JPH11100789A - オフセット印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents

オフセット印刷用塗被紙の製造方法

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JPH11100789A
JPH11100789A JP26347097A JP26347097A JPH11100789A JP H11100789 A JPH11100789 A JP H11100789A JP 26347097 A JP26347097 A JP 26347097A JP 26347097 A JP26347097 A JP 26347097A JP H11100789 A JPH11100789 A JP H11100789A
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直孝 大野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ギャップタイプのツインワイヤーフォーマを有
する抄紙機で抄造して得られた原紙を使用して平滑性、
光沢、剛度に優れ、オフセット輪転印刷機上での優れた
走行安定性を有するオフセット輪転印刷用塗被紙の製造
方法に関するものである。 【解決手段】ギャップタイプのツインワイヤ−フォーマ
で抄紙した原紙に、顔料および接着剤を主成分とする水
溶性塗被組成物を塗工・乾燥して仕上げるオフセット輪
転印刷用塗被紙の製造において、該原紙がツインワイヤ
−フォーマ部において原料固形分濃度2.5重量%に至
るまでの両ワイヤー側への脱水量比率(トップワイヤー
側/ボトムワイヤー側)を0.85以上、1.15以下
の範囲で製造し、かつ広幅ニップのプレスを1台以上含
むウェットプレス装置により脱水して得た原紙であり、
塗被層を設けた後、熱ソフトキャレンダに通紙して平滑
化仕上げ処理を行い、かつ前記広幅ニッププレスがシュ
ープレスタイプのウェットプレス装置であるオフセット
輪転印刷用塗被紙の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット輪転印
刷用塗被紙の製造方法に関する。特にギャップタイプの
ツインワイヤーフォーマを有する抄紙機で抄造して得ら
れた原紙を使用して平滑性、光沢、剛度に優れ、オフセ
ット輪転印刷機上での優れた走行安定性を有するオフセ
ット輪転印刷用塗被紙を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、製紙業界では省力化・製造コスト
削減を目的として抄紙機の広幅化・高速化が進んでお
り、ワイヤーパートにおける高速化対策の1つとして、
長網フォーマからオントップタイプのフォーマへの改造
が数多く行われている。長網フォーマのワイヤー上にト
ップワイヤーを設置してオントップタイプ化することに
より、高速化に伴って発生するワイヤーパートでの脱水
能力の不足、原料表面の乱れによる地合の悪化、片面脱
水の強化による紙表裏の特性差の増大を抑制することが
可能となった。しかし、抄紙機の抄速が1200m/分
を超えると、オントップタイプのフォーマにおいても初
期の長網部における原料表面の乱れの増加による地合の
悪化が発生し始め、製品の品質低下を引き起こすので、
これ以上の増速は不可能となる。
【0003】さらに高速での操業を可能にするために開
発されたのが、ヘッドボックスを出た原料を直ちに2枚
のワイヤーで挟み込むギャップタイプのフォーマであ
る。ギャップフォーマではヘッドボックスを出た原料を
直ちに2枚のワイヤーで挟み込むため、高速化に伴う脱
水能力の不足を補うが可能となった。また、ワイヤー上
での原料の自由表面をなくすことができると共に、ワイ
ヤー間の原料に加える脱水圧力の最適化が可能となった
ため原紙の地合も向上してきた。そのため、新聞用紙の
製造分野ではいち早くギャップフォーマが導入され、現
在では主要な機種となっている。
【0004】しかし、ヘッドボックスを出た原料から直
ちに両ワイヤー面側に強力な脱水を行うことによる湿紙
表面における原料のリテンションの低下や、両ワイヤー
面からの脱水比率の差によっては表裏面に特性の差が生
じるといった欠点も持っている。そのため、ワイヤーパ
ートにこのギャップフォーマを有する抄紙機で製造した
原紙を用いてオフセット輪転印刷用塗被紙を製造するこ
とは、製品の表面の平滑性、印刷後の光沢の劣化および
表裏差などのトラブルを引き起こす。オフセット輪転印
刷用塗被紙にとって表面の平滑性、印刷後の光沢の低下
は、製品の価値を低下させ、ユーザーの信頼を著しく低
下させるものであり、いち早く改善しなくてはならない
課題である。
【0005】そこで、このようなワイヤーパートにギャ
ップフォーマを有する抄紙機で抄造した原紙が持つ特有
の欠点を改善することを目的として、特開平4−222
288号公報では、ギャップを形成するトップワイヤー
