる乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
【0099】
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
【0100】
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許2921164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
【0101】
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
【0102】
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来る。カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、トリエチルチオ尿素、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
【0103】
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変えることが好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
【0104】
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル〜1×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルである。これらの化合物は、増感剤としてではなく、塗布液の調製段階などで種々の目的で添加することができる。
【0105】
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
【0106】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される含窒素複素環メルカプト化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、特開2000−267235号8ページ右欄32〜36行目に記載の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
【0107】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、種々の目的で他の添加剤を加えることが出来る。例えば、特開平2−146,036号に具体的に記載されているA−20、C−1、C−9、C−14、C−15、C−16、C−40等のジスルフィド、ポリスルフィド化合物、D−1、D−3、D−6、D−8等のチオスルホン酸化合物、無機イオウ等を用いることが好ましい。
【0108】
本発明に用いられる写真感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号記載の染料が好ましく用いられる。
【0109】
本発明に係るハロゲン化銀感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の耐拡散性化合物で着色された親水性コロイド層を有することが好ましい。着色物質としては染料またはそれ以外の有機、無機の着色物質を用いることができる。
【0110】
本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の着色された親水性コロイド層を有することが好ましく、該層に白色顔料を含有していてもよい。例えばルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を用いることができるが、種々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔料は処理液が浸透できるような例えばゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の塗布付量は好ましくは0.1g/m2〜50g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.2g/m2〜5g/m2の範囲である。
【0111】
支持体と、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層との間には、白色顔料含有層の他に必要に応じて下塗り層、あるいは任意の位置に中間層等の非感光性親水性コロイド層を設けることができる。
【0112】
本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料には、適宜蛍光増白効果を有する化合物や、処理後のステインを低減するような化合物を添加することが好ましい。添加する化合物としては一般式(W)で表される化合物が特に好ましく、添加する層としては特に、支持体に近い層に添加することが好ましく、また、前記白色顔料を含有する層に添加することも好ましい。
【0113】
本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
【0114】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
【0115】
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。また、これらの色素の添加方法としては、水またはメタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水と混和性の有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよいし、増感色素を密度が1.0g/mlより大きい、水混和性溶媒の溶液または、乳化物、懸濁液として添加してもよい。
【0116】
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を3.8×10-2N/m以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法、特開昭50−80826号に記載の実質的に水を含まず、pKaが5を上回らない酸に溶解し、該溶解液を水性液に添加分散し、この分散物をハロゲン化銀乳剤に添加する方法等を用いることができる。
【0117】
分散に用いる分散媒としては水が好ましいが、少量の有機溶媒を含ませて溶解性を調整したり、ゼラチン等の親水性コロイドを添加して分散液の安定性を高めることもできる。
【0118】
分散液を調製するのに用いることのできる分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができる。
【0119】
また、これらの分散装置を用いるに当たって、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
【0120】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
【0121】
本発明に係る感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
【0122】
