JP2980413B2 - 感熱記録紙用原紙の製造方法及び感熱記録紙用原紙 - Google Patents

感熱記録紙用原紙の製造方法及び感熱記録紙用原紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録紙用原紙の製造
において、所定の静的平滑度に仕上げる場合、嵩高で、
剛性、不透明度が高く、また静的平滑度は同一でも動的
な平滑性に優れるため、感熱カラー塗工後の感熱記録特
性を向上できる感熱記録紙用原紙の製造方法および該製
造方法で製造する感熱記録紙用原紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録紙は、最近のオフィスオートメ
ーション、ニューメディア、POSシステム、コンピュ
ータシステムの周辺機器等の進展により、各種情報記録
紙の中でも急速に使用範囲が広がり、1980年以後その生
産量も大きな伸びを示してきている。感熱記録は、記録
の即時性と簡便性、および装置の保守性と信頼性に優れ
るものであり、感熱記録紙も安価であるなどの利点があ
る。さらに感熱記録は、サーマルヘッドなどのハードと
それに対応する感熱記録紙の開発、改良により高速記録
が可能になっている。このため高速ファクシミリG3機
には感熱記録紙を用いる記録方法がもっぱら採用されて
おり、さらに超高速ファクシミリG4機においても感熱
記録紙の採用が検討されている。
【0003】最近の各種ハードの小型化、低エネルギー
化に伴い、感熱記録紙の要求特性も多様化してきてい
る。その主な要求は(1) 高感度化、(2) 高画質化、(3)
高保存性化、(4) 走行特性改良等である。なかでも高速
化、省電力・小型化に対応するため、染料、顕色剤、増
感剤、填料等感熱記録用薬剤の開発、改良が進められ、
より高感度、高画質化が図られてきている。
【0004】また、高感度・高画質化を図るためには、
記録紙としてはサーマルヘッドとの密着性が重要である
ことからより平滑な紙が要求され、種々の対応策がとら
れてきた。特に最近では、感熱記録紙用原紙にアンダー
コート層を設けることにより、表面平滑性、発色感度を
向上させることが一般に行われている。アンダーコート
層を設けた感熱記録紙は単一記録層型の感熱記録紙に比
べ平滑度が上がり、サーマルヘッドとの密着性が改善さ
れると同時に、アンダーコート層が断熱層として作用し
サーマルヘッドからの熱効率(熱応答性)が向上する。
この結果記録特性に優れた製品が得られる。以上のよう
な背景から、感熱記録紙用原紙はより高平滑なものが望
まれるようになってきた。
【0005】感熱記録紙は、感熱記録紙用原紙に、感熱
用カラーを塗工した後、所定の平滑度までスーパーカレ
ンダー処理して製品化される。感熱記録紙用原紙は一般
の抄紙機で抄造され、最後にカレンダー処理して一定の
表面性に仕上げられる。上記のようにアンダーコートタ
イプの感熱記録紙用原紙の場合はオンマシンで塗工され
た後やはりカレンダー処理で仕上げられる。
【0006】このカレンダー処理で、高平滑な感熱記録
紙用原紙を得ようとすると、一般により高線圧でカレン
ダー処理する必要があるが、その結果密度が大きく上昇
し、所定の紙厚を維持できなくなる。従って、この密度
の上昇を最小限に押さえて表面平滑性を向上させる必要
がある。
【0007】このような方法として、高温ロールによる
熱カレンダー処理あるいはカレンダー処理直前での紙表
面への水塗布あるいは加熱蒸気の付与等の方法が知られ
ている。一般に紙の表面性を向上させるためには、加熱
よりも加湿の方が効果が高いとされている。(M.Agrout
s;Tappi J. 66(10),96(1983))。しかし、水塗布の場合
は、紙の平均水分が最低でも約 1.5%以上上昇してしま
い密度の上昇幅が大きくなること、カレンダーロールへ
の塗料の付着の問題が大きいこと等の問題がある。
【0008】以上より、軽度の加熱蒸気を紙に付与した
後にカレンダー処理する方法が近年開発され、その効果
が認められている(特開平2-160993号公報)。但しこれ
は、塗工軽量一般印刷用紙に適用されたものであり、本
発明のような特殊な情報記録紙を対象にしたものではな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
ごとき感熱記録紙用原紙の製造上の難点を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、加熱蒸気を用いてあらかじめ紙表
面を加湿かつ加熱した後、特定範囲の温度でソフトカレ
