JP2927986B2 - 塗工紙の製造方法及び塗工紙 - Google Patents

塗工紙の製造方法及び塗工紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗工紙の製造において、
塗工後の段階で嵩高で、不透明性、剛性および、印刷時
のモットリングに優れた塗工紙を製造できる塗工紙の製
造方法および該製造方法で製造する塗工紙に関するもの
である。
【0002】また更にスーパーカレンダー処理した後の
段階で、同じ密度(嵩)に塗工紙を仕上げた場合は、イ
ンキ受理性、印刷後光沢等印刷適性に優れた塗工紙を製
造できる塗工紙の製造方法および該製造方法で製造する
塗工紙に関するものである。
【0003】
【従来の技術】近年、出版では写真雑誌に代表されるよ
うなビジュアル誌を中心とした分野、また印刷ではチラ
シ、カタログなどの分野において、従来のコーテッド紙
に見劣りがしない印刷仕上がりをもちながら、比較的安
い微塗工紙が、ユーザーニーズの多様化、低コスト化志
向に適合し、市場における伸びが著しい。また、同じ理
由から従来のコーテッド紙の分野でも、より軽量な塗工
紙の需要が増加している。これら塗工紙は、出版物の増
頁化ともあいまって近年ますま軽量化の方向に進んでい
る。
【0004】一方、一般に軽量化すればそれだけ紙厚は
低くなり、こしのない紙となり、不透明性も低下するた
め低級感を与えると同時に、頁のめくりにくさ、読みに
くさが生じてくる。
【0005】以上の背景から、同じ印刷品質を維持しな
がらより低コストな製品をつくること、即ち塗工量の低
減化を図ることや、あるいは同じ塗工量でもより嵩が高
く、不透明性が高く、こしのある塗工紙が一層求められ
るようになってきている。
【0006】塗工前の原紙マシンのカレンダー処理によ
り塗工量の低減化を図るためには、塗工時の有効塗工量
を増やす必要があり、そのためには塗工前の原紙の平滑
度を上げる必要がある。しかし、そのためにはカレンダ
ー線圧を強化しなければならず、結果として紙厚の低下
を招く。また、高平滑の原紙になるほど塗工時のコータ
ヘッド後のストリークが多発し、操業性が著しく低下す
る問題が発生することが知られている。
【0007】一方塗工前の原紙マシンのカレンダー処理
により、同じ塗工量でより嵩の高い塗工紙を製造するた
めには、原紙の表面性を維持したまま、より嵩高な原紙
に仕上げなければならない。しかし通常、嵩を出すため
にはより低線圧でカレンダー処理しなければならない
が、同時に表面性も低下してしまう。
【0008】カレンダー処理による嵩の低下を最小限に
押さえて平滑性を出す、言い替えれば同じ平滑性を維持
したまま嵩を高くするためには、紙のごく表層部のみを
潰して平滑性を出せば良いことになる。このようなカレ
ンダー法として一般に認められているのは、高温ロール
による熱カレンダー処理あるいはカレンダー処理直前で
の紙表面への水塗布あるいは加熱蒸気の付与等の方法が
知られている。
【0009】一般に紙の表面性を向上させるためには、
加熱よりも加湿の方が効果が高いとされている(M.A
grouts;Tappi J.66(10),96
(1983))。
【0010】また、水塗布の場合は、紙の平均水分が最
低でも約1.5%以上上昇してしまい密度の上昇幅が大
きくなり、結果として同じ表面性に仕上げた場合さほど
嵩高くならないこと、カレンダーロールへの塗料の付着
の問題が大きいこと等の問題がある。
【0011】以上より、軽度の加熱蒸気を紙に付与した
後にカレンダー処理する方法が近年開発され、その効果
が認められている(特開平2−160993)。但しこ
れは、塗工軽量印刷用紙に適用されたものであり、塗工
した後の紙をカレンダー処理する際に、加熱蒸気を用い
たものであり基本的に異なる。
【0012】またその他以下の点で本発明と基本的に異
なる。
【0013】(1)本発明では、紙に蒸気を付与した後
のカレンダー処理条件を前記請求項に記載したごとく処
理温度を100〜150℃に限定して初めて、本発明に
記載の品質上の効果が得られることを認めたものである
(特開平2−160993の方法では同じ効果は得られ
ない)。
【0014】また、耐熱性の優れた特殊樹脂ロールを有
するソフトカレンダーでカレンダー処理して初めて上記
効果が得られるものである。ソフトカレンダー法は基本
的にはオンマシンで(オフマシンの場合もある)金属ロ
ールとソフトロールを組合わせ、少ニップ数でカレンダ
ー掛けするものであり、ソフトロールとして耐熱性の高
い特殊樹脂を被覆したロールを使用し、金属ロールを加
