JP2930776B2 - グラビア用紙の製造方法及び該方法により得られたグラビア用紙 - Google Patents

グラビア用紙の製造方法及び該方法により得られたグラビア用紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラビア用紙の製造に於
いて、所定の静的平滑度に仕上げる場合に嵩高で、剛
性、不透明度が高く、また静的平滑度は同一でも動的な
平滑性に優れるため、ミスドットが少なく、網点再現性
に優れるグラビア用紙の製造方法及び該製造方法で製造
されたグラビア用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】雑誌の所謂グラビアページの充実により
グラビア用紙も依然安定した需要がある。グラビアペー
ジは、ファッション、美術関係や料理ページなどで鮮や
かな色調と深みのある画像が再現できるので、欠くべか
らざるものである。多色グラビアの用途は主として出版
向けのため中質コート紙が主に使用されて来ている。最
近ではその印刷仕上がりの良さと目への優しさから艶
消し塗工紙の需要が増加しているのにつられ、グラビア
でもマット系が目立つ様になって来ている。
【0003】一般にグラビアの印刷効果を出すためには
平滑性が極めて重要である。通常用途の紙の場合、上、
中質紙は30〜50秒(ベック平滑度計による測定値:
JIS P8119)位に対し、グラビア用紙はスーパ
ーカレンダー処理をして100〜300秒と非塗工紙と
しては可成り高いレベルにある。またスーパーカレンダ
ー処理を行なわず、マシンカレンダーで出来るだけ平滑
度を上げてグラビア用とすることもある。その場合は7
0〜100秒程度の平滑度となる。この様に高平滑な仕
上がりにするのは塗工紙の場合にも同じである。
【0004】この様にグラビア用紙は従来のカレンダー
処理により平滑度を高くする必要があるため、紙の密度
の上昇が大きく、不透明性、剛度等の特性の低下が大き
くなって了う。一方、グラビア印刷適性としてはミスド
ットを低減し、網点再現性を向上させるためには平滑度
を低下させることはできない。この様な問題点を解決す
るためには密度の上昇を最小限に押えて、高平滑な紙を
製造する必要がある。
【0005】前記の様にグラビア用紙の製造にはスーパ
ーカレンダー等を用いたカレンダー処理が行なわれる
が、密度の大幅な上昇は避けられない。カレンダー処理
により密度の上昇を押えて平滑性、光沢を向上させる方
法として、高温ロールによる熱カレンダー処理或いはカ
レンダー処理直前に紙表面への水塗布或いは加熱蒸気の
付与等の方法が知られている。
【0006】一般に紙の表面性を向上させるためには加
熱よりも加湿の方が効果が高いとされている(M.Agrout
s; Tappi J. 66(10), 96(1983))。また水塗布の場合
は、紙の平均水分が最低でも約1.5%以上上昇して了い
密度の上昇幅が大きくなること、カレンダーロールへの
塗料の付着の問題が大きいこと等の問題がある。
【0007】以上の事実により軽度の加熱蒸気を紙に付
与した後にカレンダー処理する方法が近年開発され、そ
の効果が認められている(特開平2−160993号公
報参照)。但しこの方法は塗工軽量印刷用紙に適用さ
れたものであり、以下の点で本発明と基本的に異なって
いる。
【0008】(1)本発明では特開平2−160993
号公報で開示された方法とは異なり、紙に蒸気を付与し
紙水分増加率が0.3〜1.2%となるようにした後のカ
レンダー処理条件を前記請求項に記述した如く処理温
度を100〜150℃に限定して始めて本発明に記載し
た品質上の効果が得られることを認めたものである(特
開平2−160993号公報で開示された方法では同じ
効果は得られない)。また、高耐熱性の樹脂ロールを有
するソフトカレンダーを用いて始めて上記の様な高温条
件でカレンダー処理が可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記の如
きグラビア用紙の有する難点を解決すべく鋭意検討を重
ねた結果、加熱蒸気を用いて予め紙水分増加率が0.3
〜1.2%となるように紙表面を加湿且つ加熱した後、
100〜150℃の温度でソフトカレンダー処理するこ
とにより、従来の技術の様に静的平滑度を向上させなく
ても、グラビア印刷適性(動的平滑性、ミスドット、網
点再現性等)を向上させることが可能となり、更に新た
に嵩高で不透明性,剛性,引張強度も向上することを認
め、従来に無い優れた品質を有するグラビア用紙の製造
方法及びその製造方法により得られグラビア用紙を提
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はグラビア用紙の
製造方法に於いて、カレンダー処理直前に低圧で軽度の
加熱蒸気を紙に噴出させ予め紙水分増加率が0.3〜1.