のフォーミングロールの位置を上下方向に調節可能な設
計とし、オントップフォーマとギャップフォーマのそれ
ぞれの紙層形成条件を1台のフォーマで選択可能にして
品質要求に合わせた製造を行うことが提案されている。
しかし、生産効率の向上を第一の目的として高速化を進
めている抄紙機においては、抄造品種に対応してフォー
マ部の条件を大きく変更して操業することは、条件変更
および調整に伴い発生する無駄時間およびそれに伴う製
品生産量の減少が大きすぎるため決して現実的な解決策
ではない。そこで、ギャップフォーマの持つ高速運転可
能な特性を活かしたままで、より優れた印刷特性を備え
たオフセット輪転印刷用塗被紙用の原紙の製造方法を見
つけることが強く求められている。
【0006】また、マルチメディア化の流れと共に、出
版・広告・宣伝等の媒体として幅広く利用されてきた印
刷物についてもビジュアル化やカラー化など高品位化の
ニーズが急速に増加してきている。この様なユーザーの
要求の変化に伴って、従来の非塗工の印刷用紙から印刷
用塗被紙への切り替えが増加し、印刷用塗被紙の需要が
急速に増加している。加えて、印刷工程からは作業性改
善や効率化につながる印刷用紙のハンドリング性や印刷
機上での走行安定性についての品質要請もますます厳し
いくなってきている。
【0007】これらの品質要請に対し、近年高い平滑性
と光沢を得ることができる熱ソフトキャレンダが注目さ
れてきている(紙パルプ技術タイムス/昭和62年8月
号31〜36頁;Pulp&Paper Intern
ational/1987年11月号、45〜47
頁)。即ち、熱ソフトキャレンダは通常金属ロールを1
00℃以上に加温して塗被紙を加圧・平滑化する方法で
ある。この方法は、従来のスーパーキャレンダに比較し
て少ないニップ数で高い表面平滑および印刷光沢を得る
ことができ、さらに製品剛度も相対的に高い値に維持で
きるといった利点を有している。これは加熱金属ロール
と弾性ロールからなるニップを通過する間に、塗被層に
接着剤として使用されているラテックス等の熱可塑性物
質が高い温度と圧力によって可塑化され、塗被層中の顔
料を効果的に配向させて塗被層表面の平滑化をはかるこ
とができるため、少ないニップ数で内部の原紙層を比較
的嵩高に保持する事ができるためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ギャップタ
イプのツインワイヤーフォーマを有する抄紙機で抄造し
て得られた原紙を使用して、オフセット輪転印刷用塗被
紙を製造する方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高速運転
条件のもとで、従来のオントップタイプのフォーマで抄
造した原紙より塗被紙用特性が優れた原紙を製造する方
法を検討するために、ワイヤーパートにギャップフォー
マを有する抄紙機で抄造した原紙特性について鋭意研究
を行った結果、ギャップフォーマ部での脱水条件および
ウェットプレス条件によって原紙特性が大きく変化する
ことを見いだした。そこで本発明者等はギャップフォー
マによって形成された原紙の厚さ方向の密度および微細
な繊維分の分布状態を詳細に検討した結果、ギャップフ
ォーマでの低濃度時の両ワイヤ−面からの脱水により、
原紙表層部に微細繊維が多く集まることを見出した。こ
れにウェットプレスとしてニップ入り口と出口における
圧力およびニップ幅を任意に変更することが可能なシュ
ータイプの広幅ニッププレスを組み合わせることによっ
て、高速運転条件下でも従来オントップフォーマで形成
された原紙と異なり、嵩高であり、原紙の両表層部の密
度が高く、微細な繊維分が両表層部に局在化し、且つ表
裏面の特性差が少ない、優れた印刷用塗被紙用原紙を得
ることができることを見い出した。
【0010】さらに、本発明者等は、該原紙を用いて塗
被層を塗工したオフセット印刷用塗被紙を熱ソフトキャ
レンダを用いて仕上げ処理することによって、従来の印
刷用塗被紙にない優れた印刷特性が付与されることを見
い出し、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の第一は、ギャップタイプの
ツインワイヤ−フォーマで抄紙した原紙に、顔料および
接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗工・乾燥して
仕上げるオフセット輪転印刷用塗被紙の製造において、
該原紙がツインワイヤ−フォーマ部において原料固形分
濃度2.5重量%に至るまでの両ワイヤー側への脱水量
比率(トップワイヤー側/ボトムワイヤー側)を0.8
5以上、1.15以下の範囲で製造され、かつ広幅ニッ
プのプレスを1台以上含むウェットプレス装置により脱
水されて得られた原紙であること、また、該原紙上に顔
料および接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗工・
乾燥して塗被層を設けた後、熱ソフトキャレンダに通紙