温型とする方式である。
【0015】(2)本発明では、新たにモットリングを
も改善し得ることを認めた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
ごとき塗工紙の有する難点を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、塗工前の原紙のカレンダー処理直前に低圧で軽
度の加熱蒸気を付与し紙表面を加湿及び加熱した後、1
00〜150℃範囲内でソフトカレンダー処理を行い、
しかる後に、片面4〜15g/m2の塗工液を塗布する
ことにより、嵩高で、不透明度、剛性等強度特性に優
れ、更に印刷適性(モットリング、インキ受理性、印刷
後光沢等)に優れた塗工紙の製造方法及びその製造方法
により得られる塗工紙を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は塗工紙の製造方
法において、塗工前の原紙カレンダー処理直前に低圧で
軽度の加熱蒸気を、紙に平行に噴出させ紙表面を加湿及
び加熱した後、100〜150℃範囲内でソフトカレン
ダー処理を行い、しかる後に、片面4〜15g/m2
塗工液を塗布することを特徴とする塗工紙の製造方法で
ある。
【0018】本発明の特徴は、塗工前原紙のカレンダー
処理直前に、低圧で軽度の加熱蒸気を特定の条件で紙の
表面に付着させる点にあるが、これまでの蒸気加湿装置
は、実機での連続使用の場合以下のような問題があっ
た。即ち(1)蒸気ドレンが紙面に落下あるいは吹き飛
ばされる、(2)蒸気が周囲に飛散し、周辺の機器に結
露し、紙に結露水が落下する。(3)蒸気が周辺に漏
れ、作業環境が悪化する等の問題である。
【0019】以上の問題点を解決するため、コアンダ効
果を利用して蒸気を紙に平行かつ対向させて流す装置が
提案された。この利点は、紙と蒸気の接触時間を長くで
きること、紙につれまわってくる空気の侵入を防止でき
ること、紙の走行安定性が向上することにある。
【0020】本装置の主たるコンセプトは以下の如くで
ある。
【0021】蒸気のもつ熱エネルギーは紙と蒸気の温度
差によって蒸気が紙表面に微粒となって凝縮することに
よってつたえられる。この時、空気が介在すると空気は
断熱材の役目を果たし、熱授受の効率は著しく低下する
とともに、凝縮水は大きな粒子となってしまい、凝縮水
の紙への付着が不均一になってしまい、水分、温度ムラ
が大きくなってしまう。このように操業上の問題点を解
決するとともに熱効率を改善することによりはじめてカ
レンダー前での使用が可能となった。
【0022】一般にカレンダー処理により、密度の上昇
即ち嵩の低下は避けられず、その結果、不透明性や剛性
も低下する傾向にある。嵩の低下をできる限り最小限に
押さえ、表面平滑性を上げる、言い替えれば同じ表面性
に仕上げた場合、より嵩を高くするためには、紙のごく
表層部のみを緻密化する必要がある。この手法として
は、紙の表層部のみを加熱により潰することによって表
面性を発現させるいわゆる温度勾配カレンダー法が従来
から提案されている(M.F.Grattonet.a
l.;Pulp and Paper Can.,88
(12)、T461(1987)等)。
【0023】また別な方法として、紙の表層部のみを加
湿により潰す方法がある。この方法は、加熱か加湿かの
違いだけでその作用機構は基本的に温度勾配カレンダー
法と同じである。即ち、加湿により紙の表層部のみを可
塑化した直後にカレンダー処理することによりカレンダ
ーロール表面を可塑化された紙表面に転写するメカニズ
ムである。
【0024】本発明者らは、この加湿カレンダー法を鋭
意研究した結果、水シャワーにより加湿する場合は、加
湿量が多くなってしまい(紙の平均水分量として1.5
%以上増加する)、カレンダー処理により表面性は大き
く向上するが、同時に嵩の低下幅も大きくなってしまう
ことを認めた。従ってまったく加湿しないでカレンダー
処理したものと同じ表面性に仕上げた場合ほとんど嵩は
高くならなかった。
【0025】これは紙の表層部だけでなく中層部まで水
分が浸透してしまったことが原因と考えられる。またこ
の方法では紙の水分プロファイルの制御も難しいこと等
の問題点があった。また、この場合紙表面に付着した水
がカレンダーロールの温度を下げる方向に作用すること
もわかった。
【0026】前記のように、紙表面を可塑化するにはカ
レンダーロールの温度はより高温で処理する方が望まし
いが、水シャワーによる加湿方法では、カレンダーロー