本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さらに好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4−133056号記載の一般式IIで示される化合物であり、同号13〜14ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
【0123】
本発明に係る感光材料中には紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
【0124】
本発明に係る感光材料には、油溶性染料や顔料を含有すると白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号8ページ〜9ページに記載の化合物1〜27があげられる。
【0125】
本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
【0126】
これらバインダーの硬膜剤としてはビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号記載の化合物を使用することが好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加することが好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6−118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
【0127】
本発明に係る感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
【0128】
紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体は、通常、50〜300g/m2の質量を有する表面の平滑なものが用いられるが、プルーフ画像を得る目的に対しては、取り扱いの感覚を印刷用紙に近づけるため、130g/m2以下の原紙が好ましく用いられ、さらに70〜120g/m2の原紙が好ましく用いられる。
【0129】
本発明に用いられる支持体としては、ランダムな凹凸を有するものであっても平滑なものであっても好ましく用いることができる。
【0130】
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
【0131】
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13質量%以上が好ましく、さらには15質量%が好ましい。
【0132】
本発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
【0133】
本発明に用いられる両面に耐水性樹脂層を有する紙支持体の樹脂層は、1層であってもよいし、複数層からなってもよい。複数層とし、乳剤層と接する方に白色顔料を高濃度で含有させると鮮鋭性の向上が大きく、プルーフ用画像を形成するのに好ましい。
【0134】
また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.12μm以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られより好ましい。
【0135】
本発明に用いられる写真感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
【0136】
ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
【0137】
本発明に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることが出来るが、レーザーまたは発光ダイオード(以下LEDと表す)がより好ましく用いられる。
【0138】
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。また、LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることができる。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
【0139】
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。
【0140】
ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。
【0141】
LEDとしては、LDと同様の組成をもつものが知られているが、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。
【0142】
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーを単独で用いてもよいし、これらを組合せ、マルチビームとして用いてもよい。LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。
【0143】
露光用光源の強度変化は、LD、LEDのような場合には、個々の素子に流れる電流値を変化させる直接変調を行うことができる。LDの場合には、AOM(音響光学変調器)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学変調器)等のデバイスを用いるのが一般である。
【0144】
光源にLEDを用いる場合には、光量が弱ければ、複数の素子で同一の画素を重複して露光する方法を用いてもよい。
【0145】
また、これらに代わる光源として有機発光素子を用いてもよく、これらについては、例えば、特開2000−258846号等に記載されている。
【0146】
本願発明において面積階調画像という言葉を用いているが、これは画像上の濃淡を個々の画素の色の濃淡で表現するのではなく、特定の濃度に発色した部分の面積の大小で表現するものであり、網点と同義と考えてよい。
【0147】
通常面積階調露光であればY、M、C、墨の発色をさせることで目的を達することもできる。より好ましくは、墨に加えてM、C等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。
【0148】
レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化することによってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことができる。
【0149】
このような光で画像を描くには、ハロゲン化銀感光材料上を光束が走査する必要があるが、感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みにハロゲン化銀感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることができる。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送されるハロゲン化銀感光材料を搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
【0150】