ンダー処理することにより、従来の技術のように静的平
滑度が向上しなくとも、動的平滑度が向上するため、サ
ーマルヘッドとの密着性が向上し、高品質な感熱記録特
性を与える感熱記録紙用原紙の製造方法及びその製造方
法により得られる感熱記録紙用原紙を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の方法は感熱
記録紙用原紙の製造方法において、低圧で軽度の加熱蒸
気を付与し、紙表面を加湿及び加熱した後、直ちにカ
ンダーロールの温度が100〜150℃の範囲内でソフトカレ
ンダー処理を行うことを特徴とする感熱記録紙用原紙の
製造方法である。
【0011】また本発明の感熱記録用原紙は、カレンダ
ー処理後の静的平滑度(JAPAN Tappi No5 王研式平滑
度試験器測定値)が、20〜1500秒の範囲にありかつ動的
平滑度(PPS粗さ計測定値)を向上させたことを特徴を
する前記の製造方法で製造された感熱記録紙用原紙であ
る。
【0012】
【作用】このように本発明では、上記特開平2-160993号
公報記載のものと異なり、紙に蒸気を付与した後のカレ
ンダー処理条件を、処理温度を 100〜 150℃に限定して
初めて、本発明に記載の品質上の効果が得られることを
認めたものである(特開平2-160993号公報に記載の方法
では同じ効果は得られない)。更に、高耐熱性の特殊樹
脂ロールを有するソフトカレンダーを用いて初めて上記
のような高温条件のカレンダー処理が可能となる。
【0013】本発明の特徴は、感熱記録紙用原紙のカレ
ンダー処理直前に、低圧で軽度の加熱蒸気を特定の条件
で紙の表面に付着させる点にあるが、これまでの蒸気加
湿装置は、実機での連続使用の場合以下のような問題が
あった。即ち、 (1)蒸気ドレンが紙面に落下あるいは吹
き飛ばされる、 (2)蒸気が周囲に飛散し、周辺の機器に
結露し、紙に結露水が落下する、 (3)蒸気が周辺に漏
れ、作業環境が悪化する等の問題である。
【0014】以上の問題点を解決するため、コアンダ効
果を利用して蒸気を紙に平行かつ対向させて流す装置が
提案された。この利点は、紙と蒸気の接触時間を長くで
きること、紙につれまわってくる空気の侵入を防止でき
ること、紙の走行安定性が向上することにある。
【0015】本装置の主たるコンセプトは以下の如くで
ある。蒸気のもつ熱エネルギーは紙と蒸気の温度差によ
って蒸気が紙表面に微粒となって凝縮することによって
つたえられる。この時、空気が介在すると空気は断熱材
の役目を果たし、熱授受の効率は著しく低下するととも
に、凝縮水は大きな粒子となってしまい、凝縮水の紙へ
の付着が不均一になってしまい、水分、温度ムラが大き
くなってしまう。このように操業上の問題点を解決する
とともに熱効率を改善することによりはじめてカレンダ
ー前での使用が可能となった。
【0016】一般にカレンダー処理により、密度の上昇
即ち嵩の低下は避けられず、その結果、不透明性や剛性
も低下する傾向にある。嵩の低下をできる限り最小限に
押さえ、表面平滑性を上げるためには、紙のごく表層部
のみを緻密化する必要がある。この手法としては、紙の
表層部のみを加熱により潰すことによって表面性を発現
させるいわゆる温度勾配カレンダー法が従来から提案さ
れている(M.F.Grattonet.al. ;Pulp and Paper Can., 8
8(12), T461(1987)等)。
【0017】また別な方法として、紙の表層部のみを加
湿により潰す方法がある。この方法は、加熱か加湿かの
違いだけでその作用と機構は基本的に温度勾配カレンダ
ー法と同じである。即ち、加湿により紙の表層部のみを
可塑化した直後にカレンダー処理することによりカレン
ダーロール表面を可塑化された紙表面に転写するメカニ
ズムである。
【0018】本発明者らは、この加湿カレンダー法を鋭
意研究した結果、水シャワーにより加湿する場合は、加
湿量が多くなってしまい(紙の平均水分量として 1.5%
以上増加する)、カレンダー処理により表面性は大きく
向上するが、同時に嵩の低下幅も大きくなってしまうこ
とを認めた。これは紙の表層部だけでなく中層部まで水
分が浸透してしまったことが原因と考えられる。またこ
の方法では紙の水分プロファイルの制御も難しいこと等
の問題点があった。また、この場合紙表面に付着した水
がカレンダーロールの温度を下げる方向に作用すること
もわかった。前記のように、紙表面を可塑化するにはカ
レンダーロールの温度はより高温で処理する方が望まし
いが、水シャワーによる加湿方法では、カレンダーロー
ル温度を下げる方向に作用するためマイナスの効果とな