ル温度を下げる方向に作用するためマイナスの効果とな
ってしまう。
【0027】以上のような検討から、本発明者等は蒸気
による加湿方法が最良であることを認めた。本発明に用
いる蒸気は高温(100℃以上)であるため、紙表面を
同時に加湿かつ加温して可塑化する。従って、蒸気加湿
直後にカレンダー処理した場合、紙表層部のみは密度が
増加し表面性が向上するが、紙中層部は密度が上がら
ず、紙全体としては平均密度がそれほど上がらず、嵩の
高い塗工紙が得られるのである。
【0028】また、本発明と同様な蒸気によるカレンダ
ー法を用いて、その効果を論じた先行技術(特開平2−
160993)とは以下の点で基本的に異なるものであ
る。まず本発明では、紙に蒸気を付与した後のカレンダ
ー処理条件を前記請求項に記述したごとく、カレンダー
処理温度を100〜150℃に規定したことである。
【0029】上記先行技術では、蒸気加湿によるカレン
ダー処理により、紙の密度上昇および嵩の減少を最小限
に押さえたまま、王研式平滑度を向上させることが可能
となり、それによって初めて印刷適性向上が可能である
と論じている。
【0030】しかし本方法は塗工前の原紙に対して蒸気
加湿する点で基本的に異なるものであり、更にしかる後
にカレンダー処理する条件として、カレンダー処理温度
が100〜150℃の範囲で処理し、更に装置としてソ
フトカレンダー法を採用し、その処理原紙に更に片面4
〜15g/m2 の塗工液を塗布することにより初めて、
飛躍的に嵩高な塗工紙となり、かつ不透明度や引張り強
度、剛性等強度特性を向上し得るものである。
【0031】また新たに印刷後のモットリングをも改善
し得ることも認めた。
【0032】また更にスーパーカレンダーにより、上記
先行技術で得られた塗工紙と同じ密度(嵩)になるよう
に塗工紙を仕上げた場合は、本発明の方法では、より高
平滑でインキ受理性、印刷後光沢等印刷適性にはるかに
優れた塗工紙を製造できるものである。
【0033】これらの理由は、紙の熱、水分に対する可
塑性、紙の熱伝導度、弾性率、紙層構造、弾性ロールの
弾性率等複雑な因子によって、紙の表面性の発現性メカ
ニズムが左右されると考えられるため定かではないが、
おおむね以下の違いが理由として考えられる。
【0034】まず、前記のごとくカレンダー処理温度が
100℃以下で処理した場合は、カレンダーロール温度
が紙表層部の温度より低いため、あらかじめ蒸気により
加熱されたごく表層部の紙の温度が逆に冷やされる結果
となり、紙の表層部のみを可塑化する効果に対してマイ
ナス効果となり、結果として同じ密度に紙を仕上げても
王研式平滑度は向上しなくなる。
【0035】また150℃以上の高温で処理すると加温
と蒸気による加湿が過度になってしまい、相乗効果によ
り表面性は大きく向上するものの、前記のように極端に
密度が上昇してしまい、結果として嵩、不透明度、剛度
の低下を招く。
【0036】本発明の方法によれば、一つには100℃
以上の高温で処理することにより、同じ表面性(王研式
平滑度)を得るのにより低線圧で処理できるため、嵩、
不透明度、剛度が向上する。また、紙をより強い力でし
ごかないため、繊維間結合が保持され、その結果引張り
強度も向上する。
【0037】また耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロール
を有するソフトカレンダー法を採用して初めて上記のよ
うな高温でカレンダー処理することが可能となる。なぜ
なら、一般的に使用されるスーパーカレンダーの場合に
は、弾性ロールであるコットンロールの内部発熱が大き
く、耐熱、耐圧性に限界があるため、ロールの最高使用
温度は一般に約85℃以下に制限されるためである。ま
た板紙の製造で一般に使用されるグロスカレンダーの場
合には、金属ロール側は100℃以上の高温でも使用さ
れるが、弾性ロールであるゴムロールは、耐久性に著し
く劣るため一般に高速抄紙機、高速コータには適用でき
ない。なお、ソフトカレンダーのロールの温度は紙の温
度より高く設定することが好ましい。
【0038】したがって、耐熱、耐圧性に優れた特殊樹
脂ロールを有するソフトカレンダーを採用して初めて高
温、高圧での使用が可能となる。
【0039】本発明の低圧で軽度の加熱蒸気流を紙に噴
出する装置としては、紙と平行に蒸気を噴出する装置、
ノズルから紙表面に一定の角度で噴出する装置などで、
蒸気が紙表面に付着して適度に紙の温度と水分を上昇さ
せる調整ができるものであれば使用できる。
【0040】本発明において使用する蒸気は、低圧で軽