円筒外面走査方式での露光を行うには、ハロゲン化銀感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料は露光する側の面が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせでき、好ましく用いることができる。同様な観点から、本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料に用いられる支持体は適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
【0151】
ドラム径は、露光するハロゲン化銀感光材料の大きさに適合させて任意に設定することができる。ドラムの回転数も任意に設定できるがレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンや感光材料の感度などにより適当な回転数を選択することができる。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光できる方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
【0152】
ドラムへのハロゲン化銀感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引できる微小な穴を感光材料の大きさに応じて多数設けておき、感光材料を吸引して密着させることもできる。感光材料をドラムにできるだけ密着させることが画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
【0153】
本発明において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を上げることができる。
CD−1) N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2) 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3) 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4) 4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5) 2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−6) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン
CD−7) N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8) N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
【0154】
本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
【0155】
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好ましい。
【0156】
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
【0157】
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行なってもよい。
【0158】
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法では、現像液、漂白定着液、安定化処理液のいずれにも適宜蛍光増白効果を有する化合物や、処理後のステインを低減するような化合物を添加することが好ましい。特に一般式(W)で表される化合物を現像液、漂白定着液への添加が好ましい。添加量としては、溶解可能であり、かつ目的とする効果が得られるものであれば特に制限はないが、1g/L以上20g/L以下が好ましく、5g/L以上10g/Lが特に好ましい。
【0159】
本発明のハロゲン化銀感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
【0160】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
【0161】
実施例1
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの質量が115gのポリエチレンラミネート紙反射支持体(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、下記表1に示す層構成の各層を酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し、更に裏面側にはゼラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を塗設した多層ハロゲン化銀感光材料試料番号101を作製した。
【0162】
カプラーは高沸点溶媒に溶解して超音波分散し、分散物として添加したが、この時、界面活性剤として(SU−1)を用いた。又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
【0163】
【表1】
Figure 2004205573
【0164】
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ((1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノンと2,5−ジ−secテトラデシルハイドロキノンと2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノンの質量比1:1:2の混合物
SO−1:トリオクチルホスフィンオキサイド
SO−2:ジ(i−デシル)フタレート
SO−3:オレイルアルコール
SO−4:トリクレジルホスフェート
PVP :ポリビニルピロリドン
【0165】
【化21】
Figure 2004205573
【0166】
【化22】
Figure 2004205573
【0167】
【化23】
Figure 2004205573
【0168】
(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−101を得た。
【0169】
上記(EMP−101)に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、Em−B101を得た。
【0170】
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX
臭化カリウム 0.2g/モルAgX
次いでEMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間および(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP−101と同様にして平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−102を得た。Em−B101の調製においてEMP−101に代えてEMP−102を用いた以外同様にしてEm−B102を得、Em−B101とEm−B102の1:1の混合物を青感性ハロゲン化銀乳剤として使用した。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