ってしまう。
【0019】以上のような検討から、本発明者等は蒸気
による加湿方法が最良であることを認めた。本発明に用
いる蒸気は高温( 100℃以上)であるため、紙表面を同
時に加湿かつ加温して可塑化する。従って、蒸気加湿直
後にカレンダー処理した場合、紙表層部のみは密度が増
加し表面性が向上するが、紙中層部は密度が上がらず、
紙全体としては平均密度がそれほど上がらず、表面平滑
性の高い感熱記録紙用原紙が得られるのである。また、
本発明と同様な蒸気によるカレンダー法を用いて、その
効果を論じた先行技術(特開平2-160993号公報)とは以
下の点で基本的に異なるものである。
【0020】まず本発明では、紙に蒸気を付与した後の
カレンダー処理条件を前記請求項に記述したごとく、カ
レンダー処理温度を 100〜 150℃に規定したことであ
る。上記先行技術では、蒸気加湿によるカレンダー処理
により、紙の密度上昇および嵩の減少を最小限に押さえ
たまま、王研式平滑度(静的平滑度)を向上させること
が可能となり、それによって初めて一般コート紙の印刷
適性向上が可能であると論じている。しかし本発明の方
法によれば、王研式平滑度が変わらなくても動的平滑度
が向上するため、サーマルヘッドとの密着性が向上し、
同時にサーマルヘッドからの熱効率が向上する結果、感
熱記録特性(静発色および動発色特性、ドット再現性)
を向上させることが可能となった。
【0021】更に上記先行技術では嵩(密度の逆数)、
剛度、不透明度は低下傾向にあるのに対し、本発明の方
法によれば嵩、不透明度、剛度、引張り強度も向上し得
ることも認めた。
【0022】これらの理由は、紙の熱、水分に対する可
塑性、紙の熱伝導度、弾性率、紙層構造、弾性ロールの
弾性率等複雑な因子によって、紙の表面性の発現性メカ
ニズムが左右されると考えられるため定かではないが、
おおむね以下の違いが理由として考えられる。
【0023】まず、前記のごとくカレンダー処理温度が
100℃以下で処理した場合は、カレンダーロールの温度
が紙表層部の温度より低いため、あらかじめ蒸気により
加熱されたごく表層部の紙の温度が逆に冷やされる結果
となり、紙の表層部のみを可塑化する効果に対してマイ
ナイ効果となり結果として紙を同じ密度に仕上げても王
研式平滑度は向上しなくなる。
【0024】また、 150℃以上の高温で処理すると加温
と蒸気による加湿が過度になってしまい、相乗効果によ
り表面性は大きく向上するものの、前記のように極端に
密度が上昇してしまい、結果として嵩、不透明度、剛度
の低下を招く。
【0025】本発明の方法によれば、一つには 100℃以
上の高温で処理することにより、同じ王研式平滑度(静
的平滑性)を得るのにより低線圧で処理できるため、
嵩、不透明度が向上する。また紙にしごきを与えないで
済むため、剛度、引張り強度が向上する( 100℃以下で
は全く効果はない)。
【0026】また耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロール
と金属ロールの組合せから成るソフトカレンダーを用い
ることにより初めて上記のような高温でカレンダー処理
することが可能となる。なぜなら、一般的に使用される
スーパーカレンダーの場合には、弾性ロールであるコッ
トンロールの内部発熱が大きく、耐熱、耐圧性に限界が
あるため、ロールの最高使用温度は一般に約85℃以下に
制限されるためである。また板紙の製造で一般に使用さ
れるグロスカレンダーの場合には、金属ロール側は 100
℃以上の高温でも使用されるが、弾性ロールであるゴム
ロールは、耐久性に著しく劣るため一般に高速抄紙機、
高速コータには適用できない。したがって、耐熱、耐圧
性に優れた特殊樹脂ロールを有するソフトカレンダーを
採用して初めて高温、高圧での使用が可能となる。
【0027】本発明の低圧で軽度の加熱蒸気流を紙に噴
出する装置としては、紙と平行に蒸気を噴出する装置、
ノズルから紙表面に一定の角度で噴出する装置などで、
蒸気が紙表面に付着して適度に紙の温度と水分を上昇さ
せる調整ができるものであれば使用できる。
【0028】本発明において使用する蒸気は、低圧で軽
度の加熱蒸気で、紙に付与する場合、使用蒸気圧は1k
g/cm2 以下で、蒸気流量が15〜80kg/Hr/m幅
で、紙水分増加率が 0.3〜 1.2%の範囲内で蒸気を付与
することが望ましい。その理由は前記のように蒸気圧が
高く、流量も多すぎると、過剰の水分が紙中層部まで浸
透し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下させる。また