度の加熱蒸気で、紙に付与する場合、使用蒸気圧は1k
g/cm2 以下で、蒸気流量が15〜80kg/Hr/
m幅で、紙水分増加率が0.3〜1.2%の範囲内で蒸
気を付与することが望ましい。その理由は前記のように
蒸気圧が高く、流量も多すぎると、過剰の水分が紙中層
部まで浸透し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下させ
る。また紙への蒸気付着量が多すぎると塗工紙の場合塗
工層表面がカレンダーロールに取られる問題を生じる。
逆に蒸気流量が少なすぎると、紙の平滑、光沢ムラを発
生させる恐れがあり、また加湿、加温の効果が少なくな
り、平滑性、印刷適性の向上効果も少なくなる。
【0041】したがって、適正な水分付与条件として
は、望ましくは紙水分増加率が0.3〜1.2%の範囲
内で蒸気を付与することが望ましい。
【0042】蒸気塗布後、カレンダーロールニップに入
るまでの時間はできる限り短い方が良く、0.01〜
0.25秒の範囲内が望ましい。これ以上時間が長いと
蒸気粒子が紙中層部に侵入し、カレンダー処理後の嵩を
大きく低下させる。
【0043】また本研究の結果、使用する弾性ロールの
硬度はショアD87〜93の範囲内にあることが望まし
いことがわかった。
【0044】その理由は明確ではないが、弾性ロールの
硬度がより低い場合には、ニップ幅は広くなり、紙に対
する面圧が大きくなる。この場合には、金属ロールの表
面を紙表面に転写する時間が長くなり、面圧とは逆に線
圧は小さくなるため、紙の光沢発現性は高くなるが、紙
の表層部より若干中層部近くまでの平滑性を測定する王
研式平滑度ではあまり大きな向上として現れない。
【0045】逆に弾性ロール硬度が高い場合には、ニッ
プ幅も狭く、紙にかかる線圧も高いため王研式の平滑度
の向上も大きくなると考えられる。ただしロール硬度が
過度に高いと、異物通過時のロールの傷付きとその復元
性に劣り実用的でなく、品質的にも従来の金属ロール/
金属ロールの組み合わせによるカレンダー法と差がなく
なってしまう。従って適度な硬度範囲の弾性ロールを使
用する必要がある。
【0046】また、モットリングが向上する理由として
は、加湿により紙表面が可塑化され、カレンダー処理時
にニップの全幅にわたりより均一な面圧がかかり、カレ
ンダーロール面が均一に紙表面に転写された結果、密度
ムラが少なくより均一性の高い原紙仕上がりとなり、そ
の結果、塗工時の塗工液の浸透ムラ、更に印刷時におい
てもインキの吸収ムラも少なくなり、均一性の高い印刷
物になったためと思われる。
【0047】また本発明に使用する塗工紙は、塗被量が
片面4〜15g/m2 であり、片面塗被でも両面塗被紙
いずれでも良い。また、原紙表面に塗工する顔料として
は、クレー、カオリン、タルク、水酸化アルミニウム、
炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、合成
シリカ、サチンホワイト、プラスチックピグメント等を
単独に、または数種類組み合わせて使用することができ
る。また、塗工液に使用するバインダーとしてはデンプ
ン、ポリビニルアルコール、ラテックス等を単独にまた
は数種類組み合わせて用いることができる。
【0048】また塗工方法としては、一般に塗工紙製造
に使用される塗工装置、例えばブレードコータ、エアナ
イフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バ
ーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラ
ビアコータ等を用いオンマシンあるいはオフマシンによ
って原紙上に一層あるいは多層に分けて塗被されるもの
である。
【0049】また以上により、塗工後の段階でより嵩高
な塗工紙が得られるため、更に、スーパーカレンダーで
所定の紙厚に仕上げる場合はより強線圧でスーパー処理
する結果、高平滑で、インキ受理性、印刷後光沢に優れ
た塗工紙が得られることになる。
【0050】本発明に使用する塗工前の原紙は、坪量は
30〜100g/m2 の範囲で、上質紙、中質紙、ある
いはこれらに再生古紙を含有するものの何れでも良い。
【0051】以上本発明者等は、紙の表層部のみを可塑
化する手段として加熱あるいは加湿によるカレンダー法
を種々検討を重ねた結果、低圧で軽度の加熱蒸気を塗工
前の原紙表面に付与し紙表面を加湿及び加熱した後、1
00〜150℃範囲内でソフトカレンダー処理を行い、
しかる後に、片面4〜15g/m2 の塗工液を塗布する
ことにより、嵩高で、不透明性、剛度等強度特性が高