2%となるように紙表面を加湿及び加熱した後、100
〜150℃の範囲内でソフトカレンダー処理を行なうこ
とを特徴とするグラビア用紙の製造方法である。また本
発明は上記製造方法により得られ非塗工紙或いは塗工
量が片面10〜20g/m2のグラビア用紙である。
【0011】本発明の特徴は、グラビア用紙のカレンダ
ー処理直前に低圧で軽度の加熱蒸気を紙の表面に付着さ
せ、特定の温度条件で処理する点にある。これ迄の蒸気
加湿装置は実機での連続使用の場合、以下の様な問題が
あった。即ち、 (1)蒸気ドレンが紙面に落下或いは吹き飛ばされる。 (2)蒸気が周囲に飛散し、周辺の機器に結露し、紙に
結露水が落下する。 (3)蒸気が周辺に漏れ、作業環境が悪化する。等の問
題である。
【0012】以上の問題点を解決するためコアンダ効果
を利用して蒸気を紙に平行且つ対向させて流す装置が提
案された。この利点は紙と蒸気の接触時間を長くで
きること、紙につれまわってくる空気の侵入を防止でき
ること、紙の走行安定性が向上することにある。
【0013】本発明方法の主たるコンセプトは以下の如
くである。蒸気の持つ熱エネルギーは紙と蒸気の温度
差によって蒸気が紙表面に微粒となって凝縮することに
よって伝えられる。この時、空気が介在すると空気は断
熱材の役目を果たし、熱授受の効率は著しく低下すると
共に、凝縮水は大きな粒子となって了い、凝縮水の紙へ
の付着が不均一になって了い、水分,温度ムラが大きく
なって了う。この様に操業上の問題点を解決すると共に
熱効率を改善することにより始めてカレンダー前での使
用が可能となった。
【0014】従来のカレンダー処理は約50〜80℃程
度で処理しており、所定の表面性を得るためには可成り
高い線圧で紙を潰している。同じ表面性をより低線圧で
得、嵩高で強度特性を向上させるためには、紙の極く表
層部のみを緻密化する必要がある。この手法としては紙
の表層部のみを加熱により潰すことによって表面性を発
現させる所謂温度勾配カレンダー法が従来から提案され
ている(M.F.Grattonet, a l, ; Pulp and Paper Can.,
88(12), T461(1987)等)。
【0015】また別な方法として、紙の表層部のみを加
湿により潰す方法がある。この方法は加熱か加湿かの違
いだけで、その作用機構は基本的に温度勾配カレンダー
法と同じである。即ち加湿により紙の表層部のみを可
塑化した直後にカレンダー処理することによりカレン
ダーロール表面を可塑化された紙表面に転写するメカニ
ズムである。
【0016】本発明者等はこの加湿カレンダー法を鋭意
研究した結果、水シャワーにより加湿する場合は加湿量
が多くなって了い(紙の平均水分量として1.5%以上
増加する)、カレンダー処理により表面性は大きく向上
するが、同時に嵩の低下幅も大きくなって了うことを認
めた。これは紙の表層部だけでなく中層部まで水分が浸
透して了ったことが原因と考えられる。またこの方法で
は紙のプロファイルの制御も難しいこと等の問題点があ
った。また、この場合紙表面に付着した水がカレンダー
ロールの温度を下げる方向に作用することも判った。
【0017】前記の様に紙表面を可塑化するにはカレン
ダーロールの温度はより高温で処理する方が望ましい
が、水シャワーによる加湿方法ではカレンダーロール温
度を下げる方向に作用するためマイナスの効果となって
了う。
【0018】以上の様な検討から本発明者等は蒸気によ
る加湿方法が最良であることを認めた。本発明に用いる
蒸気は高温(100℃以上)であるため、紙表面を同時
に加湿且つ加温して可塑化する。従って、蒸気加湿直後
にカレンダー処理した場合、非塗工紙の場合は紙の表層
部、塗工紙の場合は顔料塗工層及び顔料塗工層に近い紙
表層部のみ密度が増加し表面性が向上するが、紙中層部
は密度が上がらず、紙全体としては平均密度がそれほど
上がらず、低線圧の処理で所定の表面性が得られ、嵩高
で、強度が高く、グラビア印刷適性の優れたグラビア用
紙が得られるのである。また従来のカレンダー法の場合
と同じ密度、嵩に紙を仕上げた場合にも上記同様品質に
優れたグラビア用紙が得られるものである。