紙への蒸気付着量が多すぎると塗工紙の場合塗工層表面
がカレンダーロールに取られる問題を生じる。逆に蒸気
流量が少なすぎると、紙の平滑、光沢ムラを発生させる
恐れがあり、また加湿、加温の効果が少なくなり、平滑
性、印刷適性の向上効果も少なくなる。したがって、適
正な水分付与条件としては、望ましくは紙水分増加率が
0.3〜1.2%の範囲内で蒸気を付与することが望まし
い。
【0029】蒸気塗布後、カレンダーロールニップに入
るまでの時間はできる限り短い方が良く、0.01〜0.25秒
の範囲内が望ましい。これ以上時間が長いと蒸気粒子が
紙中層部に侵入し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下
させる。
【0030】また本研究の結果、使用する弾性ロールの
硬度はショアD87〜93の範囲内にあることが望ましいこ
とがわかった。
【0031】その理由は明確ではないが、弾性ロールの
硬度がより低い場合には、ニップ幅は広くなり、紙に対
する面圧が大きくなる。この場合には、金属ロールの表
面を紙表面に転写する時間が長くなり、面圧とは逆に線
圧は小さくなるため、紙の光沢発現性は高くなるが、紙
の表層部より若干中層部近くまでの平滑性を測定する王
研式平滑度ではあまり大きな向上として現れない。
【0032】逆に弾性ロール硬度が高い場合には、ニッ
プ幅も狭く、紙にかかる線圧も高いため王研式の平滑度
の向上も大きくなると考えられる。ただしロール硬度が
過度に高いと、異物通過時のロールの傷付きとその復元
性に劣り実用的ではなく、品質的には従来の金属ロール
/金属ロールの組み合わせによるカレンダー法と差がな
くなってしまう。従って適度の硬度範囲の弾性ロールを
使用する必要がある。
【0033】また本発明に使用する感熱記録紙用原紙
は、坪量40〜 100g/m2 の範囲で、上質紙、中質紙あ
るいはこれらに再生古紙を含有するものであれば何れで
も良い。
【0034】また、カレンダー処理後の平滑度(JAPAN
Tappi No5 王研式平滑度試験器測定値)が、20〜1500秒
の範囲にある上記製造方法で製造する感熱記録紙用原紙
であれば、非塗工紙、塗工紙の何れでも良い。原紙に内
添する填量は、タルク、クレー、カオリン、炭酸カルシ
ウム等一般に使用されるものであれば何れでも良い。さ
らに本発明の感熱記録紙用原紙は、染料、サイズ剤、乾
燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、歩どまり向上
剤等通常抄紙で用いられる添加剤を必要に応じて含むも
のである。
【0035】また本発明に使用する感熱記録紙用原紙が
塗工紙の場合には、片面塗工紙、両面塗工紙の何れでも
良い。また原紙表面に塗工する顔料としては、クレー、
カオリン、タルク、焼成クレー、炭酸カルシウム、酸化
チタン、ホワイトカーボン、合成シリカ、サチンホワイ
ト、水酸化アルミニウム等一般に用いられる顔料を単独
に、または数種類組み合わせて使用することができる。
【0036】また塗工方法としては、一般に塗工紙製造
に使用される塗工装置、例えばブレードコータ、エアナ
イフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バ
ーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラ
ビアコータ等を用いオンマシンあるいはオフマシンによ
って原紙上に一層あるいは多層に別けて塗工されるもの
である。
【0037】以上本発明者等は、紙の表層部のみを可塑
化する手段として加熱あるいは加湿によるカレンダー法
を種々検討を重ねた結果、カレンダー処理直前に低圧で
軽度の加熱蒸気を、紙に平行に噴出させ、紙表面を加湿
及び加熱した後、 100〜 150℃範囲内でソフトカレンダ
ー処理することにより、従来の技術のように静的平滑度
を向上させなくても、動的平滑性を向上させ、サーマル
ヘッドとの密着性を改善し、感熱記録特性(動発色特
性、ドット再現性等)を飛躍的に向上させることができ
ることを認めた。
【0038】
【実施例】本発明の実施例を示す。カレンダー処理に、
加熱装置を有するチルドロールと樹脂ロール(ショアー
硬度D89)の組み合わせからなる2段のソフトニップ
を有する2スタックのロール面長1050mmのソフト
カレンダー(南千住製作所製)を用い、各ニップ前に、
チルドロールに当たる側の紙表面に蒸気が噴出されるよ
うに、加湿装置(相川鉄工株式会社のスチームフォイ
ル)を設置し下記の実験を行った。