EMP−101の調製において(A液)及び(B液)、(C液)及び(D液)の添加時間を変更した以外は同様にして平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤(EMP−103)を得た。
【0171】
上記EMP−103に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、Em−G101を得た。
【0172】
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素 GS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素 GS−2 2×10-4モル/モルAgX
塩化ナトリウム 0.5g/モルAgX
次いでEMP−103の調製において、(A液)と(B液)の添加時間および(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP−103と同様にして平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−104を得た。Em−G101の調製においてEMP−103に代えてEMP−104を用いた以外同様にしてEm−G102を得、Em−G101とEm−G102の1:1の混合物を緑感性ハロゲン化銀乳剤として使用した。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、Em−R101を得た。
【0173】
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤 STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤SS−1 2×10-4モル/モルAgX
次に(Em−R101)の調製において下記化合物を用いて60℃にて最適に化学増感を行い、Em−R102を得た。
【0174】
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤 STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−2 2×10-4モル/モルAgX
強色増感剤SS−1 2×10-4モル/モルAgX
STAB−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−4:p−トルエンチオスルホン酸
Em−R101とEm−R102の1:1の混合物を赤感性ハロゲン化銀乳剤として使用した。
【0175】
【化24】
Figure 2004205573
【0176】
【化25】
Figure 2004205573
【0177】
【化26】
Figure 2004205573
【0178】
このようにして得られた試料101について、第7層のイエローカプラーを、表3に示すものに等モル入れ替えた試料102〜115も作製した。
【0179】
ここで露光方法について説明する。
(露光方法A)
連続的に濃度が変化しているウエッジを介し、適当な色フィルター及びNDフィルターを用いてハロゲンランプを光源とする青色光で、0.5秒の露光時間による露光で、現像処理後に試料面内に白地部と最大発色濃度部が両方とも充分な面積で得られる方法。
【0180】
得られた試料101〜115を用いて、前記露光方法Aで露光した。
露光後、下記に示す方法で現像処理を行った。これを処理方法(a)−37とする。
【0181】
処理工程 処 理 温 度 時間 補充量
発色現像 37.0±0.3℃ 120秒 200ml
漂白定着 37.0±0.5℃ 90秒 150ml
安定化 30〜34℃ 60秒 400ml
乾 燥 60〜80℃ 30秒
発色現像液開始液及び補充液 開始液 補充液
トリエチレンジアミン 3.0g 4.0g
ジエチレングリコール 6.0g 8.0g
臭化カリウム 0.15g 0.2g
塩化カリウム 3.5g 0.2g
亜硫酸カリウム 0.3g 0.4g
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)
−4−アミノアニリン硫酸塩 3.0g 4.0g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 15.0g 20.0g
トリエタノールアミン 6.0g 8.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 1.5g 2.0g
炭酸カリウム 30g 40g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.2に、補充液はpH=10.5に調整する。
【0182】
漂白定着液タンク液及び補充液
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整する。
【0183】
安定化液タンク液及び補充液
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(WC−2) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
硫酸亜鉛 0.5g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整する。
【0184】
【化27】
Figure 2004205573
【0185】
WC−2:特開平9−211821号に記載の化合物
前記処理方法(a)−37に対し、現像温度を39℃としたものを、処理方法(a)−39とする。
【0186】
露光方法A、及び処理方法(a)−37によって得られた色素画像をミノルタ(株)社製分光測色器CM−2022を用い、各々色差が最小となる濃度点において、L***の値を求め、色差ΔEab*を計算した。色のターゲットとしては、(社)日本印刷産業機械工業会、ISO/TC130国内委員会作製、Japan Color色再現印刷2001、アート紙、ISO12647パターンのY100%を用いた。
【0187】
CM−2022による測色に関しては照明と受光の幾何条件はd−0、キセノンパルス光源を用いて測光し、2°視野、補助標準の光D50を用いた。濃度についてはX−rite社製分光濃度計508型を用い、45°環式照明0°受光の条件で、StatusはTを用いた。結果を表2に示す。
【0188】
【表2】
Figure 2004205573
【0189】
【化28】
Figure 2004205573
【0190】
Y−4:特開平10−186601号記載のカプラーYI−6
Y−5:特開平5−11416号記載のカプラー(42)
表2に示す結果より明らかに本発明の感光材料では、イエローの色再現性において印刷物への近似度が高いことがわかる。アニリノ基の5位に置換した短い連結基に直接アリール基が置換したタイプの一般式(1)の化合物が優れており、特に(1)−4(試料105)、(1)−10(試料107)、(1)−27(試料113)は比較のカプラーを用いた試料に比べ、印刷物への近似度が高く、かつ優れた発色性を示している。すなわち一般式(1)のR2が分岐のアルコキシ基であり、かつR1がアルキル基であるものが特に好ましいことがわかる。また、Lで表される連結基は−NHCO−、−SO2NH−が特に好ましいこともわかる。