【0019】また、本発明と同様な蒸気によるカレンダ
ー法を用いて、その効果を論じた先行技術(特開平2−
160993号公報に記載された発明)とは以下の点で
基本的に異なるものである。本発明では紙に蒸気を付与
紙の水分増加率が0.3〜1.2%となるようにした後
のカレンダー処理条件を前記請求項に記述した如く
カレンダー処理温度を100〜150℃に規定したこと
である。
【0020】上記先行技術では蒸気加湿によるカレンダ
ー処理により、紙の密度上昇及び嵩の減少を最小限に押
えた儘、王研式平滑度(静的平滑度)を向上させること
が可能となり、それによって始めて印刷適性の向上が可
能であると論じている。しかし本発明方法によれば王
研式平滑度が変わらなくても動的平滑度が向上するた
め、印刷適性を向上することが可能となった。
【0021】更に上記先行技術では嵩(密度の逆数),
剛度,不透明度は低下傾向にあるのに対し、本発明の方
法によれば嵩,不透明度,剛度も向上し、更に新たに引
張強度も向上し得ることも認めた。これ等の理由は、紙
の熱,水分に対する可塑性,紙の熱伝導度,弾性率,紙
層構造,弾性ロールの弾性率等複雑な因子によって紙の
表面性の発現性メカニズムが左右されると考えられるた
め定かではないが、おおむね以下の違いが理由として考
えられる。
【0022】先ず前記の如くカレンダー処理温度が10
0℃未満で処理した場合は、カレンダーロールの温度が
紙表層部の温度より低いため、予め蒸気により加熱され
た極く表層部の紙の温度が逆に冷される結果となり、紙
の表層部のみを可塑化する効果に対してマイナス効果と
なり、結果として同じ密度に紙を仕上げても王研式平滑
度は向上しなくなる。
【0023】また、150℃を超える高温で処理すると
加温と蒸気による加湿が過度になって了い、相乗効果
により表面性は大きく向上するものの前記の様に極端に
密度が上昇して了い、結果として嵩,不透明度,剛度の
低下を招く。本発明の方法によれば、一つには100℃
〜150℃の高温で処理することにより同じ王研式平滑
度(静的平滑度)を得るのに、より低線圧で処理できる
ため、嵩,不透明度が向上する。また紙に強いしごきを
与えないで済むため、剛度,引張強度が向上する(10
0℃未満では全く効果は無い)。
【0024】また本発明は耐熱,耐圧性に優れた特殊樹
脂ロールと金属ロールの組合せから成るソフトカレン
ダーを用いることにより始めて上記の様な高温でカレン
ダー処理することが可能となる。何故なら一般的に使用
されるスーパーカレンダーの場合には、弾性ロールであ
るコットンロールの内部発熱が大きく、耐熱,耐圧性に
限界があるためロールの最高使用温度は一般に約85℃
以下に制限されるためである。また板紙の製造で一般に
使用されるグロスカレンダーの場合には金属ロール側は
100℃以上の高温でも使用されるが、弾性ロールであ
るゴムロールは耐久性に著しく劣るため一般に高速抄紙
機,高速コータには適用できない。
【0025】従って耐熱,耐圧性に優れた特殊樹脂ロー
ルを有するソフトカレンダーを採用して始めて高温、高
圧での使用が可能となる。本発明の低圧で軽度の加熱蒸
気流を紙に噴出する装置としては、紙と平行に蒸気を噴
出する装置、ノズルから紙表面に一定の角度で噴出する
装置などで、蒸気が紙表面に付着して適度に紙の温度と
水分を上昇させる調整ができるものであれば使用でき
る。
【0026】本発明に於いて使用する蒸気は低圧で軽度
の加熱蒸気で紙に付与する場合、使用蒸気圧は1kg/cm
2以下で、蒸気流量が15〜18kg/Hr/m幅であるこ
とが好ましく、紙水分増加率0.3〜1.2%の範囲内
で蒸気を付与することが必要である。その理由は前記の
様に蒸気圧が高く、流量も多過ぎると、過剰の水分が紙
中層部まで浸透し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下
させる。また紙への蒸気付着量が多過ぎると塗工紙の場
合、塗工層表面がカレンダーロールに取られる問題を生
じる。逆に蒸気流量が少な過ぎると、紙の平滑,光沢ム
ラを発生させる恐れがあり、また加湿,加温の効果が少