【0039】(実施例1) 坪量50g/m2の原紙に、使用蒸気圧0.8kg/cm2、蒸気流
量が50kg/Hr/m幅一定条件下で100℃以上の蒸気を付
与し、0.03秒後に各カレンダーニップに入る様にカレン
ダー処理した。その際カレンダーロール温度は120℃で
処理した。
【0040】(実施例2)坪量40g/m2 の原紙に、さ
らに10g/m2 の焼成クレーと接着剤を主成分とする塗
被液を塗工した原紙を用い、上記実施例1と同条件でカ
レンダー処理した。
【0041】(比較例1)カレンダーロール温度を70℃
でカレンダー処理すること以外はすべて上記実施例1と
同条件でカレンダー処理した。
【0042】(比較例2)カレンダーロール温度を70℃
でカレンダー処理すること以外はすべて上記実施例2と
同条件でカレンダー処理した。
【0043】(比較例3)蒸気をまったく使用せず、カ
レンダーロール温度を70℃でカレンダー処理すること以
外はすべて上記実施例1と同条件でカレンダー処理し
た。
【0044】(比較例4)蒸気をまったく使用せず、カ
レンダーロール温度を70℃でカレンダー処理すること以
外はすべて上記実施例2と同条件でカレンダー処理し
た。
【0045】(品質評価方法) ・静的平滑度:JAPAN Tappi No5 王研式平滑度試験器で
測定した。 ・動的平滑度:パーカプリントサーフ表面粗さ(PP
S)計(野村商事製PPS-78型)を用い、μ単位の粗さと
して表示する。数値の小さい方が動的平滑性が高い。 ・引張り強度:JIS P-8114ショッパー型試験器で測
定した。 ・不透明度(%) :JIS P-8138に準じて測定した。 ・感熱記録特性:上記カレンダー法で得られた各感熱記
録紙用原紙に、感熱記録用カラー(G−3処方)をエア
ーナイフコータで5g/m2 塗工し、さらに王研式平滑
度が 500秒一定になるようスーパーカレンダー処理し
た。ついで松下電工製長距離印字装置を使用し、印字エ
ネルギーを変化させ印字を行った。動発色特性は、印字
エネルギーが15mJ/mm2 で印字した時の印字濃度
(マクベス濃度計RD−514測定値)で示した。 ・ドット再現性:光学顕微鏡観察により5段階相対評価
で示した。 結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】表から明らかなように、従来の蒸気加湿
カレンダー技術と異なり、紙に蒸気を付与した後のカレ
ンダー処理条件を前記請求項に記述したごとく、カレン
ダー処理温度を 100〜 150℃に規定しソフトカレンダー
処理する本発明の方法により、王研式平滑度が変わらな
くても動的平滑度が向上するため、サーマルヘッドとの
密着性が改善され、感熱記録特性、特に動発色特性およ
びドット再現性が向上する。また引張り強度、不透明度
も向上する。従って、本発明の感熱記録紙用原紙の製造
方法により製造された感熱記録紙用原紙は、従来にない
優れた品質特性が得られ、その製品価値は極めて大なる
ものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 敏雄 山口県岩国市飯田町二丁目8番1号 山 陽国策パルプ株式会社 生産技術研究所 内 (72)発明者 飯森 良文 東京都新宿区上落合一丁目30番6号 山 陽国策パルプ株式会社 商品開発研究所 内 (56)参考文献 特開 平1−286890(JP,A) 特開 平2−268863(JP,A) 特開 平2−160993(JP,A) 特開 昭61−14993(JP,A) 国際公開90/12920(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱記録紙用原紙の製造方法において、
    感熱記録用原紙に、使用蒸気圧1kg/cm 2 以下、蒸気流量
    15〜80kg/Hr/m幅の加熱蒸気を付与し紙表面を加湿及
    び加熱した後、直ちにカレンダーロールの温度が100〜1
    50℃の範囲内でソフトカレンダー処理を行うことを特徴
    とする感熱記録紙用原紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 カレンダー処理後の静的平滑度(JAPAN
    Tappi No5 王研式平滑度試験器測定値)が20〜1500秒の
    範囲にありかつ動的平滑度(PPS粗さ計測定値)を向上
    させたことを特徴とする請求項1記載の製造方法で製造
    された感熱記録紙用原紙。
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