して平滑化仕上げ処理を行うことを特徴とする平滑性、
光沢、剛度に優れ、オフセット輪転印刷機上での優れた
走行安定性を有するオフセット輪転印刷用塗被紙の製造
方法である。本発明の第二は、ウェットプレス装置の広
幅ニッププレスが、シュープレスタイプのウェットプレ
ス装置であることを特徴とする請求項1記載のオフセッ
ト輪転印刷用塗被紙の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、原紙抄造に使用
する製紙用パルプとは、木材、非木材原料を公知公用の
蒸解、漂白、精選処理して得られたパルプ、あるいは市
中から回収される古紙や製紙・印刷工場内で発生する故
紙、損紙を解繊、除塵、精選処理し、必要に応じて脱
墨、漂白処理を加えて得られる古紙パルプである。な
お、原料の調成条件を特に限定するものではなく、叩解
処理および各種製紙用薬剤、添加剤が適宜使用される。
【0013】本発明は、こうして得られた原料をギャッ
プフォーマにて抄紙した後、ウェットプレスで脱水し、
表裏差が小さく、両表層部の密度が高く、嵩高で剛度の
高い塗被紙用原紙を製造し、顔料および接着剤を主成分
とする水性塗被組成物を塗工・乾燥した後に熱ソフトキ
ャレンダに通紙して、塗被層の平滑性、密度を向上さ
せ、優れた印刷特性および走行安定性を付与させるもの
である。
【0014】ギャップフォーマを有する抄紙機に付設さ
れて使用されるウェットプレス装置としては、特に機種
を限定するものではないが、1200m/分以上の高速
な抄造条件に適合するような装置であることが必要であ
る。即ち1200m/分以上の高速な操業条件では、従
来のロールタイプのウェットプレス装置、いわゆるロー
ル/ロール間に形成される狭いニップ部にフェルトと共
に湿紙を通過させ脱水するウェットプレス装置のみで
は、湿紙の固形分濃度を高める為には線圧を高ることが
必要となり、ニップ内ではロール表面付近の水圧が急速
に増加するため紙層間での砕けが発生すると共に、フェ
ルト側の繊維密度のみが増加し、原紙表裏の密度差が非
常に大きくなり、品質の高い印刷用塗被紙を得ることが
難しくなる。従って、本発明のようにギャップフォーマ
を有する高速抄紙機に付帯して使用するウェットプレス
装置としては、シュータイプの広幅ニップを有するウェ
ットプレス装置が優れた品質の製品を得る上から好まし
く利用される。
【0015】また、ギャップフォーマとシュータイプの
広幅ニップを有するウェットプレス装置を組み合わせて
操業する場合、特にギャップフォーマ部における低濃度
の原料からの両ワイヤ−側への脱水量比率は、湿紙の表
裏対称的な構造を形成する上で非常に重要であり、ワイ
ヤー間の原料の固形分濃度が2.5重量%に至るまでの
両ワイヤー側への脱水量の比率(トップワイヤー側/ボ
トムワイヤー側)は0.85以上、1.15以下の範囲
内となることが望ましい。因みに、両ワイヤー側への脱
水量の比率(トップワイヤー側/ボトムワイヤー側)が
0.85未満および1.15を越えると、原紙の表裏層
の繊維密度の差が大きくなりすぎるため、塗被紙の表裏
層の特性差が大きくなると共に、オフセット輪転印刷機
上での走行安定性は徐々に不安定になってくる。このよ
うに、特定の固形分濃度までの両ワイヤー側への脱水量
比率を制御することによって良好な原紙特性が得られる
原因については、必ずしも明らかではないが、以下のよ
うに推定される。即ち、紙の特性におよぼす紙層構造中
の微細繊維の役割が非常に大きいが、湿紙内部における
微細繊維分の移動は固形分濃度で約2.5重量%までは
容易であり、この固形分濃度を越えると脱水条件を大き
く変更しても微細繊維分の移動は困難であり、対称的な
紙の構造をつくることが難しくなるためと考えられる。
従って、固形分濃度2.5重量%までの脱水量比率の制
御が重要となる。
【0016】さらに、上記の如く抄造した原紙上に、顔
料と接着剤を主成分とする水溶性塗被組成物を塗被、乾
燥して塗被層を設けた後、熱ソフトキャレンダーに通紙
して平滑化仕上を行う。かかる塗被紙はオフセット輪転
印刷機上での優れた走行安定性に加えて極めて優れた平
滑性及び印刷光沢を呈し、従来以上のオフセット印刷適
性を有することがわかった。このように、本発明はギャ
ップフォーマとシュータイプの広幅ニップを有するウェ
ットプレス装置を組み合わせた抄紙機で抄造した原紙上
に、顔料と接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗
被、乾燥して塗被層を設けた後、熱ソフトキャレンダー
仕上げを施した塗被紙の製造方法である。
【0017】なお、塗被層の形成に先だって、該原紙に
各種サイズプレス装置やロールコーター等を用いて適宜
接着剤等を塗布して表面処理を行い、紙力の補強を図っ
たり、あるいは顔料と接着剤を主成分とする塗料をロー
ルコーターやブレードコータ−等で予備塗工した原紙な
どを用いることも可能である。さらには、塗工前に原紙