なくなり、平滑性,印刷適性の向上効果も少なくなる。
【0027】従って適正な水分付与条件として、紙水分
増加率が0.3〜1.2%の範囲内で蒸気を付与しなけれ
ばならない。蒸気塗布後、カレンダーロールニップに入
る迄の時間はできる限り短い方が良く、0.01〜0.2
5秒の範囲内が望ましい。これ以上時間が長いと蒸気粒
子が紙中層部に侵入し、カレンダー処理後の嵩を大きく
低下させる。また本研究の結果、使用する弾性ロールの
硬度はショアD87〜93の範囲内に在ることが望まし
いことが判った。
【0028】その理由は明確ではないが、弾性ロールの
硬度がショアD87より低い場合には、ニップ幅は広く
なり、紙に対する面圧が大きくなる。この場合には金属
ロールの表面を紙表面に転写する時間が長くなり、面圧
とは逆に線圧は小さくなるため紙の光沢発現性は高くな
るが、紙の表層部より若干中層部近くまでの平滑性を測
定する王研式平滑度では余り大きな向上として現われな
い。
【0029】逆に弾性ロール硬度がショアD93より
い場合には、ニップ幅も狭く、紙に掛かる線圧も高いた
め王研式の平滑度の向上も大きくなると考えられる。但
しロール硬度が過度に高いと、異物通過時のロールの傷
付きとその復元性に劣り実用的でなく、品質的にも従来
の金属ロール/金属ロールの組み合わせによるカレンダ
ー法と差が無くなって了う。従って適度な硬度範囲の弾
性ロールを使用する必要がある。
【0030】また本発明に使用する非塗工紙は中質紙で
も上質紙でもよく、坪量は50〜180g/m2の範囲
が好ましい。また原紙に内添する填料はタルク,クレ
ー,カオリン,炭酸カルシウム等一般に使用されるもの
であれば何でも良い。更に本発明のグラビア用紙には、
染料,サイズ剤,乾燥紙力増強剤,湿潤紙力増強剤,定
着剤,歩留り向上剤等通常抄紙で用いられる添加剤を必
要に応じて含むものである。
【0031】また本発明に使用する塗工紙は塗被量が片
面10〜20g/m2であり、片面塗被でも両面塗被紙
何れでも良い。また、原紙表面に塗工する顔料として
は、クレー,カオリン,タルク,水酸化アルミニウム,
炭酸カルシウム,酸化チタン,炭酸マグネシウム,合成
シリカ,サチンホワイト,プラスチックヒグメント等を
単独に、は数種類組み合わせて使用することができ
る。また、塗工液に使用するバインダーとしてはデン
プン,ポリビニルアルコール,ラテックス等を単独に、
または数種類組み合わせて用いることができる。
【0032】また塗工方法としては一般に塗工紙製造に
使用される塗工装置、例えばブレードコータ,エアナイ
フコータ,ロールコータ,リバースロールコータ,バー
コータ,カーテンコータ,ダイスロットコータ,グラビ
アコータ等を用いオンマシン或いはオフマシンによって
原紙上に一層或いは多層に分けて塗被されるものであ
る。
【0033】以上、本発明者等は紙の表層部のみを可塑
化する手段として加熱或いは加湿によるカレンダー法を
種々検討をねた結果、低圧で軽度の加熱蒸気をグラビ
ア用紙の表面に付与し紙水分増加率が0.3〜1.2%と
なるようにし、紙表面を加湿且つ加熱した後、100〜
150℃の温度でソフトカレンダー処理することによ
り、従来の技術の様に静的平滑度を向上させなくても、
動的平滑度を向上させミスドットが少なく、網点再現性
を飛躍的に向上させることができることを認めた。更に
嵩高で、剛度,引張強度等強度特性も向上することも認
め、従来に無い優れた品質を有するグラビア用紙が得ら
れることを認めた。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。カレンダー処
理に、加熱装置を有するチルドロールと樹脂ロールの組
み合わせから成る2段ソフトニップを有する2スタック
のソフトカレンダー(南千住製作所(株)製,ロール面長
1050mm,ソフトロール硬度,ショアー硬度D89)を用
い、各ニップ前に、チルドロールに当たる側の紙表面に
蒸気が噴出される様に加湿装置(相川鉄工株式会社のス
チームフォイル)を設置し下記の実験を行なった。
【0035】実施例1 坪量62g/m2の原紙に、平均粒子径が0.7μmの炭