く、モットリングの少ない塗工紙を製造することができ
ることを認めた。また更にスーパーカレンダーにより、
所定の紙厚に仕上げた場合には、高平滑で、インキ受理
性、印刷後光沢等印刷適性の優れた塗工紙を製造し得る
ことを認めた。
【0052】
【実施例】本発明の実施例を示す。
【0053】カレンダー処理にチルドロールと樹脂ロー
ルの組み合わせからなる2段のソフトニップを有する2
スタックのソフトカレンダーを用い、各ニップ前に、チ
ルドロールに当たる側の紙表面に蒸気が噴出されるよう
に、加湿装置(相川鉄工株式会社のスチームフォイル)
を設置し下記の実験を行った。
【0054】本実施例及び比較例で使用したソフトカレ
ンダーの詳細は次の通りである。
【0055】 本体メーカー:南千住製作所(株) ロール面長:1050mm 加熱ロール:誘導発熱ジャケットロール(トクデン製) ソフトロール:エラグラスRE(金陽社製)ショアー硬
度D 89他実施例1 坪量67g/m2 の原紙に、使用蒸気圧0.8kg/c
2、蒸気流量が50kg/Hr/m幅一定条件下で蒸
気を付与し、0.03秒後に各カレンダーニップに入る
様にカレンダー処理した後、主として顔料及び接着剤か
ら成る塗被液を片面12g/m2 両面塗工した。但しカ
レンダー処理時のカレンダーロール温度は120℃とし
た。
【0056】実施例2 上記実施例1で得られた塗工紙を、所定の紙厚になるよ
う更にスーパーカレンダー処理した。
【0057】比較例1 カレンダーロール温度を70℃でカレンダー処理するこ
と以外はすべて上記実施例1と同条件でカレンダー処理
し、塗工した。
【0058】比較例2 蒸気をまったく使用しない以外は、上記実施例1と同じ
原紙を用い、同じ条件でカレンダー処理し、塗工した。
【0059】比較例3 上記比較例1で得られた塗工紙を、上記実施例2と同じ
紙厚になるようスーパーカレンダー処理した。
【0060】(品質評価方法)・白紙光沢度:JIS
P−8142に従い角度75度で測定した。
【0061】・平滑度 :JAPN Tappi N
o5 王研式平滑度試験器で測定した。
【0062】・不透明度 :JIS P−8142に従
い測定した。
【0063】・剛性 :JIS P−8143に従
いクラークこわさ試験機で測定した。 ・不透明度(%):JIS P−8138に準じて測定
した。
【0064】・印刷後光沢は上記同様JIS P−81
42に従い角度75度で測定した。
【0065】・インキ受理性およびモットリング: RI−2型印刷機(明製作所製)を使用して印刷を行
い、紅インキの受理性および印刷仕上がり(印刷ムラ)
をそれぞれ目視により10段階相対評価した。
【0066】
【0067】
【発明の効果】表から明らかなように、従来の蒸気加湿
カレンダー技術と異なり、塗工前の原紙に蒸気を付与
し、その後カレンダー処理条件を前記請求項に記述した
ごとく、カレンダー処理温度を100〜150℃に規定
してソフトカレンダー処理する本発明の方法により、塗
工液を塗工した後の段階でより嵩高で、不透明性、剛性
等強度特性が高く、印刷時のモットリングに優れた塗工
紙を製造できる。また更にスーパーカレンダー処理した
後の段階で、同じ紙厚(嵩)に塗工紙を仕上げた場合
は、インキ受理性、印刷後光沢等印刷適性に優れた塗工
紙を製造できる。従って、本発明の塗工紙の製造方法に
より製造された塗工紙は、従来にない優れた品質特性が
得られ、その製品価値は極めて大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 敏雄 山口県岩国市飯田町2丁目8番1号 山 陽国策パルプ株式会社 生産技術研究所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 23/24,19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗工紙の製造方法において、塗工前の原
    紙のソフトカレンダー処理直前に低圧で軽度の加熱蒸気
    を付与し紙表面を加湿及び加熱した後、ソフトカレンダ
    ーロールの温度が100〜150℃の範囲内でのソフト
    カレンダー処理を行い、しかる後に、片面4〜15g/
    2 の塗工液を塗布することを特徴とする塗工紙の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た塗工紙。
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