をオンラインソフトキャレンダを使用して予め平滑化し
ておくことは、塗工後の塗被層を均一化する上で特に好
ましい。
【0018】塗料の主成分となる顔料としては、通常の
塗被紙製造分野で使用される顔料が適宜使用できる。具
体的には、カオリン、クレー、焼成カオリン、無定形シ
リカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、プラスチックピグメント等のう
ち1種又は2種以上を適宜混合して使用する。
【0019】前記顔料と併用される接着剤も通常の塗被
紙製造分野で使用される接着剤が適宜使用でき、例えば
澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、
合成蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、カルボ
キシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタ
クリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体
ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等を
単独、あるいは2種以上併用して用いる。なお、接着剤
の配合量は顔料に対し、固形分対比で5〜50重量%、
より好ましくは10〜30重量%で調節する。なお、塗
料中には顔料や接着剤のほかに、一般塗被紙の製造分野
で使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防
止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加することもでき
る。
【0020】上記材料をもって構成される塗料は、一般
に固形分濃度を30〜70重量%程度に調整し、前述し
た原紙上に片面当たり乾燥重量で2〜40g/m2とな
るように、1層または複層に分けてブレードコーター、
エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコータ
ー、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビ
アコーター等の各種公知公用の塗工装置により塗被、乾
燥する。なお、複層に分けて塗工層を設ける場合には最
終製品の品質特性を考慮して、上層と下層の顔料や接着
剤の原材料を変えたり、配合比率等を適宜変更すること
もできる。
【0021】本発明では、上記のようにして得られた塗
被紙を通常100℃〜300℃に加熱した金属ロールと
弾性ロールよりなる熱ソフトカレンダーに通紙して加圧
仕上げを行うが、キャレンダのニップ圧、ニップ数等に
ついては特に限定されるものではない。特に表面を硬質
クロムメッキ等で鏡面仕上げされた金属ロール等を使用
すると、より一層効果的である。また、熱ソフトキャレ
ンダの金属ロールと対をなして使用される弾性ロールの
材質については特に限定されないが、一般にウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、
ポリアクリレート樹脂等の高温高圧で耐久性を示す樹脂
ロールが好ましく利用される。また、樹脂ロールの硬度
としては、シェアD硬度で85度以上のものを使用する
と優れた表面平滑性が得られる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、もちろん、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。また、例中の部および%は特に断りない限
り、それぞれ重量部および重量%を示す。また、各ワイ
ヤー面の脱水量およびワイヤー間の湿紙濃度は、フォー
マ部の各脱水エレメントからの白水流量、固形分濃度お
よびヘッドボックス流量と固形分濃度より算出した。
【0023】実施例1 (原紙の調製)LBKP90部、NBKP10部からな
るパルプスラリーに填料としてタルクを紙中灰分が9%
になるように添加し、さらに固形分100部に対し、内
添サイズ剤としてロジンサイズ剤(商品名:サイズパイ
ンE/荒川化学社製)0.1部、および硫酸アルミニウ
ム2部をそれぞれ添加して原料を調整した。この紙料を
運転速度1200m/分にてギャップフォーマで抄紙し
て湿紙を形成した。その際原料の固形分濃度2.5重量
%に至るまでの両ワイヤー側への脱水量の比率(トップ
ワイヤー側/ボトムワイヤー側)が0.90となるよう
にフォーミングシューの脱水条件を設定した。該湿紙を
さらにシュータイプの広幅ニッププレスを有するウェッ
トプレス装置により脱水し、原紙を得た。この原紙に2
本ロールサイズプレス装置で、6%濃度の酸化澱粉(商
品名:エースA/王子コーンスターチ社製)液を固形分
で2g/m2(両面)となるように塗布、乾燥して米坪6
8g/m2の塗被紙用原紙を得た。
【0024】(塗料の調製)カオリン(商品名:UW9