酸カルシウムを50重量部配合した塗被液を、片面13
g/m2の割合で両面塗工した塗工紙を用いてこれに使
用蒸気圧0.8kg/cm2,蒸気流量が50kg/Hr/m幅一
定条件下で蒸気を付与し、0.03秒後に各カレンダー
ニップに入る様にカレンダー処理した。その際カレンダ
ーロール温度は120℃で処理した。
【0036】実施例2 坪量125g/m2の非塗工上質紙を使用する以外は、
上記実施例1と全く同じ条件で蒸気を紙に付与しカレン
ダー処理した。
【0037】比較例1 カレンダーロール温度を70℃でカレンダー処理するこ
と以外は総べて上記実施例1と同条件でカレンダー処理
した。
【0038】比較例2 蒸気を全く使用せず、カレンダーロール温度を70℃で
カレンダー処理すること以外は総べて上記実施例1と同
条件でカレンダー処理した。
【0039】比較例3 カレンダーロール温度を70℃でカレンダー処理するこ
と以外は総べて上記実施例2と同条件でカレンダー処理
した。
【0040】 〈品質評価方法〉 ・白紙光沢度:JIS P−8142に従い角度75度で測定した。 ・静的平滑度:JAPAN Tappi No5 王研式平滑度試験機で測定した。 ・動的平滑度:パーカプリントサーフ表面粗さ(PPS)計(野村商事製PPS −78型)を用い、μ単位の粗さとして表示する。数値の小さい 方が動的平滑度が高い。
【0041】 ・剛性:JIS P−8143に従いクラークこわさ試
験機で測定した。 ・引張強度:JIS P−8114ショッパー型試験器
で測定した。 ・グラビア印刷適性: 熊谷理機工業社製グラビア印刷適性試験機を使用し、黒
インキを深さ35μmの版でベタ印刷した。 ミスドットの評価は、上記印刷試料1mm2当りのインキ
転移不良部の個数で評価した。網点再現性の評価は、光
学顕微鏡で見た5段階相対評価で示した。
【0042】
【0043】
【発明の効果】表から明らかな様に、従来の蒸気加湿カ
レンダー技術と異なり、紙に蒸気を付与し紙水分増加率
が0.3〜1.2%となるようにした後のカレンダー処理
条件を前記請求項に記述した如くカレンダー処理温度
を100〜150℃に規定しソフトカレンダー処理する
本発明の方法により、静的平滑度(王研式平滑度)が変
わらなくても動的平滑度が向上するため、ミスドットが
少なく、網点再現性に優れたグラビア用紙を製造し得
る。更に嵩高で、剛度,引張強度等強度特性も向上させ
得る。従って、本発明のグラビア用紙の製造方法により
製造されたグラビア用紙は、従来に無い優れた品質特性
が得られ、その製品価値か極めて大なるものがある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−160993(JP,A) 特開 昭62−177299(JP,A) 特公 昭47−38882(JP,B1) 国際公開90/12920(WO,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21G 1/00 - 9/00 D21H 11/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラビア用紙の製造方法に於いて、グラ
    ビア用紙のカレンダー処理直前に低圧で軽度の加熱蒸気
    紙水分増加率が0.3〜1.2%となるように付与し紙
    表面を加湿及び加熱した後、カレンダーロール温度が1
    00〜150℃範囲内でのソフトカレンダー処理を行な
    うことを特徴とするグラビア用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製造され
    たグラビア用紙が非塗工紙である非塗工グラビア用紙。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法により製造され
    たグラビア用紙が塗工量片面10〜20g/m2である
    塗工グラビア用紙。
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