【0191】
実施例2
実施例1に作製し、露光・現像処理した試料101から115について、白地部の明度を測定した。比較のカプラーY−1+Y−2を用いた試料101、及び比較のカプラーY−4、及びY−5を用いた試料102、及び103に対し、本発明のカプラーを含有する感光材料においてその白地に対する影響を同一の処理条件のもとで評価した。白地の評価としては前記Japan Color色再現印刷2001のY0%の点との明度の差で行った。結果を表3に示す。
【0192】
【表3】
Figure 2004205573
【0193】
表3より明らかに、本発明の感光材料では、カプラーのみを新規なものとするだけでも、白地の明度が向上し、より印刷物に近似する効果があることがわかる。特に好ましいカプラーとしては、(1)−4(試料105)、(1)−10(試料107)等が優れていることもわかる。また、(1)−27(試料113)、(1)−33(試料115)も優れていることがわかる。
【0194】
実施例3
前記処理方法(a)−37に対し、安定化液中の蛍光増白剤(WC−2)を除き、発色現像液に表5に示す化合物と量を添加した処理液を用いて、試料101、102、105、109、111、114について、各々実施例2と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0195】
【表4】
Figure 2004205573
【0196】
表4より明らかに、本発明の感光材料では比較の感光材料に対し、いかなる処理方法においても白地の明度が印刷物に近似していることがわかる。特にカプラー(1)−4を用いた試料105の白地の明度が高いこともわかる。また、比較の蛍光増白剤WC−1あるいはWC−2を添加した現像液で処理する処理方法(WC1)−37、(WC1)−37bあるいは(WC2)−37、(WC2)−37bよりも、一般式(W)で表される本発明の化合物を添加した処理液による処理方法が、より好ましいこともわかる。特に一般式(W)の化合物のトリアジン環上の2つのアミノ基において、一方のアミノ基の置換基がエタンスルホン酸ナトリウムであり、かつもう一方のアミノ基の置換基がポリオキシエチレン基であるものがさらに好ましく、さらに両方のアミノ基の2つの置換基のうち各々残りが、無置換すなわち水素である(W)−3がより好ましいことがわかり、試料105との組み合わせでより白地の明度に与える効果として顕著である。
【0197】
実施例4
実施例3における試料101、102、105、109、111、114を用い、A2サイズの大きさで各々の試料において露光はせず、表5に示す処理方法による現像処理のみ行った。得られた試料のb*値を測定した。測定はA2サイズの長辺を40点、短辺を30点に分割し、40点×30点=1200点で行い、そのバラツキを示す標準偏差を求め、白地のb*の同一画像面内の安定性について評価した。結果を表5に示す。
【0198】
【表5】
Figure 2004205573
【0199】
表5より明らかに、一般式(1)で表されるカプラーを用いた本発明の感光材料には比較の感光材料に対し、白地のイエロー(青)成分の大小を表すb*値の面内のバラツキにおいて改善されていることがわかる。特にカプラー(1)−4を用いた試料105は、そのバラツキが小さく、さらに一般式(W)で表される化合物を用いた処理液による処理方法で処理した場合により効果が明確であることもわかる。一般式(W)の化合物においては特に、トリアジン環上の2つのアミノ基において、一方のアミノ基の置換基がエタンスルホン酸ナトリウムであり、かつもう一方のアミノ基の置換基がポリオキシエチレン基であるものがさらに好ましく、さらに両方のアミノ基の2つの置換基のうち各々残りが、無置換すなわち水素である(W)−3がより好ましいことがわかり、試料105との組み合わせでより白地の面内のバラツキの抑制が顕著である。
【0200】
実施例5
実施例4における試料101、102、105、109、111、114を用い、A2サイズの大きさで各々の試料において露光はせず、表6に示す現像温度39℃における処理方法による現像処理のみ行った。実施例4と同様の方法で得られた試料のb*値を測定し、そのバラツキを計算した。実施例4における現像温度37℃の結果と合わせて評価した。結果を表6に示す。
【0201】
【表6】
Figure 2004205573
【0202】
表6より明らかに、一般式(1)で表されるカプラーを用いた本発明の感光材料は比較の感光材料に対し、現像温度条件が変化して活性になった場合においても、その白地のイエロー(青)成分の大小を表すb*値の面内のバラツキにおいて変動が少なく、極めて優れていることがわかる。特に一般式(W)で表される化合物を用いた処理液による処理方法で処理した場合により効果が明確であることもわかる。
【0203】
実施例6
実施例1における試料101から115を用いて、各々A4サイズの大きさで、露光はせずに処理方法(a)−37により現像処理した。得られた白地試料について、晴天屋外の正午頃の太陽光、3波長蛍光灯、白色蛍光灯、クリプトン型白熱電球の下で観察した。50人の被験者により、印刷本紙(アート紙)との差を目視評価した。評価は2段階で近似しているかいないかで判断し、各々の光源下において印刷本紙と並べて観察した時、近似していると感じた人の数の割合を計算した。結果を表7に示す。
【0204】
【表7】
Figure 2004205573
【0205】
表7の結果より明らかに、本発明の感光材料による白地は、印刷本紙との近似においてその光源依存性と言う点で改良がみられ、カプラー(1)−10(試料107)が好ましく、また(1)−17(試料108)、(1)−27(試料113)も好ましいことがわかる。すなわち一般式(1)のR2が分岐のアルコキシ基であり、かつR1がアルキル基であるものが特に好ましいことがわかる。またR3が分岐のアルコキシ基であるものも好ましいことがわかる。
【0206】
実施例7
前記試料101(比較)及び105(本発明)について、実施例3で用いた処理方法の一部の処理方法を用いて、実施例6と同様の評価を行った。結果を表8(試料101、比較)、及び表9(試料105、本発明)に示す。
【0207】
【表8】
Figure 2004205573
【0208】
【表9】
Figure 2004205573
【0209】
表8及び表9の結果より明らかに、本発明の感光材料を特定のトリアジニルスチルベン系化合物を添加した現像液で現像処理することにより、あらゆる光源下における白地の見え方の差が減少していることがわかる。特に一般式(W)の化合物のトリアジン環上の2つのアミノ基において、一方のアミノ基の置換基がエタンスルホン酸ナトリウムであり、かつもう一方のアミノ基の置換基がポリオキシエチレン基であるものがさらに好ましく、さらに両方のアミノ基の2つの置換基のうち各々残りが、無置換すなわち水素である(W)−3がより好ましいことがわかる。
【0210】
実施例8
前記試料101及び105、111について、第1層に化合物WC−2及び(W)−3を各々0.2g/m2添加した試料201、301、205、305、211、311を作製した。試料101、105、111、201、205、211、301、305、311について、各々A4サイズの大きさで、露光はせずに前記処理方法(a)−37で処理した。実施例5と同様の評価を行った。結果を表10に示す。
【0211】
【表10】
Figure 2004205573