0/EC社製)30部、重質炭酸カルシウム(商品名:
FMT−90/ファイマテック社製)70部からなる顔
料および分散剤(商品名:アロンA9/東亞合成社製)
をコーレス分散機を用いて分散し、顔料スラリーを得
た。このスラリーに酸化澱粉液(商品名:SN−113
/住化A&L社製)11部を添加し、固形分60%の塗
料を調整した。
【0025】(塗被紙の製造)このようにして調整した
塗料を前述の塗被紙用原紙上に、片面当たり15g/m
2となるようにブレードコーターで両面塗工を行った。
得られた両面塗被紙を180℃に加熱した金属ロールと
樹脂ロールよりなる熱ソフトキャレンダに、線圧200
kg/cmの加圧条件で、片面が金属ロール、樹脂ロー
ルにそれぞれ2回ずつ接触するように合計4ニップの通
紙を行い、印刷用塗被紙を得た。
【0026】実施例2 湿紙形成時、原料の固形分濃度2.5重量%に至るまで
の両ワイヤー側への脱水量の比率(トップワイヤー側/
ボトムワイヤー側)が1.10になるようにフォーミン
グシュー形状を変更した以外は、実施例1と同じ方法で
印刷用塗被紙を得た。
【0027】比較例1 湿紙形成時、原料の固形分濃度2.5重量%に至るまで
の両ワイヤー側への脱水量の比率(トップワイヤー側/
ボトムワイヤー側)が1.30になるようにフォーミン
グシュー形状を変更した以外は、実施例1と同じ方法で
印刷用塗被紙を得た。
【0028】比較例2 湿紙形成時、原料の固形分濃度2.5重量%に至るまで
の両ワイヤー側への脱水量の比率(トップワイヤー側/
ボトムワイヤー側)が0.80になるようにフォーミン
グシュー形状を変更した以外は、実施例1と同じ方法で
印刷用塗被紙を得た。
【0029】比較例3 ウェットプレス装置を、シュータイプのプレスを有しな
いロールプレスのみからなるものに変更した以外は、実
施例1と同じ方法で印刷用塗被紙を得た。
【0030】比較例4 塗工後の熱ソフトキャレンダの代わりに、表面温度25
℃の金属ロールとコットンロールからなるスーパーキャ
レンダに線圧200kg/cmの加圧条件で、片面が金
属ロール、樹脂ロールにそれぞれ5回ずつ接触するよう
に合計10ニップの通紙を行った以外は実施例1と同じ
方法で印刷用塗被紙を得た。
【0031】比較例5 ワイヤーパートをギャップフォーマからオントップフォ
ーマに変更し、原料濃度が2重量%に至るまでの脱水を
下向き脱水のみとして、運転速度を1000m/分にし
た以外は、実施例1と同じ方法で印刷用塗被紙を得た。
かくして得られた各塗被紙について、下記に示す品質評
価を行い、その結果を表1に示した。 (品質評価法) (光沢度)JIS−P8142に準拠して測定した。 (剛度)クラーク剛度試験器(熊谷理機工業社製)を用
いてJIS−P8143のA法に準拠して測定した。 (目視平滑性)塗被紙の表面平滑性を目視により下記標
準で判定した。 ◎:非常に良好 ○:良好 △:やや劣る (印刷機上の走行安定性)商用オフセット印刷機にて4
色印刷を行い、そのときの皺の状態、蛇行等の走行姿勢
を総合して下記の標準で判定した。 ◎:非常に良好 ○:良好 △:やや劣る
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の方法で得られたオフセット印刷用塗被紙は、光沢度、
平滑性、剛度が優れ、かつ印刷機上での走行安定性が極
めて優れた塗被紙である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ギャップタイプのツインワイヤ−フォーマ
    で抄紙した原紙に、顔料および接着剤を主成分とする水
    性塗被組成物を塗工・乾燥して仕上げるオフセット輪転
    印刷用塗被紙の製造において、該原紙がツインワイヤ−
    フォーマ部において原料固形分濃度2.5重量%に至る
    までの両ワイヤー側への脱水量比率(トップワイヤー側
    /ボトムワイヤー側)を0.85以上、1.15以下の
    範囲で製造され、かつ広幅ニップのプレスを1台以上含
    むウェットプレス装置により脱水されて得られた原紙で
    あること、および該原紙上に顔料および接着剤を主成分
    とする水性塗被組成物を塗工・乾燥して塗被層を設けた
    後、熱ソフトキャレンダに通紙して平滑化仕上げ処理を
    行うことを特徴とするオフセット輪転印刷用塗被紙の製
    造方法。
  2. 【請求項2】ウェットプレス装置の広幅ニッププレス
    が、シュープレスタイプのウェットプレス装置であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のオフセット輪転印刷用塗
    被紙の製造方法。
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Cited By (4)

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