【0212】
表10より明らかに、一般式(1)で表されるカプラーを含有する感光材料中において、蛍光増白効果を有する化合物を感光材料に含有させることにより、出力される白地がさらにあらゆる光源下において見え方の差がさらに減少することがわかる。さらには一般式(W)で表される化合物を含有することが、より好ましいこともわかる。試料305と311を比較することにより、特に好ましくは一般式(1)で表される化合物のR1がアルキル基である場合であることもわかる。
【0213】
実施例9
前記試料101及び105、110について、第1層に化合物WC−2及び(W)−3を各々0.2g/m2添加した試料201、301、205、305、210、310を作製した。試料101、105、110、201、205、210、301、305、310について、各々A4サイズの大きさで、露光はせずに前記処理方法(WC2)−37、(W3)−37、(W27)−37により処理した後、実施例7と同様の評価を行った。結果を表11、表12及び表13に示す。
【0214】
【表11】
Figure 2004205573
【0215】
【表12】
Figure 2004205573
【0216】
【表13】
Figure 2004205573
【0217】
表11から表13より明らかに、一般式(1)で表されるカプラーを含有する本発明の感光材料に、蛍光増白効果を有する化合物を感光材料に含有させ、さらに蛍光増白効果を有する化合物を添加した発色現像液による処理方法により処理することにより、さらに出力される白地の光源による見え方の差が減少していることがわかる。特に、一般式(1)で表されるカプラーを含有する本発明の感光材料が一般式(W)で表される化合物を含有し、更に一般式(W)で表される化合物を添加した発色現像液による処理方法により処理することにより、大幅に出力される白地の光源による見え方の差が減少していることがわかる。
【0218】
また一般式(1)で表されるカプラーとしては、R1がアルキル基であることがより好ましいこともわかる。
【0219】
【発明の効果】
本発明の構成により、優れたイエローの色再現性、特に明度、彩度の低下を招くことなく色相が目標とする画像に極めて近似した色再現性を有するハロゲン化銀カラー感光材料を提供することができた。さらには明度が高く、同一面内のバラツキが少なく、いかなる光源下においても同様に観察され、印刷本紙との見え方において乖離の少ない優れた白地が再現されるハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法を提供することができた。

Claims (6)

  1. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー感光材料において、前記ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式(1)で表される少なくとも1種のカプラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004205573
    (式中、R1は置換、もしくは無置換の、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表し、R2、R3は置換、もしくは無置換の脂肪族基、芳香族基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子を表し、R4は置換基を表し、nは0以上4以下の整数を表す。nが2から4のいずれかの整数の場合、R4で表される基は同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。Lは−N(R5)C(=O)−、−C(=O)N(R5)−、−N(R5)S(=O)2−、−S(=O)2N(R5)−、−N(R5)S(=O)−、−S(=O)N(R5)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OP(=O)(O)2−、−N(R5)P(=O)(O)2−のいずれかから選ばれる連結基を表し、R5は水素原子または置換基を表す。Xは発色現像主薬の酸化体との反応により脱離する基を表す。ただし、R1がアミノ基であり、同時にLが−S(=O)2NH−であることはない。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物において、R1で表される基が置換、または無置換の脂肪族基であり、R2で表される置換基がアルコキシ基、またはアリールオキシ基であり、Lで表される2価の連結基が−N(R5)C(=O)−、−C(=O)N(R5)−、−N(R5)S(=O)2−、−S(=O)2N(R5)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−のいずれかから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物において、R3で表される基がアルコキシ基、アリールオキシ基、またはハロゲン原子であり、Xで表される基が窒素原子で脱離する基であることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
  4. 下記一般式(W)で表される化合物を該感光材料を構成するいずれかの層に含有することを特徴とする請求項1、2または3に記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
    Figure 2004205573
    (式中、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、またはアリール基を表し、R15、R16はそれぞれ独立に下記一般式(W−R)で表される基を表し、Rwは水素原子、下記一般式(W−R)で表される基、または−CH2CH2SO3Mを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基、またはピリジニウム基を表す。R13とR15、R14とR16は互いに結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2004205573
    (式中、Aは水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシプロピル基のいずれかを表し、Aは同一でも異なっていてもよい。f及びh及びjは1または2を表し、g及びi及びkは0または1を表す。)
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー感光材料を、前記一般式(W)で表される化合物を少なくとも一種含有する処理液により処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料の現像処理方法。
  6. 処理液中に含有する前記一般式(W)で表される化合物において、R11及びR12で表される置換基がいずれも水素原子であるか、またはR13及びR14で表される置換基がいずれも水素原子であることを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀カラー感光材料の現像処理方法。
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